JP2007083370A - 被覆部材、被覆部材の被覆方法 - Google Patents

被覆部材、被覆部材の被覆方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 被覆部材の摺動特性、耐摩耗性を改善すること、またこの被覆部材の被覆方法を提供することである。
【解決手段】 被覆部材に被覆された皮膜は金属等の窒化物、炭化物、硫化物、硼化物、酸化物の何れか又はそれらの固溶体又は混合物であり、該皮膜表面にある粒子状付着物の組成は、(金属元素)x(非金属元素)y、但し(y/x)をRとした時、0<R≦0.4、であり、該粒子状付着物の面積率は、直径が0.1μm以上の該粒子状付着物につき、該皮膜表面の任意に選択される1000μmの範囲内に5%以下であることを特徴とする被覆部材及びその被覆方法である。
【選択図】 なし

Description

本願発明は、超硬合金、サーメット、高速度鋼、ダイス鋼等を基体とし、例えば金属等の窒化物、炭化物、硫化物、硼化物、酸化物を被覆した被覆部材、被覆部材の被覆方法に関する。
被覆過程で不可避的に混入するドロップレット若しくはマクロパーティクルの低減化技術は、特許文献1から5に開示されている。特許文献1は、コーティング層の表面に存在する直径5μm以上のマクロパーティクルが、10個/mm2以下とする技術が開示されている。特許文献2は被覆穴あけ工具の外周マージン部の算術平均粗さRa値を規定する技術が開示されている。特許文献3は、粒子状付着物を機械的に除去し、皮膜表面の耐摩耗性を改善する技術が開示されている。特許文献4は、粒子状付着物が生じないような成膜方法として、ホロカソード法とマグネトロンスパッタ法を併用する技術が開示されている。特許文献5は、被膜の表面において、高さ0.5μm以上の突起の個数を規定した被覆工具に関する技術が開示されている。
特開2004−345078号公報 特開2005−22064号公報 特開2005−1088号公報 特開2004−285440号公報 特許3633837号公報
物理蒸着被覆過程で不可避的に混入する粒子状付着物は、ドロップレット若しくはマクロパーティクルと呼ぶ場合もあるが、粒子状付着物は皮膜表面の面粗度を低下させ、皮膜の潤滑特性や摩耗特性を劣化させる。その結果、切り屑の排出性低下による工具の折損や局部摩耗を誘発し、近年の高精度加工に於いては問題点である。そこでこれら問題点に対して改善の検討がなされている。
しかし、摺動特性を改善するために、皮膜表面の粒子状付着物の制限、皮膜表面の面粗度の規定では十分に摺動特性を改善することができず、摩耗環境において耐摩耗性が改善されない。ここ言う、粒子状付着物はドロップレットもしくはマクロパーティクルと呼ぶ場合もある。また、被覆後に粒子状付着物を機械的に除去する方法では、効率が悪くなることに加え、被覆部材が複雑形状もしくは小型化、小径化することに対応できない課題を有する。更に、金属成分がリッチな粒子状付着物は、特に鉄系の被加工物との親和性が高いため、硬質皮膜表面への溶着が著しく、仕上げ面精度の低下や加工面の白濁が発生し易く、仕上げ加工品位の低下に課題を有する。この現象は皮膜の耐剥離性を低下させる要因である。皮膜の粒子状付着物の成分に関して言及された改善検討はなされてはいない。
本願発明の課題は、被覆部材の摺動特性、耐摩耗性を改善すること、またこの被覆部材の被覆方法を提供することである。
本願発明は、被覆部材に被覆された皮膜は金属等の窒化物、炭化物、硫化物、硼化物、酸化物の何れか又はそれらの固溶体又は混合物であり、該皮膜表面にある粒子状付着物の組成は、(金属元素)x(非金属元素)y、但し(y/x)をRとした時、0<R≦0.4、であり、該粒子状付着物の面積率は、直径が0.1μm以上の該粒子状付着物につき、該皮膜表面の任意に選択される1000μmの範囲内に5%以下であることを特徴とする被覆部材である。本構成を採用することによって、被覆部材の摺動特性、耐摩耗性を改善することができる。
本願発明の被覆部材について、皮膜を構成する少なくとも1層が、金属元素としてAl、Ti、Cr、Si、Nb、Mo、B、Wの少なくとも2種以上を有し、皮膜表面の粒子状付着物の数は、直径が0.1μm以上の該粒子状付着物につき、該皮膜表面の任意に選択される1000μmの範囲内に100個未満であることが好ましい。被覆部材の被覆方法は、物理蒸着法を採用し、スパッタリング(以下、MS法と記す。)法により被覆することが好ましい。
本願発明の被覆部材は、皮膜表面の摺動特性、耐摩耗性を改善した。例えば本願発明の被覆部材を切削工具に適用した場合、被加工物の仕上げ精度向上、工具の折損、局部摩耗を著しく低減させることが可能であり、近年の高精度加工に於いても、飛躍的に工具寿命を改善することができ、生産性向上並びにコスト低減に有効である。
本願発明の被覆部材は、被覆された皮膜が金属等の窒化物、炭化物、硫化物、硼化物、酸化物の何れか又はそれらの固溶体又は混合物であり、該皮膜表面の金属元素を含有した粒子状付着物を制限することによって、基体と皮膜との密着性、摺動特性、耐摩耗性を改善することができる。皮膜表面の金属元素を含有した粒子状付着物のR値が、0<R≦0.4、である場合、金属成分リッチな粒子状付着物となる。この粒子状付着物に対して、皮膜のR値は0.4を超えるものであり、0.45以上である。金属リッチな粒子状付着物の面積率は、直径が0.1μm以上の該粒子状付着物につき、皮膜表面の任意に選択される1000μmの範囲内に5%以下とすることによって、皮膜の密着性、摺動特性、耐摩耗性を改善する。例えば、摩擦環境下における鋼に対する摩擦係数は、安定して低い摩擦係数を示す。これは、皮膜表面の鉄の凝着が減少するためである。一方、金属リッチ粒子状付着物の面積率が5%を超える場合は、鉄の凝着が著しく摩擦係数が増加する。ここで、金属リッチな粒子状付着物の直径を0.1μm以上に規定する技術的な意味は、0.1μm未満の金属リッチな粒子状付着物は、耐摩耗性の観点からほとんど影響を及ぼさないことが確認されているためである。
本願発明の金属リッチな粒子状付着物の面積率を規定する部位は、被加工物に接する部材表面のうち、どの部位であってもその効果を発揮することができ、必ずしも部材全体にわたって本願発明を満足する必要もない。例えば、切削工具においては、逃げ面、すくい面の一部において満足する場合に効果がある。
本願発明の皮膜表面に存在する金属リッチ粒子状付着物の数は、直径が0.1μm以上について、皮膜表面の任意に選択される1000μmの範囲に100個未満である場合、特に優れた耐摩耗効果を発揮するため好ましい。皮膜表面の任意に選択される1000μmの範囲に、100個以上の場合、金属リッチ粒子状付着物の直径が小さくても、鉄の凝着が増加する傾向にあるからである。
本願発明の被覆部材は、エンドミル、ドリル、リーマ、ルーター、カッター、クリスマスカッター、ブローチ、刃先交換型切削インサート等の切削工具が好適である。これらの被覆部材は特に耐摩耗性の改善効果が大きく工具寿命が向上する。特に、該切削工具が転削工具であり、その部材直径が1mm未満の工具において、耐摩耗性の改善が著しく好ましい。本願発明の皮膜表面のうち、切れ刃近傍を機械的な方法により、平滑化することも切削工具のチッピングや異常摩耗抑制に効果があり好ましい。本願発明の物理蒸着による皮膜の被覆方法は、表面平滑性及び潤滑性の観点からMS法であることが好ましい。フィルター方式アークイオンプレーティング法(以下、FAIP法と言う。)、プラズマ化学蒸着法(以下、PCVD法と言う。)との組み合せにより被覆することもできる。以下、本願発明を実施例に基づいて説明するが、本願発明は下記実施例に限定されるものではなく、使用分野により適宜変更することができる。
基体として、Co含有量:8重量%、Cr含有量:0.7重量%、VC含有量:0.2重量%、硬度がHRA94.2の超硬合金を用い、エンドミル、ドリルを作製した。基体は脱脂洗浄を実施し、MS装置の容器内の冶具に配置した。冶具は3回転/分で自公転する。基体の温度は550℃となるよう加熱及び排気を行った。Arガスを容器内に導入し、容器内に設けられたカソード電極とアノード電極の間で放電することによってArのイオン化を行った。同時に基体にパルス状のバイアス電圧を印加した。このパルス状のバイアス電圧は、負バイアス電圧が200V、90%、正バイアス電圧が0V、10%、周波数を20kHzとした。イオン化されたArは基体に衝突し、基体のクリーニング、活性化処理を行った。この時、基体のクリーニング効率や活性度をより高めるためにXe、Kr、H等を複合的に用いることも有効である。Ar、Kr、反応ガスとして窒素を容器内に導入し、全体の圧力を0.6Pa、バイアス電圧を−80Vに設定した。容器内に複数配置したMS蒸発源に設置された皮膜の金属成分となるターゲット1個あたり4kWの電力を供給し、ターゲット上で放電を行い、パルス状のバイアス電圧が印加された基材に約3μmの硬質皮膜の形成した。このとき必要に応じ組成の異なる層との積層膜とすることも可能である。N、C、O、B、Sを硬質皮膜内に含有させる手段としては、導入ガスとして添加する以外にも、ターゲットに添加する方法、成膜圧力レベル、窒素との混合ガスとして添加することも可能であり、ガスとして添加するよりも安定して硬質皮膜内へ添加することができる。ターゲットには、原子%比でAl/Ti=55/45のターゲットを設置し、(AlTi)Nを3μmの皮膜を被覆し、これにより作成した試料を本発明例1とした。表1に本発明例1の皮膜組成、膜厚、成膜方法、R値、金属リッチ粒子状付着物の面積率、数、硬度、層構造等を示す。表1に示す様に、種々組成、膜厚等に変更を施した本発明例2から26を作成した。これらは特に断りがない限り、本発明例1に準ずる方法により作成した。
比較例も表1に併記する。比較例のうちAIP法による被覆方法を述べる。上記ボールエンドミル、ドリルは脱脂洗浄を実施し、AIP装置の容器内の冶具に配置した。冶具は3回転/分で自公転する。基体の温度は550℃となるよう加熱及び排気を行った。Arガスを容器内に導入し、容器内に設けられたカソード電極とアノード電極の間で放電によってArのイオン化を行った。同時に基体に200Vの負バイアス電圧を印加した。イオン化されたArは基体に衝突し、基体のクリーニング、活性化処理を行った。窒素ガスを容器内に導入し、全体の圧力を3Pa、バイアス電圧を−70Vに設定した。容器内に複数配置したAIP蒸発源に設置された耐摩耗皮膜の金属成分となるターゲット1つあたり150Aの電流を供給し、ターゲット上でアーク放電を行い、バイアス電圧が印加された基材上に総厚で約3μmの硬質皮膜の形成を行った。ターゲットには、原子%比でAl/Ti=55/45のターゲットを設置し、(AlTi)Nを3μmの皮膜を被覆し、これを比較例27とした。
金属リッチ粒子状付着物の面積率を規定する手法は、図1に本発明例6の(AlTi)N皮膜の任意に選択した1216μmの走査電子顕微鏡写真を示す。図1には複数の粒子状付着物が存在することが認められる。図1の視野において、粒子状付着物のうち、R値が0<R≦0.4の範囲にあるものを決定するには、粒子状付着物を電子線プローブ微小部分析法、X線光電子分光分析法、エネルギー分散型X線分析法等により定性、定量分析することにより判定できる。本願発明では、金属リッチ粒子状付着物の面積率を決定するために、Media Cybernetics,L.P.社製のImage−Pro Plus The Proven Solution Version 3.0.01.00 For Windows 95/NT(登録商標)を用いた。
粒子状付着物の直径の算出方法は、以下の様にして求めた。第1に、走査電子顕微鏡写真に写された略円形状をした粒子状付着物について、その中心付近を通る直線を引いた。第2に、この直線が略円形状の輪郭線と交わる2点を求め、この2点間の距離を測定した。第3に、上記第1、第2の方法を同一の粒子状付着物について3回行い、その測定値の平均値から粒子状付着物の直径を算出した。このようにして求めた粒子状付着物の直径の値が0.1μm以上のものについて、その面積を測定した。図2に図1の走査電子顕微鏡写真における金属リッチ粒子状付着物を白抜きで示した。
本願発明の金属リッチ粒子状付着物の面積率、金属リッチ粒子状付着物の数、金属リッチ粒子状付着物の平均直径、該皮膜内の酸素含有量は被覆条件、ターゲット組成及び製法、被覆前処理により総合的に決定されるものである。本願発明においては、成膜中に不活性ガスとしてAr以外にKrを用いた場合、及びパルス状のバイアス電圧を印加した場合に、金属リッチ粒子状付着物が減少する傾向にあった。またAr、Kr、N2のガス圧比に関しては、金属リッチ粒子状付着物の平均直径に影響を及ぼした。
本発明例1から26、比較例27から30の皮膜について、切削評価を実施した。切削評価条件を以下に示す。切削評価結果は、逃げ面摩耗幅が0.1mmに達した時、もしくは不安定な加工状態に達した時の切削長、開口穴数を切削寿命として示した。ここで、不安定な加工状態とは、例えば火花発生、異音、加工面のむしれ、焼け、折損等などの状態になったことを言う。表1では、10m又は10穴以下を切り捨てて表示した。
(切削試験1)
工具:R0.1mm、2枚刃ボールエンドミル
切削方法:底面超高速仕上げ加工
被削材:冷間ダイス鋼、HRC60
切り込み:軸方向、0.01mm、径方向、0.01mm
主軸回転数:50kmin−1
テーブル送り:1m/min
切削油:無し、ドライ切削
(切削試験2)
工具:R5mm、2枚刃ボールエンドミル
切削方法:底面超高速仕上げ加工
被削材:冷間ダイス鋼、HRC60
切り込み:軸方向、0.01mm、径方向、0.01mm
主軸回転数:30kmin−1
テーブル送り:5m/min
切削油:無し、ドライ切削
(切削試験3)
工具:φ6mm、2枚刃ソリッドドリル
切削方法:止まり穴加工
被削材:SCM440、HRC30
切削速度:150m/min−1
送り速度:0.1mm/rev
切削油:水溶性切削液の外部給油
本発明例1と比較例27、本発明例10と比較例28、本発明例19と本発明例29を比較する。これらはほぼ同一組成であるが、AIPで被覆した比較例27、28、29は金属リッチ粒子状付着物の面積率が5%以上であった。また、その数も多く、面粗さの数値が大きくなった。その結果、摩擦抵抗が増大し、被加工物が皮膜表面に多数付着して耐摩耗性が劣る結果となった。一方、本発明例1、10、29は切削試験1の小径エンドミル及び切削試験3のドリル加工において顕著に工具寿命に優れる結果となった。本発明例1から本発明例5、比較例30を比較する。皮膜表面の任意に選択される1000μmの範囲に存在する0.1μm以上の直径を有した金属リッチ粒子状付着物の面積率が変化した場合の工具性能を比較することができる。特に切削試験1においては金属リッチ粒子状付着物の面積率が増加するに従い、皮膜表面に凝着が発生する傾向にあり加工面品位の低下し、切削寿命も急激に低下した。切削試験2及び3においても同様な傾向を示した。比較例30のように面積率が5%を超えると、比較例27に対して何ら改善の効果が無かった。これらに示すように、金属リッチ粒子状付着物の面積率を本願発明の範囲に設定することが重要であると同時に、皮膜表面の任意に選択される1000μmの範囲に存在する0.1μm以上の直径を有した金属リッチ粒子状付着物の数についても重要である。本発明例1から5及び比較例27、30を比較すると、皮膜表面に存在する金属リッチ粒子状付着物の数は、皮膜表面の任意に選択される1000μmの範囲に、100個未満であることが好ましい。本発明例1と本発明例6を比較する。ここでは皮膜の酸素含有の有無について比較することができる。酸素を含有した方が切削寿命に優れ好ましい。
本発明例1、本発明例7、本発明例8を比較する。ここでは金属リッチ粒子状付着物の皮膜硬度について比較することができる。本発明例8の工具寿命が他より劣ることから、皮膜硬度が30GPa以上、60GPaの範囲にあることが好ましい。本発明例9、本発明例15は皮膜の組成が(TiSi)Nの場合、本発明例10は(AlTiSi)Nの場合、本発明例11は(AlCr)Nの場合、本願発明例12は(AlCrSi)Nの場合、本発明例13は(SiW)Nの場合、本発明例14は(SiCrTi)Nの場合、本発明例16は(TiB)(NO)の場合、本発明例17は(SiB)(CN)の場合、本発明例18は、SiAlCrNOの場合、本発明例19の場合は(SiNb)Nの場合、本発明例20は(SiCrB)N)の場合、本発明例21は(SiB)(NCO)の場合、本発明例22は(SiAl)(NO)の場合、本発明例23は(SiTiMo)(NOS)の場合を示す。これらは何れも比較例27、比較例28、比較例29に比べて、耐摩耗性に優れた効果を示した。特に本発明例23の(SiTiMo)(NOS)の被覆方法は、被覆装置内に複数配置したターゲットのうちSiTiターゲットとMoS2ターゲットを設置した蒸発源を同時に稼動させて、成膜を行った。この場合、SiTi組成が高濃度に含有する層と、MoS組成が高濃度に含有する層の積層膜となっていると考えられる。本発明例24は、基体にVを含有しない場合を示す。本発明例1と比較すると、Vを含有した方が耐摩耗性に優れる結果を示した。本願発明の皮膜との密着性が向上することにより相乗効果が現れ、耐摩耗性を改善した結果である。基体のV含有量、Cr含有量が2.6重量%以上含有する場合は、切削初期でチッピングが発生し、耐摩耗性の評価ができなかった。本発明例25は、FAIP法により被覆した場合、本発明例26は、FAIP法とPCVD法との複合プロセスにより被覆した場合を示す。同様に耐摩耗性に優れる結果となった。
図1は、本発明例6の走査電子顕微鏡写真を示す。 図2は、図1の金属リッチ粒子状付着物を白抜きで示した。

Claims (4)

  1. 被覆部材に被覆された皮膜は金属等の窒化物、炭化物、硫化物、硼化物、酸化物の何れか又はそれらの固溶体又は混合物であり、該皮膜表面にある粒子状付着物の組成は、(金属元素)x(非金属元素)y、但し(y/x)をRとした時、0<R≦0.4、であり、該粒子状付着物の面積率は、直径が0.1μm以上の該粒子状付着物につき、該皮膜表面の任意に選択される1000μmの範囲内に5%以下であることを特徴とする被覆部材。
  2. 請求項1に記載の被覆部材において、該皮膜の少なくとも1層が、金属元素としてAl、Ti、Cr、Si、Nb、Mo、B、Wの少なくとも2種以上を有することを特徴とする被覆部材。
  3. 請求項1、2の何れかに記載の被覆部材において、該皮膜表面の該粒子状付着物の数は、直径が0.1μm以上の該粒子状付着物につき、該皮膜表面の任意に選択される1000μmの範囲内に100個未満であることを特徴とする被覆部材。
  4. 請求項1に記載の被覆部材において、該皮膜の被覆方法がスパッタリング法であることを特徴とする被覆部材の被覆方法。
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