JP2007066815A - 絶縁被覆導線及びその製造方法、並びに、絶縁被覆導線成形品及びその製造方法 - Google Patents

絶縁被覆導線及びその製造方法、並びに、絶縁被覆導線成形品及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 小ロット生産時におけるコスト高を防止しつつ、ピンホールに起因する絶縁特性の悪化を有効に防止し得る絶縁被覆導線、絶縁被覆導線成形品及びその製造方法を提供し、さらに塑性変形加工が絶縁被覆導線を密着させるような加工であっても導電性部材全体の絶縁特性を維持し得る絶縁被覆導線成形品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 導電性部材11と、焼付け加工によって導電性部材11に被覆された絶縁性樹脂12と、絶縁性樹脂12の剥離部分Pに電着塗装によって設けられた絶縁性塗料13とを備えている絶縁被覆導線10及びその製造方法、並びに、焼付け加工によって導電性部材11に絶縁性樹脂12が被覆された絶縁被覆導線10’を塑性変形加工させた後に、導電性部材11が露出する部分Pに絶縁性塗料13を電着塗装させた絶縁被覆導線成形品20及びその製造方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、導電性部材に焼付け加工によって絶縁性樹脂が被覆されてなる絶縁被覆導線及びその製造方法、及び、前記絶縁被覆導線を所望形状に塑性変形させた絶縁被覆導線成形品及びその製造方法に関する。
導電性部材に絶縁性部材を被覆させる方法としては、絶縁性樹脂をディッピングや吹き付け等による塗り加工のあと、焼付けを行うことによって導電性部材に被覆させる焼付け加工と、絶縁性塗料を電着加工によって導電性部材に被覆させる電着塗装とが知られている。
前記焼付け加工は、小ロット生産時にコストの点で有効であるが、その一方で、例えば、絶縁性樹脂が被覆された絶縁被覆導線を所望形状に塑性変形加工させる必要がある場合などにおいては、図7に示すように、前記焼付け加工の後に行われる前記塑性変形加工の際に前記絶縁性樹脂12が剥離して、導電性部材11の一部が露出する、所謂ピンホールPが生じやすいという不都合がある。
これに対し、前記電着塗装は、導電性部材に対して塑性変形加工を施した後においても実施可能である為、塑性変形加工時に前記ピンホールが生じるという不都合は無いが、その一方で、小ロット生産時にコスト高を招くという問題がある。
又、前記塑性変形加工が、前記導電性部材を密着させるような加工である場合には、密着部分への絶縁性塗料の電着は、必要最小限にクリアランスを設ける事で可能であるものの、困難であるという問題もある。
本発明は斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、小ロット生産時におけるコスト高を防止しつつ、ピンホールに起因する絶縁特性の悪化を有効に防止し得る絶縁被覆導線及びその製造方法の提供を、一の目的とする。
又、本発明は、絶縁被覆導線を所望形状に塑性変形加工させた絶縁被覆導線成形品であって、小ロット生産時におけるコスト高及びピンホールに起因する絶縁特性の悪化を有効に防止しつつ、前記塑性変形加工が絶縁被覆導線を密着させるような加工である場合であっても導電性部材全体の絶縁特性を維持し得る絶縁被覆導線成形品及びその製造方法の提供を、他の目的とする。
本発明は、前記課題を解決するため、次の絶縁被覆導線及びその製造方法並びに絶縁被覆導線成形品及びその製造方法を提供する。
(1)絶縁被覆導線
導電性部材と、焼付け加工によって前記導電性部材に被覆された絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂の剥離部分に電着塗装によって設けられた絶縁性塗料とを備えていることを特徴とする絶縁被覆導線。
(2)絶縁被覆導線の製造方法
導電性部材を用意する工程と、前記導電性部材に対して焼付け加工によって絶縁性樹脂を被覆する工程と、前記絶縁性樹脂が剥離して前記導線性部材が露出した部分に、電着塗装によって絶縁性塗料を析出させる工程とを含むことを特徴とする絶縁被覆導線の製造方法。
(3)絶縁被覆導線成形品
焼付け加工によって導電性部材に絶縁性樹脂が被覆された絶縁被覆導線を、所望の形状に塑性変形加工させてなる絶縁被覆導線成形品であって、前記絶縁被覆導線に対する塑性変形加工の後に、前記導電性部材が露出する部分に絶縁性塗料を電着塗装させたことを特徴とする絶縁被覆導線成形品。
(4)絶縁被覆導線成形品の製造方法
導電性部材を用意する工程と、前記導電性部材に対して焼付け加工によって絶縁性樹脂を被覆して絶縁被覆導線を形成する工程と、前記絶縁被覆導線を所望形状に塑性変形させる工程と、前記絶縁性樹脂が剥離して前記導線性部材が露出した部分に、電着塗装によって絶縁性塗料を析出させる工程とを含むことを特徴とする絶縁被覆導線成形品の製造方法。
本発明にいう前記「焼付け加工」は、ディッピングや吹きつけ等により塗り加工を行ったあと、焼付けを行う加工を含む概念である。
本発明に係る絶縁被覆導線及び絶縁被覆導線の製造方法並びに絶縁被覆導線成形品及び絶縁被覆導線成形品の製造方法によれば、前記導電性部材に対して焼付け加工によって前記絶縁性樹脂を被覆するので、小ロット生産時におけるコスト高を防止することができる。その上、前記絶縁性樹脂の剥離部分に電着塗装によって前記絶縁性塗料を設けるので、ピンホールに起因する絶縁特性の悪化を有効に防止することができる。
ところで、導電性部材に対して焼付け加工によって絶縁性樹脂を被覆した後、絶縁性樹脂の剥離部分に、さらに焼付け加工(例えば、ディッピング加工や、絶縁ワニス、シリコン等の塗布加工などのあと焼付け)を行うことが考えられるが、この場合、剥離部分の絶縁性樹脂と剥離部分以外の部分の絶縁性樹脂とで厚みが異なり安定性が良くない上、絶縁性樹脂の剥離部分において上塗りする絶縁性樹脂の表面張力により、該剥離部分で気泡(空間)が生じ易く、これにより良好な絶縁特性が得られないことがあり、さらには上塗りされた絶縁性樹脂が気泡(空気)を介在させた状態で二度塗りされることになるので、該上塗りされた絶縁性樹脂が剥がれ易いといった問題がある。この点、本発明では、前記絶縁性樹脂が剥離して前記導線性部材が露出した部分に、電着塗装によって絶縁性塗料を析出させるので、該析出させた絶縁性塗料の厚みを制御することができ、これにより、前記剥離部分の絶縁性塗料と前記剥離部分以外の部分の絶縁性樹脂とで厚みを略等しくして安定性を向上させることができる上、前記剥離部分で前記絶縁性塗料を気泡(空気)を介在させることなく塗装できるので、該剥離部分において、良好な絶縁特性を得ることができると共に該絶縁性塗料を剥がれ難くすることができる。
また、本発明に係る絶縁被覆導線成形品及び絶縁被覆導線成形品の製造方法において、前記塑性変形加工が、前記導電性部材を密着させるような加工であっても、例えば、前記導電性部材に対して焼付け加工によって前記絶縁性樹脂を被覆して前記絶縁被覆導線を形成したあと、該絶縁被覆導線を所望形状に塑性変形させることで、該絶縁被覆導線を、前記導電性部材の密着されるべき部分へ前記絶縁性樹脂を被覆した状態で、塑性変形加工させることができる。また、この塑性変形加工の際に前記絶縁性樹脂が剥離して、ピンホールが生じたとしても、前記絶縁性樹脂が剥離して前記導線性部材が露出した部分に、電着塗装によって絶縁性塗料を析出させることで、前記した如く、該剥離部分において、良好な絶縁特性を得ることができると共に該絶縁性塗料を剥がれ難くすることができ、これにより、導電性部材全体の絶縁特性を維持することができる。なお、前記塑性変形加工が、前記導電性部材を密着させるような加工である場合、密着部分への絶縁性塗料の電着が困難であっても、該塑性変形加工において、該密着部分にはピンホールが生じることが殆どなく、実際上、その影響を考慮しなくてもよい。
以上説明したように本発明によると、小ロット生産時におけるコスト高を防止しつつ、ピンホールに起因する絶縁特性の悪化を有効に防止し得る絶縁被覆導線及びその製造方法を提供することができる。
又、本発明によると、絶縁被覆導線を所望形状に塑性変形加工させた絶縁被覆導線成形品であって、小ロット生産時におけるコスト高及びピンホールに起因する絶縁特性の悪化を有効に防止しつつ、前記塑性変形加工が絶縁被覆導線を密着させるような加工である場合であっても導電性部材全体の絶縁特性を維持し得る絶縁被覆導線成形品及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係る絶縁被覆導線10及び絶縁被覆導線成形品20を示す図であって、図1(A)は該絶縁被覆導線10の概略斜視図を示しており、図1(B)は該絶縁被覆導線成形品20の概略斜視図を示しており、図1(C)は図1(A)に示す絶縁被覆導線10及び図1(B)に示す絶縁被覆導線成形品20において、導電性部材11に被覆された絶縁性樹脂12の剥離部分Pに設けられた絶縁性塗料13部分を拡大した概略拡大断面図を示している。
図1(A)に示す絶縁被覆導線10は、導電性部材11と、焼付け加工によって前記導電性部材11に被覆された絶縁性樹脂12と、前記絶縁性樹脂12の剥離部分Pに電着塗装によって設けられた絶縁性塗料13とを備えたものである。ここで、前記焼付け加工には、ディッピングや吹きつけ等により塗り加工を行ったあと、焼付けを行う加工を含む。
また、図1(B)に示す絶縁被覆導線成形品20は、焼付け加工によって導電性部材11に絶縁性樹脂12が被覆された絶縁被覆導線10’を、所望の形状に塑性変形加工させてなるエッジワイズコイル20であって、前記絶縁被覆導線10’に対する塑性変形加工の後に、前記導電性部材11が露出する部分Pに絶縁性塗料13を電着塗装させたものである。ここで、前記焼付け加工には、ディッピングや吹きつけ等により塗り加工を行ったあと、焼付けを行う加工を含む。
次に前記絶縁被覆導線10及び前記絶縁被覆導線成形品20の製造例について図2乃至図6を参照しながら以下に説明する。図2(A)は図1(A)に示す絶縁被覆導線10の製造例を示すブロック図であり、図2(B)は図1(B)に示す絶縁被覆導線成形品20の製造例を示すブロック図である。
図2(A)に示す前記絶縁被覆導線10の製造例では、
(P1)導電性部材11を用意する工程と、
(P2)前記導電性部材11に対して焼付け加工によって絶縁性樹脂12を被覆する工程と、
(P3)前記絶縁性樹脂12が剥離して前記導線性部材11が露出した部分Pに、電着塗装によって絶縁性塗料13を析出させる工程と
を含んでいる。
さらに説明すると、先ず、導電性部材11を用意し(行程P1)、前記導電性部材11に対して焼付け加工によって絶縁性樹脂12を被覆する(行程P2)。この焼付け加工及び後述する絶縁被覆導線成形品20の製造例における焼付け加工についてはのちほど詳述する。このとき、前記絶縁性樹脂12が剥離して、ピンホールPが生じることがあるが、ここで、前記絶縁性樹脂12が剥離して前記導線性部材11が露出した部分Pに、電着塗装によって絶縁性塗料13を析出させる(行程P3)。この電着塗装及び後述する絶縁被覆導線成形品20の製造例における電着塗装についてものちほど詳述する。かくして、図1(A)に示す絶縁被覆導線10を得ることができる。
図2(B)に示す前記絶縁被覆導線成形品20の製造例では、
(Q1)導電性部材11を用意する工程と、
(Q2)前記導電性部材11に対して焼付け加工によって絶縁性樹脂12を被覆して絶縁被覆導線10’を形成する工程と、
(Q3)前記絶縁被覆導線10’を所望形状に塑性変形させる工程と、
(Q4)前記絶縁性樹脂12が剥離して前記導線性部材11が露出した部分Pに、電着塗装によって絶縁性塗料13を析出させる工程と
を含んでいる。
さらに説明すると、先ず、導電性部材11を用意し(行程Q1)、前記導電性部材11に対して焼付け加工によって絶縁性樹脂12を被覆して絶縁被覆導線10’を形成する(行程Q2)。次いで、前記絶縁被覆導線10’を所望形状に塑性変形させる(行程Q3)。この塑性変形加工についてはのちほど詳述する。前記塑性変形加工の際には、前記絶縁性樹脂12が剥離して、ピンホールPが生じることがあるが、ここで、前記絶縁性樹脂12が剥離して前記導線性部材11が露出した部分Pに、電着塗装によって絶縁性塗料13を析出させる(行程Q4)。かくして、図1(B)に示す絶縁被覆導線成形品20を得ることができる。
図2(A)及び図2(B)に示す製造例において、前記行程P2及び前記行程Q2で行われる焼付け加工は、ディッピング加工又は吹きつけ加工を含む焼付け加工であってもよい。ここでは、ディッピング加工を含む焼付け加工について以下に説明する。図3は図2(A)に示す絶縁被覆導線10の製造例及び図2(B)に示す絶縁被覆導線成形品20の製造例における前記焼付け加工としてディッピング加工を含む焼付け加工を採用した一例の説明図である。
このディッピング加工を含む焼付け加工では、通常、図3に示すように、導電性部材11を搬送ローラRLにて長手方向Zに沿って搬送し、絶縁性樹脂溶液12’に浸漬し、該絶縁性樹脂溶液12’に浸漬された導電性部材11を所定サイズの開口d1(例えば、前記絶縁性樹脂12の厚みが5μm程度になるような開口)が設けられた第1番目のダイスD1の該開口d1に挿通して該導電性部材11における絶縁性樹脂溶液を絞った後、焼付け炉Eにて加熱処理を施す。同様にして絶縁性樹脂溶液12’に浸漬し、該絶縁性樹脂溶液12’に浸漬された導電性部材11を前記開口d1より大きい開口d2(例えば、前記絶縁性樹脂12の厚みが10μm程度になるような開口)が設けられた第2番目のダイスD2の該開口d2に挿通して該導電性部材11における絶縁性樹脂溶液を絞った後、焼付け炉Eにて加熱処理を施す。こうして前記絶縁性樹脂12が所望の厚み(例えば、50μm)になるまでn回(nは2以上の整数、例えば、10回)繰り返し、ディッピング加工による塗装が完了する。なお、最後に挿通される第n番目のダイスDnでは、開口dnは、前記絶縁性樹脂12が所望の厚み(例えば、50μm)になるようなサイズとされている。
図2(B)に示す製造例において、前記行程Q3で行われる塑性変形加工は、ここでは、前記絶縁被覆導線10’からエッジワイズコイル20を形成するための塑性変形加工である。図4は図2(B)に示す製造例において前記絶縁被覆導線10’からエッジワイズコイル20を形成する曲げ加工の一案の説明図である。
この塑性変形加工では、図4に示すように、前記絶縁被覆導線10’に対し、長手方向(図中Z方向)所定位置Qを曲げ支点として曲げ加工を行いつつ、複数層状に積層する。さらに説明すると、前記絶縁被覆導線10’を間にして、前記曲げ支点に配置されピン部材700に向けて押圧部材800にて該ピン部材700を支点周りに巻き込むように押圧する。こうすることで、長手方向Z所定位置Qを曲げ支点として曲げ加工を行いつつ、複数層状に積層方向(図中X方向)に積層させた平面視矩形のエッジワイズコイル20を得ることができる。
図2(A)及び図2(B)に示す製造例において、前記行程P3及び前記行程Q4で行われる電着塗装について以下に説明する。図5は図2(A)に示す絶縁被覆導線10の製造例及び図2(B)に示す絶縁被覆導線成形品20の製造例における前記電着塗装の一例の説明図であって、図5(A)は該絶縁被覆導線10の電着塗装状態を示しており、図5(B)は該絶縁被覆導線成形品20の電着塗装状態を示している。
この電着加工では、図5(A)及び図5(B)に示すように、前記絶縁性樹脂12が剥離して前記導線性部材11が露出した部分Pを絶縁性塗料13に浸漬し、前記露出部分Pを陰極(マイナス極)とし、電着槽H内に設置した極板Fを陽極(プラス極)として、この間に電源PWから直流電流を流し、帯電した前記露出部分Pに絶縁性塗料13を所望の厚みになるまで析出させる。その後、焼付け炉にて加熱処理を施す。こうして、電着加工による塗装が完了する。
以上説明した絶縁被覆導線10及び絶縁被覆導線10の製造方法並びに絶縁被覆導線成形品20及び絶縁被覆導線成形品20の製造方法によれば、前記導電性部材11に対して焼付け加工によって前記絶縁性樹脂12を被覆するので、小ロット生産時におけるコスト高を防止することができる。その上、前記絶縁性樹脂12の剥離部分に電着塗装によって前記絶縁性塗料13を設けるので、ピンホールPに起因する絶縁特性の悪化を有効に防止することができる。
ところで、図6に示すように、導電性部材11に対して焼付け加工によって絶縁性樹脂12を被覆した後、絶縁性樹脂の剥離部分に、さらに焼付け加工(例えば、ディッピング加工や、絶縁ワニス、シリコン等の塗布加工などのあと焼付け)を行うことが考えられるが、この場合、剥離部分Pの絶縁性樹脂12’と剥離部分P以外の部分の絶縁性樹脂12とで厚みが異なり安定性が良くない上、絶縁性樹脂12の剥離部分Pにおいて上塗りする絶縁性樹脂12’の表面張力により、該剥離部分Pで気泡(空間)Gが生じ易く、これにより良好な絶縁特性が得られないことがあり、さらには上塗りされた絶縁性樹脂12’が気泡(空気)Gを介在させた状態で二度塗りされることになるので、該上塗りされた絶縁性樹脂12’が剥がれ易いといった問題がある。この点、本実施形態では、図5に示すように、前記絶縁性樹脂12が剥離して前記導線性部材11が露出した部分に、電着塗装によって絶縁性塗料13を析出させるので、さらに詳しく言えば、前記導線性部材11が露出した部分Pに通電により前記絶縁性塗料13を付着させて該絶縁性塗料13を徐々に析出させるので、該析出させた絶縁性塗料13の厚みを制御することができ、これにより、図1(C)に示すように、前記剥離部分Pの絶縁性塗料13と前記剥離部分P以外の部分の絶縁性樹脂12とで厚みを略等しくして安定性を向上させることができる上、前記剥離部分Pで前記絶縁性塗料13を気泡(空気)を介在させることなく塗装できるので、該剥離部分Pにおいて、良好な絶縁特性を得ることができると共に該絶縁性塗料13を剥がれ難くすることができる。
また、絶縁被覆導線成形品20及び絶縁被覆導線成形品20の製造方法において、前記塑性変形加工が、本実施形態のように前記導電性部材11を密着させるような曲げ加工であっても、前記導電性部材11に対して焼付け加工によって前記絶縁性樹脂12を被覆して前記絶縁被覆導線10’を形成したあと、該絶縁被覆導線10’を所望形状に塑性変形させることで、該絶縁被覆導線10’を、前記導電性部材11の密着されるべき部分へ前記絶縁性樹脂12を被覆した状態で、曲げ加工させることができる。また、この曲げ加工の際に前記絶縁性樹脂12が剥離して、ピンホールPが生じたとしても、図5(B)に示すように、前記絶縁性樹脂12が剥離して前記導線性部材11が露出した部分に、電着塗装によって絶縁性塗料13を析出させることで、前記した如く、該剥離部分Pにおいて、良好な絶縁特性を得ることができると共に該絶縁性塗料13を剥がれ難くすることができ、これにより、導電性部材11全体の絶縁特性を維持することができる。なお、前記曲げ加工は、図4に示すように、前記導電性部材11を密着させるような加工であり、図5(B)に示すように、密着部分Mへの絶縁性塗料13の電着が困難であるが、該曲げ加工において、該密着部分MにはピンホールPが生じることが殆どなく、実際上、その影響を考慮しなくてもよい。
図1は、本発明の実施形態に係る絶縁被覆導線及び絶縁被覆導線成形品を示す図であって、図1(A)は、該絶縁被覆導線の概略斜視図を示しており、図1(B)は、該絶縁被覆導線成形品の概略斜視図を示しており、図1(C)は、図1(A)に示す絶縁被覆導線及び図1(B)に示す絶縁被覆導線成形品において、導電性部材に被覆された絶縁性樹脂の剥離部分に設けられた絶縁性塗料部分を拡大した概略拡大断面図を示している。 図2(A)は、図1(A)に示す絶縁被覆導線の製造例を示すブロック図であり、図2(B)は、図1(B)に示す絶縁被覆導線成形品の製造例を示すブロック図である。 図3は、図2(A)に示す絶縁被覆導線の製造例及び図2(B)に示す絶縁被覆導線成形品の製造例における焼付け加工としてディッピング加工を含む焼付け加工を採用した一例の説明図である。 図4は、図2(B)に示す製造例において絶縁被覆導線からエッジワイズコイルを形成する曲げ加工の一案説明図である。 図5は、図2(A)に示す絶縁被覆導線の製造例及び図2(B)に示す絶縁被覆導線成形品の製造例における電着塗装の一例の説明図であって、図5(A)は、該絶縁被覆導線の電着塗装状態を示しており、図5(B)は、該絶縁被覆導線成形品の電着塗装状態を示している。 図6は、導電性部材に対して焼付け加工によって絶縁性樹脂を被覆した後、絶縁性樹脂の剥離部分に、さらに焼付け加工を行った際の該剥離部分に設けられた絶縁性樹脂部分を拡大した概略拡大断面図である。 図7は、導電性部材に焼付け加工によって絶縁性樹脂が被覆されてなる絶縁被覆導線において、絶縁性樹脂が剥離して、導電性部材の一部が露出するピンホールが生じている状態を示す概略平面図である。
符号の説明
10…絶縁被覆導線 10’…絶縁被覆導線 11…導電性部材 12…絶縁性樹脂
13…絶縁性塗料 20…絶縁被覆導線成形品 P…絶縁性樹脂の剥離部分

Claims (4)

  1. 導電性部材と、
    焼付け加工によって前記導電性部材に被覆された絶縁性樹脂と、
    前記絶縁性樹脂の剥離部分に電着塗装によって設けられた絶縁性塗料とを備えていることを特徴とする絶縁被覆導線。
  2. 導電性部材を用意する工程と、
    前記導電性部材に対して焼付け加工によって絶縁性樹脂を被覆する工程と、
    前記絶縁性樹脂が剥離して前記導線性部材が露出した部分に、電着塗装によって絶縁性塗料を析出させる工程とを含むことを特徴とする絶縁被覆導線の製造方法。
  3. 焼付け加工によって導電性部材に絶縁性樹脂が被覆された絶縁被覆導線を、所望の形状に塑性変形加工させてなる絶縁被覆導線成形品であって、
    前記絶縁被覆導線に対する塑性変形加工の後に、前記導電性部材が露出する部分に絶縁性塗料を電着塗装させたことを特徴とする絶縁被覆導線成形品。
  4. 導電性部材を用意する工程と、
    前記導電性部材に対して焼付け加工によって絶縁性樹脂を被覆して絶縁被覆導線を形成する工程と、
    前記絶縁被覆導線を所望形状に塑性変形させる工程と、
    前記絶縁性樹脂が剥離して前記導線性部材が露出した部分に、電着塗装によって絶縁性塗料を析出させる工程とを含むことを特徴とする絶縁被覆導線成形品の製造方法。
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