JP2007069342A - 分子デバイスの製造方法 - Google Patents

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誓一 古海
Akira Otomo
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Abstract

【課題】個々の分子素子の結合を制御する有効な方法、特にナノワイヤの製造方法などを提供する。
【解決手段】上記課題は,4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンを包接した一般式(I)で示される化合物からなる薄膜に、波長が365nmの光を照射する工程を含む、架橋反応部分によって形成された殻構造を有する分子構造体が複数個連結されて形成される分子集合体の製造方法などにより解決される。
【選択図】図2

Description

本発明は、結合性残基を周囲に持つ分子構造体に光を照射し、光化学過程や光物理過程を利用して、分子周囲、もしくは分子構造体同士を選択的かつ効率的に連結させ、分子レベルで結合様式を制御した分子集合体の製造方法に関する。本手法を適用することで、各種三次元的高密度分子分子デバイスの作製が容易となる。
現在のシリコン半導体素子は、超微細化と高密度集積化により、コンピューターの能力を著しく向上させた。シリコン半導体素子では、シリコンに微量の不純物を混ぜてn型やp型の半導体としているが、超微細加工が進むことによって、一つの素子に含まれる不純物原子の数が極端に減少するために原理的にはもはや半導体として動作することができない。その限界とされている素子寸法は数10nmであり、現在のペースで超微細加工技術が進むと数十年後にはその限界に達すると予測される。化学増幅型フォトレジストを用いた光リソグラフィーによる微細加工技術においては、可視光から紫外光、深紫外光照射に移行していきているが、70nm程度の解像度が限界とされている。最近では、より照射波長の短いX線、集束イオンビーム、電子線リソグラフィーなどの適用が検討されているものの、これらの照射波長を用いるためには、新たなフォトレジスト、電子線レジスト、光学系、マスクの開発や生産コストの低下などが望まれているが、この技術・実用的な問題は現段階では改善されていない。したがって、トップダウン概念による技術は限界に達している。ボトムアップ概念に基づく技術として、現在、走査プローブ顕微鏡を用いた手法が注目を集めている。一つは、走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて原子や分子を任意の場所に配置、反応させることで、ナノメートルの構造を作製できる。この研究は、科学雑誌である、Y.Okawa and M.Aono,Nature,409,683(2001).に記載されている。また、原子間力顕微鏡(AFM)の微小の針先にチオール分子の溶液を基板に描画することで、ナノメートルでパターン化した自己組織化膜の作製に成功している。この研究は、科学雑誌である、R.D.Piner,J.Zhu,F.Xu,S.Hongand C.A.Mirkin,Science,283,661(1999).に記述されている。どちらの技術も、ナノメートル領域の二次元構造体を作製するには秀逸な手法ではあるが、三次元構造体を構築することは困難であり、また、生産コストという観点から見ても実用的ではない。以上のデバイス作製手法は、いわゆるトップダウン技術の概念に基づいており、より小さなサイズでの三次元的な分子デバイスの作製は困難である。
Y.Okawa and M.Aono,Nature,409,683(2001)
現在、世界的にナノメートル程度の寸法でも動作可能な新しい高密度分子分子デバイスの開発が精力的に進められている。例えば、電子1個でスイッチのオン・オフを制御する単電子素子や、機能性有機分子を分子構造体として用いる分子デバイスなどが提案されている。これら新しい概念に基づいた分子デバイスを実用化するためには、まだ多くの課題を解決しなければならない。そのひとつの大きな問題として、個々の分子を如何に選択的に連結させることが挙げられる。これは、ボトムアップ技術の大きな問題点であり、科学雑誌である日経サイエンス、2001年、12月号、37ページにおいても言及されている。したがって、これまでに個々の分子素子の結合を制御する有効な方法は見出されていない。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、高密度分子分子デバイスを作製する際に必要とされる各々の分子構造体を光照射などにより連結できることを見いだした。上記課題の少なくともひとつ以上は、以下の発明により解決される。
4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンを包接した下記一般式(I)で示される化合物からなる薄膜に,波長が365nmの光を照射する工程を含む、
架橋反応部分によって形成された殻構造を有する分子構造体が複数個連結されて形成される分子集合体の製造方法。
Figure 2007069342
(上記式において、nは3以上10以下の数を示す。)
結合性残基をその末端部位に有する上記一般式(I)で表される化合物と、前記結合性残基をスペクトル増感できる分子(増感剤)とを含む溶液に光を照射する工程を含む、架橋反応部分によって形成された殻構造を有する分子構造体が複数個連結されて形成される分子集合体の製造方法。
結合性残基をその末端部位に有する上記一般式(I)で表される化合物と、前記結合性残基をスペクトル増感できる分子(増感剤)とを含む固体に光を照射する工程を含む、架橋反応部分によって形成された殻構造を有する分子構造体が複数個連結されて形成される分子集合体の製造方法。
上記一般式(I)で示される化合物に4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンを混合して得られる溶液を沈殿させて得られる沈殿物を含有する溶液に、365nmの波長を有する光を照射する工程を含む、
架橋反応部分によって形成された殻構造を有する分子構造体が複数個連結されて形成される分子集合体の製造方法。
本発明によれば、ナノパーティクルやナノワイヤを効率的に製造できる。本発明によれば、ボトムアップ型の設計により分子デバイスを適切に製造できる。本発明のナノパーティクルやナノワイヤは、液晶材料、機能性材料、電子機能性材料、触媒、ナノレベル電子素子、ナノレベルFET、トナー原料、帯電制御剤、電荷付与剤などプラスチックの副剤光、ドラッグデリバリーシステムなどとして利用可能である。本発明の、ナノワイヤは、数nm〜数100nmレベルの周期性を利用した、超高密度記憶材料、発光素子等で利用可能である。
以下、本発明の分子構造体、分子集合体、および高密度分子分子デバイスの製造方法などについて詳述する。本発明の高密度分子分子デバイスの製造方法は、例えば、内部よりも周囲部分の原子密度が高く、周囲部分に結合性残基を有する分子構造体を用いる。本発明の一態様によれば、分子構造体の周囲に存在する結合性残基を分子構造体内であるいは分子構造体間で架橋させることによって分子構造体または分子集合体を製造する。本発明においては、分子構造体および増感剤を含む溶液または固体に前記増感剤が吸収する波長の光などのエネルギーを与える。溶液または固体中には、結着樹脂(バインダー)やその他の副資材が含まれていてもよい。本発明においては、増感剤に光エネルギーを吸収させ、増感剤が吸収したエネルギーをデンドリマーなどの分子構造体へ伝え、または、電子、イオンやラジカルが移動し、分子構造体に存在する結合性残基が結合反応や架橋反応を起こすことなどを利用して、殻構造を有する分子構造体や分子構造体が3次元的に連結した分子集合体などを製造する。それぞれの分子構造体は、光メモリ効果など様々な機能を有する分子素子として機能することが好ましい。そして、それら分子構造体が、直線状、格子状、放射状など1次元的、2次元的または3次元的に次々と連結することで様々な機能を有する分子集合体(または分子デバイス)を製造することができる。分子構造体のなかの結合性残基位置を制御することで分子構造体が連結する位置を制御することができ、分子構造体が連結しあい次々と拡大し分子集合体を形成する成長の方向を制御することにつながる。そして、分子集合体を構成する分子構造体同士の間隔も架橋剤の長さなどを制御することにより制御できる。
分子構造体としては、増感剤を包接することができる分子や、増感剤と共有結合、イオン結合、配位結合、金属結合や水素結合した分子が好ましく、特に光・電子機能性を有するデンドリマー(ハイパーブランチポリマー)が好ましいが、結合性残基を有する化合物であれば特に限定されるものではない。デンドリマー分子は、それ自身ナノメートル空間を有し、その空間に異分子や異原子を包接可能という特徴がある。デンドリマーの包接現象に関する詳細は学術誌である、J.Jansen,E.Berg,E.Meijer,Science,266,1226(1994);A.Cooper,J.Londono,G.Wignall,J.McClain,E.Samulski,J.Lin,A.Dobrynin,M.Rubinstein,A.Burke,J.Frechet,J.DeSimone,Nature,389,368(1997)に記載されている。
分子構造体中の結合性残基(光架橋性残基)としては、(a)ビニル基、アクリレート基やメタクリレート基のような不飽和二重結合を有する脂肪族系残基、(b)桂皮酸基、α-シアノ桂皮酸基、クマリン基、カルコン基、シンナミリデンアセテート基、p―フェニレンジアクリレート基やジスチリルピラジン基といった不飽和二重結合を有する芳香族系残基、(c)アセチレン基やジアセチレン基のような不飽和三重結合を有する脂肪族系残基、(d)ジフェニルアセチレン基、フェニルアジド基やジピリジルジアセチレン基のような不飽和三重結合を有する芳香族系残基が挙げられる。また、これら誘導体でも構わない。(a)はラジカル重合反応を示すために、光ラジカル重合開始剤を必要とする。一方、(b−d)の光架橋性残基は、〔2π−2π〕光二量化反応のようなウッドワード・ホフマン則に従った光付加反応を示すので、(a)の場合のような光重合開始剤は不要である。これら感光性基に関する詳細は、永松 元太郎、乾 英夫 共著、「感光性高分子」、講談社サイエンティフィック、(1977)に記載されている。
光により架橋体を作成する場合の照射する光としてはX線、電子線、紫外線、可視光線または赤外線(熱線)が用いられる。こららの中でも、紫外線もしくは可視光線が特に好ましい。光源としては、超高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、気体レーザー、液体レーザー、固体レーザーなどが用いられる。また、これらの光源から放出される光の表面プラズモン輻射などを用いても良い。結合性残基同士を結合(架橋)させたり、各分子構造体を連結するために、結合性残基を直接励起し、分子内結合や分子間結合を誘起してもよいし、架橋剤などを用いて架橋させることにより分子内架橋および分子間架橋を形成してもよい。各分子構造体を連結するために、結合性残基(光架橋性残基)を直接励起し、光架橋反応を誘起しても構わないが、本発明の特徴は、より効率的かつ選択的にナノメートル領域の分子構造体内や分子構造体間を結合させるために、「スペクトル増感」を利用する。このようにスペクトル増感を利用することで、図1および図2に示したように、分子構造体のナノパーティクルやナノワイヤの作製が容易になる。その際、前述したようにデンドリマー分子の分子内に異分子や異原子を包接できる特徴を利用して、結合性残基(光架橋性残基)をスペクトル増感できるような分子、いわば増感剤を添加することが好ましい。増感剤の詳細については、徳丸 克己、大河原 信 共著、「増感剤」、講談社サイエンティフィック、(1987)に記述されている。スペクトル増感の機構には、光電子移動と光エネルギー移動とがあるが、この光エネルギー移動は、さらに光励起状態の違いによって二種類にあり、双極子―双極子相互作用に基づく一重項エネルギー移動(フェルスター型)と電子交換相互作用に基づく三重項エネルギー移動(デックスター型)に大別できる。光エネルギー移動に関する詳細は、N.Turro,Modern Molecular Photochemistry,University Science Books(1991)に記載されている。光電子移動の移動距離は0.4nm〜2.0nm程度であり、一重項、三重項エネルギー移動の移動距離はそれぞれ1.0〜10nm、0.3〜1.0nm程度である。これらのスペクトル増感機構のうち、本発明は、ナノメートル領域でスペクトル増感する三重項エネルギー移動を利用して、光・電子機能性分子構造体を光連結することが好ましい。
本明細書において架橋とは、2以上の分子構造体を連結する橋渡しとなる連結方法のほかに、結合性残基同士が結合する場合をも意味する。本発明において、架橋剤分子は、分子構造体の結合性残基同士を連結する分子を意味する。例えば、ブタジエン、ペンタジエン、分子構造体の結合性残基の置換物などが挙げられる。架橋剤を用いることで、間隔を制御しつつ分子構造体同士を連結し規則性のある分子集合体を得ることが可能となる。
本発明の、分子デバイスの製造方法では、例えば以下の殻構造を有する分子構造体、または分子集合体が中間生成物として得られてもよい。殻構造を有する分子構造体(以下、「ナノパーティクル」ともいう。)は、例えば、内部よりも周囲部分の原子密度が高く、周囲部分に結合性残基を有する分子構造体の、結合性残基を架橋させ殻とさせることにより製造される。すなわち、分子構造体の周囲に存在する結合性残基部分同士が結合しあい、殻のような状態になったものが、殻構造を有する分子構造体である。特に、分子構造体の密度が高くなく、分子構造体同士の分子間距離が大きい場合は、ナノパーティクルが主に製造される。図1を用いて、ナノパーティクルの一例を説明する。デンドリマーなどの分子構造体1(a)は、その周囲や、内部に増感剤3を有している。そして、増感剤が光照射によるエネルギーを吸収する。増感剤が吸収したエネルギーは、分子構造体へと移行する10。すると、分子構造体1では、移行されたエネルギーにより、結合性残基同士が結合(架橋)し、架橋反応部分9を形成する(図1b)。このようにして、架橋反応部分が殻を形成し、ナノパーティクルを形成する。
本発明の分子集合体(以下、「ナノワイヤ」ともいう。)は、例えば内部よりも周囲部分の原子密度が高く、周囲部分に結合性残基を有する分子構造体の結合性残基を架橋させ、隣接する分子構造体の結合性残基を結合させることにより製造される。本発明の分子構造体は、例えば分子内に複数の結合性残基を有しているので、架橋が進行すると、例えば、放射状に複数の分子構造体が集合することとなる。特に、分子構造体の密度が高く、分子構造体同士の分子間距離が小さい場合は、ナノワイヤが主に製造される。図2を用いて、ナノワイヤについて説明する。図2aにあるように結合性残基を周囲部分に有する分子構造体1や増感剤3に光を照射する。増感剤が光照射によるエネルギーを吸収する。増感剤が吸収したエネルギーは、分子構造体へと移行する10。すると図2bにあるように、分子構造体1内の架橋性残基と架橋剤5が架橋し、架橋反応部分9を形成し、分子集合体7が得られる(図2b)。また、架橋剤を加え架橋を進行させた場合は、分子構造体の結合性残基と架橋剤とが架橋反応を起こし、分子構造体同士の距離を制御した形で分子構造体が集合することにより分子集合体を得ることもできる。
分子デバイスは、例えば、上記のナノパーティクルやナノワイヤを用いたものが挙げられる。分子構造体は、様々な機能を有するが、この分子構造体の集合様式を分子・ナノレベルで制御し分子デバイスを得ることができる。例えば、分子構造体のうち、結合性残基の位置を制御し、架橋させることで、分子集合体の3次元的な構造を制御することができる。
例えば、分子構造体は様々な機能を持つが、このような分子構造体同士を連結し、好ましい方向へ架橋剤を介して次々と連結させることにより分子デバイスを得ることができる。この架橋部分は、機能性のある分子構造体が電気信号などの情報を伝達する際の情報伝達路となり得る。このようにすることで、あたかもニューロンが他のニューロンに向けて軸索を伸ばしていくかのように情報伝達システムとして機能する分子デバイスをえることができる。また、電極間において、この分子デバイスの製造方法を適用させると、分子構造体が連結し、情報を伝達することができる分子デバイスを得ることができる。この分子デバイスを用いれば、機能性を有する分子素子(分子構造体)の連結からなる分子デバイスを用いた機能性製品を得ることができる。図3は、そのような製造方法によって製造され得る分子デバイスである単一電子トランジスタ(SET)の一例を表す概図である。図3において、1は分子素子として機能しうる分子構造体を表し、5は、架橋剤を表し、9は架橋反応部分を表し、11は電極を表す。図3に示されるSETは、以下のようにして製造した。まず、50nm程度の間隔をもった電極11を用意した。この電極11の間隔は、10nm〜1μm程度とすることができる。その後、その電極間を連結するように、両極(正対照の位置)に結合性残基を有するデンドリマー、増感剤及び架橋剤を有する溶液を用意した。その後、デンドリマーを有する溶液に光を照射した。すると、図3に示されるような分子デバイス(SET)を得ることができた。この分子デバイスに電圧を印加したところ、電流−電圧特性が階段状の現象(クーロンブロッケード現象)が観測された。これから、光照射によって連結した架橋剤が、トンネル層として機能していることがわかった。
図4は、本発明の別の分子デバイスであるT字型オプトエレクトロニクス素子(TOED)の一例を表す概念図である。以下にTOEDの製造方法の一例を説明する。まず、雲母からなる基板を用意した。基板は、金、銅、白金、又は雲母などの絶縁体であってもよい。次に、4種類の分子構造体A、B、CおよびD、増感剤を含む溶液に基板を浸した。この際、溶液には、架橋剤が含まれていても良い。分子構造体Aは、1位が、分子構造体Bのある結合性残基と結合するような結合性残基を有している。なお、10位が分子構造体Cのある結合性残基と結合する結合性残基を有していてもよい。(この場合、得られる分子デバイスは、TOEDではなく、T字型オプトエレクトロニクスの連続体となる。)また、分子構造体Bは、1位、5位、10位がそれぞれ、分子構造体C,D,Aのある結合性残基と結合するような結合性残基を有する。なお、15位に、分子構造体Dのある結合性残基と結合するような結合性残基を有していても良い。(この場合、得られる分子デバイスは、TOEDではなく、T字型オプトエレクトロニクスの連続体となる。)
この溶液に光を照射したところ、基板上に分子デバイスが形成された。分子デバイスのうち分子構造体Aに光信号を入力したところ、約30psで、分子構造体Bから出力が観測された。一方、分子構造体D部分を酸化したところ、分子構造体Aに光信号を入力しても分子構造体B部分からの出力は得られなかった。
また、本発明の分子デバイスを用いて、例えば、特開2001−44413号公報に記載された分子集積回路を製造することができる。本発明の分子デバイスを用いた分子集積回路は、特開2001−44413号公報に記載された分子集積回路と同様にして、NAND回路、NOR回路、インバーター回路、ランダムアクセスメモリーセル、リードオンリーメモリーセルなどとして利用することができる。本発明においては、光増感反応を利用して、分子デバイスを構築することができるので、より正確かつ迅速に、分子デバイスを製造することができる。
(実施例1−1)
桂皮酸アミド残基を分子周囲に有する第一世代ポリプロピレンイミンデンドリマー(一般式(1)においてn=1)のジクロロメタン溶液に、増感剤として4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンを各々混合し、過剰量のヘキサンに再沈殿した。この沈殿物をジクロロメタンで透析し、再度、再沈殿を行った。4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンを包接した第一世代ポリプロピレンイミンデンドリマーのジクロロメタン溶液に、出力が200Wの水銀キセノンランプから波長が365nmの光を取り出し、光照射した。この際、溶液の温度は、室温であった。桂皮酸アミド残基は365nmの光を吸収しないが、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンは365nm付近に吸収帯を持つ。紫外・可視吸収スペクトル測定から、デンドリマー中に包接した4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンの分子数は、第一世代では0個であることがわかった。前記のように調整したデンドリマーを含むジクロロメタン溶液に365nmの光を充分に照射しても、紫外・可視吸収スペクトルに変化が見られなかった。
(実施例1−2)
第三世代ポリプロピレンイミンデンドリマー(一般式(1)においてn=3)を用いた以外は、参考例1−1と同様にして分子集合体を製造した。紫外・可視吸収スペクトル測定から、デンドリマー中に包接した4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンの分子数は、第三世代では3個であることがわかった。
(実施例1−3)
第五世代ポリプロピレンイミンデンドリマー(一般式(1)においてn=5)を用いた以外は、参考例1−1と同様にして分子集合体を製造した。紫外・可視吸収スペクトル測定から、デンドリマー中に包接した4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンの分子数は、第五世代では8個であることがわかった。
(実施例2−1)
デンドリマーの桂皮酸アミド単位とメタクリル酸メチルモノマー単位が1:10になるように、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンを包接した光架橋性デンドリマー分子(第三世代ポリプロピレンイミンデンドリマー)をポリ(メタクリル酸メチル)に希釈分散した溶液を調整した。このように調整したポリ(メタクリル酸メチル)溶液をスピンコート法によってガラス基板上に塗布した。溶液をガラス基板に塗布した後、室温にて乾燥させデンドリマーを含んだ固体を製造した。出力が200Wの水銀キセノンランプから波長が365nmの光を取り出し、このガラス基板に照射した。光照射にともなって、桂皮酸アミド残基由来の280nm付近の吸収帯が減少した。光照射後の吸収スペクトルを測定し、桂皮酸アミド残基のトランス体、シス体、光架橋体の存在比率を算出した。その結果を表1に示す。
(参考例2−2)
第五世代ポリプロピレンイミンデンドリマーを用いた以外は、参考例2−1と同様にして分子集合体を製造した。参考例2-1と同様にして、光照射後の吸収スペクトルを測定し、桂皮酸アミド残基のトランス体、シス体、光架橋体の存在比率を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 2007069342
表1に示す結果により、光照射に伴って桂皮酸アミド残基のトランス体生成比率は減少し、シス体と光架橋体生成比率は増加したことがわかる。また、第三世代と第五世代デンドリマーにおいて、桂皮酸アミドの光架橋体の生成比率を比較すると、第三世代のデンドリマーの方が第五世代よりも多いことがわかった。4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンを包接したデンドリマーは、365nm光で3.0J/cm2という低露光エネルギーで光架橋体を形成することができた。3.0J/cm2という露光エネルギーは、桂皮酸アミド残基を313nmの光で直接励起して光架橋体を製造する場合に比べて低いエネルギーである。これは、増感剤が光を吸収し、増感剤が吸収した光エネルギーによって結合性残基が効果的に結合(架橋)したからであると考えられる。従って、本発明によれば、低エネルギーの照射光を用いて高感度に単一分子構造体を光架橋することに成功したといえる。
(参考例1)
光照射後のデンドリマー/ポリ(メタクリル酸メチル)薄膜をスピン塗布溶媒であるジクロロメタンに浸漬した。その結果、ガラス基板上から膜が除去されていることが紫外・可視吸収スペクトル測定から判断できた。このことから、デンドリマー希薄溶液に光を照射した場合は、高分子が発生していないと考えられる。これは、光照射によりデンドリマーの結合性残基が結合し、主にナノパーティクルが生成したことによると考えられる。
光架橋性デンドリマーのみの薄膜に365nmの光を充分照射して先と同様にジクロロメタンに浸漬した。その結果、膜はガラス基板上に残存した。このことからデンドリマーのみの薄膜に光を照射した場合は、高分子化が進行したと考えられる。これは、光照射によりデンドリマー分子間に光架橋反応が進行し、ナノワイヤが主に生成したことによると考えられる。
本発明によれば、ナノワイヤを効率的に製造できる。本発明によれば、ボトムアップ型の設計により分子デバイスを適切に製造できる。本発明のナノワイヤは、液晶材料、機能性材料、電子機能性材料、触媒、ナノレベル電子素子、ナノレベルFET、トナー原料、帯電制御剤、電荷付与剤などプラスチックの副剤光、ドラッグデリバリーシステムなどとして利用可能である。本発明のナノワイヤは、数nm〜数100nmレベルの周期性を利用した、超高密度記憶材料、発光素子等で利用可能である。
ナノパーティクルの概念図である。 本発明のナノワイヤの概念図である。 単一電子トランジスタ(SET)の一例を表す概図である。 T字型オプトエレクトロニクス素子(TOED)の一例を表す概念図である。
符号の説明
1 分子構造体
2 エネルギー
3 増感剤
5 架橋剤
7 分子集合体
9 架橋反応部分
10 エネルギー移動
11 電極

Claims (4)

  1. 4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンを包接した下記一般式(I)で示される化合物からなる薄膜に,波長が365nmの光を照射する工程を含む、
    架橋反応部分によって形成された殻構造を有する分子構造体が複数個連結されて形成される分子集合体の製造方法。
    Figure 2007069342
    (上記式において、nは3以上10以下の数を示す。)
  2. 結合性残基をその末端部位に有する下記一般式(I)で表される化合物と、前記結合性残基をスペクトル増感できる分子(増感剤)とを含む溶液に光を照射する工程を含む、架橋反応部分によって形成された殻構造を有する分子構造体が複数個連結されて形成される分子集合体の製造方法。
    Figure 2007069342
    (上記式において、nは3以上10以下の数を示す。)
  3. 結合性残基をその末端部位に有する下記一般式(I)で表される化合物と、前記結合性残基をスペクトル増感できる分子(増感剤)とを含む固体に光を照射する工程を含む、架橋反応部分によって形成された殻構造を有する分子構造体が複数個連結されて形成される分子集合体の製造方法。
    Figure 2007069342
    (上記式において、nは3以上10以下の数を示す。)
  4. 下記一般式(I)で示される化合物に4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンを混合して得られる溶液を沈殿させて得られる沈殿物を含有する溶液に、365nmの波長を有する光を照射する工程を含む、
    架橋反応部分によって形成された殻構造を有する分子構造体が複数個連結されて形成される分子集合体の製造方法。
    Figure 2007069342
    (上記式において、nは3又は5を示す。)
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