JP2007078123A - 固定式等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】外輪内球面の面積と球面角を確保すると同時に、ケージ強度に必要なコーナRも併せて確保し、もって、固定式等速自在継手の強度向上を図ること。
【解決手段】少なくとも一端にて開口し内球面12に軸方向に延びる複数のボール溝14を形成した外輪10と、外球面22に軸方向に延びる複数のボール溝24を形成した内輪20と、対をなす外輪10のボール溝14と内輪20のボール溝24との間に組み込んだトルク伝達ボール30と、外輪10の内球面12と内輪20の外球面22との間に介在してトルク伝達ボール30を軸方向に保持するケージ40とを具備した固定式等速自在継手において、外輪開口側で内球面12に隣接して外輪開口の最小内径C1を形成する面を、内球面12に形成された隣り合うボール溝24間の中央と外輪中心Oとを結ぶ直線Lに対して垂直を成し、かつ、外輪軸線方向に平行に延在する平面部としたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明の固定式等速自在継手は、連結した駆動側と従動側の二軸間で角度変位のみを許容するタイプであって、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用される。
自動車のドライブシャフトのアクスル連結部や、ステアリングシャフトのシャフト折曲げ連結部には、固定式等速自在継手が一般に使用される。この固定式等速自在継手として、従来、ゼッパ型等速自在継手やアンダーカットフリー型(以下UJ型という)等速自在継手が知られている。
固定式等速自在継手であるゼッパ型等速自在継手は、外輪、内輪、ボールおよびケージから成る。外輪の内球面には複数の曲線状のボール溝が等間隔で形成される。内輪の外球面には同数の曲線状ボール溝が形成される。外輪ボール溝の曲率中心と、内輪ボール溝の曲率中心とは、継手の中心Oに対して左右に等距離オフセットされる。ボールは外輪ボール溝と内輪ボール溝間に組込まれ、ケージは外輪と内輪間に組込まれる。ケージは、外輪の内球面と内輪の外球面に接触案内される球面を内外に有する。また、ケージは、ボールを収容するポケットを周方向等間隔に有する。
UJ型等速自在継手は、ゼッパ型等速自在継手よりも高作動角とするために発明されたもので、外輪の案内溝のボール中心軌跡が、上記ゼッパ型の子午線の円弧のうち、外輪の案内溝中心を通る軸直角断面より外輪の開口側の部分が継手軸と平行な直線となっている。
このような固定式等速自在継手の外輪に対してケージを組み付ける場合、ケージの軸線を外輪軸線に対して90°回転させた状態で外輪の軸方向から装入する方法(特許文献1の図12、特許文献2の図5参照)と、ケージと外輪の軸線を同軸にして外輪の軸方向から装入する方法(特許文献3の第5図参照)がある。
図20に示すように、従来の外輪10の開口側には、ボール溝14相互間の内球面12と、内輪に結合したシャフトが最大作動角を取った時の外輪開口縁の干渉逃げのための面取り16aとの間に、円筒部16cが形成されている。図21のケージ40を外輪10に同軸方向で装入する場合、ケージ外径面におけるポケット外縁部分が最小径Eとなるため、ケージポケット外縁部を円筒部16cに位置合わせてして装入する。円筒部16cの幅Wはポケット外縁の幅Wの範囲内に収まるように設計される(W<W)。
特許文献2および特許文献3に記載された固定式等速自在継手は、ケージの外周面に、ポケット外縁に連続する切込み溝や平坦面を軸線方向に形成したものである。ケージを外輪内に同軸方向から挿入する際に、前記切込み溝や平坦面を、図20の円筒部16cと同様に、外輪内球面の開口側で半径方向内方に張出した「アゴ7a」や「区劃壁9」に合わせてケージを通過させる、というものである。
特開平6−193645号公報 実開平5−45253号公報 実開昭54−93850号公報
図20に示すように、外輪10の円筒部16cの内側には内球面12が続いており、円筒部16cと内球面12との境界Bは、側面視で図20(B)のようにほぼ直線である。円筒部16cの内径を拡大してその面積を拡大すると、その分だけ内球面12の開口側面積が奪われる関係にある。外輪10に対してケージ40を軸方向から組込む場合、ケージ外径Eとの干渉を避けるためには円筒部16cの内径を大きくする必要がある。しかし、円筒部16cの内径を大きくすると、前述のように外輪内球面12の面積減少を避けられないうえ、図20(B)の球面角αも小さくなる。これは、ケージ40を外輪10によって抜止め保持する面積が小さくなり面圧が高くなることを意味し、固定式等速自在継手の強度と耐久性が損なわれる結果となる。
所定の外輪内球面12面積と球面角αを確保するには、外輪円筒部16cの内径を一定以下にする必要がある。外輪円筒部16c内径を小さくするには、ケージ40の最小径Eを小さくしなければならない。特許文献2と3に記載したように、ケージ外径面のポケット外縁に軸方向で続く部分を削ればケージの最大外径を小さくすることができるが、ケージ40の強度低下は免れない。
一方、ケージ40の最小径は、図21(A)に示すように、ポケット42外縁に対応するEで示されるが、この最小径Eはケージポケット42のコーナRの大きさと関係する。ケージポケット42のコーナRを大きくすると、図21(A)の破線で示すようにポケット外縁の高さが増大し最小径Eが増加する。このため、コーナRは比較的小さい値に抑制されているが、コーナRが小さいと応力集中によりケージ40が破損しやすく、ケージ強度が低下する。
本発明の目的は、外輪内球面面積と球面角を確保すると同時に、ケージ強度に必要なコーナRも併せて確保し、もって、固定式等速自在継手の強度向上を図ることを課題とする。
本発明の固定式等速自在継手は、少なくとも一端にて開口し内球面に軸方向に延びる複数のボール溝を形成した外輪と、外球面に軸方向に延びる複数のボール溝を形成した内輪と、対をなす外輪のボール溝と内輪のボール溝との間に組み込んだトルク伝達ボールと、外輪の内球面と内輪の外球面との間に介在してトルク伝達ボールを軸方向に保持するケージとを具備した固定式等速自在継手において、外輪開口側で内球面に隣接して外輪開口の最小内径を形成する面を、内球面に形成された隣り合うボール溝間の中央と外輪中心とを結ぶ直線に対して垂直を成し、かつ、外輪軸線方向に平行に延在する平面部としたことを特徴とするものである。
本発明は、前述のように、外輪開口の最小内径を形成する面を「平面部」としたので、ボール溝間の内球面の幅方向中央部の開口側長さを延長することができる(図20(B)のD→図2のD)。内球面幅方向中央部を開口側にどこまで深く延ばせるかでケージひいてはボールの保持力が決まる。従来の円筒部では内球面幅方向中央部の開口側長さが、内球面の幅方向両端部の開口側長さと同じであったが、本発明では平面部と内球面開口側端部との交差曲線であって開口側に凸となる曲線によって内球面中央部の開口側端部境界が画成され、前記凸の分だけ開口側端部境界を広く確保することができる(図2の内球面12を参照)。
また、従来の外輪の円筒部では当該円筒部の幅方向中央でも幅方向両端でもケージ中心からの距離は変わらない。このため、ケージポケットコーナRを大きくすると外輪円筒部とすぐに干渉してしまう。ボール数が多くコンパクトな継手ほどこの干渉がきつい。本発明は円筒部に代えて平面部にしているので、平面部の幅方向中央とケージ中心との距離よりも、平面部の幅方向両端とケージ中心との距離の方が長くなる。これは、定点Aからある平面に下ろした垂線の距離が、当該定点Aから平面に至る最短距離となることと同じである。したがって、本発明ではコーナRを従来よりも大きくしても(図21(B)のR→図5(A)のR)、ケージと外輪(の「平面部」)との間に余裕(クリアランス)が生まれる。
本発明は前述の如く、外輪開口の最小内径を形成する面を「平面部」としたので、ケージを外輪に対して同軸方向で装入する際の前記平面部に臨んでケージ側の通過部となるポケットのコーナRを大きくでき、これによりケージ強度が増大する一方、外輪内球面の幅方向中央部の開口側先端に至る球面角αが深くなり(α→α)、したがって、ケージがこの外輪球面から抜け出す方向の変形が抑制され、かつ、外輪の開口側内球面面積も増えることで、固定式等速自在継手の強度と耐久性を増大させることができる。本発明は、特に、ボールを8個使用する固定式等速自在継手で有用である。ボールが8個の場合、ボール径が小さくなって継手がコンパクトになるが、その分、外輪最小内径とケージ最小外径との間に余裕がなくなる。このような制約された設計条件下でも十分な外輪の開口側内球面面積と球面角を確保することができる。
また、ケージ外径面におけるケージポケットの外縁に、ポケット外縁の全周で連続する平面状の環状面取りを形成することで、外輪の平面部との間のクリアランスに余裕が生まれ、その分、平面部内径を小さくして外輪内球面の開口側面積の増大と幅方向中央部の開口側先端に至る球面角αを大きくでき、固定式等速自在継手の強度と耐久性をさらに増大させることができる。
以下、図面に従って本発明の実施の形態を説明する。
図1にUJ(アンダーカットフリー)タイプの固定式等速自在継手の縦断面を示す。図示するように、この固定式等速自在継手は、外輪10、内輪20、ボール30およびケージ40を主要な構成要素として成り立っている。
外輪10はマウス部10aとステム部10bとからなる。図2および図3に示すように、マウス部10aは一端にて開口した椀状で、その内周面(以下、「内球面」という。)は内球面12とされている。この内球面12に軸方向に延びる複数(ここでは8本)のボール溝14が円周方向に等間隔に形成してある。マウス部10aの奥底、すなわち、マウス部10aの奥側内面であって外輪軸心を含む領域に、図1のように、内輪20の外球面22を受けるための支持部として、凹球面状の球面座18を形成してある。この球面座18の周囲には、環状の空間19が存在している。ステム部10bは、この実施の形態では、セレーション部とねじ部を有する。
なお、球面座18の径をシャフト50の径よりも大きくし、この拡径した球面座18を含むステム部10bを、図1で破線Pにて示す面を境として外輪10と分離製作し、固定式等速自在継手の組み立て最終段階で、ねじ等の結合手段で外輪10と一体化してもよい。このような分離型のステム部ないし拡径球面座18を使用すれば、外輪10内に装入した内輪20にシャフト50を差込む際、後述の図17のように内輪20を傾斜させずに済む。
外輪10のマウス部10a開口側縁部には、内輪20に結合するシャフト50の最大作動角時にシャフト50と当接する面取り16aが周方向に連続して形成されている。この面取り16aと、マウス部10aの内球面12の開口側との間に、図2および図3に示すように、平面部16bが形成されている。この平面部16bは、マウス部10a開口の最小内径を形成し、外輪中心を挟んで対向する反対側の平面部16bとの相互間距離が最小内径Cとなる。平面部16bは、図3に示すように、マウス部10a内球面12に形成された隣り合うボール溝14間に位置する。平面部16bは、平面部16b上における両側のボール溝14の中央点Mと、外輪中心ないし継手中心Oとを結ぶ直線Lに対して、垂直を成すと同時に、外輪10の軸線方向に平行に延在する。平面部16bの外側の境界Bは面取り16aとの境界であり、内側の境界Bが内球面12との境界である。外側の境界Bは、図2のように、側面視でほぼ直線状である。内側の境界Bは、内球面12側から見て凸となる円弧状である。この内側境界Bを図20(B)の従来のものと比較すると、本発明の図2の方が内球面12が幅方向中央部で開口側に拡大されていることが分かる。中央部を開口側まで深く延ばすことにより(図20(B)の球面角α→図2の球面角α)、ケージ40ひいてはボール30の保持力が高まる。
内輪20は図1および図4に示すように球状で、その部分球面状外周面(以下、「外球面」という。)22に、軸方向に延びる複数ここでは8本のボール溝24が円周方向に等間隔に形成してある。内輪20はスプライン孔26によってシャフト50とトルク伝達可能に結合する。図4において、符号F1およびF2は、それぞれ、内輪20の外球面22の外径および外球面22の中心横断面での最小投影径を示す。
外輪10の球面座18の曲率半径は内輪20の外球面22の曲率半径とほぼ等しい。また、図1に示す固定式等速自在継手を組み立てた状態において球面座18側に位置する内輪20のスプライン孔26の端部は球面座18の外径より大きくしてある。外輪10の球面座18および内輪20の外球面22には熱処理によって表面硬化層が設けてある。図1から分かるように、シャフト50の端面は内輪20の外球面22と実質的に同じ曲率半径の球面で、内輪20にシャフト50を組み付けた状態で両者は一つの球面を形成する。
図1に示すように、外輪10のボール溝14の曲率中心O1と内輪20のボール溝24の曲率中心O2は、継手中心Oに対して軸方向に等距離fだけオフセットさせてある。したがって、対をなす内外輪10、20のボール溝14、24は外輪10の大端面側開口に向かって拡開したくさび形状を呈している。
この実施の形態の固定式等速自在継手は、ボール溝14、24にアンダーカットがない(アンダーカットフリー)。すなわち、外輪10のボール溝14は、曲率中心O1を境にして小端面側に位置する円弧底14aと大端面側に位置する軸線と平行なストレート底14bとで構成される。同様に、内輪20のボール溝24は、曲率中心O2を境にして外輪10の大端面側に位置する円弧底24aと外輪10の小端面側に位置する軸線と平行なストレート底24bとで構成される。
ケージ40は外輪10の内球面12と内輪20の外球面22との間に介在している。ケージ40の円周方向に複数ここでは8個のポケット42が配設してある。ポケット42の形状は概略矩形であるが、円周方向対向面はボール30の曲率とほぼ等しい円弧面とされ、かつ、4隅には応力集中を緩和するためコーナR(曲率半径R)が形成されている。ケージ40の外球面44は外輪10の内球面12と接する。図5および図6に示すように、ケージ40の外球面44とポケット42の軸方向に向かい合った側壁とがなす角部41、43の径E2は、ケージ40の外球面44の外径E1よりも小さい。径E2は外輪10の平面部16bの内径C1より小さくしてある(E2<C1)。これはケージ40を外輪10と同軸方向に装入するとき必要となる寸法関係である。ただし、この寸法関係が僅差でC1<E2のように逆転した場合でも、ケージ40を外輪10に焼嵌めするか、かち込むなどすれば、入れることも可能である。
ケージ40の外径面には、図5(A)に示すように、ポケット42の外縁の全周で連続する平面状の環状面取り49が形成されている。この環状面取り49は、必要に応じて適宜形成すればよいものであって、図11のように、ケージ40を外輪10内に挿入する際に外輪10の最小内径Cを規定する平面部16bとの干渉を避け、可及的に平面部16bの内径Cを小さくするためである。平面部16bの内径Cを小さくすれば、内球面12の領域を開口側に拡大することができ、このように内球面12を開口側まで深く延ばすことによりボール30の保持力が高まる。
ここで、符号41で示す部分の径E2は少し大きくてもシャフト50を同軸から少し傾ければ入るが、符号43で示す部分の径E2については上記寸法関係(E2<C1)が必要である。なお、ケージ40の角部41、43に面取りなど径E2を小さくするためのカットする部分を設けてもよい。径E2を小さくすることができれば外輪10の平面部16bの内径C1も小さくでき、それによりケージ外球面44を案内する外輪内球面12の範囲を開口側に拡大できるため、軸方向すきまが少なくなり等速性、耐久性などがよくなる。
図5から分かるとおり、ケージ40の内周面は、軸方向中心(図1では継手中心Oと一致)にて互いに滑らかに連続した内球面46aと円筒面46bとの組み合わせで構成されている。つまり、軸方向中心から外輪10の大端面側は内輪20の外球面22と接して内輪20を半径方向および軸方向に支持する内球面46aとなっており、軸方向中心から外輪10の小端面側は内輪外球面と接して内輪20を半径方向に支持する円筒面46bとなっている。円筒面46bは、組み立ての過程で内輪20を正規位置から軸方向に後退させておくために必要となる(図8参照)。したがって、正規位置で内輪20を半径方向に支持する狭い範囲以外については、精度はラフでよい。
ケージ円筒面46bの端部に内径側に突出した突起48が設けてある。この突起48は、図8に示すように、内輪20、ボール30、ケージ40を仮組みユニットとしたとき、内輪20の脱落を防止するための、言い換えれば内輪20の軸方向移動のストローク端を規定するストッパーとして機能する(図8、図9参照)。そのため突起48の内径E5は内輪20の外球面22の外径F1より小さく設定してある。
外輪10のボール溝14と内輪20のボール溝24は対をなし、各対のボール溝14、24間にボール30が組み込んである。ケージ40の各ポケット42に一つのボール30が収容される。そして、ケージ40は、すべてのボール30を外輪10と内輪20のなす角度すなわち継手の作動角の二等分面上に位置させるように作用し、これにより、継手の等速性が維持される。
次に、上述の構成の固定式等速自在継手の製造方法、つまり、外輪10、内輪20、ボール30、ケージ40からなる構成要素の組み立て手順を説明する。
まず、図7に示すように、内輪20をケージ40に、軸線を直交させて装入する。このとき、内輪20の外球面22の中心横断面での最小投影径F2(図4)とケージ40の突起48の内径E5(図8)との大小関係(F2<E5)を利用する。そして、内輪20を回して両者の軸線を一致させて同軸となす。なお、径差(E5−F2)が小さい場合は最初から同軸方向にかち込んでもよい。
内輪20をケージ40の円筒面46b内で軸方向に移動させて内輪20の外球面22をケージ40の突起48に接触させ、両者を図8に示す位置関係となす。このとき内輪20は、上述の突起48のストッパー機能により、外球面22がケージ40の突起48に当たった位置、つまり、正規位置から符号B6で示す距離だけ後退した位置で停止する。
図9および図10に示すように、内輪20のボール溝24の位相とケージ40のポケット42の位相を合わせた状態で、外側からポケット42にボール30を入れる。ボール30を内輪20のボール溝24に突き当たるまで押し込み、ボール外接円径Dがケージ40のポケット42の角部41、43の径E2(図5、図6)以下となるようにする。言い換えれば、内輪20が軸方向移動のストローク端にあるときボール外接円がケージ40の外側輪郭内におさまるようにする。
このとき、図9に符号D2で示す、内輪20のボール溝24の底からケージ40の内球面46aとポケット42の球面部側側壁とがなす角部までの距離が、ボール径より小さくなる寸法関係に設定しておくと、ボール30が内径側に脱落せず、ユニットハンドリングが可能となって取り扱いが非常に容易となる。そして、かかる寸法関係は図8を参照して上に述べたケージ40の突起48の位置(B6)に依存する。なお、通常、ボール30とポケット42の間には締めしろがあるため外径側へは脱落しにくくなっている。
次に、図11に示すように、内輪20、ケージ40、ボール30の仮組みユニットを外輪10の開口から挿入する。この挿入は、図12に示すように、隣接するボール間の角度をθとすると、外輪10のボール溝14と内輪20のボール溝24の位相をθ/2だけずらした状態で行う。その結果、ケージ40の外球面44が外輪10の内球面12に当接し、その時点で内輪20の外球面22が外輪10の底の環状空間19を占め、図13および図14に示す状態となる。
なお、仮組みユニットのボール30は、外輪10の平面部16bを通過するときにケージ40の外側輪郭内におさまっていればよく、ここを通過した後は外輪10の内球面12に沿って半径方向外側に移動できる。ここで、内輪20の外球面22が外輪10の底部に当たる外輪側接触部の軸方向位置は、より開口側にある方が、継手の軸方向コンパクト化を図る上で有利であり、また、球面座18と環状空間19の底部との段差が少なくてすむため加工上も有利である。そこで、ボール30が外輪平面部16bを通過した後、ケージ40の外球面44が外輪10の内球面12に当たる前に先に内輪20の外球面22が外輪10の底部に当たり、内輪20のそれ以上の移動が阻止される結果、ケージ40がさらに外輪マウス部10aの奥側に進むにつれてボール30が半径方向外側に飛び出すようにすれば、前記接触部をより大端面側に位置させることができる。
次に、図15に示すように、仮組みユニット(20、30、40)と外輪10の位相をθ/2角ずらして内外輪10、20のボール溝14、24の位相を一致させる。そして、図16に示すように、内輪20のスプライン孔26に形成したクリップ溝27に治具54を引っ掛けて内輪20を外輪10の開口側に向けて軸方向に移動させ、内輪20の外球面22をケージ40の内球面46aに当接させる。このとき、内輪20の軸方向移動に伴ってボール30が半径方向外側に移動し、内輪20とボール30が正規位置を占めるに至る。
次に、図17に示すように、外輪10に対して内輪20を傾けて内輪20の外球面22を外輪10の球面座18に接触させた状態で、内輪20のスプライン孔26にシャフト50を挿入してクリップ52で抜け止めをする。このとき内輪20を傾けておくのは、同軸状態では内輪20が環状空間19に逃げ込んでしまうからである。そして、シャフト50を外輪10と同軸に戻すことにより固定式等速自在継手が完成する(図1)。
図18および図19に示す実施の形態では内輪20´につば28が設けてある。つば28は外輪10の開口側に位置し、治具56を引っ掛けるための凹部29を有する。治具56を利用して、内輪20を外輪10の開口側に向けて軸方向に引き出し、そのままの状態で、内輪20のスプライン孔26にシャフト50を押し込み、クリップ52で抜け止めをする。
いずれの実施の形態でも、外輪10に設けた球面座18で内輪20、20’の外球面22を軸方向に支持させるとともに、内輪20、20’の外球面22をケージ40の円筒面46bで半径方向に支持させた構造であるため、振動や異音の発生を防止し、等速性を維持することができる。
なお、本発明は以上説明し、かつ、図示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく種々の改変態様が可能である。たとえば、図示した実施の形態は8個のトルク伝達ボールを用いたものを例示したが、6個のトルク伝達ボールを用いることも可能である。また、固定式等速自在継手の組み立て方法としては、前述のように内輪20、ボール30、ケージ40を仮組みユニットにして組み立てる方法の他、外輪10にケージ40を同軸方向で装入し、その後、内輪20およびボール30を組み付ける方法でも組み立て可能である。
本発明の実施の形態を示す固定式等速自在継手の縦断面図。 外輪の要部縦断面図。 図2の外輪の右側面図。 内輪の端面図。 (A)はケージの側面図、(B)はケージの縦断面図。 図5(B)のケージの左側面図。 内輪をケージに組み込む過程を示す説明図。 内輪とケージの位置関係を示す要部縦断面図。 内輪とケージのサブアセンブリにボールを組み込んで仮組みユニットとなす過程を示す縦断面図。 図9のサブアセンブリの右側面図。 内輪とケージとボールの仮組みユニットを外輪に組み込む過程を示す要部縦断面図。 仮組みユニットを外輪に組み込んだ状態の端面図。 図12のXIII−XIII断面図。 図12のXIV−XIV断面図。 内外輪のボール溝の位相を一致させた状態の図12と類似の端面図。 図15の継手の要部縦断面図。 シャフトを押し込んだ状態の図15の継手の要部縦断面図。 別の実施の形態を示す図14と類似の断面図。 別の実施の形態を示す図17と類似の断面図。 (A)は従来の外輪の図3と同様の側面図、(B)は同外輪の縦断面図。 (A)は従来のケージの正面図、(B)は同ケージの側面図。 従来の固定式等速自在継手の外輪にケージを同軸方向から組込んだ状態の部分端面図。
符号の説明
10 外輪
10a マウス部
10b ステム部
12 内球面
14、24 ボール溝
14a 円弧底
14b ストレート底
16a 取り
16b 平面部
16c 円筒部
18 球面座
19 環状空間
20、20’ 内輪
22 外球面
24 ボール溝
24a 円弧底
24b ストレート底
26 スプライン孔
27 クリップ溝
29 凹部
30 ボール
40 ケージ
41、43 角部
42 ポケット
44 外球面
46a 内球面
46b 円筒面
48 突起
49 面取り
50 シャフト
52 クリップ
54 治具
56 治具
、B、B 境界
最小内径
O 継手中心
1 曲率中心
2 曲率中心
R コーナ
α 球面角
α 球面角

Claims (2)

  1. 少なくとも一端にて開口し内球面に軸方向に延びる複数のボール溝を形成した外輪と、外球面に軸方向に延びる複数のボール溝を形成した内輪と、対をなす外輪のボール溝と内輪のボール溝との間に組み込んだトルク伝達ボールと、外輪の内球面と内輪の外球面との間に介在してトルク伝達ボールを軸方向に保持するケージとを具備した固定式等速自在継手において、
    外輪開口側で内球面に隣接して外輪開口の最小内径を形成する面を、内球面に形成された隣り合うボール溝間の中央と外輪中心とを結ぶ直線に対して垂直を成し、かつ、外輪軸線方向に平行に延在する平面部としたことを特徴とする固定式等速自在継手。
  2. ケージ外径面におけるボール保持ポケットの外縁に、ポケット外縁の全周で連続する平面状の環状面取りを形成したことを特徴とする請求項1の固定式等速自在継手。
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