JP2007071557A - チップ - Google Patents

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俊輔 山▲崎▼
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Abstract

【課題】弁機構を可動させるための動力を別途必要とせず、かつ流路の開閉の制御機構が単純な弁機構を有するチップを提供する。
【解決手段】本発明に係るチップ1は、流路5は形成された本体1と、制御板41と、収納部52とを含む。制御板41は、前記流路5と交差する方向に摺動可能に設けられており、前記流路5を開閉する。収納部52は、前記流路5を開にした状態で、前記制御板41を収納する。このチップは、遠心力及び慣性力により制御板41を可動させて試料の流れを制御するため、試料の流れを制御するための動力源をチップ毎に設ける必要がない。従って、チップを安価に製造することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばDNA、細胞、たんぱく質、免疫及び糖鎖等の生化学検査を行うチップに関する。
近年、種々の生化学検査のプロセスをダウンサイジングし集積化したチップの開発が盛んに行われている。例えばDNA、細胞、たんぱく質、免疫及び糖鎖等の生化学検査が、このチップ1つで行われる。
種々の生化学検査のプロセスが集約されたチップは、数マイクロ程度の流路や試料を混合させる混合槽等を含む。このような構成を持つチップは、生化学検査の工程において様々な制御を必要とする。例えば、試料A,B,Cを有するチップにおいて、試料Aと試料Bとを反応させた後に試料Cを更に反応させる場合、チップは、試料A,B,Cの流路の開閉制御を行う。このような流路の開閉制御を行うために、チップには弁機構が設けられる。非特許文献1には、チップに用いられる様々な弁機構が記載されている。具体的には、非特許文献1には、電磁力、積層型圧電素子、静電気力、熱駆動力型等の弁機構が記載されている。
また、特許文献1には、複数の流路の開閉を制御する切替装置、即ち弁機構が開示されている。特許文献1の切替装置は、ローラーを回転させることで押圧体が可撓性流路部を押圧し、可撓性流路を遮断する。
特開平10−160007号公報 化学とマイクロ・ナノシステム研究会監修「マイクロ化学チップの技術と応用」丸善株式会社、p283−292
しかしながら、特許文献1及び非特許文献1では、弁機構を可動させるための動力を別途設ける必要がある。例えば、非特許文献1に係る静電気力の弁機構は、静電気力を発生させて流路の開閉を行う。そのため、この弁機構は静電気力を発生させるために、電圧印加用の電極を設けなければならない。電極は金属等で形成されるが、チップはシリコン等から形成される。従って、静電気力を発生させるための動力は、チップとは別の材料により形成され設けられる。また、特許文献1に係る弁機構においても、ローラーや押圧体、ローラーを回転させるための動力を、チップとは別に設ける必要がある。
さらに、特許文献1及び非特許文献1では、弁機構の動力以外にも、その動力を制御させるための制御機構を必要とする。一般的に、動力の制御方法は複雑なものが多いため、この制御機構の構造も複雑となる可能性がある。
そこで、本発明は、弁機構を可動させるための動力を別途必要とせず、かつ流路の開閉を制御するための制御機構が単純な弁機構を有するチップを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、発明1は、流路が形成された本体と、制御板と、収納部とを含むチップを提供する。制御板は、前記流路と交差する方向に摺動可能に設けられており、前記流路を開閉する。収納部は、前記制御板を収納して前記流路を開の状態にする。
例えば、チップを遠心分離器にかけると、制御板は遠心力及び慣性力をうけて収納部及び流路を摺動する。制御板が収納部に収納されると流路は開の状態となるため、試料は流路内を進行する。一方、制御板が収納部から流路側に突出すると、試料は制御板によりその流れを遮断される。このように、このチップは、遠心力及び慣性力により制御板を摺動させて試料の流れを制御するため、試料の流れを制御するための動力源をチップに設けずに済む。従って、チップを安価に製造することができる。
発明2は、前記発明1において、前記制御板の摺動部分が前記流路と接触する接触面の面積は、前記制御板の本体部分の断面積よりも小さくなるように形成されているチップを提供する。
少なくとも制御板の下部と本体との接触面積が小さいほど、制御板が摺動する際に接触面に生じる摩擦力が小さくなる。従って、制御板は容易に摺動できる。更に、制御板の上部と本体との接触面の面積が小さいと、制御板は更に摺動しやすくなる。
発明3は、前記発明1または2において、爪部と、第2係合部とを更に含むチップを提供する。爪部は、前記制御板から流路に沿う方向に突出している。第1係合部は、前記収納部に形成されており、前記制御板が前記収納部に収納された状態で前記爪部が係合する。
この構成により、流路を開にした状態で制御板を固定することができる。
発明4は、前記発明1、2または3において、第2係合部を更に含むチップを提供する。第2係合部は、前記収納部に形成されており、前記制御板が前記流路を遮断した状態で前記爪部が係合する。
この構成により、流路を閉にした状態で制御板を固定することができる。
発明5は、前記発明3または4において、第1溝部及び第2溝部を更に含むチップを提供する。第1溝部及び第2溝部は、前記制御板が摺動するための溝部であって、前記流路の互いに対応する位置に形成されている。前記爪部は、前記制御板の第1溝部側に形成されており、前記第1溝部の幅は、少なくとも制御板の厚さと爪部の突出長さとの和を有するように形成されている。そして、前記第2溝部の幅は、前記第1溝部の幅を超えないように形成されている。
第1溝部には遊びがある。そのため、制御板が第1溝部及び第2溝部内を移動することにより、制御板の爪部は第1係合部や第2係合部に係合されたり外れたりすることができる。
発明6は、前記発明3、4または5において、前記爪部が、前記流路の下流側に面する制御板上に設けられているチップを提供する。
制御板が流路内に位置している場合、制御板は流路を流れる試料の進行方向に押される。従って、制御板は試料の進行方向の下流側に移動する。このように制御板が試料の流れに押されて下流側へ移動することで、流路の下流側に設けられた制御板の爪部と係合部との係合が強化される。従って、制御板をより安定に固定することができる。
本発明によると、弁機構を可動させるための動力を別途必要とせず、かつ流路の開閉を制御するための制御機構が単純な弁機構を有するチップを提供することができる。
<第1実施形態>
(1)チップの構成
図1は、本発明の第1実施形態に係るチップの平面図である。チップ1は、薄板状の基板から形成される。チップ1の材料については、特に限定されない。例えば、チップ1はシリコン等を含む材料で形成されることができる。
本実施形態に係るチップ1は、試料保持部2a〜dと、混合槽3a,3bと、バルブ4と、流路5とを含む。試料保持部2a〜dには、生化学検査に用いられる試料がそれぞれ保持されている。混合槽3a,3bでは、試料保持部2a〜d内の試料が導入され、導入された試料同士が混合される。流路5は、試料保持部2a〜d内の試料や混合槽3a,3b内で混合された試料が通過する。バルブ4は、例えばチップ1が遠心分離器にかけられた場合に遠心力及び慣性力を受ける。バルブ4は、この遠心力及び慣性力の作用により、流路5の開閉を行う。
以下に、チップ1内部の試料の流れについて具体的に説明する。試料保持部2a〜dは試料a〜dをそれぞれ保持しているとする。混合槽3aには、試料保持部2c内の試料cと試料保持部2d内の試料dとが導入され、混合される。混合槽3bには、混合槽3a内で混合した試料cと試料dとの混合試料が導入される。また、混合槽3bには、試料保持部2a内の試料aと試料保持部2b内の試料bとが混合されることなく直接流入される。尚、試料保持部2a内の試料aは、バルブ4による流路5の開閉により、必要に応じて混合槽3bに流入される。
(2)バルブの構成
次に、本実施形態に係るバルブ4の構成について説明する。本実施形態に係るバルブ4は、制御板41と、収納部52a,52bとを含む。制御板41は、流路5a,5と交差する方向に摺動可能に設けられており、流路5a,5bを開閉する。より具体的には、制御板41は、流路5a,5bの開閉を行うことで、試料の流れを制御する。収納部52a,52bは、流路5a,5bと交差する方向に形成されている空間である。この収納部52a,52b内には、制御板41が収納され、流路5a,5bを”開”の状態にする。流路5a,5bの“開”の状態とは、流路5a,5b内を試料が通過可能な状態のことをいう。
具体的に、チップ1が遠心分離器にかけられ回転した場合を考える。この時、制御板41には遠心力及び慣性力が作用し、制御板41は遠心力及び慣性力が作用する方向へ摺動する。試料保持部2a内の試料aを流路5aから5bへ通過させる場合は、制御板41は収納部52aまたは52bに収納されるように摺動し、流路5a,5bを“開”の状態にする。試料保持部2a内の試料aを流路5aから5bへ通過させない場合は、制御板41は、バルブ4内における流路5aまたは流路5bの流出入口をふさぐ位置に摺動する。即ち、流路5a,5bを“閉”の状態にする。この時、試料保持部2a内の試料aは制御板41によりその流れを遮断された状態となる。
また、図1に示すように、制御板41は爪部42を含み、収納部52bは係合部51(51a,51b)を含むことができる。
爪部42は、制御板41から流路5a,5bに沿う方向に突出している。更に、爪部42は、図1に示すように、流路5a,5bの下流側に面する制御板41上に設けられるとよい。具体的には、試料保持部2a内の試料aは流路5aから5bへ流れる。この場合、流路の下流側は、制御板41の流路5b側となる。従って制御板41の爪部42は、流路5b側に設けられている。チップ1が遠心分離器にかけられ回転すると、チップ1内部の制御板41には遠心力及び慣性力が作用する。そのため、制御板41は収納部52の係合部51が形成されている方向へ摺動し、制御板41の爪部42は係合部51にはめ込まれる。これにより、制御板41は所定の位置に安定して固定される。
特に、爪部42が流路5a,5bの下流側に面する制御板41上に設けられると、制御板41は流路5a,5bを流れる試料の進行方向に押される。従って、制御板41は試料の進行方向の下流側に移動する。制御板41が試料の流れに押されて下流側へ移動することで、流路5a,5bの下流側に設けられた制御板41の爪部42と係合部51との係合が強化される。従って、制御板41をより安定に固定することができる。
また、係合部51は、収納部52内に1以上設けられてもよい。図1のチップ1では、収納部52bに2つの係合部51a,51bが設けられている。具体的には、第1係合部51aは、収納部52b内において、制御板41が収納部52bに収納された状態で爪部42が係合する位置に設けられている。第2係合部51bは、収納部52b内において、制御板41が流路5a,5bを遮断した状態で爪部42が係合する位置に設けられている。 例えば、制御板41が遠心力及び慣性力の作用により収納部52bに収納されるように摺動し、爪部42が収納部52内の第1係合部51aに係合すると、制御板41は収納部52内に収納された状態で固定される。この場合、流路5a,5bは“開”の状態となるため、試料保持部2a内の試料aは流路5aから5bへ流れる。また、制御板41が遠心力及び慣性力の作用により摺動し、爪部42が収納部52b内の第2係合部51bに係合すると、制御板41は流路5a,5bを遮断した状態で固定される。即ち、この場合、流路5a,5bは“閉”の状態となるため、試料保持部2a内の試料aは流れがせき止められた状態となる。
このように、制御板41の爪部42が収納部52b内に形成された第1係合部51aまたは第2係合部51bにはめ込まれることにより、制御板41は固定される。そのため、制御板41に別方向の遠心力及び慣性力が作用しても制御板41は移動しない。従って、試料の流れの制御が確実になされる。
(3)バルブの端部と流路の溝部
次に、制御板41の端部43(43a,43b)の形状及び流路5の溝部53の形状について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、図1におけるバブル4をx−x’線で切断した場合の断面図である。以下より、図2の制御板41の端部43bが、摺動部分であるとする。
本実施形態に係るバルブ4は、制御板41が移動するための溝部53(53a,53b)を含む。溝部53は、流路5の互いに対応する位置に形成されている。以下より、図2において、流路5の上部に形成されている溝部を第1溝部53aとし、下部に形成されている溝部を第2溝部53bとする。制御板41における爪部42は、第1溝部53a側に形成されている。第1溝部53aは、制御板41の厚さと爪部42の突出長さとの和以上の幅を有するように形成されている。そして、第2溝部53bは、第1溝部53aの幅以下に形成されている。具体的には、第2溝部53bは、第1溝部53aの幅より小さく、流路5の下方向に突出するように形成されている。
このように、制御板41が移動するための第1溝部53a及び第2溝部53bを設けると、チップ1が遠心分離器にかけられ回転した際、制御板41は遠心力及び慣性力の作用をうけて第1溝部53a及び第2溝部53bを移動する。第1溝部53aの幅は、制御板41の厚さと爪部42の突出長さの和及び第2溝部53bの幅よりも長いため、制御板41及び爪部42は、第1溝部53a内を移動することができる。即ち、第1溝部53aには遊びがある。そのため、制御板41が第1溝部53a及び第2溝部53b内を移動することにより、制御板41の爪部42は第1係合部51aや第2係合部51bに係合されたり外れたりすることができる
また、本実施形態では、制御板41の摺動部分が流路5の第2溝部53bと接触する面の面積は、制御板41の本体部分の断面積よりも小さくなるように形成されている。“制御板41の本体部分の断面”とは、制御板41の本体部分を、流路5の沿う方向を含む面で切断した面のことをいう。具体的には、“制御板41の本体部分の断面”とは、図2に係る制御板41の本体の中央部分をy―y’線で切断した断面である。即ち、制御板41の端部43bが流路5の第2溝部53bと接触する面の面積は、図2に係る制御板41の本体の中央部分y―y’による断面と比して小さい。
図3(a)〜(d)は、制御板41の端部43bの形状及び流路5の第2溝部53bの形状の一例を示した図である。図3(a)は、制御板41の端部43bは丸みをおびた形状であって、流路5の第2溝部53bは平らな形状の場合を示す。図3(b)は、制御板41の端部43bは図3(a)より細長く丸みをおびた形状であって、流路5の第2溝部53bは角を有する形状の場合を示す。図3(c)は、制御板41の端部43b及び流路5の第2溝部53bは共に角を有する形状の場合を示す。図3(d)は、制御板41の端部43bが凹凸を有する形状であって、流路5の第2溝部53bは平らな形状の場合を示す。図3(a)〜(d)では、制御板41の端部43bが流路5の第2溝部53bと接触する面の面積は、いずれも制御板41の本体部分の断面と比して小さい。このように、制御板41の端部43b及び流路5の第2溝部53bは、接触面積が本体部分より小さい条件を満たせば、図3(a)〜(d)に示すような様々な形状を有することができる。
このように、制御板41の端部43と流路5の第2溝部53bとの接触面の面積が本体部分の断面より小さいほど、制御板41が摺動する際に接触面に生じる摩擦力が小さくなる。従って、制御板41は摺動しやすくなる。
尚、上述した例では、制御板41の端部43bについて説明したが、端部43aについても端部43bと同様の形状を備えることができる。
(4)制御板の動作
次に、第1実施形態に係るチップ1を遠心分離器にかけた際、遠心力及び慣性力の作用により摺動し試料の流れを制御する制御板41の動作について説明する。図4〜図12は、制御板41が摺動し試料の流れを制御する動作を説明する図である。以下より、制御板41が収納部52a,52b内を摺動する場合について説明する。尚、以下より示す動作は、試料保持部2a内の試料aと試料保持部2b内の試料bとが互いに単体の状態で混合することを避けるための制御を制御板41が行う場合を例にとる。
図4は、チップ1の初期状態を示す図である。初期状態のチップ1では、試料保持部2a〜dは試料a〜dをそれぞれ保持している。バルブ4内の制御板41の爪部42は収納部52b内の第1係合部51aに係合しており、制御板41は収納部52b内に固定されている。この状態のチップ1を遠心分離器にかける。遠心の中心はチップ1の下方向に位置している。回転方向はチップ1の左方向とする。すると、制御板41には、慣性力A1が制御板41の右方向へ作用し、遠心力B1が制御板41の上方向へ作用する。図4中のC1は、慣性力A1及び遠心力B1の合成力を示す。
図5は、図4に係るチップ1を左方向へ回転させた直後のチップ1の状態を示す。制御板41には右方向へ慣性力A1が作用し、制御板41の爪部42が収納部52内の第1係合部51aから外れる。即ち、制御板41は摺動可能な状態となる。そして、制御板41は収納部52bの内壁に沿うように試料保持部2aの方向、即ち右方向へ摺動し、収納部52の内壁に接触する。
図6は、図5に係るチップ1を更に左方向へ回転させた時のチップ1の状態を示す。制御板41には上方向へ遠心力B1が作用し、制御板41は収納部52a,52bの内壁に沿って上方向へ摺動する。そして、制御板41は、流路5aの流入出口を遮断する。従って、試料保持部2a内の試料aは、試料保持部2a内に閉じこめられた状態となる。
図7は、図6に係るチップ1において、遠心の中心及び回転方向を変更した状態を示す。遠心の中心はチップ1の右へ位置させる。回転方向はチップ1の下方向に変更する。チップ1を新たな遠心中心を軸として下方向へ回転させると、制御板41には慣性力A2が上方向に作用し、遠心力B2が左方向に作用する。C2は慣性力A2及び遠心力B2の合成力を示す。
図8は、図7に係るチップ1を下方向に回転させた直後のチップ1の状態を示す。制御板41には左方向へ遠心力B2が作用し、制御板41は収納部52a内の内壁に沿って左方向へ摺動する。制御板41の爪部42は、収納部52内の係合部51bにはめ込まれる。これにより、制御板41は流路5bの流出入口を遮断した状態で固定される。一方、試料保持部2a内の試料aは、制御板41と同様に遠心力を受けるため、試料保持部2aから流路5aを経てバルブ4内に流れ込む。流路5bは制御板41によりせき止められているため、試料aはバルブ4内に蓄積される。
また、試料保持部2b内の試料bは遠心力の作用により、試料保持部2b内の左側へ摺動する。これにより、試料bは試料保持部2bの流入出口から流出し、流路を経て混合槽3bに流入する。
試料保持部2c内の試料c及び試料保持部2d内の試料dは、試料a,bと同様に遠心力の作用により混合槽3a内に流入する。そして、試料c及び試料dは混合槽3a内で混合される。
図9は、図8に係るチップ1において、遠心の中心及び回転方向を変更した状態を示す。遠心の中心はチップ1の上へ位置させる。回転方向はチップ1の左方向に変更する。チップ1を新たな遠心中心を軸として左方向へ回転させると、制御板41には、慣性力A3が右方向に作用し、遠心力B3が下方向に作用する。C3は慣性力A3及び遠心力B3の合成力を示す。
図10は、図9に係るチップ1を左方向に回転させた直後のチップ1の状態を示す。制御板41には右方向へ慣性力A3が作用し、制御板41の爪部42が収納部52b内の第2係合部51bから外れる。即ち、制御板41は摺動可能な状態となる。そして、制御板41は、更に遠心力B3の作用により、試料保持部2a側、即ち右側へ摺動して収納部52の内壁に接触する。これにより、制御板41は流路5bの流出入口を開放する。収納部52a,52b内にせき止められていた試料aは、流路5bに流れ出す。
一方、混合槽3a内で反応した試料c,dは、遠心力をうけて混合槽3aから流出し、流路を経て混合槽3bに流入する。これにより、混合槽3b内に既に流入している試料bと、反応した試料c,dとが混合槽3b内で混合される。
図11は、図10に係るチップ1において、遠心の中心及び回転方向を変更した状態を示す。遠心の中心はチップ1の右へ位置させる。回転方向はチップ1の上方向に変更する。チップ1を新たな遠心中心を軸として上方向へ回転させると、制御板41には、慣性力A4が下方向に作用し、遠心力B4が左方向に作用する。C4は慣性力A4及び遠心力B4の合成力を示す。
図12は、図11に係るチップ1を上方向へ回転させた直後のチップ1の状態を示す。制御板41は慣性力A4及び遠心力B4を受けて、収納部52b内の係合部が形成されている方向へ摺動する。制御板41の爪部42は収納部52内の第1係合部51aにはめ込まれる。これにより、制御板41は流路5bの流出入口を開放した状態で収納部52内に固定される。すると、収納部52内の試料aは、遠心力及び慣性力の作用をうけて混合槽3b内に流入する。試料aは、試料b〜dと混合槽3b内で混合し反応する。これにより、チップ1内の試料a〜dが全てが反応した状態となる。
(5)効果
本実施形態に係るチップ1を遠心分離器にかけて回転させると、制御板41は遠心力及び慣性力をうけて収納部52内を摺動する。制御板41が収納部52bに収納されると流路5は“開”の状態となるため、試料は制御板41に遮断されることなく流路5内を流れる。一方、制御板41が収納部52bから流路5側に突出すると、試料は制御板41によりその流れを遮断される。このように、チップ1は、遠心力及び慣性力により制御板41を摺動させて試料の流れを制御するため、試料の流れを制御するための動力源をチップに設けずに済む。従って、チップ1を安価に製造することができる。
また、このチップ1は、図4〜12に示したように、試料a〜dが流れる順及び混合順を制御することができる。従って、単に流路の形状のみで試料の流れる順及び混合順を制御するよりも流路の設計の自由度が高まる。
更に、チップ1は、制御板41に爪部42を設け、収納部52内の所定の位置に係合部51を設けることができる。制御板41の爪部42が収納部52の係合部51にはめ込まれることにより、制御板41を固定することができる。この場合、制御板41に多方向の遠心力及び慣性力が少々かかっても、制御板41は摺動しない。これにより、チップ1は、試料を通過させる際は制御板41を収納部内に固定し、試料の流れを遮断する際は流路5を遮断するように制御板41を固定する等して、試料の流れの制御を容易に行うことができる。
尚、本実施形態では、制御部41には爪部42が1つ設けられ、また収納部52には係合部51が2つ設けられているが、これに限定されない。爪部及び係合部は、必要に応じて何個でも設けることができる。
<その他の実施形態>
第1実施形態では,チップ1の制御板41は遠心力及び慣性力を受けて摺動する場合について述べたが、これに限定されない。例えば、制御板は、遠心力及び慣性力を受けて傾斜してもよい。
図13は、チップ101の制御板141が傾斜する場合の、制御板141の断面図である。収納部152は、流路105と交差する方向に形成されているとする。制御板141及び収納部152は、それぞれ爪部152及び係合部151を含む。流路105と接触する制御板141の端部143が流路105の溝部153と接触する面の面積は、第1実施形態と同様に、本体部分の断面積よりも小さい。また、制御板141は、遠心力及び慣性力を受けて傾斜する際、制御板141の端部143を軸として傾斜する。このように、制御板141の端部143が流路105の溝部153と接触する面の面積が本体部分の断面積よりも小さいと、制御板141は傾斜し易くなる。
次に、この制御板141の動作について説明する。制御板141が試料の流れを遮断する際は、図13の点線に示すように流路105内に位置している。この状態のチップ101が遠心分離器にかけられ回転し、制御板141が遠心力をチップ101の左方向へ受けると、制御板141は、流路105と接触している制御板141の端部143を軸として、収納部152側へ傾斜する。すると、制御板141に突出するように形成されている爪部142は、収納部152の内部に形成された係合部151にはめ込まれる。これにより、制御板141は固定される。また、制御板141が傾斜したことにより、制御板141が傾斜した面積分だけ流路105が開放される。そのため、試料は流路105内を進行できるようになる。
以上、第1実施形態及びその他の実施例において、チップが遠心分離器にかけられ回転するとチップの制御板が可動する場合について述べたが、これに限定されない。チップが遠心分離器以外の機器にかけられてもよい。即ち、本発明に係るチップは、何らかの方法によりチップに力が作用すればよい。そして、作用した力に基づいて、チップ内部に設けられた制御板が可動すればよい。
本発明を用いれば、試料の流れを制御するための動力源を必要としないため、安価なバイオチップを得ることができる。
第1実施形態に係るチップの平面図。 第1実施形態に係るバルブの断面図。 第1実施形態に係る制御板の接触面及び溝部の形状。 第1実施形態に係る制御板41の動作の説明図(ステップ1)。 第1実施形態に係る制御板41の動作の説明図(ステップ2)。 第1実施形態に係る制御板41の動作の説明図(ステップ3)。 第1実施形態に係る制御板41の動作の説明図(ステップ4)。 第1実施形態に係る制御板41の動作の説明図(ステップ5)。 第1実施形態に係る制御板41の動作の説明図(ステップ6)。 第1実施形態に係る制御板41の動作の説明図(ステップ7)。 第1実施形態に係る制御板41の動作の説明図(ステップ8)。 第1実施形態に係る制御板41の動作の説明図(ステップ9)。 その他の実施形態に係るバルブの断面図。
符号の説明
1 チップ
2 試料保持部
3 混合槽
4 バルブ
5 流路
41 制御板
42 爪部
43 端部
51a 第1係合部
51b 第2係合部
52 収納部
53 溝部

Claims (6)

  1. 流路が形成された本体と、
    前記流路と交差する方向に摺動可能に設けられ、前記流路を開閉する制御板と、
    前記制御板を収納して前記流路を開の状態にする収納部と、
    を含むチップ。
  2. 前記制御板の摺動部分が前記流路と接触する接触面の面積は、前記制御板の本体部分の断面積よりも小さくなるように形成されている、請求項1に記載のチップ。
  3. 前記制御板から流路に沿う方向に突出している爪部と、
    前記収納部に形成され、前記制御板が前記収納部に収納された状態で前記爪部が係合する第1係合部と、
    を更に含む、請求項1または2に記載のチップ。
  4. 前記収納部に形成され、前記制御板が前記流路を遮断した状態で前記爪部が係合する第2係合部と、
    を更に含む、請求項1、2または3に記載のチップ。
  5. 前記制御板が摺動するための溝部であって、前記流路の互いに対応する位置に形成された第1溝部及び第2溝部を更に含み、
    前記爪部は、前記制御板の第1溝部側に形成されており、
    前記第1溝部の幅は、少なくとも制御板の厚さと爪部の突出長さとの和を有するように形成され、
    前記第2溝部の幅は、前記第1溝部の幅を超えないように形成されている、
    請求項3または4に記載のチップ。
  6. 前記爪部は、前記流路の下流側に面する制御板上に設けられている、請求項3、4または5に記載のチップ。
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