JP2007064101A - 副室式内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】 主燃焼室7内における火花点火による燃焼と、副室14内における火花点火によるトーチ燃焼とを切り換える。
【解決手段】 主燃焼室7に連通する副室14を備える副室式内燃機関において、火花点火装置13に、同一ガス状態での放電電圧を異ならせて、主燃焼室7内にて火花放電可能な第1放電電極21を有する第1放電経路C1、および、副室14内のみにて火花放電可能な第2放電電極22を有する第2放電経路C2を配置する。エンジン回転速度および負荷に応じて、火花放電する放電経路C1,C2を切り換えるように、主燃焼室7内の空燃比と副室14内の空燃比とを制御する副室用燃料噴射弁17を設ける。
【選択図】 図2
【解決手段】 主燃焼室7に連通する副室14を備える副室式内燃機関において、火花点火装置13に、同一ガス状態での放電電圧を異ならせて、主燃焼室7内にて火花放電可能な第1放電電極21を有する第1放電経路C1、および、副室14内のみにて火花放電可能な第2放電電極22を有する第2放電経路C2を配置する。エンジン回転速度および負荷に応じて、火花放電する放電経路C1,C2を切り換えるように、主燃焼室7内の空燃比と副室14内の空燃比とを制御する副室用燃料噴射弁17を設ける。
【選択図】 図2
Description
本発明は、主燃焼室に連通する副室から火炎を噴出して主燃焼室内の混合気を燃焼する副室式内燃機関に関する。
従来、主燃焼室に連通する副室と、火花点火装置とを有する副室式内燃機関において、副室内で火花点火を行って主燃焼室内に火炎トーチを噴出することによって主燃焼室内の混合気の燃焼を促進することが知られている。このような副室式内燃機関においては、例えば低負荷時のように主燃焼室内の混合気が希薄空燃比で燃焼が困難な状態においても安定した燃焼が可能であるという利点がある。
しかしながら、高負荷時のように比較的燃焼が容易な状態においても火炎トーチを噴射することになるため、主燃焼室内で急激な圧力上昇を生じ、機関の機械的強度や騒音が問題になる。
この問題を解決するため、特許文献1のように主燃焼室内にて火花点火する点火プラグを配置したり、特許文献2のように主燃焼室および副室で火花点火させるよう放電電極をそれぞれ配置し、これらの電極を同時に火花点火したりすることが知られている。
特開昭61−65012号公報
特開平3−107576号公報
この問題を解決するため、特許文献1のように主燃焼室内にて火花点火する点火プラグを配置したり、特許文献2のように主燃焼室および副室で火花点火させるよう放電電極をそれぞれ配置し、これらの電極を同時に火花点火したりすることが知られている。
しかしながら、特許文献1に記載の副室式内燃機関では、点火プラグの火花点火のために副室内の火花点火とは別の高電圧発生部、または高電圧の経路を切り換えるための接点が必要になり、構成が複雑になる。
また特許文献2に記載の副室式内燃機関では、常に主燃焼室内にて点火が行われるので、火炎トーチによる急速燃焼の効果である安定燃焼や燃費の向上などが十分に得られないことがある。
また特許文献2に記載の副室式内燃機関では、常に主燃焼室内にて点火が行われるので、火炎トーチによる急速燃焼の効果である安定燃焼や燃費の向上などが十分に得られないことがある。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、主燃焼室内における火花点火による燃焼と、副室内における火花点火によるトーチ燃焼とを切り換え可能な副室式内燃機関を提供することを目的とする。
そのため本発明では、主燃焼室に連通する副室と、火花点火装置とを備える副室式内燃機関において、火花点火装置に、同一ガス状態での放電電圧を異ならせて、いずれか1つから火花放電するように構成した少なくとも2つの放電経路を設け、第1放電経路の放電電極は少なくとも主燃焼室内に、第2放電経路の放電電極は副室内のみに配置し、機関の運転状態に応じて、火花放電する放電経路を切り換えるように、主燃焼室内のガス状態と副室内のガス状態とを制御するガス状態可変装置を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、ガス状態可変装置により、運転状態に応じて、主燃焼室内のガス状態と副室内のガス状態とに差を生じさせ、少なくとも、主燃焼室内における火花放電点火による燃焼と、副室内における火花放電点火によるトーチ燃焼とを切り換えることができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における内燃機関(以下、「エンジン」と称する)1の構成図である。
エンジン1には、シリンダヘッド2、シリンダブロック3、ピストン4、吸気バルブ5および排気バルブ6から主燃焼室7が形成されている。
図1は、本発明の第1の実施形態における内燃機関(以下、「エンジン」と称する)1の構成図である。
エンジン1には、シリンダヘッド2、シリンダブロック3、ピストン4、吸気バルブ5および排気バルブ6から主燃焼室7が形成されている。
主燃焼室7は、吸気バルブ5を介して吸気ポート8から吸気が供給可能になっている一方、排気バルブ6を介して排気ポート9へ排気を排出可能になっている。
図1では、吸気ポート8に、主燃焼室用燃料噴射弁10が吸気バルブ6を介して主燃焼室7を臨むように設けられている。なお、主燃焼室用燃料噴射弁10を設ける位置は、主燃焼室7内に燃料を直接噴射できるようにシリンダヘッド2またはシリンダブロック3にしてもよい。
図1では、吸気ポート8に、主燃焼室用燃料噴射弁10が吸気バルブ6を介して主燃焼室7を臨むように設けられている。なお、主燃焼室用燃料噴射弁10を設ける位置は、主燃焼室7内に燃料を直接噴射できるようにシリンダヘッド2またはシリンダブロック3にしてもよい。
吸気バルブ5と排気バルブ6とは、吸気バルブ用カム11と排気バルブ用カム12とによってそれぞれ開閉駆動される。
シリンダヘッド2(主燃焼室7の略中央位置の上部)には、主燃焼室7内および副室14内にて火花点火が可能な火花点火装置13と、主燃焼室7内のガス状態と副室14内のガス状態とに差を生じさせるガス状態可変装置としての副室用燃料噴射弁17と、を設けている。
シリンダヘッド2(主燃焼室7の略中央位置の上部)には、主燃焼室7内および副室14内にて火花点火が可能な火花点火装置13と、主燃焼室7内のガス状態と副室14内のガス状態とに差を生じさせるガス状態可変装置としての副室用燃料噴射弁17と、を設けている。
図2は、火花点火装置13および副室用燃料噴射弁17の拡大断面図である。
火花点火装置13は大別して、副室14を内部に形成すると共に、主燃焼室7側に先端部15aを形成したキャップ部材15と、キャップ部材15の後端に取り付けられ、主燃焼室7内および副室14内にて火花放電が可能な点火プラグ16を含んで構成されている。
火花点火装置13は大別して、副室14を内部に形成すると共に、主燃焼室7側に先端部15aを形成したキャップ部材15と、キャップ部材15の後端に取り付けられ、主燃焼室7内および副室14内にて火花放電が可能な点火プラグ16を含んで構成されている。
キャップ部材15は、イリジウム合金などの導電性の材料で構成され、先端部15aが略半球状に形成されている。キャップ部材15の先端部15aは、シリンダヘッド2に電気的に接地されている。この先端部15aに、主燃焼室7と副室14とを連通する連通路(連通孔)18が円周方向に所定間隔で複数個形成されている。
点火プラグ16は、図示しない電力供給装置に接続される一方、副室14内から主燃焼室7内に形成された電極部材19を有している。電極部材19は、例えば、内部に銅を用い、その外周に特殊ニッケル合金を被覆して構成されている。電極部材19の先端部(中心電極)19aは、キャップ部材15の先端部15aに設けられた絶縁体20によりキャップ部材15(副室14の壁面)とは絶縁された状態で、主燃焼室7側に突出するように支持されている。
点火プラグ16は、図示しない電力供給装置に接続される一方、副室14内から主燃焼室7内に形成された電極部材19を有している。電極部材19は、例えば、内部に銅を用い、その外周に特殊ニッケル合金を被覆して構成されている。電極部材19の先端部(中心電極)19aは、キャップ部材15の先端部15aに設けられた絶縁体20によりキャップ部材15(副室14の壁面)とは絶縁された状態で、主燃焼室7側に突出するように支持されている。
電極部材19の先端部19aと、キャップ部材15の先端部15aに形成された接地電極15bとは、放電可能な所定間隔(ギャップ)L1だけ離れて形成され、主燃焼室7内にて火花放電可能な第1放電電極21を構成する。そして、点火プラグ16(電力供給装置)から接地電極15bまでは、エンジンコントロールユニット(以下、「ECU」と称する)40から点火プラグ16に点火信号があった時に、第1放電電極21にて火花放電が可能な第1放電経路C1になる。
電極部材19は、副室14内において一部がキャップ部材15の内壁側に延び、且つキャップ部材15の内壁と放電可能な所定間隔L2だけ離れて形成された略棒状の電極部19bを有している。これにより、電極部材19の電極部19bと、キャップ部材15の内壁とは、副室14内にて火花放電可能な第2放電電極22を構成する。そして、点火プラグ16(電力供給装置)から電極部材19の電極部19bを介してキャップ部材15の内壁までは、ECU40から点火プラグ16に点火信号があった時に、第2放電電極22に火花放電が可能な第2放電経路C2になる。
第1放電経路C1および第2放電経路C2は、これらの端部がそれぞれ点火プラグ16(電力供給装置)に接続されており、放電経路の一部を副室14内にて共有して形成されている。このため、第1放電電極21と第2放電電極22とを別の電力供給装置に接続する必要がなく、火花点火装置13を簡素な構成にすることができる。
図2では、第1放電電極21間の所定距離L1が第2放電電極22間の所定距離L2より狭く形成されている(L1<L2)。このため、主燃焼室7内および副室14内が同一のガス状態(例えば同一の空燃比、同一の温度)である場合には、電極21,22が火花放電を開始する電圧(絶縁破壊電圧)は、第1放電電極21の方が第2放電電極22よりも低くなるため、第1放電電極21にて火花放電が行われ、主燃焼室7内にて火花点火による燃焼が可能になる。
図2では、第1放電電極21間の所定距離L1が第2放電電極22間の所定距離L2より狭く形成されている(L1<L2)。このため、主燃焼室7内および副室14内が同一のガス状態(例えば同一の空燃比、同一の温度)である場合には、電極21,22が火花放電を開始する電圧(絶縁破壊電圧)は、第1放電電極21の方が第2放電電極22よりも低くなるため、第1放電電極21にて火花放電が行われ、主燃焼室7内にて火花点火による燃焼が可能になる。
副室用燃料噴射弁17は、エンジン1の運転状態(エンジン回転速度およびエンジン負荷)に応じて、ECU40からの信号により燃料噴射量が制御されることで、副室14内の空燃比をリッチにすることが可能である。
図1に示すように、ECU40には、エンジン1の運転状態を検出するため、エンジン回転速度を検出するクランク角センサ23や、エンジン負荷(例えばアクセル開度)を検出するアクセル開度センサ24などからの信号がそれぞれ入力され、これらの各入力信号に基づいて演算を行う。例えば、クランク角センサ23からの信号に基づいてエンジン回転速度を、アクセル開度センサ24からの信号に基づいてエンジン負荷をそれぞれ演算する。
図1に示すように、ECU40には、エンジン1の運転状態を検出するため、エンジン回転速度を検出するクランク角センサ23や、エンジン負荷(例えばアクセル開度)を検出するアクセル開度センサ24などからの信号がそれぞれ入力され、これらの各入力信号に基づいて演算を行う。例えば、クランク角センサ23からの信号に基づいてエンジン回転速度を、アクセル開度センサ24からの信号に基づいてエンジン負荷をそれぞれ演算する。
ECU40は、これらの演算結果に基づいて各種の制御を行う。例えば、吸気ポート8に配置された主燃焼室用燃料噴射弁10からの燃料噴射制御、点火プラグ16の点火時期制御および副室用燃料噴射弁17の燃料噴射制御などを行う。
図2では、第1放電電極21にて火花放電が行われると、主燃焼室7内の混合気に着火して燃焼が行われる。この時、第2放電電極22からは火花放電が行われない。これにより、例えば、高速回転高負荷の運転領域における燃焼を可能にする。
図2では、第1放電電極21にて火花放電が行われると、主燃焼室7内の混合気に着火して燃焼が行われる。この時、第2放電電極22からは火花放電が行われない。これにより、例えば、高速回転高負荷の運転領域における燃焼を可能にする。
一方、副室燃料噴射弁17の燃料噴射によって、第1放電電極21より先に第2放電電極22にて火花放電が行われると、副室14内の混合気が着火し、主燃焼室7内に略柱状の火炎を噴出するため、主燃焼室7内にてトーチ燃焼が行われる。この時、第1放電電極21からは火花放電が行われない。これにより、例えば、主燃焼室7内の空燃比が理論空燃比より希薄となる低速回転低負荷の運転領域においても燃焼を可能にする。
図3は、エンジン1の運転状態であるエンジン回転速度とエンジン負荷とに応じて、第1放電経路C1(第1放電電極21)と第2放電経路C2(第2放電電極22)とによる火花放電を切り換えることを示すテーブルである。
ECU40は、エンジン1の運転状態が所定の低回転低負荷領域内にある時に、主燃焼室7内の混合気を理論空燃比より希薄な空燃比にし、副室用燃料噴射弁17を作動させて主燃焼室7内にてトーチ燃焼による運転を行う希薄空燃比運転モードと、所定の低回転低負荷領域以外の時に主燃焼室7内の混合気を理論空燃比にし、副室用燃料噴射弁17を停止または抑制して、主燃焼室7内にて火花点火燃焼による運転を行う理論空燃比運転モードと、の2つのモードの切換制御を行う。
ECU40は、エンジン1の運転状態が所定の低回転低負荷領域内にある時に、主燃焼室7内の混合気を理論空燃比より希薄な空燃比にし、副室用燃料噴射弁17を作動させて主燃焼室7内にてトーチ燃焼による運転を行う希薄空燃比運転モードと、所定の低回転低負荷領域以外の時に主燃焼室7内の混合気を理論空燃比にし、副室用燃料噴射弁17を停止または抑制して、主燃焼室7内にて火花点火燃焼による運転を行う理論空燃比運転モードと、の2つのモードの切換制御を行う。
理論空燃比運転モードでは、排気行程後半または吸気行程の前半に吸気バルブ5が開いた時に、主燃焼室用燃料噴射弁10によって噴射された燃料が新気と混合して理論空燃比の混合気となり、この混合気が主燃焼室7内に吸入される。
圧縮行程では、ピストン4の圧縮作用によって主燃焼室7内の混合気がキャップ部材15の先端部15aに形成された連通路18を介して副室14内に押し込まれる。圧縮上死点付近で点火プラグ16を作動させると、主燃焼室7内の混合気と副室14内の混合気とはほぼ同じ状態であるので、絶縁破壊電圧が低い第1放電経路C1の第1放電電極21が作動し、主燃焼室7内にて点火放電による燃焼が行われる。
圧縮行程では、ピストン4の圧縮作用によって主燃焼室7内の混合気がキャップ部材15の先端部15aに形成された連通路18を介して副室14内に押し込まれる。圧縮上死点付近で点火プラグ16を作動させると、主燃焼室7内の混合気と副室14内の混合気とはほぼ同じ状態であるので、絶縁破壊電圧が低い第1放電経路C1の第1放電電極21が作動し、主燃焼室7内にて点火放電による燃焼が行われる。
希薄空燃比運転モードでは、吸気ポート8から供給される混合気が希薄空燃比となるように主燃焼室用燃料噴射弁10から燃料が噴射される一方、この燃料とは別に副室用燃料噴射弁17によって副室14内に燃料が供給される。ここで、副室用燃料噴射弁17による燃料噴射量は、主燃焼室7と副室14との混合気濃度の差によって第2放電経路C2の絶縁破壊電圧が第1放電経路C1よりも低くなるように制御される。
図4は、副室用燃料噴射弁17の燃料噴射量と、第1放電経路C1および第2放電経路C2の各絶縁破壊電圧との関係を示す図である。なお、副室用燃料噴射弁17の燃料噴射量は、図4に示す関係から計算によって求めてもよいし、実験によって予め求めておいてECU40内のメモリに記憶させておき、これを絶縁破壊電圧から読み出すようにしてもよい。
図4では、主燃焼室7内の空燃比が一定である場合において、副室用燃料噴射弁17により副室14内の燃料噴射量を増加させる程、第2放電経路C2の絶縁破壊電圧が低下し、燃料噴射量が所定値以上になるときに、第1放電経路C1の第1放電電極21における絶縁破壊電圧より、第2放電経路C2の第2放電電極22における絶縁破壊電圧が低くなることを示している。
このため、第1放電経路C1の放電電極21による火花放電から、第2放電経路C2の第2放電電極22による火花放電に切り換わることで副室14内の混合気に点火し、キャップ部材15の連通路18を介して主燃焼室7内に略柱状の火炎を噴出し、トーチ燃焼を行うことができる。
一方、副室14内の燃料噴射量が所定値未満である場合には、第1放電経路C1における絶縁破壊電圧が第2放電経路C2より低くなるため、第1放電電極21にて火花放電が行われ、通常運転(主燃焼室7内の火花点火)での燃焼を行う。これにより、高負荷時における急激な圧力上昇の抑制が図れる。
一方、副室14内の燃料噴射量が所定値未満である場合には、第1放電経路C1における絶縁破壊電圧が第2放電経路C2より低くなるため、第1放電電極21にて火花放電が行われ、通常運転(主燃焼室7内の火花点火)での燃焼を行う。これにより、高負荷時における急激な圧力上昇の抑制が図れる。
なお、図1では、副室14内のガスの状態を可変するガス状態可変装置として、副室14内の空燃比をリッチにする副室用燃料噴射弁17を用いることについて説明したがこれに限定されない。すなわち、第1放電経路C1(第1放電電極21)における火花放電と第2放電経路C2(第2放電電極22)における火花放電電圧とを切り換えるように、エンジン1の運転状態に応じて、主燃焼室7内のガス状態と副室14内のガス状態とに差を生じさせることができるものであれば、例えば、副室14内の温度や圧力を上昇させる装置であってもよい。
本実施形態によれば、主燃焼室7に連通する副室14と、火花点火装置とを備える副室式内燃機関において、火花点火装置に、同一ガス状態での放電電圧を異ならせて、いずれか1つから火花放電するように構成した少なくとも2つの放電経路(例えば、第1放電経路C1および第2放電経路C2)を設け、第1放電経路C1の放電電極21は少なくとも主燃焼室7内に、第2放電経路C2の放電電極22は副室14内のみに配置し、機関の運転状態(例えば、エンジン回転速度および負荷)に応じて、火花放電する放電経路を切り換えるように、主燃焼室7内のガス状態と副室14内のガス状態とを制御するガス状態可変装置を設けた。このため、ガス状態可変装置13により、運転状態に応じて、主燃焼室7内のガス状態と副室14内のガス状態とに差を生じさせ、少なくとも、主燃焼室7内における火花放電点火による燃焼と、副室14内における火花放電点火によるトーチ燃焼とを切り換えることができる。
また本実施形態によれば、第1放電経路C1の放電電極21の電極間距離L1と、第2放電経路C2の放電電極22の電極間距離L2とを異ならせた(L1≠L2)。このため、電極間距離L1,L2が短い方の放電電極の絶縁破壊電圧が低くなり、主燃焼室7内および副室14内のガス状態が同一であれば、電極間距離の短い方の放電電極から放電を行うことができる。そして、主燃焼室7と副室14とのガス状態に差を生じさせることで、主燃焼室7内の第1放電電極21の絶縁破壊電圧と、副室14内の第2放電電極22の絶縁破壊電圧とを変化させ、放電経路C1,C2の絶縁破壊電圧を逆転させることができる。
また本実施形態によれば、第1放電経路C1の放電電極21は、同一のガス状態にて、第2放電経路C2の放電電極22よりも火花放電する電圧が低い。このため、優先的に第1放電電極21による火花放電を行い、主燃焼室7内のガスに点火して燃焼する運転を行うことができる。
また本実施形態によれば、副室14を内部に形成すると共に、主燃焼室7側に先端部15aを形成したキャップ部材15を有し、第1放電電極21をキャップ部材15の先端部15aに、第2放電電極22をキャップ部材15内にそれぞれ設けた。このため、第1放電電極21および第2放電電極22をキャップ部材15に設けることができ、構成が簡素化できる。
また本実施形態によれば、副室14を内部に形成すると共に、主燃焼室7側に先端部15aを形成したキャップ部材15を有し、第1放電電極21をキャップ部材15の先端部15aに、第2放電電極22をキャップ部材15内にそれぞれ設けた。このため、第1放電電極21および第2放電電極22をキャップ部材15に設けることができ、構成が簡素化できる。
また本実施形態によれば、ガス状態可変装置は、副室14内の空燃比をリッチにする副室用燃料噴射弁17である。このため、副室用燃料噴射弁17の燃料噴射量により副室14内の状態を容易に変化させて、第1放電電経路C1における火花放電と第2放電経路C2における火花放電とを切り換えることができる。
また本実施形態によれば、副室用燃料噴射弁17は、主燃焼室7内の空燃比が理論空燃比よりも希薄である運転状態の時に、副室14内に燃料を噴射する。このため、副室14内にて火花放電を行うことで、主燃焼室7内にてトーチ燃焼を行うことができる。
また本実施形態によれば、副室用燃料噴射弁17は、主燃焼室7内の空燃比が理論空燃比よりも希薄である運転状態の時に、副室14内に燃料を噴射する。このため、副室14内にて火花放電を行うことで、主燃焼室7内にてトーチ燃焼を行うことができる。
次に、本発明の第2の実施形態について図5を用いて説明する。
本実施形態では、第1放電経路C1を構成する電極部材19の先端部(中心電極)19aを、接地電極15b側に略円錐状に尖らせて、放電電圧を低くなるようにした。
なお、電極部材19の先端部19aからキャップ部材15の接地電極15bまでの距離である第1放電電極間距離L1と、電極部材19の電極部19bからキャップ部材15までの距離である第2放電電極間距離L2とを同じ距離にしている(L1=L2)。これにより、主燃焼室7および副室14内のガス状態が同一である場合に、第1放電電極21の絶縁破壊電圧は、第2放電電極22の絶縁破壊電圧より低く設定されるため、第1放電電極21から火花放電が開始し、主燃焼室7内にて火花点火による燃焼が行われる。
本実施形態では、第1放電経路C1を構成する電極部材19の先端部(中心電極)19aを、接地電極15b側に略円錐状に尖らせて、放電電圧を低くなるようにした。
なお、電極部材19の先端部19aからキャップ部材15の接地電極15bまでの距離である第1放電電極間距離L1と、電極部材19の電極部19bからキャップ部材15までの距離である第2放電電極間距離L2とを同じ距離にしている(L1=L2)。これにより、主燃焼室7および副室14内のガス状態が同一である場合に、第1放電電極21の絶縁破壊電圧は、第2放電電極22の絶縁破壊電圧より低く設定されるため、第1放電電極21から火花放電が開始し、主燃焼室7内にて火花点火による燃焼が行われる。
次に、本発明の第3の実施形態について図6を用いて説明する。
本実施形態では、主燃焼室7内の第1放電電極21の電極間距離L1と、副室14内の第2放電電極22の電極間距離L2とは等しい(L1=L2)が、第2放電電極22を構成する電極部材19の電極部19bを、第1放電電極21を構成する電極部材19の先端部19aよりも相対的に仕事関数(一個の電子をフェルミ準位から真空準位へ取り出すのに必要なエネルギーであり、言い換えると、1個の電子を表面のすぐ外側に取り出すのに必要な最小のエネルギー)が高い材質、例えば金(Au)などで構成する。
本実施形態では、主燃焼室7内の第1放電電極21の電極間距離L1と、副室14内の第2放電電極22の電極間距離L2とは等しい(L1=L2)が、第2放電電極22を構成する電極部材19の電極部19bを、第1放電電極21を構成する電極部材19の先端部19aよりも相対的に仕事関数(一個の電子をフェルミ準位から真空準位へ取り出すのに必要なエネルギーであり、言い換えると、1個の電子を表面のすぐ外側に取り出すのに必要な最小のエネルギー)が高い材質、例えば金(Au)などで構成する。
これにより、第2放電電極22(第2放電経路C2)の絶縁破壊電圧が相対的に高くなるため、主燃焼室7内および副室14内のガスが同一の状態では、絶縁破壊電圧が相対的に低い第1放電電極21(第1放電経路C1)において火花放電が行われ、主燃焼室7内にて火花放電による燃焼が行われる。
なお、第2および第3の実施形態においても運転状態(例えば、エンジン回転速度および負荷)に応じて副室用燃料噴射弁17からの燃料噴射量を制御し、第1放電電極21による火花放電と、第2放電電極22による火花放電とを切り換えるようにする。
なお、第2および第3の実施形態においても運転状態(例えば、エンジン回転速度および負荷)に応じて副室用燃料噴射弁17からの燃料噴射量を制御し、第1放電電極21による火花放電と、第2放電電極22による火花放電とを切り換えるようにする。
次に、本発明の第4の実施形態について図7〜図11を用いて説明する。
図7では、第1放電経路C1(第1放電電極21)は、主燃焼室7内にて接地電極15bおよび電極部材19の先端部19aにより構成される放電電極21aと、副室14内の第1放電経路C1の途中にて、放電可能な距離L1’だけ離れて形成された放電電極21bとを有している。すなわち、図2の火花点火装置13と比較して、副室14内に新たに放電電極21bを配置することで、主燃焼室7内および副室14内にて同時に放電できるようにしている。
図7では、第1放電経路C1(第1放電電極21)は、主燃焼室7内にて接地電極15bおよび電極部材19の先端部19aにより構成される放電電極21aと、副室14内の第1放電経路C1の途中にて、放電可能な距離L1’だけ離れて形成された放電電極21bとを有している。すなわち、図2の火花点火装置13と比較して、副室14内に新たに放電電極21bを配置することで、主燃焼室7内および副室14内にて同時に放電できるようにしている。
なお、図7では、放電電極21bは、放電電極21aに直列に接続され、副室14内において、電極部材19の分岐部である電極部19bより下部(主燃焼室7側)に形成されている。
このように第1放電経路C1に複数の放電電極21a,21bが形成されている場合、その放電経路C1の絶縁破壊電圧は、各放電電極21a,21bの絶縁破壊電圧を加算した値となる。
このように第1放電経路C1に複数の放電電極21a,21bが形成されている場合、その放電経路C1の絶縁破壊電圧は、各放電電極21a,21bの絶縁破壊電圧を加算した値となる。
放電電極21bの電極間距離L1’は、放電電極21aの電極間距離L1および第2放電電極22の電極間距離L2より短くしている(L1’<L1且つL1’<L2)。放電電極21aの電極間距離L1が第2放電電極22の電極間距離L2より短く形成している(L1<L2)。そして、第2放電電極22の電極間距離L2は、放電電極21aの電極間距離L1と放電電極21bの電極間距離L1’との和より小さくなっている(L1+L1’<L2)。
これにより、主燃焼室7および副室14内の混合気の状態(例えば空燃比)が同じ場合には、第1放電経路C1の絶縁破壊電圧は、第2放電経路C2の絶縁破壊電圧より低くなり、第1放電経路C1の放電電極21a,21bが同時に火花放電され、放電電極21aが主燃焼室7内の混合気に火花点火して燃焼を行うと共に、放電電極21bが副室14内の混合気に火花点火をして主燃焼室7内に略柱状の火炎を噴出して燃焼を行う。これにより、副室14内に未燃混合気が残りづらくなり、ノッキングの発生を抑制することが可能となる。
図8には、第4の実施形態にて運転状態(エンジン回転速度および負荷)と放電経路C1,C2との関係を示している。
運転状態が希薄空燃比モード領域以外の理論空燃比モード領域において、第1放電経路C1の第1放電電極21(放電電極21aおよび21b)が作動し、主燃焼室7内および副室14内でそれぞれ火花点火がそれぞれ行われる。
運転状態が希薄空燃比モード領域以外の理論空燃比モード領域において、第1放電経路C1の第1放電電極21(放電電極21aおよび21b)が作動し、主燃焼室7内および副室14内でそれぞれ火花点火がそれぞれ行われる。
主燃焼室7内および副室14内でそれぞれ火花点火が行われると、キャップ部材15の先端部15aの連通路18から火炎トーチが噴射される時期に主燃焼室7の圧力が上昇しているため、火炎トーチの進行速度が遅くなり、過剰な急速燃焼が避けられる一方、副室14内の混合気が未燃のまま燃焼後期まで残されないので、ノッキングを抑制することができる。
また、運転状態が希薄空燃比モード領域において比較的高負荷である場合には、第1放電経路C1の第1放電電極21(放電電極21aおよび21b)により、主燃焼室7内および副室14内にてそれぞれ火花放電による燃焼を行う。
また、運転状態が希薄空燃比モード領域において比較的低負荷である場合には、副室用燃料噴射弁17により燃料噴射を行って主燃焼室7内と副室14内との空燃比差を大きくし、第2放電経路C2により副室14内にて火花放電を行い、主燃焼室7内にてトーチ燃焼を行う。
また、運転状態が希薄空燃比モード領域において比較的低負荷である場合には、副室用燃料噴射弁17により燃料噴射を行って主燃焼室7内と副室14内との空燃比差を大きくし、第2放電経路C2により副室14内にて火花放電を行い、主燃焼室7内にてトーチ燃焼を行う。
図9には、第4の実施形態における副室14への燃料噴射量と絶縁破壊電圧との関係を示している。
第1放電経路C1は、副室14内にも放電電極21bを持つので、燃料噴射量の増加に伴って第1放電経路C1の絶縁破壊電圧が低下するが、第2放電経路C2は副室14内のみに放電電極22を持つので、第1放電経路C1よりも絶縁破壊電圧の低下の傾きが大きく、副室14内への燃料噴射量が所定値以上になったときに絶縁破壊電圧の逆転が生じる。
第1放電経路C1は、副室14内にも放電電極21bを持つので、燃料噴射量の増加に伴って第1放電経路C1の絶縁破壊電圧が低下するが、第2放電経路C2は副室14内のみに放電電極22を持つので、第1放電経路C1よりも絶縁破壊電圧の低下の傾きが大きく、副室14内への燃料噴射量が所定値以上になったときに絶縁破壊電圧の逆転が生じる。
なお、図10に示すように、放電電極21bを、第1放電経路C1および第2放電経路C2の両方に共通して形成してもよい。すなわち、図7の火花点火装置13と比較して、副室14内の放電電極21bを、電極部材19の分岐部である電極部19bより上部(電極部材19の後端部側)に形成している。
この場合、希薄空燃比モードにおいて第2放電経路C2の第2放電電極22が火花放電する際に、副室14内にて2点点火が行われるため、主燃焼室7内に、より強力な火炎トーチを形成することができる。
この場合、希薄空燃比モードにおいて第2放電経路C2の第2放電電極22が火花放電する際に、副室14内にて2点点火が行われるため、主燃焼室7内に、より強力な火炎トーチを形成することができる。
また、図11に示すように、第2放電経路C2は、複数箇所において火花放電可能な第2放電電極22を形成するようにしてもよい。図11では、キャップ部材15の内周壁の一部に絶縁体26を設け、電極部材19の電極部19bを絶縁体26に当接させ、放電可能な所定間隔L2’で複数の導電性部材27をそれぞれ絶縁体26上に配設する。これにより、第2放電経路C2は、副室14内にのみ複数の放電電極22a,22b,22cを有するようにする。そして、複数の導電性部材27は、キャップ部材15と、導電可能なように配設している。
また、第1放電経路C1の放電電極21a,21の電極間距離L1,L1’の和(L1+L1’)は、第2放電電極C2の放電電極22の各電極間距離L2’の和L2より小さくなっている(L1+L1’<L2)ため、第1放電経路C1における絶縁破壊電圧が低くなる。
このため、主燃焼室7および副室14内の混合気の状態(例えば空燃比)が同じ場合には、第1放電経路C1の放電電極21a,21bが同時に火花放電され、放電電極21aが主燃焼室7内の混合気に火花点火して燃焼を行うと共に、放電電極21bが副室14内の混合気に火花点火をして主燃焼室7内に略柱状の火炎を噴出して燃焼を行う。これにより、副室14内に未燃混合気が残りづらくなり、ノッキングの発生を抑制することが可能となる。
このため、主燃焼室7および副室14内の混合気の状態(例えば空燃比)が同じ場合には、第1放電経路C1の放電電極21a,21bが同時に火花放電され、放電電極21aが主燃焼室7内の混合気に火花点火して燃焼を行うと共に、放電電極21bが副室14内の混合気に火花点火をして主燃焼室7内に略柱状の火炎を噴出して燃焼を行う。これにより、副室14内に未燃混合気が残りづらくなり、ノッキングの発生を抑制することが可能となる。
また、副室用燃料噴射弁17により副室14内に燃料を噴射した場合には、第2放電経路C2における絶縁破壊電圧が第1放電経路C1より低くなるため、放電電極22a,22b,22cのそれぞれにおいて火花放電が行われる。これにより、主燃焼室7内に、より強力な火炎トーチを形成することができる。
次に、本発明の第5の実施形態について図12〜図14を用いて説明する。
次に、本発明の第5の実施形態について図12〜図14を用いて説明する。
本実施形態では、点火プラグ16(電力供給装置)に、主燃焼室7内にて火花放電を行うと同時に、副室17内にて火花放電を行うことが可能な第3放電経路C3を設けるようにした。なお、第1放電経路C1は主燃焼室7内のみに火花放電が可能であり(図2と同じ)、第2放電経路C2は副室14内のみに火花放電が可能になっている(図11と同じ)。
キャップ部材15の内周壁の一部に絶縁体26とは別の絶縁体28を設け、電極部材19の電極部19bを絶縁体28に当接させ、所定の間隔L3’で複数の導電性部材29を絶縁体28上に配設する。これにより、副室14内で放電可能な電極25aを形成する。
なお、絶縁体28は、キャップ部材15に形成された貫通孔15cの内周に設けられている。導電性部材29の先端部29aは、キャップ部材15の貫通孔15cが形成された部分にて絶縁体28に覆われており、主燃焼室7側に一部が突出して形成されている。そして、導電性部材29の先端部29aと、キャップ部材15とは、放電可能な所定距離L3’’だけ離れて形成されている。これにより、主燃焼室7内で放電可能な電極25bを形成する。
なお、絶縁体28は、キャップ部材15に形成された貫通孔15cの内周に設けられている。導電性部材29の先端部29aは、キャップ部材15の貫通孔15cが形成された部分にて絶縁体28に覆われており、主燃焼室7側に一部が突出して形成されている。そして、導電性部材29の先端部29aと、キャップ部材15とは、放電可能な所定距離L3’’だけ離れて形成されている。これにより、主燃焼室7内で放電可能な電極25bを形成する。
これにより、点火プラグ16(火花放電装置)、電極部材19の電極部19b、導電性部材29、先端部29a、キャップ部材15を介して火花放電が可能な第3放電経路C3を構成する。第3放電経路C3は、主燃焼室7内および副室14内のそれぞれにて火花放電を同時に行うことで、主燃焼室7内の混合気に火花点火をすると共に、副室14内の混合気に火花点火をして主燃焼室7内の混合気をトーチ燃焼させることが可能である。
なお、図12に示すように、2つの導電性部材29は、放電可能な所定距離L3’だけ離れて配設されており、導電性部材29とキャップ部材15とは放電可能な距離L3’’だけ離れて配設されている。
各放電経路C1,C2,C3の絶縁破壊電圧は、各放電電極における電極間距離の和が短いほど小さくなって放電しやすくなる。
各放電経路C1,C2,C3の絶縁破壊電圧は、各放電電極における電極間距離の和が短いほど小さくなって放電しやすくなる。
第1放電経路C1の電極間距離L1と、第2放電経路C2の電極間距離L2(各放電電極22a,22b,22cの電極間距離の和)と、第3放電経路C3の電極間距離L3(=L3’+L3’’)との関係は、L1<L3<L2になっている。すなわち、主燃焼室7内の混合気と副室14内の混合気とが同じ状態であれば、第1放電経路C1の絶縁破壊電圧が最も低く、次に、第3放電経路C3の絶縁破壊電圧となり、第2放電経路C2が最も絶縁破壊電圧が高くなる。
図13には、第5の実施形態にて運転状態(エンジン回転速度および負荷)と放電経路C1,C2,C3との関係を示している。
運転状態が希薄空燃比モード領域以外の理論空燃比モード領域においては、第1放電経路C1の第1放電電極21が作動し、主燃焼室7内のみで火花放電による点火が行われる。
運転状態が希薄空燃比モード領域以外の理論空燃比モード領域においては、第1放電経路C1の第1放電電極21が作動し、主燃焼室7内のみで火花放電による点火が行われる。
また、運転状態が希薄空燃比モード領域において比較的高負荷である場合には、副室用燃料噴射弁17により副室14内の空燃比をリッチにし、主燃焼室7内および副室14内の第3放電電極25a,25b(第3放電経路C3)における火花放電を行う。これにより、主燃焼室7および副室14にて火花放電による点火を行う。
また、運転状態が希薄空燃比モード領域において比較的低負荷である場合には、副室用燃料噴射弁17により更に燃料噴射量を増加するよう燃料噴射を行って主燃焼室7と副室14との空燃比差を大きくし、第2放電経路C2の第2放電電極22のみにより副室14にて火花放電による点火を行う。
また、運転状態が希薄空燃比モード領域において比較的低負荷である場合には、副室用燃料噴射弁17により更に燃料噴射量を増加するよう燃料噴射を行って主燃焼室7と副室14との空燃比差を大きくし、第2放電経路C2の第2放電電極22のみにより副室14にて火花放電による点火を行う。
そして、図14に示すように、副室用燃料噴射弁17により副室14内に燃料噴射を行わない場合には、第1放電電極21により主燃焼室7にて火花放電をさせて燃焼を行う。これにより、主燃焼室7内のみにて燃焼を行うことができる。
また、副室14内への燃料噴射量の増加に伴い、第1放電電極21による火花放電から、第3放電電極25による放電に切り換わる。これにより、主燃焼室7および副室14内における燃焼を行うことができる。
また、副室14内への燃料噴射量の増加に伴い、第1放電電極21による火花放電から、第3放電電極25による放電に切り換わる。これにより、主燃焼室7および副室14内における燃焼を行うことができる。
更に、副室14内への燃料噴射量が増加すると、第3放電電極25による火花放電から、第2放電電極22に切り換わる。これにより、副室14内のみにおける燃焼を行うことができる。
1 エンジン
7 主燃焼室
10 主燃焼室用燃料噴射弁
13 火花点火装置
14 副室
15 キャップ部材
15a 先端部
15b 接地電極
16 点火プラグ
17 副室用燃料噴射弁
18 連通路
19 電極部材
19a 先端部
19b 電極部
20 絶縁体
21 第1放電電極
22 第2放電電極
23 クランク角センサ
24 アクセル開度センサ
7 主燃焼室
10 主燃焼室用燃料噴射弁
13 火花点火装置
14 副室
15 キャップ部材
15a 先端部
15b 接地電極
16 点火プラグ
17 副室用燃料噴射弁
18 連通路
19 電極部材
19a 先端部
19b 電極部
20 絶縁体
21 第1放電電極
22 第2放電電極
23 クランク角センサ
24 アクセル開度センサ
Claims (10)
- 主燃焼室に連通する副室と、火花点火装置とを備える副室式内燃機関において、
前記火花点火装置に、同一ガス状態での放電電圧を異ならせて、いずれか1つから火花放電するように構成した少なくとも2つの放電経路を設け、
第1放電経路の放電電極は少なくとも主燃焼室内に、第2放電経路の放電電極は副室内のみに配置し、
機関の運転状態に応じて、火花放電する放電経路を切り換えるように、前記主燃焼室内のガス状態と前記副室内のガス状態とを制御するガス状態可変装置を設けたことを特徴とする副室式内燃機関。 - 前記第1放電経路の放電電極の電極間距離と、前記第2放電経路の放電電極の電極間距離とを異ならせたことを特徴とする請求項1記載の副室式内燃機関。
- 前記第1放電経路の放電電極の電極形状と、前記第2放電経路の放電電極の電極形状とを異ならせたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の副室式内燃機関。
- 前記第1放電経路の放電電極の材質と、前記第2放電経路の放電電極の材質とを異ならせたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の副室式内燃機関。
- 前記第1放電経路の放電電極は、同一のガス状態にて、前記第2放電経路の放電電極よりも火花放電する電圧が低いことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の副室式内燃機関。
- 前記副室を内部に形成すると共に、前記主燃焼室側に先端部を形成したキャップ部材を有し、前記第1放電経路の少なくとも1つの放電電極を前記キャップ部材の先端部に、前記第2放電経路の放電電極を前記キャップ部材内にそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の副室式内燃機関。
- 前記第1放電経路は、前記主燃焼室内に配置される放電電極に直列に接続され前記副室内に配置された放電電極を有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の副室式内燃機関。
- 3つの放電経路を設け、前記第1放電経路の放電電極は前記主燃焼室内のみに、前記第2放電経路の放電電極は前記副室内のみに、第3放電経路の放電電極は前記主燃焼室内および前記副室内に配置したことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の副室式内燃機関。
- 前記ガス状態可変装置は、前記副室内の空燃比をリッチにする副室用燃料噴射弁であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の副室式内燃機関。
- 前記副室用燃料噴射弁は、前記主燃焼室内の空燃比が理論空燃比よりも希薄である運転状態の時に、前記副室内に燃料を噴射することを特徴とする請求項9記載の副室式内燃機関。
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- 2005-08-31 JP JP2005251390A patent/JP2007064101A/ja active Pending
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