JP2007080623A - シールド導電体及びシールド導電体の製造方法 - Google Patents

シールド導電体及びシールド導電体の製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 シールドパイプを用いたシールド導電体の放熱性を向上させる。
【解決手段】 シールド導電体Waは、導体11を保持体15で保持してなる導電部材10と、導電部材10を包囲する金属製のシールドパイプ20と、導電部材10とシールドパイプ20の隙間に充填された充填材25とを備えている。通電によりシールドパイプ20内で導体11に発生した熱は、保持体15と充填材25を経てシールドパイプ20に伝達され、シールドパイプ20の外周から大気中へ放出される。導体11とシールドパイプ20の間に介在される保持体15と充填材25は空気よりも熱伝導率が高いので、保持体や充填材が存在しないものと比較すると、導体11で発生した熱を放出する性能に優れている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シールド導電体及びシールド導電体の製造方法に関するものである。
ノンシールド電線を使用したシールド導電体としては、複数本のノンシールド電線を、金属細線をメッシュ状に編んだ筒状の編組線からなるシールド部材で包囲することにより一括してシールドする構造のものが考えられている。この種のシールド導電体においてシールド部材と電線を保護する方法としては、一般に、シールド部材を合成樹脂製のプロテクタで包囲する手段がとられるが、プロテクタを用いると部品点数が増えるという問題がある。
そこで、本願出願人は、特許文献1に記載されているように、ノンシールド電線を金属製のシールドパイプ内に挿通する構造を提案した。この構造によれば、シールドパイプが、電線をシールドする機能と電線を保護する機能を発揮するので、シールド部材とプロテクタを用いたシールド導電体に比べて部品点数が少なくて済むという利点がある。
特開2004−171952公報
シールドパイプを用いたシールド導電体では、電線とシールドパイプとの間に空気層が存在しているため、通電時に電線で発生した熱が、熱伝導率の低い空気によって遮断されてシールドパイプに伝わり難く、しかも、シールドパイプには、編組線における編み目の隙間のような外部との通気経路が存在しないため、電線で発生した熱がシールドパイプの内部に籠もり易く、放熱性が低くなる傾向がある。
ここで、導体に所定の電流を流したときの発熱量は、導体の断面積が大きい程小さくなり、発熱に起因する導体の温度上昇値は、導電路の放熱性が高いほど小さく抑えられる。したがって、導体の温度上昇値に上限が定められている環境下では、上記のように放熱効率の低いシールド導電体の場合、導体の断面積を大きくして発熱量を抑える必要がある。
ところが、導体の断面積を増大することは、シールド導電体が大径化し重量化することを意味するため、その対策が望まれる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、シールドパイプを用いたシールド導電体における放熱性を向上させることを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、導体を空気よりも熱伝導率の高い保持体で保持してなる導電部材と、前記導電部材を包囲する金属製のシールドパイプと、空気よりも熱伝導率が高く、前記導電部材の外周と前記シールドパイプの内周の隙間に充填された充填材とを備えているところに特徴を有する。
請求項2の発明は、導体を空気よりも熱伝導率の高い保持体で保持してなる導電部材と、前記導電部材を包囲する金属製のシールドパイプと、空気よりも熱伝導率が高く、前記導電部材の外周と前記シールドパイプの内周の隙間に充填された充填材とを備えたシールド導電体を製造する方法であって、流動状態の前記充填材を、前記シールドパイプの内周と前記導電部材の外周のうち少なくとも一方に塗布した状態で、前記導電部材を前記シールドパイプ内に挿入するところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記充填材を前記シールドパイプの内周に塗布し、前記導電部材の挿入方向先端部にキャップを取り付けた状態で、前記導電部材を前記シールドパイプに挿入し、前記導電部材を挿入が完了した後に、前記キャップを外すところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項3に記載のものにおいて、前記導体を前記保持体の内部に貫通させるとともに、前記導体の先端部を前記保持体の先端面から突出させた形態とした上で、前記導体の突出した先端部に、前記保持体と同径又はそれよりも小径とされた前記キャップを外嵌するところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
通電によりシールドパイプ内において導体で発生した熱は、直接又は保持体を経て充填材に伝達され、充填材からシールドパイプに伝達され、シールドパイプの外周から大気中へ放出される。導体とシールドパイプの間に介在される保持体と充填材は空気よりも熱伝導率が高いので、保持体や充填材が存在しないものと比較すると、導体で発生した熱を放出する性能に優れている。
<請求項2の発明>
導電部材をシールドパイプ内に挿入した後でその隙間に充填材を注入する方法では、充填材の粘度が高い場合に導電部材とシールドパイプの間に空気溜まりが発生することが懸念されるが、本発明では、導電部材を挿入する前に、流動状態の充填材をシールドパイプの内周と導電部材の外周のうち少なくとも一方に塗布しておき、導電部材の挿入に伴って充填材が導電部材とシールドパイプの隙間を埋めるようにしたので、空気溜まりが生じる虞がない。
<請求項3の発明>
充填材がシールドパイプの内周に塗布されているので、導電部材を挿入したときに、充填材が導体の先端部に付着することが懸念されるが、本発明では、導電部材の先端部にキャップを取り付けた状態で導電部材を挿入するようにしたので、充填材が導体の先端部に付着する虞がない。
<請求項4の発明>
キャップを保持体の先端部に外嵌した場合、キャップの後端面と保持体の外周との間に段差状の凹部が形成されるが、この凹部は、キャップに対して導電部材の挿入方向後方に位置するため、導電部材の挿入過程では凹部に充填材が回り込み難くなり、凹部に空気溜まりが発生することが懸念される。その点、本発明では、保持体と同径又はそれよりも小径のキャップを、保持体の先端面から突出する導体の先端部に外嵌したので、キャップの後方に段差状の凹部が形成されず、したがって、空気溜まりの発生も回避される。
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図9を参照して説明する。本実施形態のシールド導電体Waは、例えば電気自動車において走行用の動力源を構成するバッテリ、インバータ、モータなどの機器(図示せず)の間に配索されるものであり、3本の導体11を保持体15で保持してなる導電部材10と、導電部材10を包囲することで一括シールド機能と導体保護機能を兼ね備えたシールドパイプ20と、導電部材10の外周とシールドパイプ20の内周の隙間に充填された充填材25とを備えて構成されている。
導電部材10を構成する導体11は、金属製(例えば、アルミニウム合金や銅合金など)の芯線12の外周を合成樹脂製の絶縁被覆13で包囲したノンシールドタイプの電線からなり、芯線12は、複数本の細線(図示せず)を螺旋状に寄り合わせた撚り線、又は棒状の単芯線からなる。導体11の断面形状については芯線12と絶縁被覆13の双方が真円形とされている。また、絶縁被覆13の材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等が用いられている。
同じく導電部材10を構成する保持体15は、後述するように3本の導体11を一括して包囲する形態でモールド成形されたものであって、全体として細長く、横断面形状が円形をなしている。また、保持体15の材料としては、導体11の絶縁被覆13と同じ種類であって、空気よりも熱伝導率の高い合成樹脂が用いられている。
3本の導体11は保持体15を貫通した形態となっており、保持体15の内部において、3本の導体11は、互いに当接するとともに概ね俵積み状(導体11の中心を結んだときにほぼ正三角形を描く形態)をなすように束ねられた状態となっている。導体11の絶縁被覆13の外周面と保持体15との間には隙間がなく、3の導体11によって囲まれた中央空間内にも保持体15を構成する合成樹脂材料が充填されている。また、3本の導体11は、その3本の導体11に外接する包絡円が保持体15と概ね同心となるように配置されているとともに、包絡円の外径は保持体15の外径よりも小さい寸法とされている。換言すると、導体11は、保持体15の外周面に露出することなく保持体15を貫通し、導体11の前後両端部が保持体15の前後両端面から突出した形態となっている。導体11の前後両端部は、絶縁被覆13を除去して芯線12を露出させた状態となっている。
シールドパイプ20は、金属製(例えば、アルミニウム合金、銅合金、ステンレス等)であって、空気よりも熱伝導率が高く、横断面形状は概ね円形をなしている。シールドパイプ20のうち前後両端の定径部21F,21Rを除いた大部分は、作業者が手作業により、筒状を保ちつつ軸線の曲率を増減できるように塑性変形させることが可能な変形可能部22となっている。そして、このような塑性変形を可能とするために、変形可能部22は、シールドパイプ20の外周と内周に一定ピッチで螺旋状のネジ山及び溝が形成されるように加工され、軸線方向に沿って径が交互に増減する形態の波形に形成されている。また、シールドパイプ20の内径寸法については、変形可能部22の最小径がシールドパイプ20の定径部21F,21Rの内径とほぼ同じ寸法となるように設定されており、この寸法は、導電部材10(保持体15)の外径よりも大きい寸法とされている。シールドパイプ20は、製造前及び製造過程においては一直線状をなしている。
充填材25は、空気よりも熱伝導率の高い合成樹脂材料からなる。この材料としては、後述するようにシールドパイプ20に導電部材10を挿入する際には挿入力低減のために粘度が低いことが好ましく、耐熱性も要求されることに鑑みると、シリコン系の樹脂が望ましいが、これ以外の合成樹脂材料を用いることもできる。
次に、シールド導電体Waの製造工程を説明する。
まず、図3に示すように端末処理が施されていない3本の導体11を、概ね俵積み状に束ねてモールド金型(図示せず)内にセットする。モールド金型は、保持体15を押し出し成形するためのものであって、流動状態とした樹脂材料の流路と、保持体15の断面形状と同一形状であって流路をモールド金型外へ連通させる押し出し口とを備えている。3本の導体11は、端部を押し出し口に臨ませた状態で、流路内に収容されている。押し出し口からは、3本の導体11を一括して包囲する状態で保持体15が成形されつつ押し出される。つまり、3本の導体11は保持体15と一体となって押し出し口からモールド金型外へ導出される。モールド成形後は、図4に示すように、保持体15を必要な長さに切断し、導電部材10を得る。
この後、導電部材10の前端部(図6の左端部)において、保持体15を除去して3本の導体11を束ねた状態で露出される。そして、この露出させた3本の導体11の突出端部(前端部)に、キャップ30を外嵌する。
キャップ30は、全体として円柱形をなし、その外径寸法は保持体15の外径と同じ寸法とされている。キャップ30の前端部外周には先細り状のテーパ状をなすガイド部31が形成されており、キャップ30内には、その後端面に開口する嵌合孔32が形成されている。キャップ30は、その嵌合孔32に3本の導体11の突出端部を一括して嵌入させるようにして、導電部材10の前端部に取り付けられる。取り付けた状態では、図6に示すように、キャップ30の後端面が保持体15の前端面に対してほぼ面接触状態で密着する。つまり、キャップ30は導体11の前端部(保持体15からの突出部分)のみに外嵌される形態で取り付けられている。同じくキャップ30を取り付けた状態では、キャップ30の外周面が保持体15の外周面に対して面一状に連続し、キャップ30の外周面と保持体15の外周面との間には、ギャップも段差も生じない。
一方、シールドパイプ20については、図7に示すように、シールドパイプ20の径寸法が一定である後端側の定径部21R全体と変形可能部22の後端部とを含む範囲に亘って(つまり、シールドパイプ20における導電部材10の挿入口から前方の所定範囲に亘って)、流動状態の充填材25が塗布されている。充填材25は、シールドパイプ20の内部を前後方向(軸線方向)に見通すことができないように、換言するとシールドパイプ20の内部を塞ぐように注入されている。この充填材25の充填量は、シールドパイプ20に導電部材10を挿通させた状態におけるシールドパイプ20の内周と導電部材10の外周との隙間の容積に相当する量とされている。また、シールドパイプ20後端部には、シールドパイプ20と同心の円環形をなす漏れ留めリング35が取り付けられている。漏れ止めリングの中心孔36の内径は導電部材10の外径と同じかそれよりも僅かに大きい寸法とされている。
導電部材10に対するキャップ30の取付けと、シールドパイプ20に対する充填材25の注入及び漏れ止めリング35の取付けが完了したら、後方から導電部材10をシールドパイプ20内に挿入する。挿入に際しては、キャップ30を先に向けて漏れ止めリング35の中心孔36に導電部材10を差し込むようにする。このとき、キャップ30の先端部は先細りのテーパ状(流線型)をなすガイド部31となっていてガイド機能を発揮するので、キャップ30を差し込む作業が容易となっている。
導電部材10の挿入が進むのに伴い、シールドパイプ20内では、導電部材10の外周とシールドパイプ20の内周との隙間が充填材25で埋められつつ、導電部材10の進入体積に相当する分だけ充填材25が次第に前方へ移動していく。このとき、シールドパイプ20の後端部には漏れ止めリング35が取り付けられているので、充填材25がシールドパイプ20の後方へ漏出することはない。また、シールドパイプ20の変形可能部22では、内周に溝と山が連続するのであるが、充填材25は流動性を有するので、内周の溝内にも確実に充填される(図8を参照)。
そして、導電部材10がシールドパイプ20内を貫通して、導電部材10の前後両端部がシールドパイプ20の外部に突出する状態になったところで、導電部材10の挿入が完了する。このとき、導電部材10の前端部においては、キャップ30の全体がシールドパイプ20の外部前方へ突出し、保持体15の前端部は全てシールドパイプ20の内部に収容された状態となる。また、充填材25は、シールドパイプ20の外部へ突出せず、充填材25の前端はシールドパイプ20の前端とほぼ面一となるように位置する。また、導電部材10の保持体15の外周面とシールドパイプ20の内周面との間には、充填材25が充填されているので、空気層は存在しない。
導電部材10の挿入が完了したら、シールドパイプ20の外部前方においては、図9に示すようにキャップ30を導体11の前端部から外すとともに、図1に示すように導体11の前端部に対して絶縁被覆13を除去して芯線12を露出させる端末処理を施す。一方、シールドパイプ20の外部後方においては、図1に示すように、導電部材10の後端部に対し、保持体15をシールドパイプ20の後端面と面一となるように除去して導体11を露出させるとともに、導体11の後端部に対して絶縁被覆13を除去して芯線12を露出させる端末処理を施す。以上により、本実施形態のシールド導電体Waの製造が完了する。
シールドパイプ内に保持体と充填材が設けられていない従来のシールド導電体(図示せず)では、導体とシールドパイプとの間に空気層が存在しているため、通電時に導体で発生した熱が、熱伝導率の低い空気層によって遮断されてシールドパイプに伝わり難く、しかも、シールドパイプには、編組線における編み目の隙間のような外部との通気経路が存在しないため、導体で発生した熱がシールドパイプの内部に籠もり易く、放熱性が低くなる傾向がある。
これに対し、本実施形態のシールド導電体Waは、シールドパイプ20と導体11との間に保持体15と充填材25を設け、空気層が存在しないようにしたので、芯線12の通電によりシールドパイプ20内において導体11で発生した熱は、絶縁被覆13の外周から保持体15に伝達され、保持体15の外周から充填材25に伝達され、充填材25からシールドパイプ20に伝達され、シールドパイプ20の外周から大気中へ放出されるようになっている。そして、導体11とシールドパイプ20の間に介在される保持体15と充填材25は空気よりも熱伝導率が高いので、保持体15や充填材25が存在しないものと比較すると、導体11で発生した熱を放出する性能に優れている。
また、保持体15が、導体11を包囲する形態でモールド成形されているので、導体11の絶縁被覆13の外周を保持体15に対して隙間なく密着させることができる。これにより、導体11と保持体15との隙間に空気が介在するものと比較すると、導体11から保持体15への伝熱効率に優れている。
上記のように放熱性能が向上したことによる効果としては、シールド導電体Waの軽量化を図ることが期待できる。即ち、導体11(芯線12)に所定の電流を流したとき、芯線12の断面積が小さい程、導体11の発熱量が大きくなるのであるが、本実施形態のように放熱性に優れていれば、導体11の発熱量が大きくても導体11の温度上昇を低く抑えることができる。したがって、電気自動車のように導体11の温度上昇値に上限が定められている環境下では、従来のシールド導電体を、保持体15と充填材25を備えることで放熱性を向上させた本実施形態のシールド導電体Waに変更することで、導体11における発熱許容量が相対的に大きくなる。そして、導体11における発熱許容量が相対的に大きくなる、ということは、導体11の温度上昇値に上限が定められた環境下において使用可能な芯線12の最小断面積を小さくできることを意味し、芯線12の断面積を小さくすることで、シールド導電体Waの軽量化及び小径化が可能となる。
また、シールド導電体Waの製造工程としては、導電部材10をシールドパイプ20内に挿入した後でその隙間に充填材25を注入する方法も考えられるが、このような製造方法では、充填材25の粘度が高い場合に導電部材10とシールドパイプ20の間に空気溜まりが発生することが懸念される。しかし、本実施形態では、導電部材10を挿入する前に、流動状態の充填材25をシールドパイプ20の内周に塗布しておき、導電部材10の挿入に伴って充填材25が導電部材10とシールドパイプ20の隙間を埋めるようにしたので、空気溜まりが生じる虞がない。
また、本実施形態では、充填材25をシールドパイプ20の内周に塗布しているので、導電部材10を挿入したときに、充填材25が導体11の前端部に付着することが懸念されるが、その対策として、導電部材10の先端部にキャップ30を取り付けた状態で導電部材10を挿入するようにしたので、充填材25が導体11の先端部に付着する虞がない。
また、キャップを、導体の先端部にではなく、保持体の先端部に外嵌した場合には、キャップの後端面と保持体の外周との間に段差状の凹部が形成され、この凹部が、キャップに対して導電部材の挿入方向後方に位置することから、導電部材の挿入過程では凹部に充填材が回り込み難くなり、凹部に空気溜まりが発生することが懸念される。その点、本実施形態では、導体11を保持体15の内部に貫通させるとともに、導体11の前端部を保持体15の先端面から突出させた形態とした上で、導体11の突出した先端部に保持体15と同径のキャップ30を外嵌したので、キャップ30の後方に段差状の凹部が形成されず、凹部の存在に起因する空気溜まりの発生が回避されている。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態ではシールドパイプを螺旋状としたが、本発明によれば、独立した周方向の突部と独立した周方向の溝が交互に連続する蛇腹状の形態としてもよい。
(2)上記実施形態ではシールドパイプが軸線方向に沿って径が交互に増減する波形に形成されているが、本発明によれば、シールドパイプは、軸線方向において径寸法が一定とされた形態であってもよい。
(3)上記実施形態ではシールドパイプの横断面形状を概ね円形としたが、本発明によれば、シールドパイプの断面形状は非円形(長円形、楕円形、台形や平行四辺形を含む概ね多角形など)としてもよい。
(4)上記実施形態では、1本のシールドパイプに挿通される導体の本数は3本としたが、発明によれば、1本のシールドパイプに保持される導体の本数は1本、2本、4本以上のいずれとしてもよい。
(5)上記実施形態では、1本のシールドパイプに挿通される導電部材の数は1つとしたが、発明によれば、1本のシールドパイプに挿通される導電部材の数は複数であってもよい。
(6)上記実施形態では、1つの保持体に保持される導体の本数は3本としたが、発明によれば、1つの保持体に保持される導体の本数は1本、2本、4本以上のいずれとしてもよい。
(7)上記実施形態では導体を芯線の外周を絶縁被覆で包囲した形態としたが、本発明によれば、保持体と充填材が絶縁材料からなる場合には、導体が絶縁被覆で包囲されていない形態としてもよい。
(8)上記実施形態では保持体の外周形状を円形断面としたが、本発明によれば、保持体の外周形状は非円形(長円形、楕円形、台形や平行四辺形を含む概ね多角形など)としてもよい。
(9)上記実施形態では導体が保持体の内部を貫通する形態(保持体の内部に埋設された形態)としたが、本発明によれば、導体の一部が保持体の外周から露出又は突出してもよい。
(10)上記実施形態では導電部材をシールドパイプに挿入する際に、導体の先端部を保持体の先端面から突出させたが、本発明によれば、導体の先端面が保持体の先端面と面一の状態で導電部材を挿入してもよい。
(11)上記実施形態では保持体内で導体が俵積み状に配置されるようにしたが、本発明によれば、導体は一列に並ぶように配置されていてもよく、縦横に整列して配置されていてもよい。
(12)上記実施形態では導体を包囲する形態で保持体をモールド成形したが、本発明によれば、成形済みの保持体に導体を挿入してもよい。
(13)上記実施形態では導体の絶縁被覆と保持体を同じ種類の合成樹脂材料としたが、本発明によれば、導体の絶縁被覆と保持体を異なる種類の合成樹脂材料としてもよい。
(14)上記実施形態では導電部材の先端部にキャップを取り付けた状態で取付部材を挿入したが、本発明によれば、キャップを取り付けない状態で挿入を行ってもよい。
(15)上記実施形態ではキャップを導体の先端部のみに外嵌される形態で取り付けたが、本発明によれば、キャップが導体の先端部だけでなく保持体の先端部にも外嵌される形態で取り付けてもよい。
(16)上記実施形態ではキャップの外径を保持体の外径と同寸法としたが、本発明によれば、キャップの外径を保持体の外径よりも大きい寸法又は小さい寸法としてもよい。
(17)上記実施形態では導電部材を挿入する前の状態で充填材をシールドパイプの内周のみに塗布するようにしたが、本発明によれば、充填材は導電部材の外周のみに塗布してもよく、シールドパイプの内周と導電部材の外周の両方に塗布してもよい。
(18)上記実施形態では充填材をシールドパイプの内周における挿入端部側のみに塗布したが、本発明によれば、充填材はシールドパイプの全長に亘って塗布してもよい。
(19)上記実施形態では充填材がシールドパイプの挿入端部を塞ぐように塗布されるようにしたが、本発明によれば、充填材はシールドパイプの内部を軸線方向に見通せるような形態で塗布してもよい。
実施形態1の縦断面図 図1のX−X線断面図 導体の側面図 導電部材の一部切欠側面図 導体の横断面図 導電部材にキャップを取り付けた状態をあらわす一部切欠側面図 シールドパイプの内周に充填材を塗布した状態をあらわす縦断面図 シールドパイプに導電部材を挿入し始めた状態をあらわす縦断面図 導電部材の挿入後にキャップを外した状態をあらわす縦断面図
符号の説明
Wa…シールド導電体
10…導電部材
11…導体
15…保持体
20…シールドパイプ
25…充填材
30…キャップ

Claims (4)

  1. 導体を空気よりも熱伝導率の高い保持体で保持してなる導電部材と、
    前記導電部材を包囲する金属製のシールドパイプと、
    空気よりも熱伝導率が高く、前記導電部材の外周と前記シールドパイプの内周の隙間に充填された充填材とを備えていることを特徴とするシールド導電体。
  2. 導体を空気よりも熱伝導率の高い保持体で保持してなる導電部材と、前記導電部材を包囲する金属製のシールドパイプと、空気よりも熱伝導率が高く、前記導電部材の外周と前記シールドパイプの内周の隙間に充填された充填材とを備えたシールド導電体を製造する方法であって、
    流動状態の前記充填材を、前記シールドパイプの内周と前記導電部材の外周のうち少なくとも一方に塗布した状態で、前記導電部材を前記シールドパイプ内に挿入することを特徴とするシールド導電体の製造方法。
  3. 前記充填材を前記シールドパイプの内周に塗布し、
    前記導電部材の挿入方向先端部にキャップを取り付けた状態で、前記導電部材を前記シールドパイプに挿入し、
    前記導電部材を挿入が完了した後に、前記キャップを外すことを特徴とする請求項2記載のシールド導電体の製造方法。
  4. 前記導体を前記保持体の内部に貫通させるとともに、前記導体の先端部を前記保持体の先端面から突出させた形態とした上で、
    前記導体の突出した先端部に、前記保持体と同径又はそれよりも小径とされた前記キャップを外嵌することを特徴とする請求項3記載のシールド導電体の製造方法。
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