JP2007073494A - 外部電極型放電ランプ、およびそのランプ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 製造が簡単であり、簡易な構造であって、発光効率の高い外部電極型放電ランプを提供することである。
【解決手段】希ガスが封入されたガラス管１の表面に一対の帯状電極（２ａ，２ｂ）が軸線方向に平行に対向配置された構成において、ランプＬの一端部１ａは一方の電極２ａのみを給電部分として配置し、他端部１ｂは一方の電極２ａに対向する他方の電極２ｂのみが給電部分として配置する構造を有する。つまり、一方の電極２ａの一端部１ａは対向する電極２ｂが存在せず、また、他方の電極２ｂの他端部１ｂは対向する電極２ａが存在しない。
【選択図】 図４

Description

この発明は外部電極型放電ランプに関し、特に、スキャナーや複写機の原稿読取用光源に使用される外部電極型蛍光ランプ、およびＵＶ洗浄用光源に使用する外部電極型エキシマランプに関する。

近年、スキャナーや複写機の原稿読取用光源には、水銀などの金属蒸気を含まず、一対の帯状電極をガラスバルブ外面に配置した外部電極型放電ランプが使われている。
原稿の読取は、原稿面の下方に配置した放電ランプから原稿面に向けて放射光を照射し、原稿面からの反射光をＣＣＤラインセンサで受光することによる。
この種のランプは、ランプ発光管の外周面に一対の電極を有するが、電極は、例えば、特開平１１−５４０８９号記載のように発光管の長手方向に対向して帯状に伸びる形態と、特開２００２−８４０８号記載のように発光管の両端部にキャップ状に形成する形態が存在する。
前者の方が、発光管のほぼ全域で放電を発生させるため、ランプからの発光効率は高いと言われる。
また、外部電極型蛍光ランプは、内部に水銀を封入していないので、最近の環境配慮型の製品であり、液晶モニターなどのバックライトへの応用が期待されている。

しかし、一対の帯状電極を対向配置させる場合、給電構造が複雑になるという問題がある。前記特開平１１−５４０８９号の図５のように、各電極の端部にそれぞれリード端子を接続する場合、製造工程は煩雑化し、また、使用時においてリードを引き回すことで破断などの問題も生じる。
一方、同文献の図１に示すように、発光管の端部を覆うエンドキャップを設けて、各電極に異なる電位の給電構造を提供することもできる。しかし、この構造では、エンドキャップ内の給電構造が複雑になるという問題を有する。
特許第３６２２７２１号

この発明が解決しようとする課題は、製造が簡単であり、簡易な構造であって、発光効率の高い外部電極型放電ランプを提供することである。

上記課題を解決するために、この発明の外部電極型放電ランプは、希ガスが封入されたガラス管の表面に一対の帯状電極が軸線方向に平行に対向配置された構成において、一端部は一方の電極のみを給電部分として配置し、他端部は前記一方の電極に対向する他方の電極のみが給電部分として配置する構造を有することを特徴とする。
さらに、前記一方の電極の一端部および他方の電極の他端部は、その他の帯状部分よりも、単位長さあたりの面積が大きいことを特徴とする。
さらに、前記一方の電極の一端部および他方の電極の他端部は、ガラス管の外周面にリング状に形成されたことを特徴とする。
さらに、外部電極型蛍光ランプと、この外部電極型蛍光ランプを端部で保持する給電部材よりなるランプ装置において、前記外部電極型蛍光ランプは、希ガスが封入されたガラス管の表面に、一対の帯状電極が、軸線方向に平行に対向配置しており、前記給電部材は、前記ランプの両端部に配置し、各々単極であって、前記外部電極型蛍光ランプの一端部において一方の電極に給電を行い、他端部において他方の電極に給電をする構造を有することを特徴とする。

以上の構成により、本発明に係る外部電極型放電ランプは、製造が簡単であり、簡易な構造であって、発光効率の高いものとできる。

図１は、この発明に係る外部電極型放電ランプを示し、（ａ）は放電ランプＬを上部から見た概観図を示し、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ’断面図を示し、（ｃ）は（ｂ）の電極２ａの側面を見た外観図（ｂ図の矢印参照）を示す。

図において、放電ランプＬは、管状ガラス管１により構成され、その外面に一対の電極２ａ、２ｂが設けられる。ガラス管１は、例えば、鉛ガラスからなるもので、その内部には希ガスとしてキセノンガス、あるいはキセノンガスを主成分とする混合ガスが封入されている。

ガラス管１の内壁面には、概略Ｃ字状の蛍光物質が塗布されて蛍光体層３を形成する。この蛍光物質は、モノクロタイプの原稿読み取り用光源の場合、波長５５０ｎｍ付近に発光ピークを有するものが選択される。ガラス管１の内壁面には蛍光物質が塗布されていないアパーチャー部４が形成される。
なお、蛍光体層３を形成することで、当該放電ランプＬは可視光を放射することとなる。この場合は、希ガス蛍光ランプとも称される。

電極２ａ，２ｂは、全体形状が概略帯状であって、ガラス管１の外壁に軸方向（長手方向）に伸びるように配置する。この電極２ａ，２ｂは、例えば、アルミニウム、銅などの金属製テープや銀ペーストなどの導電性材料から形成される。
また、電極２ａ，２ｂには、スリットや開口を設けることができる。これは、ガラス管１の内部で生じた発光をアパーチャー部だけではなく、当該スリットからも放射させるためである。電極にスリットを設ける技術については、例えば、特開平９−２９８０４９号に開示される。

放電ランプＬは、一対の電極２ａ，２ｂに印加される高周波電圧により、電極に挟まれたガラス管（ガラス材料）を誘電体として、誘電体障壁放電（バリア放電）を発生させ、この放電で発生した紫外線によりガラス内面に塗布された蛍光物質６を発光させている。

ここで、数値例をあげると、ガラス管１は、長さ３７０ｍｍ、外径φ１０ｍｍであり、発光長は３４０ｍｍ程度となる。ガラス管１に封入されるキセノンガスは１０ｋ〜１００ｋＰａの範囲から選択され、例えば、５０ｋＰａ封入される。電極２の幅は３〜１０ｍｍの範囲から選択され、例えば、７ｍｍであり、希ガス蛍光ランプは、定格点灯電力２６Ｗで点灯する。

ここで、上記放電ランプＬは、蛍光体を塗布しない場合に、紫外光を放射させることができる。この紫外光はエキシマ光とも言われ、単一波長の光を強く放射する。この単一波長の光は、ガラス管内に封入されるガスによって決まり、キセノンガス（Ｘｅ）の場合は波長１７２ｎｍの光、アルゴンガス（Ａｒ）と塩素ガス（ＣＬ）の場合は波長１７５ｎｍの光、クリプトン（Ｋｒ）と沃素（Ｉ）の場合は波長１９１ｎｍの光、アルゴン（Ａｒ）とフッ素（Ｆ）の場合は波長１９３ｎｍの光、クリプトン（Ｋｒ）と臭素（Ｉ）の場合は波長２０７ｎｍの光、クリプトン（Ｋｒ）と塩素（ＣＬ）の場合は波長２２２ｎｍの光を放射する。ガラス管は紫外線を放射することから石英ガラスが使われる。
この種のエキシマ光は、石英ガラスなどの物質のＵＶ洗浄や、その他の物質の表面改質に利用できる。

ここで、本願発明は、一対の電極が概略帯状でガラス管の長手方向に伸びるとともに、一端部１ａは一方の電極２ａのみを給電部分として配置し、他端部１ｂは一方の電極２ａに対向する他方の電極２ｂのみが給電部分として配置する構造を有する。つまり、一方の電極２ａの一端部側は、対向する電極２ｂが配置しておらず、また、他方の電極２ｂの他端部側も対向する一方の電極２ａが配置していない。

図２は本発明に係る外部電極型放電ランプＬを保持する給電部材であるホルダ５を示す。ホルダ５は、例えば、りん青銅などの導電性部材からなり、各ランプＬが保持部５０に装着されることで、ランプＬへの給電と、ランプＬの保持が同時に達成できる。
すなわち、放電ランプＬがホルダ５に装着された際に、一方の電極２ａとは接触するが、他方の電極２ｂとは接触しないことになる。
また、ホルダ５は、放電ランプＬの反対側端部（他端部）にも配置されるが、この他端部配置されるホルダは、他方の電極２ｂには接触するが、一方の電極２ａには接触しない構成となる。
この構成により、一端部に配置されたホルダにより、放電ランプＬの一方の電極２ａに対する給電を行い、他端部に配置されたもう一方のホルダにより放電ランプＬの他方の電極２ｂに対する給電を行う。
なお、ホルダ５には、放電ランプ用ストッパ５１が形成される。

図１に戻り、一方の電極２ａの一方の端部２ａ１であって対向する電極２ｂが存在しない領域の長さＳは、ホルダの保持部に相当するだけの長さは必要となる。長さＳは一例を上げると、５〜１０ｍｍ程度であり、ストッパを考慮すると１５ｍｍ程度となる。

図３は本発明に係る外部電極型放電ランプの他の実施形態を示す。
電極２ｂの他方の端部２ｂ１は、帯状領域２ｂに比べて面積が大きくなっている。この構造の利点は、ホルダ５に装着させた際、電極と接触する面積が大きくなり、給電効率が増加することである。なお、図は電極２ｂについてのみ示したが、電極２ａも同様に一方の端部の面積が大きくなる。

図４は本発明に係る外部電極型放電ランプの他の実施形態を示す。
電極２の端部２ｂ１は、リング状になっており、リングの部分全体においてホルダを接触することとなる。この構造の利点も、同様に、ホルダ５に装着させた際、電極と接触する面積が大きくなり、給電効率が増加することである。なお、図は電極２ｂについてのみ示したが、電極２ａも同様に一方の端部がリング状になっている。

図５は電極２の実施例を示す。帯状電極の「帯」とは、電極外縁部の包絡線によって形成される形態を意味し、図（ａ）〜（ｅ）に示すように、線状、網目状、蛇行した線状などを含む。また、図（ｆ）に示すように、帯状電極の「帯」の幅は、必ずしも一様というわけでもない。

図６は、外部電極型蛍光ランプと、この外部電極型蛍光ランプを端部で保持する給電部材よりなるランプ装置の端部を示す。外部電極型蛍光ランプは、図３で示した構造のものであり、電極２ｂの端部２ｂ１の幅は、帯状領域の幅よりも大きくなっている。給電部材であるホルダ５は、保持部５０が弾性力を有しており、ランプのガラス管１が保持部５０に挿入されると、保持部５０は広がって保持することになる。このとき電極２ｂは保持部５０と接触するが、電極２ａは保持部５０とは接触しない。このため、保持部５０に給電された電力は電極２ｂにのみ供給されて、電極２ａには供給されない。ホルダ５は、図２で示したように、ランプの両端部にそれぞれ配置し、また、それぞれはランプの長手方向と直交する方向に伸びるように配置する。ホルダは各々単極であって、ランプの一端部１ａにおいて一方の電極２ａに給電を行い、ランプの他端部１ｂにおいて他方の電極２ｂに給電をする構造になっている。

以上の構成により、本発明に係る外部電極型放電ランプは、製造が簡単であり、簡易な構造であって、発光効率を高くできる。

本発明の外部電極型放電ランプを示す。 給電ホルダを示す。 本発明の外部電極型放電ランプの電極を示す。 本発明の外部電極型放電ランプを示す。 本発明の外部電極型放電ランプの帯状電極の他の実施形態を示す。 本発明の外部電極型蛍光ランプと外部電極型蛍光ランプを端部で保持する給電ホルダよりなるランプ装置を示す。

符号の説明

１ ガラス管
２ａ 電極
２ｂ 電極
３ 絶縁体層
４ アパーチャー
５ 給電部材

Claims (4)

1. 希ガスが封入されたガラス管の表面に一対の帯状電極が軸線方向に平行に対向配置された外部電極型蛍光ランプにおいて、
   一端部は一方の電極のみを給電部分として配置し、他端部は前記一方の電極に対向する他方の電極のみが給電部分として配置する構造を有することを特徴とする外部電極型放電ランプ。
2. 前記一方の電極の一端部および他方の電極の他端部は、その他の帯状部分よりも、単位長さあたりの面積が大きいことを特徴とする請求項１に記載する外部電極型放電ランプ。
3. 前記一方の電極の一端部および他方の電極の他端部は、ガラス管の外周面にリング状に形成されたことを特徴とする請求項１に記載する外部電極型放電ランプ。
4. 外部電極型蛍光ランプと、この外部電極型蛍光ランプを端部で保持する給電部材よりなるランプ装置において、
   前記外部電極型蛍光ランプは、希ガスが封入されたガラス管の表面に、一対の帯状電極が、軸線方向に平行に対向配置しており、
   前記給電部材は、前記外部電極型蛍光ランプの両端部に配置し、各々単極であって、前記外部電極型蛍光ランプの一端部において一方の電極に給電を行い、他端部において他方の電極に給電をする構造を有することを特徴とするランプ装置。
   

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