JP2007081016A - 半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、半導体レーザの半導体積層部の構造を変更することなく、長時間の動作(高温エージング試験)によりCOD破壊に至るまでの時間を長くして長寿命化することができる高出力動作可能な半導体レーザを提供する。
【解決手段】半導体基板1上に活性層22を含む半導体積層部2が積層され、活性層22からの光を出射する出射端面部3に接するように半導体積層部2の実効屈折率よりも大きな屈折率を有する誘電体膜4が形成され、誘電体膜4上に出射端面コーティング膜5を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、CD、DVD(デジタル多用途ディスク;digital versatile disk)、DVD−ROM、データ書き込み可能なCD−R/RW、DVD−R/RAMなどのピックアップ光源に用いるのに特に適した半導体レーザに関する。さらに詳しくは、高出力用でもCOD破壊出力が高く、長寿命化できる半導体レーザに関する。
近年、光ディスクの高密度化、書込み速度向上のため、780nm帯の赤外高出力半導体レーザや650nm帯の赤色高出力半導体レーザなどがピックアップ光源として用いられている。これら高出力半導体レーザは、出力を増加させるため半導体レーザの出射端面側の端面の反射率を下げる構成としている。この構成により、出射端面部の光密度を下げることでCOD破壊出力をあげ高出力を実現している(特許文献1参照)。
具体的には、図3に示されように、半導体基板51上にストライプ状の発光領域が形成されるように活性層を含む半導体層が積層されて半導体積層部52が形成され、積層面およびストライプ形成面に垂直面に劈開などにより出射端面部53が設けられる。そして、出射端面部53に反射率が2〜10%程度になるように膜厚を制御し形成されたAl23やSiO2などの低屈折率材料からなる端面コーティング膜55が形成されて出射端面部53での反射率が調整される。さらに出射端面の反対面に反射率が80〜90%程度になるように、Al23やSiO2などの低屈折率材料とアモルファスシリコン、TiOx、ZrOxなどの高屈折率材料とが交互に積層された端面コーティング膜56が形成された後、さらにダイシングなどによりチップ化されている。その際、半導体基板51および半導体積層部52に接するようにp側およびn側電極57、58が設けられる。
特開昭60−107882号公報(図1)
近年の市場動向によれば、光学系の部品点数削減によるコストダウンが進み、その影響により光源である半導体レーザに光のロスが生じることになり、半導体レーザ自体の高出力化が必要となる。そこで、半導体レーザの半導体積層部の構造を変更して初期のCOD(瞬時光学損傷)破壊出力自体を高めることで高出力化を図ることが考えられるが、構造を変更することにも限界がある。また、従来の構造では、高出力での長時間の動作(高温エージング試験)によりCOD破壊出力の時間に対する低下度合いが急峻であり、さらに高出力化を図ろうとすると破壊に至るまでの時間が極めて短時間となり信頼性が低下し実用化できないという問題がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、半導体レーザの半導体積層部の構造を変更することなく、長時間の動作(高温エージング試験)に対してもCOD破壊に至るまでの時間を長くして長寿命化することができる高出力動作可能な半導体レーザを提供することを目的とする。
本発明者らは、半導体レーザ光の出射端面部に、出射端面コーティング膜を備える780nm帯の赤外高出力用半導体レーザを高温(たとえば70℃)で高出力(たとえば250mW)の加速寿命試験を実施したところ、10〜100時間という短い時間で破壊が生じた。そこで、その原因について、鋭意検討を重ねて調べた結果、従来の構成では半導体積層部の実効屈折率よりも遥かに小さい屈折率を有する材料からなる出射端面コーティング膜が直接出射端面部に接しているため、出射端面部での光密度が大きくなってしまうことに起因していることを見出した。
すなわち、出射端面部の反射率を低減させるには、一般的に光導波層の実効屈折率よりも遥かに小さい低屈折率材料を出射端面コーティング膜とすることが好ましい。そして、このような膜を用いると光導波層内の光密度分布は出射端面部方向にかけて確かに小さくなっていくが、光導波層の実効屈折率と出射端面コーティング膜の屈折率が相違することから生じる位相の関係により、ちょうど出射端面部で光密度が大きくなり、出射端面部で設計している値にまで光密度が低下していない。そのため、加速寿命試験を行うと、出射端面部での光密度が大きいことに起因し、出射端面部での劣化が激しく、時間とともに急激にCOD破壊出力が低下してしまい破壊に至るということを見出した。
そこで、出射端面部での光密度を低減するための検討をした結果、出射端面部と出射端面コーティング膜との間で、出射端面部に接するように光導波層の実効屈折率よりも大きな屈折率を有する材料の誘電体膜を挿入することにより、従来の低反射率の出射端面コーティング膜を用いても、屈折率の相違から生じる出射端面部での光密度が大きくなることを防止し、加速寿命試験によるCOD破壊出力の急激な低下を防止し得ることを見出した。
そこで、本発明の半導体レーザは、半導体基板上に積層される活性層を含む半導体積層部と、該活性層で発生する光を出射する出射端面部と、該出射端面部に出射端面コーティング膜とを備える半導体レーザにおいて、前記出射端面部と前記出射端面コーティング膜との間で該出射端面部に接するように、光導波層の実効屈折率よりも大きな屈折率を有する誘電体膜を備えることを特徴とする。
ここに実効屈折率とは、活性層・クラッド層からなる光導波層において、導波光が平均的に感じる屈折率をいう。
さらに、検討を進めた結果、誘電体膜として光導波層の実効屈折率よりも大きな屈折率を有する材料を用いた場合であっても、エージング試験によるCOD破壊出力の急激な低下は免れるものの、初期のCOD破壊出力が従来よりも低下する場合があることが判明した。さらに本発明者は鋭意検討を加え、かかる原因が誘電体膜によっては、活性層で発生した光を誘電体膜で吸収し、出射端面部での温度上昇を引き起こすことに起因していること、およびこれを回避するために誘電体膜を薄膜化することで吸収される度合いを小さくし初期のCOD破壊出力の低下を防止し得ることを見出した。
そこで、本発明のモノリシック型半導体レーザは、さらに該誘電体の膜厚が10Å以上40Å以下であることを特徴とする。具体的には、前記活性層で発生する光の発振波長が600nmから800nmの間で、かつ前記誘電体膜が屈折率4以上のアモルファスシリコン膜からなる。
本発明によれば、光導波層の実効屈折率よりも大きい誘電体膜を出射端面部と出射端面コーティング膜との間で、出射端面部に接するように設けているため、出射端面部での反射率を低減するために出射端面コーティング膜として光導波層の実効屈折率よりも小さい屈折率を有する材料を用いた場合でも、出射端面部での光密度は小さい値をとることになり、出射端面部での光密度増大を防止し、高温エージング試験によるCOD破壊に至るまでの時間的劣化度合いを緩やかにでき、非常に長時間高出力動作を行っても破損することが無く、高出力かつ信頼性の高い半導体レーザが得られる。
また、誘電体膜の膜厚が10Å以上40Å以下とすることにより、活性層で発生した光の一部を誘電体膜で吸収する場合であっても、初期のCOD破壊出力の低下を抑えることができ、信頼性の高い半導体レーザが得られる。
さらに、600nmから800nmの間で、かつ前記誘電体膜が屈折率4以上のアモルファスシリコン膜を使用することにより、誘電体膜での吸収をさらに低減することができ、より初期のCOD破壊出力の低下を抑えることができ、信頼性の高い半導体レーザが得られる。
つぎに、図面を参照しながら本発明の半導体レーザについて説明をする。本発明による半導体レーザは、たとえば図1にその一実施形態のチップの斜視説明図および断面説明図が示されるように、半導体基板1上に活性層22を含む半導体積層部2が積層され、活性層22からの光を出射する出射端面部3に接するように半導体積層部2の実効屈折率よりも大きな屈折率を有する誘電体膜4が形成され、誘電体膜4上に出射端面コーティング膜5を備えている。
この種の半導体レーザとしては、半導体積層部2として、赤外光である780nm波長用のAlGaAs系化合物半導体や、赤色光である650nm波長発光用のInGaAlP系化合物半導体が用いられ、これらの半導体材料を積層するための半導体基板1としては、GaAs基板が一般的に用いられるが、他の化合物半導体でも構わない。また、半導体基板1の導電形は、半導体レーザを組み込むセットとの関係で、基板側に望まれる導電形のn形またはp形のいずれかが用いられ、この基板1の導電形にしたがって、積層される半導体層の導電形も定まる。以下の具体例では、半導体基板1がn形の例で説明する。
半導体積層部2としては、図1(b)に示されるように、n形クラッド層21、ノンドープまたはn形もしくはp形の活性層22およびp形のクラッド層23、リッジ状にエッチングされたp形クラッド層23のリッジ部11の両側に埋め込まれたn形の電流狭窄層24、n形電流狭窄層24ならびにp形クラッド層23上に積層されるp形コンタクト層25とからなっている。なお、図1(b)は図1(a)を出射方向からみた断面説明図である。
具体的には、n形GaAs基板1を、たとえばMOCVD(有機金属化学気相成長)装置内に入れ、反応ガスのトリエチルガリウム(TEG)もしくはトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMIn)、ホスフィン(PH3)、アルシン(AsH3)および半導体層の導電形に応じて、n形ドーパントガスとしてのSiH4またはp形ドーパントとしてジメチル亜鉛(DMZn)もしくはビスメチルシクロペンタジエニルベリリウム((MeCp)2Be)の必要な材料をキャリアガスの水素(H2)と共に導入し、500〜700℃程度で各半導体層をエピタキシャル成長することにより前述の各半導体層の積層構造が得られる。
n形クラッド層21は、たとえばAlx1Ga1-x1As(0.4≦x1≦0.7、たとえばx1=0.5)からなり、1〜10μm程度に形成され、活性層22は、Aly1Ga1-y1As(0.05≦y1≦0.2、たとえばy1=0.15)のバルク構造またはAly2Ga1-y2As(0.04≦y2≦0.2、たとえばy2=0.1)からなるウェル層とAly3Ga1-y3As(0.1≦y3≦0.5、y2<y3、たとえばy3=0.3)からなるバリア層との単一もしくは多重量子井戸(SQWまたはMQW)構造により、全体で0.04〜0.2μm程度に形成され、p形クラッド層23は、Alx2Ga1-x2As(0.4≦x2≦0.7、たとえばx2=0.5)からなり0.1〜3.5μm程度に形成されている。なお、活性層22とクラッド層21、23との間に光ガイド層を設ける構造や、クラッド層23内に、エッチングストップ層を設ける構造など、他の半導体層がいずれかの層間に介在されてもよい。また、p形クラッド層23上にp形GaAsなどからなるキャップ層が設けられてもよい。そしてp形クラッド層23の両側がエッチングされてリッジ部11が形成され、その両側に、たとえばAlzGa1-zAs(0.5≦z≦0.8、たとえばz=0.6)からなるn形電流狭窄層24がリッジ部11の横を埋めるように形成される。そして、p形クラッド層23およびn形電流狭窄層24上に、たとえばp形GaAs層25などからなるコンタクト層25が1〜20μm程度に形成されていることにより、半導体積層部2が形成されている。
なお、リッジ部11を形成するためのエッチングは、たとえばCVD法などにより、SiO2またはSiNxなどからなるマスクを形成し、たとえばドライエッチングやウエットエッチングなどにより、p形クラッド層23をエッチングすることにより、図に示されるようにリッジ部11が帯状(紙面と垂直方向)に形成される。
出射端面部3は活性層22で発生した光を出射する部分であり、一般的に結晶成長面および光の導波路を形成するリッジストライプ面と垂直面に形成され、劈開などにより形成される。なお、出射端面部は必ずしも前述のように劈開面に形成される必要はない。
具体的には、半導体積層部2を形成後、研磨により半導体基板1が薄くされた後、コンタクト層25の表面に、Ti/Auなどからなるp側電極7が、半導体基板1の裏面には、Au-Ge/Niなどからなるn側電極8がそれぞれ形成され、その後、ウェハがリッジストライプ面および結晶成長面と垂直方向にバー状に劈開され、劈開面に出射端面部3が形成される。
そして、出射端面部3にスパッタなどにより誘電体膜4および出射端面コーティング膜5が形成される。さらに出射端面部の反対端面には、高反射膜の端面コーティング膜6が形成される。
誘電体膜4は、出射端面部3と出射端面コーティング膜5の間で出射端面部3に接するように、光導波層2の実効屈折率よりも大きな屈折率を有する材料により形成される。
つぎに、この誘電体膜を光導波層の実効屈折率より大きな材料で、出射端面部に接触するように形成しなければいけない理由について詳説する。前述のように、本発明者らは、高出力半導体レーザにおいて加速寿命試験により短時間で破損しやすいという現象を改善するため、鋭意検討を重ねた。その結果、光導波層と出射端面コーティング膜との間の屈折率の違いに基づき、出射端面部で光密度が大きくなり、加速寿命試験でCOD破壊出力が急激に低下し、COD破壊出力に短い時間で到達することで破損を生じることが原因であることを見出した。すなわち、たとえば赤外素子では、半導体積層部2の半導体材料として主としてAlGaAs系化合物が用いられ、半導体積層部の実効屈折率は3.9程度であるのに対して、たとえば出射端面コーティング膜を形成するAl23の屈折率は1.6程度と、半導体積層部の実効屈折率よりも遥かに小さい値となっている。このような構成では、出射端面部で光密度が高くなり、加速寿命試験において出射端面部での光吸収に伴う発熱、バンドギャップエネルギーの収縮という繰り返しが活発となり、COD破壊出力が時間と共に急激に低下していく。
この光密度が出射端面部で大きくなり、COD破壊出力の急激に低下する現象は、従来の半導体レーザでは、半導体積層部の素子構造を変更することで初期COD破壊出力をあげることで破壊までの時間を延ばすことができたので、COD破壊出力の低下度合いが時間に対して急峻であっても実用上あまり問題になっていなかった。しかし、更に高出力を目指す上では、素子の構造を変更することだけでは限界があり、また、従来構造の半導体レーザでは、出力をあげて寿命試験を行うと寿命が20時間程度となってしまうため、COD破壊出力の時間と共に急激に低下していく現象をなんらかの方法で防止することが必要となる。そして、本発明のように光導波層の実効屈折率よりも大きい誘電体膜を出射端面部に接するように設ける構成とすることで、出射端面部での光密度が小さくなる。これにより、加速寿命試験を行ってもCOD破壊出力の低下度合いが従来に比べて緩やかとなり、長寿命化を図ることができ、高信頼性を確保し得ることとなる。
誘電体膜4の厚さは、200Å以下であることが出射端面部での反射率への影響を避けるために好ましい。また、10Å以下となるとスパッタにおいて安定した成膜をなしえないため、10Å以上であることが好ましい。さらに、活性層22で発生する光を吸収する材料を誘電体膜に用いる場合(たとえばアモルファスシリコン膜を用いる場合)には、その吸収を減らすため、後述のように膜厚が40Å以下とすることがより好ましい。さらに、アモルファスシリコン膜は成膜条件により大きく屈折率が変わるため、より吸収係数が小さくなる屈折率4以上の膜とすることがより初期のCOD破壊出力の低下を抑える上でより好ましい。
本発明者らは、前述の図1に示される構造で、誘電体膜にアモルファスシリコン膜を用い、アモルファスシリコン膜の厚さのみを種々変化させて、その際の初期のCOD破壊出力を調べた。その結果が図2に示されている。なお、各厚さに対するCOD破壊出力の値は、それぞれの厚さで、サンプル10個ずつでの平均値であり、測定条件は25℃環境下において、パルス幅75nsec、50%デューティのパルス駆動である。また、初期COD破壊出力とは、半導体レーザを製造後、長期の通電試験をする前段階で測定したCOD破壊出力をいう。図2から明らかなように、アモルファスシリコン膜の厚さを40Åより厚くすると、アモルファスシリコン膜を挿入しない状態よりも初期のCOD破壊出力が低下していくことが分る。これはアモルファスシリコン膜の屈折率が半導体積層部の実効屈折率よりも大きいが、活性層で発生する光をアモルファスシリコン膜で一部吸収するため、膜厚が厚くなるにつれて吸収が多くなり、初期のCOD破壊出力が低下していくと考えられる。
図2の検討結果を纏めると、結局、誘電体膜の厚さを40Å以下とすることで、従来のCOD破壊出力を維持できることになる。そして、このような半導体レーザで加速寿命試験を行い、500時間以上の長時間行っても破損せず、推定寿命も30000時間となり十分に実用化し得ることを確認した。このように、屈折率の大きい膜を用いた場合であっても、活性層で発生する光を吸収する膜であれば、高温エージングによる急激なCOD破壊出力の低下は防げるものの、初期のCOD破壊出力自体が低下してしまうことがあるのに対して、本発明のように誘電体膜を薄膜化することで、かかる問題も生じなくなる。
また、出射端面コーティング膜5は誘電体膜4上に設けられ、出射端面部での反射率が5〜20%程度になるように既存の材料(Al23やSiO2など)で、それぞれの膜厚も設定する反射率に合わせて設計する。また、出射端面と反対端面の端面コーティング膜6には、反射率が80〜90%程度になるように既知の材料(Al23やSiO2などの低屈折率材料とアモルファスシリコン、TiOx、ZrOxなどの高屈折率材料とが交互に積層された層など)で、それぞれの膜厚も反射率に合わせて設計する。
具体的に誘電体膜4および出射端面コーティング膜5などを形成するためには、たとえばバー状に形成された素子群を、アモルファスシリコン、Al23ターゲットなどが設けられているスパッタ装置内に入れ、Arガスや水素ガスなどを導入しスパッタにより、誘電体膜4として10〜40Å(好ましくは、20Å程度)のアモルファスシリコン膜を、端面コーティング膜5として1000〜4000Å程度(好ましくは3800Å程度)のAl23膜を連続して形成することで、誘電体膜4および出射端面コーティング膜5が得られる。この際、アモルファスシリコン膜は薄膜であるので、回転式のスパッタ装置を用いるような場合には高速回転により形成することが面内分布をなくす上で好ましい。またスパッタ時の圧力、RFパワーなどを最適化し、屈折率が4以上となるように適宜調整する。
引き続き、一度スパッタ装置から取り出し、バー状体の出射端面と反対面を上向きにして再度スパッタ装置に入れ、同様の方法により、たとえば、1000〜1500Å程度のSiO2膜と、800〜1200Å程度のTiOx膜を交互に2〜3対程度積層することにより端面コーティング膜6が形成される。その後、スパッタ装置から取り出し、バー状からダイシングによりチップ化することで、本発明の半導体レーザが得られる。
本発明は、半導体積層部2が主としてAlGaAs系化合物からなる場合で説明したが、赤色系のInGaAlP系化合物半導体((In0.5(Ga1-wAlw0.5Pの構成で、AlとGaの混晶比率が種々変化し得るもの)からなる場合でも、同様に本発明を適用することができる。すなわち、InGaAlP系化合物半導体からなる光導波層の実効屈折率は4.0程度に対し、出射端面コーティング膜として用いるAl23膜の屈折率は1.6と明らかに小さいので、同様の問題が生じる。
InGaAlP系化合物で半導体積層部を主として構成する場合には、前述のn形およびp形クラッド層として、In0.5(Ga1-uAlu0.5P(0.45≦u≦0.8、たとえばu=0.7)を、活性層として、In0.5(Ga1-v1Alv10.5P(0≦v1≦0.25、たとえばv1=0)/In0.5(Ga1-v2Alv20.5P(0.3≦v2≦0.7、たとえばv2=0.4)による多重量子井戸(MQW)構造などで、また、電流狭窄層として、InAlPまたはGaAsを用いることにより形成する以外は、前述の例と同様に構成することができる。
また、活性層で発生する光の発振波長が600nmから800nmの間では、光導波層の実効屈折率が3.9〜4.0程度であるので、このような範囲では誘電体膜として屈折率4以上のアモルファスシリコン膜を用いることが確実に半導体積層部の実効屈折率よりも大きい誘電体膜となるため、本発明の効果を享受する上でより好ましい。
前述の各例では、リッジ構造の半導体レーザであったが、電流狭窄層をクラッド層の間に積層して電流注入領域とするストライプ溝をエッチングにより除去するSAS構造など、他の構造の半導体レーザでも同様であることは言うまでもない。
本発明は、CD、DVD、DVD−ROM、データ書き込み可能なCD−R/RW、DVD−R/RAMなどのピックアップ用光源に用いることができ、パーソナルコンピュータなどの電機機器に用いることができる。
本発明の半導体レーザの一実施形態を示す斜視および断面説明図である。 本発明の半導体レーザのアモルファスシリコン膜の膜厚に対するCOD破壊出力依存性を示す図である。 従来の半導体レーザの斜視説明図である。
符号の説明
2 半導体積層部
3 出射端面部
4 誘電体膜
5 出射端面コーティング膜

Claims (3)

  1. 半導体基板上に積層される活性層を含む半導体積層部と、該活性層で発生する光を出射する出射端面部と、該出射端面部に出射端面コーティング膜とを備える半導体レーザにおいて、前記出射端面部と前記出射端面コーティング膜との間で該出射端面部に接するように、光導波層の実効屈折率よりも大きな屈折率を有する誘電体膜を備えることを特徴とする半導体レーザ。
  2. 前記誘電体膜の膜厚が10Å以上40Å以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 前記活性層で発生する光の発振波長が600nmから800nmの間で、かつ、前記誘電体膜が屈折率4以上のアモルファスシリコン膜からなることを特徴とする請求項2記載の半導体レーザ。
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