JP2007080846A - ガス分散プレート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマに対して高い耐食性を有し、かつ、ガス孔からのパーティクルの発生を防ぐことができ、半導体素子製造時の歩留向上に寄与できる安価なガス分散プレートを提供する。
【解決手段】本ガス分散プレート1は、相対密度96%以上のY2O3セラミックスからなる基材2に1個あるいは多数のガス孔3が設けられ、このガス孔3のエッジ部4はサンドブラスト処理によりR0.2mm以上のR形状に加工されている。
【選択図】図1
【解決手段】本ガス分散プレート1は、相対密度96%以上のY2O3セラミックスからなる基材2に1個あるいは多数のガス孔3が設けられ、このガス孔3のエッジ部4はサンドブラスト処理によりR0.2mm以上のR形状に加工されている。
【選択図】図1
Description
本発明はガス分散プレート及びその製造方法に係り、特にガス孔のエッジ部がサンドブラスト処理によりR形状に加工したガス分散プレート及びその製造方法に関する。
エッチング装置等の半導体製造装置には、反応ガスを均一に分散させることを目的として、シャワープレートがウェーハ直上に設置される。
このシャワープレートはアルミニウムに陽極酸化したものが多用されているが、プラズマが高密度化するに伴ってシャワープレートからのAl汚染、陽極酸化膜の剥がれによるパーティクル(反応ダスト)などの問題が顕著になってきた。
これらを改善する試みとして、シャワープレート表面にアルミナやY2O3等の高耐食性材料を溶射などでコーティングすることが行われているが、シャワー孔周囲では溶射膜の密着力が弱かったり、使用中の熱膨張差によって溶射膜が剥がれ落ちるという問題が多発している。また、繰り返し洗浄による膜の密着性の劣化も問題となっていた。
そこで、近年、シャワープレートのプラズマに曝される面をアルミナやY2O3の焼結体を接合あるいはネジ固定して用いられるようになってきた。
しかし、このように高耐食性の焼結体を接合あるいは固定したシャワープレートにおいても、シャワープレートからのパーティクルを完全になくすことはできなかった。このパーティクルはシャワープレートに接合及び固定されたセラミック(アルミナやY2O3)から脱落する粒子やシャワープレートに付着した反応生成物が剥がれて直下にあるウェーハ上に落下したものである。
特開2000−315680号公報
本発明者らは、これらの問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、シャワープレートに接合、固定されたセラミックからの粒子は、そのほとんどがガス孔(シャワー孔)のエッジ部分から脱落しているということを突き止め、また反応生成物の付着力は生成物が付着する部分の表面粗さと形状に起因するということを突き止め本発明をするに至った。
すなわち、アルミナやY2O3等のセラミックスは脆性材料であり、焼成体を加工した面には破砕層が存在する。ガス孔のエッジ部分には脱落しかかった粒子が多く存在し、洗浄処理で取りきれなかった粒子が使用中にウェーハ上に落下する。エッジ部分を面取り加工して取り除く試みも行われたが、シャワープレート1枚あたり数百〜数千個ある孔一つ一つをツール加工するのは非常にコストと時間がかかり現実的ではない。反応生成膜の付着力については、付着する部分の面粗さが粗いほど基材とのアンカー効果が高まり、剥がれにくい。またガス孔のエッジ部に付着する反応生成膜付着力は、面取りなし<C面取り<R面取りの順で高くなり、角や稜のない滑らかなR形状が有効であることがわかった。角や稜等の線上に付着した膜は、付着力がなく容易に剥がれ落ちる。面取りなしについては脱落しかかった粒子が多散存在することも要因の一つである。
本発明は、これらの問題を低コストで解決するものである。つまり、ガス孔付近をサンドブラストで粗面化すると同時に孔エッジ部のR加工を行うもので、得られたシャワープレートのエッジ部は角や稜がなく、R形状であり、ブラスト加工のため面が荒れており付着力が強い。また電荷の溜まり易い角や鋭利な部分がないため、稀に発生するアーキングによるセラミックの破損も防ぐことができる。このシャワープレートを使うことで、従来問題となっていたガス孔からのパーティクルの発生を防ぐことが可能となり、半導体素子の歩留まり向上に寄与できるようになった。
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、ハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマに対して高い耐食性を有し、かつ、ガス孔からのパーティクルの発生を防ぐことができ、半導体素子製造時の歩留向上に寄与できる安価なガス分散プレートを提供することを目的とする。
また、ハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマに対して高い耐食性を有し、かつ、ガス孔からのパーティクルの発生を低コストで防ぐことができ、半導体素子製造時の歩留向上に寄与できるガス分散プレートの製造方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明に係るガス分散プレートは、相対密度96%以上のY2O3セラミックスからなる基材に1個あるいは多数のガス孔が設けられ、このガス孔のエッジ部はサンドブラスト処理によりR0.2mm以上のR形状に加工されていることを特徴とする。
また、本発明に係るガス分散プレートの製造方法は、Y2O3原料に水、バインダーを加えスラリーとし、スプレードライヤーで造粒し、得られた造粒粉を加圧成形して成形体を作製し、仮焼してバインダーを飛散させた後、焼成して相対密度96%以上のY2O3セラミックス焼成体を得、この焼成体に孔加工して1個あるいは多数のガス孔を設け、このガス孔のエッジ部をサンドブラスト処理によりR形状に加工することを特徴とする。
本発明に係るガス分散プレートによれば、ハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマに対して高い耐食性を有し、かつ、ガス孔からのパーティクルの発生を防ぐことができ、半導体素子製造時の歩留向上に寄与できる安価なガス分散プレートを提供することができる。
本発明に係るガス分散プレートの製造方法によれば、ハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマに対して高い耐食性を有し、かつ、ガス孔からのパーティクルの発生を低コストで防ぐことができ、半導体素子製造時の歩留向上に寄与できるガス分散プレートの製造方法を提供することができる。
以下、本発明に係るガス分散プレートの一実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るガス拡散プレートの斜視図であり、図2はその縦断面図である。
図1及び図2に示すように、例えばシャワープレートとしてのガス拡散プレート1は、相対密度96%以上のY2O3セラミックスからなる基材2に1個あるいは多数のガス孔3が設けられ、このガス孔3のエッジ部4はサンドブラスト処理によりR0.2mm以上のR形状に加工されている。
Y2O3の相対密度を96%以上としたのは、これ未満では気孔が多いためサンドブラスト処理によるダメージが大きくなり、逆にパーティクルが発生しやすくなるためである。また、R0.2mm未満のR形状では膜の付着力に対して効果が見られない。
本実施形態のガス拡散プレートによれば、半導体ウェーハ上の表面膜を加工処理する工程で、例えば、CCl4、BCl3、HBr、CF4、C4F8、NF3、SF6等のハロゲン化合物プラズマガス、腐食性の強いClF3セルフクリーニングガス、あるいは、N2やO2を用いたスパッタ性の高いプラズマにさらされても、基材自身が相対密度96%以上のY2O3セラミックスであり、基材のエッチングが防止されるとともに、ガス噴出孔内部の放電による材料のエッチングを防止し、ガス噴出孔表面の耐腐食性を向上させ、さらに、ガス孔のエッジ部がサンドブラスト処理によりR0.2mm以上のR形状に加工されているので、シャワー孔のエッジ部分の脱落がなく、ガス孔からのパーティクルの発生を防ぐことができ、半導体素子の歩留向上に寄与できる安価なガス分散プレートが実現される。また、R形状に加工することにより、エッジ部分の脱落によるパーティクルの発生を低コストで解決できる。
本実施形態に係るガス拡散プレートの製造方法は以下のようにして行われる。
Y2O3原料に水、バインダーを加えスラリーとし、スプレードライヤーで造粒し、得られた造粒粉を加圧成形して成形体を作製し、仮焼してバインダーを飛散させた後、焼成して相対密度96%以上のY2O3セラミックス焼成体を得、この焼成体に孔加工して、1個あるいは多数のガス孔を形成し、このガス孔のエッジ部をサンドブラスト処理によりR形状に加工する。
本実施形態のガス分散プレートの製造方法によれば、ハロゲン系腐食性ガスやそのプラズマに対して高い耐食性を有し、かつ、ガス孔からのパーティクルの発生を低コストで防ぐことができ、半導体素子製造時の歩留向上に寄与できるガス分散プレートの製造方法が実現される。
純度99.9%のY2O3原料にイオン交換水、バインダーを加えスラリーとした後、スプレードライヤーで造粒した。得られた造粒粉を1500kgf/cm2の圧力で成形し、素地加工をした。仮焼してバインダーを飛散させた後、1800℃水素雰囲気にて焼成し、相対密度96%以上、直径320mm×厚さ3mmの焼成体を得た。この焼成体に直径0.5mmのシャワー孔を300個開けた(実施例1〜5、比較例1〜4)。また、成形圧力及び焼成温度を変えて、相対密度95の焼成体を得、同様の加工を行った(比較例5、6)。
これら実施例1〜5、比較例1〜6に、表1に示す加工方法により、エッジ形状を設けた。
ブラストはGC#240噴射圧力0.3MPaにて実施した。これらの試料をガス孔の位置が合うように接合し、図3に示すφ300mm用エッチング装置のシャワープレートとしてチャンバー内に設置し、パーティクルの評価を行った。Y2O3の焼成体密度はアルキメデス法で測定した。パーティクルは直径300mmウェーハ上のパーティクル(0.2μm以上)をレーザーパーティクルカウンターで測定した。
表1からもわかるように、本発明の条件(相対密度96%以上、サンドブラスト処理、R0.2mm以上のR形状)を満たし、R0.5mmの実施例1は、パーティクル数が3個と最も少ない。条件を満たし、R0.8mm、R1.0mm、R0.2mmの実施例2,実施例3および実施例4は、いずれもパーティクル数が6個以下と実施例1に次いで少ない。また、条件を満たし、相対密度96%の実施例5も、パーティクル数が5個と少ない。
これに対して、加工方法が研削でエッジ部形状がシャープエッジであり、条件と異なる比較例1は、パーティクル数が22個と実施例1の7倍以上と極めて多い。加工方法が研削及びエッジ形状C0.5mmで条件と異なる比較例2は、パーティクル数が15個と実施例1の5倍以上と多い。加工方法が研削で条件と異なる比較例3は、パーティクル数が10個と実施例1の3倍以上と多い。エッジ部形状がR0.1mmで条件と異なる比較例4は、パーティクル数が11個と実施例1の3倍以上と多い。相対密度が条件と異なり、R0.3mmと条件内の比較例5は、パーティクル数が25個と実施例1の8倍以上と極めて多い。相対密度が条件と異なり、R0.5mmと条件内の比較例6は、パーティクル数が20個と実施例1の6倍以上と極めて多い。
1 ガス拡散プレート
2 基材
3 ガス孔
4 エッジ部
2 基材
3 ガス孔
4 エッジ部
Claims (2)
- 相対密度96%以上のY2O3セラミックスからなる基材に1個あるいは多数のガス孔が設けられ、このガス孔のエッジ部はサンドブラスト処理によりR0.2mm以上のR形状に加工されていることを特徴とするガス分散プレート。
- Y2O3原料に水、バインダーを加えスラリーとし、スプレードライヤーで造粒し、得られた造粒粉を加圧成形して成形体を作製し、仮焼してバインダーを飛散させた後、焼成して相対密度96%以上のY2O3セラミックス焼成体を得、この焼成体に孔加工して1個あるいは多数のガス孔を設け、このガス孔のエッジ部をサンドブラスト処理によりR形状に加工することを特徴とするガス分散プレートの製造方法。
Priority Applications (3)
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JP2005262627A JP2007080846A (ja) | 2005-09-09 | 2005-09-09 | ガス分散プレート及びその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010150575A (ja) * | 2008-12-24 | 2010-07-08 | Fuji Electric Systems Co Ltd | シャワー電極板及びプラズマcvd装置 |
CN113165139A (zh) * | 2018-11-26 | 2021-07-23 | 京瓷株式会社 | 气体喷嘴和气体喷嘴的制造方法以及等离子体处理装置 |
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2005
- 2005-09-09 JP JP2005262627A patent/JP2007080846A/ja active Pending
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