JP2007068005A - リーダライタ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 通信手段1、2、3が複数のループアンテナE1、E2の中から非接触通信に使用するループアンテナを切り替えて非接触通信を行うに際して、複数のループアンテナのそれぞれの共振周波数を変化させる共振周波数変化手段C1、D1、C2、D2を備え、制御手段1、2、3が、複数のループアンテナについて、非接触通信に使用するループアンテナの共振周波数に対して、他のループアンテナの共振周波数を異ならせるように、共振周波数変化手段を制御する。
【選択図】 図1
Description
一例として、ICタグを用いた非接触型リーダライタシステムでは、主要な構成として、ICチップにループアンテナを備えて電源を内蔵しない非接触型のICタグと、ループアンテナを備えて無線通信を行うリーダライタ装置を有する。リーダライタ装置ではそのループアンテナにより、ICタグ内のICチップを駆動する電力と質問データを常時又は間欠に送信し、当該電力及び当該質問データを受信することができる範囲内に存在するICタグからの応答データを受信して得る。
以下では、説明の便宜上から、ICタグのループアンテナをタグアンテナと言い、また、特にいずれに備えられているかを示さずにループアンテナと言う場合にはリーダライタ装置のループアンテナを示す。
電源を内蔵しないICタグがリーダライタ装置と無線通信するためには、リーダライタ装置が有する送信アンテナ(ループアンテナ)が発生する磁界が、ICタグ内部の回路を駆動するための起電力を発生することができる空間的距離範囲内にあり、且つタグアンテナのループ面を鎖交する方向性を持つ位置関係であることが必要となる。
しかしながら、1つのループアンテナと1枚のICタグについては、その距離が十分に小さくとも、空間的に磁界が鎖交しない方向性を持つ位置が存在する。これをNull点という。通常、Null点は1つのループアンテナに1つ以上存在する。ループアンテナの形状によってはNull点が連続し、平面的な不読範囲(不読エリア)が形成されてしまう。
図7(a)には、ICタグ64a、64bの配置方向、ループアンテナによる所望の読取範囲61、所望のICタグ読取方向62、所望の磁界方向63の関係の一例を示してある。
図7(b)には、1つのループアンテナ71、ループアンテナ71による磁界72、鎖交磁界によるループアンテナ71の読出範囲73a、73b、磁界Nullによるループアンテナ71の不読範囲74、ICタグ75a、75b、75cの配置方向の例を示してある。
図7(b)に示されるように、任意の空間にICタグの読取方向を固定した一様な読取範囲を生成する場合に、1つのループアンテナ71で読取範囲を生成しようとすると、ICタグ73a、73b、73cに対して磁界がNullとなる不読範囲74ができてしまう。
しかしながら、複数のループアンテナが近傍に存在する配置や、方向によってループアンテナ同士の結合が強くなること(この状態を密結合と言う)により、自他のループアンテナの共振状態が崩れてアンテナとして機能しなくなる特性となり、例えば、個々のループアンテナのいずれかに対しては読み取り可能な位置にあるはずのICタグを読み取ることができなくなってしまう。電波が出力されなくても、複数のループアンテナが同じ周波数で共振していると、互いの位置や方向によって自他のループアンテナの特性が変化する。
このように、従来の方式では、限られた空間に複数のループアンテナを近傍の距離や同じ方向で配置することができなかった。
本発明は、このような従来の課題を解決するために為されたもので、複数のループアンテナを効果的に使用することができるリーダライタ装置を提供することを目的とする。
すなわち、複数のループアンテナを備え、通信手段が前記複数のループアンテナの中から非接触通信に使用するループアンテナを切り替えて非接触通信を行う。この場合に、前記複数のループアンテナのそれぞれの共振周波数を変化させる共振周波数変化手段を備え、制御手段が、前記複数のループアンテナについて、前記非接触通信に使用するループアンテナの共振周波数に対して、他のループアンテナ(つまり、非接触通信に使用しないループアンテナ)の共振周波数を異ならせるように、前記共振周波数変化手段を制御する。
従って、複数のループアンテナについて、非接触通信に使用するループアンテナの共振周波数に対して、他のループアンテナの共振周波数を異ならせることが行われるため、例えば、従来においてはループアンテナ間での影響があるような配置においても、このような影響を低減すること乃至無くすことができ、複数のループアンテナを効果的に使用することができる。
また、複数のループアンテナの配置としては、種々な配置が用いられてもよく、例えば、共振周波数を異ならせない場合には互いに影響を及ぼすような配置で2個のループアンテナを隣接させて或いは近接させて設けることが可能であり、更に、同様な配置で、3個以上のループアンテナを設けることも可能である。
また、それぞれのループアンテナの形状や大きさなどとしては、種々な態様が用いられてもよい。
また、リーダライタ装置の非接触通信の相手としては、例えば、人により携帯される或いは物に付されるICカードやICタグなどの被識別体が用いられる。
また、非接触通信としては、例えば、リーダライタ装置から被識別体への電力の送信や、リーダライタ装置から被識別体へのデータの送信や、被識別体からリーダライタ装置へのデータの送信のうちの1以上が行われる。
また、ループアンテナの共振周波数を変化させるための構成としては、種々な構成が用いられてもよく、例えば、pinダイオード或いは可変容量ダイオードを用いて、それに印加するバイアス電圧を制御するような構成を用いることができる。
また、非接触通信に使用しないループアンテナとしては、例えば、2個以上のループアンテナが用いられてもよく、この場合、非接触通信に使用しない各ループアンテナの共振周波数は同一であってもよく或いは異なってもよい。
また、種々な状況に応じて各ループアンテナの共振周波数を制御する仕方としては、例えば、予めリーダライタ装置のメモリなどにデータとして或いはプログラムなどとして設定される。
図1には、本発明の一実施例に係る非接触型リーダライタシステムに設けられる非接触型のリーダライタ装置の構成例を示してある。
本例のリーダライタ装置は、上位システム1と、リーダライタ部2と、アンテナ切替器3と、2個のアンテナ装置A1、A2を備えている。
各アンテナ装置A1、A2は、整合回路(マッチング回路)B1、B2と、同調回路C1、C2と、スイッチ回路(SW回路)D1、D2と、アンテナコイル(ループアンテナのコイル)E1、E2を備えている。
ここで、本例では、2個のアンテナ装置A1、A2を切り替える構成を示すが、他の構成例として、3個以上のアンテナ装置を切り替える構成が用いられてもよい。
上位システム1は、リーダライタ部2の上位のシステムであり、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などから構成されており、本例のリーダライタ装置を統括的に制御する。
リーダライタ部2は、アンテナ装置A1、A2を使用して、ICタグからの情報の読み取り(リード)動作や、ICタグへの情報の書き込み(ライト)動作を行う。
本例では、上位システム1及びリーダライタ部2は、各アンテナ装置A1、A2による読取動作を切り替えるために、アンテナ切替器3及びループアンテナを有する各アンテナ装置A1、A2に対して切替信号を出力する機能を有している。なお、このような機能は、例えば、主に上位システム1に備えられてもよく、或いは、主にリーダライタ部2に備えられてもよく、或いは、上位システム1とリーダライタ部2に機能が分散されてもよい。
各アンテナ装置A1、A2は同様な機能を有している。
マッチング回路B1、B2は、回路の整合を取るものである。
同調回路C1、C2は、回路を同調させるものである。
アンテナコイルE1、E2は、ループアンテナを構成するコイルである。
SW回路D1、D2は、上位システム2及びリーダライタ部2からの切替信号に基づいて、例えば同調回路C1、C2の回路定数などを切り替えることにより、アンテナコイルE1、E2の共振状態を切り替える機能を有している。
なお、アンテナ切替器3への切替信号及び各SW回路D1、D2への切替信号としては、それぞれ、異なる信号が用いられてもよく、或いは、2以上について共通な信号が用いられてもよい。
図示の構成は、ループアンテナを構成するアンテナコイル13のインダクタと、pinダイオード12と、共振素子のコンデンサ11を直列に接続した直列共振回路となっている。
なお、アンテナコイル13によりアンテナコイルE1、E2が構成され、pinダイオード12によりSW回路D1、D2が構成され、コンデンサ11及びpinダイオード12により同調回路C1、C2が構成される。また、マッチング回路B1、B2については省略してある。
pinダイオード12は、順バイアス電圧が印加される場合には、あたかもインピーダンス=0のように見える。
一方、pinダイオード12は、逆バイアス電圧が印加される場合や、或いは、バイアス電圧が0Vである場合には、キャパシタンスを持つように見える。このため、この場合には、アンテナコイル13(ループアンテナ)の共振周波数がシフトする(例えば、基準となる13.56MHzからシフトする)ことにより、ループアンテナの共振状態を制御することができる。
本例では、SW回路D1、D2を構成するpinダイオード12に印加するバイアス電圧を制御することにより、ループアンテナの共振周波数を変化させることができる。図示の例では、周波数f1に共振する特性21と、周波数f2に共振する特性22を示してあり、このように共振周波数が異なる特性の状態を切り替えることができる。
このように、逆バイアス電圧時におけるpinダイオード12で発生するキャパシタンスを利用して、バイアス電圧制御により、基準となる例えば13.56MHzとは別の所望の周波数でループアンテナを共振させることが可能となる。
具体的には、一のアンテナ装置のループアンテナによりICタグの情報を読み取る動作時に、他のアンテナ装置のループアンテナとの距離乃至方向に依存して発生する密結合を回避するために、読取動作状態にするループアンテナを所望の周波数で共振させ、読取動作状態に無いループアンテナを別の周波数で共振させるように、複数のアンテナ装置の共振状態を制御する。
また、本例では、1個のループアンテナにより読み取りを行う場合を示したが、他の構成例として、3個以上のループアンテナが備えられているときに、2個以上のループアンテナにより読み取りを行い、他のループアンテナにより読み取りを行わないようなことも可能であり、このような構成では、例えば、読み取りを行うループアンテナについては基準の周波数に共振させ、読み取りを行わないループアンテナについては他の周波数に共振させる。
また、リーダライタ装置に備えられる複数のループアンテナの配置の仕方としては、例えば、限られた空間(平面)内に隣接又は近接に複数配置する仕方を用いることができる。また、本例では、リーダライタ部2とループアンテナの構成台数が1対複数(n)の形態を有し、つまり、1個のリーダライタ部2に対して複数であるn個のアンテナ装置が接続される。
このように、本例では、リーダライタ装置とICタグとが非接触で送受信するシステムにおいて、リーダライタ装置側に複数のループアンテナを配置することで、ICタグとの間で送受信可能な範囲の拡張や、複数のICタグとの同時通信の拡張や、ICタグの位置探索の拡張などが可能となる。また、本例のような構成では、例えば、鉄板などの電磁遮蔽物を設けなくとも、複数のループアンテナを配置して通信することができる。
図4には、リーダライタ装置に備えられる複数のループアンテナの具体的な配置の例として、複数のループアンテナの行列配置の一例を示してある。
具体的には、1組の上位システム1及びリーダライタ部2に対して多数のアンテナ装置が接続されており、図4では、30個のループアンテナF1〜F30を示してある。これら多数のループアンテナF1〜F30は、縦方向に複数並べられ且つ横方向に複数並べられるといったように行列状に配置されている。
また、識別情報(例えば、aaaaなど)をメモリに記憶したICタグ32が、物品31に付されて使用されている。
上位システム1或いはリーダライタ部2は、例えば、各ループアンテナにより通信可能な位置を特定する情報(位置情報)や、管理対象となるICタグ32の識別情報などをメモリに記憶しており、位置情報と識別情報とを対応付けて記憶する処理など、物品管理(ICタグ管理)のための処理を行う。
図5(a)、(b)には、リーダライタ装置に備えられる複数のループアンテナの具体的な配置の例として、複数のループアンテナの方向別対応配置の一例を示してある。
具体的には、図5(a)には、本例の1組のアンテナを構成するための要素となる6個のループアンテナ41a、41b、42a、42b、43a、43bを分解して示してある。図5(b)に示されるように、これら6個のループアンテナ41a、41b、42a、42b、43a、43bが、これら6個のループアンテナ41a、41b、42a、42b、43a、43bの面により立方体を形成するように、組み合わされる。
例えば、本例の1組のアンテナでは、1個のループアンテナのみに読取動作をさせる態様、或いは、向かい合う一対のループアンテナ(つまり、ループアンテナ41a、41b、又は、ループアンテナ42a、42b、又は、ループアンテナ43a、43bといったように、2個のループアンテナ)に読取動作をさせる態様が用いられる。
図6(a)〜(d)を参照して、リーダライタ装置に備えられる複数のループアンテナの具体的な配置の例として、複数のループアンテナの多重連結配置の一例を示す。
図6(a)には、単体である1個のループアンテナ51及びそれにより生成される磁界の一例を示してある。
図6(a)に示されるように、ループアンテナ単体では、アンテナパターンに沿った磁界が生成され、ループ中央では磁界がヌル(Null)となる。このため、本例では、広域の一様な磁界を生成するために、Null区間を補償する形で、複数のループアンテナを規則的に配置する。
ここで、図6(b)には、それぞれのループアンテナ51a、51b、51c、・・・が受けるループアンテナ間の影響を示してある。
また、本例では、各ループアンテナ51a、51b、51c、・・・としては形状などが同一のもの(本例では、全く同一のもの)が用いられている。そして、複数のループアンテナ51a、51b、51c、・・・が、同じ辺の方向に沿って一列に等間隔で並べられており、隣接する2個のループアンテナ(例えば、ループアンテナ51aとループアンテナ51b、など)がループ面の半分又はその程度だけ重なるように配置されている。
そこで、本例では、ループアンテナ間の結合を回避する組み合わせで複数のループアンテナ51a、51b、51c、・・・について時系列的な切替制御を行い、これにより、ループアンテナ間の結合を回避して、個々のループアンテナ51a、51b、51c、・・・の性能を十分に発揮させることを実現する。
本例のようなアンテナ構成により、リーダライタ装置によりICタグからの情報を読み取ることが可能な範囲を広くすることが可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや各装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
Claims (1)
- ループアンテナを使用して非接触通信を行うリーダライタ装置において、
複数のループアンテナと、
前記複数のループアンテナの中から非接触通信に使用するループアンテナを切り替えて非接触通信を行う通信手段と、
前記複数のループアンテナのそれぞれの共振周波数を変化させる共振周波数変化手段と、
前記複数のループアンテナについて、前記非接触通信に使用するループアンテナの共振周波数に対して、他のループアンテナの共振周波数を異ならせるように、前記共振周波数変化手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするリーダライタ装置。
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