JP2007069974A - 缶蓋 - Google Patents

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Abstract

【課題】 缶蓋の耐圧強度や落下強度を低下させることなく、リベットの傾きを抑止し、良好な開栓性を具備させる。
【解決手段】 缶蓋本体10の上面10aにおけるリベット11を挟んで開口部14と対向した対向領域のうち、コイニング部を回避した位置に、リベット11との間に位置する缶蓋本体10のメタルをリベット11側へ流し、該リベット11の傾きを矯正または防止するリベット傾き抑止部18が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、缶体の開口部に巻締められる缶蓋に関するものである。
この種の缶蓋は一般に、缶蓋本体の上面に、上方に向けて凸とされたリベットおよびディンプルと、主スコアにより画成された開口部とが形成され、ディンプルと開口部とはリベットを挟んで互いに対向して配置され、開口部の上に一端部側が重なる一方、ディンプルの上に他端部側が重なるようにリベットに固着されたタブを備える概略構成とされ、タブの前記他端部にはこのタブの厚さ方向に開口したフィンガーホールが形成されている。
ディンプルは一般に、缶蓋本体上面に2つ形成されており、これらのディンプルはそれぞれ、開口部若しくはタブの幅方向における中央部と缶蓋本体の中心軸線とを結ぶ直線を挟んで互いに対向するように位置されている。このディンプルがタブの下面側を支持することによって、タブにリベットを中心に回転しようとする力が作用した場合でも、このタブの回転移動を防止できるようになっている。
そして、このように構成された缶蓋は、内容物が充填された缶体の開口部に巻締められて缶が形成され、需要者においては、タブのフィンガーホールを画成する周壁部のうち、このタブの前記他端に位置する周壁部(以下、「引き上げ部」という)を引き上げることにより、このタブの前記一端部が開口部を押圧して主スコアを破断することにより開口されるようになっている。ここで、主スコアの一部は、他より高硬度とされたコイニング部つまり缶蓋本体の上面においてリベットに連なるこのリベットの周辺部に位置されており、タブの引き上げ部を引き上げた当初において、容易に主スコアを破断させ始めることができるようになっている。
ところで従来から、缶を開栓する際に、缶蓋本体の上面とタブの引き上げ部との間に指が入り難く、引き上げ部を良好に引き上げることが困難であるという問題があった。このような課題を解決するための手段が、従来から例えば下記特許文献1から4に示されるように種々提案されている。
まず、下記特許文献1には、缶蓋本体の上面の外周縁部を構成する環状溝からタブの引き上げ部の直下に向けてこの缶蓋本体の径方向に延びる指かけ用凹部を形成した発明が開示されている。
かかる発明によれば、指かけ用凹部と引き上げ部との間に指が入り易くなるが、指かけ用凹部を環状溝から引き上げ部の直下まで延在させているため缶蓋の耐圧強度が低下するおそれがあり、缶内圧が高い場合には不向きである。また、缶蓋製造工程では複数の缶蓋を積み重ねてチューブ搬送するが、この搬送時に、一の缶蓋の指かけ用凹部の下面が、この下面と対向して位置する他の缶蓋のタブの上面に接触し、積み重ね方向で隣合う缶蓋のカール部同士の間に隙間が生ずる、いわゆるアコーディオン状となるため、スタッキング性が悪くなり良好な搬送性を具備させることが困難になるという問題があった。
さらに、前記接触によって、他の缶蓋のタブに付着されている流動パラフィンが、このタブと対向して位置する一の缶蓋における指かけ用凹部の下面に転写される場合があった。この一の缶蓋が巻き締められた缶からその内容物を他の容器に注ぐと、この内容物が例えばビールの場合に泡立ち難くなるという問題があった。
次に、下記特許文献2には、前記一端部側の下面が缶蓋本体上面に接触するとともに、前記他端部側の下面が缶蓋本体上面から上方に離間するような2段形状のタブを備える缶蓋が開示されている。
かかる発明によれば、引き上げ部を有するタブの前記他端部側の下面と缶蓋本体上面との間に隙間が設けられているので、この隙間に指を容易に入り込ませることが可能になり、良好な開栓性を具備させることができる。
しかしながら、この発明では、缶蓋製造工程において、この缶蓋を前記チューブ搬送する際に、一の缶蓋のタブの上面とこの上面と対向して位置する他の缶蓋の下面とが接触して、前記特許文献1の缶蓋と同様に、良好な搬送性および泡立ち性を具備させることが困難になるという問題があった。
次に、下記特許文献3では、缶蓋本体の上面のうちタブの引き上げ部と対向する位置に、副スコアを形成した発明が開示されている。
かかる発明によれば、缶内圧が上昇した際に、缶蓋本体上面において開口部の形成された部分が他より大きく膨出変形するのではなく、この開口部から副スコアにかけた領域全体を膨出変形させることによって、缶内圧上昇時に、引き上げ部と缶蓋本体上面との間の隙間が小さくなることを抑制できるようになっている。
しかしながら、この発明では、缶内圧上昇時に、開口部から副スコアにかけた領域全体が膨出変形するに過ぎず、積極的に缶蓋本体の上面とタブの引き上げ部との間隙を大きくするものではない。また、この文献1には、缶蓋本体の上面のうちタブの引き上げ部と対向する位置に、ビードを形成した発明が開示されているが、この構成では、缶を輸送する際に缶に作用する振動によって、タブとビードとが互いに衝突し合い、開口部を画成する主スコアが破断するおそれがある。
以上説明した缶蓋の開栓性に係る問題を解決するために、本発明者は、鋭意研究を行った結果、引き上げ部の下面と缶蓋本体上面との距離が小さくなるのは、缶蓋本体の上面に開口部を形成したとき、特に、前記コイニング部に主スコアの一部を形成したときに、この主スコアの一部とリベットとの間に位置する缶蓋本体上面のメタルがリベット側へ流れ、これにより、リベットがタブの前記他端部側(リベットを挟んで開口部と反対側)へ傾き、これに伴い、リベットに固着されたタブも前記一端部側が上方へ、前記他端部側が下方へそれぞれ移動して傾くことによって、引き上げ部の下面と缶蓋本体の上面との距離が小さくなるといった知見を得るに至った。つまり、缶体の開口部に巻き締める前の缶蓋単体においてすでに、タブの引き上げ部と缶蓋本体上面との距離が小さくなっており、缶に内圧が付与される前後にかかわらず缶蓋本体上面とタブの引き上げ部との間に指が入り難いことに変わりはないという知見を得るに至った。なお、前記傾きの角度は、缶蓋単体で、缶蓋本体の上面に直交する中心軸線に対して4°以上あることが確認された。
このような知見のもとで、リベットの傾きを抑止するための手段としては、缶蓋本体の上面のうち、リベットを挟んで開口部と反対側の部分に、リベット傾き抑止用のスコア若しくは圧印部等を形成する構成が考えられる。このような構成に近似する缶蓋として、例えば下記特許文献4から6に記載の発明がある。
まず、下記特許文献4では、内容物の飲み易い缶蓋を提供するために、缶蓋本体の上面のうちリベットを挟んで開口部と反対側の部分に、缶蓋本体上面の径方向中央部から周縁方向に向けて延出する副スコアを形成し、この副スコアに囲まれた部分は、タブを缶蓋本体上面と水平な面内で回転させたときに、このタブの前記一端部の下面と対向する位置に配置されており、タブを前記回転させた後に前記他端部側を引き上げることによって、副スコアにより囲まれた部分を前記一端部により押圧させることにより開口させて、この開口部分から缶の内部にタブの前記一端部を収容することができる缶蓋が開示されている。
しかしながら、この缶蓋では、副スコアに囲まれた部分を開口するためには、この副スコアの一部をコイニング部に位置させなければならないので、耐圧強度や落下強度を低下させるおそれがある。
次に、下記特許文献5では、内容物の充填された缶を落下させたときに応力が集中し易いリベット近傍において、このリベットを挟んで開口部と反対側の位置に副スコアを設けてこれを易折曲部とすることにより、落下時の衝撃、水撃作用によってリベット近傍に作用する応力を分散させて主スコアへ応力が集中するのを防ぎ、この主スコアの折曲変形や亀裂発生を防止できる缶蓋が開示されている。
しかしながら、この文献5に記載されている副スコアは、缶蓋本体上面においてリベットに連なるこのリベットの周辺部(前記リベット近傍)に形成されているので、コイニング部に位置するおそれがあり、副スコアを形成したことによる缶蓋の耐圧強度や落下強度の低下を確実に防止することはできない。
さらに、下記特許文献6では、リベットの周辺部にこのリベットを囲うように、各々が直線状とされた複数の副スコアを設け、このリベットの周辺部を易変形部とすることによって、引き上げ部を引き上げて開口部を開口する当初の引き上げ力を低下させることができる缶蓋が開示されている。
しかしながら、これらの副スコアは、この文献6の図2に示されるように、コイニング部に位置するおそれがあり、前記引用文献5と同様に缶蓋の耐圧強度や落下強度の低下を確実に防止することができない。
実公平7−44595号公報 特開平4−44950号公報 登録実用新案第2508637号公報 特許第3468548号公報 特開平8−164935号公報 特開平8−11882号公報
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、缶蓋の耐圧強度や落下強度を低下させることなく、缶蓋本体上面とタブの引き上げ部との間に容易に指を入り込ませることが可能になり、良好な開栓性を具備させることができる缶蓋を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明の缶蓋は、このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明の缶蓋は、缶蓋本体の上面に、上方に向って凸とされたリベットと、主スコアにより画成された開口部とが形成され、前記開口部の上に一端部側が重なるように前記リベットに固着されたタブを備え、前記缶蓋本体上下面における前記リベットに連なる当該リベットの周辺部は、前記缶蓋本体上下面のうち前記周辺部を除く他部より高硬度のコイニング部とされた缶蓋であって、前記缶蓋本体の平面視における前記リベットを挟んで前記開口部と対向した対向領域のうち、前記コイニング部を回避した位置に、前記リベットとの間に位置する前記缶蓋本体のメタルを前記リベット側へ流し、該リベットの傾きを矯正または防止するリベット傾き抑止部が形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、主スコアを形成した際に、主スコアとリベットとの間に位置する缶蓋本体のメタルがリベット側へ流れることにより、このリベットがタブの前記他端部側へ傾いた場合、若しくは傾こうとした場合でも、リベット傾き抑止部を形成することにより、この抑止部とリベットとの間に位置する缶蓋本体のメタルがリベット側へ流されることによって、リベットの傾きを矯正、若しくは防止することが可能になる。
従って、主スコアを形成したことにより、リベットに固着されたタブの前記一端部が上方へ、前記他端部が下方へそれぞれ移動してこのタブが傾き、前記他端部の下面と缶蓋本体の上面との距離が小さくなることが抑制され、これらの下面と上面との間に指を容易に入り込ませることが可能になり、この缶蓋に良好な開栓性を具備させることができる。
さらに、前記リベット傾き抑止部が前記対向領域のうちコイニング部を回避して形成されているので、この抑止部が例えばスコア若しくは圧印部により形成されたとしても、缶蓋の耐圧強度や落下強度が低下するのを防ぐことができる。ここで、コイニング部は高硬度とされているので、このコイニング部にリベット傾き抑止部を形成して缶蓋本体のメタルをリベット側へ流し、リベットの傾きを矯正等しようとすると、リベット傾き抑止部の深さを大きくして残厚を小さくしなければならない場合があり、このような缶蓋では、たとえリベットの傾きを矯正等できたとしてもリベット傾き抑止部が破断し易くなり耐圧強度や落下強度が低下するおそれがある。
ここで、前記リベット傾き抑止部として、例えば前記缶蓋本体の平面視で前記開口部若しくは前記タブの幅方向に延びる直線状のスコア若しくは圧印部が、前記コイニング部に位置する前記主スコアの始点部に対して前記リベットを挟んで反対側に位置した構成や、前記缶蓋本体の平面視で径方向内方へ凸とされた円弧状のスコア若しくは圧印部とされ、この円弧の頂部が、前記コイニング部に位置する前記主スコアの始点部に対して前記リベットを挟んで反対側に位置した構成、あるいは前記缶蓋本体の平面視でこの缶蓋本体の径方向に延びる直線状のスコア若しくは圧印部が周方向に間隔をあけて複数形成され、その少なくとも一部が、前記コイニング部に位置する前記主スコアの始点部に対して前記リベットを挟んで反対側に位置した構成を採用することができる。
また、前記リベット傾き抑止部は、前記コイニング部に位置された前記主スコアの始点部に対して前記リベットを挟んで反対側に位置するメタル流し部と、このメタル流し部の両側部に位置するメタル堰き止め部とを備えてもよい。
この場合、リベット傾き抑止部がメタル流し部とこのメタル流し部の両側部に形成されたメタル堰き止め部とを備えているので、メタル流し部を形成したときのリベット側に向けた径方向内方のメタルの流れが周方向に分散するのをメタル堰き止め部により防ぐことが可能になる。したがって、リベットの傾きを矯正若しくは防止する際に、この矯正若しくは防止する方向に対して交差する方向の新たな傾きが生ずることを防ぎ、前述した作用効果を確実に具備させることができる。
ここで、前記リベット傾き抑止部は、缶蓋本体の中心軸線を中心とした半径3mm以上8mm以下の領域に位置されてもよい。
前記半径3mmより小さい領域ではコイニング部が位置されている場合があり、この領域にリベット傾き抑止部を形成すると、この抑止部を形成したことによる缶蓋の耐圧強度および落下強度の低下を確実に防ぐことはできない。また、前記半径8mmより大きい領域にリベット傾き抑止部を形成しても、この抑止部を形成したことによるメタルの流れがリベットに作用し難くなり、このリベットの傾きを矯正若しくは防止することができない。
また、前記リベット傾き抑止部は、前記コイニング部の外周縁から0.01mm以上離れて位置されてもよい。
コイニング部の外周縁から0.01mmより小さい距離だけ離した位置にリベット傾き抑止部を形成すると、缶蓋の耐圧強度や落下強度が低下するおそれがある。
さらに、前記リベットは、缶蓋本体の中心軸線に対して、前記タブの前記他端部側に0°以上3.5°以下傾いてもよい。さらにまた、この缶蓋が缶体の開口部に巻き締められてなる缶の内圧を0.2MPaとしたときに、前記リベットが、缶蓋本体の中心軸線に対して前記タブの前記他端部側に0°以上2.0°以下傾く構成とされてもよい。
これらの場合、缶蓋本体上面とタブの前記他端部の下面との間に容易に指を入り込ませることができる。
ここで、前記対向領域の径方向外方部には、径方向内周縁がタブの前記他端に沿うような指かけ凹部が形成され、前記対向領域における、前記リベット傾き抑止部より径方向外方、かつ前記指かけ凹部の径方向内周縁より径方向内方位置に、前記リベット傾き抑止部に沿って補助スコア若しくは補助圧印部が形成されてもよい。
この場合、前記補助スコア若しくは補助圧印部が形成されているので、前記リベット傾き抑止部を形成した際に、このリベット傾き抑止部より径方向外方に位置する缶蓋本体のメタルが径方向外方へ流れるのを抑止することが可能になる。従って、リベット傾き抑止部を形成した際、このリベット傾き抑止部より径方向内方、つまりリベット側に位置する缶蓋本体のメタルのリベット側への流れを助長させることが可能になり、リベットの傾きを確実に抑止することができる。
また、前記リベット傾き抑止部は、残厚が前記缶蓋本体の板厚の0.25倍以上0.75倍以下とされたスコア若しくは圧印部により形成されてもよい。
この場合、リベットの傾きを抑止することができるとともに、缶蓋の強度低下を確実に抑制することができる。
ここで、前記リベット傾き抑止部が缶蓋本体の表面を押圧して形成されたスコア若しくは圧印部である場合には、この缶蓋を缶体の開口部に巻き締めた缶の構成において、缶内圧を上昇させると、リベット傾き抑止部の幅(リベット傾き抑止部の延在方向と直交する方向の大きさ)または径が拡がるように変形することになり、リベット傾き抑止部とリベットとの間に位置する缶蓋本体のメタルがさらにリベット側へ流されることになる。これにより、前記缶の構成において缶内圧が上昇した場合、つまり陽圧缶の場合には、主スコアを形成したことによるリベットの傾きをさらに小さくすることが可能になり、特に良好な開栓性を具備させることができる。
本発明によれば、缶蓋の耐圧強度や落下強度を低下させることなく、リベットの傾きを抑止し、良好な開栓性を具備させることができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
図1から図4は、この発明の第1実施形態として示した缶蓋の概略構成を示すものである。
この缶蓋は、純アルミニウム若しくはアルミニウム合金により形成され、缶蓋本体10の上面(以下、「缶蓋本体上面」という)10aに、上方に向けて凸とされたリベット11およびディンプル12と、主スコア13により画成された開口部14とが形成され、ディンプル12と開口部14とはリベット11を挟んで互いに対向して配置され、つまりディンプル12はリベット11を挟んで開口部14とは反対側に配置され、開口部14の上に一端部15a側が重なる一方、ディンプル12の上に他端部15b側が重なるようにリベット11に固着されたタブ15を備える概略構成とされている。
また、この缶蓋本体上面10aの外周縁部には、全周に亙って凹溝16が形成されるとともに、この凹溝16の外周縁部に連なって、缶蓋本体上面10aの上方に向って延び、かつ径方向外方に折り返された折り返し部17が形成されている。
なお、この缶蓋は、飲料用の缶に用いられるいわゆるステイオンタブ式缶蓋であって、折り返し部17が缶体の開口部に巻き締められた状態の缶において、折り返し部17の外径は約50mm〜61mmとされる。
タブ15の他端部15bには、このタブ15の厚さ方向に開口したフィンガーホール15cが形成されており、このフィンガーホール15cを画成する周壁部のうち、タブ15の前記他端に位置する周壁部が、この缶蓋の開口部14を開口する際に引き上げる引き上げ部15dとされている。
缶蓋本体上面10aにおいて、リベット11を挟んで開口部14と対向する対向領域、つまりリベット11を挟んで開口部14と反対側の領域には、径方向内周縁がタブ15の引き上げ部15dの外周縁に沿った指かけ凹部10bが凹溝16とは独立して形成されている。
ディンプル12は、缶蓋本体上面10aに2つ形成されており、これらのディンプル12、12はそれぞれ、開口部14若しくはタブ15の幅方向における中央部と缶蓋本体10の中心軸線Oとを結ぶ直線を挟んで互いに対向して位置するように形成されている。そして、これらのディンプル12、12の上に、タブ15のフィンガーホール15cを画成する周壁部のうち、引き上げ部15dと対向して配置された第2周壁部15eの両端部の下面側が配置されている。
すなわち、図1(b)に示すように、ディンプル12はタブ15の他端部15bにおける下面側の外縁部が引っ掛かかる位置に形成されており、これにより、タブ15に前記中心軸線Oを中心に回転しようとする力が作用した場合でも、タブ15の前記外縁部がディンプル12、12に引っ掛かり、このタブ15の回転移動を防止できるようになっている。
ところで、このように構成された缶蓋本体10において、リベット11にタブ15を固着する際には、径方向中央部が平坦面とされた缶蓋本体部材に、まず、上方に向けて凸とされたニップル部を押圧成形する。そして、タブ15の中央部に形成された貫通孔にニップル部を挿入した状態で、このニップル部を缶蓋本体部材の上面側から押し潰してリベット11に形成するとともに、タブ15の前記貫通孔の周縁部を押圧することにより、リベット11にタブ15を固着する。
ここで、前記ニップル部は次のようにして形成する。
まず、平坦面とされた缶蓋本体の径方向中央部に、その下面側に向けて凸とされたバブルを形成し、その後、缶蓋本体においてバブルに連なるこのバブルの周辺部をその上下面側から挟み込みながらこのバブルを上面側に向けて凸となるように押圧して反転させることにより、予ニップル部と、缶蓋本体において予ニップル部に連なる平面視円環状の第1コイニング部20bとを形成する。なお、第1コイニング20bは前記中心軸線Oを中心とした円環状とされ、例えばその外径は約9.40mm、内径は約4.04mmとされる。
そして、予ニップル部の外径を縮径しながら、第1コイニング部20bの外周縁よりも径方向内方に位置する部分をその上下面側から挟み込むことにより、前記ニップル部と、缶蓋本体においてニップル部に連なり、かつ第1コイニング部20bと同軸上に位置されて、この第1コイニング部20bよりも外径および内径が小径とされた円環状の第2コイニング部20cとを形成する。なお、第2コイニング20cは、例えばその外径が約7.200mm、内径が約3.775mmとされる。
次に、タブ15の中央部に形成された貫通孔にニップル部を挿入し、ニップル部の先端部をタブ15の上面から突出させる。そして、ニップル部の先端部を押し潰し、この部分を拡径変形させることにより、ニップル部をリベット11に形成するとともに、このリベット11にタブ15を固着する。なお、リベット11の外径は2mm以上3mm以下とされる。
ここで、第1、第2コイニング部20b、20cは缶蓋本体の上下面を挟み込んで形成されるので、このコイニング部20b、20cは缶蓋本体上面10aにおける径方向中央部の中で他よりも高硬度とされ、かつ厚さが薄くされる。なお、第1、第2コイニング部20b、20cの外径および内径は缶蓋の仕様に応じて適宜変更できる。
以上のように構成された缶蓋において、図2に示すように、主スコア13の始点部13aは第2コイニング部20cに位置されており、タブ15の引き上げ部15dを引き上げた当初において、容易に主スコア13を破断させ始めることができるようになっている。
そして、本実施形態では、缶蓋本体上面10aの平面視において、リベット11を挟んで開口部14と対向した対向領域、つまりリベット11を挟んで開口部14と反対側の領域のうち、第2コイニング部20cを回避した位置に、リベット11との間に位置する缶蓋本体10のメタルをリベット11側へ流し、このリベット11の傾きを矯正または防止するリベット傾き抑止部18が形成されている。
ここで、リベット傾き抑止部18は、例えば缶蓋本体の上面10a、下面10cまたは上下面10a、10cを押圧して形成されたスコア若しくは圧印部を採用することができるが、本実施形態ではスコアを採用した構成について説明する。
本実施形態では、リベット傾き抑止部18は、缶蓋本体10の平面視で開口部14若しくはタブ15の幅方向に延びる直線状とされ、主スコア13の始点部13aに対してリベット11を挟んで反対側に位置し、缶蓋本体10の平面視において前記始点部13aからリベット11に向かう方向でのリベット11の投影線を含むように位置したリベット流し部18dを備えている。さらにこのリベット傾き抑止部18は、メタル流し部18dの両側部においてメタル流し部18dとリベット11との間に位置されて、メタル流し部18d側からリベット11側に向けて延在した直線状のメタル堰き止め部18eを備えている。
メタル流し部18dは、その延在方向における中央部が主スコア13の始点部13aに対してリベット11を挟んだ反対に位置されるとともに、その長さがリベット11の外径以上とされている。また、メタル堰き止め部18eは、その長さが図示の例ではメタル流し部18dの長さと同等とされるとともに、そのメタル流し部18d側の端部がメタル流し部18dに対して独立して連結されないように位置されている。
さらに、メタル流し部18dの両側部に形成された2つのメタル堰き止め部18eのリベット11側の端部同士、つまりリベット傾き抑止部18の両端部を結ぶ仮想直線Lは、リベット11の外周縁を通るように位置されている。図示の例では、前記仮想直線Lは、缶蓋本体10の中心軸線Oを通り、開口部14若しくはタブ15の幅方向に延在している。
以上のリベット傾き抑止部18は、前記中心軸線Oを中心とした半径3mm以上8mm以下の領域に位置されている。さらにまた、リベット傾き抑止部18は、本実施形態では第1コイニング部20bの外周縁から0.01mm以上6.00mm以下離れて位置されている。また、リベット傾き抑止部18は、缶蓋本体上面10aの前記対向領域において、前記中心軸線Oを中心とし、かつ開口部14若しくはタブ15の幅方向における中央部と前記中心軸線Oとを結ぶ直線に対して均等に割り振られた角度70°以上190°以下の範囲に、主スコア13とは独立して接触しないように形成されている。
なお、リベット流し部18dは、図示の例では、フィンガーホール15cを画成する周壁部のうち、引き上げ部15dと対向配置された第2周壁部15eの下に位置されている。
さらに本実施形態では、前記対向領域においてリベット傾き抑止部18より径方向外方、かつ指かけ凹部10bの径方向内周縁より径方向内方位置に、リベット傾き抑止部18に沿って補助スコア18aが形成されている。図示の例では、補助スコア18aは、メタル流し部18dおよびメタル堰き止め部18eそれぞれに対して同等の長さで平行に延在する直線状のスコアとされ、メタル流し部18dおよびメタル堰き止め部18eの径方向外方部に各別に形成されている。つまり、補助スコア18aはリベット傾き抑止部18の全長に沿って位置されている。
リベット傾き抑止部18、すなわちメタル流し部18dおよびメタル堰き止め部18eは、缶蓋本体10の板厚が0.20mm〜0.32mmのとき、図3に示すように、スコアレシジュアル(残厚)つまりリベット傾き抑止部18の底面18bと缶蓋本体10の下面10cとの距離(以下、「SR値」という)が0.05mm〜0.24mmとされ、すなわち缶蓋本体10の板厚の0.25倍以上0.75倍以下とされて形成されている。
また、リベット傾き抑止部18の幅Cは0.035mm〜0.12mmとされている。リベット傾き抑止部18のより好ましい大きさは、缶蓋本体10の板厚が約0.280mmのときに、前記SR値が約0.140mm、前記底面18bにおける幅Cが約0.035mm、缶蓋本体上面10aと前記底面18bとの距離(深さ)Dが約0.140mmとされるとともに、互いに対向する、前記底面18bから缶蓋本体上面10aに向けて立上がる立上がり面18c同士のなす角度θが約65°とされる。
なお、主スコア13は、その深さが0.08mm〜0.13mmとされ、その幅が約0.035mmとされている。すなわち、リベット傾き抑止部18は、その幅が主スコア13の幅以上とされ、その深さが主スコア13の深さ以下とされることによって、スコア若しくは圧印により形成されても、この抑止部18が破断し難いようになっている。また、主スコア13およびリベット傾き抑止部18の幅とは、缶蓋本体上面10aの表面からこれを凹ませる方向に最も離間した部分、すなわち底面における、リベット傾き抑止部18(メタル流し部18dおよびメタル堰き止め部18e)および主スコア13がそれぞれ延在する方向と直交する方向の大きさのことをいう。
以上のようにリベット傾き抑止部18および主スコア13を形成すると、リベット11は、缶蓋本体10の中心軸線Oに対して、タブ15の他端部15b側に0°以上3.5°以下傾き、また、この缶蓋本体10を缶体の開口部に巻き締めた缶において、その内圧を0.2MPaとしたときに、リベット11が、缶軸若しくは前記中心軸線Oに対してタブ15の他端部15b側に0°以上2.0°以下傾くようになっている。
さらに、補助スコア18aは、リベット傾き抑止部18よりも0.020mm以上0.100mm以下深さが浅くされている。
以上説明したように本実施形態による缶蓋によれば、主スコア13を形成した際に、主スコア13とリベット11との間に位置する缶蓋本体10のメタルがリベット11側へ流れることにより、このリベット11がタブ15の前記他端部15b側へ傾いた場合、若しくは傾こうとした場合でも、リベット傾き抑止部18を形成することにより、この抑止部18とリベット11との間に位置する缶蓋本体10のメタルがリベット11側へ流されることによって、リベット11の傾きを矯正、若しくは防止することが可能になる。
従って、主スコア13を形成したことにより、リベット11に固着されたタブ15の前記一端部15aが上方へ、前記他端部15bが下方へそれぞれ移動してこのタブ15が傾き、前記他端部15bの下面と缶蓋本体上面10aとの距離が小さくなることが抑制され、これらの下面と上面との間に指を容易に入り込ませることが可能になり、この缶蓋に良好な開栓性を具備させることができる。
さらに、リベット傾き抑止部18が、前記対向領域のうち第1、第2コイニング部20b、20cを回避した位置に形成されているので、この抑止部18をスコア若しくは圧印部により形成したとしても、缶蓋の耐圧強度や落下強度が低下するのを防ぐことができる。
さらに、リベット傾き抑止部18がメタル流し部18dとメタル堰き止め部18eとを備えているので、メタル流し部18dを形成したときのリベット11側に向けた径方向内方のメタルの流れが周方向に分散するのをメタル堰き止め部18eにより防ぐことが可能になる。したがって、リベット11の傾きを矯正若しくは防止する際に、この矯正若しくは防止する方向に対して交差する方向の新たな傾きが生ずることを防ぎ、前述した作用効果を確実に具備させることができる。
特に、メタル流し部18dが、主スコア13の始点部13aに対してリベット11を挟んで反対側に位置し、缶蓋本体10の平面視において前記始点部13aからリベット11に向かう方向でのリベット11の投影線を含むように位置しているので、リベット傾き抑止部18を形成したことによる缶蓋本体10のメタルの流れを、リベット11の下端部外周側に十分な周長領域で作用させることが可能になる。
さらに、前記仮想直線Lが、リベット11の外周縁を通るように位置されているので、メタル流し部18dを形成したときの前記メタルの流れが周方向に分散するのを確実に防ぐことが可能になる。
さらにまた、本実施形態では、リベット傾き抑止部18が前述したスコア若しくは圧印部とされているので、この缶蓋を缶体の開口部に巻き締めた缶の構成において、缶内圧を上昇させると、リベット傾き抑止部18の幅(メタル流し部18dおよびメタル堰き止め部18eそれぞれの延在方向に直交する方向の大きさ)が拡がるように変形することになり、リベット傾き抑止部18とリベット11との間に位置する缶蓋本体10のメタルがさらにリベット11側へ流されることになる。
これにより、前記缶の構成において缶内圧が上昇した場合、つまり陽圧缶の場合には、主スコア13を形成したことによるリベット11の傾きをさらに小さくすることが可能になり、特に良好な開栓性を具備させることができる。
また、前記対向領域の径方向外方部に補助スコア18aが形成されているので、リベット傾き抑止部18を形成した際に、このリベット傾き抑止部18より径方向外方に位置する缶蓋本体10のメタルが径方向外方へ流れるのを抑止することが可能になる。
従って、リベット傾き抑止部18を形成した際、このリベット傾き抑止部18より径方向内方、つまりリベット11側に位置する缶蓋本体10のメタルのリベット11側への流れを助長させることが可能になり、リベット11の傾きを確実に抑止することができる。
さらに、リベット傾き抑止部18は、残厚が缶蓋本体10の板厚の0.25倍以上0.75倍以下とされているので、リベット11の傾きを抑止することができるとともに、缶蓋の強度低下を確実に抑制することができる。
また、リベット傾き抑止部18の全部が、前記中心軸線Oを中心とした半径3mm以上8mm以下の領域に位置されるとともに、第1コイニング部20bの外周縁から0.01mm以上6.00mm以下離れて位置されているので、前記の作用効果が確実に奏されることになる。
また、リベット11は、缶蓋本体10の中心軸線Oに対して、タブ15の前記他端部15b側に0°以上3.5°以下傾き、さらに、この缶蓋が缶体の開口部に巻き締められてなる缶の内圧を0.2MPaとしたときに、リベット11が、缶軸若しくは前記中心軸線Oに対してタブ15の前記他端部15b側に0°以上2.0°以下傾くようになっているので、缶蓋本体上面10aとタブ15の前記他端部15bの下面との間に容易に指を入り込ませることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、リベット傾き抑止部18として、メタル堰き止め部18eにおけるメタル流し部18d側の端部がメタル流し部18dに対して独立して連結されていない構成を示したが、メタル流し部18dとメタル堰き止め部18eとが連結されたリベット傾き抑止部18を採用してもよい。
また、リベット傾き抑止部18は、リベット11との間に位置する缶蓋本体10のメタルをリベット11側へ流してリベット11の傾きを矯正または防止する構成であれば前記実施形態のものに限られるものではない。
例えば、前記実施形態においてメタル流し部18dおよびメタル堰き止め部18eがそれぞれ、図5に示すような、缶蓋本体10の平面視で径方向内方に凸となる円弧とされたリベット傾き抑止部25を採用してもよい。この場合において、メタル流し部25aの円弧をなす頂部を、リベット11を挟んで主スコア13の始点部13aと反対に位置させた状態で、このメタル流し部25aを、前記平面視において前記始点部13aからリベット11へ向かう方向でのリベット11の投影線を含むように位置させてもよい。また、メタル流し部25aの両側部に形成された2つのメタル堰き止め部25bのリベット11側の端部同士、つまりリベット傾き抑止部25の両端部を結ぶ仮想直線Lを、リベット11の外周縁を通るように位置させてもよい。
なお、メタル流し部25aを前記中心軸線Oとタブ15若しくは開口部14の幅方向における中央部とを結ぶ直線に対して均等に割振るように位置させるのが望ましい。また、図5において、補助スコアは図示していないが、このリベット傾き抑止部25よりも径方向外方位置に補助スコアを形成してもよい。さらに、リベット11の外周に沿うようにメタル流し部25aの両端部にそれぞれメタル堰き止め部25bを連結させてもよい。
また、リベット傾き抑止部として、図6に示すような、缶蓋本体10の平面視が径方向内方へ凸、つまりリベット11側に向けて凸とされてタブ15の前記他端部15b側へ向けて延びるような円弧形状のリベット傾き抑止部24を採用してもよい。そして、この円弧の頂部を、主スコア13の始点部13aに対してリベット11を挟んだ反対側に位置させるとともに、前記平面視において前記始点部13aからリベット11へ向かう方向でのリベット11の投影線を含むように位置させてもよい。
このリベット傾き抑止部24では、前記円弧の頂部がメタル流し部24aとして作用することになる。なお、図6において、補助スコアは図示していないが、このリベット傾き抑止部24よりも径方向外方位置に補助スコアを形成してもよい。
さらに、図7に示すように、缶蓋本体10の平面視でこの缶蓋本体10の径方向に延びる直線状のリベット傾き抑止部23を周方向に間隔をあけて複数形成し、その少なくとも一部が主スコア13の始点部13aに対してリベット11を挟んで反対側に位置した構成を採用してもよい。なお、図示のリベット傾き抑止部23は全て、その長さを径方向内方に向けて延長すると前記中心軸線Oを通る方向に延在している。また、図7において、補助スコアは図示していないが、このリベット傾き抑止部23よりも径方向外方位置に補助スコアを形成してもよい。
また、図6、図7で示したリベット傾き抑止部24、23、図4、図5で示したメタル流し部18d、25a、リベット堰き止め部18e、25b、図4で示した補助スコア18aをそれぞれ、連続的に延在させた構成を示したが、これに代えて、例えば複数断続的に点在させたような構成、若しくは連続的に延在させた部分および点在させた部分を混在させた構成を採用してもよく、また、これら24、23、18d、25a、18e、25b、18aは缶蓋本体上面10aに形成する場合に限らず、缶蓋本体下面10cに形成しても、あるいは上下面10a、10cに形成してもよい。
また、前記実施形態では、図3で示したように、断面視台形状のリベット傾き抑止部18等および補助スコア18aを示したが、例えば左右非対称の形状のもの、断面視円弧形状のもの、あるいは断面視V字状であってもよく、その形状は前記実施形態のものに限られるものではない。
さらに、主スコア13とリベット傾き抑止部18等と補助スコア18aとを形成する順番は、特に限定されるものではない。例えば、主スコア13を形成した後にリベット傾き抑止部18等を形成すると、主スコア13を形成したときのリベット11の前記傾きが矯正され、また、リベット傾き抑止部18等を形成した後に主スコア13を形成すると、この主スコア13を形成したときにリベット11が前記のように傾こうとしてもその傾きが防止される。
さらにまた、図4および図5で示したリベット傾き抑止部18、25は、前記仮想直線Lがリベット11の外周縁を通るように位置させたが、この外周縁よりもタブ15の前記他端部15b側における外方を通るように位置させてもよい。
また、補助スコア18aに代えて、缶蓋本体10の上下面10a、10cを挟み込んで圧印して形成した補助圧印部18aを採用してもよい。さらにまた、補助スコア18aや補助圧印部18aは必ずしも形成しなくてよい。
さらに、前記各実施形態では、リベット傾き抑止部18等が、第1コイニング部20bの外周縁から0.01mm以上6.00mm以下離れて位置された構成を示したが、これに代えて第2コイニング部20cの外周縁から0.01mm以上7.00mm以下離れて位置させてもよい。
すなわち、リベット傾き抑止部18等は、少なくとも第2コイニング部20cを回避した位置に形成されていればよく、第1コイニング部20bに位置されてもよい。なお、リベット傾き抑止部18等を第1コイニング部20bの外周縁から0.01mm以上離して形成すると、すなわち第2コイニング部20cのみならず第1コイニング部20bをも回避した位置にリベット傾き抑止部18等を形成すると、この抑止部18等を形成したことによる缶蓋の耐圧強度や落下強度の低下をより一層確実に防ぐことができる。
さらにまた、前記実施形態では、補助スコア18aをリベット傾き抑止部18の全体に沿うように位置させたが、リベット傾き抑止部18のうち少なくともメタル流し部18dに沿うように位置させればよい。
また、前記実施形態では、リベット傾き抑止部18、25がメタル流し部18d、25aおよびメタル堰き止め部18e、25bを備える構成を示したが、少なくともメタル流し部18d、25aを備えればよい。
さらに、前述した各缶蓋は陽圧缶のみならず陰圧缶に用いてもよい。
さらにまた、リベット傾き抑止部18等は、リベット11との間に位置する缶蓋本体10のメタルをリベット11側へ流せるものであれば、スコア若しくは圧印部により形成された構成に限られない。
ここで、以上の作用効果についての検証試験を実施した。
実施例1として、図1から図4に示す缶蓋において、缶蓋本体10の板厚を0.28mmとするとともに、リベット傾き抑止部18のSR値を0.22mmとし、補助スコア18aを除いた缶蓋を形成し、また、実施例2として、前記缶蓋において、缶蓋本体10の板厚を0.28mmとするとともに、リベット傾き抑止部18のSR値を0.17mmとし、補助スコア18aを除いた缶蓋を形成した。
比較例として、前記缶蓋において、リベット傾き抑止部18および補助スコア18aを除いた従来の缶蓋を形成した。なお、この缶蓋本体の板厚は0.26mmとした。
そして、これらの缶蓋を各別に缶体の開口部に巻き締めて缶を形成し、これらの缶に内圧を付与したときの、引き上げ部15dの下面と缶蓋本体上面10aとの距離(以下、「隙間」という)を測定した。なお、それぞれの缶において、缶蓋の折り返し部の外径は約61mmとされる。
この結果、図8に示すように、比較例では、缶内圧値にかかわらず実施例1、2と比べて前記隙間が小さく、缶蓋にリベット傾き抑止部18を形成したことにより、缶蓋に良好な開栓性を具備させることが可能になることが確認できた。
また、前記実施例2の缶蓋において、リベット11が缶蓋本体10の中心軸線Oに対してタブ15の前記他端部15b側になす角度、つまりリベット傾斜角度を測定したところ、約3.0°であることが確認された。そして、この缶蓋を缶体の開口部に巻き締めて缶とした後に、この缶に内圧を0.2MPaかけたときの前記リベット傾斜角度を測定したところ、約1.0°であることが確認された。
一方、前記従来の缶蓋の前記リベット傾斜角度は、約4.5°であることが確認されるとともに、この缶蓋を用いて缶を形成し、この缶に内圧を0.2MPaかけたときの前記リベット傾斜角度は、約4.0°であることが確認された。
以上より、実施例2の缶蓋は、缶の構成において、その内圧が上昇した場合、つまり陽圧缶の場合に、前記リベット傾斜角度がさらに小さくなり、タブ15の前記他端部15bの下面と、缶蓋本体上面10aとの隙間がさらに大きくなって、この隙間に容易に指を入り込ませることが可能になることが確認できた。
缶蓋の耐圧強度や落下強度を低下させることなく、リベットの傾きを抑止し、良好な開栓性を具備させることができる缶蓋を提供する。
図1は、(a)本発明の第1実施形態として示した缶蓋の平面図、および(b)B−B線矢視断面図である。 図2は、図1(a)に示す缶蓋のA−A線矢視断面図である。 図3は、図2に示す缶蓋の一部拡大図である。 図4は、図1(a)に示す缶蓋本体の上面の一部拡大図である。 図5は、本発明の第2実施形態として示した缶蓋本体の上面の一部拡大平面図である。 図6は、本発明の第3実施形態として示した缶蓋本体の上面の一部拡大平面図である。 図7は、本発明の第4実施形態として示した缶蓋本体の上面の一部拡大平面図である。 図8は、缶蓋にリベット傾き抑止部を形成したことによる作用効果を検証した試験結果を示す図である。
符号の説明
10 缶蓋本体
10a 缶蓋本体上面
11 リベット
12 ディンプル
13 主スコア
13a 始点部
14 開口部
15 タブ
15a タブの一端部
15b タブの他端部
18、23、24、25 リベット傾き抑止部
18a 補助スコア、補助圧印部
18d、24a、25a メタル流し部
18e、25b メタル堰き止め部
20b 第1コイニング部(コイニング部)
20c 第2コイニング部(コイニング部)
L 仮想直線
O 中心軸線

Claims (11)

  1. 缶蓋本体の上面に、上方に向って凸とされたリベットと、主スコアにより画成された開口部とが形成され、前記開口部の上に一端部側が重なるように前記リベットに固着されたタブを備え、前記缶蓋本体上下面における前記リベットに連なる当該リベットの周辺部は、前記缶蓋本体上下面のうち前記周辺部を除く他部より高硬度のコイニング部とされた缶蓋であって、
    前記缶蓋本体の平面視における前記リベットを挟んで前記開口部と対向した対向領域のうち、前記コイニング部を回避した位置に、前記リベットとの間に位置する前記缶蓋本体のメタルを前記リベット側へ流し、該リベットの傾きを矯正または防止するリベット傾き抑止部が形成されていることを特徴とする缶蓋。
  2. 請求項1記載の缶蓋であって、
    前記リベット傾き抑止部は、前記缶蓋本体の平面視で前記開口部若しくは前記タブの幅方向に延びる直線状のスコア若しくは圧印部とされ、前記コイニング部に位置する前記主スコアの始点部に対して前記リベットを挟んで反対側に位置していることを特徴とする缶蓋。
  3. 請求項1記載の缶蓋であって、
    前記リベット傾き抑止部は前記缶蓋本体の平面視で径方向内方へ凸とされた円弧状のスコア若しくは圧印部とされ、この円弧の頂部が、前記コイニング部に位置する前記主スコアの始点部に対して前記リベットを挟んで反対側に位置していることを特徴とする缶蓋。
  4. 請求項1記載の缶蓋であって、
    前記リベット傾き抑止部は、前記缶蓋本体の平面視でこの缶蓋本体の径方向に延びる直線状のスコア若しくは圧印部が周方向に間隔をあけて複数形成され、その少なくとも一部が、前記コイニング部に位置する前記主スコアの始点部に対して前記リベットを挟んで反対側に位置していることを特徴とする缶蓋。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の缶蓋であって、
    前記リベット傾き抑止部は、前記コイニング部に位置された前記主スコアの始点部に対して前記リベットを挟んで反対側に位置するメタル流し部と、このメタル流し部の両側部に位置するメタル堰き止め部とを備えていることを特徴とする缶蓋。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の缶蓋であって、
    前記リベット傾き抑止部は、缶蓋本体の中心軸線を中心とした半径3mm以上8mm以下の領域に位置されていることを特徴とする缶蓋。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の缶蓋であって、
    前記リベット傾き抑止部は、前記コイニング部の外周縁から0.01mm以上離れて位置されていることを特徴とする缶蓋。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の缶蓋であって、
    前記リベットは、缶蓋本体の中心軸線に対して、前記タブの前記他端部側に0°以上3.5°以下傾いていることを特徴とする缶蓋。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の缶蓋であって、
    缶体の開口部に巻き締められてなる缶の内圧を0.2MPaとしたときに、前記リベットが、缶蓋本体の中心軸線に対して前記タブの前記他端部側に0°以上2.0°以下傾く構成とされていることを特徴とする缶蓋。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の缶蓋であって、
    前記対向領域の径方向外方部には、径方向内周縁が前記タブの前記他端に沿うような指かけ凹部が形成され、
    前記対向領域における、前記リベット傾き抑止部より径方向外方、かつ前記指かけ凹部の径方向内周縁より径方向内方位置に、前記リベット傾き抑止部に沿って補助スコア若しくは補助圧印部が形成されていることを特徴とする缶蓋。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の缶蓋であって、
    前記リベット傾き抑止部は、残厚が前記缶蓋本体の板厚の0.25倍以上0.75倍以下とされたスコア若しくは圧印部により形成されていることを特徴とする缶蓋。

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