JP5375154B2 - エンジンの燃焼室構造 - Google Patents

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Description

この発明は、エンジンの燃焼室構造に関する。
従来、燃焼効率を上げるために燃焼室内に複数の点火プラグを設ける多点点火エンジンの燃焼室構造が知られている。さらに特許文献1では、燃焼室壁面に沿って環状に形成され絶縁部材からなる環状ボディと、環状ボディの内周面に臨んで導電部と放電ギャップからなる複数の点火部とを有する環状点火プラグを燃焼室の壁面に嵌め込んで設ける燃焼室構造が示されている。
通常、燃焼室中央に点火プラグを設けたエンジンでの燃焼では燃焼室中心から燃え広がる火炎によって燃焼室外周縁のガスが圧縮されることで圧縮されたガスが高温になりノッキングが発生しやすくなる。ところが、上記のように環状ボディの内周面上に位置する1ヶ所の中心電極から放電点火によって、ノッキングが発生しやすい燃焼室の外周縁の複数個所への点火を行うことで上記ノッキングを防止可能としている。
特願2007−213242号
しかし、前述した従来のエンジンの燃焼室構造では、環状ボディとシリンダとの材料が異なるので使用温度域が変わると熱膨張率の違いによって環状ボディが応力の影響により劣化してしまうという可能性があった。
環状ボディの断面形状は矩形である。そして同様の矩形断面の溝がシリンダ側にも設けられ、溝に環状ボディを嵌め込んで組み付けている。冷間時の環状ボディとシリンダの寸法を基準に環状ボディをシリンダに組み付けると、温間時になると金属部材であるシリンダは膨張するがセラミック等の絶縁部材である環状ボディはシリンダよりも熱膨張率が小さく略変形しないので、環状ボディとシリンダとの間に隙間が生じる。環状ボディとシリンダとの隙間は燃焼室の直径方向、上下方向ともに生じる。このような隙間があると、エンジンの振動によって環状ボディがシリンダに衝突し劣化を促進する虞がある。また環状ボディに設けられた点火部の点火位置がずれてしまうと、シリンダ中心に対し燃焼の中心がずれてしまうという可能性もある。これによって燃焼がバラついて燃焼効率が低下する虞がある。
隙間の発生を防止する対策として、温間時に環状ボディとシリンダとの間に生じる隙間を考慮して、環状ボディをシリンダに圧入や締め付けで組み付けることが考えられる。しかし、環状ボディは断面の大きさに対して長さが燃焼室の内周分あるので、細長い形状である。よって圧環強度によっては座屈を起こす可能性がある。また逆に温間時の環状ボディとシリンダの寸法を基準に環状ボディをシリンダに組み付けることも考えられる。この場合には、冷間時になるとシリンダは収縮するが、環状ボディは略変形しないので、環状ボディがシリンダに圧迫される。このような圧迫があると、環状ボディの劣化を促進させる虞がある。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、シリンダ部材と環状ボディ部材との熱膨張率の違いによる不具合を防止するエンジンの燃焼室構造を提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、シリンダヘッド(41)とシリンダブロック(42)との合わせ面部分に燃焼室(10)に開口して形成され、ヘッド面(40h)、ブロック面(40b)及び側壁面(40s)のうちいずれか一面にテーパー面を有する環状溝(40)と、前記環状溝(40)に配置され、環状溝断面と同一断面形状をもち、組み付け時から温度が変化して熱膨張が起こっても前記環状溝の前記テーパー面が沿ってスライドするテーパー面を有する環状点火プラグ(20)と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、環状点火プラグを配置する環状溝をヘッド面、ブロック面及び側壁面とで構成し、構成面のうちいずれか一面にテーパー面を有する。これによりヘッド面とブロック面との間の距離又は側壁面と燃焼室の内周面との間の距離は、一定ではなく徐々に変化する。このため組み付けてから熱膨張が起こってもシリンダの環状溝が環状点火プラグのテーパー面に沿って移動する。よって環状溝のテーパー面と向かい合う面との間と、環状点火プラグとには隙間が生じにくい。そして環状点火プラグが定位置に保持されやすくなるので、環状点火プラグの劣化を防止する。
第1実施形態のエンジンの燃焼室構造を示す図である。 第1実施形態の環状点火プラグの構造図である。 第1実施形態の環状点火プラグと環状溝との作用を説明する図である。 第2実施形態の環状点火プラグと環状溝との作用を説明する図である。 第3実施形態の環状点火プラグの構造図である。 第3実施形態の環状点火プラグと環状溝との作用を説明する図である。
以下では図面等を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のエンジンの燃焼室構造を示す図である。図1(A)はエンジンの構造図、図1(B)は図1(A)の環状溝を含む部分を拡大した図である。
燃焼室10は、シリンダヘッド41と、シリンダブロック42と、ピストン33とで形成される。燃焼室10は、中心点火プラグ30の他に環状点火プラグ20が外周に設けられる。
燃焼室10は、本実施形態ではいわゆるペントルーフタイプが例示されている。ペントルーフ稜線には中心点火プラグ30が設けられる。ペントルーフ稜線を挟んで一方のルーフ(図1では右側のルーフ)には吸気バルブ31が設けられる。ペントルーフ稜線を挟んで他方のルーフ(図1では左側のルーフ)には排気バルブ32が設けられる。なおエンジンの当業者においては重力方向とは別に上死点/下死点という表現が使用される。水平対向エンジン等においては、必ずしも上死点が重力方向の上、下死点が重力方向の下になるとは限らないし、また仮にエンジンを倒立した場合には、上死点が重力方向の下、下死点が重力方向の上になる。本明細書においては、慣習にしたがい、上死点側を上、下死点側を下、とし、燃焼室10の上方をルーフ(天井)と表現する。
ピストン33は、燃焼室10をシリンダ壁面10aに沿って上下に往復運動する。上述した上死点とはピストン33が最上端にある位置、下死点とはピストン33が最下端にある位置をいう。
シリンダヘッド41は、燃焼室10のシリンダ天井面を構成する。シリンダヘッド41とシリンダブロック42との合わせ部分の内周側に環状に、燃焼室10に開口する環状溝40が設けられる。シリンダヘッド41とシリンダブロック42との合わせ部分の外周側には、シリンダヘッド側41の面41aとシリンダブロック側42の面42aとの間にガスケット43が設けられる。
シリンダブロック42は、燃焼室10のシリンダ壁面10aを構成する。シリンダブロック42は、シリンダヘッド41とともに環状溝40を形成する。そして環状溝40に環状点火プラグ20が配置される。
図1(B)に示すように、環状溝40は、シリンダ壁面10aに沿って燃焼室10に開口し、ヘッド面40hと、ブロック面40bと、側壁面40sと、で形成される。
ヘッド面40hは、シリンダヘッド41に設けられ、シリンダブロック42との合わせ面41aの内周側である。ブロック面40bは、ヘッド面40hと向き合ってシリンダブロック42に設けられ、傾斜角度θのテーパー面である。ブロック面40bの傾斜は、内周側ほどヘッド面40hとブロック面40bとの間の距離が小さくなるよう設けられる。傾斜角度θは、シリンダヘッド41及びシリンダブロック42の材料が熱膨張によって燃焼室10の直径方向と上下方向とに膨張する膨張量の比から算出する。燃焼室10の直径方向と上下方向との膨張量をそれぞれΔD、Δhとすると、環状溝40は燃焼室10の直径方向にΔD/2、上下方向にΔh、膨張する。ブロック面40bの傾斜角度θは、次の式により求められる。
Figure 0005375154
側壁面40sは、環状溝40の開口側と反対側に設けられ、ヘッド面40hに直交する。そして環状溝40を形成するヘッド面40h、ブロック面40b及び側壁面40sとは、それぞれ環状点火プラグ20の環状ボディ21の上面21b、下面21c及び外周面21dと隙間なく密着する。このとき環状溝40のブロック面40bは、環状ボディ21の下面21cとの合わせ面よりも内周側であって燃焼室の10の直径方向に距離d1のはみ出し部分を有するように設けられる。距離d1は、シリンダ壁面10aが熱膨張によって燃焼室10の外周側に移動する移動量(膨張量)であり、次の式で表わされる。
Figure 0005375154
ガスケット43は、シリンダヘッド41とシリンダブロック42との間に介在し、両者間をシールする。ガスケット43は、弾性部材である。
環状点火プラグ20は、環状溝40に嵌め込んで配置される。図2に示すように環状点火プラグ20は、環状ボディ21と、中心電極22と、導電部23と、アース24と、を含む。そして環状点火プラグ20は4つの点火部25a〜25dを有する。
環状ボディ21は、セラミックなどの絶縁性の材料で構成される。環状ボディ21の外周面21dの高さh2は、内周面21aの高さh1よりも大きい。環状ボディ21の下面21cは、環状溝40のブロック面40bと同様に傾斜角度θのテーパー面となる。
中心電極22は、たとえば白金(Pt)、イリジウム(Ir)などのように耐熱性及び導電性のある材料で構成された細長い棒状電極である。中心電極22の先端は、環状ボディ21の内周面21aに位置する。図示を省略するが中心電極22は、点火コイルに接続される。
導電部23は、たとえば白金(Pt)、イリジウム(Ir)などのように耐熱性及び導電性のある材料が環状ボディ21の内周面21aに蒸着処理されて長方形に形成される。本実施形態では4つの導電部23a〜23dが設けられる。この4つの導電部23a〜23dが中心電極22の先端を先頭として、環状ボディ21の内周面21aに所定間隔を開けて一列に設けられる。中心電極22の両側に位置する導電部23a,23dのうち一方の導電部23aは中心電極22に近接して放電ギャップ25aを構成する。他方の導電部23dは、一方の導電部23aよりも中心電極22から十分に離間している。このため中心電極22に電圧が印加されても、中心電極22と導電部23dとの間では放電しない。中心電極22の先端22aと環状ボディ21の上面21b及び下面21cとの距離は、中心電極22の先端22aと導電部23aとの距離に比べて十分大きい。互いに隣接する導電部23の間には、3つの放電ギャップ25b〜25dが形成される。3つの放電ギャップ25b〜25dのギャップ量は全て等しい。またそのギャップ量と略等しくなるように放電ギャップ25aが形成される。環状点火プラグ20においては、放電ギャップ25a〜25dのギャップ量の和、すなわちギャップ量の総和によってエネルギー量が決定される。
アース24は、中心電極22に印加された電圧をシリンダヘッド41に逃がす。アース24は、中心電極22の両側に位置する導電部23a,23dのうち中心電極22から離間した導電部23dに連続するように形成される。アース24は、導電部23と同様にたとえば白金(Pt)、イリジウム(Ir)などのように耐熱性及び導電性のある材料を蒸着処理することによって環状ボディ21の内周面21aから上面21bにかけて形成される。環状ボディ21の上面21bに貼り付けられた部分がシリンダヘッド41に接触することで、中心電極22に印加された電圧をシリンダヘッド41に逃がす。
点火部25とは、環状点火プラグ20に形成された放電ギャップ25a〜25dである。
このような構造の環状点火プラグ20を使用すれば、点火コイルのエネルギーを受けて各放電ギャップ25a〜25dで飛火し、多点点火することができる。
次に本実施形態の作用について図3を参照して説明する。図3(A)は熱膨張前の環状ボディ21と環状溝40との配置関係を示し、図3(B)は熱膨張後の関係を示す。
冷間時に組み付けする場合には、図3(A)に示すように環状点火プラグ20の環状ボディ21を環状溝40の側壁面40sに当接するよう配置する。このとき、シリンダ壁面10aは、環状ボディ21の内周面21aから燃焼室10の直径方向に距離d1だけ内周側に位置する。そして温間時になると熱膨張が起こる。シリンダ部材41,42の熱膨張率は大きく環状ボディ21の熱膨張率は小さい。環状ボディ21は略変形しないので、環状ボディ21を基準に相対変位で環状ボディ21と環状溝40との位置関係を表すと、図3(B)のようになる。図3(B)に示すように熱膨張によってシリンダヘッド41とシリンダブロック42とは燃焼室10の直径方向に距離ΔD/2だけ外周側に移動する。そしてシリンダ壁面10aは環状ボディ21の内周面21aと連続する同一面となり、環状溝40の側壁面40sは環状ボディ21の外周面21dとの間に隙間ΔD/2を生じる。また燃焼室10の上下方向にはシリンダブロック42が距離Δhだけ下がる。これら熱膨張による変位を考慮して環状溝40のブロック面40bの傾斜角度θを決定しているので、シリンダブロック42は環状溝40のブロック面40bと平行である太矢印の方向にスライドする。そして環状溝40のブロック面40bとヘッド面40hとはそれぞれ環状ボディ21の下面21cと上面21aとに常に当接する。
また温間時に組み付ける場合には、はじめに図3(B)のように配置する。すると冷間時に熱収縮して図3(A)に示すような配置関係となる。
本実施形態によれば、環状溝40のブロック面40bをテーパー面とし、その傾斜角度を熱膨張による膨張量を考慮して設定する。これにより組み付け時から温度が変化して熱膨張が起こっても環状溝40のブロック面40bのテーパー面が環状ボディ21の下面21cのテーパー面に沿ってスライドする。また環状溝40のヘッド面40hが環状ボディ21の上面21bに沿ってスライドする。よって環状溝40と環状ボディ21との間に上下方向の隙間が生じることはない。このとき燃焼室10の直径方向に隙間が生じても、テーパー面であるブロック面40bによって環状ボディ21が位置決めされて保持されるので、環状ボディ21がずれる心配はない。また環状ボディ21に余計な負荷をかけることなく保持するので、環状ボディの劣化は生じない。
そして環状ボディ21が定位置に保持されると、環状点火プラグ20の点火部25の位置が安定する。よって安定した燃焼が供給できる。
また環状溝40は、シリンダヘッド41とシリンダブロック42とからなる。これにより環状点火プラグ20の配置はシリンダブロック42の溝に嵌めてシリンダヘッド41を覆いかぶせればよい。よってシリンダヘッド41とシリンダブロック42とを組み付ける工程で容易に配置することができる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態の環状点火プラグと環状溝との作用を説明する図である。図4(A)は熱膨張前の環状ボディ21と環状溝40との配置関係を示し、図4(B)は熱膨張後の関係を示す。なお以下では前述した内容と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
図4(A)に示すように環状溝40を形成するヘッド面40h、ブロック面40b及び側壁面40sのうちヘッド面40hが傾斜角度θのテーパー面である。ヘッド面40hの傾斜は、内周側ほどヘッド面40hとブロック面40bとの間の距離が小さくなるよう設けられる。また側壁面40sはシリンダヘッド41とシリンダブロック42とからなる。
本実施形態の作用について説明する。図4(B)に示すように熱膨張によってシリンダヘッド41とシリンダブロック42とは燃焼室10の直径方向に距離ΔD/2だけ外周側に移動する。また燃焼室10の上下方向にはシリンダヘッド41が距離Δhだけ上がる。そして環状ボディ21を基準としてシリンダヘッド41は環状溝40のヘッド面40hと平行である太矢印の方向にスライドする。
本実施形態によれば、実施形態1が環状溝40のブロック面40bをテーパー面としたのに対し、相対するヘッド面40hをテーパー面とした。このため実施形態1と同様に環状溝40のブロック面40bとヘッド面40hとはそれぞれ環状ボディ21の下面21cと上面21aとに常に当接する。よって熱膨張が起こっても環状ボディ21の位置が保持されてずれることがない。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態の環状点火プラグの構造図である。図5(A)は環状点火プラグ20の平面図である。図5(B)は弾性構造部26を説明する図であり、図5(C)は図5(B)のC−C断面図である。また図6は、第3実施形態の環状点火プラグと環状溝との作用を説明する図である。図6(A)は熱膨張前の環状ボディ21と環状溝40との配置関係を示し、図6(B)は熱膨張後の関係を示す。
図5(A)に示すように環状点火プラグ20の円周を3等分する位置に弾性構造部26a,26b,26cを設ける。弾性構造部26は、弾性部材260と、環状ボディ側かしめ部261と、カバー262と、を含む。弾性部材260は導電性の板バネである。環状ボディ側かしめ部261も導電性である。図5(B)に示すように環状ボディ側かしめ部261は、一端が環状点火プラグ20の導電部23と連続していて、他端を弾性部材260とかしめている。そして図5(C)に示すように弾性部材260の外周にカバー262が設けられる。弾性部材260の外側又はカバー262の内側は絶縁処理が施されている。カバー262は環状点火プラグ20の外周側の面がテーパー面となる。カバー262に収められる弾性部材260及びボディ側かしめ部261もカバー262の形状に沿ってテーパー面を有する。
図6(A)に示すようにシリンダヘッド41側に環状溝40の側壁面40sが設けられる。側壁面40sは傾斜角度θのテーパー面である。側壁面40sの傾斜は、上側ほどシリンダ壁面10aの延長面と側壁面40sとの距離が大きくなるよう設けられる。傾斜角度θは、燃焼室10の直径方向と上下方向との膨張量(ΔD/2,Δh)に加えて、弾性部材260の弾性特性も考慮して設定する。また環状ボディ21の内周面21aはシリンダ壁面10aと同一面上に配置される。
本実施形態の作用について説明する。図5(A)に示すように熱膨張が起こると弾性構造部26は環状点火プラグ20の円周に沿って矢印Aの方向に延びる。矢印Aの力を受ける環状ボディ21はセラミック等の絶縁部材で略変形しないので、矢印Aの力は環状ボディ21を外周方向に拡げる矢印Bの力に変換される。
次に図6を参照して説明する。冷間時に組み付けする場合には、図6(A)に示すように環状点火プラグ20は環状溝40に隙間なく配置される。そして温間時に熱膨張が起こると、シリンダ部材41,42と環状点火プラグ20との間には材料の熱膨張率の差によって隙間が生じる。このとき環状点火プラグ20の弾性構造部26が膨張し、上述したように矢印Bの力が環状点火プラグ20に生じる。そして環状点火プラグ20は外周に向かって拡がる。環状溝40の側壁面40sの傾斜角度θはこれら熱膨張による各部材の変位を考慮して設定しているので、図6(B)に示すように環状点火プラグ20は側壁面40sと平行である太矢印の方向にスライドして、環状溝40の膨張に追従する。
本実施形態によれば、熱膨張によって環状溝40が膨張すると、環状点火プラグ20は弾性構造部26が円周方向に延びようとし、その力が環状ボディ21を外周方向に拡げる力となる。これによって環状点火プラグ20には常に環状溝40のヘッド面40hと側壁面40sとを押圧する力が均一に働く。よって環状点火プラグ20は、熱膨張が起こっても環状溝40の上部外周側に保持されるので、ずれることなく安定した燃焼を供給できる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、シリンダ部材に対する環状点火プラグの配置構造だけでなく、熱膨張率に差がある複数の部材間の配置にテーパー面を設けることは有効である。また実施形態1,2においてシリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面に介在するガスケットは環状点火プラグまで延長していないが、実施形態3のようにガスケットを環状点火プラグまで延長しても問題ない。また実施形態3に示した弾性部材の板バネは、かしめ部の間をひと山の形状としたが、これに限らずふた山としても、山の方向を変えてもよい。
10 燃焼室
20 環状点火プラグ
40 環状溝
40hヘッド面
40bブロック面
40s側壁面
41 シリンダヘッド
42 シリンダブロック

Claims (4)

  1. シリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面部分に燃焼室に開口して形成され、ヘッド面、ブロック面及び側壁面のうちいずれか一面にテーパー面を有する環状溝と、
    前記環状溝に配置され、環状溝断面と同一断面形状をもち、組み付け時から温度が変化して熱膨張が起こっても前記環状溝の前記テーパー面が沿ってスライドするテーパー面を有する環状点火プラグと、
    を備えるエンジンの燃焼室構造。
  2. 前記テーパー面は、前記ブロック面に形成され、内周側ほど前記ヘッド面と前記ブロック面との間の距離が小さくなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃焼室構造。
  3. 前記テーパー面は、前記ヘッド面に形成され、内周側ほど前記ヘッド面と前記ブロック面との間の距離が小さくなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃焼室構造。
  4. 前記テーパー面の傾斜角度θは、前記シリンダヘッド及び前記シリンダブロックの材料が燃焼室の直径方向と上下方向とに膨張する膨張量をそれぞれΔDとΔhとし、以下の数式(1)により算出される、
    Figure 0005375154
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のエンジンの燃焼室構造。
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