JP2007077251A - アスファルト組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アスファルト改質処理工程、すなわちアスファルトにアスファルトを改質するための成分を分散させ必要に応じて分散された成分を反応させる工程が容易かつ短時間であり、また耐流動性が十分に高いアスファルト組成物を提供する。
【解決手段】 エポキシ基を有する化合物(A)、末端にエポキシ基との反応性を備える官能基を有する脂肪族重合体(B)およびアスファルト(C)を含有するアスファルト組成物。エポキシ基を有する化合物(A)および末端にエポキシ基との反応性を備える官能基を有する脂肪族重合体(B)の合計量は、アスファルト(C)100質量部を基準として0.5〜50質量部が好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アスファルトを主成分とし、耐流動性の優れるアスファルト組成物に関するものである。
アスファルトは、道路舗装材料や防水被膜材料などの用途に広く用いられている。道路舗装の分野においては、夏季に路面温度が高くなることから、アスファルトが軟化し流動することに起因する轍堀れが発生し易くなる。轍掘れは、自動車の走行安定性を妨げ、事故の発生原因ともなり得る。また、轍掘れが発生した個所には補修工事が必要であるが、年々補修工事費用が増大し社会的損失は大きいため、従来以上に轍掘れ対策への要望は高くなっている。
そこで従来、アスファルトの耐流動性(流動しにくい性質)を向上させる手段として、スチレン系エラストマーをアスファルトに加熱混合する方法(例えば特許文献1参照。)、スチレン系エラストマーとスチレンオリゴマーとをアスファルトに加熱混合し、効率よくスチレン系エラストマーをアスファルト中に分散安定化する方法(例えば特許文献2参照。)、およびビスフェノール型エポキシ樹脂と硬化剤をアスファルト中に添加し、エポキシ樹脂をアスファルト中で硬化させる方法(例えば特許文献3参照。)などが知られている。
特許文献1に開示された方法によれば、アスファルト中にスチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(以下、単にSBSともいう。)がアスファルト中に分散されて、アスファルトの耐流動性が改良される。しかし、高分子であるSBSをアスファルト中に均一に分散させるには、スチレンおよびブタジエン組成比率や分子量の制限があり、アスファルト組成物の耐流動性改良には限界がある。例えば、スチレンとブタジエン組成比は、スチレン/ブタジエン=20〜30/80〜70質量比が最適とされている。スチレン比率を30質量比より高くする事により、アスファルト組成物がより強固になり、また耐流動性の向上が期待できるが、アスファルトへの分散性が著しく悪化しアスファルト改質効果は乏しいものとなる。また、アスファルトへの分散性と改質効果の観点から、SBSの分子量は10万〜20万が最適とされている。SBSの分子量を高くしSBS自体を強固にすることで、アスファルト組成物の耐流動性をより改善することが期待できるが、SBS分子量を高くするとアスファルトへ分散しにくくなる。さらに、SBS添加量を多くするとアスファルトの耐流動性は向上するが、SBS分散工程に長い処理時間を要したり、アスファルト組成物の粘度が高くなりすぎ施工が困難になる場合があるほか、SBS分散安定性が低下し、アスファルトとSBSが分離して安定した性能が得られないなどの問題を抱えている。
特許文献2に開示された方法によれば、高濃度に添加されたSBSの分散工程の処理時間が短縮され、分散安定性は改良される。しかしながら、分散処理時間の短縮効果は十分でなく、高濃度のSBS使用によりアスファルト組成物が高粘度化して施工作業性が悪くなる点は解決されていない。
特許文献3に開示された方法によれば、アスファルトへエポキシ樹脂と硬化剤を添加し、加熱混合の過程で、ビスフェノール型エポキシ化合物を高分子量化、及び架橋反応させ、短時間でアスファルトの耐流動性改善が実現できている。しかしながら、アスファルトの十分な耐流動性改善を得るには、15〜30質量%もの多量のエポキシ化合物と硬化剤の添加が必要である。高濃度のエポキシ樹脂と硬化剤は反応速度が速く、また架橋反応が起こりやすいので、アスファルトへの混合処理過程においては粘度が高くなりすぎて、施工性に問題が生じる場合がある。
特開平6−184254号公報 特開2001−240748号公報 特開平7−268221号公報
本発明は、アスファルト改質処理工程、すなわちアスファルトにアスファルトを改質するための成分を分散させ必要に応じて分散された成分を反応させる工程が容易かつ短時間であり、また耐流動性が十分に高いアスファルト組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明のアスファルト組成物は、エポキシ基を有する化合物(A)、末端にエポキシ基との反応性を備える官能基を有する脂肪族重合体(B)およびアスファルト(C)を含有するものである。
請求項2に記載の発明のアスファルト組成物は、請求項1に記載の発明において、エポキシ基を有する化合物(A)および末端にエポキシ基との反応性を備える官能基を有する脂肪族重合体(B)の合計量は、アスファルト(C)100質量部を基準として0.5〜50質量部であり、エポキシ基を有する化合物(A)の量はエポキシ基を有する化合物(A)および末端にエポキシ基との反応性を備える官能基を有する脂肪族重合体(B)の合計量100質量部を基準として1〜99質量部であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明のアスファルト組成物は、請求項1に記載の発明において、エポキシ基を有する化合物(A)は、1分子平均1.2個以上のエポキシ基を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明のアスファルト組成物は、請求項1に記載の発明において、エポキシ基を有する化合物(A)は、エポキシ基を有する重合体であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明のアスファルト組成物は、請求項4に記載の発明において、エポキシ基を有する化合物(A)は、エポキシ基を有するビニル単量体単位および芳香族ビニル単量体単位を構成単量体単位として有する重合体であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明のアスファルト組成物は、請求項4に記載の発明において、エポキシ基を有する化合物(A)は、数平均分子量が300〜30000の重合体であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明のアスファルト組成物は、請求項1に記載の発明において、脂肪族重合体(B)が末端に有するエポキシ基との反応性を備える官能基は、カルボキシル基、1級アミノ基、2級アミノ基、酸無水物基または水酸基であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明のアスファルト組成物は、請求項1に記載の発明において、脂肪族重合体(B)は、ブタジエン単位を構成単量体単位として有する重合体であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明のアスファルト組成物は、請求項1に記載の発明において、脂肪族重合体(B)は、数平均分子量が300〜100000の重合体であることを特徴とする。
アスファルトにアスファルトを改質するための成分を分散させ必要に応じて分散された成分を反応させる工程が容易かつ短時間であり、耐流動性が十分に高いアスファルト組成物が得られた。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明において、アクリルおよびメタクリルを併せて(メタ)アクリルともいう。
エポキシ基を有する化合物(A)(以下、エポキシ化合物(A)ともいう。)は、エポキシ基との反応性を備える官能基を有する脂肪族重合体(B)(以下、脂肪族重合体(B)ともいう。)と反応し、アスファルト組成物に耐流動性を付与するための成分である。エポキシ化合物(A)としては、エポキシ樹脂、エポキシ変性油脂化合物、エポキシ基を有する重合体などが挙げられる。
エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、グリコール型エポキシ化合物、ポリエチレングリコール型エポキシ化合物などが挙げられる。
エポキシ変性油脂化合物の具体例としては、エピクロルヒドリン等のエポキシ変性剤によりエポキシ化されたエポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油などが挙げられる。
エポキシ基を有する重合体としては、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/エチレン共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/プロピレン共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/ブタジエン共重合体、エポキシ変性スチレン/ブタジエン/スチレン共重合体、エポキシ変性スチレン/ブタジエン/エチレン/スチレン共重合体などが挙げられる。
エポキシ化合物(A)として、エポキシ基を有する重合体は好ましいものであり、エポキシ基を有するビニル重合体はより好ましいものであり、エポキシ基を有するビニル単量体単位および芳香族ビニル単量体単位を構成単量体単位として有する重合体は特に好ましいものである。
エポキシ基を有するビニル単量体として、例えば(メタ)アクリル酸グリシジルやシクロヘキセンオキシド構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。エポキシ基を有するビニル単量体として好ましいものは(メタ)アクリル酸グリシジルである。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体を用いる事ができる。
エポキシ基を有するビニル重合体はその他のビニル単量体単位を有するものであってもよく、その他のビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチルなどの炭素数が1〜22のアルキル基(アルキル基は直鎖、分岐鎖でもよい)を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸イソボルニルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシシリルアルキルエステルなどがあげられる。(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルジアルキルアミド、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、ビニルエーテル類、(メタ)アリルエーテル類、エチレン、プロピレンなどのαオレフィンモノマーも使用可能である。これらは、一種または二種以上を用いることができる。
エポキシ化合物(A)がエポキシ基を有するビニル重合体である場合、エポキシ基を有するビニル単量体単位、芳香族ビニル単量体単位およびその他のビニル単量体単位の質量比がそれぞれ0.3〜50.0、30.0〜99.7および0〜69.7であるものが好ましく、それぞれ0.5〜45.0、35.0〜99.5および0〜64.5であるものがより好ましく、1.0〜40.0、40.0〜99.0および0〜59.0であるものが更に好ましい。上記の割合は合計が100となるように決められる。
エポキシ化合物(A)がエポキシ基を有するビニル重合体である場合、公知のラジカル重合方法により製造される。たとえば、ラジカル重合開始剤をもちいたラジカル重合方法、レドックス重合開始剤をもちいたイオン重合方法、メタロセン触媒を用いた配位重合方法などの各種の重合方法を用いることができる。また、バッチ式重合方法、セミバッチ重合方法、連続重合方法などの各種の重合プロセスを用いることができる。また、塊状重合方法、溶液重合方法、懸濁重合方法、乳化重合方法などの各種の重合形態を用いることができる。好ましくは、ラジカル開始剤を用いた重合方法である。
重合温度は40〜350℃が好ましく、60〜330℃がより好ましく、80〜270℃がさらに好ましい。重合温度が40℃未満の場合、目的の分子量を得るには、多量のラジカル重合開始剤や連鎖移動剤を必要とするため、得られた重合体中には不純物が多く含まれやすい。そのため、熱可塑性樹脂組成物や成形品に着色や異臭などの問題が発生する場合がある。重合温度が350℃を超えると、重合体の熱分解が起こり、目的とする重合体を効率よく得ることができない場合がある。
また、100℃以上の高温すなわち100〜350℃における連続塊状重合法はエポキシ化合物(A)の製造方法として特に好ましい方法である。上記重合温度においては、ラジカル重合開始剤や連鎖移動剤を使用しないかまたは極めて少量の使用により、目的とする分子量の重合体が効率的に得られる。
このような高温連続重合は、特表昭57−502171号公報、特開昭59−6207号公報、特開昭60−215007号公報などに開示された公知の方法に従えば良い。例えば、加圧可能な反応器を加圧下で所定温度に設定した後、各ビニル単量体、及び必要に応じて重合溶媒とからなるビニル単量体混合物を一定の供給速度で反応機へ供給し、ビニル単量体混合物の供給量に見合う量の重合反応液を抜き出す方法があげられる。又、ビニル単量体混合物には、必要に応じて重合開始剤を配合することもできる。その場合の配合量としては、ビニル単量体混合物100質量部に対して0.001〜2質量部であることが好ましい。圧力は、反応温度と使用するビニル単量体混合物及び溶媒の沸点に依存するもので、反応に影響を及ぼさないので、前記反応温度を維持できる圧力であればよい。単量体混合物の反応器内での滞留時間は、1〜60分であることが好ましい。滞留時間が1分に満たない場合は単量体が充分に反応しない恐れがあり、60分を越える場合は、生産性が悪くなってしまうことがある。好ましい滞留時間は2〜40分である。
エポキシ化合物(A)は、1分子当たりのエポキシ基の平均個数が1.2個以上であるものが好ましく、1.5個以上であるものがより好ましく、1.7個以上であるものが更に好ましく、2個以上であるものが特に好ましい。エポキシ基の平均個数が1.2個未満であると、得られるアスファルト組成物の耐流動性が不充分となる場合がある。
エポキシ化合物(A)がエポキシ基を有する重合体である場合、1分子当たりのエポキシ基の平均個数は、下記の式(1)から求める事ができる。
1分子当たりのエポキシ基の平均個数 = a×b/100c (1)
上記の式(1)においてa、bおよびcはそれぞれ以下のとおりである。
a:エポキシ基を有する重合体に含まれるエポキシ基を有するビニル単量体単位の割合(質量%)
b:エポキシ基を有する重合体の数平均分子量
c:エポキシ基を有するビニル単量体の分子量
エポキシ化合物(A)は、数平均分子量が300〜30000の重合体であるものが好ましく、400〜25000の重合体であるものがより好ましく、500〜20000の重合体であるものがさらに好ましい。数平均平均分子量が300未満であると、アスファルト組成物の耐流動性改善が不充分となる場合がある。また、数平均分子量が30000を超えると、アスファルトへの分散性が悪く、長時間の加熱処理時間を要したり、アスファルト組成物の耐流動性が低下する恐れがある。
エポキシ化合物(A)は、融点または軟化点が0℃〜200℃であることが好ましく、10〜180℃でありことがより好ましく、20〜160℃であることがさらに好ましい。エポキシ化合物(A)の融点または軟化点が0℃未満であると、得られるアスファルト組成物が軟化しやすく、流動変形や轍掘れが起こる場合がある。エポキシ化合物(A)の融点または軟化点が200℃を超えると、エポキシ化合物(A)がアスファルト成分と充分混合されず、得られる組成物が不均一なものとなる場合がある。
脂肪族重合体(B)は、末端にエポキシ基との反応性を備える官能基を有するものであり、エポキシ化合物(A)と反応し、アスファルト組成物に耐流動性を付与するための成分である。脂肪族重合体(B)は脂肪族の骨格を有する重合体であり、アスファルトとの相溶性が優れるためにアスファルトへの分散性が良好である。エポキシ基との反応性を備える官能基が末端にない場合は、アスファルト組成物が耐流動性の不充分なものとなる。エポキシ基との反応性を備える官能基が末端以外に存在する場合は、アスファルト組成物が高粘度化して施工作業性が悪いものとなる。
脂肪族重合体(B)としては、不飽和炭化水素の単独重合体または共重合体、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリアミド、(メタ)アクリル酸エステル重合体などが挙げられる。不飽和炭化水素としてはエチレン、プロピレン、ブタジエンなどが挙げられる。脂肪族ポリエステルとしてはエチレングリコールなどの脂肪族多価アルコール化合物とアジピン酸などの脂肪族多塩基酸との縮合体が挙げられる。脂肪族ポリアミドとしてはヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との縮合体などが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては
ステアリル(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキシル(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。脂肪族重合体(B)として好ましいものは、エチレン、プロピレンまたはブタジエンなどを原料とした重合体であり、より好ましくはブタジエン単位を主要構成単位として含む重合体である。
脂肪族重合体(B)が末端に有するエポキシ基との反応性を備える官能基の個数は、1分子当たり平均1.5個以上であることが好ましい。1.5個未満であると、アスファルト組成物の耐流動性改善効果が不充分となる場合がある。
脂肪族重合体(B)が末端に有するエポキシ基との反応性を備える官能基としては、カルボキシル基、1級アミノ基、2級アミノ基、酸無水物基および水酸基が挙げられる。2種以上が併用されてもよい。
脂肪族重合体(B)は、数平均分子量300〜100000であるものが好ましく、500〜70000であるものがより好ましく、700〜50000であるものが更に好ましい。数平均分子量が300未満であると、エポキシ化合物(A)との反応物があまり分子量の大きいものとならずに、アスファルト組成物の耐流動性向上が不充分となる場合がある。数平均分子量が100000を超えると、アスファルトへの分散・相溶性が悪くなり、やはりアスファルト組成物の耐流動性向上が不充分となる場合がある。
アスファルト(C)はアスファルト組成物の主成分である。道路舗装用に用いられる25℃における針入度が40〜200のアスファルトは好ましいものであり、25℃における針入度が60〜100のアスファルトはより好ましいものである。
エポキシ化合物(A)の量は、エポキシ化合物(A)および脂肪族重合体(B)の合計量100質量部を基準として、1〜99質量部であることが好ましく、5〜98質量部であることがより好ましく、10〜97質量部であることが更に好ましく、20〜96質量部であることが最も好ましい。
エポキシ化合物(A)および脂肪族重合体(B)の合計量は、アスファルト(C)100質量部を基準として0.5〜50質量部であることが好ましく、1〜40質量部であることがより好ましく、1.5〜30質量部であることが更に好ましい。エポキシ化合物(A)および脂肪族重合体(B)の合計量が0.5質量部未満であると、アスファルト組成物の耐流動性向上効果が不充分となる場合があり、50質量部を超えるとアスファルト組成物の粘度が高くなりすぎ、取扱い作業の際に不具合を生じる場合がある。
本発明のアスファルト組成物は、公知の方法で製造することができる。アスファルト組成物の製造方法として、80〜220℃に加熱されたアスファルト(C)にエポキシ化合物(A)および脂肪族重合体(B)を添加し、ホモジナイザー、ホモミキサーまたはディスパーなどの任意の攪拌装置で攪拌混合することにより製造できる。
原料の配合順序は、特に限定されるものではない。たとえば、アスファルトまたは加熱溶融されたアスファルトにエポキシ化合物(A)および脂肪族重合体(B)の一方を添加し、均一混合後に残りの一方を添加する方法、アスファルトまたは加熱溶融されたアスファルトにエポキシ化合物(A)および脂肪族重合体(B)を同時に添加する方法、エポキシ化合物(A)および脂肪族重合体(B)をそれぞれパラフィンオイル、有機溶媒、アスファルトなどに予め溶解、もしくは分散させた後に、アスファルトまたは加熱溶融されたアスファルトに添加する方法などをもちいることができる。
本発明のアスファルト組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、任意の添加剤が配合されたものであってもよい。添加剤の例として、消石灰、カチオン系界面活性剤などの剥離防止剤、植物性繊維やポリビニルアルコール繊維などの繊維質補強材、再生アスファルトや再生コンクリートなどの再生材料などが挙げられる。これらの添加割合はアスファルト組成物100質量部を基準として0.1〜100質量部が好ましい。
また、エポキシ化合物(A)および脂肪族重合体(B)との反応性を制御する添加剤が配合されたものであってもよい。このような添加剤としては、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、安息香酸ナトリウム、ホウ酸リチウムなどの塩基性反応触媒や塩酸、硫酸などの酸性反応触媒などを用いることができる。
本発明のアスファルト組成物は、石英斑岩の砕石などの骨材と混ぜ合わせ、道路舗装に供される公知の道路舗装用アスファルト組成物として用いることができる。たとえば、改質I型、改質II型、改質III型、高粘度型、寒冷地型などの改質アスファルト。歩道用アスファルト、カラー舗装用アスファルト、ブローンアスファルト、セミブローンアスファルトなどに用いることができる。
本発明のアスファルト組成物は、アスファルト乳剤、防水シートや防水塗装などに用いることができる。
(エポキシ化合物A−1の製造)
オイルジャケットを備えた容量1リットルの加圧式攪拌槽型反応器のオイルジャケット温度を、200℃に保った。
スチレン(以下、Stともいう。)74質量部、グリシジルメタクリレート(以下、GMAともいう。)20質量部、ブチルアクリレート(以下、BAともいう。)6質量部、キシレン15質量部および重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド0.5質量部からなる単量体混合液を原料タンクに仕込んだ。
一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で単量体混合液を原料タンクから反応器に連続供給し、反応器の内容液質量が約580gで一定になるように反応液を反応器の出口から連続的に抜き出した。その時の反応器内温は、約210℃に保たれた。
反応器内部の温度が安定してから36分経過した後から、抜き出した反応液を減圧度30kPa、温度250℃に保った薄膜蒸発機により連続的に揮発成分除去処理して、揮発成分をほとんど含まないエポキシ化合物A−1を回収した。160分かけて約5kgのエポキシ化合物A−1を回収した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、GPCという。)より求めたポリスチレン換算による化合物A−1の数平均分子量(以下、Mnという。)は3800であり、また重量平均分子量(以下、Mwという。)は9800であった。化合物A−1分子当たりに含まれるエポキシ基の平均個数(以下、Fnという。)は、5.4であった。
(エポキシ化合物A−2、A−3、A−4およびA−6の製造)
原料単量体の組成を表1に示すとおりとした以外はエポキシ化合物A−1の製造と同じ製造方法にて、エポキシ化合物A−2、A−3、A−4およびA−6を製造した。
(エポキシ化合物A−5)
エポキシ化合物A−5としては、ブレンマーCP−15(日本油脂株式会社製St/GMA共重合体)を使用した。
Figure 2007077251
(脂肪族重合体B−1およびB−2)
脂肪族重合体B−1およびB−2としては、反応性液状ポリブタジエン(宇部興産株式会社製)を使用した。
脂肪族重合体B−1としては、Hycar ATBN 1300X16(宇部興産株式会社製、末端にアミノ基(900g/eq)を有するポリブタジエン(アクリロニトリル単位を16質量%含有))を使用した。
脂肪族重合体B−2としては、Hycar CTB 2000X162(宇部興産株式会社製、末端にカルボキシル基(0.45meq/g)を有するポリブタジエン(分子量4800、1分子当たりの平均カルボキシル基数は2.01eq/mol)を使用した。
(実施例1)
ストレートアスファルト60−80(昭和シェル石油株式会社製)250gを500mlガラス製容器に入れ、180℃で溶融させた。ディスパーを用い1200〜1300rpmで攪拌しながら、エポキシ化合物A−1を10g添加し10分間混合後、脂肪族重合体B−1を2.5g添加した。その後2時間攪拌を継続させ、化合物A−1と重合体B−1の反応物を均一混合した後、放冷し実施例1の組成物1を得た。
得られた組成物を25℃の恒温室で一夜放置して温度調整を行ない、JIS K2207針入度の測定方法に準じて、組成物1の耐流動性を測定した結果、50.2/10mmであった。
(比較例1、2および3)
比較例1として、無処理のストレートアスファルトの針入度を測定した。その結果、71.5/10mmであった。また、実施例1と同様の方法でストレートアスファルト 250gに化合物A−1 12.5gを添加して、比較例2の組成物を調整した。得られた組成物の針入度は、63.2/10mmであった。さらに、実施例1と同様の方法でストレートアスファルト 250gに重合体B−1 12.5gを添加して、比較例3の組成物を調整した。得られた組成物の針入度は、91.7/10mmであった。
アスファルト組成物の針入度の低下は、流動変形性が向上したことを示す。従って、実施例1と比較例1から、化合物A−1と重合体B−1の添加により、アスファルト組成物の針入度が低下し、耐流動性が改善できたことが確認された。また、比較例2および3から、化合物A−1や重合体B−1をそれぞれ単独でアスファルトに添加しても、針入度が殆ど改善されない結果となったことから、実施例1では、化合物A−1と重合体B−1とが反応し高分子量化した効果が発揮されたと判断される。
(実施例2〜5、および比較例4〜7)
実施例1と同様の方法で、表2に示す組成で実施例2〜5の組成物を得た。また表3に示す組成で比較例4〜7の組成物を調整した。それぞれの針入度を測定した結果を表2および表3に示す。
Figure 2007077251
Figure 2007077251
実施例2〜5と比較例4〜7から、それぞれ化合物A−2、A−3、A−4、A−5をアスファルトに単独で添加した場合よりも、化合物B−1を併用し高分子量化することで、得られるアスファルト組成物の針入度が向上し、分子量やエポキシ基の数の異なる化合物Aを用いても、得られるアスファルト組成物の耐流動性が改善できることが明らかとなった。
(実施例6〜8、および比較例8〜10)
実施例1と同様の方法で、表4に示す組成で実施例6〜7の組成物を調整し、得られた組成物の針入度を測定した。また比較例8の組成で、加熱混合中の組成物が均一状態になるまでに要した処理時間と得られた組成物の針入度を測定した結果をそれぞれ表4に示す。
Figure 2007077251
比較例8では、SBS樹脂5質量部をアスファルトへ加えた。得られた組成物の針入度は、明らかに改善されているが、処理時間に7時間と長時間を要した。一方、実施例6〜8で得られた組成物は、処理時間が2時間または4時間と短時間であるにも関わらず、より大きな針入度の改善が達成できた。
比較例9では、重合体Bとして無水マレイン酸−エチルアクリレート−エチレンランダム共重合体を用いた場合の結果を示す。無水マレイン酸−エチルアクリレート−エチレンランダム共重合体は、1分子辺りに複数の酸無水物基を有するが、分末端に酸無水物基を導入する手法をもちいていないため、実施例8に比べ、アスファルト改質効果は低い結果となった推測される。
比較例10では、化合物Bとしてヘキサメチレンジアミンを用いた。低分子量の脂肪族アミン化合物であるヘキサメチレンジアミンを用いた場合では、実施例6に比べアスファルト改質効果が低く、化合物Aとの反応による効率的な高分子量化が不十分なものであると考えられる。
本発明のアスファルト組成物は、耐流動性に優れたものであるので、舗装用、特に排水舗装などの耐久性が要求される用途に適している。

Claims (9)

  1. エポキシ基を有する化合物(A)、末端にエポキシ基との反応性を備える官能基を有する脂肪族重合体(B)およびアスファルト(C)を含有するアスファルト組成物。
  2. エポキシ基を有する化合物(A)および末端にエポキシ基との反応性を備える官能基を有する脂肪族重合体(B)の合計量は、アスファルト(C)100質量部を基準として0.5〜50質量部であり、エポキシ基を有する化合物(A)の量はエポキシ基を有する化合物(A)および末端にエポキシ基との反応性を備える官能基を有する脂肪族重合体(B)の合計量100質量部を基準として1〜99質量部であることを特徴とする請求項1に記載のアスファルト組成物。
  3. エポキシ基を有する化合物(A)は、1分子平均1.2個以上のエポキシ基を有することを特徴とする請求項1に記載のアスファルト組成物。
  4. エポキシ基を有する化合物(A)は、エポキシ基を有する重合体であることを特徴とする請求項1に記載のアスファルト組成物。
  5. エポキシ基を有する化合物(A)は、エポキシ基を有するビニル単量体単位および芳香族ビニル単量体単位を構成単量体単位として有する重合体であることを特徴とする請求項4に記載のアスファルト組成物。
  6. エポキシ基を有する化合物(A)は、数平均分子量が300〜30000の重合体であることを特徴とする請求項4に記載のアスファルト組成物。
  7. 脂肪族重合体(B)が末端に有するエポキシ基との反応性を備える官能基は、カルボキシル基、1級アミノ基、2級アミノ基、酸無水物基または水酸基であることを特徴とする請求項1に記載のアスファルト組成物。
  8. 脂肪族重合体(B)は、ブタジエン単位を構成単量体単位として有する重合体であることを特徴とする請求項1に記載のアスファルト組成物。
  9. 脂肪族重合体(B)は、数平均分子量が300〜100000の重合体であることを特徴とする請求項1に記載のアスファルト組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115418107A (zh) * 2022-08-30 2022-12-02 福州大学 一种再生沥青及其制备方法
WO2023223654A1 (ja) * 2022-05-19 2023-11-23 住友化学株式会社 アスファルト組成物及びアスファルト舗装材組成物

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