JP2007070988A - ポンプ浚渫方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】浚渫土砂の各種土工材としての再利用を可能にし、もって資源の有効利用に大きく寄与するポンプ浚渫方法を提供する。
【解決手段】ポンプ浚渫船から海底に延ばしたラダー3の先端のカッター8により掘削した土砂をラダー内管12を通じて土運船の泥倉へ放出し、前記泥倉内の余剰水(濁水)を排水管40を通じてカッター8の近傍に還流させるポンプ浚渫方法において、事前に地層探査機を搭載した地層探査船により海底地層を調査し、この調査で得られた海底地層データに基づいて、砂層G1と粘土層G2に別けて浚渫を行い、採取した砂および粘土を、それぞれに適した用途に再利用する。
【選択図】図2
【解決手段】ポンプ浚渫船から海底に延ばしたラダー3の先端のカッター8により掘削した土砂をラダー内管12を通じて土運船の泥倉へ放出し、前記泥倉内の余剰水(濁水)を排水管40を通じてカッター8の近傍に還流させるポンプ浚渫方法において、事前に地層探査機を搭載した地層探査船により海底地層を調査し、この調査で得られた海底地層データに基づいて、砂層G1と粘土層G2に別けて浚渫を行い、採取した砂および粘土を、それぞれに適した用途に再利用する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ポンプ浚渫船によるポンプ浚渫方法に係り、より詳しくは浚渫土砂の土工材としての再利用を可能にするポンプ浚渫方法に関する。
ポンプ浚渫船によるポンプ浚渫方法は、船体から水底にラダーを延ばし、船体をスイングさせながら前記ラダー先端のカッターにより土砂を掘削し、この掘削した土砂をラダー内管を通じて船体上へ吸上げるようする。このようなポンプ浚渫方法においては、ラダー先端のカッターを設計浚渫ラインに沿って移動させる必要があり、このため、最近では、GPS測位システムを利用してカッター位置を正確に測定し、該カッター位置をディスプレー(モニタ)上に設計浚渫ラインと重ねてリアルタイムに表示して、これを視覚的に確認しながら操船(スイング)並びにラダー操作を行っている(例えば、特許文献1参照)。
しかるに、従来のポンプ浚渫方法によれば、設計浚渫ラインより上側の土砂を無差別に浚渫していたため、浚渫土砂には、砂や粘土など異質のものが多く混在し、埋立材とするしか利用の方法がなかった。
なお、ポンプ浚渫としては、表層浮泥を含む薄層部分を選択的に浚渫する方法、装置があるが、それは、浚渫土砂の再利用を目的としたものではない。
本発明は、上記した技術的背景に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、浚渫土砂の各種土工材としての再利用を可能にし、もって資源の有効利用に大きく寄与するポンプ浚渫方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、船体から水底にラダーを延ばし、船体をスイングさせながら前記ラダー先端のカッターにより土砂を掘削し、この掘削した土砂をラダー内管を通じて船体上へ吸上げるポンプ浚渫方法において、事前に調査した水底地層データに基づいて地層別に浚渫を行うことを特徴とする。このように行うポンプ浚渫方法においては、地層別に浚渫を行うので、同種の土工材の代替として再利用することができる。
本発明において、水底地層を調査する方法は任意であるが、超音波を送受波する地層探査機を搭載した地層探査船により行うのが効率的である。
本発明は、ラダー先端のカッター位置を、水底地層断面、設計浚渫ラインおよび層別浚渫ラインに重ねてリアルタイムに画面表示し、該画面を確認しながら操船並びにラダー操作を行うようにしてもよく、この場合は、正確かつ効率よく地層別に浚渫を行うことができる。
本発明において、浚渫の対象である地層の形態は任意であり、上側に砂層が、下側に粘土層がある場合は、これら砂層と粘土層とに別けて浚渫を行う。砂は、土工材として極めて有用であり、養浜の造成、海底の覆砂、地盤改良の砂杭造成などに広範に利用でき、一方、粘土は、護岸の裏埋めなどに利用できる。このように砂層と粘土層とを層別に浚渫する場合は、砂層の層別浚渫ラインを粘土層の上面よりも20〜40cm上位に設定するのが望ましく、これにより粘土混入のない純度の高い砂を採取できる。
本発明に係るポンプ浚渫方法によれば、地層別に浚渫を行うので、浚渫土砂を各種土工材として再利用することが可能になり、資源の有効利用に大きく寄与するものとなる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るポンプ浚渫方法を実施するための浚渫装置の全体的構成を示したものである。同図において、1は、ポンプ浚渫船、2は、ポンプ浚渫船1で浚渫した土砂を積込んで目的地へ運搬する土運船である。ポンプ浚渫船1は、その船首側にラダー3を上下方向へ揺動可能に備えると共に、その船尾側に昇降可能に一対のスパッド4を備えている。ラダー3は、その基端部が船体5の船首部分に回動可能に支持されると共に、その先端部が船体5の船首部分に立設した支柱6上のウインチ(図示略)から延ばしたワイヤ7に支持されている。ラダー3の先端部にはカッター8が設けられており、ラダー3は、前記ウインチによるワイヤ7の操作で揺動し、適宜その先端のカッター8を海底Gに着底させる。
カッター8は、図2にも示されるように、周回り方向に配した捩れ形状の複数のブレード8aに多数のチップ8bを植設してなっており、ラダー3に沿って延ばされかつ該ラダー3に軸受9を介して支承された回転軸10の一端部に取付けられている。回転軸10の他端部は、船体5上に設置した図示を略すモータ(減速機付き)に作動連結されており、カッター8は前記モータにより回転駆動される。本実施形態においてカッター8のブレード8aの相互間には、ブレード8aの内側領域に土塊が入るを防止するメッシュ状スクリーン11(図2)が張設されている。ラダー3にはまた、前記カッター8により掘削された土砂を船体5上へ輸送するラダー内管12とこのラダー内管12内に土砂を吸込む浚渫ポンプ13とが配設されている。ラダー内管12は、図2に示されるように、その一端の土砂吸込口12aを前記カッター8のブレード8aの内側領域に臨ませており、ラダー内管12内には、カッター8により掘削された土砂が多量の水と一緒に吸込まれるようになる。
上記ラダー内管12の他端部は、船体5上の片側舷側に沿って配設したローディング装置14に接続されている。ローディング装置14は、一端部が船体5に回動自在に支持され、他端部が土運船2の上方へ延ばされた揺動管15と、この揺動管15の他端にこれと交差して連接された撒管16と、図示を略すウインチから延ばされ、前記揺動管15の途中に先端を連結させたワイヤ17とからなっている。揺動管15は、前記ウインチによるワイヤ17の操作で上下方向へ揺動し、この揺動に応じて先端の撒管16が土運船2に対する適当な高さ位置並びに幅方向位置に位置決めされる。本実施形態において、前記撒管16の両端の土砂排出口16a,16bには、図3に示されるように、流量制御弁18が設けられている。流量制御弁18は、ここではバタフライ弁からなっており、撒管16に外装したアクチュエータ19により操作されるようになっている。
土運船2は、箱型構造をなしており、その船体20の中央部分には、図4および図5にも示されるように、底を閉じた大容量の泥倉21が設けられている。この土運船2は、図示を略す押船によって航行するようになっており、その船体20の船尾には、前記押船を接合させるための凹部22が形成されている。土運船20は、前記押船によってポンプ浚渫船1に接舷され、ポンプ浚渫船1の船体5上に配置したウインチ23によるワイヤ操作で、ポンプ浚渫船1に対して連結される。
本実施形態としての浚渫装置は、土運船2の泥倉21に発生する余剰水をラダー3の先端に還流させる濁水還流方式として構成されており、土運船2の泥倉21は、2つの隔壁24,25により長手方向に仕切られており、これによって土運船2の船首側および船尾側の双方に受水槽26,27が形成されている。また、前記泥倉21の底部の幅方向隅角部は、図6によく示されるように、底版と立壁との間に斜めに橋渡した斜板28によって泥倉21の内部から隔離されている。この斜板28によって隔離された空域は、前記2つの受水槽26と27とを連通する通水路29として供されるようになっており、この通水路29には、前記斜板28を補強するための補強板30が配設されている。なお、2つの受水槽のうち、船首側の受水槽26は、船尾側の受水槽27よりも大きな内容積を有している。
上記受水槽26,27を形成する隔壁24,25は、その上端が船体20の甲板と同じレベルとなるようにそれぞれの高さが設定されている。また、隔壁24,25の上部には、前記泥倉21の両側の立壁を嵩上げする縁ブロック31と同じ高さを有するメッシュ状のスクリーン32が配設されている。このスクリーン32は、泥倉21内の浮遊物が受水槽26,27へ流出するのを防止する役割をなすものである。
また、上記隔壁24,25のそれぞれには、複数の堰33が設けられている。堰33は、各隔壁24,25の上端側に設置された複数の第1堰33Aと該第1堰33Aより一段低い位置に設置された複数の第2堰33Bとを含んでいる。これら堰33(33A,33B)は、泥倉21内の余剰水を受水槽26,27へ越流させる役割をなすもので、一例として、第1堰33Aは幅500mm程度の大きさに、第2堰33Bは幅300mm程度の大きさにそれぞれ設定されている。
さらに、上記隔壁24,25のそれぞれには、各堰33(33A,33B)の堰高さを可変とする可動シャッタ34が配設されている。可動シャッタ34は、図7に示されるように、堰33として提供される隔壁24,25の開口の両側に配置したコ字形レール35に沿って上下動するようになっている。各可動シャッタ34には、図示を略す巻取手段から滑車36を介して延ばしたロープ37が連結されており、可動シャッタ34は、前記巻取手段によるロープ37の巻取りおよび繰出しに応じて上下動し、堰高さを変更する。なお、可動シャッタ34の高さは、ここでは前記開口の縦方向長さのほぼ半分程度の大きさとなっている。
ここで、土運船2の船首側に設けられた一方の受水槽26には、ポンプ浚渫船1から延ばした2本の排水管40,40の一端部(吸込口)40aが導入されるようになっている。各排水管40は、ポンプ浚渫船1の船体5上に設置され、横梁部を前記受水槽26の上方まで延ばした支持フレーム41、41から垂下するワイヤ42にそれぞれ支持されている。各ワイヤ42は、ポンプ浚渫船1の船体5上に設置したウインチ(図示略)から延ばされており、各排水管40の吸込口40aは、前記ウインチによるワイヤ42の操作で、受水槽26内の適当高さに位置決めされる。一方、ポンプ浚渫船1側において、2本の排水管40,40は、排水ポンプ43,43を経てラダー3に沿ってその先端部まで延ばされている。ラダー3の先端部には、前記カッター8の上方を覆うようにカバー44が取付けられており、各排水管40の他端部(排水口)は前記カバー44に接続されている。すなわち、土運船2の船首側の受水槽26内の余剰水は、排水ポンプ43の運転により2本の排水管40,40を通じてラダー3の先端の土砂吸込口12aの近傍に還流されるようになっている。
本実施形態において、上記ポンプ浚渫船1の船体5上の操船室50の屋根には、2つのGPSアンテナ51,52と1つのデータ受信アンテナ53とが設けられている。一方、操船室50内には、図8に示されるように、各GPSアンテナ51,52を経てGPS信号を受信する2台のGPS受信機54,55と、前記データ受信アンテナ53を経て、図示を略す基準局から補正信号を受信するデータ受信機56とを含む受信装置57が設置されている。操船室50内にはまた、前記受信装置57、ラダー3の傾斜角度を計測する傾斜角度計58、潮位計59および後述の地層探査機60からデータを取込んで信号処理および画像処理を行い、後述の施工に必要な情報を得る集中管理装置(パソコン)61とこの集中管理装置61で得た情報を画面表示する表示装置(モニタ)62とが設置されている。
上記集中管理装置61は、受信装置57と、前記基準局と複数の衛星(図示略)と共にGPS測位システムを構成し、ここでは、該GPS測位システムによってポンプ浚渫船1の船位置と船向とが求められるようになっている。集中管理装置61はまた、傾斜角度計58からラダー3の傾斜角度データを取込みかつ潮位計59から潮位データを取込むことで、ラダー3の先端のカッター8の位置を演算する機能を有している。なお、これら集中管理装置61、受信装置57、傾斜角度計58、潮位計59、地層探査機60等は施工管理システムを構成する。
一方、地層探査機60は、超音波を利用して海底地層を探査する機能を有するもので、ここでは、図9に示されるように専用の地層探査船63に搭載されている。地層探査機60は、超音波を送波する送波器64と超音波を受波する受波器65とを備えており、これら送波器64および受波器65は、地層探査船63の左右舷側に下向きに取付けられている。地層探査船63は、GPSアンテナ、GPS受信機等、GPS測位システムに必要な機器を備えており、地層探査機60を作動させながら地層探査船63を浚渫領域の海上で往行させることで、浚渫領域の海底地層を把握できる。
上記集中管理装置61は、受信装置57からポンプ浚渫船1の船位置および船向情報を、傾斜角度計58からラダー3の先端位置情報を、潮位計59から潮位情報を、地層探査機60から海底地層情報をそれぞれ取込んでデータ処理および画像処理を行い、図10に示すように浚渫作業に必要な情報を表示装置62へ送出する。表示装置62は、ポンプ浚渫船1および浚渫範囲Sをリアルタイムに画像表示する船情報領域A,ラダー3の先端のカッター8の位置(軌跡)Pを、次に浚渫すべき浚渫ライン上における海底地層断面G1、G2、設計浚渫ラインL1および層別浚渫ラインL2に重ねてリアルタイムに画像表示する作業領域B、各種データを文字表示するデータ領域Cとを備えている。本実施形態は、例えば、上側の砂層G1と下側の粘土層G2(図2)とを層別に浚渫するようにしており、前記層別浚渫ラインL2は、一例として粘土層G2の上面よりも20〜40cm程度上位に設定される。なお、表示装置62内の画面は所定時間ごと(例えば、1〜3秒ごと)に更新される。
以下、上記のように構成した浚渫装置を用いて行うポンプ浚渫方法について説明する。
本実施形態において、ポンプ浚渫船1の操船方式は任意であり、スパッド4を中心に船体5を揺動(スイング)させるスパッド方式を採用しても、クリスマスツリー状にアンカリングしたワイヤ操作で船体5をスイングさせるクリスマスツリー方式を採用してもよい。何れの操船方式においても、予めウインチ23によるワイヤ操作でポンプ浚渫船1に対して土運船2を連結し、両者を一体化する(図1)。そして先ず、前記したGPS受信機54,55およびデータ受信機56(図8)を含むGPS測位システムを利用して、ポンプ浚渫船1を浚渫範囲Sに対する所定位置に位置決めし、当該位置でラダー3を揺動させて、その先端のカッター8を海底に着底させる。
浚渫範囲Sの海底地層は、上記地層探査機60を搭載した地層探査船63(図9)による事前の探査で把握されており、操船室50内の表示装置62には、図10に示したように、前記事前探査で得られた海底地層断面G1,G2や設計浚渫ラインL1、層別浚渫ラインL2、ラダー3の先端のカッター8の位置Pなどを含む必要な情報が表示されている。ポンプ浚渫船1の操船者は、この表示装置62に表示された画面を見ながら、船体5をスイングさせると共に、ラダー3の先端のカッター8位置を変位(ラダー操作)させ、該カッター8を所定の層別浚渫ラインL2上を移動させる。このとき、操船者は、カッター8の軌跡Pを見ながら必要な操作を行い、先ず、上側の砂層G1(図2)をカッター8により掘削する。
一方、上記したカッター8による掘削に合せて、浚渫ポンプ13の運転が開始されており、カッター8により掘削された砂は水と一緒にラダー内管12内に吸込まれる。このとき、カッター8のブレード8aの相互間にメッシュ状スクリーン11(図2)が張設されているので、誤って土塊がラダー内管12に吸込まれることはない。そして、ラダー内管12に吸込まれた、水を含む砂(以下、単に浚渫土砂という)は、ローディング装置14の揺動管15に圧送され、さらに揺動管15の先端の撒管16から土運船2の泥倉21内へ放出される。
土運船2に対する浚渫土砂の放出に際しては、最初に撒管16を泥倉21内の深い位置に位置決めし、浚渫土砂の放出量の増加に応じてローディング装置14の揺動管15を上方へ揺動させ、該撒管16の位置を次第に上昇させる。この場合、揺動管15の上方への揺動に応じて、撒管16はポンプ浚渫船1に近い側から遠ざかる側へ次第に変位し、泥倉21内の広い範囲に浚渫土砂が放出される。ところで、泥倉21内の水位が隔壁24、25に設けた第2堰33Bに到達するまでは、泥倉21内に渦流が発生し、砂が湧き上って泥倉21内は不安定な状態となっている。しかし、泥倉21内の水位が第2堰33Bを超えると、泥倉21内の余剰水が該第2堰33Bを越流して船首側および船尾側の受水層26,27内に流入する。すると、泥倉21内に船首側および船尾側へ向う余剰水の流れが生じ、この流れによって砂が沈静化し、その沈降が急速に進む。
本実施形態においては、泥倉21内の水位に応じて第2堰33B内の可動シャッタ34を上昇端から下降端へ移動させる(図6、7)。すると、第2堰33Bの堰高さが高位に変更され、これにより泥倉21内の余剰水はこの高位の第2堰33Bを越流する。その後、余剰水の越流は第1堰33A側へ移り、第1堰33A側においても、泥倉21内の水位に応じて可動シャッタ34が上昇端から下後端へ移動させられる。これによって泥倉21内から受水槽26,27への余剰水の越流が継続的に起こり、この間、泥倉21内には、砂がほぼ均等に堆積する。本実施形態においては特に、複数の堰33に高低差(第1堰33A、第2堰33B)を付けたので、泥倉21内の水位の低い段階から越流が起こり、この結果、泥倉21内の砂は早期に沈静化し、砂の堆積厚さはより一層平均化する。なお、泥倉21内の砂の堆積量が第2堰33Bの堰高さを超える場合には、第2堰33Bが砂によって閉塞されるので、泥倉21内の砂が受水槽26,27側へ流出することはない。
一方、泥倉21からの越流により、受水槽26,27内の水位が次第に高くなる。本実施形態においては、船首側の受水槽26の水位が適当な高さとなった時点で、2台の排水ポンプ43を作動させる。すると、受水槽26内の余剰水(濁水)は、2本の排水管40,40に吸込まれてラダー3の先端に圧送され、ラダー3の先端のカバー44の内側に放出される。カバー44は、図2に示されるように、カッター8の上方を囲むように設けられており、前記カバー44の内側に放出された濁水は、カッター8により掘削された砂と一緒に土砂吸込口12aからラダー内管12内に吸込まれ、再びローディング装置14の先端の撒管16から土運船2の泥倉21内に放出される。そして、泥倉21内に放出された泥水は、堰33を越流して受水槽26,27内に還流して、再びラダー3の先端の土砂吸込口12aの近傍に圧送され、これによって土運船2の周辺海域に濁水が放出されることはなくなり、周辺環境が改善される。
ところで、船首側の受水槽26と船尾側の受水槽7とは通水路29により連通されており、船尾側の受水槽27に越流した余剰水は。船首側の受水槽26へ流動した後、ラダー3の先端側へ還流されることになる。この場合、船尾側の受水槽27から船首側の受水槽26へ流動する余剰水には、通水路29から流動抵抗が作用するため、排水ポンプ43により直接排水される船首側の受水槽26内の水位低下に比して、船尾側の受水槽27内の水位低下に遅滞が生じ、場合によっては船尾側の受水槽27から濁水が周辺へ溢れ出る危険がある。そこで、本実施形態においては、適当なタイミングで、撒管16の両端の土砂排出口16a,16bのうち、船首側に対向する側の土砂排出口16a内の流量制御弁18(図3)を大きく開弁すると共に、船尾側に対向する側の土砂排出口16b内の流量制御弁18を絞るようにする。すると、撒管16から船首側へ放出される浚渫土砂の勢力が増し、泥倉21内には、主として船首側へ向かう余剰水の流れが生じる。これにより、船首側の受水槽26に対する越流量が船尾側の受水槽27対する越流量よりも増し、この結果、前記した船尾側の受水槽27から不用意に濁水が溢れ出ることはなくなる。
このようにして所定の浚渫範囲S(図10)の砂層G1の浚渫を終えたら、ポンプ浚渫船1から土運船2を切離し、これと交代に新たな土運船2をポンプ浚渫船1に接舷する。その後は、上記砂層G1の浚渫におけると同様の手順で、表示装置62の画面上のカッター8の軌跡Pを確認しながら、該カッター8を設計浚渫ラインL1に沿って移動させる。すると、粘土層G2がカッター8により掘削され、この掘削された粘土が海水と一緒にラダー内管12に吸込まれ、ローディング装置14の先端の撒管16から土運船2の泥倉21へ放出される。その後の浚渫過程も、砂層G1に対する場合と同様であり、泥倉21内の余剰水(濁水)をラダー3の先端の土砂吸込口12a近傍に還流させなら粘土層G2の浚渫が進み、設計浚渫ラインL1に沿った浚渫が完了する。このように層別に浚渫を行う場合は、砂と粘土とを別々に採取して、それぞれを用途別に再利用することができ、資源の有効利用の面で極めて有用となる。本実施形態においては特に、砂層G1の層別浚渫ラインL2を粘土層G2の上面よりも20〜40cm上位に設定するので、粘土混入のない純度の高い砂を採取でき、その利用価値はより一層高まる。
なお、上記実施形態においては、超音波を送受波する地層探査機60を搭載した地層探査船63により海底地層を事前に調査するようにしたが、この海底地層の調査は、事前のボーリングによって行っても、あるいは前記地層探査船とボーリングとの併用により行ってもよいものである。
また、上記実施形態においては、土運船2の船首側および船尾側の双方に設けた受水槽26と27とを通水路29により連通し、船首側の受水層26から余剰水(濁水)を排水するようにしたが、本発明は、前記2つの受水槽26と27とを各独立させて、それぞれから余剰水を排水するようにしてもよいものである。この場合は、当然に各受水槽26,27に対して専用の排水管40を用意する。また、上記実施形態においては、隔壁24,25に堰33を設けて、堰33から余剰水を越流させるようにしたが、この堰33は省略してもよいもので、この場合は、隔壁24,25の上端を余剰水が越流することになる。
1 ポンプ浚渫船
2 土運船
3 ラダー
8 カッター
12 ラダー内管
40 排水管
60 地層探査機
61 地層探査船
62 表示装置(モニタ)
2 土運船
3 ラダー
8 カッター
12 ラダー内管
40 排水管
60 地層探査機
61 地層探査船
62 表示装置(モニタ)
Claims (5)
- 船体から水底にラダーを延ばし、船体をスイングさせながら前記ラダー先端のカッターにより土砂を掘削し、この掘削した土砂をラダー内管を通じて船体上へ吸上げるポンプ浚渫方法において、事前に調査した水底地層データに基づいて地層別に浚渫を行うことを特徴とするポンプ浚渫方法。
- 超音波を送受波する地層探査機を搭載した地層探査船により水底地層を事前に調査することを特徴とする請求項1に記載のポンプ浚渫方法。
- ラダー先端のカッター位置を、水底地層断面、設計浚渫ラインおよび層別浚渫ラインに重ねてリアルタイムに画面表示し、該画面を確認しながら操船並びにラダー操作を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のポンプ浚渫方法。
- 上側の砂層と下側の粘土層とに別けて浚渫を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のポンプ浚渫方法。
- 砂層の層別浚渫ラインを粘土層の上面よりも20〜40cm上位に設定することを特徴とする請求項4に記載のポンプ浚渫方法。
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