JP2007079999A - 集合住宅の管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 マンションにおける大規模修繕に際して、その修繕に必要な費用の基準参考価格を求めることができる集合住宅の管理システムと管理プログラムとを提供する。
【解決手段】 本発明集合住宅の管理システムは、複数の専有区分を有する集合住宅の維持・改修に必要な費用の出納状況をコンピュータにて管理する。このシステムは、専有者情報管理手段11と、会計手段12と、設計手段13とを備える。専有者情報管理手段11は、集合住宅の各区分の専有者に関する情報を登録する。会計手段12は、各専有者から支払われた修繕積立金の積立状況を演算する。設計手段13は、集合住宅の共用部の改修に必要な工事の時期・種別・仕様を選択し、その仕様に基づいた改修費用を演算する。この設計手段13は、公共工事における積算単価を用いて改修費用の演算を行い、この改修費用と会計手段12で算出した現在の修繕積立金の積立額とを比較する比較判定部を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は集合住宅の管理システムおよび集合住宅の管理プログラムに関するものである。特に、マンションにおける大規模修繕に際して、その修繕に必要な費用の基準参考価格を求めることができる集合住宅の管理システムに関するものである。
マンションなどの集合住宅における建物全体の維持・管理は、通常、区分所有者で管理組合を組織し、その管理組合から委託を受けた管理会社が担当している。代表的には、デベロッパーが事業主となって販売されたマンションの場合、デベロッパーの関連会社である管理会社が建物の維持・管理を行う。
また、鉄筋コンクリートのマンションであっても、経年劣化により屋根や外壁などの共用部の大規模修繕が必要となる。この大規模修繕については、一般にマンションの販売時に長期修繕計画が作成されている。その計画に基づいて所定の改修を行う際、管理会社を通して施工業者の選定、仕様の決定や見積りを行うことが多い。そして、その大規模修繕の財源には、共用部の日々の清掃やエレベータの保守などを行うための管理費とは別に、月々積み立てられる修繕積立金が用いられる(例えば特許文献1および2)。
特開2003-30304号公報 特開2003-44565号公報
しかし、いわば管理会社任せの従来の管理形態では、特に大規模修繕を行うに際して、改修に必要な費用の適正を判断する基準となるものがなく、管理組合側としても、管理会社を介して提示された改修工事の見積り額が適正な額か否かの判断が困難であるという問題があった。
管理会社は、通常、自社と取引関係のある施工業者を選定し、その施工業者に対して大規模修繕の工事の種別や仕様を指示して見積りを作成させる。その際、この管理会社を介して得られた見積り額が適正な価格であれば何ら問題ないが、もしこの価格が過大であったとしても、通常、管理組合側は工事の積算に関する知識がなく、そもそも何が標準かすらわからないため、過大かどうかの判断ができない。
このような場合、管理会社任せにせずに管理組合が主導で複数の施工業者から合い見積りをとることが考えられる。しかし、工事に関する知識に乏しい管理組合が工事の範囲や仕様を的確に指定して、同一条件の下に見積りをとること自体が難しい。仮に同一条件の見積りが得られたとしても、見積りを行った複数業者間の見積り額の高い安いがわかるだけであり、いずれの業者も過大な見積り額を提示していた場合、最も安い見積り額でさえ適正な価格でないことがわからない。
一方、大規模修繕については長期修繕計画が作成され、それを実現するために修繕積立金の積立が行われているが、諸般の事情から、実際に必要な改修費用に対して積立額が大きく不足していることが多々ある。そのような場合、現在の積立額であれば、長期修繕計画通りの改修を行うのにどの程度費用が不足するのか、或いは現在の積立額であれば、どの程度の工事が可能であるかをシュミレーションすることができれば、管理組合にとっても非常に便利である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、マンションにおける修繕に際して、その修繕に必要な費用の基準参考価格を求めることができる集合住宅の管理システムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、マンションにおける修繕に際して、その修繕に必要な費用の基準参考価格を求めることができる集合住宅の管理プログラムを提供することにある。
本発明集合住宅の管理システムは、複数の専有区分を有する集合住宅の維持・改修に必要な費用の出納状況をコンピュータにて管理する集合住宅の管理システムである。このシステムは、専有者情報管理手段と、会計手段と、設計手段とを備える。専有者情報管理手段は、集合住宅の各区分の専有者に関する情報を登録する。会計手段は、各専有者から支払われた修繕積立金の積立状況を演算する。設計手段は、集合住宅の共用部の改修に必要な工事の時期・種別・仕様を選択し、その仕様に基づいた改修費用を演算する。そして、この設計手段は、公共工事における積算単価を用いて改修費用の演算を行い、この改修費用と会計手段で算出した現在の修繕積立金の積立額とを比較する比較判定部を有することを特徴とする。
国・地方公共団体・これらの機関などが民間に工事を発注する際、積算する際の基準となる単価データを毎年公表している。本発明では、この単価データを用いて改修費用の積算を行う。それにより、改修費用について一つの基準を得ることができる。例えば、複数業者から合い見積もりを取った場合、この公共事業の単価データを基に算出した見積り額と各業者の見積り額を比較することで、少なくとも過大な見積り額を提示する業者を見出すことができる。一方で、修繕積立金の実際の積立額が正確に把握できるため、この積立額に対して修繕に必要な費用の過不足を明確に認識することができる。
ここで、公共工事における積算単価は、財団法人建設物価調査会の単価データとすることが望ましい。
これらの単価データは、客観的な基準となる見積り額を算定するのに好適である。
また、会計手段は、複数の集合住宅の各々の修繕積立金の積立額を管理し、前記設計手段は、複数の集合住宅のうち、改修時期が近似する集合住宅の改修費用を一括して演算し、比較判定部は、この改修費用と、改修費用の演算を行った集合住宅の積立金の合計額とを比較することが望ましい。
長期修繕計画に基づいて、改修時期が近似する複数の集合住宅は、改修する対象、例えば屋根の防水や外壁の改装などが共通しているため、これら複数の集合住宅について一括して改修費用を演算して求めることができる。そのため、施工業者に改修工事を依頼する際、複数の集合住宅の工事をまとめたより規模の大きい一括工事を発注することで、コストダウンを期待することができる。
さらに、本発明システムは、集合住宅の各専有区分の価格評価手段を有し、この価格評価手段は、少なくとも現時点の修繕積立金の積立額を反映して評価価格を決定する評価演算部を有することが好ましい。
従来、マンションなどの集合住宅の各戸の販売に際しては、その集合住宅の立地条件、販売対象住戸の位置、向き、専有面積、間取りなどを主な基準に評価がなされており、修繕積立金の積立額などは、特に買主には殆んど着目されていない。しかし、その住戸を購入後は、修繕積立金の積立額が十分かどうかによって買主の経済的負担が大きく左右されことは間違いない。そこで、現時点での修繕積立金の積立額を価格評価の基準の一つとして採用することで、より適正な住戸の査定額を求めることができる。
その他、本発明システムは、前記専有者情報管理手段からの所有者および居住者に関する情報と前記会計手段による修繕積立金の入金状況とから修繕積立金の未払い者を特定し、その未払い者に対する督促状を出力する督促状発行部を有することが好ましい。
専有者情報管理手段は、各専有区分の面積(持分比率)や、その区分の所有者、居住者の氏名・連絡先などの情報を記憶している。そのため、修繕積立金の月々の入金状況から未払い者を特定することができ、その未払い者に対して督促状を発行することで、修繕積立金の支払いを促すことができる。もちろん、この督促状発行部は、修繕積立金のみならず、管理費、駐車場費、駐輪場費、ルーフバルコニー使用料などの未払い者に対して督促状を発行することができるようにしてもよい。
一方、本発明集合住宅の管理プログラムは、複数の専有区分を有する集合住宅の維持・改修に必要な費用の出納状況の管理を行うコンピュータに以下の手順を実行させることを特徴とする。
集合住宅の各区分の専有者に関する情報を登録する手順。
各専有者から支払われた修繕積立金の積立状況を演算する手順。
集合住宅の共用部の改修に必要な工事の時期・種別・仕様を選択し、その仕様に基づいた改修費用を公共工事における積算単価を用いて演算する手順。
この改修費用と現在の修繕積立金の積立額とを比較する手順。
このプログラムによれば、公共工事における積算単価を用いて改修費用の積算を行う。それにより、改修費用について一つの客観的な基準を得ることができる。
本発明管理システム及びプログラムによれば、次の効果を奏することができる。
(1)修繕積立金の実際の積立額を管理でき、その費用に応じて改修に必要な費用に対して、実際の積立額がどの程度過不足があるかを的確に認識することができる。
(2)集合住宅の改修費用の見積りに公共工事での積算単価を用いることで、見積り額の基準を得ることができる。そのため、この基準見積り額を、施工業者からの見積り額が適切かどうかの判断に用いることができる。
(3)複数の集合住宅で大規模修繕の時期が近似する場合、この修繕に必要な費用の基準額の算出を複数の集合住宅分について一括して行うことができる。
(4)実際の修繕積立金の積立額を各専有区分の価格査定に反映させることで、より適切な査定額を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。ここでは、マンションで長期修繕計画に基づいた大規模修繕を行う場合の費用の見積りを行う場合を例として本発明を説明する。
(実施例1)
図1は本発明システムの概略構成図である。
このシステムは、互いにインターネットなどの通信網を介して通信可能なサーバ1とクライアント2を備えている。このサーバ1は、CPU、ハードディスク、メモリを備えてプログラムに従って各種演算処理を行うもので、キーボートやマウスといった入力手段や、ディスプレイなどの表示手段、プリンタなどの印刷手段の他、専有者情報管理手段11と、会計手段12と、設計手段13とを有している。
専有者情報管理手段11は、専有区分の所有者、居住者の氏名、住所(部屋番号)、電話番号などの他、各専有面積(持分比率)などが登録されているデータベースである。必要に応じて、これらの情報は管理台帳としてクライアント側で表示・印刷することができる。
会計手段12は、このマンションの維持管理に必要な出納状況を記憶、演算する。例えば、日常的に行われる共用部の清掃費用、エレベータのメンテナンス費用、電気代、水道代などの支出と、この支出をまかなう管理費の入金、並びに大規模修繕の財源として用いられる修繕積立金の入金状況が管理される。その他、駐車場代、駐輪場代、ルーフバルコニーの使用料などの入金状況も管理される。その際、これら駐車場代などが一定比率で修繕積立金に算入される場合には、その比率を乗算した金額を演算して修繕積立金として計上する。これらの集計結果は、必要に応じて、会計元帳、収支推移表、収支報告書、賃貸対照表などのフォームにてクライアントで表示・印刷することができる。
設計手段13は、長期修繕計画部と、設計演算部とを有する。長期修繕計画部は、マンションの各部の耐用年数を基に長期修繕計画の作成・登録を行う。例えば、屋上であれば、防水処理、高架水槽の塗装や取替え、TV設備・避雷針設備などの交換など、外壁であれば、塗装のやり直しやタイルの張り替えなど、バルコニーであれば、床面の防水処理や手摺の塗装など、開放廊下や外部階段であれば、床面の防水や手摺の塗装などを、改修工事の種類ごとに現状の仕様に応じた耐用年数を定めておく。そして、例えば、築後10年目にどのような改修工事を行うべきか、20年目にどのような工事を行うべきかを登録することができる。その他、この修繕計画部は、過去にマンションの共用部について改修を行った場合は、どの箇所にどのような仕様の改修を行ったかといった履歴を登録することができる。これらの登録内容は、必要に応じて、各クライアントで長期修繕計画書あるいは修繕履歴書として表示・印刷することができる。一方、設計演算部は、例えばマンションの設計図書に関するデータを記憶したり、これら設計図書を基に求めた改修工事の積算に必要な各部材の数量などを予め設定しておく。また、この設計演算部は、改修工事の工事種別ごとに仕様を選択することができ、選択された仕様に基づいて、工事費用を見積りできるように構成されている。より具体的には、各種資材のデータベースと、単価データベースとを備えている。資材データベースは、個々の資材のメーカ、詳細な仕様、例えば塗料であれば塗料の主成分や色、タイルであれば、柄やサイズなどが登録されている。一方、単価データベースには、公共工事の積算単価データが登録されている。ここでは、この単価データとして、財団法人建設物価調査会の単価データを用いている。このデータには、資材単価データと労務単価データが含まれる。そして、工事の種別と用いる資材の仕様と数量を選択すると、前記単価データを基に見積り額の算出を行う。各クライアントでは、必要に応じて、数量表、仕様書、見積書として表示・印刷することができる。その他、設計手段は、求められた見積り額と、会計手段で求められた積立額とを比較して過不足を判定する比較判定部も有している。
これら専有者情報管理手段11、会計手段12、設計手段13は連動して動作する。例えば、専有者情報管理手段11からの所有者および居住者に関する情報と会計手段12による修繕積立金の入金状況とから修繕積立金の未払い者を特定することができる。未払い者が発見された場合、その者に対して会計手段12を構成する督促状発行部より督促状の印刷信号を指令する。督促状は、予め定められた書式に、専有者情報管理手段11から読み出した未払い者の氏名、部屋番号の他、未払い(時期)期間などを挿入して文書が完成される。そして、サーバ1は、その未払い者の居住するマンションのクライアント2に対して督促状を印刷するように指令する。
また、会計手段12と設計手段13とも連動して動作する。例えば、会計手段12より求められた現在の修繕積立金の積立額と、設計手段13で求められた修繕に必要な見積り額とを比較して、積立額の過不足を求めることができる。
一方、専有者情報、上記の各種入金・出金情報あるいは各マンションごとの設計図書、積算に必要な数量などは、サーバ1と通信可能なクライアント2から送信される。この情報の入力は、各マンションの管理組合が行えばよいが、その作業が面倒または難しい場合、マンション管理士など、適切な知識を持ち合わせた者が行えばよい。クライアント2もCPU、ハードディスク、メモリを備えてプログラムに従って各種演算処理を行うコンピュータであり、キーボートやマウスといった入力手段や、ディスプレイなどの表示手段、プリンタなどの印刷手段を有している。ここでは複数の管理組合(管理組合A〜C)の各々のクライアント2から各マンションごとの出納状況がサーバ1に登録されるように構成されている。その際、各管理組合のクライアント2からサーバ1にアクセスする際には、IDとパスワードを用い、例えば管理組合Aは管理組合Aの出納状況にのみアクセスでき、他の管理組合の出納状況にはアクセスできないようにしている。
次に、本発明システムを用いた具体的な利用手順を図2〜図4に基づいて説明する。ここでは、このシステムの利用の前提として、既に各管理組合ごとに、専有者情報、各マンションごとの設計図書(設計図、仕様書など)、積算に必要な材工数量などは予めサーバ1に入力されているものとする。
図2のフローチャートに示すように、専有者から管理費や修繕積立金の入金が行われると、この入金状況が各管理組合のクライアントからサーバに入力され(ステップS1)、サーバでは入金情報を受け付けた入金済み処理が行われ、現在の積立額を更新する(ステップS2)。つまり、常に現時点での修繕積立金の積立額を正確に把握することができる。
次に、サーバ内では、会計手段と専有者情報管理手段とを連動させ、そのマンションのどの専有者が管理費や修繕積立金を支払ったかを確認する(ステップS3)。
その際、未払い者がなければ、予定通りの修繕積立金の積立がなされているものと判断する。
一方、未払い者があれば、専有者情報管理手段の情報から未払い者の氏名、部屋番号などを特定し、その未払い者に対して督促状を発行する(ステップS4)。
一方、大規模修繕に必要な工事内容は、長期修繕計画部により設定されている長期修繕計画に基づいて、必要な修繕を行う時期(築後10年、15年、20年など)や工事の種類、さらには現状を基準とした標準仕様が設定されている。
例えば、築後10年目の修繕に必要な工事の種類として、屋根の防水処理、外壁の改修、開放廊下、外部階段、バルコニーの防水処理と手摺塗装が挙げられていたとする。
外壁の改修を例として説明すると、図3に示すように、現在の仕様を前提とした標準仕様の資材、工法が表示される。さらには、この標準仕様に対応した資材があるか否かの情報が資材データベースから抽出され、資材メーカごとに資材の仕様が表示されると共に、その資材ごとにより詳細な説明をプルダウンメニューで表示することができる。
その際、各資材の単価も表示される。この単価は単価データベースより抽出される。つまり、財団法人建設物価調査会の資材単価データおよび労務単価データに基づく単価が表示される。
そして、この単価と予め設定されている改修工事の積算に必要な材工数量とを用いて、標準仕様に基づく改修工事の見積り額が設計演算部により演算される。
一方で、現在の修繕積立金の積立額は会計手段により把握できているため、設計演算部により求めた見積り額と現在の修繕積立金の積立額とを比較判定部にて比較し、過不足を判定する。
そして、改修工事の見積り額、修繕積立金に対する余剰額または不足額を表示する。ここでは図示していないが、各工事の種別ごとの費用の配分率も表示される。上記の不足額が、改修工事を行うにあたっての借入金または追加支払い額となる。また、この追加支払額が各住戸ごとでいくらになるかは、専有者情報管理手段に登録されている各専有面積(持分比率)を基に算出することもできる。
このように、公共工事の積算単価を用いて改修工事の見積り額を算出するため、算出された見積り額は必ずしも見積り時の市場価格に適合したものとは限らないが、一つの客観的な基準として捉えることができる。そのため、実際に施工業者に見積りを依頼するまでもなく、サーバ上でどのような工事をどのような仕様で行った場合にどの程度費用がかかるのかを判断するための基準をシミュレーションすることができる。その結果、この見積りの算出根拠となった仕様に基づいて複数の施工業者から見積りをとり、本発明システムで算出された基準見積り額と、各施工業者が提示した見積り額とを比較することで、各施工業者の価格の妥当性を判断する際の参考とすることができる。
上記の説明では、仕様を決定しておいて、その仕様に対応した見積り額の算出を行っているが、現在の修繕積立金の積立額でどのような工事がどのような仕様で可能かをシミュレーションすることもできる。
例えば、上記の現状を基準にした仕様に基づく工事を行うには多額の借入金が必要であることが判明した場合、いずれかの工事を見送ることや、各工事の仕様をレベルダウンすることが考えられる。より具体的には、屋根の防水処理、外壁の改修、開放廊下、外部階段、バルコニーの防水処理と手摺塗装が長期修繕計画として挙げられていた場合、開放廊下、外部階段、バルコニーの手摺塗装を見送るとか、各工事の仕様を現状のものより落とすことを検討する。その際、図4に示すように、どの工事を行うかをチェックボックスのオンオフなどで選択し、見送りを行う工事については見積りから除外することができる。選択された工事種別の各々についての仕様の変更は、現状を基準にした標準仕様がタイル貼りであれば塗装に変更するなどすればよい。その結果、再度選択し直した工事種別について見積りの演算をやり直し、算出された見積り額と現在の積立額とを比較表示することができる。そして、このような作業を繰り返すことで、現在の積立金であればどのような種別の工事がどのような仕様でできるかをシミュレーションすることができる。
さらに、本発明システムでは、複数のマンションの長期修繕計画と修繕積立金の積立状況が把握されている。そのため、サーバ管理者は、どのマンション間で同時期に大規模修繕が行われるかを知ることができる。そのため、予め他のマンションとの合同改修を検討しても良いか否かについて各管理組合から意思表示しておいてもらえば、例えば、竣工時期の相違が所定期間内(例えば1年以内)の複数のマンションを抽出し、これらマンションの大規模修繕について一括して施工業者に依頼することでスケールメリットを生かしたコストダウンを期待することもできる。その際、合同改修を行う複数のマンション(管理組合)は、各マンションの仕様に基づく見積り額の合計と、各マンションの積立額の合計とを比較したコスト表示を行うことができる。
(実施例2)
実施例1では、修繕積立金の積立状況と、その積立額を参照した改修工事の見積り額の検討が可能であるが、さらに積立額を各住戸の販売価格の評価の基準に用いても良い。
その場合、図5に示すように、さらに価格評価手段14を設け、この評価手段14を専有者情報管理手段11、会計手段12および設計手段13と連動させることでより適正な査定額を得ることができる。
この評価手段14は、そのマンションの立地条件、各戸の配置(向き、階、角部屋か否かなど)、専有面積などの情報が記憶された評価データベースと、現時点の修繕積立金の積立額を反映して評価価格を決定する評価演算部とを備える。このうち、専有面積などの情報は、専有者情報管理手段11から読み出すようにしておいても良い。
そして、これら評価情報の他に、会計手段12で算出されている修繕積立金の積立状況を評価基準として用いる。例えば、会計手段12で求めた現時点での積立額と、直近で行われる大規模改修工事の見積り額を、現在の仕様を基準とした標準仕様について設計演算部で算出し、この積立額と見積り額の過不足を評価演算部で一定の評価ランクに区分する。より具体的には、見積り額の80%以上の積立額があれば+2、見積り額の50〜80%までの積立額があれば+1…などと順次評価ランクを係数化し、その係数を用いて各戸の査定価格の算定に反映させればよい。
このような構成によれば、単に大規模改修を行う際の見積り額の基準が明らかにできるだけではなく、修繕積立金の積立状況に応じたより適正な査定を行うことができ、より公正な中古マンション市場の形成を期待することができる。なお、本例では、評価手段14を付加した点を除いて、他の機能は実施例1と同様である。
本発明は、マンション・アパート・賃貸住宅などの集合住宅の維持に必要な費用の出納状況を管理する分野に利用することができる。
実施例1に係る本発明システムの概略構成図である。 本発明システムの一部の処理手順を示すフローチャートである。 本発明システムで修繕工事費用の見積りを行う際、設定した仕様に基づいて見積り額を算出する場合を示す説明図である。 本発明システムで修繕工事費用の見積りを行う際、修繕積立金の額に応じた修繕工事の種別・仕様を選択して見積り額を算出する場合を示す説明図である。 実施例2に係る本発明システムの概略構成図である。
符号の説明
1 サーバ
11 専有者情報管理手段 12 会計手段 13 設計手段 14 評価手段
2 クライアント

Claims (6)

  1. 複数の専有区分を有する集合住宅の維持・改修に必要な費用の出納状況をコンピュータにて管理する集合住宅の管理システムであって、
    このシステムは、
    集合住宅の各区分の専有者に関する情報を登録する専有者情報管理手段と、
    各専有者から支払われた修繕積立金の積立状況を演算する会計手段と、
    集合住宅の共用部の改修に必要な工事の時期・種別・仕様を選択し、その仕様に基づいた改修費用を演算する設計手段とを備え、
    前記設計手段は、公共工事における積算単価を用いて改修費用の演算を行い、この改修費用と会計手段で算出した現在の修繕積立金の積立額とを比較する比較判定部を有することを特徴とする集合住宅の管理システム。
  2. 公共工事における積算単価は、財団法人建設物価調査会の単価データであることを特徴とする請求項1に記載の集合住宅の管理システム。
  3. 前記会計手段は、複数の集合住宅の各々の修繕積立金の積立額を管理し、
    前記設計手段は、複数の集合住宅のうち、改修時期が近似する集合住宅の改修費用を一括して演算し、比較判定部は、この改修費用と、改修費用の演算を行った集合住宅の積立金の合計額とを比較することを特徴とする請求項1または2に記載の集合住宅の管理システム。
  4. さらに、集合住宅の各専有区分の価格評価手段を有し、
    この価格評価手段は、少なくとも現時点の修繕積立金の積立額を反映して評価価格を決定する評価演算部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の集合住宅の管理システム。
  5. さらに、前記専有者情報管理手段からの所有者および居住者に関する情報と前記会計手段による修繕積立金の入金状況とから修繕積立金の未払い者を特定し、その未払い者に対する督促状を出力する督促状発行部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の集合住宅の管理システム。
  6. 複数の専有区分を有する集合住宅の維持・改修に必要な費用の出納状況の管理を行うコンピュータに、
    集合住宅の各区分の専有者に関する情報を登録する手順と、
    各専有者から支払われた修繕積立金の積立状況を演算する手順と、
    集合住宅の共用部の改修に必要な工事の時期・種別・仕様を選択し、その仕様に基づいた改修費用を公共工事における積算単価を用いて演算する手順と、
    この改修費用と現在の修繕積立金の積立額とを比較する手順とを実行させることを特徴とする集合住宅の管理プログラム。
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