JP2007079973A - デジタルヒューマンシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】逆キネマティクス演算を行う際の制約パラメータの設定を容易にしたデジタルヒューマンシステムを提供する。
【解決手段】IKエンジン1は、仮想空間内における人体モデルHMの各エフェクタの操作量を人体モデルHMの着目するエフェクタの位置から逆キネマティクス演算によって求める。統合化部2は、人体モデルHMの特定部位の動作に関連するエフェクタをグループとして登録する。エフェクタ設定部2bは、グループに含まれるエフェクタごとに逆キネマティクス演算の解空間を制限する制約パラメータを対応付ける。パラメータ決定部2cは、エフェクタ設定部2bに設定された制約パラメータに対して、人体モデルHMの動作に応じたスキームを適用し、適正な制約パラメータを決定する。この制約パラメータがパラメータ出力部2dを通してIKエンジン1に与えられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、デジタルヒューマンシステムに関するものである。
従来から、コンピュータプログラムを用いて構築した仮想空間において人体の動作を模擬するデジタルヒューマン(以下、「人体モデル」という)が用いられている。仮想空間において人体モデルで様々なポーズを表現する技術は、ゲームから工業製品の評価に至るまで各種の分野において利用されている。たとえば、製品の使い勝手を評価するために、ディスプレイ装置の画面上に、評価しようとする製品と人体モデルとを表示し、人体モデルの手先などの特定部位が、製品の様々な場所に届くか否かを評価することが考えられている(たとえば、特許文献1参照)。
この種の人体モデルとしては、人体の関節に相当するジョイントと、関節以外の部位であるセグメントとを用いて骨格に相当する形状を表すものが知られている。また、必要に応じて体格を表すためにフレームワークモデルによって筋肉に相当する形状を付与したり、フレームワークモデルの表面に適宜のテクスチャを持つスキンを貼り付けることにより皮膚や服装の質感を持たせることも考えられている。人体モデルの身長、各セグメントの長さ、各部の周囲長のような特徴量は、現実の人体の計測値を用いることによって与えられる。人体モデルに動きを付与するには、現実の人体の動きをモーションキャプチャなどによって計測し、その計測結果を人体モデルに適用することも考えられている。
上述のように製品の使い勝手を評価するために人体モデルを用いる場合には、人体モデルの手先のような特定部位が製品の様々な場所に届くか否かを確認する必要がある。このような動作を人体モデルに行わせるには、人体モデルの特定部位の位置や角度を、各ジョイントの位置および角度に変換する必要がある。この種の演算は逆キネマティクス(Inverse Kinematics)演算として知られており、多関節ロボットを制御する際にも用いられている。
ただし、人体モデルでは一般的な多関節ロボットよりも一つの動作に関わるジョイントの数が多く、しかも各ジョイントごとの自由度が高いものであるから、人体モデルの特定部位の位置を決めたとしても、各ジョイントの位置および角度には多くの解が存在し、最適な解を容易に探し出すことができないという問題がある。すなわち、逆キネマティクス演算の解空間が広いものであるから、人体モデルの特定部位の位置を変化させる際に、各ジョイントの位置および角度をリアルタイムで求めるには、高い処理負荷が要求される。
逆キネマティクス演算の処理負荷を軽減するには、逆キネマティクス演算の解空間を制限するための制約条件を与えればよく、逆キネマティクス演算を行う既存のプログラムモジュールには、個々のジョイント(人体モデルの関節に相当する概念)あるいはエフェクタ(人体モデルの可動部分の動作を並進と回転に分解して単位化した概念)に制約条件(制約パラメータ)を与えることを可能としたものがある。
特開2004−94337号公報
しかしながら、人体モデルに所望の動作をさせるために、どのジョイントあるいはエフェクタにどのような制約条件を与えるかは、逆キネマティクス演算を行うプログラムモジュールの利用者が個々に試行錯誤によって決定しているから、制約条件を設定する作業は多大な時間を要する。また、人体モデルに与える個々の動作に対応付けて制約条件を設定しているから、制約条件を種々の動作に適用できるように汎用化することができず、制約条件の設定作業の効率が悪いという問題を有している。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、逆キネマティクス演算を行う際の制約条件の設定作業の負担を軽減し、かつ様々な動作に汎用化できるような制約条件の設定を可能とするデジタルヒューマンシステムを提供することにある。
請求項1の発明は、コンピュータプログラムを用いて構築される仮想空間内における人体モデルの各エフェクタごとの操作量を人体モデルの特定部位の位置から逆キネマティクス演算により求めるIKエンジンと、IKエンジンにおける逆キネマティクス演算の解空間を制限するための制約パラメータをIKエンジンに与える統合化部とを備え、統合化部は、人体モデルに含まれるエフェクタのうち人体モデルの特定部位の動作に関連付けられるエフェクタがグループとして登録され登録されたエフェクタにそれぞれ制約パラメータが対応付けて登録されるエフェクタ設定部と、人体モデルの特定部位の動作が指定されることによりエフェクタ設定部からグループが選択されると当該グループのエフェクタに対応付けた制約パラメータに人体モデルの動作に応じたスキームを適用して動作に関連するエフェクタの制約パラメータを決定するパラメータ決定部と、人体モデルの特定部位の指定により選択されたグループのエフェクタについてパラメータ決定部で求めた制約パラメータをIKエンジンに与えるパラメータ出力部とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、IKエンジンにおける逆キネマティクス演算の際にエフェクタに与える制約パラメータ(制約条件)を統合化部において決定しており、統合化部では人体モデルの特定部位の動作に関連付けてエフェクタをグループとして登録しているから、人体モデルの動作に対してエフェクタをグループ単位で扱うことができるようになる。つまり、人体モデルの何らかの動作に際して、目的とする動作に対応するグループのエフェクタについてのみ制約パラメータを設定すればよく、制約パラメータを試行錯誤で設定する場合に比較すると制約パラメータの設定作業の負担が軽減される。また、人体モデルの様々な動作についてグループを汎用的に使用することができるように人体モデルの基本的な動作についてエフェクタのグループを設定しておけば、エフェクタ設定部に一旦設定した制約パラメータは汎用的に使用することが可能になる。さらに、エフェクタ設定部には、エフェクタのグループを登録するとともに、グループ内のエフェクタに与える制約パラメータを登録するから、人体モデルの動作を確認しながら、1つのグループにするエフェクタの種類やエフェクタに与える制約パラメータを調節することが可能である。しかも、パラメータ決定部では、エフェクタ設定部に設定した制約パラメータには人体モデルの動作に応じたスキームが適用されて動作に関連する制約パラメータが決定されるから、人体モデルの動作に応じて適切な制約パラメータを発生させることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記パラメータ決定部が、前記人体モデルの特定部位を前記仮想空間内で静止した定位置に移動させる動作に対しては、前記エフェクタ設定部に登録された制約パラメータを用いるスキームを適用し、前記人体モデルの特定部位の位置を前記仮想空間内で動的に変化させる動作に対しては、前記エフェクタ設定部に登録された制約パラメータを動作に関連するエフェクタとの関係を規定したスキームを適用することを特徴とする。
この構成によれば、人体モデルの手先のような特定部位を仮想空間内で静止している定位置に移動させるように指示するか、人体モデルの特定部位を仮想空間内で動的に移動させるように指示するかに応じて適切な制約パラメータを与えることができる。とくに、陣人体モデルの特定部位を指定して仮想空間内で動的に移動させるときには、エフェクタに与える制約パラメータを指定した特定部位に応じて変化させることができるから、人体モデルの特定部位の位置に応じた制約パラメータを自動的に発生させることができ、スキームを適正に設定することで処理負荷の軽減が可能になる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記エフェクタ設定部に登録されたグループのうち前記人体モデルの上半身と下半身との各特定部位が移動可能な位置を、仮想空間内に設定された所定の制限領域の範囲内に制限していることを特徴とする。
この構成によれば、制限領域を適切に設定することにより、上半身と下半身との特定部位が移動可能な範囲において人体モデルが人の取り得ないポーズになることを防止することができる。
本発明の構成によれば、逆キネマティクス演算の際にエフェクタに与える制約パラメータを決定する統合化部を設け、統合化部では人体モデルの特定部位の動作に関連付けてエフェクタをグループとして登録しているから、人体モデルの動作に対してエフェクタをグループを単位として扱うことができ、IKエンジンの利用者が制約パラメータを設定する際にグループ内のエフェクタについてのみ制約パラメータを調節すればよいから、作業の負担が軽減されるという利点がある。しかも、適切なグループを設定しておけばエフェクタ設定部に一旦設定した制約パラメータを汎用的に使用することが可能になるという利点がある。
本実施形態はコンピュータでプログラムを実行することにより実現されるものであり、コンピュータは、出力装置としてのディスプレイ装置(図示せず)のほか、入力装置としてのキーボード(図示せず)およびマウス(図示せず)を備えているものとする。なお、人体モデルは、ディスプレイ装置の画面に表示される仮想空間で動作するものだけではなく、実空間で動作する多関節ロボットを用いてもよい。
本実施形態では、手先のようなエンドエフェクタの位置などから逆キネマティクス演算を行うことにより人体モデルのポーズないし動作を決定する既存のプログラムモジュールと、このプログラムモジュールに対して人体モデルの各エフェクタごとの制約パラメータを与える上位のプログラムモジュールとを用いている。
すなわち、本実施形態は、図1に示すように、各エフェクタごとに逆キネマティクス演算の解空間に制約条件を与える制約パラメータの入力が可能であって制約パラメータによる制約条件の下で逆キネマティクス演算を行う既存のIK(Inverse Kinematics)エンジン1と、IKエンジン1の上位のプログラムモジュールであってIKエンジン1に与える制約パラメータを生成する統合化部2とを備える。
なお、エフェクタは、ジョイント(人体の関節に相当)については並進と回転とを個別に扱う際の単位であり、さらに人体モデルの重心もエフェクタになる。また、基準となるエフェクタとして上半身と下半身とを分ける分岐点である腰付近にルートエフェクタが設定される。本実施形態では、従来構成と同様に、人体モデルHMをジョイント(図2の丸の部位)とセグメント(人体の骨格に相当し、図2の棒の部位)との集合として考える。以下の説明では、代表的なジョイントとして、ルートJ0、左膝J1,右膝J2、左踝J3、右踝J4、左肩J5、右肩J6、第7頸椎J7、左手首J8、右手首J9を用いる。ただし、これらのジョイントの種類は一例であって、人体モデルHMを動作させるために適宜のジョイントを用いるのはいうまでもない。また、ジョイントのルートJ0はルートエフェクタに一致する。
IKエンジン1の制約パラメータには、タイプ、優先度、重み係数、連動数の4種類がある。タイプは、エフェクタが、三次元位置の並進のみを行う「位置」型か、回転を伴う「回転」型かを示す。また、タイプには重心エフェクタのみの属性である「重心」も含まれる。1つのジョイントについて、タイプは「位置」型、「回転」型のいずれかの場合と、「位置」型と「回転」型との両方の場合とがある。たとえば、ジョイントのうち左膝J1、右膝J2は「位置」型のエフェクタのみであり、左踝J3、右踝J4は左右の回転を許容しているから「位置」型と「回転」型との両方のエフェクタを持つことになる。
優先度と重み係数とは、いずれも指示に対するエンドエフェクタの応答性を指定する。たとえば、着目するエフェクタの優先度が高いか重み係数が大きい場合、当該エフェクタを移動させる指示を与えると応答性よく移動し、当該エフェクタに移動させる指示を与えなければ他のエフェクタと連動した移動が起こりにくくなる。言い換えると、エフェクタの優先度が高く重み係数が大きいほど、逆キネマティクス演算の際の当該エフェクタに関する解空間が狭くなる。優先度および重み係数は、それぞれ5段階に設置されており、最大、高、中、低、最小と種別される。
連動数は、着目するエフェクタと連動させるジョイントの個数であり、着目するエフェクタからルートエフェクタに向かう方向において、着目するエフェクタと連動させるジョイントの個数を表す。たとえば、ジョイントが左膝J1であるとタイプは「位置」型であり、この連動数が2であるとすれば、左膝J1の次から上方に向かって数えて2個のジョイントのうちタイプが「位置」型であるエフェクタが連動することを意味する。
IKエンジン1に対して、上述した4種類の制約パラメータを各エフェクタごとに与えれば逆キネマティクス演算に制約条件を与えることができるから、解空間を制限して逆キネマティクス演算の処理負荷を軽減することができる。すなわち、逆キネマティクス演算において上述のような制約パラメータで解空間を制限する場合には、各エフェクタが許容範囲の境界に達するか誤差の累積値が規定値になるまで逆キネマティクス演算の解を収束させる。また、優先度の高いまたは重み係数の大きいエフェクタの位置が許容範囲の境界に達したときには、優先度の高いまたは重み係数の大きいエフェクタの位置をその位置に留め、優先度の低いまたは重み係数の小さいエフェクタの位置を調節する。
本実施形態では、IKエンジン1の制約パラメータの設定を容易にするために統合化部2を設け、人体モデルHMの動作に応じた制約パラメータを統合化部2から与えている。つまり、統合化部2を設けることにより、IKエンジン1の個々のエフェクタに与える制約パラメータを集約して管理することができ、制約パラメータの設定に要する利用者の負担の軽減が可能になる。
図1に示すように、統合化部には、人体モデルHMにおいて利用可能なエフェクタを登録したエフェクタ登録部2aが設けられ、エフェクタ登録部2aに登録されたエフェクタから人体モデルHMの特定部位の動作ごとに当該動作に関連付けられるエフェクタが登録されるエフェクタ設定部2bが設けられる。エフェクタ登録部2aには、各エフェクタに対応するジョイント(重心も含む)の名称とエフェクタのタイプとが登録されている。
エフェクタ設定部2bでは、表1、表2のような形式でエフェクタがグループとして登録される。表1は基本の動作を規定する「セットアップ」グループの設定例であり、表2は仮想空間内の目標に左手の手先を到達させる動作を規定する「左到達」グループと、目標に右手の手先を到達させる動作を規定する「右到達」グループとの設定例を示している。各グループにおいて関連付けられるエフェクタは、サブグループ(表には「サブG」として記載している)とジョイントとタイプとで特定される。たとえば、ジョイントが右踝J4であってタイプが位置であるエフェクタは、サブグループによって「足」に属していることになる。サブグループはエフェクタを階層化するために用いている属性であり、必ずしも用いなくてもよい。エフェクタ設定部2bにおいてエフェクタを登録するにあたっては、エフェクタ設定部2bにおいてグループの設定を行う際にジョイントの名称を入力すれば、エフェクタ登録部2aに照合され、エフェクタ設定部2bにタイプが自動的に設定される。なお、エフェクタ設定部2bの設定内容は記憶され、いつでも呼び出して使用できるようにしてある。
Figure 2007079973
Figure 2007079973
「セットアップ」グループは、サブグループとして、上半身を代表する「首」、下半身を代表する「膝」、「足」、「腕」、「重心」を含み、「首」は第7頸椎J7、「膝」は左膝J1と右膝J2、「足」は左踝J3と右踝J4、「腕」は左肩J5と右肩J6の各ジョイントを含む。これらのジョイントJ1〜J7に関する各タイプのエフェクタと重心エフェクタとが「セットアップ」グループに関連付けられる。「セットアップ」グループでは、人体モデルHMにおいて動作させる特定部位は、基本的には「首」と「膝」とであり、仮想空間内においてこれらの部位が移動可能な範囲は、図3のように設定された制限領域D1,D2の範囲内に制限されている。制限領域D1,D2は、人体モデルHMのポーズが人に取り得ないポーズにならないようにするための制限を付与するために設けられている。
「首」に属する第7頸椎J7に相当するエフェクタは、連動数が10に設定されているから、このエフェクタを移動させると第7頸椎J7から数えてルートJ0に向かって10個のジョイントが連動するようにIKエンジン1における逆キネマティクス演算が行われる。したがって、第7頸椎J7の位置を変化させると、大部分のジョイントの連動が可能になる。ただし、重心は優先度および重み係数が「高」であり、左踝J3、右踝J4の優先度および重み係数は「最大」であるから、第7頸椎J7に相当するエフェクタが移動しても重心および左踝J3、右踝J4は原則として移動しない。なお、仮想空間において人体モデルHMの上下方向をZ方向とするときに、重心の位置はXY平面での位置を意味する(図4参照)。したがって、「首」の移動時に重心の上下方向の移動は許容される。なお、X方向は人体モデルHMの前後方向、Y方向は左右方向に相当する。また、左肩J5と右肩J6に対応するエフェクタは優先度および重み係数は「最小」であるから、第7頸椎J7の移動に伴う左肩J5と右肩J6の移動は妨げられない。要するに、左肩J5と右肩J6に対応するエフェクタに関する解空間は制限を受けない。
同様にして、「膝」に属するエフェクタは、連動数が2に設定されているから、このエフェクタを移動させると下半身のうち膝から上の部分のジョイントのみが可動になり、上半身のジョイントは解空間が制限される。
ところで、表1に示すグループでは、ディスプレイ装置の画面に表示された人体モデルHMについて、着目するエフェクタ(ここでは「首」または「膝」)をマウスによってドラッグすると上述した制限領域D1,D2の範囲内で着目するエフェクタを移動させることができる。
一方、「左到達」グループと「右到達」グループとでは、サブグループとして「着目」、「足」、「ルート」を含み、「着目」は人体モデルHMにおいて、動作させる特定部位を意味する。ここでは、左手首J8または右手首J9が、人体モデルHMにおいて動作させる特定部位になる。この特定部位をマウスでドラッグすれば、仮想空間内の所望の位置に手先を移動させることができ、また仮想空間で静止した定位置を指定して手先をその位置に到達するように指定すれば手先を自動的に定位置に移動させることができる。前者のようにマウスにより人体モデルHMの特定部位を移動させる動作を動的な動作と呼び、後者のように静止した定位置を指定して人体モデルHMの特定部位を自動的に移動させる場合を静的な動作と呼ぶことにする。
静的な動作では人体モデルHMの特定部位(手先など)が到達する位置があらかじめ与えられているから、制約パラメータを途中で変化させる必要がないが、動的な動作では人体モデルHMの特定部位の位置がランダムに変更されるから、逆キネマティクス演算における解空間に適正な制約を与えるには制約パラメータを動的に変化させることが望ましい。
そこで、本実施形態では、統合化部2においてパラメータ決定部2cを設け、静的な動作か動的な動作かに応じて、着目するエフェクタに関連して動作するエフェクタの制約パラメータに関するスキームを適用し、スキームにより適正な制約パラメータが自動的に生成されるようにしてある。生成された制約パラメータはパラメータ出力部2dを通してIKエンジン1に与えられる。
表3、表4はそれぞれスキームの設定例を示している。また、表3と表4との内容は対応するものではなく、個々にスキームの設定例を示している。表3、表4において「スキーム」の項目はスキームの名称を示しており、「主ジョイント」は着目しているジョイントを意味する。「下位側」は着目しているジョイントに対して下側あるいはルートJ0から離れる側、「上位側」は着目しているジョイントに対して上側あるいはルートJ0に近付く側のジョイントを意味する。また、表3における「高」、「中」、「低」は優先度および重み係数の大きさを表し、「−」は優先度と重み係数とがともに設定されない状態を示す。表4では優先度と重み係数を5段階に分けて表記している。
Figure 2007079973
Figure 2007079973
上述したように、表3,表4のようなスキームを設定してあり、動的な動作か静的な動作かに応じて適宜のスキームを適用するから、エフェクタ設定部2bにおいて人体モデルHMの特定部位の動作に関連付けるエフェクタについて設定されている制約パラメータに対して、パラメータ設定部2cに指示される動作に応じたスキームを適用し、適切な制約パラメータを得ることができるのである。なお、静的な動作に対しては、エフェクタ設定部2bに設定された制約パラメータをそのまま用いるようにしてあり、このスキームはSC5に相当する。
なお、「セットアップ」グループにおいてサブグループである「首」または「膝」をディスプレイ装置の画面上においてマウスによりドラッグする場合に、第7頸椎J7の位置もしくは左膝J1と右膝J2との間の位置に、たとえば赤色のポイントが表示される。このポイントをマウスでクリックすれば緑色に変化させることができ、この状態において「首」または「膝」について制限領域D1,D2内での移動が可能になる。すなわち、IKエンジン1における逆キネマティクス演算の際には、統合化部2からの制約パラメータを用いて解空間を制限することで処理負荷を軽減しリアルタイムで人体モデルHMのポーズを決定することができる。したがって、人体モデルHMを対話的に動作させることができる。たとえば、図4のように、ディスプレイ装置の画面上で人体モデルHMの特定位置として手首を着目ポイントPし、着目ポイントPをマウスによってドラッグすれば、人体モデルHMの動きを確認することができ、人体モデルHMの動きを評価することにより優先度および重み係数が適切に設定されているか否かを確認することができる。
以上説明したように、統合化部2においては人体モデルHMの特定部位の動作に関連するエフェクタをグループとして登録しているから、IKエンジン1を用いて人体モデルHMを動作させようとする利用者は、統合化部2においてグループ化された少数のエフェクタを対象として制約パラメータを設定するだけで、IKエンジン1における逆キネマティクス演算に用いる適正な制約条件を与えることができる。その結果、制約パラメータの設定作業が容易になる上に、逆キネマティクス演算の解空間を制限することで処理負荷を低減でき人体モデルHMをリアルタイムで動作させることが可能になる。
実施形態を示すブロック図である。 同上で用いる人体モデルの一例を示す図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。
符号の説明
1 IKエンジン
2 統合化部
2a エフェクタ登録部
2b エフェクタ設定部
2c パラメータ決定部
2d パラメータ出力部
HM 人体モデル

Claims (3)

  1. コンピュータプログラムを用いて構築される仮想空間内における人体モデルの各エフェクタごとの操作量を人体モデルの特定部位の位置から逆キネマティクス演算により求めるIKエンジンと、IKエンジンにおける逆キネマティクス演算の解空間を制限するための制約パラメータをIKエンジンに与える統合化部とを備え、統合化部は、人体モデルに含まれるエフェクタのうち人体モデルの特定部位の動作に関連付けられるエフェクタがグループとして登録され登録されたエフェクタにそれぞれ制約パラメータが対応付けて登録されるエフェクタ設定部と、人体モデルの特定部位の動作が指定されることによりエフェクタ設定部からグループが選択されると当該グループのエフェクタに対応付けた制約パラメータに人体モデルの動作に応じたスキームを適用して動作に関連するエフェクタの制約パラメータを決定するパラメータ決定部と、人体モデルの特定部位の指定により選択されたグループのエフェクタについてパラメータ決定部で求めた制約パラメータをIKエンジンに与えるパラメータ出力部とを備えることを特徴とするデジタルヒューマンシステム。
  2. 前記パラメータ決定部は、前記人体モデルの特定部位を前記仮想空間内で静止した定位置に移動させる動作に対しては、前記エフェクタ設定部に登録された制約パラメータを用いるスキームを適用し、前記人体モデルの特定部位の位置を前記仮想空間内で動的に変化させる動作に対しては、前記エフェクタ設定部に登録された制約パラメータを動作に関連するエフェクタとの関係を規定したスキームを適用することを特徴とする請求項1記載のデジタルヒューマンシステム。
  3. 前記エフェクタ設定部に登録されたグループのうち前記人体モデルの上半身と下半身との各特定部位が移動可能な位置は、仮想空間内に設定された所定の制限領域の範囲内に制限されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のデジタルヒューマンシステム。
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