JP2007064336A - 内挿管補剛方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 内面の保護性能を損なうことなくその内部からの内挿管の支持、補剛を適切に行うという目的を、構成の複雑化等を伴うことなく実現可能とした。
【解決手段】 所定流体の加圧充填により膨張可能な、非透過性素材からなる袋体12をその芯材とした内挿管補剛装置14を、鞘管16内に挿入、支持された内挿管18に対し、その縮径状態で鞘管の少なくとも対象全長に亘って内挿する。そして、内挿管18と鞘管16との間の空隙22に注入、充填される固定用充填材21の注入圧力と同等の圧力のもとで、内挿管補剛装置14の芯材(袋体12)を加圧膨張させることにより、内挿管を、当該圧力によってその内部から押圧支持する。
【選択図】 図1
【解決手段】 所定流体の加圧充填により膨張可能な、非透過性素材からなる袋体12をその芯材とした内挿管補剛装置14を、鞘管16内に挿入、支持された内挿管18に対し、その縮径状態で鞘管の少なくとも対象全長に亘って内挿する。そして、内挿管18と鞘管16との間の空隙22に注入、充填される固定用充填材21の注入圧力と同等の圧力のもとで、内挿管補剛装置14の芯材(袋体12)を加圧膨張させることにより、内挿管を、当該圧力によってその内部から押圧支持する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、可撓性のある合成樹脂製の内挿管を所定の鞘管内に挿入、支持し、この内挿管と鞘管との間の空隙に固定用充填材を注入、充填することにより、この内挿管を当該鞘管内に一体的に固定し装着する鞘管補修工法における、その内挿管補剛方法に関する。
老朽化した下水管等の既設の鞘管に対する補修、修繕工法、いわゆる鞘管補修工法として、たとえば、可撓性のある合成樹脂製の内挿管(更生管とも称する)をその鞘管内に挿入し、この内挿管と鞘管との間の空隙に固定用充填材を注入、充填することにより、この内挿管を当該鞘管内に一体的に固定し装着する工法が広く知られている(たとえば特開2002−38581号公報)。
ここで、内挿管と鞘管との間の空隙、つまり内挿管周りに固定用充填材を注入、充填する場合、その空隙が広いと、この固定用充填材による浮力が内挿管に生じるため、この浮力により発生する上下方向でのその蛇行、および勾配崩れ等の、いわゆる姿勢崩れを防止することを目的として、内挿管を、その浮力に抗して直線的に支持することが要求される(たとえば特開昭62−280426号公報)。
これに対し、内挿管と鞘管との間の空隙が十分に狭ければ、浮上による蛇行スペースもなく、また、勾配自体も、鞘管が持つ勾配をそのまま利用できるため、その浮力による内挿管の姿勢崩れは、その際の不具合から外して考えることも可能である。しかしながら、このように内挿管と鞘管との間の空隙が狭い場合においては、所定の圧力のもとで注入、充填される固定用充填材の流動不順等により、その圧力が内挿管周りの一部に偏って作用することも起こり得るため、この圧力に抗して内挿管の形状維持をはかることが要求される。
このような、内挿管の形状維持を可能とする構成の一つとして、たとえば、前出の特開昭62−280426号公報に開示の構成が挙げられる。この公知の構成は、内挿管内に通した複数本の線材(ワイヤ等)の緊張によって、この内挿管を直線的に支持しようとするもの、つまり内挿管をその内部から支持、補剛しようとするものであるため、内挿管の形状を、その外部からの圧力に抗して維持可能とする機能は期待できる。
しかしながら、内挿管内に複数本の線材を通し緊張するこの構成であると、この線材との接触に起因する損傷等を内挿管内面が受けやすいため、内挿管の形状維持が期待できる反面、内挿管の健全度の低下を伴うことも否定できない。
なお、この前出の特開昭62−280426号公報には、水等の液体を内挿管内に直接的に封入する構成の開示がある。しかし、内挿管内への液体の単なる封入のみでは、内挿管外部からの圧力に対する抵抗力は、この内挿管に発生されないため、内挿管外部からの圧力に抗する十分な補剛は行えない。
また、内挿管内に液体を注入する場合、内挿管を液密に封止する封止部を、この内挿管に直接的に設けなければならない。しかしながら、鞘管の一般的な長さを考えると、内挿管内に注入、充填される液体の量は大量であり、その重量による圧力は多大となることは容易に想像できるため、それに抗するだけの封止構造が要求されることも想像に難しくない。
さらに、内挿管内に封止した液体を、その作業終了後にそのまま排出できる状況であればよいが、液体の排出の止められているような作業状況下等においては、その排出処理が容易でなくなるため、全体的な作業性の低下は免れない。
特開2002−38581号公報
特開昭62−280426号公報
解決しようとする問題点は、その内部からの内挿管の支持、補剛を適切に行える構成が従来にはなかったという点である。
請求項1に係る本発明の内挿管補剛方法は、所定流体の加圧充填により膨張可能な、非透過性素材からなる袋体をその芯材とした内挿管補剛装置を、鞘管内に挿入、支持された内挿管に対し、その縮径状態で鞘管の少なくとも対象全長に亘って内挿し、内挿管と鞘管との間の空隙に注入、充填される固定用充填材の注入圧力と同等の圧力のもとで、内挿管補剛装置の芯材を加圧膨張させることにより、内挿管を、当該圧力によってその内部から押圧支持することを、その最も主要な特徴としている。
また、本発明の請求項2は、内挿管補剛装置の芯材内に加圧充填される流体を、圧縮空気として具体化したことを、その最も主要な特徴としている。
請求項1に係る本発明の内挿管補剛方法であれば、内挿管が、その周りへの固定用充填材の注入、充填時、この固定用充填材の注入圧力と同等の圧力のもとでその内方から押圧支持されることになるため、固定用充填材の注入、充填時における凹み、潰れ等の変形が確実に防止できるという利点がある。
そして、袋体所定の流体を加圧充填すれば足りるとともに、その一端に設けられた注入用の開口を対応する栓体により封止すれば足りるため、複雑な封止構造、および封止作業を伴うことなく、その適切な封止が十分に可能となる。従って、流体封止の確実性、およびその作業性の向上が容易にはかられるという利点がある。
また、本発明の請求項2は、内挿管補剛装置の芯材内に加圧充填する流体を圧縮空気としているため、その排出作業が一層簡単化されるという利点がある。
内面の保護性能を損なうことなくその内部からの内挿管の支持、補剛を適切に行うという目的を、構成の複雑化等を伴うことなく実現可能とした。
図1は、この発明に係る内挿管補剛方法を示す、その補修対象となる鞘管内部の、一部破断の概略側面図であり、これを見るとわかるように、この発明においては、芯材となる袋体12を少なくとも有した内挿管補剛装置14が、その鞘管16に内挿された内挿管18内に挿入配置されている。
この内挿管補剛方法は、老朽化した下水管等の既設の鞘管に対する補修、修繕工法、いわゆる鞘管補修工法に用いられるものである。
この鞘管補修工法は、可撓性のある合成樹脂製の内挿管18を所定の鞘管16内に挿入、支持し、この内挿管と鞘管との間の空隙20に固定用充填材21を注入、充填することにより、この内挿管を当該鞘管内に一体的に固定し装着するものであるが、この工法自体は、たとえば特開2002−38581号公報等に開示された一般的なものであるため、この工法およびその手順に対する詳細な説明は、ここでは省略するものとする。
なお、鞘管16内に内挿管18を挿入し支持する手法として、たとえば、内挿管周りに等間隔に配した複数本、たとえば4本のワイヤ22を牽引し緊張することによる手法が例示できるが、この手法自体はこの発明の趣旨でなく、また、鞘管内への内挿管の挿入、支持可能であれば他の手法でも足りるため、この方法に対する詳細な説明はここでは省略するものとする。
この内挿管補剛装置14は、芯材となる袋体12を少なくとも有するものであればよく、この実施例においては、たとえば、この芯材となる袋体自体を内挿管補剛装置とする構成を例示する。
この袋体12は、所定流体の加圧充填により膨張可能な、非透過性素材からなるものとして具体化され、その素材としては、たとえば、少なくともその緯方向に伸長可能な伸縮素材、たとえば合成ゴム等が例示できる。そして、図2、に示すように、この袋体12、つまり内挿管補剛装置14は、内挿管18に挿入可能な縮径外径を持つ略棒状体として形成され、図3に示すように、この縮径状態で、内挿管補剛装置は鞘管16の少なくとも対象全長に亘って内挿管内に挿入される。
内挿管18内への挿入後、この内挿管補剛装置の袋体12内に所定の流体23を加圧充填する。この流体としては、たとえば、加圧ポンプ24により圧送される圧縮空気が例示できる。
そして、この発明においては、袋体12内への流体(圧縮空気)の注入圧力が、固定用充填材の注入圧力と同等の圧力として具体化されている。
図1および図4を見るとわかるように、このような構成であれば、袋体12は、固定用充填材の注入圧力と同等の圧力のもとでの流体の加圧充填により、内挿管18内で加圧膨張されるため、この内挿管は、その圧力、つまり固定用充填材の注入圧力と同等の圧力のもとで、その内方から押圧支持されることになる。つまり、内挿管18は、固定用充填材の注入圧力に抗する力のもとで補剛されることになるため、固定用充填材の注入、充填時における凹み、潰れ等の変形が確実に防止可能となる。
そして、内挿管内に液体を直接的に封入する公知の構成と異なり、この発明の内挿管補剛方法であれば、内挿管補剛装置14としての、非透過性素材からなる袋体12に、所定の流体を加圧充填すれば足りるとともに、その一端に設けられた注入用の開口26(図1および図3参照)を、対応する栓体(図示しない)により封止すれば足りるため、複雑な封止構造、および封止作業を伴うことなく、その適切な封止が十分に可能となる。
つまり、流体封止の確実性、およびその作業性の向上が、この発明によれば容易に可能となる。
ここで、この実施例においては、袋体12内に加圧充填される流体として圧縮空気を例示しているが、これに限定されず、たとえば水等の液体を、この流体として袋体内に加圧充填するものとしてもよい。
ところで、ここでいう鞘管補修工法は老朽化した下水管等の既設の鞘管に対する補修工法であるが、その鞘管の連通するマンホール等の設備状況によっては、袋体12の加圧に用いた水等の液体をそのまま排出できない場合も起こり得る。しかし、この発明のような、袋体12に流体を加圧充填する構成であれば、その流体が水等の液体であっても、その排出処理は容易に可能となる。つまり、この発明によれば、作業現場状況を問わず、内挿管18に対する補剛が容易に可能となり、また、その排出作業も容易となることから、その作業性の向上も確実にはかられる。
なお、この実施例で示したような圧縮空気を袋体12に加圧充填する構成であれば、その栓体を開けるのみの排出作業となるため、その作業は一層簡単化される。
また、この実施例においては、袋体12の素材として合成ゴムを例示しているが、流体の透過を阻止する非透過性素材であれば足りるため、これに限定されず、たとえば、非透過性の布等から、この袋体を形成してもよい。
そして、この袋体12の素材は、合成ゴム等のような伸縮性素材に限定されない。つまり、たとえば、自動車のエアバッグをなす布材のような、伸縮性のない非透過性素材から、この袋体を形成してもよい。なお、このような伸縮性のない布材からなる袋体の場合、においては、単なる収縮状態、あるいは縦長での折り畳み状態で、内挿管18内に挿入すれば足りる。
ここで、この実施例においては、芯材となる袋体12そのものを、内挿管18内に挿入される内挿管補剛装置14として具体化しているが、この袋体を少なくとも有する構成であれば足りるため、これに限定されず、たとえば、この袋体周りに支圧板等を一体的な設けたものも、ここでいう内挿管補剛装置に含まれるものとする。
このような、支圧板を袋体12周りに設ける構成とする場合においては、図示のような、伸縮可能な合成ゴム製の袋体が有効である。そして、この袋体12周りに、その長手方向に分割された複数枚、たとえば4枚程度の支圧板(図示しない)を一体的に配することにより、その内方から内挿管18を押圧支持する内挿管補剛装置は形成可能となる。
上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
下水管に限定されず、たとえば上水管やガス管、あるいは他の配管用の鞘管に、この発明を応用してもよい。また、この実施例においては既設の老朽化した鞘管を、その対象となる鞘管の一例として具体化しているが、新設の鞘管に対しても応用可能であることはいうまでもない。
12 袋体
14 内挿管補剛装置
16 鞘管
18 内挿管
14 内挿管補剛装置
16 鞘管
18 内挿管
Claims (2)
- 可撓性のある合成樹脂製の内挿管を所定の鞘管内に挿入、支持し、この内挿管と鞘管との間の空隙に固定用充填材を注入、充填することにより、この内挿管を当該鞘管内に一体的に固定し装着する鞘管補修工法における内挿管補剛方法であり、
所定流体の加圧充填により膨張可能な、非透過性素材からなる袋体を少なくともその芯材として有する内挿管補剛装置を、上記内挿管に対し、芯材の収縮に伴ったその縮径状態で上記鞘管の少なくとも対象全長に亘って内挿し、
上記固定用充填材の注入圧力と同等の圧力による所定流体の加圧充填のもとで、内挿管補剛装置の芯材を上記内挿管内で加圧膨張させることにより、その内挿管を、当該圧力によってその内部から押圧支持する内挿管補剛方法。 - 前記内挿管補剛装置の芯材内に加圧充填される前記流体が圧縮空気である請求項1記載の内挿管補剛方法。
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JP2005250544A JP2007064336A (ja) | 2005-08-31 | 2005-08-31 | 内挿管補剛方法 |
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JP2014019019A (ja) * | 2012-07-17 | 2014-02-03 | Sekisui Chem Co Ltd | ライニング管の施工方法 |
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2005
- 2005-08-31 JP JP2005250544A patent/JP2007064336A/ja active Pending
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