JP2007075689A - 撹拌方法、装置及び廃液処理装置 - Google Patents
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Abstract
比較的比重の大きい廃液の処理において、廃液から分離されたスラッジなどを含む液分に凝集剤を混合して撹拌し凝集させる際の撹拌を効率的に行うことができるようにする。
【解決手段】
撹拌装置(7)は、高さが順次低くなるよう設けられた複数の個槽部(720)、各個槽部(720)に備えられた撹拌体(73,73a,73b,73c)を備えている。各個槽部(720)の底部は曲面を有しており、各撹拌体(73,73a,73b,73c)は羽根(735)が本質的に曲面に沿って移動するようになっている。上部の個槽部(720)に導入された被撹拌物を各個槽部(720)に備えられた撹拌体(73,73a,73b,73c)で撹拌しながら高い個槽部(720)から低い個槽部(720)へ順次移動させるよう構成されている。
【選択図】 図7
Description
この撹拌装置は、槽体の内部に回転軸が縦方向に設けられ、回転軸に複数の撹拌羽根が設けられており、撹拌羽根は槽底部近傍まで延長されている構造である。
なお、この撹拌装置の場合は、槽内の側部から底部にかけて邪魔板が設けられ、撹拌効率を高めている。
すなわち、この撹拌装置は、撹拌羽根が水平方向に回転する構造であるので、邪魔板が設けられているとはいえ、例えば槽底に沈んだ比較的重いスラッジなどは液分と混ざりにくく、撹拌を均等に行うことが難しい。このため、比較的比重の小さい廃液(畜産廃液、食品残渣、工場廃水など)の処理については問題ないが、比重の大きい廃液(建設汚泥、金属スラッジ、ダム残渣など)の処理には適さない。
本発明の目的は、建設汚泥など比較的比重の大きい廃液の処理において、廃液から分離されたスラッジなどを含む液分に凝集剤を混合して撹拌し凝集させる際の撹拌を効率的に行うことができる撹拌方法、装置及びそれを使用した廃液処理装置を提供することである。
第1の発明にあっては、
高さが順次低くなるよう設けられた複数の個槽部において上部側の個槽部に被撹拌物を導入し、被撹拌物を各個槽部に設けられた撹拌体で撹拌しながら高い個槽部から低い個槽部へ順次移動させることを特徴とする、
撹拌方法である。
高さが順次低くなるよう設けられた複数の個槽部と、
各個槽部に備えられた撹拌体と、
を備えており、
上部の個槽部に導入された被撹拌物を各個槽部に設けられた撹拌体で撹拌しながら高い個槽部から低い個槽部へ順次移動させるよう構成されていることを特徴とする、
撹拌装置である。
高さが順次低くなるよう設けられた複数の個槽部と、
各個槽部に備えられた撹拌体と、
を備えており、
各個槽部の底部は曲面を有しており、
各撹拌体は羽根が本質的に曲面に沿って移動するよう構成され、
上部の個槽部に導入された被撹拌物を各個槽部に備えられた撹拌体で撹拌しながら高い個槽部から低い個槽部へ順次移動させるよう構成されていることを特徴とする、
撹拌装置である。
導入される被撹拌物を一旦受けて上部の個槽部に入れることができる受部材を有していることを特徴とする、
第2または第3の発明に係る撹拌装置である。
廃液の固液分離を行う一次脱水装置と、
一次脱水装置で分離された液分に凝集剤を供給し混合撹拌して凝集させる凝集撹拌機と、
凝集撹拌機により処理された固液混合物の固液分離を行う二次脱水装置と、
を備えており、
凝集撹拌機による液分の撹拌は、第2、第3または第4の発明に係る撹拌装置により行うよう構成されていることを特徴とする、
廃液処理装置である。
また、個槽部の数、形状、大きさは適宜設定されるものであり、特に限定されるものではない。
本発明に係る撹拌装置と廃液処理装置の作用を説明する。なお、ここでは本発明の各構成要件のそれぞれに、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与し説明するが、この符号の付与は、あくまで説明の理解を容易にするためであって各構成要件の上記各部への限定を意味するものではない。
撹拌装置(7)の各撹拌体(73,73a,73b,73c)を作動させる。
撹拌装置(7)の上部の個槽部(720)に撹拌の対象となる被撹拌物(廃液から分離された液分など)を連続的に導入する。
被撹拌物は個槽部(720)内で撹拌体(73,73a,73b,73c)によって撹拌されながら、被撹拌物が追加される分だけ個槽部(720)で溢れ、隣り合う低い個槽部(720)へ移動する。このように、被撹拌物は各個槽部(720)で撹拌され順次低い個槽部(720)へ移動しながら連続して撹拌処理されるので、撹拌を効率よくかつ均等に行うことができる。。
廃液の原水を一次脱水装置(1)へ送り、固液分離する。
一次脱水装置(1)で分離された液分を凝集撹拌機(2)の撹拌装置(7)へ送る。
撹拌装置(7)内の液分に凝集剤を所要量供給する。
凝集物と液分の固液混合物を二次脱水装置(3)へ送り一次脱水装置(1)と同様に固液分離する。
分離した液分は河川放流や廃水処理などによって処理し、固形分は産廃処理、堆肥化処理、炭化処理などによって処理する。
図2は廃液処理装置の工程を示すブロック図である。
次に、一次脱水装置1、凝集撹拌機2及び二次脱水装置3のそれぞれについて構造を詳細に説明する。
図4は脱水装置の構造を示す平面視説明図、
図5は脱水装置の構造を示す側面視説明図、
図6は脱水装置の圧搾ローラ装置の作用を説明する説明図である。
主に図3、図4、図5を参照して説明する。なお、一次脱水装置1と二次脱水装置3は同様の構造であるので、ここでは一次脱水装置1の構造についてのみ説明する。
一次脱水装置1はフレーム10を有している。フレーム10は所要間隔をおいて平行に立設された側板101、102を有している。側板101、102は、複数の連結部材103によって間隔が固定されている。また、フレーム10の下部の四隅には、脚部材104が設けてある。
受けローラ150は、固定軸受152によって側板101、102間に水平に軸支されている。受けローラ150は、スクリーンベルト14の横行部の下側に位置し、その周面上端がスクリーンベルト14の下面側に接するようにしてある。
また、上記幅寄せ部材16、16aで挟まれた部分の中央上方には、給液調整センサ106(接触型センサ)が設けてある。給液調整センサ106は、幅寄せ部材16、16aの間を送られる廃液の固形分の量を感知し、多すぎるときは廃液の導入を一次停止したりスクリーンベルト14の回転を停止するなど、安全で円滑な処理を可能にする制御部を構成する。
図8は傾斜撹拌機の構造を示す側面図である。
図10は溶解装置の構造を示す平面視説明図、
図11は溶解装置の構造を示す側面視説明図である。
図13は粉体定量供給装置の粉体計量部の構造を示す説明図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
凝集撹拌機2は、上記のように撹拌装置20、溶解装置4、粉体定量供給装置5により構成されている。溶解装置4、粉体定量供給装置5は、傾斜撹拌装置7とは別体に設けられており、粉体定量供給装置5は溶解装置4の上部に取り付けられている。
傾斜撹拌装置7は、平面視長方形状で上部が開口した箱状の槽体70を有している。槽体70は台フレーム71(図11参照)に傾斜して取り付けてある。傾斜角度は本実施の形態では20°であるが、これに限定するものではなく、廃液の比重、固液混合率の違いなどに合わせて適宜調節可能である。
溶解装置4は、外形がほぼ直方体状の槽体40を有している。槽体40の正面側の底部右隅には、排出部41が設けてある。槽体40の上部に設けられている上板42の上面には、水を導入する導入管43が設けられている。なお、符号47は給水用電磁弁である。
粉体定量供給装置5はホッパー型の貯留容器50を有している。貯留容器50は蓋59を有する密閉型であり、廃液から分離された液分と混合してスラリーまたはスラッジを凝集させる高分子凝集剤の粉体51が適量貯留される。
貯留容器50の下端にはほぼ円筒形状の排出管52が縦方向に接続されている。排出管52の下端は閉塞されている。排出管52の上下方向の中間には、横方向に粉体供給管53が貫通して固定してある。
粉体供給管53の供給先側の端部(図12で右端)には、逆流防止空気供給管を構成する縦供給管54が接続してある。縦供給管54は鉛直方向に設けられ、溶解装置4の槽体40内に導入されている。
また、排出管52には、区画底板520下方の空間部522に繋がる解し空気供給管を構成する通気管55が周壁を貫通して設けてある。
縦供給管54の基端には送気管549の一端が繋がれている。送気管549の経路中には流量調節弁548が設けてある。
通気管55には送気管559の一端が繋がれている。送気管559の経路中には流量調節弁558が設けてある。
図1ないし図13を参照して本実施の形態に係る傾斜撹拌装置7及びそれを備えた廃液処理装置Aの作用を説明する。
廃液の原水を送液管69から一次脱水装置1へ送る。廃液処理装置Aでの処理に適している廃液は、比重が比較的大きいもの、例えば建設汚泥、金属スラッジまたはダム残渣などであるが、これらに限定するものではない。
なお、このときの圧搾は、加圧ローラ151の下側周面とスクリーンベルト14が比較的広い面で圧搾され、しかもスクリーンベルト14は浮いた状態になるために圧搾力が緩く、いわば予備的な圧搾となる(図6参照)。
この強い圧搾と、上記予備的な圧搾により分離された液分はスクリーンベルト14を通り抜け、下方の集液部材17で回収され、送液管60を通り中継槽61へ送られる。
また、スクレーパシュート18で掻き取られた固形分は処理に回される。
撹拌体73、73a、73b、73cは駆動モータ74の作動により同じ方向へ回転している。
送られた液分は受板75に当たり、最上部の個槽部720に落ちる。また、粉体定量供給装置5から液分の量に対しあらかじめ決められた量の高分子凝集剤51が溶解装置4へ供給され、高分子凝集剤51が溶かされた溶液が上記個槽部720で液分と混じるように供給される。
貯留容器50に適当な量の高分子凝集剤51を貯留する。これにより、高分子凝集剤51は、排出管52から粉体供給管53の入口530を通り、粉体計量部531に定量が入れられる。
本実施の形態では、三方切替弁563は粉体供給管側への空気供給を短時間(例えば0.5秒間)、縦供給管54側を比較的長め(例えば3秒間)とした時間間隔で繰り返すように設定されている。
なお、各流量調節弁538、548、558を自動弁として、各送気管539、549、559に乾燥空気を供給しないときには閉じて高分子凝集剤51の吸湿を防止できるようにしてもよい。
そして、タイマーなどの制御手段(図示省略)の制御によって上記工程が必要な回数だけ繰り返され、所要量の高分子凝集剤51が溶解装置4の槽体40内へ供給される。
高分子凝集剤51は溶解装置4で攪拌されて水に溶かされ、その溶液は排出部41からポンプ48を備えた送液管49(図1参照)を通り傾斜撹拌装置7へ供給される。送られた溶液は受板75に当たり、液分と共に最上部の個槽部720に落ちて混合される。
凝集物が混合した混合液はシュート76から二次脱水装置3に導入され、一次脱水装置1の場合とほぼ同様に脱水(固液分離)が行われる。
分離した液分は河川放流や廃水処理などによって処理し、凝集物である固形分は産廃処理、堆肥化処理、炭化処理などによって処理する。
1 一次脱水装置
10 フレーム
101 側板
102 側板
103 連結部材
104 脚部材
105 廃液導入口
106 給液調整センサ
11 調節ローラ
110 可動軸受
111 案内部材
112 調節具
12 駆動ローラ
120 ギヤボックス
121 固定軸受
122 駆動モータ
13 蛇行修正ローラ
130 可動軸受
131 案内部材
132 蛇行修正ユニット
133 固定軸受
14 スクリーンベルト
15 圧搾ローラ装置
150 受けローラ
151 加圧ローラ
152 固定軸受
153 可動軸受
154 圧調節ハンドル
155 案内部材
16、16a 幅寄せ部材
17 集液部材
170 排水管
18 スクレーパシュート
2 凝集撹拌機
3 二次脱水装置
4 溶解装置
40 槽体
41 排出部
42 上板
43 導入管
44 撹拌モータ
440 回転軸
45 撹拌羽根
46 キャップ
47 給水用電磁弁
5 粉体定量供給装置
50 貯留容器
51 粉体
52 排出管
520 区画底板
521 噴出孔
522 空間部
53 粉体供給管
530 入口
531 粉体計量部
538 流量調節弁
539 送気管
54 縦供給管
548 流量調節弁
549 送気管
55 通気管
558 流量調節弁
559 送気管
56 乾燥空気ユニット
560 送気管
561 出口ボール弁
562 流量計
563 三方切替弁
59 蓋
60 送液管
61 中継槽
62 送液管
63 ポンプ
64 送液管
65 ポンプ
69 送液管
7 傾斜撹拌機
70 槽体
700 側壁
701 上縁部
71 台フレーム
72 内槽
720 個槽部
721 上縁部
73、73a、73b、73c 撹拌体
730 回転軸
731 軸受
732 タイミングプーリ
733 タイミングベルト
734 アームロッド
735 撹拌羽根
736 テンションプーリ具
74 駆動モータ
740 タイミングプーリ
741 タイミングベルト
75 受板
750、751 脚部材
752 堰板
76 シュート
Claims (5)
- 高さが順次低くなるよう設けられた複数の個槽部(720)において上部側の個槽部(720)に被撹拌物を導入し、被撹拌物を各個槽部(720)に設けられた撹拌体(73,73a,73b,73c)で撹拌しながら高い個槽部(720)から低い個槽部(720)へ順次移動させることを特徴とする、
撹拌方法。 - 高さが順次低くなるよう設けられた複数の個槽部(720)と、
各個槽部(720)に備えられた撹拌体(73,73a,73b,73c)と、
を備えており、
上部の個槽部(720)に導入された被撹拌物を各個槽部(720)に設けられた撹拌体(73,73a,73b,73c)で撹拌しながら高い個槽部(720)から低い個槽部(720)へ順次移動させるよう構成されていることを特徴とする、
撹拌装置。 - 高さが順次低くなるよう設けられた複数の個槽部(720)と、
各個槽部(720)に備えられた撹拌体(73,73a,73b,73c)と、
を備えており、
各個槽部(720)の底部は曲面を有しており、
各撹拌体(73,73a,73b,73c)は羽根(735)が本質的に曲面に沿って移動するよう構成され、
上部の個槽部(720)に導入された被撹拌物を各個槽部(720)に備えられた撹拌体(73,73a,73b,73c)で撹拌しながら高い個槽部(720)から低い個槽部(720)へ順次移動させるよう構成されていることを特徴とする、
撹拌装置。 - 導入される被撹拌物を一旦受けて上部の個槽部(720)に入れることができる受部材(75)を有していることを特徴とする、
請求項2または3記載の撹拌装置。 - 廃液の固液分離を行う一次脱水装置(1)と、
一次脱水装置(1)で分離された液分に凝集剤を供給し混合撹拌して凝集させる凝集撹拌機(2)と、
凝集撹拌機(2)により処理された固液混合物の固液分離を行う二次脱水装置(3)と、
を備えており、
凝集撹拌機(2)による液分の撹拌は、請求項2、3または4記載の撹拌装置により行うよう構成されていることを特徴とする、
廃液処理装置。
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