以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下に,本発明の第1の実施形態にかかる通信システム,情報処理装置,再生装置,通信方法,コンピュータプログラムについて詳細に説明する。
<システム構成>
まず,図1に基づいて,本実施形態にかかる通信システム100の全体構成について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかる通信システム100の全体構成を概略的に示すブロック図である。
図1に示すように,本実施形態にかかる通信システム100は,例えば,複数の情報処理装置10−1,2,…,n,(以下では「情報処理装置10」又は「PC10」と総称する場合もある。)と,複数の携帯型再生装置(PD)20−1,2,…,n,(以下では「携帯型再生装置20」又は「PD20」と総称する場合もある。)と,据え置き型の再生装置21,配信サーバ30と,これら装置を相互に接続するネットワーク5およびローカルライン9と,記憶媒体7と,から構成される。
また,本実施形態におけるコンテンツデータ(以下,「コンテンツ」)は,例えば,音楽,講演,ラジオ番組等の音声(Audio)コンテンツや,映画,テレビジョン番組,ビデオプログラム等からなる動画,或いは,写真,絵画,図表等を構成する静止画からなる映像(Video)コンテンツ,電子図書(E−book),ゲーム,ソフトウェアなど,任意のコンテンツであってよい。以下では,コンテンツとして,音声コンテンツ,特に,配信サーバから配信された音楽コンテンツ,或いは音楽CDからリッピングされた音楽コンテンツの例を挙げて説明するが,本発明はかかる例に限定されない。また,本実施形態にかかるコンテンツは,例えば,著作権管理対象コンテンツ,即ち,チェックイン・チェックアウト方式やグループ管理方式などの著作権管理方式で著作権管理されるコンテンツであってもよいし,或いは,著作権管理されないコンテンツであってもよい。
情報処理装置10は,コンテンツを記録及び再生することが可能な記録再生装置である。より具体的には,情報処理装置10は,例えば,パーソナルコンピュータ(Personal Computer:以下「PC」という。)等のコンピュータ装置(ノート型,デスクトップ型を問わない。)で構成されるが,かかる例に限定されず,ネットワーク5を介した通信機能を有する機器であれば,例えばPDA(Personal Digital Assistant),家庭用ゲーム機,情報家電などで構成することもできる。
この情報処理装置10は,例えば,ネットワーク5を介して配信サーバ30との間で通信接続可能である。この情報処理装置10は,例えば,コンテンツ配信サービス用のソフトウェアや,リッピングコンテンツ共有サービス用のソフトウェアをインストール可能である。これにより,情報処理装置10は,配信サーバ30から配信されたコンテンツ(以下,「配信コンテンツ」)を取得し,この配信コンテンツをストレージ装置や記憶媒体7などの記録手段に記録することができる。
また,情報処理装置10は,例えば,セルフレコーディング(自己録音,録画等)やリッピングなどによって,新規にコンテンツを作成して,ストレージ装置や記憶媒体7に記録することができる。なお,セルフレコーディングとは,情報処理装置10自身が有する撮像装置/集音装置によって撮像/集音した映像/音声等を,映像/音声のデジタルデータとして記録することをいう。また,リッピングとは,音楽CD,ビデオDVD,ソフトウェア用CD−ROM等の記憶媒体に記録されているデジタル形式のコンテンツデータ(音声データや映像データ等)を抽出し,コンピュータで処理可能なファイル形式に変換して,ストレージ装置や記憶媒体7に記録することをいう。
情報処理装置10は,上記配信コンテンツおよびリッピングコンテンツを,例えば,ATRAC3(Advanced Transform Acoustic Coding)方式,またはMP3(MPEG Audio Layer−3)方式などの所定の圧縮符号化方式で圧縮符号化し,DES(Data Encryption Standard)などの暗号化方式で暗号化して記録できる。
さらに,情報処理装置10は,上記配信コンテンツやリッピングコンテンツを,他の情報処理装置10または携帯型再生装置20との間で,ネットワーク5やローカルライン9を介して送受信する,或いは記憶媒体7を介してやり取りすることができる。これにより,複数の情報処理装置10,携帯型再生装置20間で,コンテンツを提供/取得して,コンテンツを共有できる。
携帯型再生装置20は,携帯可能なコンテンツ再生装置であるポータブルデバイス(Portabale Device:以下「PD」という。)で構成される。より具体的には,携帯型再生装置20は,例えば数十GBの記憶容量を有するハードディスクドライブ(HDD)を備えた携帯型オーディオプレーヤなどで構成されるが,かかる例に限定されず,携帯型映像/音声プレーヤ,PDA,携帯電話,PHSなど,各種の携帯可能な装置であってもよい。また,携帯型再生装置20に内蔵された記憶媒体,或いは装填可能なリムーバブル記憶媒体7は,上記HDDの例に限定されず,光ディスク,光磁気ディスク,フラッシュメモリ,FeRAM,及び,磁気メモリなど,ランダムアクセス可能な記憶媒体であれば構わない。なお,この携帯型再生装置20は,コンテンツ再生専用機であってもよい。
この携帯型再生装置20は,例えば,ローカルライン9を介して情報処理装置10にローカル接続可能であり,情報処理装置10との間で各種のデータを通信可能である。このローカルライン9は,例えば,例えばUSB(Univarsal Serial Bus)ケーブル,SCSI(Small Computer System Interface)ケーブル等の有線ケーブルなどで構成される。なお,情報処理装置10と携帯型再生装置20とは,無線通信でデータ通信可能に構成されてもよい。
かかる携帯型再生装置20は,ローカルライン9を介して情報処理装置10から転送されたコンテンツや,リムーバブル記憶媒体7によって提供されたコンテンツを再生することができる。
また,据え置き型の再生装置21は,例えば,据え置き型の音楽記録/再生装置などで構成される。この据え置き型の再生装置21は,上述した携帯型再生装置20と略同一の機能を有する。以下では,再生装置として,主に携帯型再生装置20の例について詳細に説明するが,当該説明は据え置き型の再生装置21にも適用されうるものである。
配信サーバ30は,サーバ機能を備えたコンピュータ装置などで構成される。この配信サーバ30は,コンテンツ配信サービスを提供するサーバであり,ユーザが所有する情報処理装置10からの配信要求に応じて,当該情報処理装置10にネットワーク5を介してコンテンツを配信する。
この配信サーバ30は,例えば,電子音楽配信(EMD;Electronic Music Distribution)サービスを提供するEMDサーバなどである。この配信サーバ30は,配信対象の音楽コンテンツを,例えば,ATRAC3方式またはMP3方式などの圧縮符号化方式で圧縮符号化し,DESなどの暗号化方式で暗号化した上で,情報処理装置10に配信する。また,配信サーバ30は,暗号化された配信コンテンツとともに,当該配信コンテンツを復号するためのコンテンツ鍵を暗号化して,情報処理装置10に送信する。また,配信サーバ30は,上記コンテンツの配信に応じて,コンテンツを購入したユーザに対し課金処理を行う。
ネットワーク5は,上記情報処理装置10および配信サーバ30を双方向通信可能に接続する通信回線網である。このネットワーク5は,例えば,インターネット,電話回線網,衛星通信網等の公衆回線網や,WAN(Wide Area Network),LAN(Local Area Network),IP−VPN(Internet Protocol−Virtual Private Network)等の専用回線網などで構成されており,有線・無線を問わない。
さらに,かかるネットワーク5は,私的ネットワークを含むものである。この私的ネットワークとは,著作権管理の観点からみて,私的使用の範囲内でコンテンツを共有する複数の情報処理装置10を相互に接続するネットワークである。かかる私的ネットワークの具体例としては,例えば,同一ユーザによって使用される複数の情報処理装置10を接続するネットワークや,同一の家庭内で使用される複数の情報処理装置10を接続するホームネットワーク,小規模の限られたグループ(会社,友人等)内で使用される複数の情報処理装置10を接続するLANなどが挙げられる。
リムーバブル記憶媒体7は,コンテンツ,コンテンツの属性情報等の各種データを格納し,情報処理装置10や携帯型再生装置20に脱着可能な記憶媒体であり,例えば,DVD−R,DVD−RW,DVD−RAM,CD−R,CD−RW,光磁気ディスク等の各種の光ディスクや,フレキシブルディスク,ハードディスク等の磁気ディスク,各種の半導体メモリなどである。なお,このリムーバブル記憶媒体7は,例えば,暗号鍵等を用いてコンテンツのコピーや再生等を制限する著作権管理機能付きの記憶媒体であってもよい。
このリムーバブル記憶媒体7は,情報処理装置10間におけるコンテンツの提供/取得を行うための記憶媒体として機能する。例えば,情報処理装置10−1によってコンテンツが書き込まれたリムーバブル記憶媒体7を,情報処理装置10−2にローディングして当該コンテンツを読み出すことにより,情報処理装置10−1から情報処理装置10−2に対しコンテンツを提供することができる。さらに,情報処理装置10は,ネットワーク5に接続不能な携帯型再生装置20との間でも,リムーバブル記憶媒体7を介してコンテンツを提供/取得することができる。また,このリムーバブル記憶媒体7は,情報処理装置10間におけるコンテンツ属性情報の提供/取得を行うための記憶媒体としても機能する。さらに,このリムーバブル記憶媒体7は,販売店の店頭等に設けられたコンテンツ販売端末(図示せず。)に挿入され,ユーザ操作に応じて購入されたコンテンツを記憶して,情報処理装置10に提供することもできる。
<コンテンツに対する評価値付加手法の概要>
次に,本実施形態にかかる通信システム100における各コンテンツに対する評価値付加手法の概要について説明する。
本実施形態にかかる通信システム100では,上記情報処理装置10及び携帯型再生装置20が保有している各コンテンツの評価値(格付け)を,各情報処理装置10及び携帯型再生装置20におけるコンテンツの再生履歴に基づき自動的に演算して,表示画面に表示することができる。本実施形態では,このようにコンテンツの再生履歴情報に基づき自動的に演算された評価値を「演算評価値」といい,この演算評価値を自動生成してコンテンツに関連付けることを「自動レーティング(Auto−Rating)」という。これに対して,ユーザ入力に基づき設定された評価値を「入力評価値」といい,この入力評価値を手動生成してコンテンツに関連付けることを「手動レーティング(Manual−Rating)」という。
自動レーティングでは,各コンテンツに対するユーザの嗜好性を反映した値である必要がある。このためには,ユーザの嗜好に合うコンテンツ(例えば再生頻度が高いコンテンツ)に対しては演算評価値が高くなるように設定し,一方,ユーザの嗜好に合わないコンテンツ(例えば再生頻度が低いコンテンツ)に対しては演算評価値が低くなるよう演算することが好ましい。
かかる自動レーティングの用途としては,例えば,(1)ユーザがコンテンツを検索する際の参考パラメータとしての使用や,(2)ユーザの嗜好性を把握するプロファイルデータを算出するための指標としての使用,(3)情報処理装置10から携帯型再生装置20に多数のコンテンツを転送する際に,記憶容量の制限から携帯型再生装置20内で削除するコンテンツを選別するための基準としての使用,などがある。
ここで,図2に基づいて,本実施形態にかかる演算評価値を演算する手順について概略的に説明する。なお,図2は,本実施形態にかかる演算評価値を演算する手順について概略的に示す説明図である。
図2に示すように,自動レーティングで演算評価値を求める場合には,まず,携帯型再生装置(PD)20において各種のコンテンツ(曲)を再生した際に,その再生履歴情報(再生ログ)をリアルタイムで記録しておく(ステップ1)。
この携帯型再生装置20で記録される再生履歴情報は,例えば,再生されたコンテンツID,コンテンツの再生開始日時データ及び再生終了日時データを含む。なお,再生履歴情報は,これらの再生開始日時データ及び再生終了日時データを算出可能なログデータであってもよい。一方,情報処理装置10側でも,コンテンツが再生された場合には,再生履歴情報が生成されている。
このように,携帯型再生装置20は,各コンテンツの再生カウント数を求めることはできず,コンテンツ再生に応じて再生履歴を記録しておく構成である。このため,コンテンツの未聴から既聴への変更を,携帯型再生装置20上でリアルタイムに表示に反映することはできない。
次いで,情報処理装置10と携帯型再生装置20とが接続された際に,携帯型再生装置20から情報処理装置10に再生履歴データが転送される(ステップ2)。携帯型再生装置20の再生履歴情報は,情報処理装置10に転送された後,消去される。
さらに,情報処理装置10は,情報処理装置10自身の再生履歴情報と,携帯型再生装置20の再生履歴情報とに基づいて,双方の再生履歴を反映した最新の演算評価値を算出する。この際,情報処理装置10は,携帯型再生装置20から再生履歴情報が転送されたタイミングで,情報処理装置10自身の再生履歴情報と,携帯型再生装置20の再生履歴情報とを合算し,この合算した再生履歴情報に基づいて上記最新の演算評価値を算出してもよい。或いは,再生履歴情報は,情報処理装置10におけるコンテンツ再生される度に,ダイナミックに再生履歴情報を演算評価値に反映してもよい。
なお,上記のような携帯型再生装置20から情報処理装置10への再生履歴情報の転送処理,及び演算評価値の演算処理が実行されるタイミングは,例えば,情報処理装置10と携帯型再生装置20の接続直後であるが,双方が連続接続されている時は,所定時間ごと(例えば1時間毎)に行われるようにしてもよい。これにより,当該所定時間内にコンテンツが再生された場合の再生履歴を,定期的に演算評価値に反映できる。
その後,上記のように演算された最新の演算評価値が,情報処理装置10から携帯型再生装置20に転送されて,携帯型再生装置20に記録される(ステップ4)。この結果,携帯型再生装置20は,コンテンツの再生時に当該コンテンツの最新の演算評価値を表示することができるようになる。
以上のように,自動レーティングでは,携帯型再生装置20から情報処理装置10に再生履歴情報を送信して,情報処理装置10で演算評価値を演算した後に,携帯型再生装置20に演算評価値を転送する構成である。従って,携帯型再生装置20でコンテンツが再生されたとしても,携帯型再生装置20において,その再生履歴が演算評価値に即時反映されることはない。
一般に,再生装置,特に,携帯型再生装置(PD)20では,情報処理装置(PC)10と比べて,プロセッサの処理能力が低い上に,バッテリ面での制約がある。従って,携帯型再生装置20で再生履歴に基づき評価値を自動的に演算するようにすると,演算処理に時間がかかるだけでなく,バッテリが消耗してしまうという問題がある。
しかし,本実施形態にかかる自動レーティングでは,携帯型再生装置20の代わりに情報処理装置10で演算評価値の演算処理を実行し,携帯型再生装置20に演算結果である演算評価値を転送することで,演算評価値を迅速に演算でき,携帯型再生装置20のバッテリ消耗を節減できる。しかしながら,将来,携帯型再生装置20のプロセッサの処理能力が向上したときには,携帯型再生装置20において,評価値を演算しても構わない。
一方,手動レーティングでは,情報処理装置10だけでなく携帯型再生装置20でもユーザ入力に基づき入力評価値を設定可能である。従って,各コンテンツの入力評価値は,当該各コンテンツの属性情報として即時反映される。
次に,図3に基づいて,演算評価値と入力評価値について具体的に説明する。なお,図3は,本実施形態にかかる携帯型再生装置20でのコンテンツ再生時における,演算評価値が表示された表示画面4aと,入力評価値が表示された表示画面4bを示す説明図である。
図3(a)に示すように,自動レーティングの演算評価値は,表示画面4a上で例えば薄い色の星マーク「☆」の数で表示される。一方,図3(b)に示すように,手動レーティングの入力評価値は,表示画面4b上で例えば濃い色の星マーク「★」の数で表示される。これにより,ユーザは,双方の評価値を区別できる。この自動レーティングの演算評価値と,手動レーティングの入力評価値は,ともに例えば5段階(1ポイントから5ポイント)で表示される。図3(a)の例では,「タイトル1」のコンテンツの演算評価値は3ポイントであり,図3(b)の例では,「タイトル1」のコンテンツの入力評価値は5ポイントである。
また,演算評価値は,上記のように,表示される場合には5段階表示であるが,実際の数値としては,例えば少数点以下一桁(0.1単位)までの値を有している。従って,例えば,実際の演算評価値の小数点以下を四捨五入して,整数ポイント(0,1,2,3,4,5ポイント)として表示される。例えば,演算された演算評価値が3.2ポイントであっても,3ポイントとして表示される。
また,この演算評価値の初期値は,コンテンツ配信サービス側で自由に設定することが可能である。例えば,当該サービス側が特別な設定を行わない場合には,コンテンツの演算評価値の初期値は,例えば3.0に設定される。これに対し,レーベルやサービス側が推挙したいコンテンツ(曲)については,例えば3.0以上のポイントを初期値として設定してもよい。
一方,手動レーティングに関しては,ユーザが手動で情報処理装置(PC)10上でも携帯型再生装置(PD)20上でも,1〜5の5段階で入力評価値を設定することができる。この入力評価値は,コンテンツの取得直後(例えば,コンテンツの配信直後,リッピング直後など)には,値を有していない。その後,ユーザ入力に基づき入力評価値が設定されると,その後に当該コンテンツの入力設定値がユーザにより再入力されるまで固定値となる。
また,この手動レーティングの入力評価値が,あるコンテンツについて入力設定されると,この入力評価値が表示され,当該コンテンツの演算評価値は表示されないようになる。つまり,同一コンテンツについては,演算評価値よりも入力評価値が優先的に表示される。従って,通常では,ユーザが表示画面4a,表示画面4bで確認できるのは,入力評価値又は演算評価値のいずれか一方のみであり,入力評価値が設定されているコンテンツについては入力評価値が表示され(図3(b)参照),入力評価値が設定されていないコンテンツについては演算評価値が表示される(図3(a)参照)。
このような入力評価値の優先表示により,同一の表示画面上で,同一コンテンツに関して複数種類の評価値が表示される煩雑さ,及びユーザの混乱を防止でき,また,ユーザの意向を尊重した評価値を表示できる。しかし,かかる例に限定されず,入力評価値よりも演算評価値を優先的に表示するようにしてもよいし,或いは,双方の評価値を同一画面上に表示するようにしてもよい。
なお,入力評価値の設定表示後も,自動レーティングの演算評価値は記憶され続け,コンテンツ再生に伴う当該演算評価値の演算処理も継続的に行われる。また,ユーザが特定の操作を行えば,手動レーティングの入力評価値の表示を外して,自動レーティングの演算評価値を再表示することもできる。これにより,ユーザは,入力評価値の設定後であっても演算評価値を確認できる。
また,自動レーティングに関しては,図2で示したように,携帯型再生装置20の再生履歴を情報処理装置10に読み込んで,情報処理装置10の再生履歴と合算して演算評価値が演算される。このため,携帯型再生装置20で行った自動レーティングに影響のある操作は,その場では携帯型再生装置20での演算評価値の表示には反映されない。一方,手動レーティングに関しては,新たに入力設定された入力評価値は,各曲の詳細表示画面では,携帯型再生装置20上で即時反映される。
以上のように,本実施形態では,自動レーティングでの演算評価値と,手動レーティングでの入力評価値という2種類の評価値に基づき,各コンテンツを評価することができる。以下に,このようなコンテンツの評価値付加手法(レーティング手法)を実現するための構成について詳細に説明する。
<情報処理装置(PC)のハードウェア構成>
次に,図4に基づいて,本実施形態にかかる情報処理装置10のハードウェア構成について説明する。なお,図4は,本実施形態にかかる情報処理装置10のハードウェア構成の例を概略的に示すブロック図である。
図4に示すように,情報処理装置10は,例えば,CPU(Central Processing Unit)101と,ROM(Read Only Memory)102と,RAM(Random Access Memory)103と,ホストバス104と,ブリッジ105と,外部バス106と,インタフェース107と,入力装置108と,出力装置110と,ストレージ装置(HDD)111と,ドライブ112と,接続ポート114と,通信装置115とを備える。
CPU101は,演算処理装置および制御装置として機能し,各種プログラムに従って動作し,情報処理装置10内の各部を制御する。ROM102は,CPU101が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM103は,CPU101の実行において使用するプログラムや,その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス104により相互に接続されている。
ホストバス104は,ブリッジ105を介して,PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス106に接続されている。
入力装置108は,例えば,マウス,キーボード,タッチパネル,ボタン,スイッチ,レバー等の操作手段と,入力信号を生成してCPU101に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置10のユーザは,この入力装置108を操作することにより,情報処理装置10に対して各種のデータを入力したり,処理動作を指示したりすることができる。
出力装置110は,例えば,CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置,液晶ディスプレイ(LCD)装置,ランプ等の表示装置と,スピーカ等の音声出力装置などで構成される。この出力装置110は,例えば,再生されたコンテンツを出力する。具体的には,表示装置は再生された映像データ等の各種情報をテキストまたはイメージで表示する。一方,音声出力装置は,再生された音声データ等を発音する。
ストレージ装置111は,本実施形態にかかる情報処理装置10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置であり,例えば,HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置111は,記憶媒体であるハードディスクを駆動し,CPU101が実行するプログラムや各種データを格納する。
ドライブ112は,記憶媒体用リーダライタであり,情報処理装置10に内蔵,或いは外付けされる。このドライブ112は,情報処理装置10にローディングされた磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク,または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体7に対して,コンテンツ,コンテンツの属性情報などの各種データを記録/再生する。
具体的には,ドライブ112は,リムーバブル記憶媒体7に記録されているデータを読み出して,インタフェース107,外部バス106,ブリッジ105,およびホストバス104を介して接続されているRAM103に供給する。CPU101は,必要に応じて,これらのデータをROM102またはストレージ装置111などに格納する。一方,ドライブ112は,ROM102またはストレージ装置111などに格納されているデータや,新たに生成したデータ,外部装置から取得したデータをCPU101から受け取り,リムーバブル記憶媒体7に書き込む。
接続ポート114は,例えば携帯型再生装置20等の外部周辺機器を接続するためのポートであり,例えば,USB,IEEE1394等の接続端子を有する。接続ポート114は,インタフェース107,および外部バス106,ブリッジ105,ホストバス104等を介してCPU101等に接続されている。かかる接続ポート114によって,情報処理装置10は,携帯型再生装置20とローカルライン9を介して,コンテンツおよびその属性情報,制御信号などの各種のデータを通信可能となる。本接続ポート114は,有線通信に限らず,無線通信により,携帯型再生装置20と通信接続可能である。例えば,本接続ポート114は,Bluetooth,802.11a/b/g等に対応することもできる。
通信装置115は,例えば,ネットワーク5に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。この通信装置115は,他の情報処理装置(PC)10や配信サーバ30等の外部機器との間で,ネットワーク5を介して,コンテンツおよびその属性情報,制御信号などの各種データを送受信する。本通信装置115は,例えば,Ethernet(登録商標)や,Giga Ethernet(登録商標)に対応し,また,無線アクセスポイントとダイレクトに通信可能な環境においては,例えば,Bluetooth, 802.11a/b/g等の無線通信に対応していればよい。
なお,配信サーバ30のハードウェア構成は,上述の情報処理装置10のハードウェア構成とほぼ同様であるので,説明を省略する。
<携帯型再生装置(PD)のハードウェア構成>
まず,図5に基づいて,本実施形態にかかる携帯型再生装置20のハードウェア構成について説明する。なお,図5は,本実施形態にかかる携帯型再生装置20のハードウェア構成の例を概略的に示すブロック図である。
図5に示すように,携帯型再生装置20は,例えば,メイン制御装置201と,フラッシュメモリ202と,RAM203と,データ処理装置204と,バス206と,入力装置208と,表示装置210と,ストレージ装置(HDD)211と,デコーダ213と,通信装置215と,オーディオ出力回路216と,リモートコントローラ218と,ヘッドフォン219とを備える。
メイン制御装置201は,制御装置として機能し,携帯型再生装置20の各部を制御する。フラッシュメモリ202は,例えば,メイン制御装置201の動作を規定したプログラムや,各種のデータを記憶する。また,RAM203は,例えばSDRAM(Synchronous DRAM)で構成され,メイン制御装置201の処理に関する各種データを一次記憶する。
データ処理装置204は,システムLSI等で構成され,携帯型再生装置20内で転送されるデータを処理する。バス206は,メイン制御装置201,フラッシュメモリ202,RAM203,データ処理装置204,入力装置208,表示装置210,ストレージ装置(HDD)211,デコーダ213,通信装置215およびオーディオ出力回路216などを接続するデータ線である。
入力装置208とリモートコントローラ218は,例えば,タッチパネル,ボタンキー,レバー,ダイヤル等の操作手段と,ユーザによる操作手段に対する操作に応じて入力信号を生成してメイン制御装置201に出力する入力制御回路などから構成されている。携帯型再生装置20のユーザは,この入力装置208や,後述のリモートコントローラ218を操作することにより,携帯型再生装置20に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
表示装置210は,例えばLCDパネルおよびLCD制御回路や,有機EL(Organic Electro Luminescence)パネルおよび有機EL制御回路などで構成される。この表示装置210は,メイン制御装置201の制御に応じて,各種情報をテキストまたはイメージで表示する。例えば,携帯型再生装置20内に保有されているコンテンツの属性情報(タイトル名,アルバム名,アーティスト名,評価値など)を表示できる。
ストレージ装置211は,本実施形態にかかる携帯型再生装置20の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。このストレージ装置211は,例えば数十GBの記憶容量を有するハードディスクドライブ(HDD)で構成され,圧縮されたコンテンツや,メイン制御装置201のプログラム,処理データ等の各種のデータを格納する。なお,携帯型再生装置20が具備する記憶媒体としては,このハードディスクドライブ以外にも,フラッシュメモリ202等の半導体メモリや,リムーバブル記憶媒体7を採用できる。
デコーダ213は,暗号化されているコンテンツデータの復号処理,デコード処理,サラウンド処理,PCMデータへの変換処理などを行う。
通信装置215は,USBコントローラおよびUSB端子などで構成され,USBケーブル等のローカルライン9介して接続された情報処理装置10との間で,コンテンツ,コンテンツの属性情報,制御信号などの各種データを送受信する。本通信装置215は,有線通信に限らず,無線通信により,情報処理装置10と通信接続可能である。例えば,本通信装置215は,Bluetooth, 802.11a/b/g等に対応することもできる。
オーディオ出力回路216は,デコーダ213により復号され,CPUによってDA変換されたアナログ音声データを増幅してリモートコントローラ218に出力する。このアナログ音声データは,リモートコントローラ218からヘッドフォン219に出力され,ヘッドフォン219に内蔵されたスピーカから出力される。
ここで,このようなハードウェア構成の携帯型再生装置20における主なデータフローについて説明する。
まず,携帯型再生装置(PD)20が,情報処理装置(PC)10から,コンテンツを受信したときのデータフローについて説明する。携帯型再生装置20と情報処理装置10とが,USBケーブル等のローカルライン9で接続されると,情報処理装置10では,携帯型再生装置20は外部記憶媒体(HDD)として認識される。この状態で,情報処理装置10が携帯型再生装置20にコンテンツデータおよび制御情報を送信すると,通信装置215は,これらのデータを受信する。次いで,受信されたコンテンツデータは,通信装置215によってストレージ装置211に直接記憶される。一方,通信装置215によって受信された制御情報は,データ処理装置204を経由して,メイン制御装置201に入力され,所定の記憶領域に記憶される。
次に,携帯型再生装置(PD)20が,コンテンツを再生するときのデータフローについて説明する。まず,コンテンツの再生要求がメイン制御装置201に入力され,メイン制御装置201によって当該コンテンツの再生が許可された場合には,データ処理装置204は,再生対象のコンテンツをストレージ装置211から読み出して,RAM203に転送すると同時並行して,RAM203に転送されたコンテンツをデコーダ213に転送する。次いで,デコーダ213は,暗号化されているコンテンツの復号処理,デコード処理,サラウンド処理,PCMデータへの変換処理などを行い,メイン制御装置201に転送する。さらに,メイン制御装置201は,入力されたPCMデータを,DA変換器(図示せず。)によってボリューム調整を行いアナログ音声データに変換して,オーディオ出力回路216のアンプに転送する。オーディオ出力回路216は,このアナログ音声データをリモートコントローラ218を介して,ヘッドフォン219から出力する。
<携帯型再生装置(PD)の機能構成>
次に,図6に基づいて,本実施形態にかかる携帯型再生装置20の主な機能について説明する。なお,図6は,本実施形態にかかる携帯型再生装置20の機能を概略的に示すブロック図である。
図6に示すように,携帯型再生装置20は,例えば,コンテンツ記憶部220と,再生操作部222と,再生部224と,日時情報生成部226と,再生履歴生成部228と,再生履歴記憶部230と,削除指示受付部232と,削除コンテンツ記憶部234と,転送部236と,通信部238と,取得部240と,評価値記録部242と,コンテンツ情報記憶部(評価値記憶部)244と,評価値入力部246と,表示制御部248と,表示部250とを主に備える。
コンテンツ記憶部220は,例えば,HDD等のストレージ装置211,フラッシュメモリ202,リムーバブル記憶媒体7などの記憶媒体で構成され,複数のコンテンツを記憶する機能を有する。コンテンツ記憶部220に記憶されているコンテンツには,コンテンツを一意に識別するコンテンツIDが付加されている。コンテンツ記憶部220に記憶されているコンテンツは,例えば,携帯型再生装置20が情報処理装置10から転送されたコンテンツや,リムーバブル記憶媒体7を介して取得されたコンテンツなどである。また,コンテンツ記憶部220に記憶されているコンテンツは,携帯型再生装置20が,配信サーバ30や,他の携帯型再生装置20などの外部装置から取得したコンテンツであってもよい。
再生操作部222は,携帯型再生装置20が備える入力装置208を介してユーザ入力された,コンテンツに対する再生操作を受け付けて,受け付けた再生操作の情報を,再生部224に提供する。ユーザが入力可能な再生操作には,例えば,再生するコンテンツの選択,選択したコンテンツの再生,再生中のコンテンツの早送り,再生中のコンテンツの巻き戻し,再生中のコンテンツの再生停止(一時停止を含む),再生中のコンテンツのスキップなどを携帯型再生装置20に実行させるための操作が含まれる。再生中のコンテンツのスキップとは,1のコンテンツを再生している途中で,巻き戻し操作または早送り操作を行うことによって,再生対象を1のコンテンツから他のコンテンツに切り替えることをいう。
再生部224は,コンテンツ記憶部220に記憶されているコンテンツを再生する機能を有する。この再生部224は,再生操作部222から再生操作の情報を取得し,取得した再生操作の情報に基づいて,コンテンツに対する処理を行う。再生部224が行うコンテンツに対する処理には,コンテンツの再生,再生中のコンテンツの早送り,再生中のコンテンツの巻き戻し,再生中のコンテンツの再生停止などが含まれる。再生部224は,コンテンツに対する各処理を開始すると,処理の開始(以後,再生部224によるコンテンツに対する処理の開始を,イベントの発生とも称する。)を再生履歴生成部228に通知する。再生部224は,イベントの発生を通知する際に,開始した処理の種別(コンテンツの再生,再生中のコンテンツの早送り,再生中のコンテンツの巻き戻し,再生中のコンテンツの再生停止など。以後,開始した処理の種別を,イベント種別とも称する。)と,処理対象のコンテンツの識別情報(例えば,コンテンツID)とを再生履歴生成部228に提供する。
日時情報生成部226は,日時の情報を生成する。詳細には,日時情報生成部226は,携帯型再生装置20の内蔵時計から日付と時刻を取得し,日付と時刻の情報が含まれる日時情報を生成する。日時情報生成部226は,再生履歴生成部228からの要求を受けて日時情報を生成し,生成した日時情報を再生履歴生成部228に出力する。
再生履歴生成部228は,再生部224によるコンテンツに対する処理内容を表す再生履歴情報を生成し,再生履歴記憶部230に記録する機能を有する。具体的には,再生履歴生成部228は,再生部224が行うコンテンツに対する処理に応じて,イベントログを生成し,生成したイベントログを再生履歴記憶部230に書き込む機能を有する。なお,このイベントログは,本実施形態にかかる再生履歴情報に相当する。
詳細には,再生履歴生成部228は,イベントの発生を再生部224から通知される。再生履歴生成部228は,イベントの発生の通知を受けると,日時情報生成部226から日時情報を取得し,取得した日時情報と,イベントの発生の通知に含まれるイベント種別と,処理対象のコンテンツIDとを関連付けてイベントログを生成する。そして,生成したイベントログを,イベントログが時系列に並ぶように再生履歴記憶部230に書き込む。
再生履歴記憶部230は,例えば,HDD等のストレージ装置211,フラッシュメモリ202などで構成され,再生履歴生成部228によって生成されたイベントログ(再生履歴情報)を記憶する。
ここで,図7〜図10を参照して,イベントログについて詳細に説明する。図7は,再生操作とイベントログとの関係を示す説明図である。図7中の「CID1」「CID2」はコンテンツIDを示し,「Play」はコンテンツの再生,「FF」は再生中のコンテンツの早送り,「Pause」は再生中のコンテンツの一時停止,「Stop」は再生中のコンテンツの再生停止を示す。また,図7中のtは時間の経過を示しており,t1〜t7は,再生操作に基づく各イベントが発生した日時を示す。
まず,ユーザによる再生操作と,その再生操作に応じて行われる再生部224の処理とを図7(a)を参照して説明する。図7(a)の例によれば,ユーザはまずCID1のコンテンツの再生を携帯型再生装置20に指示し,その指示に応じて再生部224が日時t1にCID1のコンテンツの再生を開始する。次に,ユーザは,CID1のコンテンツの再生中に,再生中のコンテンツの早送りを携帯型再生装置20に指示し,その指示に応じて再生部224が日時t2にCID1のコンテンツの早送りを開始する。ユーザが早送りの指示を解除すると,再生部224は,指示が解除された時点,すなわち日時t3から再び,CID1のコンテンツの再生を開始する。
次に,ユーザは,CID1のコンテンツの再生中に,再生中のコンテンツの一時停止を携帯型再生装置20に指示し,その指示に応じて再生部224が日時t4にCID1のコンテンツの再生停止を開始する。ユーザが一時停止の指示を解除すると,再生部224は,指示が解除された時点,すなわち日時t5から再び,CID1のコンテンツの再生を開始する。続いて,ユーザの指示を受けることなく,日時t6で再生部224はCID2のコンテンツの再生を開始する。これは,CID1のコンテンツの再生が,CID1のコンテンツを構成するコンテンツデータの最後まで行われて,その後,再生順序がCID1の次であるCID2のコンテンツの再生が自動的に開始されたことを示す。そして,CID2のコンテンツの再生中に,ユーザは再生中のコンテンツの再生停止を携帯型再生装置20に指示し,その指示に応じて再生部224が日時t7でCID2のコンテンツの再生停止を開始する。
上記のように,再生部224は,ユーザによるコンテンツの再生操作に応じて,コンテンツに対する各処理を開始する。そして,再生部224は,ユーザの指示に応じて,ある処理(第1の処理とする)を開始した後,ユーザの指示に応じて次の処理(第2の処理とする)を開始するまでの間,継続して第1の処理を行う。つまり,再生部224は,t1からt2の間は再生処理,t2からt3の間は早送り処理,t3からt4の間は再生処理,t4からt5の間は一時停止処理,t5からt7の間は再生処理をそれぞれ行う。
再生部224による各処理の開始は,イベントの発生として再生履歴生成部228に通知される。そして,イベント発生ごとに再生履歴生成部228によりイベントログが生成され,生成されたイベントログは再生履歴記憶部230に記録される。イベントログは,1イベント1レコードとして生成され,イベントの発生順で時系列をなして記録される。また,イベントログには,処理対象のコンテンツを識別するために,コンテンツIDも含まれる。図7(a)に示した各イベントの発生状況に基づいて生成されたイベントログを図7(b)に示した。図7(b)に示すように,各イベントの発生に対応して,Record#1〜Record#9で示されるイベントログが生成される。Record#1とRecord#7は,処理対象のコンテンツを特定するためのレコードである。再生履歴記憶部230には,コンテンツIDが格納されたレコードに続いて,イベントの発生日時(t1〜t7)とイベント種別(PLAY,FF,STOPなど)とが格納されたレコードが,イベントの発生日時順に記録される。
図9に,再生履歴記憶部230に記憶されるイベントログのデータフォーマットの一例を挙げ,図7(b)のイベントログをかかるフォーマットで再生履歴記憶部230に格納した場合のレコード例を示した。図9に示すように,再生履歴記憶部230には,8バイト単位でイベントログが記憶される。1バイト目(符号280,符号284等)にはイベントIDが格納され,イベントIDに続いてコンテンツID(符号282)または日時情報(符号286)が格納される。
イベントIDについて図8を参照して説明する。イベントIDは,イベント種別を示すIDである。図示のように,各イベントID270は各々処理内容272と対応付けられおり,イベントID「00」はコンテンツの開始を示し,「01」はコンテンツの再生,「02」は再生停止,「03」は早送り,「04」は巻き戻しを示す。かかる対応付けに基づいて,図7(b)および図9を参照する。
図7(b)のRecord#1は,図9では,1バイト目に格納されるイベントID「00」と,その次に格納されるコンテンツID282に対応する。なお,本例では,コンテンツIDを24バイトとしたため,イベントID「00」が格納される8バイトのレコード中の2バイト目から8バイト目までを空白とし,次の3レコード(8バイト×3=24バイト)を使用してコンテンツIDを格納している。
図7(b)のRecord#2は,図9では,1バイト目に格納されるイベントID「01」(符号284)と,イベントIDに続いて格納される日時情報t1(符号286)に対応する。日時情報は,8バイトで構成される1レコード中の2バイト目から8バイト目までの7バイトを使用して格納される。
図7(b)のRecord#3は,図9では,1バイト目に格納されるイベントID「03」と,イベントIDに続いて格納される日時情報t2に対応する。以後,上記と同様に,図7(b)のRecord#4〜Record#9が,図9に示したフォーマットで再生履歴記憶部230に格納される。
図10に,ユーザによる再生操作の種類と,各再生操作に応じて作成されるイベントログとを対応付けて示した。携帯型再生装置20には,入力装置として例えばボタンが備えられており,ユーザはそのボタンを操作して,Next,Search,Prev,Repeat,Pause,Rew,FFの各指示を携帯型再生装置20に与えることができる。また,Nextは,コンテンツの再生がされている状態においては,再生中のコンテンツの次の再生順序とされるコンテンツを再生させる指示である。Searchは,検索されたコンテンツを再生させる指示である。また,Prevは,コンテンツの再生がされている状態においては,再生中のコンテンツの前の再生順序とされるコンテンツを再生させる指示である。Repeatは,コンテンツの再生がされていない状態で,直前に再生されたコンテンツを再度再生させる指示である。または,Repeatは,コンテンツの再生がされている状態においては,再生中のコンテンツを再度再生させる指示である。Pauseは,再生中のコンテンツの再生を一時的に停止させる指示である。Rewは,再生中のコンテンツを巻き戻しさせる指示である。FFは,再生中のコンテンツを早送りさせる指示である。
Rewで曲をまたぐ場合とは,再生中のコンテンツを巻き戻しさせる指示をし,かつ,再生対象が再生中のコンテンツから他のコンテンツ(再生順序が再生中のコンテンツよりも前のコンテンツ)に移動するまで巻き戻しをさせた場合である。同様に,FFで曲をまたぐ場合とは,再生中のコンテンツを早送りさせる指示をし,かつ,再生対象が再生中のコンテンツから他のコンテンツ(再生順序が再生中のコンテンツよりも後のコンテンツ)に移動するまで早送りをさせた場合である。換言すると,RewまたはFFで曲をまたぐ場合は,ユーザにより再生中のコンテンツのスキップが指示された場合に相当する。
ユーザの再生操作により,NextまたはSearchの指示がされた場合には,図示のように,再生されていたコンテンツ(CID1)の再生停止(Stop)がイベントログとして記録された後に,NextまたはSearchにより指定されたコンテンツのコンテンツID(CID2)が記録され,続いて再生開始(Play)が記録される。
ユーザの再生操作により,Prevの指示がされた場合には,図示のように,再生されていたコンテンツ(CID1)の再生停止(Stop)がイベントログとして記録された後に,Prevにより指定されたコンテンツのコンテンツID(CID1)が記録され,続いて再生開始(Play)が記録される。
ユーザの再生操作により,Repeatの指示がされた場合には,図示のように,再生されていたコンテンツ(CID1)の再生停止(Stop)がイベントログとして記録された後に,Repeatにより再度再生されるコンテンツのコンテンツID(CID1)が記録され,続いて再生開始(Play)が記録される。
ユーザの再生操作により,Pauseの指示がされた場合には,図示のように,再生されていたコンテンツ(CID1)の再生停止(Stop)がイベントログとして記録され,その後,Pauseの解除に伴って再開された同コンテンツの再生が,再生開始(Play)として記録される。
ユーザの再生操作により,Rewの指示がされた場合には,図示のように,再生されていたコンテンツ(CID1)の再生停止(Stop)がイベントログとして記録され,その後,Rewの解除に伴って再開された同コンテンツの再生が,再生開始(Play)として記録される。FFの指示がされた場合も同様である。
ユーザの再生操作により,Rewの指示がされ曲をまたいだ場合には,図示のように,再生されていたコンテンツ(CID1)の再生停止(Stop)がイベントログとして記録され,その後,Rewの解除に伴って再生が開始されたコンテンツのコンテンツID(CID2)と,再生開始(Play)が記録される。FFの指示がされた場合も同様である。
以上,イベントログについて詳細に説明した。携帯型再生装置20は,上述のように,イベントログに,コンテンツに対する処理の内容と,各処理の開始日時とを含ませることにより,ユーザによるコンテンツの再生操作の状況をイベントログに反映させることができる。ユーザによるコンテンツの再生操作の状況には,例えば,ユーザがコンテンツを再生させた時期や回数,コンテンツの再生中に巻き戻しや早送りをした回数,コンテンツをスキップした回数などが含まれる。
ここで,再び図6に戻り,携帯型再生装置20の機能構成についての説明を続ける。
削除指示受付部232は,ユーザ入力に応じて,コンテンツ記憶部220に記憶されている複数のコンテンツの削除指示を受けると,当該削除指示されたコンテンツに対応するコンテンツIDを,削除コンテンツ記憶部234に記録する。具体的には,削除指示受付部232は,削除予定リストを生成して削除コンテンツ記憶部234に記憶する。この削除予定リストは,携帯型再生装置20においてユーザにより削除指示を受けたコンテンツに対応するコンテンツIDのリストである。なお,削除指示受付部232は,削除予定リスト以外にも,削除指示されたコンテンツを特定できる情報(例えば,タイトル名,アルバム名,アーティスト名等のコンテンツの属性情報)を記録するようにしてもよい。
削除コンテンツ記憶部234は,例えば,HDD等のストレージ装置211,フラッシュメモリ202などで構成され,上記削除予定リストを記憶する。
転送部236は,情報処理装置10や配信サーバ30等の外部装置からの転送要求に応じて,再生履歴記憶部230に記憶されたイベントログ(再生履歴情報)を,通信部238を介して,当該外部装置に転送する機能を有する。詳細には,転送部236は,接続されている情報処理装置10からの要求を受けると,再生履歴記憶部230からイベントログを読み出し,読み出したイベントログを上記接続されている情報処理装置10に送信する。
また,転送部236は,情報処理装置10の要求に応じて,コンテンツ記憶部220に記憶されている1又は2以上のコンテンツに対応する演算評価値を,評価値記憶部としてのコンテンツ情報記憶部244から読み出して,上記再生履歴情報と共に,或いは単独で,情報処理装置10に転送する。これにより,情報処理装置10は,転送された演算評価値と,情報処理装置10に記憶されている当該コンテンツの演算評価値とを例えば平均して,当該コンテンツに対応する新たな演算評価値を作成して,携帯型再生装置20に送信することができる。
また,転送部236は,コンテンツ記憶部220に記憶されている1又は2以上のコンテンツに対応する入力評価値が評価値記憶部244に記憶されている場合には,情報処理装置10の要求に応じて,当該各入力評価値を評価値記憶部244から読み出して,上記再生履歴情報と共に,或いは単独で,情報処理装置10に転送する。これによって,情報処理装置10は,転送された入力評価値と,情報処理装置10に記憶されている当該コンテンツの入力評価値とを例えば平均して,当該コンテンツに対応する新たな入力評価値を作成して,携帯型再生装置20に送信することができる。
また,転送部236は,情報処理装置10からの要求に応じて,上記再生履歴情報と共に,携帯型再生装置20のデバイスIDを当該情報処理装置10に転送する。このデバイスIDは,携帯型再生装置20を識別するための識別子である。かかるデバイスIDを送信することにより,情報処理装置10に当該デバイスIDを記録して,当該デバイスIDに対応する携帯型再生装置20を情報処理装置10に登録することができる。例えば,かかる登録を条件として,当該デバイスIDに対応する携帯型再生装置20と当該情報処理装置10との間で,例えば,コンテンツ,コンテンツの属性情報,再生履歴情報,演算評価値,入力評価値,削除予定リスト,プレイリストなどの情報を,やり取りできるようにしてもよい。これにより,不特定多数の機器間で,これらの情報を共有できないようにできる。
また,転送部236は,携帯型再生装置20に接続された情報処理装置10からの要求に応じて,特定のコンテンツデータの再生履歴情報と共に,削除コンテンツ記憶部234に記憶された削除指示を受けたコンテンツID,例えば,削除予定リストを,当該情報処理装置10に転送することもできる。これにより,携帯型再生装置20に接続された情報処理装置10に対して,携帯型再生装置20のコンテンツ記憶部220に記憶されているコンテンツの削除を要求し,情報処理装置10により当該コンテンツを削除させることができる。
つまり,携帯型再生装置20は,処理能力やバッテリの制約上,自身でコンテンツの削除を行うことが好適ではない。このため,ユーザからコンテンツの削除を要求された場合,携帯型再生装置20はそのコンテンツIDの識別子を削除予定リストに書き込んで保存しておく。そして,情報処理装置10と携帯型再生装置20が接続された際に,削除予定リストを送信する。これにより,接続されている情報処理装置10の削除実行部(図示せず。)により,この削除予定リストに基づいて携帯型再生装置20のコンテンツ記憶部220からコンテンツが削除される。
取得部240は,情報処理装置10や配信サーバ30等の外部装置から,当該外部装置により再生履歴情報に基づいて演算された演算評価値等を取得する機能を有する。具体的には,上記転送部236によって携帯型再生装置20に記憶されている1又は2以上のコンテンツの再生履歴情報(イベントログ)が情報処理装置10に転送されると,情報処理装置10は当該再生履歴情報と情報処理装置10の再生履歴情報とに基づいて,当該再生履歴情報に対応する各コンテンツの演算評価値を演算するとともに,必要に応じて当該各コンテンツの入力評価値を更新して,携帯型再生装置20に送信する。取得部240は,情報処理装置10から通信部238を介して,上記演算評価値及び/又は入力評価値を受信して取得する。また,取得部240は,このように取得した演算評価値及び/又は入力評価値を,評価値記録部242に出力する。
また,取得部240は,携帯型再生装置20に接続された情報処理装置10から,コンテンツ,コンテンツの属性情報,プレイリストなどを取得することもできる。取得部240は,このように取得したコンテンツ,コンテンツの属性情報,プレイリスト等を,コンテンツ記憶部220,プレイリスト記憶部(図示せず。)等に記録する。
評価値記録部242は,情報処理装置10から取得された演算評価値,入力評価値を,対応するコンテンツデータに関連付けて,評価値記憶部としてのコンテンツ情報記憶部244に記録する。具体的には,評価値記録部242は,取得部240から入力された演算評価値,入力評価値と,当該演算評価値,入力評価値が付加されたコンテンツのコンテンツIDをコンテンツ情報記憶部244に記憶する。なお,この演算評価値,入力評価値に対応するコンテンツは,携帯型再生装置20のコンテンツ記憶部220に記憶されている。
また,評価値記録部242は,取得部240によって演算評価値及び入力評価値が取得されるたびに,コンテンツ情報記憶部244に記憶されている演算評価値及び入力評価値を,上記取得された新たな演算評価値及び入力評価値にそれぞれ更新する。
コンテンツ情報記憶部244は,例えば,HDD等のストレージ装置211,フラッシュメモリ202などで構成される。このコンテンツ情報記憶部244は,上記各コンテンツの属性情報(演算評価値,入力評価値,タイトル,アーティスト,アルバム名,ジャンル等)を,当該コンテンツのコンテンツIDと関連付けて記憶する。このコンテンツ情報記憶部244は,本実施形態にかかる評価値記憶部として構成されている。しかし,かかる例に限定されず,演算評価値,入力評価値をその他の属性情報と分離して,評価値記憶部に記録することも可能である。
評価値入力部246は,ユーザ入力に応じて,コンテンツ記憶部220に記憶されているコンテンツに対応する入力評価値を設定する。例えば,特定のコンテンツの再生中に,ユーザが所定の操作を行うと,図11に示すように,表示制御部248により携帯型再生装置20の表示部250に,入力評価値設定画面4cが表示される。これに応じて,ユーザが評価値入力操作を行うと,評価値入力部246は,当該評価値入力操作に応じて,例えば1〜5の入力評価値を,当該再生中のコンテンツに対して設定する。図11の入力評価値設定画面4cの例では,コンテンツの入力評価値が2ポイント「★★」に設定されている。
評価値入力部246は,このように設定した入力評価値とコンテンツIDとを評価値記録部242に出力し,評価値記録部242は,この入力評価値を当該コンテンツIDとともにコンテンツ情報記憶部244に記録する。これによって,携帯型再生装置20においても,コンテンツの入力評価値を設定して,即時,最新の入力評価値を表示できるようになる。
表示制御部248は,表示部250における各種情報の表示を制御する。詳細には,例えば,表示制御部248は,コンテンツ情報記憶部244内の同一のコンテンツに関する演算評価値又は入力評価値を読み出し,図3で説明したように,演算評価値より入力評価値を優先的に表示部250に表示させる。また,特定のコンテンツの演算評価値が表示されているときに,評価値入力部246により特定のコンテンツの入力評価値が設定された場合には,表示制御部248は,上記表示中の演算評価値の代わりに,上記設定された入力評価値を表示部250に表示させるよう制御する。
また,表示制御部248は,図示しないプレイリスト記憶部に記憶されているプレイリストを表示部250に表示させるように制御する。また,表示制御部248は,再生操作部222によるコンテンツの検索時などには,ユーザの操作内容に応じて,各種の検索画面などを表示部250に表示させるように制御する。
また,表示制御部248が,特定のコンテンツデータに対応する入力評価値を表示部250に表示させているモードにおいても,上記転送部236は,例えば携帯型再生装置20と情報処理装置10の接続時に,情報処理装置10からの要求に応じて再生履歴情報を情報処理装置10に転送し,取得部240は,当該転送された再生履歴情報に基づき情報処理装置10により演算された演算評価値を取得して,記録部は,当該演算評価値をコンテンツ情報記憶部244に記録する。これによって,入力評価値が設定済みのコンテンツについてであっても,当該コンテンツの演算評価値が随時,再生状況を反映した最新の値に更新される。なお,表示部250は,上記表示装置210などで構成される。
また,上記転送部236による再生履歴情報(イベントログ)の転送に応じて,情報処理装置10から送信された演算評価値を取得部240により取得して評価値記録部242によりコンテンツ情報記憶部244に記録した後に,上記再生履歴生成部228は,上記再生履歴記憶部230に記憶されている上記転送済みの再生履歴情報を削除する。これによって,情報処理装置10に転送され演算評価値に反映された再生履歴情報が削除され,その後のコンテンツの再生操作に応じて,新たな再生履歴情報が再生履歴記憶部230に記録されるようになる。従って,同一の再生履歴情報が演算評価値に重複して反映されないようにできる。
以上,本実施形態にかかる携帯型再生装置20の各部の機能構成について説明した。なお,上記再生操作部222,再生部224,日時情報生成部226,削除指示受付部232,転送部236,取得部240,評価値記録部242,評価値入力部246,及び表示制御部248などは,例えば,上記各機能を有するハードウェアとして構成されてもよいし,或いは,上記各機能をコンピュータに実現させるプログラムを携帯型再生装置20にインストールすることによって構成されてもよい。
<情報処理装置(PC)の機能構成>
次に,図12に基づいて,本実施形態にかかる情報処理装置10の主な機能について説明する。なお,図12は,本実施形態にかかる情報処理装置10の機能を概略的に示すブロック図である。
図12に示すように,情報処理装置10は,コンテンツ記憶部120と,再生操作部122と,再生部124と,日時情報生成部126と,再生履歴生成部128と,再生履歴記憶部130と,通信部132と,接続検知部134と,取得部136と,再生履歴解析部138と,解析結果記憶部140と,評価値演算部142と,評価値記録部144と,評価値入力部146と,評価値記憶部としてのコンテンツ情報記憶部148と,プレイリスト生成部150と,プレイリスト記憶部152と,転送部154と,コンテンツ削除部156と,配信サービス利用部158と,評価値送信部160と,リッピング部162と,検索リスト生成部164と,表示制御部168と,表示部170と,を主に備える。
このうち,コンテンツ記憶部120,再生操作部122,再生部124,日時情報生成部126,再生履歴生成部128,及び再生履歴記憶部130は,上述した携帯型再生装置20が備えるコンテンツ記憶部220,再生部224,再生操作部222,日時情報生成部226,再生履歴生成部228,および再生履歴記憶部230とほぼ同様の機能構成を有するため,説明を省略する。情報処理装置10は,携帯型再生装置20と同様に,ユーザによる再生操作に基づいてコンテンツに対する各処理を行い,再生履歴情報としてのイベントログを生成して記録することができる。
なお,コンテンツ記憶部120は,例えば,HDD等のストレージ装置111,半導体メモリ,リムーバブル記憶媒体7などの記憶媒体で構成され,複数のコンテンツを記憶する機能を有する。また,再生履歴生成部128は,生成したイベントログを,再生履歴記憶部130を介さずに再生履歴解析部138に直接的に出力することもできる。
通信部132は,例えば,上記接続ポート114や通信装置115などで構成されており,ローカルライン9やネットワーク5を介して,携帯型再生装置20及び配信サーバ30との間で各種の情報を通信可能である。
接続検知部134は,通信部132を介して他の外部装置が情報処理装置10に接続されたことを検知する。具体的には,接続検知部134は,接続ポート114に携帯型再生装置20が,上記ローカルライン9を介してローカル接続されたことを検知し,取得部136に通知する。また,接続検知部134は,携帯型再生装置20と情報処理装置10との連続接続時間を検知することができ,当該連続接続時間が特定時間(例えば1時間)を経過していることを検知すると,その旨を取得部136に通知する。
取得部136は,携帯型再生装置20から,当該携帯型再生装置20に記憶されている再生履歴情報,演算評価値,入力評価値等を,通信部132を介して取得する機能を有する。具体的には,取得部136は,上記接続検知部134から,携帯型再生装置20との接続の検知の通知を受けると,接続されている携帯型再生装置20から,当該携帯型再生装置20における再生履歴情報としてのイベントログを取得する。そして,取得部136は,携帯型再生装置20から取得したイベントログを再生履歴解析部138に出力する。また,取得部136は,携帯型再生装置20から,当該携帯型再生装置20内に記憶されている各コンテンツの演算評価値と入力評価値を取得し,評価値演算部142に出力する。
また,取得部136は,携帯型再生装置20から,当該携帯型再生装置20においてユーザにより削除指示された1又は2以上のコンテンツに対応するコンテンツIDを表す情報として,例えば削除予定リストを取得する。この結果,携帯型再生装置20に接続されている情報処理装置10の削除実行部(図示せず。)により,当該削除予定リストに基づいて携帯型再生装置20の記憶装置からコンテンツが削除される。かかる削除予定リストを使用して,情報処理装置10が,携帯型再生装置20内のコンテンツを削除することにより,携帯型再生装置20の処理負荷を低減して,バッテリの消耗を抑制し,コンテンツの再生等を長時間実行できるようになる。また,取得部136は,上記取得した削除予定リストを評価値演算部142に出力する。
再生履歴解析部138は,再生履歴記憶部130に記憶されている再生履歴情報としてのイベントログと,取得部136が携帯型再生装置20から取得した再生履歴情報としてのイベントログの解析を行う。以後,再生履歴記憶部130に記憶されているイベントログを,情報処理装置10のイベントログと称し,取得部136が携帯型再生装置20から取得したイベントログを,携帯型再生装置20のイベントログと称する。また,どちらのイベントログでもよい場合は,単にイベントログと称し,双方のイベントログを指す場合には双方のイベントログと称する。
具体的には,再生履歴解析部138は,イベントログから,各コンテンツの再生開始日時,再生終了日時,再生回数,休止回数,スキップ回数,リピート回数,および総再生時間を求める。再生履歴解析部138は,イベントログから,コンテンツIDが格納されたレコードの直後に位置する再生開始のイベントログに含まれる日時情報を抽出することにより,各コンテンツIDに該当する各コンテンツの再生開始日時を求めることができる。
また,再生履歴解析部138は,イベントログから,各コンテンツの再生開始日時または再生停止のイベントログに含まれる日時情報を抽出することにより,各コンテンツの再生終了日時を求めることができる。詳細に説明すると,コンテンツIDが格納されたレコードの直前に位置する再生停止のイベントログは,その再生停止イベントの発生によって再生が停止されたコンテンツの再生終了を示している。従って,コンテンツIDが格納されたレコードの直前に位置する再生停止のイベントログに含まれる日時情報は,その再生停止イベントの発生によって再生が停止されたコンテンツの再生終了日時を示す。
一方,コンテンツIDが格納されたレコードの直前に,再生停止のイベントログが無い場合には,コンテンツIDが格納されたレコードの直後に位置する再生開始のイベントログが,新たなコンテンツの再生開始とともに,直前のコンテンツの再生終了を示している。従って,コンテンツIDが格納されたレコードの直前に,再生停止のイベントログが無い場合には,コンテンツIDが格納されたレコードの直後に位置する再生開始のイベントログに含まれる日時情報が,新たなコンテンツの再生開始日時とともに,直前のコンテンツの再生終了日時を示す。そこで,再生履歴解析部138は,イベントログから,各コンテンツの再生開始または再生停止のイベントログに含まれる日時情報を抽出することにより,各コンテンツの再生終了日時を求めることができる。
また,再生履歴解析部138は,コンテンツIDが格納されたレコードの直後に位置する再生開始のイベントログに基づいて,各コンテンツの再生回数を求めることができる。また,再生履歴解析部138は,図8に示した各再生操作に応じたイベントログに基づいて,各コンテンツの休止回数,スキップ回数,リピート回数を求めることができる。また,再生履歴解析部138は,コンテンツごとに,関連するイベントログを抽出して計算することにより,各コンテンツの総再生時間を求めることができる。
再生履歴解析部138は,イベントログの解析後,解析結果を解析結果記憶部140に記録する。解析結果記憶部140は,HDD等のストレージ装置211又はフラッシュメモリ202等の記憶媒体で構成され,再生履歴解析部138によるイベントログの解析結果を記憶する。詳細には,解析結果記憶部140には,解析結果として,例えば,各コンテンツの再生回数,休止回数,スキップ回数,リピート回数,総再生時間の情報が格納される。また,解析結果記憶部140には,解析結果として,例えば,各コンテンツの再生開始日時,再生終了日時,1回毎の継続再生時間が格納されてもよい。ここで,図13および図14を参照して,解析結果記憶部140に記憶される解析結果について説明する。
図13および図14は,解析結果記憶部140に記憶される解析結果の一例を示した図である。図13は,再生履歴解析部138が,イベントログから各コンテンツについての再生状況を解析した結果を解析結果記憶部140に格納した場合の,解析結果記憶部140の記憶内容を示す(以後,再生状況テーブルとも称する)。図13に示すように,解析結果記憶部140の再生状況テーブルには,コンテンツごとに,コンテンツID(CID)140a,再生回数140b,休止回数140c,スキップ回数140d,リピート回数140e,および総再生時間140fが関連付けて記憶されている。
再生履歴解析部138により解析されたイベントログが,情報処理装置10のイベントログである場合には,再生状況テーブルには,情報処理装置10において再生されたコンテンツのコンテンツID、再生回数,休止回数,スキップ回数,リピート回数,総再生時間が格納される。再生履歴解析部138により解析されたイベントログが,携帯型再生装置20のイベントログである場合には,再生状況テーブルには,携帯型再生装置20において再生されたコンテンツのコンテンツID、再生回数,休止回数,スキップ回数,リピート回数,総再生時間が格納される。また,再生履歴解析部138により解析されたイベントログが,情報処理装置10のイベントログおよび携帯型再生装置20のイベントログである場合には,再生状況テーブルには,情報処理装置10または携帯型再生装置20の少なくともいずれかにおいて再生されたコンテンツのコンテンツID、再生回数,休止回数,スキップ回数,リピート回数,総再生時間が格納される。情報処理装置10と携帯型再生装置20の双方で再生されたコンテンツについては,情報処理装置10での再生回数等と携帯型再生装置20での再生回数等が合計された値が解析結果記憶部140に格納される。
コンテンツID140aは,コンテンツを一意に識別する識別子である。再生回数140bは,コンテンツID140aによって識別されるコンテンツが再生された回数である。休止回数140cは,コンテンツID140aによって識別されるコンテンツが再生されている途中に再生が停止された回数である。スキップ回数140dは,コンテンツID140aによって識別されるコンテンツが再生されている途中でスキップされた回数である。リピート回数140eは,コンテンツID140aによって識別されるコンテンツが繰り返し再生された回数である。総再生時間140fは,コンテンツID140aによって識別されるコンテンツが再生された時間の合計である。なお,総再生時間140fには,コンテンツが実際に再生されていた時間の合計が格納されることが望ましい。つまり,総再生時間140fに格納される時間には,早送りされていた時間や,巻き戻しをされていた時間,再生が停止されていた時間などは含まれないことが望ましい。
図14は,再生履歴解析部138が,イベントログから,各コンテンツの再生ごとの履歴を解析した結果を解析結果記憶部140に格納した場合の,解析結果記憶部140の記憶内容を示す(以後,再生履歴テーブルとも称する)。イベントログにおいてコンテンツIDが格納されているレコードの直後に位置する再生開始のイベントから,上述の再生終了までを1つの再生の履歴とする。図14に示すように,解析結果記憶部140の再生履歴テーブルには,コンテンツID140a,再生開始日時140g,再生終了日時140h,および継続再生時間140iが関連付けて記憶されている。
再生履歴解析部138により解析されたイベントログが,情報処理装置10のイベントログである場合には,再生履歴テーブルには,情報処理装置10において再生されたコンテンツの再生開始日時,再生終了日時および継続再生時間が格納される。再生履歴解析部138により解析されたイベントログが,携帯型再生装置20のイベントログである場合には,再生履歴テーブルには,携帯型再生装置20において再生されたコンテンツの再生開始日時,再生終了日時および継続再生時間が格納される。また,再生履歴解析部138により解析されたイベントログが,情報処理装置10のイベントログおよび携帯型再生装置20のイベントログである場合には,再生履歴テーブルには,情報処理装置10または携帯型再生装置20のいずれかにおいて再生されたコンテンツの再生開始日時,再生終了日時および継続再生時間が格納される。
コンテンツID140aは,コンテンツを一意に識別する識別子である。再生開始日時140gは,コンテンツID140aによって識別されるコンテンツの再生が開始された日時である。詳細には,再生開始日時140gには,イベントログにおいてコンテンツIDが格納されているレコードの直後に位置する再生開始のイベントログに含まれる日時情報が格納される。再生終了日時140hは,コンテンツID140aによって識別されるコンテンツが,再生開始日時140gに格納された日時に再生が開始された際の再生終了日時が格納される。再生終了日時は,上述のように求めることができる。継続再生時間140iは,コンテンツID140aによって識別されるコンテンツが,再生開始日時140gに格納された日時に再生が開始された際の継続再生時間が格納される。この継続再生時間140iに格納される時間には,巻き戻し,早送り,および一時停止されていた時間等が含まれないようにしてもよい。詳細には,上述の方法により求めることの可能なコンテンツの再生終了日時140hから再生開始日時140gを減算した時間から,さらに,巻き戻し,早送り,一時停止されていた時間を減算することにより,実際にコンテンツが継続再生されていた時間を求めることができる。
以上,解析結果記憶部140に記憶される解析結果について詳細に説明した。図12に戻り,情報処理装置10の機能構成についての説明を続ける。
評価値演算部142は,取得部136により取得された携帯型再生装置20の再生履歴情報と,再生履歴生成部128により生成された情報処理装置10の再生履歴情報とに基づいて,各コンテンツデータに対応する演算評価値を演算する機能を有する。ここで,評価値演算に用いられる携帯型再生装置20の再生履歴情報は,本実施形態では,上記のように取得部136により取得された携帯型再生装置20のイベントログを,再生履歴解析部138により解析した解析結果である。また,評価値演算に用いられる情報処理装置10の再生履歴情報は,本実施形態では,上記のように再生履歴生成部128により生成された情報処理装置10のイベントログを,再生履歴解析部138により解析した解析結果である。
この評価値演算部142による評価値演算のタイミングは,例えば,情報処理装置10と携帯型再生装置20の接続時とすることができる。具体的には,上記接続検知部134により,携帯型再生装置20が情報処理装置10に接続されたことを検知されると,取得部136によって,携帯型再生装置20のイベントログが取得され,再生履歴解析部138によって当該携帯型再生装置20のイベントログが解析され,その解析結果が解析結果記憶部140に記憶される。すると,評価値演算部142は,解析結果記憶部140から解析結果を読み出し,当該解析結果に基づき携帯型再生装置20の演算評価値を演算する。さらに,評価値演算部142は,当該演算された携帯型再生装置20の演算評価値と,過去に演算されて評価値記憶部としてのコンテンツ情報記憶部148に既に記憶されている,同一コンテンツに関する情報処理装置10の演算評価値とに基づいて,当該コンテンツに対応する新たな演算評価値を演算する。この演算評価値は,転送部154に出力されて携帯型再生装置20に転送されるとともに,評価値記録部144に出力されて,評価値記憶部としてのコンテンツ情報記憶部148に記録される。
また,情報処理装置10と携帯型再生装置20とが継続的に接続されている場合には,情報処理装置10は,特定時間(例えば1時間)ごとに,上記携帯型再生装置20からイベントログを取得して,当該イベントログの解析結果に基づく演算評価を演算して,携帯型再生装置20に転送するとともに,コンテンツ情報記憶部148に記録するようにしてもよい。
また,情報処理装置10と携帯型再生装置20との継続接続時には,上記特定時間(例えば1時間)ごとに,評価値演算部142は,コンテンツ情報記憶部148に記憶されている情報処理装置10の演算評価値を,再生履歴生成部128により新たに生成されたイベントログの解析結果に基づき再演算し,当該再演算された演算評価値を携帯型再生装置20へ転送し,及びコンテンツ情報記憶部148に記録してもよい。
また,情報処理装置10と携帯型再生装置20との接続の有無にかかわらず,評価値演算部142は,例えば,情報処理装置10の再生部124により1のコンテンツの再生処理がなされる度(コンテンツの再生イベントが発生する度)ごとに,当該再生処理に応じた再生履歴情報(イベントログの解析結果)に基づき,情報処理装置10の演算評価値を演算することもできる。これにより,コンテンツ情報記憶部148に記憶されている情報処理装置10の演算評価値を,個々のコンテンツの再生処理ごとにダイナミックに更新していくことができる。
また,評価値演算部142は,取得部136により取得された携帯型再生装置20の演算評価値と,コンテンツ情報記憶部148に記憶されている情報処理装置10の演算評価値とを合算(マージ)して,新たな演算評価値を算出する機能を有する。また,評価値演算部142は,取得部136により取得された携帯型再生装置20の入力評価値と,コンテンツ情報記憶部148に記憶されている情報処理装置10の入力評価値とを合算して,新たな入力評価値を算出する機能を有する。
具体的には,取得部136によって携帯型再生装置20の演算評価値及び入力評価値が取得され,当該携帯型再生装置20の演算評価値及び入力評価値が取得部136から入力されると,評価値演算部142は,当該携帯型再生装置20の演算評価値及び入力評価値と同一のコンテンツに関する情報処理装置10の演算評価値及び入力評価値をコンテンツ情報記憶部148から読み出す。そして,評価値演算部142は,上記携帯型再生装置20の演算評価値と,情報処理装置10の演算評価値とを平均して,新たな演算評価値を算出するとともに,上記携帯型再生装置20の入力評価値と,情報処理装置10の入力評価値とを平均して,新たな入力評価値を算出する。さらに,評価値演算部142は,当該新たな演算評価値と入力評価値をコンテンツ情報記憶部148に記憶するとともに,当該新たな演算評価値と入力評価値を転送部154に出力して携帯型再生装置20に転送させる。
このように,評価値演算部142は,情報処理装置10に記憶されている演算評価値及び入力評価値と,携帯型再生装置20に記憶されている演算評価値及び入力評価値とを,それぞれ合算して同期(シンク)をとる評価値同期部としても機能する。
ここで,図15及び図16を参照して,評価値演算部142による再生履歴情報に基づく演算評価値の具体的な演算手法(自動レーティングのポイント増減手法)について説明する。
情報処理装置10は,例えば,配信サーバ30から配信コンテンツをダウンロードしたり,リッピング部162により記憶媒体7aからコンテンツをリッピングしたり,或いは,情報処理装置10が有する他のコンテンツ再生ソフトウェアからインポートしたりすることで,新規コンテンツを取得して,コンテンツ記憶部120に記録できる。このように,情報処理装置10が新規のコンテンツを取得した場合,当該コンテンツの演算評価値の初期値は,上述したように例えば「3.0」に設定されている。
ユーザの嗜好性を反映したレーティングを行うために,上記新規コンテンツに設定された演算評価値は,その後のユーザによる再生操作に応じて,図15に示すような基準で,増減される。
まず,ユーザの嗜好に合うコンテンツ(例えば好きな曲)の演算評価値を加算する方式について説明する。コンテンツが十分な時間にわたり再生され,ユーザによって視聴された場合には,当該コンテンツはユーザの嗜好に合うと判断できる。このため,コンテンツが特定時間以上継続的に再生される度に,当該コンテンツの評価が高くなるように演算評価値を演算することが好ましい。
そこで,本実施形態では,図15に示すように,「再生開始後,所定の加算基準時間(N秒)以上スキップされないで継続的に再生されたコンテンツ」の演算評価値を,所定の加算ポイント(例えば0.2ポイント)だけ加算する。即ち,コンテンツの継続再生時間が,所定の加算基準時間(N秒)以上であれば,所定の加算ポイントだけ加算する。これにより,コンテンツの再生開始後,十分に継続再生された場合には,当該コンテンツの評価が高くなるように演算評価値を演算することができる。
例えば,所定の加算基準時間Nは,一般的な1つのコンテンツの再生時間(例えば5分)やユーザの視聴傾向などに応じて,当該一般的な1つのコンテンツの再生時間以下の任意の時間に設定できる。また,所定の加算ポイントは,ユーザの視聴傾向などに応じて自由に設定できる。本実施形態では,加算基準時間Nが例えば60秒(1分)に設定され,所定の加算ポイントが0.2ポイントに設定された例で説明する。
この場合,あるコンテンツが60秒以上再生される度ごとに,当該コンテンツの演算評価値が0.2ポイントずつ加算されることになる。ただし,演算評価値の上限値(例えば5.0)まで増加した場合には,それ以上は加算されない。
一方,ユーザの嗜好に合わないコンテンツ(例えば嫌いな曲)の演算評価値を減算する方式について説明する。ユーザの嗜好に合わないコンテンツに対して当該ユーザが行う操作としては,「操作1」再生されたコンテンツ(曲)を聴いて気に入らないので,スキップする操作,「操作2」携帯型再生装置20上で削除を所望するコンテンツを削除予定リストに登録する操作,などが考えられる。
そこで,本実施形態では,上記「操作1」に対応するため,図15に示すように,「再生開始後,所定の減算基準時間(M秒)未満でスキップされたコンテンツ」の演算評価値を,所定の第1の減算ポイント(例えば0.1ポイント)だけ減算する。即ち,コンテンツの継続再生時間が,所定の基準時間(M秒)未満であれば,演算評価値は,所定の第1の減算ポイントだけ減算される。これにより,コンテンツの再生開始後,早期にスキップされた場合には,当該コンテンツの評価が低くなるように演算評価値を演算することができる。
なお,所定の減算基準時間Mは,一般的な1つのコンテンツの再生時間やユーザの視聴傾向などに応じて,任意の時間に設定できる。この所定の減算基準時間Mは,上記所定の加算基準時間Nと同一であってもよいし(N=M),或いは,上記所定の加算基準時間Nよりも短い時間であってもよい(N>M)。N=Mである場合には,あるコンテンツが再生されると,スキップの有無にかかわらず,当該コンテンツの演算評価値を必ず増減させるようにすることができる。一方,N>Mである場合には,あるコンテンツが再生されると,継続再生時間がM以上N未満のコンテンツに関しては,演算評価値を増減しないようにできる。
また,所定の第1の減算ポイントは,ユーザの視聴傾向などに応じて自由に設定できるが,演算評価値が過度に低くならないようにするためには,第1の減算ポイントを上記加算ポイント「0.2」よりも小さい値にすることが好ましい。本実施形態では,減算基準時間Nは,例えば60秒(M=N)に設定され,所定の減算ポイントが0.1ポイントに設定された例で説明する。
この場合,あるコンテンツが60秒未満でスキップされる度ごとに,当該コンテンツの演算評価値が0.1ポイントずつ減算されることになる。ただし,演算評価値の下限値(例えば1.0)まで減少した場合には,それ以上は減算されない。
また,上記「操作2」に対応するため,「削除予定リストに登録されたコンテンツ」の演算評価値を,所定の第2の減算ポイント(例えば1.0ポイント)だけ減算する。この所定の第2の減算ポイントは,ユーザの視聴傾向などに応じて自由に設定できるが,コンテンツの削除指示を行ったユーザの意向を演算評価値に大きく反映させるためには,所定の第2の減算ポイントを,上記加算ポイント(0.2)及び第1の減算ポイント(0.1)よりも,数倍以上大きい値に設定することが好ましい。
ここで,以上のような演算評価値の演算方式の具体例について説明する。図16に示すように,再生履歴情報としてのイベントログの解析結果に,例えば4回のコンテンツの再生履歴が含まれている場合,コンテンツID「000001」のコンテンツについては,継続再生時間が加算基準時間N(60秒)以上であるため,当該コンテンツの演算評価値は0.2ポイント加算される。また,コンテンツID「000002」のコンテンツについては,継続再生時間が減算基準時間M(60秒)未満であるため,当該コンテンツの演算評価値は0.1ポイント減算される。また,コンテンツID「000003」のコンテンツについては,再生履歴が2回記録されており,このうち一回目の再生履歴については,継続再生時間が減算基準時間M(60秒)未満であるため,当該コンテンツの演算評価値は0.1ポイント減算されるが,このうち二回目の再生履歴については,継続再生時間が加算基準時間N(60秒)以上であるため,当該コンテンツの演算評価値は0.2ポイント加算される。
上記のような演算評価値の演算処理を実行する処理フローについて説明する。携帯型再生装置20からイベントログが取得される,或いは,情報処理装置10でイベントログが生成され,これらのイベントログの解析処理がなされると,評価値演算部142は,解析結果記憶部140に記憶されているイベントログの解析結果のうち,例えば,評価対象のコンテンツに対応する継続再生時間を読み出し,この継続再生時間が,基準時間(N=60秒)以上であれば,既存の演算評価値に0.2ポイント加算し,一方,減算基準時間(M=60秒)未満であれば,既存の演算評価値に0.1ポイント減算する。
なお,図15に示したように,イベントログの解析結果として継続再生時間が含まれていない場合には,評価値演算部142は,再生開始日時と再生終了日時との差分から継続再生時間を算出した上で,上記演算処理を行ってもよい。
また,評価値演算部142は,上記のように,継続再生時間に基づき演算評価値の減算を判断するのではなく,例えば,イベントログの解析結果やイベントログ自体に基づき,コンテンツの再生開始から所定の減算基準時間M未満でスキップされたか否か(スキップ発生の事実自体)を検出し,当該スキップが検出された場合に,演算評価値を減算するようにしてもよい。
次いで,評価値演算部142は,携帯型再生装置20から削除予定リストが取得された場合には,取得した削除予定リストに含まれているコンテンツIDに対応するコンテンツについて,既存の演算評価値を1.0ポイント減算する。
このような演算処理の結果,携帯型再生装置20又は情報処理装置10で再生されたコンテンツや,削除指示されたコンテンツの演算評価値が,最新の再生履歴等を反映した値に更新される。
なお,上記手法によれば,再生時間(1曲の時間長)がM秒(例えば60秒)未満のコンテンツは,必然的に演算評価値の減算の対象となってしまう。そこで,この場合には,当該再生時間がM秒未満のコンテンツの演算評価値については,(1)自動レーティングは機能しないと割り切り,常に減算されてしまうことを許容してもよいし,(2)初期値(例えば3.0)のままで固定するようにしてもよいし,或いは,(3)当該コンテンツを再生する度に,その継続再生時間にかかわらず,常に所定の加算ポイントだけ加算されるようにしてもよい。なお,このような再生時間がM秒未満のコンテンツであっても,手動レーティングの入力評価値については,上記と同様,正常に機能させることができる。
以上,評価値演算部142による演算評価値の具体的な演算手法について説明した。このように,評価値演算部142は,コンテンツの再生状況(継続再生時間や,スキップの有無など)に応じて,当該コンテンツの演算評価値を自動的に増減させる。これによって,各コンテンツの演算評価値にユーザの嗜好を反映させることができ,ユーザにとって利便性の高いレーティングを実現できる。下記では,再び,図12に戻り,情報処理装置10の機能構成についての説明を続ける。
評価値記録部144は,上記評価値演算部142により演算された演算評価値を,コンテンツに関連付けて,評価値記憶部としてのコンテンツ情報記憶部148に記録する。具体的には,評価値記録部144は,評価値演算部142から入力された演算評価値,入力評価値と,当該演算評価値,入力評価値が付加されたコンテンツのコンテンツIDを,コンテンツ情報記憶部148に記憶する。
評価値入力部146は,上記評価値入力部246と同様にして,ユーザ入力に応じて,コンテンツ記憶部120に記憶されているコンテンツに対応する入力評価値を設定する。さらに,評価値入力部146は,このように設定した入力評価値とコンテンツIDとを評価値記録部144に出力し,評価値記録部144は,この入力評価値を当該コンテンツIDとともにコンテンツ情報記憶部148に記録する。これによって,情報処理装置10において,コンテンツの入力評価値を設定して,即時,最新の入力評価値を表示できるようになる。
プレイリスト生成部150は,解析結果記憶部140に記憶されているイベントログの解析結果や,コンテンツ情報記憶部148に記憶されている演算評価値又は入力評価値等に基づいて,所定の条件を満たすコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成する。
プレイリストは,コンテンツの識別情報(コンテンツID等)及び属性情報を集合化したリストであり,情報処理装置10および携帯型再生装置20は,プレイリストに従って,プレイリスト内のコンテンツIDに対応するコンテンツの再生を行うことができる。従って,例えばユーザの嗜好に沿ったコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを携帯型再生装置20や情報処理装置10が有していれば,携帯型再生装置20や情報処理装置10はそのプレイリストに沿ってコンテンツを再生することで,ユーザの嗜好に沿ったコンテンツを再生することができる。
コンテンツの属性情報には,コンテンツの再生により演奏される楽曲のタイトル,その楽曲のアルバム名,アーティスト名等の情報が含まれる。プレイリスト生成部150は,コンテンツ情報記憶部148からコンテンツの属性情報を取得することができる。詳細には,プレイリスト生成部150は,解析結果記憶部140から所定の条件を満たすコンテンツのコンテンツIDを抽出し,抽出したコンテンツIDに対応するコンテンツIDをコンテンツ情報記憶部148から検索する。そして,プレイリスト生成部150は,検索されたコンテンツIDに関連付けられているコンテンツの属性情報をコンテンツ情報記憶部148から取得する。コンテンツ情報記憶部148には,コンテンツの属性情報が記憶されている。
ここで,図17を参照して,コンテンツ情報記憶部148の記憶内容について説明する。
図17に示すように,コンテンツ情報記憶部148には,コンテンツID140a,タイトル148b,アーティスト名148c,アルバム名148d,ジャンル148e,演奏時間148f,演算評価値148g,入力評価値148hなどの情報が,各コンテンツに関連付けて記憶されている。コンテンツID140aは,コンテンツを一意に識別する識別子である。タイトル148bは,コンテンツの再生により演奏される楽曲の名称であり,アーティスト名148cは,その楽曲を歌唱,演奏,作曲,作詞,プロデュース等するアーティストの名称であり,アルバム名148dは,その楽曲が収録されている音楽アルバムの名称であり,ジャンル148eは,その楽曲が属するジャンル(例えば,ジャズ,ポップス,ロック等)であり,演奏時間148fは,その楽曲の演奏時間であり,演算評価値148gは,上記自動レーティングによりその楽曲に対して自動的に付加された評価ポイントであり,入力評価値148hは,上記手動レーティングによりその楽曲に対して手動で付加された評価ポイントである。
プレイリスト生成部150は,プレイリスト生成時に,該当するコンテンツIDをコンテンツID140aから検索する。そしてプレイスリスト生成部150は,タイトル148b,アーティスト名148c,アルバム名148d,ジャンル148e,演奏時間148f,演算評価値148g,入力評価値148hなどの各情報をコンテンツ情報記憶部148から取得して,それらの情報をコンテンツの属性情報としてプレイリストに含ませることができる。
プレイリスト生成部150は,所定の条件を満たすコンテンツによってプレイリストを生成する。所定の条件は,例えば,再生された期間,総再生時間,再生回数,スキップ回数,休止回数,リピート回数,演算評価値,入力評価値などである。以下,各条件について詳細に説明する。
まず,再生された期間を所定の条件にする場合について説明する。プレイリスト生成部150は,解析結果記憶部140の再生履歴テーブルに記憶された,各コンテンツの再生開始日時および再生終了日時に基づいて,特定の期間に再生されたコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを作成することができる。特定の期間(例えば,2005年4月,2004年12月23日〜2004年12月25日,など)は,情報処理装置10が備える入力装置108を介してユーザ入力され,プレイリスト生成部150に入力されてもよい。より詳細には,プレイリスト生成部150は,入力された特定の期間内に,再生開始日時または再生終了日時の少なくともいずれかが含まれるコンテンツを,解析結果記憶部140から抽出することにより,特定の期間に再生されたコンテンツによるプレイリストを生成することができる。
次に,総再生時間を所定の条件にする場合について説明する。プレイリスト生成部150は,解析結果記憶部140の再生状況テーブルに記憶された,各コンテンツの総再生時間に基づいて,所定の時間以上再生されたコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成することができる。所定の時間は,情報処理装置10が備える入力装置108を介してユーザ入力され,プレイリスト生成部150に入力されてもよい。または,所定の時間はプレイリスト生成部150等が予め定めておいてもよい。なお,プレイリスト生成部150は,上記の各コンテンツの総再生時間に基づいて,総再生時間が長い順(または短い順)に,所定数のコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成することもできる。
次に,再生回数を所定の条件にする場合について説明する。プレイリスト生成部150は,解析結果記憶部140の再生状況テーブルに記憶された,各コンテンツの再生回数に基づいて,所定の回数以上再生されたコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成することができる。所定の回数は,情報処理装置10が備える入力装置108を介してユーザ入力され,プレイリスト生成部150に入力されてもよい。または,所定の回数はプレイリスト生成部150等が予め定めておいてもよい。なお,プレイリスト生成部150は,上記の各コンテンツの再生回数に基づいて,再生回数が多い順(または少ない順)に,所定数のコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成することもできる。
次に,スキップ回数を所定の条件にする場合について説明する。プレイリスト生成部150は,解析結果記憶部140の再生状況テーブルに記憶された,各コンテンツのスキップ回数に基づいて,スキップ回数が所定の回数以下であるコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成することができる。所定の回数は,情報処理装置10が備える入力装置108を介してユーザ入力され,プレイリスト生成部150に入力されてもよい。または,所定の回数はプレイリスト生成部150等が予め定めておいてもよい。なお,プレイリスト生成部150は,上記の各コンテンツのスキップ回数に基づいて,スキップ回数が少ない順(または多い順)に,所定数のコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成することもできる。
次に,休止回数を所定の条件にする場合について説明する。プレイリスト生成部150は,解析結果記憶部140の再生状況テーブルに記憶された,各コンテンツの休止回数に基づいて,休止回数が所定の回数以下であるコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成することができる。所定の回数は,情報処理装置10が備える入力装置108を介してユーザ入力され,プレイリスト生成部150に入力されてもよい。または,所定の回数はプレイリスト生成部150等が予め定めておいてもよい。なお,プレイリスト生成部150は,上記の各コンテンツの休止回数に基づいて,休止回数が少ない順(または多い順)に,所定数のコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成することもできる。
次に,リピート回数を所定の条件にする場合について説明する。プレイリスト生成部150は,解析結果記憶部140の再生状況テーブルに記憶された,各コンテンツのリピート回数に基づいて,リピート回数が所定の回数以上であるコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成することができる。所定の回数は,情報処理装置10が備える入力装置108を介してユーザ入力され,プレイリスト生成部150に入力されてもよい。または,所定の回数はプレイリスト生成部150等が予め定めておいてもよい。なお,プレイリスト生成部150は,上記の各コンテンツのリピート回数に基づいて,リピート回数が多い順(または少ない順)に,所定数のコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成することもできる。
次に,演算評価値を所定の条件にする場合について説明する。プレイリスト生成部150は,コンテンツ情報記憶部148に記憶された,各コンテンツの演算評価値に基づいて,同一の或いは所定範囲の演算評価値を有するコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成することができる。このプレイリスト作成の基準となる演算評価値は,情報処理装置10が備える入力装置108を介してユーザ入力され,プレイリスト生成部150に入力されてもよいし,プレイリスト生成部150等が予め定めておいてもよい。なお,プレイリスト生成部150は,上記の各コンテンツの演算評価値に基づいて,演算評価値が高い順(または低い順)に,所定数のコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成することもできる。
次に,入力評価値を所定の条件にする場合について説明する。プレイリスト生成部150は,コンテンツ情報記憶部148に記憶された,各コンテンツの入力評価値に基づいて,同一の或いは所定範囲の入力評価値を有するコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成することができる。このプレイリスト作成の基準となる入力評価値は,情報処理装置10が備える入力装置108を介してユーザ入力され,プレイリスト生成部150に入力されてもよいし,プレイリスト生成部150等が予め定めておいてもよい。なお,プレイリスト生成部150は,上記の各コンテンツの入力評価値に基づいて,入力評価値が高い順(または低い順)に,所定数のコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成することもできる。
また,プレイリスト生成部150は,上記の総再生時間,再生回数,スキップ回数,休止回数,リピート回数,演算評価値,入力評価値の全部または一部に基づいて,ユーザの嗜好に沿うと推定されるコンテンツの属性情報を集合化したプレイリストを生成してもよい。具体的にはプレイリスト生成部150は,例えば,総再生時間が比較的長く,かつ再生回数およびリピート回数が比較的多く,かつスキップ回数および休止回数が比較的少なく,かつ演算評価値及び入力評価値が高いコンテンツを選ぶことにより,ユーザの嗜好に合うコンテンツからなるプレイリストを生成することができる。
上述のように,ユーザによるコンテンツの再生操作の状況が反映されたイベントログの解析結果に基づいてプレイリストを生成することにより,プレイリスト生成部150は,ユーザの再生操作が反映された多様なプレイリストを生成することが可能となる。
なお,解析結果記憶部140に記憶されている解析結果が,情報処理装置10のイベントログの解析結果である場合には,プレイリスト生成部150により生成されるプレイリストは,情報処理装置10におけるユーザの再生操作が反映されたプレイリストとなる。一方,解析結果記憶部140に記憶されている解析結果が,携帯型再生装置20のイベントログの解析結果である場合には,プレイリスト生成部150により生成されるプレイリストは,携帯型再生装置20におけるユーザの再生操作が反映されたプレイリストとなる。また,解析結果記憶部140に記憶されている解析結果が,双方のイベントログの解析結果である場合には,プレイリスト生成部150により生成されるプレイリストは,情報処理装置10および携帯型再生装置20の双方におけるユーザの再生操作が反映されたプレイリストとなる。
プレイリスト記憶部152は,HDD等のストレージ装置を含んで構成され,プレイリスト生成部150により生成されたプレイリストを記憶する。
転送部154は,評価値転送部として機能し,上記評価値演算部142により演算された演算評価値を,通信部132を介して携帯型再生装置20に転送する。このとき,転送部154は,当該演算評価値の転送後に,携帯型再生装置20に対し,携帯型再生装置20に記憶されている当該演算評価値の演算の基礎となった再生履歴情報(イベントログ)を削除するよう指示することもできる。これにより,不要となった携帯型再生装置20の再生履歴情報を削除することができる。
また,転送部154は,コンテンツ情報記憶部148に記憶されている携帯型再生装置20の演算評価値及び入力評価値を携帯型再生装置20に転送することもできる。また,転送部154は,評価値演算部142が,情報処理装置10の演算評価値及び入力評価値と,携帯型再生装置20の演算評価値及び入力評価値とを同期(例えば,双方の平均値)することにより生成された新たな演算評価値及び入力評価値を,携帯型再生装置20に転送することもできる。
また,転送部154は,コンテンツ転送部としても機能し,コンテンツ記憶部120に記憶されている1又は2以上のコンテンツを,携帯型再生装置20に転送することができる。この転送時には,転送される複数のコンテンツの演算評価値又は入力評価値に基づき,当該転送される複数のコンテンツの一部を選択的に転送するようにしてもよい。例えば,演算評価値又は入力評価値が高いものを優先的に選択して,或いは,演算評価値又は入力評価値が所定ポイント以上(例えば4.0ポイント以上)であるものを選択して転送してもよい。これにより,携帯型再生装置20にユーザの嗜好に合致したコンテンツを優先して転送し,嗜好に合致しないコンテンツを転送しないようにできる。
また,コンテンツがサブスクリプション対応のコンテンツである場合,換言すると,所定期間の利用が許可されたコンテンツである場合には,転送部154は,そのコンテンツを転送する前に,当該コンテンツが利用期間内であるか否かを,コンテンツに付与されている権利情報に基づいて判断することができる。そして,利用期間内である場合には,転送部154はそのコンテンツを携帯型再生装置20に転送し,利用期間外である場合には,転送部154はコンテンツの転送を行わず,エラーメッセージ等を表示させる。
また,転送部154は,プレイリスト転送部としても機能し,上記プレイリスト生成部150により生成されたプレイリストを,携帯型再生装置20に送信することができる。なお,転送部154がプレイリストを送信する相手先は,イベントログを情報処理装置10に提供した携帯型再生装置20であってもよいし,イベントログを記録する機能を備えていないコンテンツ再生機器であってもよい。かかるコンテンツ再生機器にプレイリストを送信することにより,情報処理装置10または携帯型再生装置20におけるユーザの再生操作が反映された本実施形態にかかるプレイリストを,一般のコンテンツ再生機器にも利用させることができる。
コンテンツ削除部156は,コンテンツ記憶部120に記憶されているコンテンツの一部又は全部を転送部154により携帯型再生装置20に転送する際に,携帯型再生装置20のコンテンツ記憶部220が不足する場合には,携帯型再生装置20のコンテンツ記憶部220に記憶されているコンテンツの一部を,当該コンテンツの演算評価値または入力評価値に応じて自動的に選択して削除する。
このコンテンツ削除部156は,例えば,携帯型再生装置20のコンテンツ記憶部220の空き容量を検出する空き容量検出部と,上記携帯型再生装置への転送対象のコンテンツデータの容量と,空き容量検出部により検出された空き容量を比較する比較部と,この比較部により空き容量が不足であると判別された場合に,不足容量を検出する不足容量検出部と,携帯型再生装置20のコンテンツ記憶部220に記憶されている各コンテンツの演算評価値又は入力評価値に基づいて,当該コンテンツの中から上記不足容量に対応するデータ量の1又は2以上のコンテンツを選択する選択部と,この選択部により選択されたコンテンツデータを,携帯型再生装置20のコンテンツ記憶部220から削除する削除部と(いずれも図示せず。),を備える。
そして,転送部154は,かかるコンテンツ削除部156によるコンテンツの自動削除後に,転送対象のコンテンツを携帯型再生装置20に転送する。かかる構成により,携帯型再生装置20の記憶容量が不足する場合には,携帯型再生装置20のコンテンツ記憶部220のコンテンツを転送に必要な分だけ自動的に削除することができ,携帯型再生装置20のコンテンツ記憶部220に,転送対象のコンテンツを記憶するための空き容量を容易に確保することができる。さらに,演算評価値又は入力評価値が低いコンテンツから順に選択して削除することで,ユーザの嗜好に合わない不要なコンテンツを優先的に削除し,ユーザの嗜好に合う必要なコンテンツを残存させることができる。従って,限られた記憶容量の中で,携帯型再生装置20に記憶されているコンテンツを,ユーザの要否に応じて自動的に整理できるので,ユーザの利便性が向上する。
ただし,コンテンツ削除部156は,本情報処理装置10又は他の情報処理装置10のリッピング部162により,リムーバブル記憶媒体7aからリッピングされたコンテンツ(リッピングコンテンツ)については,携帯型再生装置20に対応する記憶媒体から削除せず,例えば,配信サーバ30から配信された配信コンテンツを優先的に削除する。これにより,再び,コンテンツをリッピングする必要があるようなリッピングコンテンツを,ユーザの許可無く自動的に削除してしまうことを防止できる。一方,配信コンテンツを再度入手困難な場合も考えられるため,情報処理装置10のコンテンツ削除部156は,配信コンテンツよりも,リッピングコンテンツを優先的に削除するようにしてもよい。
配信サービス利用部158は,上記配信サーバ30との間で,コンテンツ配信サービスに関する処理を行う。具体的には,配信サービス利用部158は,例えば,コンテンツ配信サービスを利用するために必要なユーザ認証情報(ユーザID,パスワード等),課金情報,コンテンツ配信リクエスト情報などの各種情報を,上記配信サーバ30との間で送受信したり,これらの情報の入出力を支援したりする。
また,配信サービス利用部158は,配信サーバ30から送信された配信コンテンツと当該配信コンテンツのライセンスを,ネットワーク5および通信装置115を介して受信する。即ち,コンテンツ処理装置10のユーザがコンテンツ配信サービスを利用してコンテンツを購入すると,配信サービス利用部158は,上記配信サーバ30から配信コンテンツと,当該配信コンテンツの利用条件を定めたライセンスをダウンロードする。
また,配信サービス利用部158は,コンテンツの配信時に,配信サーバ30から,配信コンテンツの属性情報を受信する。この配信コンテンツの属性情報は,例えば,タイトル,アーティスト名,アルバム名,ジャンル,再生時間,コンテンツID,配信日時,データサイズ,データフォーマット,著作権管理方式のタイプ,などである。
以上のような配信サービス利用部158は,例えば,利用するコンテンツ配信サービスに対応したコンテンツ配信サービス用のソフトウェアを,コンテンツ処理装置10にインストールすることによって構成される。なお,この配信サービス利用部158は,ユーザが利用する複数のコンテンツ配信サービス毎に複数設けられてもよい。
評価値送信部160は,コンテンツ情報記憶部148に記憶されている演算評価値及び入力評価値を,通信部132を介して配信サーバ30に送信する。これにより,配信サーバ30は,本情報処理装置10から送信されてきた演算評価値及び入力評価値を,例えば同一ユーザの所有する他の情報処理装置10等の機器に送信し,当該機器に記録できる。これにより,当該ユーザは,自身の所有する機器間で,演算評価値及び入力評価値を共有することができる。
また,配信サーバ30は,同一又は複数のユーザが所有する複数の情報処理装置10から,それぞれ,各コンテンツの演算評価値及び入力評価値を取得することにより,当該コンテンツの評価を集計できる。これにより,配信サービス提供者側で,ユーザの嗜好(好きなアーティスト,ジャンル,年代など)や,流行(売れ筋の楽曲等)を把握・分析できる。従って,ユーザの嗜好に合致した新しいコンテンツを推薦することができる。
また,評価値送信部160は,例えば,再生履歴情報送信部としても機能し,再生履歴記憶部130に記憶されている情報処理装置10や携帯型再生装置20の再生履歴情報(イベントログ)を,通信部132を介して配信サーバ30に送信することもできる。これにより,配信サーバ30は,情報処理装置10や携帯型再生装置20の再生履歴情報に基づいて,演算評価値を演算して,当該演算した演算評価値を,情報処理装置10や携帯型再生装置20に返信し,記録させることができる。この場合には,情報処理装置10が上述したような評価値演算処理を行わずに済むので,情報処理装置10の負荷が軽減できるとともに,配信サーバ30が各機器の再生履歴を集計して,配信サービス提供者側で上記ユーザの嗜好や流行を把握・分析できるというメリットがある。
リッピング部162は,音楽コンテンツや映像コンテンツを記録したCD,DVD等の記録媒体7aに記録されているコンテンツをリッピングする。具体的には,リッピング部162は,例えば,ユーザ入力に応じて,ドライブ112を制御して,記憶媒体7aから音楽/映像データ等を取り出し,かかる音楽/映像データをコンテンツ処理装置10で処理可能なフォーマット(例えばATRAC3形式等)に変換したコンテンツを作成する。
検索リスト生成部164は,コンテンツ情報記憶部148に記憶されている演算評価値及び/又は入力評価値に基づいて,コンテンツ記憶部120に記憶されている複数のコンテンツに対応するコンテンツ識別情報を並び替え(ソート)して集合化した検索リストを生成する。この検索リストは,例えば,ユーザがコンテンツ記憶部120内のコンテンツを検索するために使用される。
詳細には,検索リスト生成部164は,演算評価値が高い順にコンテンツの識別情報をソートした検索リストを作成できる。また,検索リスト生成部164は,同一の評価ポイントが付加されたコンテンツ(例えば,演算評価値が4.0ポイントのコンテンツ),又は,所定範囲内の評価ポイントが付加されたコンテンツ(演算評価値が3.0〜5.0のコンテンツ)のコンテンツID及び属性情報を集合化した検索リストを作成できる。検索リスト生成部164は,生成した検索リストを表示制御部168に出力する。また,検索リスト生成部164は,生成した検索リストを,転送部154を介して携帯型再生装置20に転送し,携帯型再生装置20における表示制御に当該検索リストを利用できるようにしてもよい。
表示制御部168は,表示部170における各種情報の表示を制御する。詳細には,例えば,表示制御部168は,コンテンツ情報記憶部148内の同一のコンテンツに関する演算評価値又は入力評価値を読み出し,図3で説明したように,演算評価値より入力評価値を優先的に表示部170に表示させる。また,特定のコンテンツの演算評価値が表示されているときに,評価値入力部246により特定のコンテンツの入力評価値が設定された場合には,表示制御部168は,上記表示中の演算評価値の代わりに,上記設定された入力評価値を表示部170に表示させるよう制御する。
また,かかる表示制御部168が,あるコンテンツに対応する入力評価値を表示部に表示させているときにおいても,取得部136により携帯型再生装置20から当該コンテンツの再生履歴情報が取得された場合,或いは,再生部124により当該コンテンツの再生が行われた場合には,評価値演算部142は,これらの再生履歴情報に基づき当該コンテンツの演算評価値を再演算し,評価値記録部144は,コンテンツ情報記憶部148に記憶されている演算評価値を,再演算された新たな演算評価値に更新する。
このように,手動レーティングの入力評価値が表示されているときであっても,自動レーティングの演算評価値を継続的に実行される。これによって,入力評価値が設定済みのコンテンツについてであっても,当該コンテンツの演算評価値が,随時,再生状況を反映した最新の値に更新される。これにより,ユーザ操作により,入力評価値から演算評価値への表示切替が要求された場合に,表示制御部168は,最新の演算評価値を表示させることができる。
また,表示制御部168は,プレイリスト記憶部152に記憶されているプレイリストを表示部170に表示させるように制御する。また,表示制御部168は,再生操作部222によるコンテンツの検索時などには,ユーザの操作内容に応じて,上記検索リスト生成部164により生成された検索リストに従い,各種の検索画面を表示部170に表示させるように制御する。これにより,コンテンツ記憶部120に記憶されているコンテンツの属性情報を,演算評価値又は入力評価値が高い順/低い順にソートして,表示部170に表示することができる。これにより,ユーザは,かかる表示内容を閲覧しながら,自己の嗜好に合う高評価値のコンテンツを容易かつ迅速に検索して,選択することができるので,便利である。なお,表示部170は,例えば,上記出力装置110などで構成される。
以上,本実施形態にかかる情報処理装置10の各部の機能構成について説明した。なお,上記再生操作部122,再生部124,日時情報生成部126,再生履歴生成部128,接続検知部134,取得部136,再生履歴解析部138,評価値演算部142,評価値記録部144,評価値入力部146,プレイリスト生成部150,転送部154,コンテンツ削除部156,配信サービス利用部158,評価値送信部160,リッピング部162,検索リスト生成部164,表示制御部168などは,例えば,上記各機能を有するハードウェアとして構成されてもよいし,或いは,上記各機能をコンピュータに実現させるプログラムを情報処理装置10にインストールすることによって構成されてもよい。
<通信方法>
次に,図18及び図19を参照して,本実施形態にかかるコンテンツの評価値を再生状況等に応じて更新するための通信方法について説明する。なお,図18は,本実施形態にかかるコンテンツの評価値を再生状況等に応じて更新するための通信方法を示すタイミングチャートである。図19は,本実施形態にかかる通信方法において,情報処理装置10と携帯型再生装置20に記憶されている同一のコンテンツに関する演算評価値と入力評価値の変化を示す説明図である。
初期状態として,携帯型再生装置20にはコンテンツが記憶されておらず,情報処理装置10にのみ複数のコンテンツが記憶されており,情報処理装置10では未だコンテンツの再生が行われていない状態を想定する。
この状態で,図18に示すように,まず,情報処理装置10と携帯型再生装置20がローカルライン9を介して接続される(ステップS10;初回接続ステップ)。
次いで,ユーザからコンテンツの転送要求を受けると,情報処理装置10は,自身のコンテンツ記憶部120に記憶されている複数のコンテンツを,携帯型再生装置20に転送する(ステップS12)。このとき,コンテンツとともに,各コンテンツに付加されている演算評価値,設定されている場合には入力評価値,コンテンツID,タイトル,アルバム名,アーティスト名等の属性情報が転送される。なお,かかる転送処理は,携帯型再生装置20との接続を検出した情報処理装置10が自動的に実行してもよい。
この結果,携帯型再生装置20は,転送されたコンテンツをコンテンツ記憶部220に記録するとともに,上記評価値を含む属性情報をコンテンツ情報記憶部244に記録する(ステップS14)。この状態では,図19(a)に示すように,情報処理装置10に記憶されている1のコンテンツに付加された演算評価値(以下,「情報処理装置10の演算評価値」という。)と,携帯型再生装置20に記憶されている当該1のコンテンツに付加された演算評価値(以下,「携帯型再生装置20の演算評価値」という。)とは,ともに初期値の3.0である。また,図19(a)に示すように,情報処理装置10に記憶されている当該1のコンテンツに付加された入力評価値(以下,「情報処理装置10の入力評価値」という。)と,携帯型再生装置20に記憶されている当該1のコンテンツに付加された入力評価値(以下,「携帯型再生装置20の入力評価値」という。)とは,ともに未設定である。
その後,接続が遮断され,情報処理装置10と携帯型再生装置20それぞれにおいて,コンテンツが再生される場合を想定する。
まず,情報処理装置10側の再生処理について説明する。情報処理装置10側では,1のコンテンツが再生されると(ステップS16;再生ステップ),再生されたコンテンツの再生履歴情報が生成され(ステップS18;再生履歴情報生成ステップ),この再生履歴情報に基づいて,当該コンテンツの演算評価値が演算されてコンテンツ情報記憶部148に記録される(ステップS20;評価値演算ステップ)。なお,生成された再生履歴情報は,保存されてもよいし,演算評価値の演算後に即時,削除されてもよい。また,入力評価値設定のためのユーザ入力があった場合には,当該コンテンツの入力評価値が設定されてコンテンツ情報記憶部148に記録される(ステップS22;評価値記録ステップ)。以上のような処理S16〜22は,1のコンテンツの再生が繰り返される度に,繰り返し実行される(ステップS24)。
例えば,図19(a)→図19(b)に示すように,情報処理装置10において,同一のコンテンツが,所定の加算基準時間N(N=例えば60秒)以上の再生時間で3回再生された場合には,演算評価値が「0.2」ポイントずつ,順次加算される。さらに,当該コンテンツが所定の減算基準時間M(M=例えば60秒)未満の再生時間で2回再生された場合には,演算評価値が「0.1」ポイントずつ,順次減算される。この結果,情報処理装置10の演算評価値は,「3.0」→「3.2」→「3.4」→「3.6」→「3.5」→「3.4」ポイントに更新される。
このように,情報処理装置10の演算評価値は,再生処理に応じてリアルタイムに更新されて,随時,最新の演算評価値が表示される。
また,図19(b)→図19(c)に示すように,情報処理装置10において,当該コンテンツの入力評価値として「3」がユーザ入力された場合には,当該コンテンツの入力評価値が「3.0」ポイントに設定される。この入力評価値の設定も,即時,表示画面上に反映される。
次に,携帯型再生装置20側の再生処理について説明する。携帯型再生装置20側では,1のコンテンツが再生されると(ステップS26;再生ステップ),再生されたコンテンツの再生履歴情報が生成されて記録されるが(ステップS28;再生履歴情報生成ステップ),演算評価値の演算は行われない。また,入力評価値設定のためのユーザ入力があった場合には,当該コンテンツの入力評価値が設定されて,コンテンツ情報記憶部244に記録される(ステップS30;入力評価値設定ステップ)。さらに,ユーザによるコンテンツの削除指示が合った場合には,当該コンテンツのコンテンツIDが削除予定リストに登録される(ステップS32;削除指示受付ステップ)。しかし,削除指示があっても,携帯型再生装置20は,自身で当該コンテンツを削除しないので,この結果,携帯型再生装置20が情報処理装置10に接続されるまでは,当該コンテンツは削除されない。以上のような処理S26〜32は,1のコンテンツの再生が繰り返される度に,繰り返し実行される(ステップS34)。
例えば,図19(a)→図19(b)に示すように,携帯型再生装置20において,同一のコンテンツが,所定の加算基準時間N(N=例えば60秒)以上の再生時間で10回再生された場合であっても,演算評価値は増減せず「3.0」ポイントを維持する。このように,携帯型再生装置20では,コンテンツの再生が行われても,再生履歴情報が記録されるだけで,演算評価値は更新されない。また,削除指示があっても,直ちに演算評価値が減算されることはない。
また,図19(b)→図19(c)に示すように,携帯型再生装置20において,当該コンテンツの入力評価値として「5」がユーザ入力された場合には,当該コンテンツの入力評価値が「5.0」ポイントに設定される。この入力評価値の設定は,上記演算評価値とは異なり,即時,表示画面上に反映される。
その後,情報処理装置10と携帯型再生装置20が再度接続される(ステップS36;再接続ステップ)。
この結果,情報処理装置10は,携帯型再生装置20との接続を検知すると(ステップS38;接続検知ステップ),携帯型再生装置20に対して再生履歴転送要求を行う(ステップS40;再生履歴転送要求ステップ)。これに応じて,携帯型再生装置20に記憶されている再生履歴情報と削除予定リストが情報処理装置10に転送され,情報処理装置10は当該転送された携帯型再生装置20の再生履歴情報を取得する(ステップS42;転送ステップ,取得ステップ)。
次いで,情報処理装置10は,上記ステップ42で取得した携帯型再生装置20の再生履歴情報に基づいて,前記コンテンツデータに対応する演算評価値を演算する(ステップS44;評価値演算ステップ)。このとき,情報処理装置10は,携帯型再生装置20の再生履歴情報を配信サーバ30に転送してもよい。また,情報処理装置10の再生履歴情報は,上記ステップS18での生成時に,随時,配信サーバ30に転送されてもよい。
さらに,情報処理装置10は,上記ステップS44で演算された演算評価値を前記携帯型再生装置に転送する(ステップS46;転送ステップ)。その後,携帯型再生装置20に,上記転送された演算評価値が記録され(ステップS48;評価値記録ステップ),さらに,上記ステップS42で転送済みの携帯型再生装置20の再生履歴情報が,携帯型再生装置20の再生履歴記憶部230から削除される(ステップS50;再生履歴削除ステップ)。
この結果,図19(c)→図19(d)に示すように,携帯型再生装置20の演算評価値は,コンテンツの10回の再生に伴う「0.2×10=2.0」ポイントの加算と,削除指示を受けたことに伴う「1.0」ポイント減算との結果を反映して,「3.0」→「4.0」ポイントに更新される。
その後,情報処理装置10の評価値と,携帯型再生装置20の評価値との同期処理が開始される。
まず,携帯型再生装置20に記憶されている全コンテンツに関する演算評価値及び入力評価値が,情報処理装置10に転送され,情報処理装置10は当該転送された演算評価値及び入力評価値を取得する(ステップS52;転送ステップ,取得ステップ)。
次いで,情報処理装置10は,上記取得した携帯型再生装置20の全コンテンツの演算評価値及び入力評価値と,情報処理装置10に記憶されている該当コンテンツの演算評価値及び入力評価値とを合算し,それぞれ平均値を求める演算を行い,各コンテンツに関し同期された新たな演算評価値及び入力評価値を算出する(ステップS54;評価値同期ステップ)。
その後,情報処理装置10は,同期された新たな演算評価値及び入力評価値を,情報処理装置10のコンテンツ情報記憶部148に記録して更新する(ステップS56;評価値記録ステップ)。さらに,情報処理装置10は,同期された新たな演算評価値及び入力評価値を,携帯型再生装置20に転送し(ステップS58;転送ステップ),携帯型再生装置20のコンテンツ情報記憶部244に記録して更新する(ステップS60;評価値記録ステップ)。
以上までで,評価値の同期処理が終了する。この同期処理の結果,図19(d)→図19(e)に示すように,情報処理装置10と携帯型再生装置20の演算評価値はともに,双方の平均値である「(4.0+3.4)/2=3.7」ポイントとなる。また,情報処理装置10と携帯型再生装置20の入力評価値はともに,双方の平均値である「(5.0+3.0)/2=4.0」ポイントとなる。なお,かかる例に限定されず,同期処理では,単純に双方の評価値の平均値を求めるのではなく,いずれかの評価値に重み付けをおこなってもよい。
その後,情報処理装置10は,上記削除予定リストに登録されたコンテンツIDに対応するコンテンツを,携帯型再生装置20のコンテンツ記憶部220から削除する(ステップS62;コンテンツ削除ステップ)。このとき,当該コンテンツの属性情報も,携帯型再生装置20のコンテンツ情報記憶部244から削除される。
以上で,本実施形態にかかるコンテンツの評価値を再生状況等に応じて更新するための通信方法について説明した。かかる手法によれば,情報処理装置10と携帯型再生装置20に記憶されたコンテンツの評価値を,コンテンツの再生状況や,ユーザの削除指示に応じて,ユーザの嗜好を反映するように増減させることができる。また,携帯型再生装置20の評価値を,情報処理装置10により演算して更新できるので,携帯型再生装置20に高い処理能力を求める必要がなく,コンテンツの再生処理以外の処理によって,徒に携帯型再生装置20のバッテリを消耗させてしまうことを抑制できる。
<表示切替方法>
次に,図20を参照して,本実施形態にかかる情報処理装置10及び携帯型再生装置20における演算評価値と入力評価値の表示切替方法について説明する。図20は,本実施形態にかかる情報処理装置10における演算評価値と入力評価値の表示切替方法を示すフローチャートである。なお,以下では,情報処理装置10の表示切替処理の例について説明するが,携帯型再生装置20の表示切替処理も略同一であるので詳細説明は省略する。
図20に示すように,まず,あるコンテンツに関し入力評価値が設定されていないときには,図3(a)に示したように,当該コンテンツ再生中の表示画面4a上には,当該コンテンツの演算評価値が表示される(ステップS102)。
次いで,ユーザ入力に応じて,上記評価値入力部146により,上記コンテンツの入力評価値が設定されたときには(ステップS104),表示制御部168は,上記表示されていた演算評価値に代えて,図3(b)に示したように,当該設定された入力評価値を表示画面4bに表示させるよう制御する(ステップS106)。このように,演算評価値よりも入力評価値を優先表示することにより,ユーザの意向を反映した評価値を優先表示でき,ユーザの利便性が向上する。
しかし,このように表示制御部168が,上記コンテンツの演算評価値よりも入力評価値を優先表示させるモードにおいても,取得部136により携帯型再生装置20から当該コンテンツの再生履歴情報が取得される度に,或いは,再生部124により当該コンテンツの再生が行われる度に(ステップS108)には,評価値演算部142は,これらの再生履歴情報に基づき当該コンテンツの演算評価値を演算して新たな演算評価値を算出し,評価値記録部144は,順次,コンテンツ情報記憶部148に記憶される演算評価値を当該新たな演算評価値に更新する(ステップS110)。これにより,入力評価値が設定済みのコンテンツについても,当該コンテンツの演算評価値が,随時,再生状況を反映した最新の値に更新される。
さらに,かかる入力評価値を表示するモードにおいて,ユーザによる演算評価値への表示切替操作を受け付けたときには(ステップS112),表示制御部168は,上記コンテンツの入力評価値に代えて演算評価値を表示させる(ステップS114)。これにより,ユーザは,入力評価値を設定したままの状態で,最新の演算評価値を確認することができる。
<画面表示例>
次に,図21を参照して,携帯型再生装置20の表示部250に表示される表示画面について説明する。
図21は,上記のようにして各コンテンツに付加された評価値を利用して,ユーザの嗜好に合うコンテンツを検索して再生するための表示画面402〜410を表示部250に表示させる例である。
図21に示すように,まず,ユーザが,操作選択画面402において,コンテンツのリスト検索を表すアイコン502を選択すると,検索キー選択画面404に,複数の検索キーが表示される。次いで,この検索キー選択画面404で,レーティング(評価値)に基づく検索を表す検索キー「Rating」を選択すると,評価値レベル選択画面406に,コンテンツの評価値レベルが5段階で表示される。さらに,この評価値レベル選択画面406で,所望の評価値レベル「★★★★★」を選択すると,検索結果表示画面408に,当該評価値レベルの評価値が付加されたコンテンツのタイトル1,2,3…が,例えば評価値が高い順でソート表示される。そして,検索結果表示画面408で,再生を所望するコンテンツのタイトル「タイトル4」を選択すると,当該タイトルのコンテンツの再生が開始され,コンテンツ情報表示画面410に,選択されたコンテンツの詳細な情報が表示される。このコンテンツ情報表示画面410には,図示のように,タイトル名,再生時間,アルバム名,アーティスト名,ジャンル,評価値,リリース年などの情報が表示される。ユーザは,再生された所望のコンテンツを聴きながら,コンテンツ情報表示画面410に表示された当該コンテンツの情報を閲覧して,当該コンテンツの属性を確認できる。
<適用例1>
次に,図22を参照して,本実施形態にかかる通信システム100をチェックイン・チェックアウト方式の著作権管理システムに適用した例について説明する。図22は,本実施形態にかかる通信システムをチェックイン・チェックアウト方式の著作権管理システムに適用した例を示す説明図である。
図22に示すように,チェックイン・チェックアウト方式の著作権管理システムでは,SDMI(Secure Digital Music Initiative)等によって提案されているように,コンテンツのライセンス(権利情報)に記述された利用条件に基づいてコンテンツの利用(再生,コピー等)を制限することにより,コンテンツの著作権を管理するものである。
このチェックイン・チェックアウト方式の著作権管理システムは,情報処理装置10−1と携帯型再生装置20−1とが,同一ユーザの所有する機器であるか否かを判断することはできない。従って,あるユーザの携帯型再生装置20を他ユーザの情報処理装置10に接続した時に,自動レーティングの演算評価値が同期されて更新されてしまうことを回避するために,1台の情報処理装置10に対して評価値同期の対象となる携帯型再生装置20を1台に限定する必要がある。
そこで,情報処理装置10は,評価値演算部142による評価値演算を許可する携帯型再生装置20のデバイスIDを記憶する登録ID記憶部172を備えるようにする。そして,情報処理装置10と携帯型再生装置20の接続時には,情報処理装置10は,携帯型再生装置20の再生履歴情報と共に,当該携帯型再生装置20のデバイスIDを取得し,評価値演算部142は,登録ID記憶部172に記憶されているデバイスIDと,取得されたデバイスIDとが一致するときのみ,演算評価値の演算を行うようにする。このとき,上記登録ID記憶部172に登録可能なデバイスIDを1つに制限することにより,情報処理装置10と携帯型再生装置20との1:1対応を保持することができる。
具体的に説明すると,図22の例では,ユーザAが所有する情報処理装置10−1には,同じくユーザA所有の携帯型再生装置20−1のデバイスIDのみが登録されている。このため,情報処理装置10−1と携帯型再生装置20−1とを接続したときには,携帯型再生装置20の演算評価値を演算し,双方の演算評価値および入力評価値を同期することができる。
しかし,ユーザA所有の情報処理装置10−1と,他ユーザ所有の携帯型再生装置20−2とを接続したときや,ユーザA所有の携帯型再生装置20−1と,他ユーザ所有の情報処理装置10とを接続したときには,携帯型再生装置20−1,2の演算評価値を演算したり,双方の演算評価値および入力評価値を同期したりすることができない。
以上のような構成により,情報処理装置10と携帯型再生装置20との対応関係を保持でき,他ユーザの機器を相互に接続したときに,自動レーティングが機能して演算評価値が更新されないようにできる。
<適用例2>
次に,図23〜図26を参照して,本実施形態にかかる通信システム100をグループ管理方式の著作権管理システムに適用した例について説明する。
まず,本実施形態にかかるグループ管理方式の著作権管理システムの概要について説明する。
グループ管理方式の著作権管理システムは,複数の機器(情報処理装置10または携帯型再生装置20等)間におけるコンテンツの利用を管理するように構成されている。即ち,この著作権管理システムは,インターネット等を通じたコンテンツの大量配布行為等といったコンテンツの違法利用を確実に防止するべく,相異なるユーザが所有する機器間では,コンテンツの利用を制限する。
一方で,この著作権管理システムは,同一のユーザ(例えば,単独ユーザのみならず,家族,友人,会社の同僚等の限られた範囲のユーザグループであってもよい。)が所有する複数の機器間では,コンテンツをある程度自由に共有して利用できる。
このように本実施形態にかかる著作権管理システムは,著作権管理を行いつつも,私的利用の範囲内ではコンテンツの共有を認め,同一ユーザが所有する複数の機器間でのコンテンツ共有の利便性,自由度を高めることが可能な著作権管理方式を採用したものである。
上述したSDMI準拠の「チェックイン・チェックアウト方式」に依存した著作権管理システムでは,コンテンツの利用権限を定めた権利情報であるライセンスに基づいて,「コンテンツ単位」でコンテンツのコピー数(チェックイン・チェックアウト回数)を制限することによって,コンテンツの違法利用を制限していた。このようなシステムでは,複数の情報処理装置間でコンテンツをコピー(チェックイン・チェックアウト)する度ごとに著作権管理処理を行わなければならないので,システム構成が複雑で処理が遅くなり,私的使用の範囲内でのコンテンツ利用の自由度が低く利便性に欠けるという欠点があった。また,かかる従来のチェックイン・チェックアウト方式の著作権管理システムでは,ユーザは,常にコンテンツのコピー元やコピー回数を意識してシステムを利用せねばならなかった。また,著作権管理システムの本来の目的である「他人の所有する機器へのコンテンツのコピー防止」は,実現されていなかった。
これに対し,グループ管理方式の著作権管理システムでは,コンテンツ利用の管理単位を,「コンテンツの提供元(source;ソース)」単位(具体的には「コンテンツを最初に所有したユーザ単位」若しくは「コンテンツを作成した機器単位」)とし,各機器におけるコンテンツの再生を,コンテンツの提供元に応じて許可/不許可するという著作権管理を行う。
より具体的には,グループ管理方式の著作権管理システムでは,各ユーザが所有する複数の機器をグループ管理サーバにユーザ単位でグループ登録し,グループ登録された各機器において,コンテンツの提供元を表すソースIDと,ソースIDリストとに基づいて,コンテンツの再生を制御する。これにより,同一のユーザの機器グループに登録された機器間では,同一の提供元のコンテンツを自由にコピーして再生できるようになる。
ここで,図23に基づいて,上記のようなグループ管理方式の著作権管理システムにおけるグループ登録の概要について説明する。なお,図23は,本実施形態にかかる著作権管理システムのグループ登録の概要を示す説明図である。
図23に示すように,情報処理装置(PC)10−1,2および携帯型再生装置(PD)20−1,2は,例えば,ユーザAの所有する機器グループ(情報処理装置10−1,携帯型再生装置20−1)と,ユーザBの所有する機器グループ(情報処理装置10,携帯型再生装置20−2)とにグループ化されている。このような機器のグループ化は,グループ管理サーバ32に対し,情報処理装置10および携帯型再生装置20を,ユーザ単位でグループ登録することによって成される。
このグループ登録について,ユーザAが所有する情報処理装置(PC)10−1の例を挙げて具体的に説明する。まず,ユーザAは,自身の所有する情報処理装置10−1を用いてグループ管理サーバ32にアクセスし,ユーザ認証処理を行い,情報処理装置10−1のデバイスID(例えばターミナルID)をグループ管理サーバ32に送信する。次いで,グループ管理サーバ32は,当該情報処理装置10−1のデバイスIDをユーザAに関連付けて保存して,情報処理装置10−1をユーザAの機器グループにグループ登録する。さらに,グループ管理サーバ32は,情報処理装置10−1に対して,ユーザAを表すユーザ識別情報(例えば,後述するリーフID)を送信し,情報処理装置10−1は,受信したユーザ識別情報を自己の記憶手段に格納する。同様にして,他の情報処理装置10も,ユーザBの機器グループにグループ登録される。また,携帯型再生装置(PD)20のグループ登録は,情報処理装置(PC)10を介して行われる。
このようなグループ登録においては,1つの機器(情報処理装置10および携帯型再生装置20)は,単一のユーザの機器グループにのみ登録することができ,異なるユーザの機器グループに同時に登録することはできない。従って,情報処理装置10の所有者がユーザAからユーザBに変更された場合には,当該情報処理装置10のグループ登録を変更,即ち,ユーザAの機器グループからの登録解除およびユーザBの機器グループへの再登録を行う必要がある。
また,例えば,ユーザAが情報処理装置10−3を新規に購入した場合には,この情報処理装置10−3はグループ未所属の状態であるので,上記と同様にして,当該情報処理装置10−3を,ユーザAの機器グループにグループ登録することができる。一方,既にユーザAの機器グループに登録されている情報処理装置10−1を,グループ登録解除してグループ未所属にすることもできる。
このように,グループ管理方式の著作権管理システム100では,グループ管理サーバ32に対し,機器を所有するユーザ単位で各機器をグループ登録する。この結果,同一ユーザの機器グループに登録された機器間では,コンテンツを自由に共有することができる。一方,異なるユーザの機器グループに登録された機器間では,コンテンツを共有することができない。
ここで,図24に基づいて,上記グループ管理方式の著作権管理の概要について説明する。なお,図24は,本実施形態にかかる著作権管理システムの主な構成要素を示すブロック図である。
図24に示すように,本実施形態にかかる著作権管理システムは,ソースID付加部1と,コンテンツ再生部2と,リスト管理部3とを,主な構成要素としている。
ソースID付加部1は,例えば,情報処理装置10等に設けられ,コンテンツに,コンテンツの提供元を表すソースIDを付加する機能を有する。なお,「コンテンツにソースIDを付加する」とは,コンテンツにソースIDを関連付けるという意味であり,例えば,コンテンツデータを含むファイル(コンテンツファイル)内にソースIDのデータを追加する処理や,上記コンテンツファイルと,ソースIDのデータを含むファイルとを関連付ける処理などを含む。
また,「コンテンツの提供元(ソース)」は,著作権管理システム100内で共有されるコンテンツの個人ユーザレベルでの出所である。具体的には,このコンテンツの提供元は,例えば,(1)コンテンツ配信サ−ビスを利用してコンテンツを取得(購入等)したユーザ,(2)リッピングまたはセルフレコーディング等によりコンテンツを作成した情報処理装置10などである。上記ソースIDは,このようなコンテンツ提供元ごとに固有に付与される識別子である。このソースIDをコンテンツに付加することによって,システム内で流通するコンテンツの提供元を特定することができる。
本実施形態では,かかるソースIDとして,例えば,レコーダIDと,グループIDとを使用する。レコーダIDは,情報処理装置10をコンテンツの提供元とする場合のソースIDであり,グループIDは,ユーザをコンテンツの提供元とする場合のソースIDである。
レコーダIDは,コンテンツのリッピング(ripping)機能を有する情報処理装置10単位で固有に付与される識別子である。このレコーダIDは,上記リッピング機能を有する情報処理装置10によって,当該情報処理装置10のデバイスID等に基づいて生成され,当該情報処理装置10内に安全に保存されている。情報処理装置10は,音楽CD等のリムーバブル記憶媒体からリッピングされたリッピングコンテンツに対して,情報処理装置10自身のレコーダIDを付加する。従って,かかるレコーダIDによって,リッピングコンテンツの作成元(即ち,コンテンツの提供元)の情報処理装置10を特定することができる。
また,グループIDは,情報処理装置10及び/又は携帯型再生装置20を所有するユーザ単位で固有に付与される識別子である。具体的には,このグループIDは,著作権管理システムが提供するコンテンツ共有サービスのユーザアカウント単位で付与される。かかるグループIDによって,情報処理装置10または携帯型再生装置20の所属する機器グループ,およびこれらの所有者を識別できる。
本実施形態では,このグループIDは,例えば,情報処理装置10によって,情報処理装置10のグループ登録時,若しくは配信コンテンツの受信時に,リーフID(leaf ID)に基づいて生成される。このリーフIDは,ユーザ単位で付与される識別子であり,例えば,グループ管理サーバ32に対するユーザ登録時に,グループ管理サーバ32によって生成される。かかるリーフIDは,ユーザ識別情報の一例として構成されており,各機器のグループ登録時やコンテンツ配信時に,グループ管理サーバ32から情報処理装置10に通知される。
情報処理装置10は,グループ管理サーバ32から通知されたリーフIDおよびサービスIDに基づいて,グループIDを生成する。このサービスIDは,著作権管理システム100において実現されるコンテンツ配信サービスまたはリッピングコンテンツ共有サービス単位で固有のIDである。ここで,コンテンツ配信サービスは,コンテンツ配信サーバから情報処理装置10にコンテンツを配信するサービスである。また,リッピングコンテンツ共有サービスは,上記グループ登録を行うことにより,リッピングコンテンツを,同一ユーザ所有の複数の情報処理装置10および携帯型再生装置20間で共有できるようにするサービスである。
例えば,このコンテンツ配信サービスおよびリッピングコンテンツ共有サービスを別管理せず,双方のサービスに共通のサービスIDを使用する場合には,次のように,サービスIDとリーフIDとを結合させて,1種類のグループIDが生成される。
「グループID」=「サービスID」+「リーフID」
一方,コンテンツ配信サービスとリッピングコンテンツ共有サービスとを別管理する場合には,コンテンツ配信サービス単位で固有のコンテンツ配信サービスIDと,リッピングコンテンツ共有サービス単位で固有のリッピングコンテンツ共有サービスIDとが生成される。このため,次のように各サービスのサービスIDとリーフIDとをそれぞれ結合させて,各サービスに対応した2種類のグループIDが生成される。
「第1のグループID」=「コンテンツ配信サービスID」+「リーフID」
「第2のグループID」=「リッピングコンテンツ共有サービスID」+「リーフID」
このうち第1のグループIDは,コンテンツ配信サーバから配信される配信コンテンツを購入したユーザを識別するため,当該配信コンテンツに付加される。また,第2のグループIDは,情報処理装置10および携帯型再生装置20間でリッピングコンテンツを共有するため,後述するソースIDリストにレコーダIDを追加する際に,追加の可否を判断する基準となる。
本実施形態では,例えば,第1のグループIDと第2のグループIDを生成する後者の手法を採用しているが,以下では説明の便宜上,第1のグループIDと第2のグループIDを区別せず,双方をグループIDと表現して説明する。
このようなグループIDは,例えば情報処理装置10によって,コンテンツ配信サーバから配信された配信コンテンツに付加される。このようにグループIDを配信コンテンツに付加することにより,当該配信コンテンツを購入したユーザ(即ち,コンテンツの提供元)を識別できるようになる。
以上のように,情報処理装置10が有するコンテンツ付加部1によってソースID(レコーダID,グループID)が付加されたコンテンツは,情報処理装置10および携帯型再生装置20間で,自由にコピー可能である。即ち,グループ管理方式の著作権管理システムでは,ソースIDが付加されたコンテンツ(即ち,著作権管理対象のコンテンツ)のコピー時に,従来のチェックイン・チェックアウト方式の著作権管理システムのような,コピー回数の制限処理が行われることはない。
次に,コンテンツ再生部2は,コンテンツの再生機若しくは再生ソフトウェアなどで構成され,情報処理装置10または携帯型再生装置20に設けられる。このコンテンツ再生部2は,当該コンテンツ再生部において再生を許可されたソースIDが追加されるソースIDリストLを有している。このソースIDリストLは,コンテンツ再生部2ごとにそれぞれ設けられるものであり,コンテンツ再生部2が異なれば,それぞれのソースIDリストLに含まれるソースIDも異なる。
コンテンツ再生部2は,上記ソースIDが付加されたコンテンツを再生する際には,上記ソースIDリストLをチェックして,当該コンテンツの再生を可能化/不能化する。即ち,コンテンツ再生部2は,コンテンツに付加されているソースIDがソースIDリストLに含まれている場合には,当該コンテンツを再生することができ,一方,コンテンツに付加されているソースIDがソースIDリストLに含まれていない場合には,当該コンテンツを再生することができない。このように,コンテンツ再生部2は,ソースID単位,即ちコンテンツ提供元単位で,コンテンツの再生を制御する。
さらに,コンテンツ再生部2は,例えば,リスト管理部3に対して,自己の保有するソースIDリストLへの新規ソースIDの追加を要求することができる。即ち,コンテンツ再生部2は,自身の保有するソースIDリストLに含まれていない新規なソースIDが付加されたコンテンツを再生するためには,ソースIDリストLに当該新規なソースIDを追加する必要がある。このため,コンテンツ再生部2は,ソースIDリストLの更新を許可するリスト管理部3に対して,当該新規ソースIDの追加許可を要求する。
リスト管理部3は,例えば,情報処理装置10内に設けられ,上記コンテンツ再生部2が保有するソースIDリストLを更新する。ここで,ソースIDリストLの更新とは,ソースIDリストLに対するソースIDの追加,削除である。リスト管理部3は,ソースIDリストLに対してソースIDを追加/削除することにより,コンテンツ再生部2における当該ソースIDが付加されたコンテンツの再生を可能化/不能化することができる。
かかるリスト管理部3は,グループIDとレコーダIDとが関連付けられた共有情報であるグループ証明書(Group Certificate)Gを取得し,かかるグループ証明書Gに基づいてソースIDリストLを更新する。具体的には,リスト管理部3は,グループ証明書G内に含まれるグループIDが上記ソースIDリストLに含まれるグループIDと同一である場合には,グループ証明書G内に含まれるレコーダIDをソースIDリストLに追加する。これにより,同一のユーザの機器グループに登録されている情報処理装置10のレコーダIDを,ソースIDリストLに追加して,かかる情報処理装置10がリッピングしたリッピングコンテンツを再生できるようにすることができる。
以上のように,本実施形態にかかる著作権管理システムでは,上記ソースID付加部1,コンテンツ再生部2およびリスト管理部3によって,各情報処理装置10および携帯型再生装置20におけるコンテンツの再生を制御することにより,情報処理装置10間でコピーされるコンテンツを著作権管理している。以上,グループ管理方式の著作権管理システムの概要について説明した。
次に,図25を参照して,上述した通信システム100をグループ管理方式の著作権管理システムに適用した具体例について説明する。
図25に示すように,一人のユーザは,自身の所有する情報処理装置10を最大で5台まで同一の機器グループにグループ登録可能である。図示の例では,ユーザAの所有する5台の情報処理装置10−1〜5が,同一の機器グループにグループ登録されている。また,携帯型再生装置20に関しては,グループ登録の台数制限は設定されておらず,無制限に登録可能である。図示の例では,ユーザA所有のn台の携帯型再生装置20−1〜nが,ユーザA所有の機器グループにグループ登録されている。
このようにして同一の機器グループにグループ登録されている情報処理装置10−1〜5及び携帯型再生装置20−1〜nは,グループ管理サーバ32により付与された同一のグループIDを保有している。これらの機器は,2以上の機器グループに重複登録はできないので,グループIDを1つだけ保有可能である。
このように同一の機器グループに登録された機器間では,相互接続された情報処理装置10と携帯型再生装置20と間で上述した評価値演算処理を実行可能である。即ち,情報処理装置10−1〜5と携帯型再生装置20−1〜nとは,同一のグループIDを保有しているので,情報処理装置10−1〜5は,携帯型再生装置20−1〜nの再生履歴情報に基づいて,携帯型再生装置20−1〜nの演算評価値を演算することができる。しかし,他グループに登録されている情報処理装置10−6や,未登録の情報処理装置10−7は,携帯型再生装置20−1〜nと同一のグループIDを保有していないので,携帯型再生装置20−1〜nの再生履歴情報に基づいて,携帯型再生装置20−1〜nの演算評価値を演算することはできない。
従って,上述した通信システム100をグループ管理方式の著作権管理システムに適用した場合,情報処理装置10は,接続された携帯型再生装置20から,当該携帯型再生装置20の再生履歴情報と共に当該携帯型再生装置20に記憶されているグループIDを取得し,当該情報処理装置10自身に記憶されているグループIDと,携帯型再生装置20から取得したグループIDとが一致するときのみ,携帯型再生装置20の再生履歴情報に基づいて演算評価値の演算を実行するようになる。
これにより,同一ユーザ所有の機器間では自由に,再生履歴情報を共有して,相互の再生履歴情報に基づき演算評価値を演算したり,当該演算評価値及び入力評価値を同期したりすることができる。
次に,図26A〜図26Dを参照して,上述した通信システム100をグループ管理方式の著作権管理システムに適用した場合の応用例について説明する。図26A〜Dは,本実施形態にかかる通信システム100をグループ管理方式の著作権管理システムに適用した場合の応用例を示す説明図である。
まず,図26Aに示すように,まず,同一の機器グループに属する情報処理装置10−1と携帯型再生装置20−1とが接続されると,携帯型再生装置20−1は,情報処理装置10−1に,携帯型再生装置20の再生履歴情報802を送信する。すると,情報処理装置10−1は,転送された携帯型再生装置20−1の再生履歴情報802と,情報処理装置10−1自身の再生履歴情報804とに基づいて,自動レーティングの演算評価値806を演算する。このような再生履歴情報802の転送処理と,演算評価値806の演算処理は,情報処理装置10−1と携帯型再生装置20−1の接続直後だけでなく,連続接続中は所定時間(例えば1時間)ごとに行われる。
次いで,図26Bに示すように,情報処理装置10−1は,上記演算評価値806の演算後に即時,グループ管理サーバ32と携帯型再生装置20−1に当該演算評価値806を転送する。これに応じて,携帯型再生装置20−1は,当該演算評価値806を自身の記憶媒体に記録し,グループ管理サーバ32は,当該演算評価値806をレーティング情報記憶部33に記録する。
さらに,図26Cに示すように,グループ管理サーバ32と情報処理装置10−2〜10−5とが接続された状態で,各情報処理装置10−2〜10−5のレーティング用ソフトウェアが起動すると,即時,グループ管理サーバ32は,各情報処理装置10−2〜10−5に,上記情報処理装置10−1から転送された演算評価値806を送信する。このようにして,情報処理装置10−1と携帯型再生装置20−1の再生履歴情報802,804を反映した演算評価値806が,グループ管理サーバ32によって,同一ユーザ所有の他の情報処理装置10−2〜10−5に配布される。
その後,図26Dに示すように,これら各情報処理装置10−2〜10−5のうち,例えば情報処理装置10−2は,グループ管理サーバ32から受信した演算評価値806と,自身が予め保有していた演算評価値(図示せず。)とを合算(例えば双方の平均値を算出)して,新たな演算評価値808を算出して保有する。さらに,情報処理装置10−2と携帯型再生装置20−2とが接続されると,携帯型再生装置20−2は,自身が保有している演算評価値810を情報処理装置10−2に送信する。これに応じて,情報処理装置10−2は,自身が保有している演算評価値808と,携帯型再生装置20−2の演算評価値810とを合算(例えば双方の平均値を算出)して,新たな演算評価値812を算出し,グループ管理サーバ32に送信する。
このような演算評価値の合算処理(同期処理)と,グループ管理サーバ32を介した送受信処理を繰り返すことにより,同一ユーザの機器グループ内で,最新の演算評価値を更新しつつ共有することができる。これにより,自動レーティングの演算評価値が,一部の機器の再生履歴情報のみに基づいて生成された,偏ったデータとなってしまうことを防止でき,ユーザ所有機器全体での再生履歴情報を総合した演算評価値を算出できる。
また,グループ管理サーバは,各ユーザの演算評価値を取得してレーティング情報記憶部33に格納しておく。これにより,サービス提供者は,各ユーザの嗜好及び再生状況に関する情報を収集・分析して,ユーザの嗜好及び動向を把握できるとともに,ユーザに対して,嗜好にあったコンテンツを推薦できるようになる。
以上,本実施形態にかかる通信システム100と,これを構成する情報処理装置10,携帯型再生装置20,各種サーバ装置について詳細に説明した。本実施形態によれば,情報処理装置10及び携帯型再生装置20の再生履歴情報に基づいて,各コンテンツの演算評価値を自動的に算出できる。このため,従来のような評価値の入力操作が煩雑であるという問題を解消して,記憶媒体に記憶されている膨大な数のコンテンツに対しても演算評価値を自動的に付加することができる。従って,各コンテンツに対して客観的に付加された演算評価値を利用して,自身の保有するコンテンツの管理(分類,整理,検索)を容易且つ迅速に実現できるとともに,ユーザ自身の嗜好性を十分に反映した多様なコンテンツの再生スタイルを提供できる。
また,ユーザは,演算評価値に基づき,自身の嗜好に合致するコンテンツ(楽曲)の傾向を定量的に把握することができる。また,情報処理装置10が保有するコンテンツと携帯型再生装置20が保有するコンテンツを同期(シンク)する際に,演算評価値及び入力評価値に基づき,ユーザの好みのコンテンツを優先的に同期して,双方の機器で共有できる。また,演算評価値及び入力評価値を利用して,ユーザの嗜好に合ったコンテンツを織り交ぜたプレイリストを作成することもができる。一方,サービス提供者はユーザの嗜好の傾向を分析して,ユーザに対して嗜好にあった新しいコンテンツを推薦できる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態では,情報処理装置10が携帯型再生装置20の再生履歴情報に基づいて,携帯型再生装置20の演算評価値を演算する例について説明したが,本発明は,かかる例に限定されない。例えば,配信サーバ30又はグループ管理サーバ32等のサーバ装置が,情報処理装置10または携帯型再生装置20からコンテンツの再生履歴情報を取得して演算評価値を演算し,当該演算した演算評価値を情報処理装置10または携帯型再生装置20に転送するといったシステム構成であっても,上記と同様にして実現可能である。
また,上記実施形態において,携帯型再生装置20および情報処理装置10が,2種類のイベントログファイルを作成するようにしてもよい。詳細には,例えば携帯型再生装置20および情報処理装置10は,サブスクリプション対応のコンテンツに対するイベントログのみを含むイベントログファイルと,サブスクリプション対応のコンテンツを含め,その他全てのコンテンツに対するイベントログを含むイベントログファイルと,を作成することができる。
さらに,携帯型再生装置20および情報処理装置10は,サブスクリプション対応のコンテンツに対するイベントログのみを含むイベントログファイルを,ユーザが操作できないように暗号化してもよい。そして,情報処理装置10は,携帯型再生装置20から,暗号化されたイベントログファイルを取得して,自己が保有する暗号化されたイベントログファイルとともに,コンテンツの著作権管理を行う著作権管理サーバに送信してもよい。
かかる構成によれば,サブスクリプション対応のコンテンツに対するイベントログのみを含むイベントログファイルを,著作権管理サーバにおいて著作権者への原資配布のために活用することができる。