JP2007070287A - 化粧料 - Google Patents

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JP2007070287A JP2005259088A JP2005259088A JP2007070287A JP 2007070287 A JP2007070287 A JP 2007070287A JP 2005259088 A JP2005259088 A JP 2005259088A JP 2005259088 A JP2005259088 A JP 2005259088A JP 2007070287 A JP2007070287 A JP 2007070287A
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敦 曽我部
Isamu Kaneda
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Abstract

【課題】 末端ビニルベンジル型ポリエチレンオキサイド(またはポリジメチルシロキサン)と、末端(メタ)アクリル型ポリジメチルシロキサン(またはポリエチレンオキサイド)とを共重合して得られる共重合体を含有する化粧料及び該共重合体により表面処理した粉末を含有する化粧料を提供すること。
【解決手段】 末端ビニルベンジル型ポリエチレンオキサイド(またはポリジメチルシロキサン)と、末端(メタ)アクリル型ポリジメチルシロキサン(またはポリエチレンオキサイド)とを共重合して得られる共重合体を含有することを特徴とする化粧料である。
【選択図】 図3

Description

本発明は特定の共重合体を含有する化粧料に関する。さらに詳しくは、親水性マクロモノマーと疎水性マクロモノマーからなる共重合体であって、該共重合体を化粧料の乳化剤若しくは化粧料用粉末の表面処理剤として利用して、油分特にシリコーン油を安定に乳化できる化粧料若しくは粉末を安定に分散できる化粧料に関する。
乳化剤若しくは分散剤に利用されるポリマーとしては、両親媒性ポリマーが挙げられる。両親媒性ポリマーの一般的な構造としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。
ランダム共重合体は、親水性モノマーと疎水性モノマーの配列が制御されておらず、ポリマー鎖の界面に対する吸着効率が悪い。これに対して、ブロック共重合体は、親水性モノマーと疎水性モノマーが規則的に配列しており、ポリマー鎖の界面への吸着効果が優れている。しかしながら各セグメントが大きな分子量を有しているために、ポリマー鎖が密に吸着することができず、結果、満足する吸着能が得られていない。
上記の観点から、末端ビニルベンジル型ポリスチレンと、末端メタクリル型ポリエチレンオキサイドとからなるブラシ状両親媒性交互共重合体が開発されている。(非特許文献1及び非特許文献2参照)。これは、末端ビニルベンジル型ポリスチレン(PS−VBと略す)末端メタクリロイル型ポリエチレンオキサイド(PEO−MCと略す)とを共重合するにあたって、種々の条件が検討された結果、この重合系においてSnCl4を添加すると、PEO−MC/SnCl4からなる錯体が形成されて、PS−VBとの交互共重合体が得られることが見出されたものである。この交互共重合体においては、PS−VBがドナー、PEO−MC/SnCl4がアクセプターとなる1対1の電荷移動錯体が形成され、両者の1対1の電荷移動錯体の単独重合が起こっていると予想される。PS−VBとPEO−MCとからなる両親媒性交互共重合体は、主鎖に対して、高密度かつ互いに相溶しない側鎖を有しており、高アスペクト比のブラシ状構造をとる。そして、界面で両親媒側鎖が互い違いに配向するために、吸着能に優れ、また吸着密度も優れている。
また、ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドとを交互に側鎖に有する両親媒性ブラシ状交互共重合体は特許文献1にも開示されている。
K. Ishizu, X.X. Shen and K. Tsubaki, polymer,41 2053(2000) K. Tsubaki, H. Kobayashi, J. Satoh and K. Ishizu, J. Colloid Interface Sci., 241,275(2001) 特開2004−346211号公報
しかしながら、ポリスチレンとポリエチレンオキサイドをそれぞれ交互に側鎖に有する上記ブラシ状交互共重合体は、有機溶媒を分散媒とする乳化能や分散能に優れているものの、化粧品や医薬品等で汎用される油(特にシリコーン油)への応用が困難であり、十分な機能が発揮されず、乳化化粧料や粉末を分散した化粧料を製造することは困難であった。
本発明の目的は、ポリエチレンオキサイドとポリジメチルシロキサンとを交互に側鎖に有する両親媒性ブラシ状交互共重合体を用いて、油分特にシリコーン油分を安定に乳化できる化粧料若しくは粉末の表面を被覆することで安定に粉末を分散できる化粧料を提供することである。
すなわち、本発明は、末端ビニルベンジル型ポリエチレンオキサイド(またはポリジメチルシロキサン)と、末端(メタ)アクリル型ポリジメチルシロキサン(またはポリエチレンオキサイド)とを共重合して得られる共重合体を含有することを特徴とする化粧料を提供するものである。
また、本発明は、前記共重合体が、下記繰り返し単位(1)を有することを特徴とする上記の化粧料を提供するものである。
(1)
Figure 2007070287
m、nは1〜100の数である。R1、R2は同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素または炭素原子数1〜13の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。R3は、炭素原子数1〜13の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表す。
さらに、本発明は、前記共重合体の重量平均分子量が100000〜10000000であることを特徴とする上記の化粧料を提供するものである。
また、本発明は、前記共重合体が、末端ビニルベンジル型ポリエチレンオキサイド(またはポリジメチルシロキサン)と、末端(メタ)アクリル型ポリジメチルシロキサン(またはポリエチレンオキサイド)とを交互共重合して得られる交互共重合体であることを特徴とする上記の化粧料を提供するものである。
さらに、本発明は、前記共重合体が末端(メタ)アクリル型ポリエチレンオキサイド(またはポリジメチルシロキサン)がルイス酸と電荷移動錯体を形成して、末端ビニルベンジル型ポリジメチルシロキサン(またはポリエチレンオキサイド)と1対1のコンプレックスを形成し、開始剤の存在下にて溶媒中でラジカル重合して得られることを特徴とする上記の化粧料を提供するものである。
また、本発明は、前記ルイス酸が、SnCl4またはZnCl2であることを特徴とする上記の化粧料を提供するものである。
さらに、本発明は、さらにシリコーン油分を含有することを特徴とし、前記化粧料が乳化組成物であることを特徴とする上記の化粧料を提供するものである。
また、本発明は、前記共重合体を粉末の表面処理剤として含有することを特徴とする上記の化粧料を提供するものである。
本発明は、末端ビニルベンジル型ポリエチレンオキサイド(またはポリジメチルシロキサン)と、末端(メタ)アクリル型ポリジメチルシロキサン(またはポリエチレンオキサイド)とを共重合して得られるブラシ状共重合体を用いて、化粧品や医薬品で汎用される油(特に好ましくはシリコーン油)を安定に乳化できる化粧料を提供できる。すなわち、この共重合体は優れた化粧料用乳化剤として利用され、実質的に界面活性剤やその他の乳化剤を使用せずに、安定に乳化した乳化化粧料を製造できる。
また、化粧料に配合する粉末をこの共重合体によって表面処理することによって、油中に(特に好ましくはシリコーン油中に)良好に分散できる化粧料を提供できる。すなわち、この交互共重合体は化粧料用粉末分散剤として利用され、表面処理を行い、粉末表面を該共重合体で被覆することによって、安定に粉末が分散可能な化粧料を製造できる。
本発明で用いる共重合体は、ポリエチレンオキサイドとポリジメチルシロキサンの側鎖を交互に有する両親媒性交互共重合体が好ましい。この交互共重合体は、スチレンとメタクリル酸エステルから由来する交互共重合体を基本骨格とする主鎖に対して、ポリエチレンオキサイドとポリジメチルシロキサンの側鎖を、交互に(主鎖の炭素の一つおきに)有する、新規な両親媒性交互共重合体である。したがって、高密度に親水性と疎水性のグラフト側鎖が存在し、剛直なシリンダー状の構造(ロッド)を形成しやすい。また重量平均分子量が100000〜10000000の交互共重合体が容易に重合され、重合度の観点からもブラシ状構造を形成しやすい。そして、この交互共重合体は、主鎖に高密度にかつ互いに相溶しないポリマー側鎖を有しているため、化粧品や医薬品で汎用される油特にシリコーン油を安定に微細に乳化することに適している。
以下、本発明について詳述する。
一般にブラシ状重合体とは、主鎖に対して高密度グラフト側鎖を有するポリマーが、両溶媒中で側鎖の排除体積効果により、主鎖が主軸方向に伸びきり状態になり、剛直なシリンダー状の構造を形成する重合体を意味する。
特に、モノマーにマクロモノマーを用いると、高密度でかつ、大きな排除体積効果が期待され、シリンダー状構造をとりやすい。また重合体の分子量は、構造に関係があり、重合度が小さい場合には、シリンダー状とはならず、球状もしくはラグビーボール状といった楕円体になるために、ブラシ状になるためには、大きな重合度が必要である。
本発明に用いる共重合体は、好ましくは、スチレンとMMAから由来する構造の交互共重合体を基本骨格とする主鎖に対して、交互に(主鎖の炭素1つおきに)、ポリエチレンオキサイドとポリジメチルシロキサンの側鎖を有する新規な両親媒性交互共重合体である。したがって、極めて高密度に親水性と疎水性のグラフト側鎖が存在するため、ブラシ状共重合体と言え、剛直なシリンダー状の構造(ロッド)を形成しやすい。また、重量平均分子量は100000〜10000000の交互共重合体が容易に重合され、重合度の観点からもブラシ状構造を形成しやすい。
本発明において、末端ビニルベンジル型ポリエチレンオキサイド(またはポリジメチルシロキサン)(PEO−VBと略す)とは、下記の式(2)を基本構造とするビニルベンジル型ビニルモノマーである。末端ビニルベンジル型ポリエチレンオキサイド(またはポリジメチルシロキサン)とは、末端ビニルベンジル型ポリエチレンオキサイドまたは末端ビニルベンジル型ポリジメチルシロキサンのいずれかを意味するものとする。
交互共重合体が重合される限り、式(2)の炭素には任意の置換基が置換していてもかまわない。
(2)
Figure 2007070287
Xは重合度及び末端構造が任意のポリエチレンオキサイド(またはポリジメチルシロキサン)からなる側鎖である。例えば、重合度1〜100で、OH、アルキルエーテル末端のポリエチレンオキサイド(またはポリジメチルシロキサン)からなる。
好ましくは、PEO−VBは重合度が20〜100のマクロモノマーである。
好ましいXは下記である。
Figure 2007070287
m、nは1〜100の数である。R1、R2は同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素または炭素原子数1〜13の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。R3は、炭素原子数1〜13の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表す。
1、R2、R3は本発明の共重合体では重要な因子ではないが、末端のR1及びR2(アルキル基)は、メチル、エチル、ブチル、プロピル等が好ましい。R3(アルキレン基)は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン等が好ましい。
PEO−VBは、市販の任意の分子量を有するポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、または片末端OHのポリジメチルシロキサンを、トルエン中でNaHによりアルコキシ化した後、市販のp−クロロメチルスチレンと常法により反応させて得られる。具体的には、市販の任意の分子量を有するポリエチレングリコールモノメチルエーテルをベンゼンで凍結乾燥後、窒素雰囲気下で脱水THF溶媒を加え、5倍量のNaHを加えアルコキシ化した後、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル/THF溶液とし、2倍量のp−クロロメチルスチレンを加え、反応を行う。生成したナトリウム塩を、ろ過で除去し、ろ液をエバポレーションして濃縮し、ベンゼンを加える。さらに生成したナトリウム塩をろ過で除去し、ろ液にヘキサンを滴下して、ポリマーを沈殿させ、精製した。なお、市販のポリエチレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル末端は、メチルラウリル、オレイル、ミリスチル等がある。任意の分子量及びアルキル末端を有するポリエチレングリコールモノアルキルエーテルまたは片末端OHのポリジメチルシロキサンを常法により製造して、任意のPEO−VBが得られる。
本発明において、末端(メタ)アクリル型ポリジメチルシロキサン(またはポリエチレンオキサイド)とは、下記の式(3)を基本構造とする(メタ)アクリル型ビニルモノマーである。
本発明において、末端(メタ)アルキル型ポリジメチルシロキサン(またはポリエチレンオキサイド)(Si−MCと略す)とは、末端(メタ)アクリル型ポリジメチルシロキサンまたは末端(メタ)アクリル型ポリエチレンオキサイドを意味する。ただし、前記PEO−VBが末端ビニルベンジル型ポリエチレンオキサイドの場合には末端(メタ)アクリル型ポリジメチルシロキサンを意味し、また、前記PEO−VBが末端ビニルベンジル型ポリジメチルシロキサンの場合には、末端(メタ)アクリル型ポリエチレンオキサイドを意味するものとする。
また、(メタ)アクリル型とは、メタクリル型またはアクリル型を意味し、アクリル型の場合には、式(3)中のメチルは水素である。メタクリル型が望ましい。
本発明の交互共重合体が重合される限り、式(3)の炭素には各種の置換基が置換していてもかまわない。
(3)
Figure 2007070287
Yは重合度及び末端構造が任意のポリジメチルシロキサン(またはポリエチレンオキサイド)からなる側鎖である。例えば、重合度1〜100で、OH、アルキルエーテル末端のポリジメチルシロキサン(またはポリエチレンオキサイド)からなる。
好ましくは、Si−MCは重合度が20〜100のマクロモノマーである。
好ましいYは下記である。
Figure 2007070287
m、nは1〜100の数である。R1、R2は同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素または炭素原子数1〜13の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。R3は、炭素原子数1〜13の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表す。
1、R2、R3は本発明の共重合体では重要な因子ではないが、末端のR1及びR2(アルキル基)は、メチル、エチル、ブチル、プロピル等が好ましい。R3(アルキレン基)は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン等が好ましい。
なお、前記PEO−VBのX中のR1、R2、R3と同じである必要はない。
Si−MCは、市販の任意の分子量を市販の任意の分子量を有する片末端OHのポリジメチルシロキサンまたはポリエチレングリコールモノアルキルエーテルとメタクリルイルクロライド(又はアクリロイルクロライド)とをTHF中で、トリエチルアミンを添加剤として常法により、反応させて得られる。具体的には、市販の任意の分子量を有する片末端OHのポリジメチルシロキサンを真空中で脱水THF溶媒を加え、5倍量のメタクリロイルクロライドを加え、添加剤としてトリエチルアミンを加えて反応を行う。生成物をヘキサンで沈殿させ、乾燥させた後、THFに再溶解させ、ヘキサンで沈殿、乾燥させて精製する。任意の分子量及びアルキル末端を有するポリエチレングリコールモノアルキルエーテルまたは片末端OHのポリジメチルシロキサンを常法により製造して、任意のSi−MCが得られる。
本発明に用いる両親媒性交互共重合体は、PEO−VBを電荷移動錯体のアクセプターとして機能させるために、ルイス酸を添加することが必要である。ルイス酸は、(メタ)アクリルのエステル部分と錯体を形成し、ビニル部分の電子密度を低下させる。これによって、アクセプターとしての機能が高まる。本発明においては、特にSnCl4またはZnCl2を用いることが好ましい。PEO−VBはドナーとして機能し、PEO−VBとSi−MC/ルイス酸とのコンプレックスを形成して重合が進行し、PEO−VBとSi−MCとの交互共重合体が生成する。コンプレックスの模式図を図1に示す。
重合溶媒は、PEO−VBとSi−MC/ルイス酸とのコンプレックス形成を阻害しなければ、特に限定されない。例えば、マクロモノマー(2)とルイス酸との錯体形成、またマクロモノマー(1)とマクロモノマー(2)/ルイス酸のコンプレックス形成を阻害しなければ特に限定されない。例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフランなどのエーテル系化合物類を使用する。
重合開始は、ラジカル重合を開始する能力があれば特に限定されない。例えば、フリーラジカル重合の開始剤であるアゾイソブチロニトニル、過酸化ベンゾイル、リビングラジカル重合であれば、開始種であるN,N−ジエチルジチオカルバメート基、1,1,2,2−テトラフェニルエタン誘導体、ハロゲン化アルキル基などが挙げられる。
重合温度は、ラジカル重合の開始剤により適宜決定される。例えば、フリーラジカル重合の開始剤であれば、開始剤の10時間半減期付近の温度で行う。アゾビスイソブチロニトリルでは、40〜80℃で行う。またリビングラジカル重合の開始種であるN,N−ジエチルジチオカルバメート基であれば、紫外線照射によってラジカルを発生するため、特に制限されない。また、開始種がハロゲン化アルキルで金属錯体によってラジカルが生成される場合においても、重合温度は特に制限されない。開始種が、1,1,2,2−テトラフェニルエタン誘導体である場合には、熱でラジカルが発生するため、50〜150℃で重合を行う。
反応容器は、通常のラジカル重合で使用されるものを用いるが、N,N−ジエチルジチオカルバメート基などの光イニファータ基を開始種に用いた場合は、紫外線照射を用いるために、透明容器を用いる。
重合開始前には、反応系内の酸素を十分に除去することが必要であり、窒素、アルゴンなどの不活性ガスで系内を置換させることが必要である。
重合時間は、1時間から200時間程度を必要とする場合もあり、この範囲内で重合を行う。
重合の停止は、加熱によってラジカルが生成しているのであれば加熱の停止による。紫外線照射によってラジカル生成を起こしているのであれば紫外線照射の停止による。また、金属錯体の添加によってラジカルを生成しているのであれば、金属錯体の除去、もしくは酸素の封入などによる不活性化によって速やかに重合は停止される。また、モノマーを全て重合により消費した場合にも重合は停止される。
ポリマーの精製は、一般的なポリマーの精製方法に従い、貧溶媒による沈殿、透析、重合溶媒の留去などによって行う。
上記の重合により得られる交互共重合体の分子量は、100000〜10000000である。加える重合開始剤量、モノマー濃度、重合時間、重合温度などによって調整される。
なお、重量平均分子量は、静的光散乱測定により求めた数値である。
上記によって得られる両親媒性交互共重合体を構成する好ましい繰り返し単位は下記の式(1)である。
(1)
Figure 2007070287
m、nは1〜100の数である。R1、R2は同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素または炭素原子数1〜13の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。R3は、炭素原子数1〜13の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表す。
本発明に用いる両親媒性交互共重合体は、その特性を実質的に阻害しない限り、他の汎用モノマーがPEO−VBとSi−MCの交互ユニットの間に少量重合されていたり、あるいは、PEO−VBもしくはSi−MCのダイアドやトリアドなどが存在していたりする場合も、本発明に用いる交互共重合体の均等範囲に含まれる。また、交互共重合の主鎖の末端も任意である。
この両親媒性交互共重合体は、主鎖に対して、高密度かつ互いに相溶しない側鎖を有しており、高アスペクト比のブラシ状構造をとる。したがって、乳化剤や分散剤などの界面活性剤としての機能が発揮される。また、粉末を分散させている溶媒に対応して、溶媒に親和性の高い側鎖が粉末の外側に、また溶媒に親和性の低い側鎖が粉末内側に配向するフリップフロップ性を有する。したがって、化粧品や医薬品で汎用される親水性の溶媒(水、保湿剤、アルコール等)とシリコーン油の両方に溶媒への分散に適している。
本発明に用いる両親媒性交互共重合体がとり得るブラシ状構造の模式図を図2に示す。交互共重合体を模式した円柱状の下半分は点線で示した高密度のポリエチレンオキサイド側鎖が存在する領域を表している。また、上半分は実線で表した高密度のポリジメチルシロキサン側鎖が存在する領域を表している。ポリエチレンオキサイド側鎖とポリジメチルシロキサン側鎖とを有する中央の太線は、スチレンとMMAの基本骨格から由来する主鎖を表している。
図3は、ブラシ状重合体が油やシリコーンに対して吸着し、乳化組成物を形成している模式図である。
本発明においては、上記の共重合体を化粧料に乳化剤として配合する。また、上記共重合体により粉末の表面を常法により表面処理して粉末の分散剤として使用する。
本発明の化粧料において、上記共重合体により乳化される油分は特に限定されない。通常乳化化粧料に利用される油分であれば使用でき、例えば、オリーブ油、ヤシ油、サフラワー油、ヒマシ油、綿実油などの油脂類、ラノリン、ホホバ油、カルバナロウ、キャンデリラロウなどのロウ類、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、揮発性イソパラフィンなどの炭化水素油、脂肪酸類、オクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピルなどのエステル油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーンなどのシリコーン油またはそれらのガム状シリコーン、パーフルオロポリエーテル等、極性油から非極性油まで幅広く使用することが出来る。
しかしながら、ポリスチレンとポリエチレンオキサイドをそれぞれ交互に側鎖に有するブラシ状交互共重合体は、有機溶媒を分散媒とする乳化能や分散能に優れているものの、化粧品や医薬品等で汎用される油(特にシリコーン油)への応用が困難であるのに対し、本発明に用いる交互共重合体は特にシリコーン油を乳化するのに適している。シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン等の環状ポリシロキサン等が挙げられる。
上記共重合体からなる乳化剤の配合量は化粧料の形態に応じて適宜決定される。通常、化粧料全量に対して0.01〜10質量%程度が配合される。
また、油分の配合量は化粧料に応じて適宜決定され、限定されない。通常、水中油型乳化化粧料の場合で化粧料全量に対して1.0〜30.0重量%程度が配合される。油中水型乳化化粧料の場合で30〜70質量%程度が配合される。
一方、上記共重合体により表面処理される粉末は、化粧料に使用される粉末であれば限定されない。粉末とは一般に平均粒径0.01〜100μm程度の任意の物体を意味する。具体的な粉末としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素、酸化セリウム等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、ポリメチルシルセスキオキサン粉末、シリコーンエラストマー粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
粉体の表面処理方法は限定されない。例えば、上記共重合体を溶解した溶液に粉末を添加して混合して溶媒除去して処理する。溶媒除去は、粉末分散液を撹拌及び場合により適当に加熱をしながら行う。効率的にはトラップを備えた真空ポンプで減圧状態を保つことで行う。次に必要に応じて粉砕を行う。粉砕方法は特に限定されないが、高速回転粉砕機(ハンマーミル、ケージミル、ピンミル、ディスインテグレータ、スクリーンミル、ターボ型ミル、遠心分級ミル等)、ボールミル(転動ミル、振動ボールミル、遊星ミル)、撹拌ミル(タワーミル、撹拌槽型ミル、流通管型ミル、アニュラーミル)、ラボミル、ジェットミル、剪断ミル、圧縮摩粋型粉砕機、コロイドミル等により粉砕する。最後に乾燥する。
上記共重合体で表面処理された粉末は任意の化粧料に配合される。化粧料は限定されないが、特に、乳化化粧料、化粧水などの、粉末を水中に高分散させる化粧料や製造過程に粉体を高分散させる工程を有する製品に配合することが好ましい。本発明においては、上記共重合体で乳化した乳化化粧料(特にシリコーン油を乳化した乳化化粧料)に配合して分散させることが分散安定性の点から最も好ましい。
表面処理された粉末の配合量は、化粧料の種類、目的によって適宜決定され、特に限定されないが、化粧料全量に対して通常0.1〜95質量%程度の範囲である。製品の種類に応じて、例えば、粉末2層化粧水の場合は0.1〜10質量%、O/W型乳化ファンデーションや粉体含有クリーム、O/W型乳化サンスクリーンの場合は1〜50質量%、パウダリーファンデーション、スティックファンデーションの場合は10〜95質量%の配合量が好ましい場合もある。
本発明の化粧料には、上記必須構成成分の他に、必要に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲内で、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール等の水溶性多価アルコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩等の保湿剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、アクリル系樹脂、ポリビニルピロリドン等の樹脂類、大豆蛋白、ゼラチン、コラーゲン、絹フィブロイン、エラスチン等の蛋白または蛋白加水分解物、エチルパラベン、ブチルパラベン等の防腐剤、各種アミノ酸、ビオチン、パントテン酸誘導体の賦活剤、γ−オリザノール、デキストラン硫酸ナトリウム、ビタミンE誘導体、ニコチン酸誘導体等の血行促進剤、硫黄、チアントール等の抗脂漏剤、エタノール、イソプロパノール等の希釈剤、ヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤、薬剤、保香剤、着色顔料、光輝性顔料、有機粉体、疎水化処理顔料、タール色素などを必要に応じて適宜配合し、常法により製造することが出来る。
本発明の化粧料の製品形態は限定されないが、乳化化粧料が好ましく、例えば、乳液、クリーム、ファンデーション、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ等の乳液状ないしクリーム状の製品が挙げられる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。化粧料の配合量は特に断りのない限り、化粧料全量に対する質量%である。
「試料1:Si−MC」
Si−MCは、チッソ社製のマクロモノマーFM−0711をそのまま用いた。なお分子量は1000である。
なお、ポリジメチルシロキサン側鎖の末端アルキル基はn-ブチル基であり、アルキレン基はプロピレンである。
「合成例1:PEO−VB」
PEO−VBは、市販のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Mn=2000、30g)をベンゼンで凍結乾燥後、真空中で脱水THFを加え、ナトリウムハイドライド(0.64g)を加えて、アルコキシ化した後、真空蒸留したp−メチルクロロメチルスチレン(3.90g)を加えて反応を行った。反応後、溶媒をエバポレーションで留去した。ベンゼンを加え、生じた塩をろ別し、ろ液を再び濃縮して、ヘキサンを加えてポリマーを沈殿させた。ポリマーをろ別し、ベンゼンに溶解、ヘキサンで沈殿する操作をさらに2回繰り返して、精製した。収量は29.8gであった。1H−NMRより求めた数平均分子量は2000であった。
「合成例2」
透明反応容器に、上記PEO−VB(30.0g)をベンゼン(15ml)に溶解させ、凍結乾燥を行った。そこにSi−MC(13.2g)を加え、次いで、THF(45ml)を加え、攪拌し、マクロモノマーを溶解させた。次いでZnCl2(3g)をTHF(20ml)に溶解させたものを加えて、十分に攪拌した。次いでアゾビスイソブチロニトリル(0.133g)をTHF(1.5ml)に溶解させたものを添加した。その後、脱気し、封菅した。反応容器を60℃の恒温槽に入れ、振とうしながら、120時間重合を行った。
重合後、反応溶液を分子量分画12000の透析膜を用いて、溶媒にTHFを用いて、透析を行い、未反応のマクロモノマーやZnCl2を除去した。大量のヘキサンに注ぎ込み、ポリマーを沈殿させて回収した。未反応のPEO−VBは、大量の水で除去した。得られた共重合体(AL−1と略す)の特性値を表1に示す。また上記の反応スキームを図4に示す。
「合成例3」
透明反応容器に、上記PEO−VB(30g)をベンゼン(15ml)に溶解させ、凍結乾燥を行った。そこにSi−MC(13.2g)を加え、次いで、THF(90ml)を加え、攪拌し、マクロモノマーを溶解させた。次いでZnCl2(3g)をTHF(40ml)に溶解させたものを加えて、十分に攪拌した。次いでアゾビスイソブチロニトリル(0.133g)をTHF(3ml)に溶解させたものを添加した。その後、脱気し、封菅した。反応容器を60℃の恒温槽に入れ、振とうしながら、120時間重合を行った。
重合後、反応溶液を分子量分画12000の透析膜を用いて、溶媒にTHFを用いて、透析を行い、未反応のマクロモノマーやZnCl2を除去した。大量のヘキサンに注ぎ込み、ポリマーを沈殿させて回収した。未反応のPEO−VBは、大量の水で除去した。得られた共重合体(AL−2と略す)の特性値を表1に示す。
「合成例4」
透明反応容器に、上記PEO−VB(30g)をベンゼン(15ml)に溶解させ、凍結乾燥を行った。そこにSi−MC(13.2g)を加え、次いで、THF(45ml)を加え、攪拌し、マクロモノマーを溶解させた。次いでZnCl2(3g)をTHF(20ml)に溶解させたものを加えて、十分に攪拌した。次いでアゾビスイソブチロニトリル(0.266g)をTHF(1.5ml)に溶解させたものを添加した。その後、脱気し、封菅した。反応容器を60℃の恒温槽に入れ、振とうしながら、120時間重合を行った。
重合後、反応溶液を分子量分画12000の透析膜を用いて、溶媒にTHFを用いて、透析を行い、未反応のマクロモノマーやZnCl2を除去した。大量のヘキサンに注ぎ込み、ポリマーを沈殿させて回収した。未反応のPEO−VBは、大量の水で除去した。得られた共重合体(AL−3と略す)の特性値を表1に示す。
「合成例5」
透明反応容器に、上記PEO−VB(30g)をベンゼン(15ml)に溶解させ、凍結乾燥を行った。そこにSi−MC(13.2g)を加え、次いで、THF(45ml)を加え、攪拌し、マクロモノマーを溶解させた。次いでZnCl2(3g)をTHF(20ml)に溶解させたものを加えて、十分に攪拌した。次いでアゾビスイソブチロニトリル(0.339g)をTHF(1.5ml)に溶解させたものを添加した。その後、脱気し、封菅した。反応容器を60℃の恒温槽に入れ、振とうしながら、120時間重合を行った。
重合後、反応溶液を分子量分画12000の透析膜を用いて、溶媒にTHFを用いて、透析を行い、未反応のマクロモノマーやZnCl2を除去した。大量のヘキサンに注ぎ込み、ポリマーを沈殿させて回収した。未反応のPEO−VBは、大量の水で除去した。得られた共重合体(AL−4と略す)の特性値を表1に示す。
Figure 2007070287
*1:25℃でベンゼン中にて、静的光散乱により測定。
*2:40℃でTHF中にて、GPCにより測定
*3:Si/PEOの交互ユニットを単位とした重合度、1H−NMRにより測定。
*4:25℃でベンゼン中にて動的光散乱により測定。
「合成例6:PEO−VB」
PEO−VBは、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(Mn=2000、20g)をベンゼンで凍結乾燥後、窒素雰囲気下で脱水THF(80ml)を加え、ナトリウムハイドライド(0.48g)を加えて、アルコキシ化した後、p−クロロメチルスチレン(2.30g)を加えて、反応を行った。反応後、溶媒をエバポレーションで除去した。アセトンを加えて、生じたNaCl塩をろ過した。ろ液を再び濃縮して、ヘキサンで沈殿させて、精製した。1H−NMRより求めた数平均分子量は、2000であった。
「合成例7:PPO−MC」
PPO−MCは、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(Mn=1200、20g)をベンゼンで凍結乾燥後、真空中で脱水THFを加え、メタクリロイルクロライド(2.62g)を加え、脱酸剤としてトリエチルアミン(2.53g)を加えて2時間反応を行った。生じたトリエチルアミン塩酸塩をろ過し、溶媒をエバポレーションで除去した。粗生成物にアセトンを加えて、シリカゲルカラムで分別し、メタクリル酸を除去した。アセトン、残存するトリエチルアミンを真空蒸留して除去し、液状のPPO−MCを得た。1H−NMRより求めた数平均分子量は1200であった。
「合成例8」
透明反応容器に、上記で得られたPEO−MC(8.4g)とPEO−VB(14.0g)とをベンゼン(10ml)に溶解させ、凍結乾燥を行った。次いでベンゼン(10ml)を加え、攪拌し、マクロモノマーを溶解させた。次いでSnCl4(2735g)を加えて攪拌し、系内が褐色になり、錯体が形成していることを確認した。次いでアゾビスイソブチロニトリル(0.328g)を添加した。その後、脱気し、封管した。反応容器を60℃の恒温槽に入れ、振とうしながら、120時間重合を行った。重合後、反応溶液を大量のヘキサンに注ぎ込み、ポリマーを沈殿させて回収した。未反応のPEO−VBは、大量の水で除去した。また未反応のPPO−MCは、ベンゼン−ヘキサン系で、溶媒組成を変えて沈殿したフラクションを回収した。得られた共重合体をAL−Pとする。静的光散乱測定により求めた重合度は、137万であった。本交互重合体は、本クレームの範囲外のポリマーである。
「乳化組成物の調製」
透明反応容器に、上記乳化剤(1g)をエタノール(4g)に溶解させ、さらに所定量のポリジメチルシロキサンを溶解させた溶液を調整した。総量が100gとなるように水を量りとり、調整した溶液をシリンジを用いて水中に注入し、乳化組成物を調製した(表2)。乳化剤には、AL−2、AL−3、比較例としてAL−P、市販のポリエチレンオキサイド変性シリコーン(PEO変性シリコーン)を用いた。
Figure 2007070287
「乳化粒子のサイズおよび安定性」
実施例および比較例の乳化組成物に関して、調製直後および各温度で政置した場合の安定性に関して動的光散乱により測定した乳化粒子径を表3に示す。
Figure 2007070287
表3のように、比較例に示したようなPPGとPEOからなる交互共重合体を乳化剤に用いた場合には、シリコーンを乳化できず、分離した。また一般的なポリエチレンオキサイド変性シリコーン(PEO変性シリコーン)を乳化剤に用いた場合に、高温での保存安定性が悪く、乳化粒子の増大さらには分離が起こるが、実施例記載のポリエチレンオキサイドとポリジメチルシロキサンの側鎖を交互に有する新規な両親媒性交互共重合体を乳化剤に用いた場合には、100nm程度の微細なエマルションを調製でき、しかも安定性も良好である。
以下に本発明の具体的な化粧料を示す。
「実施例9:白濁状化粧水」
合成例記載の両親媒性交互共重合体を用いて白濁状化粧水を調製した。
配合量(質量%)
ジメチルポリシロキサン 1
エタノール 3
AL−2 1
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1
グリセリン 5
ジプロピレングリコール 5
エリスリトール 1
ポリエチレングリコール4000 1
2−エチルヘキサン酸セチル 0.1
N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 0.2
塩化マグネシウム 0.1
塩化アルギニン 0.1
ヒポタウリン 0.1
エデト酸三ナトリウム 0.1
パラベン 適量
精製水 残余
香料 適量
「実施例10:O/W型乳液」
合成例記載の両親媒性交互共重合体を用いてO/W型乳液を調製した。
配合量(質量%)
ジメチルポリシロキサン 3
デカメチルシクロペンタシロキサン 4
エタノール 5
グリセリン 6
1,3−ブチレングリコール 5
AL−3 2
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1
ヒマワリ油 1
スクワラン 2
水酸化カリウム 0.1
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
エキス類 1
L−グルタミン酸ナトリウム 0.05
キサンタンガム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.1
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.1
ベンガラ 適量
黄酸化鉄 適量
パラベン 適量
精製水 残余
「実施例11:W/O型クリーム」
合成例記載の両親媒性交互共重合体を用いてW/O型クリームを調製した。
配合量(質量%)
ジメチルポリシロキサン 3
デカメチルシクロペンタシロキサン 25
トリメチルシロキシケイ酸 1
AL−4 1
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1
グリセリン 1
1,3−ブチレングリコール 5
スクワラン 1
酸化チタン 1
タルク 2
ステアリン酸アルミニウム 0.5
エキス類 0.5
エデト酸3Na 適量
パラベン 適量
フェノキシエタノール 適量
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.8
球状ナイロン粉末 1
精製水 残余
「表面処理粉体の製造例1」
透明反応容器に、上記AL−1(3g)をエタノール(50g)に溶解させ、二酸化チタン(20g)を加えて、超音波で分散、表面処理を行った。分散液を60℃でエバポレートし溶媒を留去した。さらに半乾燥状態の粉末をアルミバットに入れ、100℃で一晩乾燥させ、AL−1処理粉末を得た。
「表面処理粉体の製造例2」
透明反応容器に、上記AL−2(3g)をエタノール(50g)に溶解させ、二酸化チタン(20g)を加えて、超音波で分散、表面処理を行った。分散液を60℃でエバポレートし溶媒を留去した。さらに半乾燥状態の粉末をアルミバットに入れ、100℃で一晩乾燥させ、AL−2処理粉末を得た。
「表面処理粉体の製造例3」
透明反応容器に、上記AL−3(3g)をエタノール(50g)に溶解させ、二酸化チタン(20g)を加えて、超音波で分散、表面処理を行った。分散液を60℃でエバポレートし溶媒を留去した。さらに半乾燥状態の粉末をアルミバットに入れ、100℃で一晩乾燥させ、AL−3処理粉末を得た。
「表面処理粉体の製造例4」
透明反応容器に、上記AL−4(3g)をエタノール(50g)に溶解させ、二酸化チタン(20g)を加えて、超音波で分散、表面処理を行った。分散液を60℃でエバポレートし溶媒を留去した。さらに半乾燥状態の粉末をアルミバットに入れ、100℃で一晩乾燥させ、AL−4処理粉末を得た。
「表面処理粉体の比較製造例1」
透明反応容器に、ポリエチレンオキサイド変性シリコーン(3g)をエタノール(50g)に溶解させ、二酸化チタン(20g)を加えて、超音波で分散、表面処理を行った。分散液を60℃でエバポレートし溶媒を留去した。さらに半乾燥状態の粉末をアルミバットに入れ、100℃で一晩乾燥させ、PEO変性シリコーン処理粉末を得た。
「表面処理粉体の比較製造例2」
透明反応容器に、AL-P(3g)をエタノール(50g)に溶解させ、二酸化チタン(20g)を加えて、超音波で分散、表面処理を行った。分散液を60℃でエバポレートし溶媒を留去した。さらに半乾燥状態の粉末をアルミバットに入れ、100℃で一晩乾燥させ、AL-P処理粉末を得た。
上記製造例1〜4および比較製造例1〜2で得られた粉末を水およびポリジメチルシロキサンに分散させ、分散状態を観察した。結果を表4に示す。
Figure 2007070287
* ○は分散、×は沈降、または浮遊したもの
表4のように、実施例の粉末は水及びシリコーンへの分散性が良好である。
「実施例16:2層タイプW/Oサンスクリーン」
上記で得られた粉末を用いて、W/O型サンスクリーンの油相へ粉末を分散させた化粧料を調製した。
配合量(質量%)
(1)タルク 10.0
(2)AL−2処理粉末 10.0
(3)オクタン酸イソセチル 5.0
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン 26.8
(5)ジメチルポリシロキサン 10.0
(6)POE変性ジメチルポリシロキサン 2.0
(7)イオン交換水 28.0
(8)1,3−ブチレングリコール 8.0
(9)防腐剤 0.1
(10)香料 0.1
<製法>
(3)〜(6)を70℃で加熱混合し、油相とした。別に(7)中に(8),(9)を溶解させ、これを水相とした。油相中に(1),(2)の粉末を加え、ホモミキサーで分散した。この中に先の水相を添加し、ホモミキサーで乳化した。さらに(10)を混合して容器に充填した。
「実施例17:O/Wサンスクリーン」
上記で得られた粉末を用いて、O/W型サンスクリーンの水相へ粉末を分散させた化粧料を調製した。
配合量(質量%)
(1)ジメチルポリシロキサン 5.0
(2)デカメチルシクロペンタシロキサン 25.0
(3)トリメチルシロキシケイ酸 5.0
(4)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 2.0
(5)ジプロピレングリコール 5.0
(6)AL−2処理粉末 15.0
(7)パラベン 適 量
(8)フェノキシエタノール 適 量
(9)エデト酸三ナトリウム 適 量
(10)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 7.5
(11)ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
(12)球状ポリアクリル酸アルキル粉末 5.0
(13)精製水 残 余
(14)香料 適 量
<製法>
(1)〜(4)、(10)(11)を70℃で加熱混合し、油相とした。別に(13)中に(5)、(7)〜(9)を溶解させ、これを水相とした。水相中に(6)、(12)の粉末を加え、ホモミキサーで分散した。この中に先の油相を添加し、ホモミキサーで乳化した。さらに(14)を混合して容器に充填した。
「実施例18:パウダー型ファンデーション」
上記で得られた粉末を用いて、パウダー型ファンデーションを調製した。
配合量(質量%)
(1)AL−2処理粉末 86.6
(2)流動パラフィン 4.0
(3)ミリスチン酸オクチルドデシル 3.0
(4)イソステアリン酸ソルビタン 3.0
(5)オクチルドデカノール 3.0
(6)防腐剤 0.1
(7)殺菌剤 0.1
(8)酸化防止剤 0.1
(9)香料 0.1
(製法) (1),(7)〜(9)を加熱溶解した(2)〜(6)に加えて、ヘンシェルミキサーにて混合し、パウダー型ファンデーションを得た。
「実施例19:W/O型ファンデーション」
上記で得られた粉末を用いて、W/O型ファンデーションを調製した。
配合量(質量%)
(1)AL−2処理粉末 20.32
(2)流動パラフィン 5.0
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 29.0
(4)POE変性ジメチルポリシロキサン 4.5
(5)イオン交換水 36.0
(6)1,3−ブチレングリコール 5.0
(7)防腐剤 0.1
(8)香料 0.08
(製法) (2)〜(4)を70〜80℃で加熱溶解した(これを油相とした)。また、(5)に(6)および(7)を溶解した(これを水相とした)。(1)に先の油相を加え、ホモミキサーで混合した。(8)を加え混合した後、水相を加え乳化し、容器に充填した。
「実施例20:口紅」
上記で得られた粉末を用いて、口紅を調製した。
配合量(質量%)
(1)AL−2処理粉末 10.0
(2)赤色201号 0.6
(3)赤色202号 1.0
(4)赤色223号 0.2
(5)キャンデリラロウ 9.0
(6)固形パラフィン 8.0
(7)ミツロウ 5.0
(8)カルナバロウ 5.0
(9)ラノリン 11.0
(10)ヒマシ油 23.2
(11)2−エチルヘキサン酸セチル 17.0
(12)イソプロピルミリスチン酸エステル 10.0
(13)酸化防止剤 適 量
(14)香料 適 量
(製法) (1)〜(3)を(10)の一部と混合し、ローラー処理した(これを顔料部とした)。(4)を(10)の一部に溶解した(これを染料部とした)。(5)〜(13)を混合し、加熱溶解した後、顔料部、染料部を加えホモミキサーで均一に分散した。これを型に流し込み急冷し、スティック状とした。
「実施例21:油性スチックファンデーション」
上記で得られた粉末を用いて、油性スチックファンデーションを調製した。
配合量(質量%)
(粉末部)
(1)AL−2処理粉末 50.0
(油相部)
(2)固形パラフィン 3.0
(3)マイクロクリスタリンワックス 7.0
(4)ワセリン 15.0
(5)ジメチルポリシロキサン 3.0
(6)スクワラン 5.0
(7)パルミチン酸イソプロピル 17.0
(8)酸化防止剤 適 量
(9)香料 適 量
(製法) (2)〜(8)を85℃で溶解し、これに十分混合された粉末部を攪拌しながら添加する。次にコロイドミルで磨砕分散する。(9)を加え、脱気後70℃で容器に流し込み冷却して化粧料を得た。
「実施例22:O/W型アイライナー」
上記で得られた粉末を用いて、油性O/W型アイライナーを調製した。
配合量(質量%)
流動パラフィン 5
メチルポリシロキサンエマルション 適 量
グリセリン 3
1,3−ブチレングリコール 6
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO) 2
イソブチレン・マレイン酸ナトリウム共重合体液 1
AL−2処理粉末 3
板状硫酸バリウム 適 量
カオリン 8
黒酸化鉄被覆雲母チタン(パール剤) 3
ポリマー3−13処理黒酸化鉄 9
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 適 量
ベントナイト 1
カルボキシメチルセルロースナトリウム 2
アクリル酸アルキル共重合体エマルション 7
精製水 残 量
「実施例23:ペンシル型アイブロー」
上記で得られた粉末を用いて、ペンシル型アイブローを調製した。
配合量(質量%)
デカメチルシクロペンタシロキサン 10
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 0.5
メチルフェニルポリシロキサン 適 量
ベヘニルアルコール 14
マカデミアナッツ油 0.1
カルナウバロウ 2
キャンデリラロウ 13
セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5
AL−2処理粉末 1
ベンガラ被覆雲母チタン 0.1
セリサイト 残 余
無水ケイ酸 0.5
マイカ 6
δ−トコフェロール 0.05
ベンガラ 2
黄酸化鉄 3
黒酸化鉄 8
トリメチルシロキシケイ酸 8
ポリエチレンワックス 2
「実施例24:粉末固形アイシャドー」
上記で得られた粉末を用いて、粉末固形アイシャドーを調製した。
配合量(質量%)
流動パラフィン 0.5
ワセリン 1
メチルフェニルポリシロキサン 2
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
AL−2処理粉末 0.1
マイカ 10
合成金雲母 2
セリサイト 30
タルク 残 余
ミリスチン酸亜鉛 2
D−δ−トコフェロール 0.02
パラオキシ安息香酸エステル 適 量
黄酸化鉄 2
黒酸化鉄 20
色素 適 量
リンゴ酸ジイソステアリル 3
「実施例25:油性中皿型アイシャドー」
上記で得られた粉末を用いて、油性中皿型アイシャドーを調製した。
配合量(質量%)
α−オレフィンオリゴマー 2
マイクロクリスタリンワックス 1.5
セレシン 6
ジメチルポリシロキサン 5
メチルフェニルポリシロキサン 5
カルナウバロウ 2
トリ2−エチルヘキサンサングリセリル 20
2−エチルヘキサン酸セチル 残 余
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
AL−2処理粉末 3
窒化ホウ素 5
雲母チタン 10
セリサイト 8
架橋型シリコーン末 5
酢酸DL−α−トコフェロール 0.02
D−δ−トコフェロール 0.02
ベンガラ 0.1
黄酸化鉄 0.2
ポリアクリル酸アルキル粉末 15
香料 適 量
12−ヒドロキシステアリン酸 3
「実施例26:シャンプー」
合成例記載の両親媒性交互共重合体を用いて、シャンプーを調製した。
配合量(質量%)
ジメチルポリシロキサン 2
AL-2 1
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1
セタノール 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 4
ジステアリン酸エチレングリコール 2
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 7
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム 5
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン 2.5
ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム 1
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 4
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 5
ポリマーJR−400(ユニオンカーバイド社製) 0.4
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(25%) 0.1
クエン酸 0.4
安息香酸ナトリウム 適量
エデト酸2ナトリウム 適量
精製水 残余
香料 適量
「実施例27:ヘアワックス」
合成例記載の両親媒性交互共重合体を用いて、ヘアワックスを調製した。
配合量(質量%)
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1
AL-3 1
エタノール 適量
プロピレングリコール 10
カルナウバロウ 5
ポリオキシエチレンベヘニルエーテル 15
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 5
水酸化ナトリウム 適量
フェノキシエタノール 適量
エデト酸3ナトリウム 適量
ヒドロキシエチルセルロース 1
カルボキシビニルポリマー 0.3
精製水 残余
香料 適量
「実施例28:ジェル状整髪料」
合成例記載の両親媒性交互共重合体を用いて、ジェル状整髪料を調製した。
配合量(質量%)
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1
AL-4 1
エタノール 20
グリセリン 30
ジグリセリン 1
ジプロピレングリコール 5
水酸化ナトリウム 適量
エデト酸3ナトリウム 適量
カルボキシビニルポリマー 0.6
精製水 残余
香料 適量
「実施例29:パーマ剤」
合成例記載の両親媒性交互共重合体を用いて、パーマ剤(2剤)を調製した。
配合量(質量%)
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1
AL-1 1
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 1.5
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 3
塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体 6
リン酸1水素ナトリウム 0.3
臭素酸ナトリウム 10
リン酸2水素カリウム 0.2
安息香酸ナトリウム 適量
精製水 残余
「実施例30:染毛料」
合成例記載の両親媒性交互共重合体を用いて、染毛料を調製した。
配合量(質量%)
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 0.1
AL-2 0.1
エタノール 2
ベンジルアルコール 8
ジプロピレングリコール 10
水酸化ナトリウム 0.03
エデト酸2ナトリウム 適量
カルボキシビニルポリマー 3.5
法定色素 適量
精製水 残余
本発明に好ましく用いる共重合体は、スチレンとMMAから由来する交互共重合体を基本骨格とする主鎖に対して、ポリエチレンオキサイドとポリジメチルシロキサンの側鎖を、交互に(主鎖の炭素の一つおきに)有する両親媒性交互共重合体である。したがって、高密度に親水性と疎水性のグラフト側鎖が存在し、剛直なシリンダー状の構造(ロッド)を形成しやすい。また重量平均分子量が100000〜10000000の交互共重合体が容易に重合され、重合度の観点からもブラシ状構造を形成しやすい。そして、交互共重合体の主鎖には高密度にかつ互いに相溶しないポリマー側鎖を有しており、高アスペクト比のブラシ状構造をとる。
したがって、化粧料の乳化剤や分散剤としての機能が発揮される。さらに、界面に吸着した場合、高密度にグラフト鎖を有しているために、吸着部位の増加に伴い強固な吸着力を生じ、また分散層に立体障害の大きな保護層が形成され、乳化物の安定性が著しく向上する。
本発明によれば、安定した乳化組成物及び粉末分散組成物が得られるので、乳化安定性に優れた乳化化粧料若しくは粉末の分散安定性に優れた化粧料の提供が可能となる。
PEO−VBとSi−MCからなるコンプレックスの模式図である。 本発明の両親媒性交互共重合体がとり得るブラシ状構造の模式図である。 ブラシ状交互共重合体が油分または粉末に吸着し、乳化剤または分散剤として働いている模式図である。 合成例1の反応スキームである。

Claims (8)

  1. 末端ビニルベンジル型ポリエチレンオキサイド(またはポリジメチルシロキサン)と、末端(メタ)アクリル型ポリジメチルシロキサン(またはポリエチレンオキサイド)とを共重合して得られる共重合体を含有することを特徴とする化粧料。
  2. 前記共重合体が、下記繰り返し単位(1)を有することを特徴とする請求項1記載の化粧料。
    (1)
    Figure 2007070287
    m、nは1〜100の数である。R1、R2は同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立に、水素または炭素原子数1〜13の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。R3は、炭素原子数1〜13の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表す。
  3. 前記共重合体の重量平均分子量が100000〜10000000であることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧料。
  4. 前記共重合体が、末端ビニルベンジル型ポリエチレンオキサイド(またはポリジメチルシロキサン)と、末端(メタ)アクリル型ポリジメチルシロキサン(またはポリエチレンオキサイド)とを交互共重合して得られる交互共重合体であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の化粧料。
  5. 前記共重合体が、末端(メタ)アクリル型ポリエチレンオキサイド(またはポリジメチルシロキサン)がルイス酸と電荷移動錯体を形成して、末端ビニルベンジル型ポリジメチルシロキサン(またはポリエチレンオキサイド)と1対1のコンプレックスを形成し、開始剤の存在下にて溶媒中でラジカル重合して得られることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の化粧料。
  6. 前記ルイス酸が、SnCl4またはZnCl2であることを特徴とする請求項5記載の化粧料。
  7. さらにシリコーン油を含有し、前記化粧料が乳化組成物であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の化粧料。
  8. 前記共重合体を粉末の表面処理剤として含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の化粧料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012077049A (ja) * 2010-10-05 2012-04-19 Tokiwa Corp 棒状化粧料
JP2012167206A (ja) * 2011-02-15 2012-09-06 Sumitomo Rubber Ind Ltd 共重合体、ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2018172315A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 株式会社コーセー 毛髪洗浄剤組成物

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