JP2007070680A - カチオン電着塗装方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、従来処理の後廃棄していた極液の再利用を目的とする。
【解決手段】 カチオン電着塗装時に陽極付近に存在するイオン交換膜から成る隔膜を通過することによって形成された中和酸イオンを含む極液の少なくとも一部を電着塗料浴に戻すことを特徴とするカチオン電着塗装方法。
【選択図】図1
【解決手段】 カチオン電着塗装時に陽極付近に存在するイオン交換膜から成る隔膜を通過することによって形成された中和酸イオンを含む極液の少なくとも一部を電着塗料浴に戻すことを特徴とするカチオン電着塗装方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、カチオン電着塗装方法、特に電着浴の陽極付近に形成される中和酸イオンを含む極液を電着塗料浴に戻すことを特徴とするカチオン電着塗装方法に関する。
自動車のボディーや部品などは、防錆の観点から、電着塗装により塗装されている。もっとも一般に行われている電着塗装は、被塗物をマイナス極として、塗装するカチオン電着塗装方法である。カチオン電着塗料に用いる塗料は、塩基性樹脂(例えば、アミン変性エポキシ樹脂)を中和剤である有機酸によって中和し、水溶化あるいはエマルジョン化したものを用いる。
図2には、カチオン電着塗装を行う際に、電着槽20から過剰の中和酸を排出するシステムを持つ装置構成の概略が示されている。
図2に示すように、電着槽20内には、荷電された塗料粒子と対極に荷電される被塗物200と、塗料粒子と同極の電極24とが、電着液内に浸漬するように配置されている。更に、電着槽20内には、電極24を囲むように隔膜室22が設けられ、隔膜室22には、電着槽20内に貯留されている電着液から塗料を除く雑イオン等のみを透過させる隔膜が設けられている。
また、被塗物200と電極24とは、それぞれサイリスタ170に電気的に接続され、被塗物200は陰極に、一方電極24は陽極になるように直流電流が流される。
電着槽20内に蓄積される一定濃度以上の中和酸イオンを除去することによって、電着が促進される。そこで、図3に示すように、例えばイオン交換膜からなる隔膜26を介して過剰中和酸イオンを選択的に隔膜室22に導入し、この過剰中和酸イオン等含有隔膜液(以下「極液」という)を極液槽30に送液する。
極液槽30の極液は純水を添加して希釈し、必要に応じてポンプ162を介して配管36を経て隔膜室22に戻す場合もあるが、多くは廃棄処理されていた。極液は、これを排出するためには、一定の排出基準を満たさなければならず、その処理に大きなコストがかかる。
特許文献1(特開2002−35746号公報)には、極液を吸着工程に戻した後それを雑イオン水として極液槽に注入する方法が記載されている。この方法は、極液の電気電導度に応じて、吸着工程を経て雑イオン水を形成するものであり、極液を再利用するという点では優れている。しかしながら、この吸着工程で処理できる液量は、必ずしも多くなく、やはり極液の多くの部分は廃棄処理に付さなければならなかった。
特許文献2(特開平5−117899号公報)には、カチオン電着塗料中の有機酸の取り次ぎに注目して、そのバランスを保つために、電着塗料を限外濾過し、限外濾過装置から得られた濾液を極液として供給する方法が開示されている。この方法は、電着塗料中の有機酸の量に注目した発明であるが、純水に近い限外濾液を極液に添加するのみであって、極液の過剰分はすべて廃棄処理にされるのであって、その処理に多大な費用がかかる点は全く解決されていない。
特開2002−35746号公報
特開平5−117899号公報
カチオン電着塗装では、電着塗料浴から酸がかなりの量で消費されていくのに対し、従来ではその酸は新しい酸を電着塗料浴に添加することにより解決していたのであるが、本発明では廃棄していた酸性液の利用を試みた。
すなわち、本発明はカチオン電着塗装時に陽極付近に存在するイオン交換膜から成る隔膜を通過することによって形成された中和酸イオンを含む極液の少なくとも一部を電着塗料浴に戻すことを特徴とするカチオン電着塗装方法を提供する。
上記電着塗料浴に戻す極液の量は、電着塗料浴の液面減少量と同じか又はそれ以下であり得る。
電着塗料浴の液面減少量は、通常イオン交換水と中和酸で補給されるが、その中和酸の一部として極液を用いるのが好ましい。
本発明は、また、カチオン電着塗装時にカチオン電着塗料から消失する中和酸を補給するに際し、新鮮な中和酸と共にカチオン電着塗装時に陽極付近に生ずる中和酸イオンを含む極液を、中和酸の補給量の15〜28重量%にあたる量で用いることを特徴とするカチオン電着塗料浴への中和酸の補給方法を提供する。
本発明では、従来そのまま廃棄されあるいは廃棄処理をされた後、廃棄されていた極液の一部をそのままなんら処理を施こさず、電着塗料浴中に戻して、その酸性を利用して中和酸として利用するものであり、廃棄にかかる処理コストが大きく減少する。従来極液の一部は処理を施して廃棄していたのを処理を施さずに電着浴に戻すのであるので、その点で大きく改善されるものである。
本発明を図面を用いてさらに詳細に説明する。
図1には、本発明に基づく処理方法を模式的に示した図である。
図1には、本発明に基づく処理方法を模式的に示した図である。
図1は、前述のように、図3と多くの点で同じであるが、若干説明する。カチオン電着塗料は、水に分散しているので、粒子形状を有しており、プラス(+)に帯電している。その対極(A−)として酸が使用されている。カチオン電着塗料中には、他にマイナス(−)に帯電している雑イオン(I−)も存在する。被塗物を陰極とし、電極を陽極として通電すると電気泳動により、プラスに帯電している塗料粒子は被塗物200の表面に沈着し、マイナス(−)に帯電しているA−とI−は陽極に移動する。その際、イオン交換膜である隔膜26を通過して、過剰中和酸イオン(一般に酢酸イオン)が選択的に隔膜室22に移動する。隔膜室22内の酸性液は過剰中和イオン等含有隔膜液(極液と呼ばれる)である。
従来技術では、極液は極液槽30に送液され、そのまま適当な処理を施して廃棄される。また、図2および図3に示されているように、一部が純水で希釈されて、ポンプ162を介して隔膜室22に戻されることもある。
本発明では、図1に示されるように、極液槽30の極液の一部は、純水などで希釈処理されずにそのまま電着塗料に戻されることを特徴としている。極液は、塗料や装置などにより違いはあるが、所定の酸濃度に保たれている。この酸を電着塗料中に戻して中和酸として利用するので、添加する酸の量が減少するとともに、廃棄される極液の量が減少する利点を有している。
極液の酸の濃度は、塗料の種類や装置の種類等で変化し得るが、一般に電導度300〜900μS/cm、好ましくは500〜700μS/cmに維持される。これは規定濃度で0.02〜0.25N、好ましくは0.07〜0.10Nである。中和酸が酢酸である一般的なカチオン電着塗料の場合は、電導度600μS/cmで0.07Nである。
電着塗料浴には、電着塗装で持ち出される固形分を補給するために、新しい電着塗料を添加している。電着塗装では、電着塗料の補給だけでは、水分の蒸発や酸の極液としての持ち出し等で電着浴の液面が下がるので、従来はイオン交換水と新鮮な中和酸とを補給していた。本発明では、上記補給イオン交換水と中和酸の一部としてまたは代わりに、極液を利用するのである。
液面の減少量は、塗装装置の規模、周囲温度、湿度などにより大きく変化し一定ではない。例えば、1日1000台の自動車用ボディーを電着塗装すると、極液として0.07N(600μS/cm)の液体が約8t排出される。そのような電着浴は、液量の減少は前述のようにいろんな要因で変化するが、だいたい平均1日約1.5tであるので、極液の電着浴への補給水としての利用は、最大でも1.5tである。従って、廃棄する極液量は8t−1.5t=6.5tになり、最大で約18.8%の廃棄極液を減少することができる。
これは一例に過ぎず、一般化すると、最大で約25%程度の極液の廃棄量が減らせる。好ましくは10〜20%、より好ましくは10〜18%の極液の廃棄量が削減でき、極液の処理コストがその分だけ低減できる。
次に、使用する酸の量の変化をみる。上述の例の電着浴では、従来の新鮮な酸の補給量は、1日あたり1000台塗装で、68%の酢酸溶液として約36kgである。一方、1.5tの補給水中の酸の量は、0.07規定であるので、1500kg×0.07×60/1000=6.3kg(酸の量)である。これを68%の酸溶液に換算すると6.3kg×1/0.68=9.2kg(酸溶液の量)である。したがって、酢酸溶液として約36kg補給しているうちの9.2kg(25.6%)が極液を利用することで減少させることができる。これを一般化すると、最大で約30%の酸の補給を極液に変更することができる。好ましくは、補給酸の15〜28%、より好ましくは17〜25%を減少させることができる。
上記内容は、一例として計算したものに過ぎないが、本発明の極液を電着浴の酸補給液として利用することにより、酸の使用量を減少し、極液の廃棄量を減少することができるのである。
20…電着槽、22…隔膜室、24…電極、26…隔膜、30…極液槽、170…サイリスタ、200…被塗物。
Claims (4)
- カチオン電着塗装時に陽極付近に存在するイオン交換膜から成る隔膜を通過することによって形成された中和酸イオンを含む極液の少なくとも一部を電着塗料浴に戻すことを特徴とするカチオン電着塗装方法。
- 電着塗料浴に戻す極液の量が、電着塗料浴の液面減少量と同じか又はそれ以下である請求項1記載のカチオン電着塗装方法。
- 電着塗料浴の液面減少量が、イオン交換水と中和酸の添加により補給され、中和酸の一部として中和酸イオンを含む極液を利用する請求項2記載のカチオン電着塗装方法。
- カチオン電着塗装時にカチオン電着塗料から消失する中和酸を補給するに際し、新鮮な中和酸と共にカチオン電着塗装時に陽極付近に生ずる中和酸イオンを含む極液を、中和酸の補給量の15〜28重量%にあたる量で用いることを特徴とするカチオン電着塗料浴への中和酸の補給方法。
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JP2005258152A JP2007070680A (ja) | 2005-09-06 | 2005-09-06 | カチオン電着塗装方法 |
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