JP2007074598A - 通信システム、通信装置および通信方法、並びにプログラム - Google Patents

通信システム、通信装置および通信方法、並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複数の通信プロトコルの利点を享受する。
【解決手段】ビデオカメラ41のNFC通信部51では、リモートコマンダ43のNFC通信部71との間で、NFCによる通信が行われ、これにより、テレビジョン受像機42がBluetooth(登録商標)による通信(BT通信)が可能であること、および、そのBT通信に要する通信情報としての、BT通信部62のBDアドレスが認識される。そして、ビデオカメラ41は、NFCによる通信からBT通信に切り換え、BT通信部62のBDアドレスに基づき、テレビジョン受像機42に対してBT通信を開始する処理を行う。その後、ビデオカメラ41とテレビジョン受像機42との間でBT通信が行われる。本発明は、例えば、通信機能を実装する、ビデオカメラやテレビジョン受像機などの電子機器に適用できる。
【選択図】図15

Description

本発明は、通信システム、通信装置および通信方法、並びにプログラムに関し、特に、複数の通信プロトコルの利点を享受することができるようにする通信システム、通信装置および通信方法、並びにプログラムに関する。
近年においては、例えば、WLAN(Wireless Local Area Network)や、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)(以下、適宜、BT通信と略す)、IC(Integrated Circuit)カードシステムなどの無線通信が注目されている。
これらのうちの、例えば、ICカードシステムでは、リーダ/ライタが電磁波を発生することにより、いわゆるRF(Radio Frequency)フィールド(磁界)を形成する。そして、リーダ/ライタに、ICカードが近づくと、ICカードは、電磁誘導によって、電源の供給を受けるとともに、リーダ/ライタとの間でデータ伝送を行う。
現在実施されているICカードシステムの仕様としては、例えば、タイプA、タイプBと呼ばれているものがある。
タイプAは、フィリップス社のMIFARE方式として採用されているもので、リーダ/ライタからICカードへのデータ伝送には、Millerによるデータのエンコードが行われ、ICカードからリーダ/ライタへのデータ伝送には、Manchesterによるデータのエンコードが行われる。また、タイプAでは、データの伝送レートとして、106kbps(kilo bit per second)が採用されている。
タイプBでは、リーダ/ライタからICカードへのデータ伝送には、NRZによるデータのエンコードが行われ、ICカードからリーダ/ライタへのデータ伝送には、NRZ−Lよるデータのエンコードが行われる。また、タイプBでは、データの伝送レートとして、106kbpsが採用されている。
このようなICカードシステムにおいては、例えば、通信相手であるICカードを特定して通信を行う通信プロトコルが採用されている。また、例えば、上述のBT通信では、現在のICカードシステムよりも高速なデータ伝送(通信)が可能な通信プロトコルが採用されている。
ところで、ICカードシステムとしては、複数の通信プロトコルの中から、使用する通信プロトコルを選択し、その選択した通信プロトコルによって通信を行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載のICカードシステムでは、複数の通信プロトコルによる通信が可能ではあるが、使用する通信プロトコルが選択された後は、その選択された通信プロトコルによる通信が行われる。従って、通信プロトコルが選択された後は、他の通信プロトコルによる通信を行うことができなかった。
そこで、例えば、ICカードシステムで採用されている通信プロトコルと、BT通信を行う通信プロトコルとを実装した複数の通信装置を備えた通信システムにおいて、通信装置どうしが近接した状態となったときに、ICカードシステムで採用されている通信プロトコルによる通信を行うことによって、通信相手となる通信装置を特定し、その後、通信プロトコルを、BT通信を行う通信プロトコルに切り換えることができる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載の通信システムによれば、ICカードシステムで採用されている通信プロトコルにより、通信装置どうしを近づけるだけで、通信相手を特定することができ、さらに、BT通信を行う通信プロトコルにより、高速なデータ伝送を行うことができる、といったように、複数の通信プロトコルの利点を享受することができる。
特開平06−276249号公報 特開2004−364145号公報
ところで、特許文献2に記載の通信システムでは、通信装置どうしが近接した状態となったときに、ICカードシステムで採用されている通信プロトコルによる通信を行うことによって、通信相手である通信装置が特定される。従って、通信装置どうしが近接した状態となることが困難である場合、例えば、一方の通信装置がユーザの手に保持されているが、他方の通信装置がユーザの手の届かない位置に配置されている場合、通信装置どうしを近づけることが困難であるため、ICカードシステムで採用されている通信プロトコルによる通信を行うことによって通信相手を特定することができず、その結果、複数の通信プロトコルの利点を享受することが困難であった。
また、特許文献2に記載の通信システムでは、通信を行おうとしている通信装置どうしが、いずれも、複数の通信プロトコルを実装していないと、その複数の通信プロトコルの利点を享受することが困難であった。
即ち、例えば、3つの通信装置からなる通信システムがあり、そのうちの1の通信装置が、例えば、ICカードシステムで採用されている通信プロトコルと、BT通信を行う通信プロトコルとを実装していることとする。また、他の1の通信装置が、ICカードシステムで採用されている通信プロトコルのみを実装し、さらに他の1の通信装置が、BT通信を行う通信プロトコルのみを実装していることとする。
この場合、1の通信装置と、他の1の通信装置とは、近づけるだけで、通信相手を特定することができるが、その後、BT通信を行う通信プロトコルにより、高速なデータ伝送を行うことは困難である。また、1の通信装置と、さらに他の1の通信装置とは、通信相手を特定した後は、BT通信を行う通信プロトコルにより、高速なデータ伝送を行うことができるが、近づけるだけで、通信相手を特定することが困難である。このように、通信を行おうとしている通信装置どうしが、いずれも、複数の通信プロトコルを実装していないと、その複数の通信プロトコルの利点を享受することが困難であった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、複数の通信プロトコルの利点を享受可能な通信を行うことができるようにするものである。
本発明の第1の側面の通信システムは、少なくとも第1乃至第3の通信装置を備える通信システムであり、前記第1の通信装置は、前記第2の通信装置との間で、第1の通信プロトコルによる通信を行う第1の通信手段と、前記第1の通信プロトコルによる通信によって、前記第2の通信装置から、前記第3の通信装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを取得する取得手段と、前記第3の通信装置との間で、前記取得手段において取得された前記通信情報に基づき、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルである第2の通信プロトコルによる通信を行う第2の通信手段とを有し、前記第2の通信装置は、前記第1の通信装置との間で、前記第1の通信プロトコルによる通信を行う第3の通信手段と、前記第1の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の通信装置に、前記第3の通信装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを供給する供給手段とを有し、前記第3の通信装置は、前記第1の通信装置との間で、前記第2の通信プロトコルによる通信を行う第4の通信手段を有する。
本発明の第2の側面の通信装置は、他の装置との間で通信を行う通信装置であり、第1の他の装置との間で、第1の通信プロトコルによる通信を行う第1の通信手段と、前記第1の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の他の装置から、第2の他の装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを取得する取得手段と、前記第2の他の装置との間で、前記取得手段において取得された前記通信情報に基づき、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルである第2の通信プロトコルによる通信を行う第2の通信手段とを備える。
また、本発明の第2の側面の通信方法またはプログラムは、他の装置との間で通信を行う通信方法、または他の装置との間で通信を行う通信処理を、コンピュータに行わせるプログラムであり、第1の他の装置との間で、第1の通信プロトコルによる通信を行い、前記第1の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の他の装置から、第2の他の装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを取得し、前記第2の他の装置との間で、前記通信情報に基づき、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルである第2の通信プロトコルによる通信を行うステップを含む。
本発明の第3の側面の通信装置は、他の装置との間で通信を行う通信装置であり、第1の他の装置との間で、所定の通信プロトコルによる通信を行う通信手段と、前記所定の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の他の装置に、第2の他の装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを供給する供給手段とを備える。
また、本発明の第3の側面の通信方法またはプログラムは、他の装置との間で通信を行う通信方法、または他の装置との間で通信を行う通信処理を、コンピュータに行わせるプログラムであり、第1の他の装置との間で、所定の通信プロトコルによる通信を行い、前記所定の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の他の装置に、第2の他の装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを供給するステップを含む。
本発明の第1の側面においては、第1の通信装置は、第2の通信装置との間で、第1の通信プロトコルによる通信を行い、第1の通信プロトコルによる通信によって、第2の通信装置から、第3の通信装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを取得する。そして、第1の通信装置は、その通信情報に基づき、その利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルである第2の通信プロトコルにより、第3の通信装置との間で通信を行う。一方、第2の通信装置は、第1の通信装置との間で、第1の通信プロトコルによる通信を行い、第1の通信プロトコルによる通信によって、第1の通信装置に、第3の通信装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを供給する。また、第3の通信装置は、第1の通信装置との間で、第2の通信プロトコルによる通信を行う。
本発明の第2の側面においては、第1の他の装置との間で、第1の通信プロトコルによる通信が行われ、第1の通信プロトコルによる通信によって、第1の他の装置から、第2の他の装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とが取得される。そして、第2の他の装置との間で、その通信情報に基づき、その利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルである第2の通信プロトコルによる通信が行われる。
本発明の第3の側面においては、第1の他の装置との間で、所定の通信プロトコルによる通信が行われ、所定の通信プロトコルによる通信によって、第1の他の装置に、第2の他の装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とが供給される。
本発明によれば、複数の通信プロトコルの利点を享受可能な通信を行うことができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
本発明の第1の側面の通信システムは、
少なくとも第1乃至第3の通信装置を備える通信システムであり、
前記第1の通信装置(例えば、図15のビデオカメラ41)は、
前記第2の通信装置(例えば、図15のリモートコマンダ43)との間で、第1の通信プロトコルによる通信を行う第1の通信手段(例えば、図15のNFC通信部51)と、
前記第1の通信プロトコルによる通信によって、前記第2の通信装置から、前記第3の通信装置(例えば、図15のテレビジョン受像機42)が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを取得する取得手段(例えば、図17のステップS157の処理を実行するNFC通信部51)と、
前記第3の通信装置との間で、前記取得手段において取得された前記通信情報に基づき、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルである第2の通信プロトコルによる通信を行う第2の通信手段(例えば、図15のBT通信部52)と
を有し、
前記第2の通信装置は、
前記第1の通信装置との間で、前記第1の通信プロトコルによる通信を行う第3の通信手段(例えば、図15のNFC通信部71)と、
前記第1の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の通信装置に、前記第3の通信装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを供給する供給手段(例えば、図17のステップS157の処理を実行するNFC通信部71)と
を有し、
前記第3の通信装置は、
前記第1の通信装置との間で、前記第2の通信プロトコルによる通信を行う第4の通信手段(例えば、図15のBT通信部62)
を有する。
本発明の第2の側面の通信装置は、
他の装置との間で通信を行う通信装置(例えば、図15のビデオカメラ41)であり、
第1の他の装置(例えば、図15のリモートコマンダ43)との間で、第1の通信プロトコルによる通信を行う第1の通信手段(例えば、図15のNFC通信部51)と、
前記第1の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の他の装置から、第2の他の装置(例えば、図15のテレビジョン受像機42)が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを取得する取得手段(例えば、図15の図17のステップS157の処理を実行するNFC通信部51)と、
前記第2の他の装置との間で、前記取得手段において取得された前記通信情報に基づき、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルである第2の通信プロトコルによる通信を行う第2の通信手段(例えば、図15のBT通信部52)と
を備える。
本発明の第2の側面の通信方法またはプログラムは、
他の装置との間で通信を行う通信方法、または他の装置との間で通信を行う通信処理を、コンピュータに行わせるプログラムであり、
第1の他の装置(例えば、図15のリモートコマンダ43)との間で、第1の通信プロトコルによる通信を行い(例えば、図17のステップS151乃至158)、
前記第1の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の他の装置から、第2の他の装置(例えば、図15のテレビジョン受像機42)が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを取得し(例えば、図17のステップS157)、
前記第2の他の装置との間で、前記通信情報に基づき、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルである第2の通信プロトコルによる通信を行う(例えば、図17のステップS160乃至S164)
ステップを含む。
本発明の第3の側面の通信装置は、
他の装置との間で通信を行う通信装置(例えば、図15のリモートコマンダ43)であり、
第1の他の装置(例えば、図15のビデオカメラ41)との間で、所定の通信プロトコルによる通信を行う通信手段(例えば、図15のNFC通信部71)と、
前記所定の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の他の装置に、第2の他の装置(例えば、図15のテレビジョン受像機42)が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを供給する供給手段(例えば、図17のステップS157の処理を実行するNFC通信部71)と
を備える。
本発明の第3の側面の通信方法またはプログラムは、
他の装置との間で通信を行う通信方法、または他の装置との間で通信を行う通信処理を、コンピュータに行わせるプログラムであり、
第1の他の装置(例えば、図15のビデオカメラ41)との間で、所定の通信プロトコルによる通信を行い(例えば、図17のステップS151乃至S158)、
前記所定の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の他の装置に、第2の他の装置(例えば、図15のテレビジョン受像機42)が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを供給する(例えば、図17のステップS157)
ステップを含む。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した通信システム(システムとは、複数の装置が論理的に結合したもの物をいい、各構成の装置が同一筐体中にあるか否かは問わない)の一実施の形態の構成例を示している。
図1においては、通信システムは、3つの通信装置1,2,3から構成されている。通信装置1乃至3それぞれは、例えば、1または複数の通信プロトコルによる通信を行うことができるようになっている。
なお、通信システムを構成する通信装置は、3つの通信装置1乃至3に限定されるものではなく、2つの通信装置や4以上の通信装置であっても良い。
また、図1の通信システムは、通信装置1乃至3のうちの1以上をリーダ/ライタとするとともに、他の1以上をICカードとするICカードシステムとして採用することができることは勿論、通信装置1乃至3それぞれを、通信機能を備えるPDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)、携帯電話、腕時計、ペン等の携帯可能な端末とする通信システムとして採用することも可能である。即ち、通信装置1乃至3は、ICカードシステムのICカードやリーダ/ライタなどに限定されるものではない。また、通信システムは、通信装置1,2、または3の他、例えば、従来のICカードシステムを構成するICカードやリーダ/ライタなどを含めて構成することも可能である。
但し、ここでは、通信装置1乃至3それぞれは、無線通信を行う機能を有するものとし、複数の通信プロトコルには、NFC(Near Field Communication)が含まれるものとする。
NFCは、他の通信装置との間で、単一の周波数の搬送波を使用した、電磁誘導による近接通信の通信プロトコルで、搬送波の周波数としては、例えば、ISM(Industrial Scientific Medical)バンドの13.56MHzなどが採用される。
ここで、近接通信とは、通信する装置どうしの距離が、数10cm以内となって可能となる通信を意味し、通信する装置どうし(の筐体)が接触して行う通信も含まれる。
NFCでは、2つの通信モードによる通信が可能である。2つの通信モードとしては、パッシブモードとアクティブモードとがある。いま、通信装置1乃至3のうちの、例えば、通信装置1と2の間の通信に注目すると、パッシブモードでは、上述した従来のICカードシステムと同様に、通信装置1と2のうちの一方の通信装置である、例えば、通信装置1は、自身が発生する電磁波(に対応する搬送波)を変調することにより、他方の通信装置である通信装置2にデータを送信し、通信装置2は、通信装置1が発生する電磁波(に対応する搬送波)を負荷変調することにより、通信装置1にデータを送信する。
一方、アクティブモードでは、通信装置1と2のいずれも、自身が発生する電磁波(に対応する搬送波)を変調することにより、データを送信する。
ここで、電磁誘導による近接通信を行う場合、最初に電磁波を出力して通信を開始し、いわば通信の主導権を握る装置を、イニシエータと呼ぶ。イニシエータは、通信相手にコマンド(要求)を送信し、その通信相手は、そのコマンドに対するレスポンス(応答)を返す形で、近接通信が行われるが、イニシエータからのコマンドに対するレスポンスを返す通信相手を、ターゲットと呼ぶ。
例えば、いま、通信装置1が電磁波の出力を開始して、通信装置2との通信を開始したとすると、図2および図3に示すように、通信装置1がイニシエータとなり、通信装置2がターゲットとなる。
そして、パッシブモードでは、図2に示すように、イニシエータである通信装置1が電磁波を出力し続け、通信装置1は、自身が出力している電磁波を変調することにより、ターゲットである通信装置2に、データを送信するとともに、通信装置2は、イニシエータである通信装置1が出力している電磁波を負荷変調することにより、通信装置1に、データを送信する。
一方、アクティブモードでは、図3に示すように、イニシエータである通信装置1は、自身がデータを送信する場合に、自身で電磁波の出力を開始し、その電磁波を変調することにより、ターゲットである通信装置2に、データを送信する。そして、通信装置1は、データの送信終了後は、電磁波の出力を停止する。ターゲットである通信装置2も、自身がデータを送信する場合に、自身で電磁波の出力を開始し、その電磁波を変調することにより、ターゲットである通信装置2に、データを送信する。そして、通信装置2は、データの送信終了後は、電磁波の出力を停止する。
次に、図4は、図1の通信装置1のNFCによる通信を行う部分の構成例を示している。なお、図1の他の通信装置2および3も、NFCによる通信を行う部分については、図4の通信装置1と同様に構成されるため、その説明は、省略する。
アンテナ11は、閉ループのコイルを構成しており、このコイルに流れる電流が変化することで、電磁波を出力する。また、アンテナ11としてのコイルを通る磁束が変化することで、アンテナ11に電流が流れる。
受信部12は、アンテナ11に流れる電流を検波し、復調部13に出力する。復調部13は、受信部12から供給される信号を復調し、デコード部14に供給する。デコード部14は、復調部13から供給される信号としての、例えばマンチェスタ符号などをデコードし、そのデコードの結果得られるデータを、データ処理部15に供給する。
データ処理部15は、デコード部14から供給されるデータに基づき、所定の処理を行う。また、データ処理部15は、他の装置に送信すべきデータを、エンコード部16に供給する。
エンコード部16は、データ処理部15から供給されるデータを、例えば、マンチェスタ符号などにエンコードし、選択部17に供給する。選択部17は、変調部19または負荷変調部20のうちのいずれか一方を選択し、その選択した方に、エンコード部16から供給される信号を出力する。
ここで、選択部17は、制御部21の制御にしたがって、変調部19または負荷変調部20を選択する。制御部21は、通信モードがパッシブモードであり、通信装置1がターゲットとなっている場合は、選択部17に負荷変調部20を選択させる。また、制御部21は、通信モードがアクティブモードである場合、または通信モードがパッシブモードであり、かつ、通信装置1がイニシエータとなっている場合は、選択部17に変調部19を選択させる。従って、エンコード部16が出力する信号は、通信モードがパッシブモードであり、通信装置1がターゲットとなっているケースでは、選択部17を介して、負荷変調部20に供給されるが、他のケースでは、選択部17を介して、変調部19に供給される。
電磁波出力部18は、アンテナ11から、所定の単一の周波数の搬送波(の電磁波)を放射させるための電流を、アンテナ11に流す。変調部19は、電磁波出力部18がアンテナ11に流す電流としての搬送波を、選択部17から供給される信号にしたがって変調する。これにより、アンテナ11からは、データ処理部15がエンコード部16に出力したデータにしたがって搬送波を変調した電磁波が放射される。
負荷変調部20は、外部からアンテナ11としてのコイルを見たときのインピーダンスを、選択部17から供給される信号にしたがって変化させる。他の装置が搬送波としての電磁波を出力することにより、アンテナ11の周囲にRFフィールド(磁界)が形成されている場合、アンテナ11としてのコイルを見たときのインピーダンスが変化することにより、アンテナ11の周囲のRFフィールドも変化する。これにより、他の装置が出力している電磁波としての搬送波が、選択部17から供給される信号にしたがって変調され、データ処理部15がエンコード部16に出力したデータが、電磁波を出力している他の装置に送信される。
ここで、変調部19および負荷変調部20における変調方式としては、例えば、振幅変調(ASK(Amplitude Shift Keying))を採用することができる。但し、変調部19および負荷変調部20における変調方式は、ASKに限定されるものではなく、PSK(Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)その他を採用することが可能である。また、振幅の変調度についても8%から30%、50%、100%等数値に限定されることはなく、好適なものを選択すれば良い。
制御部21は、通信装置1を構成する各ブロックを制御する。電源部22は、通信装置1を構成する各ブロックに、必要な電源を供給する。なお、図4では、制御部21が通信装置1を構成する各ブロックを制御することを表す線の図示と、電源部22が通信装置1を構成する各ブロックに電源を供給することを表す線の図示は、図が煩雑になるため、省略してある。
ここで、上述の場合には、デコード部14およびエンコード部16において、マンチェスタ符号を処理するようにしたが、デコード部14およびエンコード部16では、マンチェスタ符号だけでなく、モディファイドミラーや、NRZなどの複数種類の符号の中から1つを選択して処理するようにすることが可能である。
また、通信装置1が、パッシブモードのターゲットとしてしか動作しない場合は、選択部17、電磁波出力部18、変調部19を設けずに、通信装置1を構成することができる。さらに、この場合、電源部22は、例えば、アンテナ11で受信される外部の電磁波から電源を得ることができる。
通信装置1乃至3は、上述したように、複数の通信プロトコルによる通信を行うことができる構成を有しており、図4の構成によって行われるNFCによる通信は、複数の通信プロトコルによる通信のうちの1つである。複数の通信プロトコルとしては、NFCのほか、例えば、ICカードの通信について規定するISO/IEC(International Organization for Standardization/International Electrotechnical Commission) 14443や、RFタグ(Radio Frequency Tag)の通信について規定するISO/IEC 15693、Bluetooth、さらには、WLANその他の通信プロトコルを採用することができる。
図5は、通信装置1乃至3の通信プロトコルと、OSI階層モデルとの対応関係を示している。
通信装置1乃至3において、最上位層である第7層のアプリケーション層(Application Layer)、第6層のプレゼンテーション層(Presentation Layer)、および第5層のセッション層(Session Layer)には、例えば、インターネットのアプリケーション(Internet Application)(例えば、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)やFTP(File Transfer Protocolなど)、その他の任意のアプリケーションなどを採用することができる。
第4層のトランスポート層(Transport Layer)には、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)や、UDP(User Datagram Protocol)などを採用することができる。
第3層のネットワーク層(Network Layer)には、例えば、IP(Internet Protocol)などを採用することができる。
第2層のデータリンク層(Data Link Layer)は、上位層のLLC層(Logical Link Control Layer)と、下位層のMAC層(Media Access Control Layer)とに分けることができる。
通信装置1乃至3において、LLC層には、NFCIP(Near Field Communication Interface and Protocol)-2が採用されている。ここで、NFCIP-2は、NFCの一部の通信プロトコルであり、その上位層からSAP(Service Access Point)を介して制御することができる。
NFCIP-2では、後述するNFCIP-1を介して、通信相手が利用可能な通信プロトコルの情報(以下、適宜、利用可能プロトコル情報という)と、その利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信を行うのに必要な情報(以下、適宜、通信情報という)を、NFCIP-1による通信を行っている通信装置から取得する。そして、NFCIP-2は、上位層からの要求に応じ、通信プロトコルを、NFCIP-1から、取得した利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルに切り換える。
以上のように、通信装置1乃至3は、NFCIP-2を実装することで、MAC層(さらには物理層)の通信プロトコルを切り換えることができる。
MAC層には、例えば、NFCIP-1や、ICカードに採用されているISO/IEC 14443-2,ISO/IEC 14443-3,ISO/IEC 14443-4,RFタグ(RF Tag)に採用されているISO/IEC 15693-2,Bluetooth、さらには、WLANその他の通信プロトコル(Other Protocol)を採用することができる。なお、本実施の形態では、例えば、通信装置1乃至3において、MAC層に、NFCIP-1を含む複数の通信プロトコルが採用されているものとする。
ここで、NFCIP-1は、NFCの一部の通信プロトコルであり、周囲のRFフィールドの有無を検出し、RFフィールドが検出されなかった場合に、電磁波を出力する(自身がRFフィールドを形成する)。また、NFCIP-1は、RFフィールド内に通信相手が存在するとき、即ち、通信相手と近接した状態となったときに、その通信相手から、乱数によるID(Identification)を取得し、そのIDによって、通信相手を特定して通信を行う。つまり、NFCIP-1によれば、周囲に、複数の装置が存在する場合に、ユーザが、その複数の装置のうちの、通信相手とする装置に、通信装置を近づけるだけで、通信装置は、通信相手とする装置を特定し、その装置と通信を行うことができる。
具体的には、例えば、複数のコンピュータから構成されるWLANにおいては、1のコンピュータが、他の1のコンピュータとデータのやりとりをする場合、1のコンピュータにおいて、画面に表示される、WLANを構成する複数のコンピュータを表すアイコンの中から、データをやりとりする他の1のコンピュータを表すアイコンを、ユーザが選択する操作などを行うことによって、他の1のコンピュータを特定する必要がある。この場合、WLANを構成するコンピュータが多数であるときには、ユーザが、他の1のコンピュータを表すアイコンを探し出すのも面倒である。
これに対して、NFCIP-1では、通信相手と近接した状態となったときに、その通信相手から、乱数によるIDを取得し、そのIDによって、通信相手を特定して通信を行う。このため、NFCIP-1によれば、ユーザが、通信装置1(2または3)を、通信相手としたい装置に、例えば、かざすように近づける(近接させる)だけで、通信相手が特定され、通信が行われるので、ユーザは、上述したような面倒な作業をせずに済む。
第1層の物理層(Physical Layer)には、通信装置1乃至3がMAC層で採用している通信プロトコルによる通信に必要なデバイスなどが採用される。即ち、NFCIP-1に対しては、例えば、NFCによる通信に専用のデバイス(NFC Devices)や、カートリッジメモリデバイス(Cartridge Memory device)について規定するISO/IEC 22050を物理層に採用することができる。また、ISO/IEC 14443-2,ISO/IEC 14443-3,ISO/IEC 14443-4に対しては、例えば、コンパチブルICカード(compatible IC Cards)について規定するISO/IEC 14443を物理層に採用することができる。さらに、ISO/IEC 15693-2に対しては、RFタグによる通信に専用のデバイス(RF Tag)を物理層に採用することができる。また、Bluetoothについては、Bluetoothによる通信に専用のデバイス(Bluetooth devices)を採用することができる。さらに、WLANその他のMAC層の通信プロトコルについては、その通信プロトコルによる通信に専用のデバイス(Other devices)を物理層に採用することができる。
次に、図6は、NFCの一部であるNFCIP-2においてやりとりされるデータのフォーマットを示している。
NFCIP-2では、NFCIP-2 PDU(Protocol Data Unit)と呼ばれる単位で、データがやりとりされる。
NFCIP-2 PDUは、PPP(Point to Point Protocol)でやりとりされるパケットと同一フォーマットとなっており、これにより、NFCIP-2と、PPPとの親和性の向上が図られている。
NFCIP-2 PDUは、その先頭から、スタートマーク部(Start Mark)、アドレス部(Address)、コントロール部(Control)、プロトコル部(Protocol)、NFCIP-2ヘッダ部(NFCIP-2 header)、データ部(Data)、CRC部(CRC)、エンドマーク部(End Mark)が順次配置されて構成される。
スタートマーク部には、NFCIP-2 PDUのスタートを表すスタートマークとしての、例えば、1バイトの7Eh(hは、その前の値が16進数であることを表す)が配置される。アドレス部には、所定のデータとしての、例えば、1バイトのFFhが配置される。コントロール部にも、所定のデータとしての、例えば、1バイトの03hが配置される。
ここで、NFCIP-2において、以上のスタートマーク部、アドレス部、およびコントロール部に配置されるデータは、PPPにおける場合と同一である。
プロトコル部には、例えば、2バイトの0001hが配置される。ここで、PPPでは、プロトコル部に0001hが配置されている場合は、データ部に配置されたデータが、特に意味のないものであるとされるが、NFCIP-2では、プロトコル部に0001hが配置されている場合に、パケット(PDU)がNFCIP-2 PDUであるとして扱われる。
NFCIP-2ヘッダ部には、後述する図7で説明する6バイトのヘッダ情報が配置される。データ部には、必要なデータが配置される。CRC部には、アドレス部、コントロール部、プロトコル部、NFCIP-2ヘッダ部、データ部を対象として求められたCRC(Cyclic Redundancy Checking)コードが配置される。
エンドマーク部には、NFCIP-2 PDUのおわりを表すエンドマークとしての、例えば、1バイトの7Ehが配置される。このエンドマークは、PPPにおける場合と同一である。
図7は、図6のNFCIP-2ヘッダ部に配置されるヘッダ情報のフォーマットを示している。
ヘッダ情報は、上述したように、6バイトで構成される。そして、その先頭から1バイト目、2バイト目、3バイト目には、NFCの文字のうちの、N,F,Cの文字を表すコード4Eh,46h,43hが、それぞれ配置される。4バイト目には、NFCのバージョンを表す値が配置される。なお、図7では、NFCのバージョンを表す値は、21hになっている。
5バイト目は、将来の拡張用(RFU(Reserved for Future Use))で、図7では、00hとなっている。
6バイト目には、各種の要求(request)や、要求に対する応答(response)を表すディレクティブコード(Directive Code)が配置される。即ち、図4で説明したように、NFCでは、イニシエータとターゲットとの間で、イニシエータが要求を送信し、ターゲットがその要求に対する応答を返す形で、通信が行われる。ヘッダ情報の6バイト目には、その要求や応答を表すコードであるディレクティブコードが配置される。
NFCIP-2では、上述したように、通信相手が利用可能な通信プロトコルを表す情報である利用可能プロトコル情報と、その利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信を行うのに必要な情報である通信情報とが取得される。そして、NFCIP-2は、通信プロトコルを、NFCIP-1から、利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルに切り換える。
利用可能プロトコル情報と通信情報との要求には、アベイラブルメディアリクエスト(AVAILABLE_MEDIA Request)が、イニシエータからターゲットに送信される。アベイラブルメディアリクエストに対する応答としては、アベイラブルメディアレスポンス(AVAILABLE_MEDIA Response)が、ターゲットからイニシエータに送信される。
アベイラブルメディアリクエストにおいては、ディレクティブコードが、例えば、22hとされる。さらに、通信相手が利用可能なすべての通信プロトコルを表す情報(利用可能プロトコル情報)と、その利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信を行うのに必要な情報(通信情報)とを要求する場合には、データ部に、01hが配置される。
また、アベイラブルメディアリクエストにおいて、特定の通信プロトコルの利用可能性を通信相手に要求する場合には、データ部に、その特定の通信プロトコルを表す情報が配置される。
即ち、図8は、アベイラブルメディアリクエストにおいて、特定の通信プロトコルの利用可能性を通信相手に要求する場合のNFCIP-2 PDUのデータ部のフォーマットを示している。
データ部の先頭には、データ部のデータ長を表すPDUデータ長(Length of PDU Data(n))が配置される。そのデータ長の後は、後述するメディアパラメータパック(Media Parameter Pack)の数を表すメディアパックカウント(Media Pack Count)が配置される。そして、その後に、メディアパラメータパックが、メディアパックカウントが表す数だけ配置される。
アベイラブルメディアリクエストのメディアパラメータパックは、メディアコード部(Media Code)と、属性部(Attribute)とが、その順で配置されて構成される。メディアコード部は、通信プロトコルを表す1バイトのメディアコードが配置され、属性部には、メディアコード部に配置されたメディアコードが表す通信プロトコルに関する情報が配置される。
アベイラブルメディアリクエストにおいて、例えば、WLANを規定するIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11と、Bluetoothの2つの通信プロトコルについての、利用可能性を通信相手に要求する場合には、IEEE802.11を表すメディアコードが配置されたメディアパラメータパックと、Bluetoothを表すメディアコードが配置されたメディアパラメータパックの、2つのメディアパラメータパックが、メディアパックカウントの後に配置される。
アベイラブルメディアリクエストに対する応答であるアベイラブルメディアレスポンスにおいては、ディレクティブコードが、例えば、23hとされる。さらに、アベイラブルメディアレスポンスにおいては、データ部に、利用可能プロトコル情報と通信情報とが配置される。
即ち、図9は、アベイラブルメディアレスポンスとしてのNFCIP-2 PDUのデータ部のフォーマットを示している。
データ部の先頭には、図8における場合と同様に、PDUデータ長(Length of PDU Data(n))が配置される。さらに、その後に、カレントフェーズ(Current Phase)、ステータス(Status)、エラーコード(Error Code)が順次配置される。ここで、カレントフェーズは、ターゲット自身が、NFCIP-2の後述するフェーズのうちのいずれのフェーズにあるかを表す。ステータスは、ターゲット自身の現在の状態(ステータス)を表し、エラーコードは、何らかの処理中にエラーが発生した場合の、そのエラーに対応するコードを表す。
エラーコードの後には、メディアパックカウント(Media Pack Count)が配置される。メディアパックカウントは、その後に配置されるメディアパラメータパックの数を表す。
メディアパックカウントの後には、利用可能な通信プロトコルごとに、メディアパラメータパック(Media Parameter Pack)が、メディアパックカウントが表す数だけ配置される。
図10は、図9のアベイラブルメディアレスポンスのメディアパラメータパックのフォーマットを示している。
アベイラブルメディアレスポンスのメディアパラメータパックは、ターゲット部(Target)、メディアコード部(Media Code)、および属性部(Attribute)が、その順で配置されて構成されている。なお、メディアコード部および属性部は、図8で説明したものと同様であるため、その説明は、省略する。
ターゲット部は、ターゲットID部(Target ID)とメディアID部(Media ID)とが、その順で配置されて構成されている。
ターゲットID部には、メディアコード部のメディアコードが表す通信プロトコルを実装した装置を表す情報が配置される。
ここで、NFCIP-2を実装しているターゲットは、そのターゲット自身が利用可能な通信プロトコルの他、そのターゲット以外の通信装置(他の通信装置)が利用可能な通信プロトコルの情報を含むメディアパラメータパックを配置したアベイラブルメディアレスポンスを、アベイラブルメディアリクエストに対する応答として返す(送信する)ことができるようになっている。
即ち、NFCIP-2を実装しているターゲットには、他の通信装置の利用可能プロトコル情報と通信情報を登録しておくことができる。そして、NFCIP-2を実装しているターゲットは、他の通信装置の利用可能プロトコル情報と通信情報が登録されている場合には、その、他の通信装置の利用可能プロトコル情報と通信情報を含むメディアパラメータパックを配置したアベイラブルメディアレスポンスを、アベイラブルメディアリクエストに対する応答として返すことができるようになっている。
メディアコード部のメディアコード(利用可能プロトコル情報)が表す通信プロトコルを利用可能な通信装置が、アベイラブルメディアレスポンスを返すターゲット自身である場合、ターゲットID部には、そのことを表す、例えば00hが配置される。また、メディアコード部のメディアコードが表す通信プロトコルを利用可能な通信装置が、アベイラブルメディアレスポンスを返すターゲットではない、他の通信装置である場合、ターゲットID部には、そのことを表す、例えば01hが配置される。
なお、以下、適宜、NFCIP-2を実装している通信装置に、利用可能プロトコル情報と通信情報が登録されている、その通信装置以外の他の通信装置を、登録装置という。
メディアID部には、メディアコード部に配置されているメディアコード(利用可能プロトコル情報)が表す通信プロトコルによる通信を行うのに必要な情報である通信情報が配置される。
ここで、メディアコードが表す通信プロトコルによる通信を行うのに必要な通信情報としては、例えば、その通信プロトコルによる通信を行う通信相手を特定(識別)する識別情報がある。
例えば、Bluetoothを表すメディアコードがメディアコード部に配置されている場合、メディアID部には、Bluetoothを実装した通信装置を特定するためのBD(Bluetooth Device)アドレスが、通信情報として配置される。ここで、アベイラブルメディアレスポンスを受信したイニシエータは、アベイラブルメディアレスポンスを構成するメディアパラメータパックのメディアID部に配置されている、例えば、BDアドレスにより、Bluetoothにより通信を行う通信相手を特定することができる。
アベイラブルメディアリクエストを送信したイニシエータは、そのアベイラブルメディアリクエストに対してターゲットが送信してくるアベイラブルメディアレスポンスを受信し、そのアベイラブルメディアレスポンスにおけるメディアパラメータパックを参照することにより、ターゲットまたは登録装置が利用可能な通信プロトコルと、その通信プロトコルによる通信を行うのに必要な情報とを認識する。
なお、イニシエータからのアベイラブルメディアリクエストのデータ部が、例えば01hである場合には、ターゲットは、ターゲット自身と登録装置が利用可能な通信プロトコルすべてについてのメディアパラメータパックを有するアベイラブルメディアレスポンスを、イニシエータに送信する。
また、イニシエータからのアベイラブルメディアリクエストのデータ部が、図8に示したものである場合には、ターゲットは、そのアベイラブルメディアリクエストが有するメディアパラメータパックに対応する通信プロトコルそれぞれについて、ターゲットまたは登録装置が利用可能であるかどうかを表す情報を、例えば、属性部(Attribute)に配置したメディアパラメータパックを有するアベイラブルメディアレスポンスを、イニシエータに送信する。
例えば、NFCIP-2を実装しているイニシエータとターゲットとがNFCIP-1による通信を行っており、NFCIP-1による通信を行っているターゲットに備えられている記憶部(図示せず)に、ターゲット自身の利用可能プロトコル情報および通信情報と、他の通信装置である登録装置の利用可能プロトコル情報および通信情報が予め記憶されているとする。
この場合、イニシエータからターゲットに、データ部が01hのアベイラブルメディアリクエストが送信されると、ターゲットは、その記憶部に記憶されているすべての利用可能プロトコル情報と通信情報にそれぞれ対応するメディアコードとメディアIDを含むアベイラブルメディアレスポンスを、イニシエータに送信する。
また、イニシエータからターゲットに、データ部が図8に示したようになっているアベイラブルメディアリクエストが送信されると、ターゲットは、その記憶部に記憶されている利用可能プロトコル情報を参照し、イニシエータからのアベイラブルメディアリクエストのデータ部が有するメディアパラメータパックに対応する通信プロトコル、即ち、イニシエータが利用可能性を要求している通信プロトコルのうちの、記憶部に記憶されている利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルについての利用可能プロトコル情報と通信情報にそれぞれ対応するメディアコードとメディアIDを含むアベイラブルメディアレスポンスを、イニシエータに送信する。
このように、イニシエータとターゲットの間では、アベイラブルメディアリクエストとアベイラブルメディアレスポンスが、NFCIP-2によってやりとりされる。これにより、イニシエータは、ターゲットまたは登録装置が利用可能な通信プロトコルと、その通信プロトコルによる通信を行うのに必要な通信情報とを認識することができる。さらに、イニシエータは、通信情報により、アベイラブルメディアレスポンスに含まれる利用可能プロトコル情報としてのメディアコードが表す通信プロトコルにより通信を行うことができるターゲットまたは登録装置を特定することができる。
そして、イニシエータは、通信プロトコルを、NFCIP-1からアベイラブルメディアレスポンスにより認識したある通信プロトコルに切り換え、その通信プロトコルによる通信を行うのに必要な通信情報に基づき、通信を開始するための処理を行った後、その通信プロトコルによる通信を行うことができる。
次に、図11を参照して、NFCIP-2による通信のフェーズについて説明する。
NFCIP-2による通信は、アイドルフェーズ(Idling phase)P1、リンク確立待ちフェーズ(Link establishment-waiting phase)P2、リンク確立フェーズ(Link establishment phase)P3、認証フェーズ(Authentication phase)P4、ネットワークレイヤプロトコルフェーズ(Network layer Protocol phase)P5、およびリンクターミネーションフェーズ(Link termination phase)P6の6つのフェーズを有する。
NFCIP-2による通信では、まず最初に、初期フェーズであるアイドルフェーズP1となる。アイドルフェーズP1では、上述したRFフィールドの検出などが行われる。
アイドルフェーズP1において、例えば、NFCによる通信が可能な装置を検出する要求があると、リンク確立待ちフェーズP2に移行し、NFCによる通信が可能な装置の検出が開始される。なお、リンク確立待ちフェーズP2からは、アイドルフェーズP1、リンク確立フェーズP3、またはリンクターミネーションフェーズP6に移行しうる。
リンク確立待ちフェーズP2において、例えば、NFCによる通信が可能な装置が検出されると、リンク確立フェーズP3に移行する。リンク確立フェーズP3では、NFCによる通信の通信相手とする装置を識別する、乱数によるID(以下、適宜、NFCIDという)が認識され、そのNFCIDを認識した通信相手とのリンクが確立される。なお、リンク確立フェーズP3からは、アイドルフェーズP1、認証フェーズP4、またはリンクターミネーションフェーズP6に移行しうる。
リンク確立フェーズP3において、例えば、NFCIDを認識した通信相手とのリンクが確立されると、認証フェーズP4に移行する。認証フェーズP4では、NFCIDを認識した通信相手との間で、相互認証が行われる。なお、認証フェーズP4からは、アイドルフェーズP1、ネットワークレイヤプロトコルフェーズP5、またはリンクターミネーションフェーズP6に移行しうる。また、認証フェーズP4は、スキップすることが可能である。
認証フェーズP4において、例えば、NFCIDを認識した通信相手との間での相互認証が成功すると、ネットワークレイヤプロトコルフェーズP5に移行する。ネットワークレイヤプロトコルフェーズP5では、NFCIDを認識した通信相手との間で、必要なデータ交換(データのやりとり)が行われる。なお、ネットワークレイヤプロトコルフェーズP5からは、アイドルフェーズP1、またはリンクターミネーションフェーズP6に移行しうる。
ネットワークレイヤプロトコルフェーズP5において、例えば、NFCによる通信の終了の要求があると、リンクターミネーションフェーズP6に移行する。リンクターミネーションフェーズP6では、例えば、NFCIDを認識した通信相手とのリンクが切断され、アイドルフェーズP1に移行する。
次に、図12、図13および図14を参照して、イニシエータ、ターゲット、および登録装置の処理について説明する。
まず、図12を参照して、イニシエータの処理について説明する。
イニシエータは、まず最初に、ステップS1において、アイドル状態となる。
その後、ステップS1からS2に進み、イニシエータは、RFフィールドを形成し、NFCIDを要求するポーリングを行って、ステップS3に進む。
ステップS3では、イニシエータは、ポーリングに対する応答が、ターゲットからあったかどうかを判定する。ステップS3において、ポーリングに対する応答がなかったと判定された場合、ステップS2に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
また、ステップS3において、ポーリングに対する応答があったと判定された場合、ステップS4に進み、イニシエータは、応答のあったターゲットに対して、NFCIDを要求し、その要求に応じてターゲットから送信されてくるNFCIDを受信する。このNFCIDによって、イニシエータは、NFCによる通信の通信相手とするターゲットを特定する。
その後、ステップS4からS5に進み、イニシエータは、NFCによる通信の通信相手として特定したターゲットとの間で相互認証を行い、さらに、その相互認証時に、トランザクションIDおよびトランザクションキーを、ターゲットとの間で交換して、ステップS6に進む。なお、イニシエータとターゲットは、トランザクションIDおよびトランザクションキーの交換後、トランザクションIDおよびトランザクションキーを、暗号鍵として、その後にやりとりするデータを暗号化する。
ステップS6では、イニシエータは、ターゲットに対して、NFCIP-1から切り換える通信プロトコルによる通信の相手になり得る通信相手が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、その通信プロトコルによる通信を行うのに必要な通信情報とを要求し、その要求に応じてターゲットから送信されてくる利用可能プロトコル情報と通信情報とを受信することにより取得する。
即ち、ステップS6では、イニシエータは、アベイラブルメディアリクエストを、ターゲットに送信し、そのアベイラブルメディアリクエストに対する応答としてのアベイラブルメディアレスポンスを、ターゲットから受信する。
そして、イニシエータは、ターゲットからのアベイラブルメディアレスポンスに含まれるメディアパラメータパックの中から、例えば、所望の通信プロトコル(以下、適宜、所望プロトコルという)を表す利用可能プロトコル情報に対応するメディアコードが配置されたメディアパラメータパック(以下、適宜、所望メディアパラメータパックという)を選択し、ステップS6からS7に進む。
ステップS7において、イニシエータは、ターゲットとの間のNFCによる通信をターミネーションして、ステップS8に進み、MAC層(さらには物理層)の通信プロトコルを、NFCIP-1から所望プロトコルに切り換えて、ステップS9に進む。
ステップS9において、イニシエータは、所望メディアパラメータパックに配置されたメディアID(図10)に基づき、所望プロトコルによる通信を行う通信相手に対してポーリングを行う。即ち、イニシエータは、例えば、所望メディアパラメータパックに配置されたメディアIDとしての識別情報によって特定される通信相手であるターゲットまたは登録装置を宛先とするポーリングのパケットを所望プロトコルにより送信する。
ステップS9の処理後、ステップS10に進み、イニシエータは、ポーリングに対する応答が、所望メディアパラメータパックに配置されたメディアIDとしての識別情報によって特定される通信相手からあったかどうかを判定する。ステップS10において、ポーリングに対する応答がなかったと判定された場合、ステップS9に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
また、ステップS10において、ポーリングに対する応答があったと判定された場合、ステップS11に進み、イニシエータは、応答のあった通信相手との間で、所望プロトコルによる相互認証を行い、その後、所望プロトコルによる通信を開始する。
そして、所望プロトコルによる通信を行った後、ステップS12に進み、イニシエータは、所望プロトコルによる通信をターミネーションし、ステップS1に戻る。
次に、図13のフローチャートを参照して、ターゲットの処理について説明する。
ターゲットは、まず最初に、ステップS21において、アイドル状態となる。
その後、ターゲットは、例えば、イニシエータからポーリングが送信されてくると、そのポーリング(のパケット)を受信して、ステップS22に進み、イニシエータからのポーリングが、NFCIP-1によるものか、または、ターゲットが利用可能な他の通信プロトコルによるものかを判定する。
ステップS22において、イニシエータからのポーリングが、NFCIP-1によるものであると判定された場合、ステップS23に進み、イニシエータからのポーリングに対する応答を、イニシエータに送信して、ステップS24に進む。
ステップS24では、ターゲットは、イニシエータからのNFCIDの要求を待って、乱数によるNFCIDを生成し、イニシエータに送信する。ここで、例えば、イニシエータからのNFCIDの要求には、そのイニシエータのNFCIDが含まれており、ターゲットは、そのNFCIDによって、NFCによる通信の通信相手となるイニシエータを特定する。
その後、ステップS24からS25に進み、ターゲットは、NFCIDによって通信相手として特定したイニシエータとの間で相互認証を行い、さらに、その相互認証時に、トランザクションIDおよびトランザクションキーを、イニシエータとの間で交換して、ステップS26に進む。なお、ターゲットとイニシエータは、図12で説明したように、トランザクションIDおよびトランザクションキーの交換後、トランザクションIDおよびトランザクションキーを、暗号鍵として、その後にやりとりするデータを暗号化する。
ステップS26では、ターゲットは、イニシエータから、NFCIP-1から切り換える通信プロトコルによる通信の相手になり得る通信相手が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、その通信プロトコルによる通信を行うのに必要な通信情報との要求が送信されてくるのを待って、利用可能プロトコル情報と通信情報とを、イニシエータに送信する。即ち、ステップS26では、ターゲットは、イニシエータからのアベイラブルメディアリクエストを受信し、そのアベイラブルメディアリクエストに対する応答としてのアベイラブルメディアレスポンスを、イニシエータに送信する。
その後、ステップS26からS27に進み、ターゲットは、イニシエータとの間のNFCによる通信をターミネーションし、ステップS21に戻る。
一方、ステップS22において、イニシエータからのポーリングが、ターゲットが利用可能な他の通信プロトコルによるものであると判定された場合、即ち、イニシエータが、図12のステップS9において、所望プロトコルによるポーリングのパケットを、ターゲットを宛先として送信した場合、ステップS28に進み、そのポーリングに対する応答を、イニシエータに送信する。
ここで、イニシエータから送信されてくる所望プロトコルによるポーリングのパケットには、所望プロトコルによる通信の通信相手(ここでは、ターゲット)がイニシエータと通信を行うのに必要な情報(例えば、イニシエータにおいて所望プロトコルによる通信に用いられる、所望プロトコルのアドレス)が含まれており、ターゲットは、その情報を取得する。そして、ターゲットは、その情報に基づき、所望プロトコルによる通信の通信相手としてのイニシエータを特定し、ポーリングに対する応答をイニシエータに送信する。
ステップS28の処理後、ステップS29に進み、ターゲットは、イニシエータとの間で相互認証を行い、その後、所望プロトコルによる通信を開始する。
そして、所望プロトコルによる通信を行った後、ステップS30に進み、ターゲットは、所望プロトコルによる通信をターミネーションし、ステップS21に戻る。
次に、図14は、イニシエータとの間で所望プロトコルによる通信を行う登録装置の処理を説明するフローチャートである。
登録装置は、まず最初に、ステップS41において、アイドル状態となる。
そして、例えば、イニシエータが、図12のステップS9において、所望プロトコルによるポーリングのパケットを、登録装置を宛先として送信した場合、登録装置は、イニシエータからのポーリングのパケットを受信して、ステップS41からS42に進み、そのポーリングに対する応答を、イニシエータに送信する。
ここで、イニシエータから送信されてくる所望プロトコルによるポーリングのパケットには、所望プロトコルによる通信の通信相手(ここでは、登録装置)がイニシエータと通信を行うのに必要な情報(例えば、イニシエータにおいて所望プロトコルによる通信に用いられる、所望プロトコルのアドレス)が含まれており、登録装置は、その情報を取得する。そして、登録装置は、その情報に基づき、所望プロトコルによる通信相手としてのイニシエータを特定し、所望プロトコルにより、ポーリングに対する応答をイニシエータに送信する。
ステップS42の処理後、ステップS43に進み、登録装置は、イニシエータとの間で相互認証を行い、その後、所望プロトコルによる通信を開始する。
そして、その通信を行った後、ステップS44に進み、登録装置は、所望プロトコルによる通信をターミネーションし、ステップS41に戻る。
次に、図15に示すように、例えば、ビデオカメラ41が、NFCによる通信と、Bluetoothによる通信(BT通信)とが可能であり、テレビジョン受像機42が、NFCによる通信と、BT通信とが可能であり、かつ、リモートコマンダ43が、NFCによる通信が可能であるとして、初めに、NFCによる通信が行われ、その後、BT通信が開始される場合の、ビデオカメラ41、テレビジョン受像機42、およびリモートコマンダ43の処理について説明する。
なお、図15は、ビデオカメラ41、テレビジョン受像機42、およびリモートコマンダ43の機能的な構成例を示している。
即ち、図15においては、ビデオカメラ41はNFC通信部51とBT通信部52を有し、テレビジョン受像機42はNFC通信部61とBT通信部62を有し、リモートコマンダ43はNFC通信部71を有している。NFC通信部51,61、および71は、NFCによる通信を行い、BT通信部52および62は、BT通信を行う。
ここで、図15において、ビデオカメラ41、テレビジョン受像機42、およびリモートコマンダ43は、例えば、それぞれ、図1の通信装置1,2,3に対応する。
さらに、図15において、ビデオカメラ41は、画像を撮影して記録する機能を有する。また、テレビジョン受像機42は、テレビジョン放送番組を受信して表示する他、ビデオカメラ41などの外部の装置が出力する画像データを受信して表示する表示装置としての機能を有する。さらに、リモートコマンダ43は、テレビジョン受像機42を遠隔制御するときにユーザによって操作され、そのユーザの操作に応じた操作信号を、例えば、赤外線等によって、テレビジョン受像機42に送信する。なお、テレビジョン受像機42は、リモートコマンダ43からの操作信号を受信し、その操作信号に応じて、チャンネルの選択等の所定の処理を行う。
また、図15において、テレビジョン受像機42のNFC通信部61と、リモートコマンダ43のNFC通信部71においては、いずれにも、テレビジョン受像機42が利用可能なプロトコルであるBluetoothを表す利用可能プロトコル情報と、そのBluetoothによるBT通信に必要な通信情報としての、テレビジョン受像機42(のBT通信部62)を特定するためのBDアドレスとが登録されていることとする。この場合、テレビジョン受像機42は、リモートコマンダ43(のNFC通信部71)にとって、登録装置である。
図16は、図15のビデオカメラ41をイニシエータとするとともに、テレビジョン受像機42をターゲットとして、NFCによる通信が開始される場合の、ビデオカメラ41およびテレビジョン受像機42の処理を説明するフローチャートである。
イニシエータであるビデオカメラ41のNFC通信部51は、例えば、ユーザによる所定の操作に従い、ステップS51において、ポーリングを開始する。そして、例えば、ビデオカメラ41(のNFC通信部51)が、テレビジョン受像機42(のNFC通信部61)に近づくと、ターゲットであるテレビジョン受像機42のNFC通信部61は、NFC通信部51からのポーリングを受信し、ステップS52において、そのポーリングに対する応答を、NFC通信部51に送信する。
NFC通信部51は、NFC通信部61から、ポーリングに対する応答が送信されてくると、その応答を受信し、ステップS53において、NFC通信部61に、NFCIDを要求する。
NFC通信部61は、NFC通信部51からのNFCIDの要求を受信し、ステップS54において、その要求に応じて、自身のNFCIDを、NFC通信部51に送信する。NFC通信部51は、NFC通信部61からのNFCIDを受信し、これにより、NFCによる通信の通信相手であるNFC通信部61を特定する。なお、NFC通信部51から61に送信される、NFCIDの要求には、NFC通信部51のNFCIDが含まれており、NFC通信部61は、そのNFCIDによって、NFCによる通信の通信相手であるNFC通信部51を特定する。
その後、NFC通信部51と61との間では、ステップS55において、相互認証のためのデータがやりとりされることにより、相互認証が行われ、さらに、その際、トランザクションIDとトランザクションキーとが交換される。その後のNFC通信部51と61との間では、トランザクションIDとトランザクションキーを暗号鍵として、その暗号鍵でデータを暗号化して、データがやりとりされる。なお、相互認証は、スキップすること(行わないようにすること)が可能である。
ステップS55において、相互認証が成功すると、ステップS56に進み、NFC通信部51は、NFC通信部61に対して、利用可能プロトコル情報と通信情報とを要求するアベイラブルメディアリクエストを送信し、NFC通信部61は、そのアベイラブルメディアリクエストを受信する。
NFC通信部61は、ステップS57において、NFC通信部51からのアベイラブルメディアリクエストに対するアベイラブルメディアレスポンスをNFC通信部51に送信し、NFC通信部51は、そのアベイラブルメディアレスポンスを受信する。
ここで、上述したように、テレビジョン受像機42のNFC通信部61には、テレビジョン受像機42が利用可能な通信プロトコルであるBluetoothを表す利用可能プロトコル情報と、そのBluetoothによるBT通信に必要な通信情報としての、テレビジョン受像機42のBT通信部62のBDアドレスとが登録されているので、NFC通信部61は、Bluetoothを表すメディアコードと、テレビジョン受像機42のBDアドレスであるメディアIDとを含むメディアパラメータパックを有するアベイラブルメディアレスポンスを、NFC通信部51に送信し、NFC通信部51は、そのようなアベイラブルメディアレスポンスを受信する。
従って、NFC通信部51は、NFC通信部61からのアベイラブルメディアレスポンスから、テレビジョン受像機42がBT通信が可能であること、および、テレビジョン受像機42のBD(Bluetooth Device)アドレスを認識する。
そして、NFCによる通信よりも、BT通信の方が高伝送レートであり、画像データ等の大容量のデータの送信を、ビデオカメラ41とテレビジョン受像機42との間で行うには、NFCによる通信よりも、BT通信の方が有利であるため、ビデオカメラ41は、例えば、NFCによる通信から、BT通信に切り換えることを決定する。
この場合、ステップS57からステップS58に進み、NFC通信部51と61は、NFCによる通信をターミネーションする。
その後、ビデオカメラ41は、ステップS59において、NFC通信部51が行うNFCによる通信から、BT通信部52が行うBT通信へ通信プロトコルの切り換えを行い、ステップS60に進む。
ステップS60において、BT通信部52は、ステップS57で取得したBT通信部62のBDアドレスを宛先とする、BT通信によるポーリングのパケットを送信する。このパケットは、宛先となっているBDアドレスで特定されるテレビジョン受像機42のBT通信部62で受信される。
ここで、BT通信部52から送信されるポーリングのパケットには、BT通信部52のBDアドレスが含まれており、BT通信部52からのポーリングのパケットを受信したBT通信部62は、そのパケットに含まれるBT通信部52のBDアドレスによって、BT通信部52を特定することができる。
そして、ステップS61において、BT通信部62は、BT通信部52からのポーリングに対する応答を、BT通信部52に送信し、ステップS62に進む。
ステップS62において、BT通信部52とBT通信部62との間で、BT通信による相互認証が行われ、相互認証が成功すると、ステップS63に進み、BT通信が開始される。
そして、BT通信を行った後、ステップS64に進み、BT通信部52とBT通信部62は、BT通信のターミネーションを行う。
以上のように、BT通信部52は、NFC通信部51がNFCによる通信を行うことによって受信したBT通信部62のBDアドレスによって、BT通信部62をBT通信の通信相手として特定して、BT通信を行う。
従って、この場合、ユーザによって、BT通信の通信相手を指定してもらわなくても、BT通信部52および62は、BT通信の通信相手を特定して、BT通信を行うことができる。
即ち、BT通信が可能なデバイスであるBTデバイスが多数存在する場合、各BTデバイスでは、他のBTデバイスとの間で情報をやりとりし、他のBTデバイスに関する情報を収集する。そして、各BTデバイスでは、収集した情報に基づき、例えば、他のBTデバイスを表すアイコンが画面に表示される。この場合、ユーザが、多数のBTデバイスのうちの、ある1つのBTデバイス#1から、他の1つのBTデバイス#2に、データを送信しようとするとき、BTデバイス#1の画面に表示された多数のBTデバイスのアイコンから、BTデバイス#2のアイコンを探し出し、そのアイコンを操作することにより、データを送信する相手であるBTデバイス#2を指定しなければならない。
これに対して、ビデオカメラ41とテレビジョン受像機42によれば、ビデオカメラ41とテレビジョン受像機42の他にBTデバイスが多数存在している場合であっても、ビデオカメラ41をテレビジョン受像機42に近づけるだけで、ビデオカメラ41からテレビジョン受像機42にデータを送信することができる。
即ち、ビデオカメラ41およびテレビジョン受像機42では、それらが近接した状態となると、NFCによる通信によって、ビデオカメラ41は、テレビジョン受像機42がBT通信を行うことができるという情報と、BT通信に要する通信情報としての、テレビジョン受像機42が備えるBT通信部62のBDアドレスとを認識する。
そして、ビデオカメラ41は、NFCによる通信から、BT通信に切り換え、BT通信部62のBDアドレスに基づき、BT通信の通信相手を特定してポーリングを行う。また、テレビジョン受像機42は、ビデオカメラ41からのポーリングのパケットに含まれているBT通信部52のBDアドレスに基づき、BT通信の通信相手を特定して、ポーリングに対する応答をする。その後、ビデオカメラ41とテレビジョン受像機42との間では、BT通信が行われる。
従って、ユーザは、NFCによる通信と、BT通信との両方の利点を享受することができる。
即ち、ユーザが、ビデオカメラ41をテレビジョン受像機42に近づけるだけで、NFCによる通信によって、通信相手が特定され、さらに、BT通信によって、高速に、ビデオカメラ41からテレビジョン受像機42にデータを送信することができる。従って、ビデオカメラ41をテレビジョン受像機42に近づけるだけで、例えば、ビデオカメラ41からテレビジョン受像機42に対し、ビデオカメラ41で撮影されて記録された画像データを送信し、テレビジョン受像機42において、その画像データに対応する画像を表示することができる。
次に、図17は、図15のビデオカメラ41をイニシエータとするとともに、リモートコマンダ43をターゲットとして、NFCによる通信が開始される場合の、ビデオカメラ41、テレビジョン受像機42、およびリモートコマンダ43の処理を説明するフローチャートである。
なお、上述したように、リモートコマンダ43のNFC通信部71には、テレビジョン受像機42が利用可能なプロトコルであるBluetoothを表す利用可能プロトコル情報と、そのBluetoothによるBT通信に必要な通信情報としての、テレビジョン受像機42(のBT通信部62)を特定するためのBDアドレスとが登録されており、テレビジョン受像機42は、リモートコマンダ43にとって、登録装置である。
ここで、テレビジョン受像機42の利用可能プロトコル情報と通信情報とは、例えば、ユーザが、リモートコマンダ43の操作部(図示せず)を操作することにより、リモートコマンダ43に登録することができる。また、テレビジョン受像機42の利用可能プロトコル情報と通信情報とは、例えば、ユーザが、NFCによる通信によって登録装置の登録が行われる登録モードにリモートコマンダ43を設定し、リモートコマンダ43をテレビジョン受像機42に近接させて、テレビジョン受像機42からリモートコマンダ43に、テレビジョン受像機42の利用可能プロトコル情報と通信情報とを送信することにより、リモートコマンダ43に登録することができる。
イニシエータであるビデオカメラ41のNFC通信部51は、例えば、ユーザによる所定の操作に従い、ステップS151において、ポーリングを開始する。そして、例えば、ビデオカメラ41(のNFC通信部51)が、リモートコマンダ43(のNFC通信部71)に近づくと、ターゲットであるリモートコマンダ43のNFC通信部71は、NFC通信部51からのポーリングを受信し、ステップS152において、そのポーリングに対する応答を、NFC通信部51に送信する。
NFC通信部51は、NFC通信部71から、ポーリングに対する応答が送信されてくると、その応答を受信し、ステップS153において、NFC通信部71に、NFCIDを要求する。NFC通信部71は、NFC通信部51からのNFCIDの要求を受信し、ステップS154において、その要求に応じて、自身のNFCIDを、NFC通信部51に送信する。NFC通信部51は、NFC通信部71からのNFCIDを受信し、これにより、NFCによる通信の通信相手であるNFC通信部71を特定する。なお、NFC通信部51から71に送信される、NFCIDの要求には、NFC通信部51のNFCIDが含まれており、NFC通信部71は、そのNFCIDによって、NFCによる通信の通信相手であるNFC通信部51を特定する。
その後、NFC通信部51と71との間では、ステップS155において、相互認証のためのデータがやりとりされることにより、相互認証が行われ、さらに、その際、トランザクションIDとトランザクションキーとが交換される。その後のNFC通信部51と71との間では、トランザクションIDとトランザクションキーを暗号鍵として、その暗号鍵でデータを暗号化して、データがやりとりされる。なお、相互認証は、スキップすること(行わないようにすること)が可能である。
ステップS155において、相互認証が成功すると、ステップS156に進み、NFC通信部51は、NFC通信部71に対して、利用可能プロトコル情報と通信情報とを要求するアベイラブルメディアリクエストを送信し、NFC通信部71は、そのアベイラブルメディアリクエストを受信する。
NFC通信部71は、ステップS157において、NFC通信部51からのアベイラブルメディアリクエストに対するアベイラブルメディアレスポンスをNFC通信部51に送信し、NFC通信部51は、そのアベイラブルメディアレスポンスを受信する。
ここで、上述したように、リモートコマンダ43のNFC通信部71には、テレビジョン受像機42が利用可能な通信プロトコルであるBluetoothを表す利用可能プロトコル情報と、そのBluetoothによるBT通信に必要な通信情報としての、テレビジョン受像機42のBT通信部62のBDアドレスとが登録されているので、NFC通信部71は、Bluetoothを表すメディアコードと、テレビジョン受像機42のBDアドレスであるメディアIDとを含むメディアパラメータパックを有するアベイラブルメディアレスポンスを、NFC通信部51に送信し、NFC通信部51は、そのようなアベイラブルメディアレスポンスを受信する。
従って、NFC通信部51は、NFC通信部71からのアベイラブルメディアレスポンスから、テレビジョン受像機42がBT通信が可能であること、および、テレビジョン受像機42のBD(Bluetooth Device)アドレスを認識する。
ステップS157の処理後、ステップS158に進み、NFC通信部51と71は、NFCによる通信をターミネーションする。
その後、ビデオカメラ41は、ステップS159において、BT通信が可能なテレビジョン受像機42とBT通信を行うために、NFC通信部51が行うNFCによる通信から、BT通信部52が行うBT通信へ通信プロトコルの切り換えを行い、ステップS160に進む。
ステップS160において、BT通信部52は、ステップS157で取得したBT通信部62のBDアドレスを宛先とする、BT通信によるポーリングのパケットを送信する。このパケットは、宛先となっているBDアドレスで特定されるテレビジョン受像機42のBT通信部62で受信される。
ここで、BT通信部52から送信されるポーリングのパケットには、BT通信部52のBDアドレスが含まれており、BT通信部52からのポーリングのパケットを受信したBT通信部62は、そのパケットに含まれるBT通信部52のBDアドレスによって、BT通信部52を特定することができる。
そして、ステップS161において、BT通信部62は、BT通信部52からのポーリングに対する応答を、BT通信部52に送信し、ステップS162に進む。
ステップS162において、BT通信部52とBT通信部62との間で、BT通信による相互認証が行われ、相互認証が成功すると、ステップS163に進み、BT通信が開始される。
そして、BT通信を行った後、ステップS164に進み、BT通信部52とBT通信部62は、BT通信のターミネーションを行う。
以上のように、BT通信部52は、NFC通信部51がNFCによる通信を行うことによって受信したBT通信部62のBDアドレスによって、BT通信部62をBT通信の通信相手として特定して、BT通信を行う。
従って、この場合、ユーザによってBT通信の通信相手を指定してもらわなくても、BT通信部52および62は、ビデオカメラ41をリモートコマンダ43に近づけるだけで、BT通信の通信相手を特定して、BT通信を行うことができ、ビデオカメラ41は、テレビジョン受像機42にデータを送信することができる。
即ち、ビデオカメラ41、テレビジョン受像機42、およびリモートコマンダ43によれば、ビデオカメラ41とリモートコマンダ43が近接した状態となると、NFCによる通信によって、ビデオカメラ41は、リモートコマンダ43に予め登録されている、テレビジョン受像機42がBT通信を行うことができるという情報と、BT通信に要する通信情報としての、テレビジョン受像機42が備えるBT通信部62のBDアドレスとを認識する。
そして、ビデオカメラ41は、NFCによる通信から、BT通信に切り換え、BT通信部62のBDアドレスに基づき、BT通信の通信相手となるテレビジョン受像機42を特定してポーリングを行う。また、テレビジョン受像機42は、ビデオカメラ41からのポーリングのパケットに含まれているBT通信部52のBDアドレスに基づき、BT通信の通信相手となるテレビジョン受像機42を特定して、ポーリングに対する応答をする。その後、ビデオカメラ41とテレビジョン受像機42との間では、BT通信が行われる。
従って、ユーザは、NFCによる通信と、BT通信との両方の利点を享受することができる。
即ち、ユーザが、ビデオカメラ41をリモートコマンダ43に近づけると、NFCによる通信により、ビデオカメラ41は、テレビジョン受像機42がBT通信を行うことが可能であることと、テレビジョン受像機42のBDアドレスとを認識することができる。さらに、ビデオカメラ41は、BDアドレスによって特定されるテレビジョン受像機42とBT通信を行い、ビデオカメラ41からテレビジョン受像機42に対し、データを高速に送信することができる。
従って、例えば、テレビジョン受像機42が、ユーザの手の届かない位置に配置されていて、ユーザがビデオカメラ41をテレビジョン受像機42に近接させることが困難である場合であっても、ビデオカメラ41をリモートコマンダ43に近づけるだけで、ビデオカメラ41とリモートコマンダ43との間で、NFCによる通信が行われ、その後、BT通信が開始されるので、例えば、ビデオカメラ41からテレビジョン受像機42に対し、ビデオカメラ41で撮影されて記録された画像データを送信し、テレビジョン受像機42において、その画像データに対応する画像を表示することができる。
なお、図15において、テレビジョン受像機42は、NFC通信部61を有さない構成とすることができる。
テレビジョン受像機42が、NFC通信部61を有していない場合、テレビジョン受像機42は、NFCによる通信を行うことができないため、ビデオカメラ41をテレビジョン受像機42に近づけても、図16で説明した処理は行われず、従って、この場合、ビデオカメラ41からテレビジョン受像機42に画像データは送信されないため、テレビジョン受像機42で画像の表示も行われない。
しかしながら、テレビジョン受像機42がNFC通信部61を有しておらず、BT通信部62だけしか有していなくても、図17で説明した処理は行うことができる。即ち、ビデオカメラ41とリモートコマンダ43とを近接した状態とすると、NFCによる通信により、ビデオカメラ41はテレビジョン受像機42(BT通信部62)を特定し、さらに、BT通信によって、ビデオカメラ41からテレビジョン受像機42に、高速に、データを送信することができる。従って、例えば、テレビジョン受像機42が、通信を行う手段としてNFC通信部61とBT通信部62との両方を備えていなくても(NFCIP-1とBluetoothの両方を実装していなくても)、リモートコマンダ43がNFC通信部71を備えていることにより(NFCIP-1を実装していることにより)、ユーザは、NFCによる通信と、BT通信との両方の利点を享受することができる。
なお、図16では、ステップS60においてBT通信部52からBT通信部62に送信されるポーリングのパケットにBT通信部52のBDアドレスが含まれるとしたが、例えば、BT通信部52のBDアドレスは、NFC通信部61がステップS57で送信するアベイラブルメディアレスポンスを、NFC通信部51が受信した直後に、NFCによる通信で、NFC通信部51からNFC通信部61に送信してもよい。
この場合、NFC通信部61が、NFCによる通信で、NFC通信部51からのBT通信部52のBDアドレスを受信した時点で、ビデオカメラ41とテレビジョン受像機42とは、互いのBDアドレスを認識する。そして、この場合、NFCによる通信のターミネーションを行う前に、ビデオカメラ41において、テレビジョン受像機42に通信プロトコルの切り換え(ハンドオーバ)を要求し、テレビジョン受像機42において、その要求に応答することにより、ビデオカメラ41とテレビジョン受像機42とにおいては、共に通信プロトコルをNFCIP-1からBluetoothに切り換え、BT通信を開始するようにすることができる。即ち、この場合、ビデオカメラ41とテレビジョン受像機42は、例えば、図16のステップS60におけるポーリングや、ステップS61における応答などを行わずに、BT通信を開始することができる。
ここで、NFCIP-2において、通信プロトコルの切り換え(ハンドオーバ)の要求には、メディアハンドオーバリクエスト(MEDIA_HANDOVER Request)が、イニシエータであるビデオカメラ41からターゲットであるテレビジョン受像機42に送信される。また、メディアハンドオーバリクエストに対する応答としては、メディアハンドオーバレスポンス(MEDIA_HANDOVER Response)が、ターゲットであるテレビジョン受像機42からイニシエータであるビデオカメラ41に送信される。
メディアハンドオーバリクエストにおいては、図7のディレクティブコードが、例えば、24hとされる。さらに、データ部に、NFCIP-1からハンドオーバする通信プロトコル(ここでは、Bluetooth)の情報が配置される。
即ち、図18は、メディアハンドオーバリクエストとしてのNFCIP-2 PDUのデータ部のフォーマットを示している。
データ部の先頭には、データ部のデータ長を表すPDUデータ長(Length of PDU Data(11h))が配置される。そのデータ長の後は、NFCIP-1からハンドオーバする通信プロトコルに関するメディアパラメータパック(Media Parameter Pack)が配置される。なお、図18におけるメディアパラメータパックの構成は、図8で説明したものと同一であるので、その説明は、省略する。
メディアハンドオーバリクエストに対する応答であるメディアハンドオーバレスポンスにおいては、図7のディレクティブコードが、例えば、25hとされる。さらに、メディアハンドオーバレスポンスにおいては、データ部に、所定のデータが配置される。
即ち、図19は、メディアハンドオーバレスポンスとしてのNFCIP-2 PDUのデータ部のフォーマットを示している。
データ部には、その先頭から、PDUデータ長(Length of PDU Data(04h))、カレントフェーズ(Current Phase)、ステータス(Status)、エラーコード(Error Code)が順次配置される。PDUデータ長、カレントフェーズ、ステータス、エラーコードは、図9で説明したものと同様であるため、その説明は、省略する。
次に、上述した一連の処理は、専用のハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータやマイクロコンピュータ等にインストールされる。
そこで、図20は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク105やROM103に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体111に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体111は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体111からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部108で受信し、内蔵するハードディスク105にインストールすることができる。
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)102を内蔵している。CPU102には、バス101を介して、入出力インタフェース110が接続されており、CPU102は、入出力インタフェース110を介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイク等で構成される入力部107が操作等されることにより指令が入力されると、それにしたがって、ROM(Read Only Memory)103に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU102は、ハードディスク105に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部108で受信されてハードディスク105にインストールされたプログラム、またはドライブ109に装着されたリムーバブル記録媒体111から読み出されてハードディスク105にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)104にロードして実行する。これにより、CPU102は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU102は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース110を介して、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成される出力部106から出力、あるいは、通信部108から送信、さらには、ハードディスク105に記録等させる。
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。
なお、本実施の形態では、無線通信を対象としたが、本発明は、有線通信や、無線と有線とが混在した通信にも適用可能である。
また、本実施の形態では、NFCによる通信から、他の通信プロトコルによる通信に切り換えるようにしたが、任意の通信プロトコルによる通信から、他の任意の通信プロトコルによる通信に切り換えること、即ち、例えば、ISO/IEC 14443-3からBluetoothに切り換えることなども可能である。
さらに、本実施の形態では、NFCによる通信から、BT通信に切り換えるようにしたが、その後、さらに、BT通信から、他の通信プロトコルによる通信に切り換えるようにすることも可能である。
また、アベイラブルメディアレスポンスに複数のメディアパラメータパックが含まれる場合に、通信プロトコルを、いずれのメディアパラメータパックに配置されているメディアコードが表す通信プロトコルに切り換えるかは、例えば、ユーザの操作や上位のアプリケーションからの指示(要求)などに基づいて選択(決定)することができる。
なお、本発明は、ビデオカメラやテレビジョン受像機のリモートコマンダなどの他、例えば、デジタルスチルカメラや、オーディオプレーヤその他の、通信機能を実装することができる電子機器に適用することができる。また、通信の対象は、画像データ、音声データ、テキストデータ、バイナリデータなど、どのようなデータであってもよい。
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
本発明を適用した通信システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。 パッシブモードを説明する図である。 アクティブモードを説明する図である。 通信装置1乃至3のNFCによる通信を行う部分の構成例を示すブロック図である。 通信装置1乃至3の通信プロトコルと、OSI階層モデルとの対応関係を示す図である。 NFCIP-2 PDUのフォーマットを示す図である。 NFCIP-2 headerのフォーマットを示す図である。 アベイラブルメディアリクエストのデータ部のフォーマットを示す図である。 アベイラブルメディアレスポンスのデータ部のフォーマットを示す図である。 アベイラブルメディアレスポンスのメディアパラメータパックのフォーマットを示す図である。 NFCIP-2による通信のフェーズを示す図である。 イニシエータの処理を説明するフローチャートである。 ターゲットの処理を説明するフローチャートである。 登録装置の処理を説明するフローチャートである。 ビデオカメラ41、テレビジョン受像機42、およびリモートコマンダ43の機能的な構成例を示す図である。 ビデオカメラ41およびテレビジョン受像機42の処理を説明するフローチャートである。 ビデオカメラ41、テレビジョン受像機42、およびリモートコマンダ43の処理を説明するフローチャートである。 メディアハンドオーバリクエストのデータ部のフォーマットを示す図である。 メディアハンドオーバレスポンスのデータ部のフォーマットを示す図である。 本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1乃至3 通信装置, 41 ビデオカメラ, 42 テレビジョン受像機, 43 リモートコマンダ, 51 NFC通信部, 52 BT通信部, 61 NFC通信部, 62 BT通信部, 71 NFC通信部, 101 バス, 102 CPU, 103 ROM, 104 RAM, 105 ハードディスク, 106 出力部, 107 入力部, 108 通信部, 109 ドライブ, 110 入出力インタフェース, 111 リムーバブル記録媒体

Claims (12)

  1. 少なくとも第1乃至第3の通信装置を備える通信システムにおいて、
    前記第1の通信装置は、
    前記第2の通信装置との間で、第1の通信プロトコルによる通信を行う第1の通信手段と、
    前記第1の通信プロトコルによる通信によって、前記第2の通信装置から、前記第3の通信装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを取得する取得手段と、
    前記第3の通信装置との間で、前記取得手段において取得された前記通信情報に基づき、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルである第2の通信プロトコルによる通信を行う第2の通信手段と
    を有し、
    前記第2の通信装置は、
    前記第1の通信装置との間で、前記第1の通信プロトコルによる通信を行う第3の通信手段と、
    前記第1の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の通信装置に、前記第3の通信装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを供給する供給手段と
    を有し、
    前記第3の通信装置は、
    前記第1の通信装置との間で、前記第2の通信プロトコルによる通信を行う第4の通信手段
    を有する
    通信システム。
  2. 前記第1の通信装置は、画像を撮影して記録するカメラであり、
    前記第2の通信装置は、画像を表示する表示装置を遠隔制御するときに操作されるリモートコマンダであり、
    前記第3の通信装置は、前記表示装置である
    請求項1に記載の通信システム。
  3. 他の装置との間で通信を行う通信装置において、
    第1の他の装置との間で、第1の通信プロトコルによる通信を行う第1の通信手段と、
    前記第1の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の他の装置から、第2の他の装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを取得する取得手段と、
    前記第2の他の装置との間で、前記取得手段において取得された前記通信情報に基づき、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルである第2の通信プロトコルによる通信を行う第2の通信手段と
    を備える通信装置。
  4. 前記第1および第2の通信プロトコルによる通信は、無線通信であり、
    前記第1の通信手段は、前記第1の他の装置が近接した状態となっているときに、前記第1の他の装置との間で、前記第1の通信プロトコルによる通信を行う
    請求項3に記載の通信装置。
  5. 前記第1の通信プロトコルでは、近接した状態の前記第1の他の装置を特定して通信が行われる
    請求項4に記載の通信装置。
  6. 他の装置との間で通信を行う通信方法において、
    第1の他の装置との間で、第1の通信プロトコルによる通信を行い、
    前記第1の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の他の装置から、第2の他の装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを取得し、
    前記第2の他の装置との間で、前記通信情報に基づき、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルである第2の通信プロトコルによる通信を行う
    ステップを含む通信方法。
  7. 他の装置との間で通信を行う通信処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
    第1の他の装置との間で、第1の通信プロトコルによる通信を行い、
    前記第1の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の他の装置から、第2の他の装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを取得し、
    前記第2の他の装置との間で、前記通信情報に基づき、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルである第2の通信プロトコルによる通信を行う
    ステップを含むプログラム。
  8. 他の装置との間で通信を行う通信装置において、
    第1の他の装置との間で、所定の通信プロトコルによる通信を行う通信手段と、
    前記所定の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の他の装置に、第2の他の装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを供給する供給手段と
    を備える通信装置。
  9. 前記所定の通信プロトコルによる通信は、無線通信であり、
    前記通信手段は、前記第1の他の装置が近接した状態となっているときに、前記第1の他の装置との間で、前記所定の通信プロトコルによる通信を行う
    請求項8に記載の通信装置。
  10. 前記所定の通信プロトコルでは、近接した状態の前記第1の他の装置を特定して通信が行われる
    請求項8に記載の通信装置。
  11. 他の装置との間で通信を行う通信方法において、
    第1の他の装置との間で、所定の通信プロトコルによる通信を行い、
    前記所定の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の他の装置に、第2の他の装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを供給する
    ステップを含む通信方法。
  12. 他の装置との間で通信を行う通信処理を、コンピュータに行わせるプログラムにおいて、
    第1の他の装置との間で、所定の通信プロトコルによる通信を行い、
    前記所定の通信プロトコルによる通信によって、前記第1の他の装置に、第2の他の装置が利用可能な通信プロトコルを表す利用可能プロトコル情報と、前記利用可能プロトコル情報が表す通信プロトコルによる通信に要する通信情報とを供給する
    ステップを含むプログラム。
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