JP2007076894A - シート後処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 搬送経路を短縮して小型化を図ることができ、シート束を安定して排出できるシート後処理装置を提供する。
【解決手段】 シート後処理装置は、処理トレイに配置された排出ユニット70を備えている。排出ユニット70は、用紙束P´の排出方向に沿って一方向に移動する排出アーム80と、前進および後退可能な受け渡しアーム82と、排出アーム80の移動を制御する制御手段を備えている。排出アーム80は、前側プーリ91と後側プーリ92との間に張り渡されたベルト93に取付けられている。排出アーム80によって用紙束P´が前側プーリ91に向かって前進し、排出アーム80が前側プーリ91の外周面に沿って円弧を描きながら回動を開始する直後付近にて、排出アーム80を一旦停止させるようにしている。用紙束P´が慣性によって排紙トレイに向けて排出され、用紙束P´が排出アーム80から離れたのち、再び排出アーム80が移動する。
【選択図】 図12
【解決手段】 シート後処理装置は、処理トレイに配置された排出ユニット70を備えている。排出ユニット70は、用紙束P´の排出方向に沿って一方向に移動する排出アーム80と、前進および後退可能な受け渡しアーム82と、排出アーム80の移動を制御する制御手段を備えている。排出アーム80は、前側プーリ91と後側プーリ92との間に張り渡されたベルト93に取付けられている。排出アーム80によって用紙束P´が前側プーリ91に向かって前進し、排出アーム80が前側プーリ91の外周面に沿って円弧を描きながら回動を開始する直後付近にて、排出アーム80を一旦停止させるようにしている。用紙束P´が慣性によって排紙トレイに向けて排出され、用紙束P´が排出アーム80から離れたのち、再び排出アーム80が移動する。
【選択図】 図12
Description
本発明は、MFP本体の後段に設けられるフィニッシャー等のシート後処理装置に関する。
MFP(Multi Function Peripheral)でプリントしたシート(例えばコピー用紙)を複数束ねてステイプルするフィニッシャー等のシート後処理装置が知られている。このシート後処理装置は、第1のシート搬送パスと、第2のシート搬送パスと、シートにステイプル処理する処理トレイとを備えている。第2のシート搬送パスは、第1のシート搬送パスよりもその経路が長く構成されている。
先にステイプル処理を行っているシートが処理トレイ上にある場合に、後続する他のシートを第2のシート搬送パスに導いて前記他のシートの到着を遅らせることにより、MFP本体とステイプラとの処理速度の違いを吸収する構造のシート後処理装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
特公平6−99070号公報
前記従来のシート後処理装置では、搬送パスの経路を長くしているため、装置が大きくなってしまう問題があった。また、複数の搬送パスを有しているため、装置構造が複雑になってしまう問題があった。
前記欠点に対処するために、処理トレイの上方に、幅方向に二分割された待機トレイを配置することが考えられた。この装置では、ステイプル処理を行っている間に送られてくる後続のシートを待機トレイ上に積層し、ステイプル処理が終了したシート束を処理トレイから排出トレイに排出したのち、前記待機トレイを開くとともに、待機トレイ上のシートをパドルによって下方に向けて叩くことにより、このシートを処理トレイ上に強制落下させるものである。この場合、処理されたシート束を処理トレイ上から排紙トレイに向けて排出するための排出機構が必要となる。
排出機構によってシート束を排紙トレイに向けて移動させるために、一対のプーリ間に張り渡されたベルトに排出アームを設け、このベルトを無端走行させることによって排出アームを一方向に連続的に移動させ、この排出アームによってシート束を排出することが考えられた。しかし、排出アームが前側のプーリに沿って円弧を描きながら下方に回動すると、排出アームの根元と先端との間に周速度差が生じることにより、シート束の厚み方向に関して排出速度にばらつきが生じ、シート束の排出が不安定になる懸念があった。また、排出アームが前記プーリに沿って円弧を描きながら下方に回動し始めた直後に、排出アームのフック状の先端部がシート束の後端部と干渉し、シート束の排出に影響を与える可能性があるなど、改善の余地があった。
従ってこの発明の目的は、搬送経路を短縮して小型化を図ることができ、しかもシート束を安定して排出できるシート後処理装置を提供することにある。
本発明のシート後処理装置は、シートを幅方向および縦方向に整合してシート束を形成するための処理トレイと、前記処理トレイに配置された排出機構とを具備し、前記排出機構は、前記処理トレイのシート排出方向前側に位置する第1の回転体と、前記処理トレイのシート排出方向後側に位置する第2の回転体と、前記第1および第2の回転体に巻掛けられて前記排出方向に延びる巻掛け伝動体と、前記巻掛け伝動体に取付けられ、前記処理トレイの上面側において前記第2の回転体から第1の回転体に向かって移動する排出アームと、前記巻掛け伝動体を移動させることにより前記排出アームを前記処理トレイの上面側において前記搬出方向に移動させる駆動手段と、前記排出アームが前記第1の回転体の外周面に沿って回動を開始する位置付近にて前記排出アームの移動を停止または減速すべく前記駆動手段を制御する制御手段とを具備している。
本発明の一つの形態では、前記制御手段は、前記排出アームが前記第1の回転体に沿って円弧を描きながら回動を始める位置の直後にて前記排出アームを停止させる。
また本発明の一つの形態では、前記排出アームの両側に、前記シート束を前記処理トレイの前側に向けて移動させる受け渡しアームが設けられ、該受け渡しアームが前進端まで移動した状態において、前記排出アームが前記受け渡しアームの後側から前記シート束を受け取り、そののち前記排出アームによって前記シート束が前進させられることにより、該シート束が前記処理トレイから排紙トレイに向けて排出される。
また本発明の一つの形態では、前記排出アームの両側に、前記シート束を前記処理トレイの前側に向けて移動させる受け渡しアームが設けられ、該受け渡しアームが前進端まで移動した状態において、前記排出アームが前記受け渡しアームの後側から前記シート束を受け取り、そののち前記排出アームによって前記シート束が前進させられることにより、該シート束が前記処理トレイから排紙トレイに向けて排出される。
本発明によれば、ベルト等の巻掛け伝動体とこの巻掛け伝動体に設けた排出アームを有する排出機構によって、処理トレイ上のシート束を排紙トレイに向けて能率良く排出することができ、しかも排出方向前側に位置する第1の回転体付近で排出アームが制動されることにより、該排出アームによって送られる処理トレイ上のシート束を排紙トレイに向けて安定して排出することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に多機能周辺装置(Multi Function Peripheral)(以下、単にMFPと称する)10の概略図が示されている。このMFP10は、本発明の実施の形態に係るシート後処理装置11と、シート後処理装置11が接続されたデジタル複写機100などからなる。デジタル複写機100は、この発明で言うMFP本体の一例である。
図1に多機能周辺装置(Multi Function Peripheral)(以下、単にMFPと称する)10の概略図が示されている。このMFP10は、本発明の実施の形態に係るシート後処理装置11と、シート後処理装置11が接続されたデジタル複写機100などからなる。デジタル複写機100は、この発明で言うMFP本体の一例である。
デジタル複写機100は、装置の外殻をなす筐体112を有し、筐体112の上面に透明なガラス板からなる原稿載置台112aを有する。原稿載置台112aの上には、自動原稿送り装置114(以下、単にADF114と称する)が開閉可能に設けられている。ADF114は、原稿載置台112a上の所定位置に原稿Dを自動的に送るよう動作する。
例えば、ADF114の給紙トレイ114aに原稿Dをセットして、ステイプル処理の有無、ステイプル処理の仕方、複写枚数、用紙サイズなどを設定した後、複写開始スイッチを押すと、給紙トレイ114a上の原稿Dが原稿載置台112a上の原稿読取位置に1枚ずつ自動的に給送され、原稿読み取り後、適当なタイミングで自動的に排紙される。
筐体112の内部には、スキャナ部116、プリンタ部118、シートの一例であるコピー用紙P(以下、単に用紙Pと称する)を収納するカセット121,122,123等が配設されている。筐体112の図1中の右壁に、同じサイズの多量の用紙Pを収容した大容量フィーダ124、および手差しトレイ125が取付けられている。筐体112の図1中の左壁に、後述するシート後処理装置11が接続されている。
スキャナ部116は、ADF114によって原稿載置台112a上の原稿読取位置に給送された原稿Dを照明してスキャニングし、その反射光を読み取って光電変換し、原稿Dの画像情報を取得する。
プリンタ部118は、スキャナ部116で読み取った画像情報に基づいてレーザ装置118aを作動させ、感光体ドラム118bの周面上に画像情報に基づく静電潜像を形成する。プリンタ部118は、現像装置118cを介して感光体ドラム118bの静電潜像にトナーを供給して顕像化し、このトナー像を転写チャージャ118dによって用紙Pに転写する。このとき、用紙Pは、カセット121,122,123と、大容量フィーダ124と、手差しトレイ125のいずれかから給紙される。
さらに、プリンタ部118は、トナー像を転写した用紙Pを定着装置118eに供給し、トナー像を加熱溶融して用紙Pに定着し、排出口120を介してシート後処理装置11へ排出する。この排出口120を介して排出される用紙Pが本発明のシートに該当する。
以下にシート後処理装置11について説明する。
シート後処理装置11は、MFP本体の一例であるデジタル複写機100に隣接して設けられている。このシート後処理装置11は、デジタル複写機100によって印刷処理がなされた用紙Pを部数単位で集積して取り揃え、ステイプル処理等の後処理を加えることにより、用紙束P´(図3に示す)を形成するものである。ステイプル処理とは、集積した複数枚の用紙Pの一端を取り揃えて綴じ合わせる処理を言う。
シート後処理装置11は、MFP本体の一例であるデジタル複写機100に隣接して設けられている。このシート後処理装置11は、デジタル複写機100によって印刷処理がなされた用紙Pを部数単位で集積して取り揃え、ステイプル処理等の後処理を加えることにより、用紙束P´(図3に示す)を形成するものである。ステイプル処理とは、集積した複数枚の用紙Pの一端を取り揃えて綴じ合わせる処理を言う。
図2と図3等に示すように、シート後処理装置11は、筐体12と、筐体12に装着された上段側の排紙トレイ13aと、下段側の排紙トレイ13bを備えている。これらの排紙トレイ13a,13bに、後で説明する後処理された用紙Pや用紙束P´を保持することができる。筐体12には、前記デジタル複写機100から印刷された用紙Pを受け入れる供給口16と、後処理がなされた用紙束P´が排出される排出口17とが設けられている。
図8に示すように、排紙トレイ13aは側板18に沿って上下方向に移動可能であり、昇降駆動機構19(一部のみ図示する)によって、上下方向に移動させることができるようになっている。具体的には、排紙トレイ13a上に積層されてゆく用紙Pの厚さが図示しないセンサによって検出され、排紙トレイ13a上の厚さが増すにつれて、排紙トレイ13aが下方に移動してゆくように構成されている。
図2と図3等に示すように、筐体12の内部に、用紙Pを後処理する後処理手段21と、後処理手段21に用紙Pを供給する搬送手段22と、後処理手段21と搬送手段22との間に設けられるアクティブドロップ手段23等が収容されている。これら各手段21,22,23は、マイクロプロセッサやメモリ等を備えたコンピュータ機能を有する制御手段24(図1に示す)によって制御される。
図2と図3等に示すように、後処理手段21は、処理トレイ25と、整合機構26と、ステイプラ28と、搬送ローラ30a,30bなどを含んでいる。処理トレイ25は、その後端部すなわちステイプラ28に近い側が低くなるように傾いている。言い換えると、この処理トレイ25は、前部が斜め上を向くように傾いた姿勢で配置されている。
整合機構26は、処理トレイ25上の複数枚の用紙Pを、幅方向と縦方向に整合することにより用紙束P´を形成する機能を有している。図8に示すように、処理トレイ25には、整合機構26の一部をなす一対のスライドプレート31が設けられている。各スライドプレート31は、図示しない駆動機構により、処理トレイ25の幅方向に互いに同期して反対方向に移動することができるようになっている。処理トレイ25の後端部には、前述した整合機構26の一部をなすストッパ32が設けられている。このストッパ32は、スライドプレート31と一体に処理トレイ25の幅方向に移動することができる。
前記整合機構26によって、処理トレイ25上の用紙Pが幅方向および幅方向に直交する縦方向に整合され、所定枚数の用紙Pからなる用紙束P´が形成される。ステイプラ28は、処理トレイ25上に保持された用紙束P´に、必要に応じてステイプル処理を行うものである。
搬送ローラ30a,30bにはベルト(図示せず)が巻掛けられていて、後述するモータ72(図8に示す)により、搬送ローラ30a,30bを同一方向に同期して回転させることができるようになっている。処理トレイ25の幅方向中央部には、後処理された用紙束P´を排紙トレイ13aに向けて搬送させるための排出機構38(図8〜図12に示す)が設けられている。排出機構38については、後に詳しく説明する。
図2と図3等に示すように、搬送手段22は、用紙Pの搬送路34と、搬送路34の上流側の供給口16の近傍に配置された入口ローラ対35と、搬送路34の下流側に配置された出口ローラ対36を備えている。入口ローラ対35は、上ローラ35aおよび下ローラ35bを含んでいる。出口ローラ対36は、下側の駆動ローラである搬送ローラ36aと、上側のピンチローラ36bとを含んでいる。搬送路34の途中に、用紙Pの末端を検出するセンサ37が設けられている。
アクティブドロップ手段23は、処理トレイ25の上方に配置された待機トレイ40と、トレイ駆動機構41(図2に示す)と、パドル機構42と、アシストアーム43と、待機トレイ40の前部に位置するローラ部材44などを備えている。
待機トレイ40は、幅方向(用紙Pの幅方向)に2分割された一対のトレイ部材45で構成されている。各トレイ部材45は、処理トレイ25の上方に離間対向して配置されている。各トレイ部材45は、トレイ駆動機構41によって、処理トレイ25の幅方向に、互いに反対方向に同期して移動させることができる。
すなわちこのトレイ駆動機構41は、待機トレイ40上に用紙Pを載置する第1の位置(閉位置と呼ぶ)と、待機トレイ40上の用紙Pを処理トレイ25上に落下させる第2の位置(開位置と呼ぶ)とにわたって、一対のトレイ部材45を互いに用紙Pの幅方向に同期して移動させる機能を有している。トレイ駆動機構41は、例えば、トレイ部材45の後端に設けられたラックと、ラックを駆動するピニオンギヤと、ピニオンギヤを回転させるモータ(いずれも図示せず)などによって構成されている。
図3に示すように、パドル機構42は、第1の軸53を中心に回転する用紙受け座57と、ゴム製の短パドル58と、ゴム製の長パドル59とを備えている。用紙受け部57と短パドル58と長パドル59は、いずれも第1の軸53に取付けられている。用紙受け座57の上に用紙Pの後端部が乗る。
短パドル58は、待機トレイ40の前記トレイ部材45が第1の位置(閉位置)から第2の位置(開位置)に移動したときに、図6に示すように第1の軸53を中心に回転し、用紙Pの後端部を下方に向けて叩くようになっている。長パドル59は、図7に示すように処理トレイ25上の用紙Pをステイプラ28に向けて擦る機能を有している。
アシストアーム43は第2の軸65を中心に上下方向に回動自在であり、外力が加わらない自由状態では、アシストアーム43の自重により、アシストアーム43の先端43aが処理トレイ25に向かって斜め前方に垂れ下がっている。このアシストアーム43は、用紙Pが出口ローラ対36から待機トレイ40上に供給される際に、用紙Pに接しつつ、回動上昇するようになっている。
ローラ部材44は、図示しない回転機構によって回転駆動することができ、かつ、昇降機構により上下方向に移動させることもできる。このローラ部材44は、出口ローラ対36から待機トレイ40上に用紙Pが供給される際(図4)や、用紙Pを待機トレイ40から処理トレイ25に落下させる際(図6)に、前記昇降機構により上昇する。また、後処理する必要のない用紙P(処理トレイ25上に落とす必要のない用紙P)を待機トレイ40から排出口17に排出する際に、ローラ部材44が前記回転機構によって回転することにより、用紙Pが待機トレイ40から排出口17に向けて搬送されるようになっている。
制御手段24は、例えば、CPUと、ROMと、RAMと、IOC(input output controller:入出力制御装置)と、これらを接続する内部バス等を具備している。前記IOCは、例えば、ステイプラ28、入口ローラ対35、出口ローラ対36、センサ37、トレイ駆動機構41、パドル機構42、ローラ部材44、後述する排出機構38のモータ85などに、図示しない複数のドライバを介して接続されている。この制御手段24には、センサ37等によって検出した用紙Pの位置情報や、MFP本体であるデジタル複写機100から用紙Pの大きさ、枚数等の情報も入力される。
次に、排出機構38について、図8〜図12を参照して説明する。
図8に示すように、排出機構38は、処理トレイ25の幅方向中央部に配置される排出ユニット70と、処理トレイ25の前部と後部に配置された複数の前記搬送ローラ30a,30bを備えている。搬送ローラ30a,30bは、正逆回転が可能なモータ72等を備えた回転機構によって回転し、処理トレイ25上の用紙Pを排紙トレイ13aに向けて送ることができるようになっている。
図8に示すように、排出機構38は、処理トレイ25の幅方向中央部に配置される排出ユニット70と、処理トレイ25の前部と後部に配置された複数の前記搬送ローラ30a,30bを備えている。搬送ローラ30a,30bは、正逆回転が可能なモータ72等を備えた回転機構によって回転し、処理トレイ25上の用紙Pを排紙トレイ13aに向けて送ることができるようになっている。
図9に示されるように、排出ユニット70はフレーム75を備えている。このフレーム75は、処理トレイ25の所定位置に固定されている。このフレーム75に、排出アーム80(図10〜図12に示す)を備えた送り出し部81と、送り出し部81の両側に配置された受け渡しアーム82を有する一対の受け渡し部83と、これら送り出し部81と受け渡し部83を駆動するためのモータ85および動力伝達機構86を備えた駆動手段87と、クラッチ機構88と、リターン機構89などが設けられている。モータ85と動力伝達機構86は、本発明で言う駆動手段(排出アーム80を用紙束P´の排出方向に移動させるための駆動手段87)を構成している。
送り出し部81は、フレーム75の前部に配置された前側プーリ91と、フレーム75の後部に配置された後側プーリ92と、これらプーリ91,92間に張り渡された無端状のベルト(例えば歯付きベルト)93などを備えている。前側プーリ91は用紙束P´の排出方向前側に位置し、本発明で言う第1の回転体に相当する。後側プーリ92は用紙束P´の排出方向後側に位置し、本発明で言う第2の回転体に相当する。ベルト93は本発明で言う巻掛け伝動体に相当する。
前記モータ85によってプーリ91,92が一方向に回転することにより、ベルト93が図10に矢印Aで示す方向(用紙束P´の排出方向)に移動するようになっている。なお、ベルト93の代りにチェーンが使用されてもよく、その場合、第1および第2の回転体に鎖車(スプロケット)が使用される。
ベルト93に前記排出アーム80(図10〜図12に示す)が取付けられている。排出アーム80は、用紙束P´の後端を後方から保持できるように、フックの形状をなしている。排出アーム80の先端部80aは、用紙束P´の排出方向(排出アーム80が前進する方向)を向いている。図11に示すように、排出アーム80は、一対の受け渡しアーム82の間を前記矢印A方向に通り抜けることができる。
一対の受け渡し部83は、それぞれ前記ベルト93に沿う方向に延びる移動体95と、移動体95に設けられた前記受け渡しアーム82を備えている。受け渡しアーム82は、用紙束P´の後端を後方から保持できるように、フックの形状をなしている。受け渡しアーム82の先端部82aは、用紙束P´の排出方向(受け渡しアーム82が前進する方向)を向いている。
前記移動体95は、前記クラッチ機構88を介して、前記モータ85によってベルト93と同じ方向にベルト93と同じ速度で移動する。この移動体95は、図10に示す前進端の位置まで、すなわちストッパ96に当接する位置まで前進することができる。移動体95に設けられている受け渡しアーム82は、ベルト93に沿って、図10に矢印Bで示す方向に移動することができる。
また前記移動体95は、クラッチ機構88が非接続状態となったときに、リターン機構89に内蔵されたねじりばね等の弾性復元力により、図9に示す待機位置まで後退することができるようになっている。すなわちこの移動体95は、ベルト93に沿って直線的に往復移動(前進および後退)することができる。
ベルト93はモータ85によって、プーリ91,92間を一定方向に無端走行する。すなわちこのベルト93は、処理トレイ25の上面(表面側)では、後側プーリ92から前側プーリ91に向かって用紙束P´の排出方向に移動する。処理トレイ25の下面(裏面側)ではベルト93の向きが反転することにより、このベルト93は前側プーリ91から後側プーリ92に向かって移動することになる。
したがって、ベルト93に取付けられている排出アーム80は、処理トレイ25の上面(表面側)では、ベルト93と共に後側プーリ92から前側プーリ91に向かって前進する。ベルト93が後側プーリ92から前側プーリ91に向かって直線状に前進する直線部分93aでは、排出アーム80はベルト93と共に等速度で前進する。
前記排出アーム80は、図10に示すように受け渡しアーム82が前進端まで移動した状態において、受け渡しアーム82の背面側から、受け渡しアーム82の間を通り抜けて受け渡しアーム82の前側に移動し、前側プーリ91に向かう。
そしてこの排出アーム80が前側プーリ91に至り、排出アーム80が前側プーリ91の外周面に沿って、円弧を描きながら下方への回動を始めた直後に、排出アーム80が一旦停止するように、前記制御手段24によってモータ85の制御がなされるようになっている。モータ85は、排出アーム80の位置に応じた回転制御が可能なように、ステッピングモータが使用されている。
排出アーム80が一旦停止するタイミングは、排出アーム80が前側プーリ91上において図5に示す第1の位置N1から第2の位置N2に至る角度θにある間が望ましい。第1の位置N1は、排出アーム80がベルト93の直線部分93aから前側プーリ91の外周面に沿って回動を始める直前の位置である。第1の位置N1では、排出アーム80はベルト93の直線部分93aに対してほぼ直角な姿勢(排出アーム80が鉛直線に対して後傾した姿勢)となっている。
図5に示す第2の位置N2は、排出アーム80が前側プーリ91の外周面に沿って回動し、排出アーム80が前側プーリ91の外周面の最上部に至ることにより、排出アーム80が鉛直線に沿う姿勢となる位置である。排出アーム80が第2の位置N2を越えると、排出アーム80が鉛直の姿勢から前傾し始め、前側プーリ91の外周面に沿って反転したのち、処理トレイ25の下面に沿って後側プーリ92に向かうことになる。
以下に前記シート後処理装置11の動作について、図3〜図12を参照して説明する。
図3は、1枚目の用紙Pが待機トレイ40上に乗っていて、さらに2枚目の用紙Pが待機トレイ40に供給される状態を示している。この2枚目の用紙Pは、搬送路34の途中のセンサ37を作動させながら、搬送路34上を出口ローラ対36に向かって移動する。このとき待機トレイ40のトレイ部材45は、第1の位置(閉位置)にあり、待機トレイ40上に用紙Pを乗せておくことができるようになっている。
図3に示すように、用紙Pの幅方向の両端部が左右一対のトレイ部材45によって支持さる。用紙Pの後端部の幅方向中央部付近は、パドル機構42の用紙受け座57によって支持される。一方、処理トレイ25上では、先行して処理トレイ25上に供給されていた所定枚数の用紙Pが、整合機構26によって幅方向と縦方向に整合され、用紙束P´が形成される。
図4に示すように、待機トレイ40上では、2枚目の用紙Pがアシストアーム43を押し上げながら出口ローラ対36から待機トレイ40上に供給される。この用紙Pの後端がセンサ37を通過したところで、センサ37によって、用紙Pの後端が通過したことを示す信号が制御手段24に送られる。一方、処理トレイ25上では、整合機構26によって整合された用紙束P´に、必要に応じてステイプル処理が行われる。
図5に示すように、待機トレイ40上に2枚の用紙Pが積層された状態では、待機トレイ40上の用紙Pに対し、アシストアーム43が自重により回動降下している。このアシストアーム43により、用紙Pの種類や印字パターンにかかわらず、用紙Pの後部がカールしたり、弛むことが抑制される。これら2枚の用紙Pが待機トレイ40上に積層される間に、先行する用紙束P´は、排出機構38によって排紙トレイ13aに向かって搬送される。
そののち、トレイ駆動機構41(図2に示す)が作動することにより、待機トレイ40のトレイ部材45が前記第1の位置(閉位置)から第2の位置(開位置)に移動するとともに、パドル機構42が回転する。すなわち図6に示すように、用紙受け座57が第2の軸65を中心に回転し、用紙Pの後端を支持しなくなるとともに、短パドル58と長パドル59も同じ方向に回転する。
これにより、図6に示すように、一対のトレイ部材45の間から2枚の用紙Pが自重で処理トレイ25に向けて落下するとともに、短パドル58が用紙Pの後端部の上面を叩くことにより、用紙Pの落下が補助される。こうして、2枚の用紙Pが処理トレイ25上に強制的に落とされる。これらの用紙Pが待機トレイ40から落下する際に、用紙Pが待機トレイ40から浮き上がることがアシストアーム43によって抑制されるため、用紙Pは処理トレイ25に向けて安定して落下することができる。
図7に示すように、処理トレイ25上に落下した用紙Pは、ステイプラ28の方向に送られる。処理トレイ25は後端部(ステイプラ28に近い側)が低くなるように傾斜しているため、処理トレイ25上に落下した用紙Pは、その後端部がステイプラ28に向かって滑り落ちる動作をなす。また、処理トレイ25上の下側の用紙Pは、搬送ローラ30a,30bの回転によってステイプラ28の方向に搬送される。処理トレイ25上の上側の用紙Pは、パドル機構42の長パドル59の掻き動作によって、ステイプラ28の方向に移動することが促進される。
前記のようにして処理トレイ25上に2枚の用紙Pが乗ったのち、待機トレイ40が前記第2の位置(開位置)に維持されたまま、後続する用紙Pが出口ローラ対36から処理トレイ25に順次供給される。すなわち、出口ローラ対36から出てくる用紙Pは、待機トレイ40に乗ることなく処理トレイ25に導かれる。これらの用紙Pは、先行して処理トレイ25上に乗っている用紙Pの上に順次積層されてゆく。また、整合機構26によって用紙Pが幅方向と縦方向に整合され、用紙束P´(図3に示す)が形成される。
図3に示されるように、処理トレイ25上に所定枚数の用紙Pからなる用紙束P´が形成されたのち、必要に応じて、ステイプラ28によってステイプル処理がなされる。この用紙束P´は、図5に示すように、排出機構38によって排出口17を経て排紙トレイ13aへ排出される。
このように、処理トレイ25上で用紙束P´の後処理(例えばステイプル処理)を行っている間は、後続する2枚の用紙Pを待機トレイ40上に留めておくことができる。すなわち、処理トレイ25への用紙Pの到着を遅らせることができるため、用紙束P´の後処理に要する時間を確保でき、後処理を問題無く行うことができる。
なお、ステイプル処理を行わない場合のように、処理トレイ25への用紙Pの到着を遅らせる必要がない場合には、1枚目の用紙Pが出口ローラ対36から出てくる際に、待機トレイ40を第2の位置(開位置)にしておき、出口ローラ対36から出てくる用紙Pを直ちに処理トレイ25に落とすこともできる。
以下に排出機構38の動作の詳細を説明する。
図9に示すように、受け渡しアーム82が待機位置にあるとき、送り出し部81の排出アーム80は、ベルト93の裏側のホームポジションH(図4に示す)にて停止している。用紙束P´の排出を指示する信号によって、モータ85が回転することにより、ベルト93と移動体95が同一方向に同一速度で移動する。これにより、排出アーム80が前記ホームポジションHから処理トレイ25の上面に向かって移動するとともに、移動体95と受け渡しアーム82がベルト93に沿って前進する。
図9に示すように、受け渡しアーム82が待機位置にあるとき、送り出し部81の排出アーム80は、ベルト93の裏側のホームポジションH(図4に示す)にて停止している。用紙束P´の排出を指示する信号によって、モータ85が回転することにより、ベルト93と移動体95が同一方向に同一速度で移動する。これにより、排出アーム80が前記ホームポジションHから処理トレイ25の上面に向かって移動するとともに、移動体95と受け渡しアーム82がベルト93に沿って前進する。
図10に示すように、移動体95がストッパ96によって規制される前進端に向かって移動することに伴い、用紙束P´が受け渡しアーム82によって前進させられる。モータ85が回転し続け、ベルト93が移動し続けることにより、用紙束P´の後側から排出アーム80が用紙束P´の後端に当接する。
こうして、図11に示すように用紙束P´が排出アーム80に受け渡され、排出アーム80によって用紙束P´が前側プーリ91に向けて搬送される。また、制御手段24からの信号に基いてクラッチ機構88が非接続状態となることにより、リターン機構89によって、受け渡しアーム82が図9に示す待機位置に復帰する。
図12に示すように、排出アーム80が前側プーリ91に沿って円弧を描くように下方への回動を開始した直後に、モータ85が停止し、ベルト93が停止することにより、排出アーム80が一旦停止する。すなわち排出アーム80が、前側プーリ91の近傍において、図5に示す第1の位置N1と第2の位置N2との間で一時的に停止する。
その瞬間に、それまで排出アーム80によってベルト93の直線部分93aを一定速度で送られてきた用紙束P´は、それ自身の慣性力により前進を続けようとするため、用紙束P´が排出アーム80から離れるとともに、排紙トレイ13aに向かって前方(図12に矢印Cで示す方向)に飛ばされる。
処理トレイ25から排紙トレイ13aに向けて排出される用紙束P´は、図8に示される左右一対のスライドプレート31に沿って排紙トレイ13aに向かうとともに、搬送ローラ30a,30bがモータ72によって回転していることにより、用紙束P´が排紙トレイ13aに向かう動きが補助される。
このように、排出アーム80が前側プーリ91付近で一旦停止した状態で用紙束P´が排出アーム80から離れるため、排出アーム80が前側プーリ91に沿って円弧を描きながら下方に回動する際に、排出アーム80の先端部80aと排出アーム80の根元部分との間に周速度差があっても、用紙束P´はベルト93の直線部分93aとほぼ等しい速度で排出アーム80から離れることができる。また、排出アーム80が前側プーリ91に沿って下向きに反転する前に、用紙束P´を排出アーム80から離すことができるため、排出アーム80のフック状の先端部80aが用紙束P´の後端部に引っ掛かることを回避できる。
上記の理由から、用紙束P´が排出アーム80から離れる際の初期速度は、排出アーム80がプーリ91,92の間のベルト93の直線部分93aに沿って等速度で移動する際の速度と同じとなり、安定した速度で排出することが可能となった。
以上説明したように、本実施形態によれば、待機トレイ40を設けたことにより、用紙Pの搬送経路を短く構成することが可能となり、シート後処理装置11を小型に構成することができる。しかも処理トレイ25上の用紙束P´を送るための排出アーム80が前側プーリ91付近で制動されることにより、用紙束P´を排紙トレイ13aに向けて安定して排出することができる。
なお本実施形態では排出アーム80を前側プーリ91付近で停止させたが、モータ85を停止させる代りに、排出アーム80が前側プーリ91付近に達したときに排出アーム80の速度を急減速することにより、前記実施形態と同様の効果を得るようにしてもよい。要するに、排出アーム80を前側プーリ91付近で制動するように構成すればよい。
P…用紙、P´…用紙束、11…シート後処理装置、13a…排紙トレイ、24…制御手段、25…処理トレイ、38…排出機構、70…排出ユニット、80…排出アーム、82…受け渡しアーム、87…駆動手段、91…前側プーリ(第1の回転体)、92…後側プーリ(第2の回転体)、93…ベルト(巻掛け伝動体)。
Claims (3)
- シートを幅方向および縦方向に整合してシート束を形成するための処理トレイと、
前記処理トレイに配置された排出機構とを具備し、
前記排出機構は、
前記処理トレイのシート排出方向前側に位置する第1の回転体と、
前記処理トレイのシート排出方向後側に位置する第2の回転体と、
前記第1および第2の回転体に巻掛けられて前記排出方向に延びる巻掛け伝動体と、
前記巻掛け伝動体に取付けられ、前記処理トレイの上面側において前記第2の回転体から第1の回転体に向かって移動する排出アームと、
前記巻掛け伝動体を移動させることにより前記排出アームを前記処理トレイの上面側において前記搬出方向に移動させる駆動手段と、
前記排出アームが前記第1の回転体の外周面に沿って回動を開始する位置付近にて前記排出アームの移動を停止または減速すべく前記駆動手段を制御する制御手段と、
を具備したことを特徴するシート後処理装置。 - 前記制御手段は、前記排出アームが前記第1の回転体に沿って円弧を描きながら回動を始める位置の直後にて前記排出アームを停止させることを特徴とする請求項1に記載のシート後処理装置。
- 前記排出アームの両側に、前記シート束を前記処理トレイの前側に向けて移動させる受け渡しアームが設けられ、該受け渡しアームが前進端まで移動した状態において、前記排出アームが前記受け渡しアームの後側から前記シート束を受け取り、そののち前記排出アームによって前記シート束が前進させられることにより、該シート束が前記処理トレイから排紙トレイに向けて排出されることを特徴とする請求項1または2に記載のシート後処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005270511A JP2007076894A (ja) | 2005-09-16 | 2005-09-16 | シート後処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005270511A JP2007076894A (ja) | 2005-09-16 | 2005-09-16 | シート後処理装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2007076894A true JP2007076894A (ja) | 2007-03-29 |
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ID=37937571
Family Applications (1)
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JP2005270511A Abandoned JP2007076894A (ja) | 2005-09-16 | 2005-09-16 | シート後処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007076894A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009067557A (ja) * | 2007-09-14 | 2009-04-02 | Ricoh Co Ltd | シート処理装置 |
JP2017001788A (ja) * | 2015-06-08 | 2017-01-05 | 株式会社東芝 | シート処理装置 |
-
2005
- 2005-09-16 JP JP2005270511A patent/JP2007076894A/ja not_active Abandoned
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