JP2007063708A - 断熱コート紙およびそれを用いた断熱性紙容器 - Google Patents

断熱コート紙およびそれを用いた断熱性紙容器 Download PDF

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Abstract

【課題】紙基材に、断熱性塗工液の塗工によって得られる断熱コート紙で、廃棄物やリサイクルに係わる環境問題に配慮され、塗工適性と発泡適性および断熱性に優れ、かつ製造コストも嵩まない断熱コート紙及びそれを用いた断熱性紙容器の提供にある。
【解決手段】紙基材10の少なくとも片面に、断熱性塗工液による断熱用塗工層が施され、この断熱用塗工層が加熱発泡されて発泡断熱層12を形成する断熱コート紙1で、前記断熱性塗工液がガラス転移点が−40℃以上20℃以下の範囲のエチレン−ビニルアルコール樹脂を含む水溶液に閉鎖された空洞を有する中空粒子が分散しているものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、パルプを主原料とする基材に塗布により発泡層を施した断熱コート紙およびそれを用いた断熱性紙容器に関するものであり、特に、廃棄物やリサイクル(再利用)に係る環境に配慮され、食品用包装材に用いても安全で、かつ塗工適性、発泡適性および断熱性に優れ、製造コストも嵩まない断熱コート紙およびそれを用いた断熱性紙容器に関する。
従来、断熱カップなどに用いる断熱性に優れる壁体として、発泡ポリスチレンや発泡ポリエチレン等の壁体が使用されていて、この発泡ポリスチレンや発泡ポリエチレン等は製造が容易であり、発泡倍率が高く断熱効果もあることなどの理由から、広く使用されてきた。
しかし、近年の環境問題、特に産業廃棄物や一般廃棄物の増加に伴い、省資源・省エネルギーの促進とともに、これら石油製品でなる断熱カップなどの焼却処理において、環境ホルモン等の問題等が指摘されていて、極力使用しない方向で代替品の開発がなされ、実用化されている。
その一つの方法として、熱可塑性合成樹脂をラミネートした紙を加熱し、紙に含まれる水分が蒸発する際に、表面の熱可塑性合成樹脂フィルムを発泡させて断熱性に優れる壁体として使用する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、上記熱可塑性合成樹脂フィルムを発泡させる方法では、熱可塑性合成樹脂フィルムの発泡倍率がそれほど高くなく、断熱性が不十分なものであった。また、熱可塑性合成樹脂フィルムの発泡倍率が紙の水分含有率により左右され、水分含有率が低い場合には十分発泡しなかったり、高い場合には発泡は十分であるが、紙の強度が低下する等の問題があり、品質を管理するのが困難なものであった。
また、上記熱可塑性合成樹脂フィルムを発泡させる方法の問題点を解消するものとして、例えば、パルプを主材とした繊維材料に発泡性マイクロカプセルを添加して湿紙を抄造し(いわゆる内添法)、この湿紙を発泡性マイクロカプセルの発泡開始温度より低い温度で乾燥してから、これを90℃以上の高温水と接触させてマイクロカプセルを発泡させた断熱紙がある(例えば、特許文献2参照。)。
あるいは、この他に、例えばこの内添法による断熱紙の表面に防湿剤層を形成し、保存安定性を付与した断熱紙がある(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、上記のように発泡性マイクロカプセルが添加された湿紙を乾燥して発泡せしめた断熱紙は、その湿紙の低温乾燥に抄紙機に備えられているドライヤーでは、コントロールが困難であり、かつ一度乾燥したものを再度90℃以上の高温水と接触させて発泡させるという乾燥エネルギーの効率が悪く、省エネルギーの観点からおよび製造コストも嵩むという問題点と、断熱性という点ではさらに改善が望まれている。
さらにまた、閉鎖された空洞を有する中空粒子および繊維をバインダー樹脂に配合した断熱性層形成用塗料組成物をシート状に成形し、断熱性層とし、その一面側に通気性シート(不織布など)を積層した断熱材がある(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、上記繊維を含む断熱材(成形体)は、良好な断熱性層が形成されるが、その成形体に柔軟性を付与するため、パルプ系の繊維を塗料に混合してあるため、かつネットワーク構造を良好にするため、塗工条件が狭くなっている。さらに繊維の混合は、一般的な塗工液にの場合に比べ取扱いにくく、分散性の向上のための増粘剤の選択等に苦慮するという問題点があった。
以下に、上記先行技術文献を示す。
特公昭48−32283号公報 特開平05−230798号公報 特開2004−91976号公報 特開2001−240809号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、パルプを主原料とする基材に、断熱性塗工液の塗工によって得られる断熱コート紙において、廃棄物やリサイクルに係わる環境問題に配慮され、塗工適性と発泡適性および断熱性に優れ、かつ製造コストも嵩まない(エネルギーの削減に貢献する)断熱コート紙およびそれを用いた断熱性紙容器を提供することにある。
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず、請求項1の発明では、パルプを主原料とする基材の少なくとも片面に、断熱性塗工液による塗工層が施され、加熱発泡されてなる断熱コート紙において、前記断熱性塗工液がエチレン−ビニルアルコール樹脂を含む水溶液に閉鎖された空洞を有する中空粒子が分散していることを特徴とする断熱コート紙としたものである。
また、請求項2の発明では、前記エチレン−ビニルアルコール樹脂は、ガラス転移点が−40℃以上20℃以下の範囲であることを特徴とする請求項1記載の断熱コート紙としたものである。
また、請求項3の発明では、前記断熱コート紙の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層が施されていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項記載の断熱コート紙としたものである。
さらにまた、請求項4の発明では、上記請求項3記載の断熱コート紙を用いた断熱性紙容器としたものである。
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記請求項1に係る発明によれば、パルプを主原料とする基材の少なくとも片面に、断熱性塗工液による塗工層が施され、加熱発泡されてなる断熱コート紙において、前記断熱性塗工液がエチレン−ビニルアルコール樹脂を含む水溶液に閉鎖された空洞を有する中空粒子が分散している断熱コート紙とすることによって、従来のパルプを主材とした繊維材料に発泡性マイクロカプセルを添加して湿紙を抄造して発泡させた断熱紙に比べ、
乾燥エネルギー等が激減し、製造コストが嵩まず、かつ廃棄物に係わる環境問題に配慮され、断熱性にも優れた断熱紙とすることができる。
また、従来の閉鎖された空洞を有する中空粒子と繊維をバインダー樹脂に配合した断熱性層形成用塗料組成物をシート状に成形し、その一面側に通気性シート(不織布など)を積層した断熱材に比べ、塗工適性に優れ、製造コストの点でも有利な断熱コート紙とすることができる。
また、塗工塗工液としてエチレン−ビニルアルコール樹脂は、食品用の断熱コート紙には好適な水溶性樹脂として、かつ紙基材に塗布するための好適な水溶性バインダーとして多くの銘柄から選定できる効果がある。
また、上記請求項2に係る発明によれば、前記エチレン−ビニルアルコール樹脂をガラス転移点が−40℃以上20℃以下の範囲のものとすることによって、塗布膜の乾燥後において、表面のべとつきによるブロッキング現象などがなく、かつ内部に分散されている中空粒子(マイクロカプセル)の加熱発泡時に、割れたりせずに優れた断熱効果を示す断熱コート紙とすることができる。
ガラス転移点が−30℃に満たないエチレン−ビニルアルコール樹脂とすると、基材上で塗布、乾燥後でも表面がべとつき、ブロッキング現象を起こし易くなって断熱コート紙の製造が困難になり、逆にガラス転移点が20℃を越えるエチレン−ビニルアルコール樹脂とすると、断熱性が得られる条件が極端に狭くなる。すなわちこのエチレン−ビニルアルコール樹脂は、非常に取扱い易く、柔軟であるため、本発明の断熱性塗工液用のバインダーとして良好な傾向を示すが、このガラス転移点により、成膜(塗布)時に固くなり過ぎると、中空粒子が発泡し、求める断熱性層を形成する際に、その伸縮に膜自身が追随できず、割れてしまうという問題とともに、中空粒子自身も過発泡となり割れてしまうという問題があるので好ましくない。
また、上記請求項3に係る発明によれば、上記請求項記載の断熱コート紙の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層が施されていることによって、シール性および耐擦れ性、耐水性などが付与された断熱コート紙とすることができる。
さらにまた、上記請求項4に係る発明によれば、上記請求項3記載のシール性および耐擦れ性、耐水性などが付与された断熱コート紙を用い、塗工適性、発泡適性に優れ、乾燥エネルギー等を含め、製造コストが激減し、かつ廃棄物に係わる環境問題に配慮され、断熱性にも優れた断熱性紙容器とすることができる。
従って本発明は、紙基材に発泡層を施した断熱紙で、特に廃棄物に係る環境に配慮され、省エネルギーにも貢献する断熱コート紙およびそれを用いた断熱性紙容器として、優れた実用上の効果を発揮するものである。
以下本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の断熱コート紙の一事例を示す側断面図であり、図2および図3は、本発明の断熱コート紙とする前工程の断熱用積層体の一事例を示す側断面図である。また、図4は、本発明の断熱コート紙の他の一事例を示す側断面図であり、図5、図6、図7および図8は、本発明の断熱コート紙を用いた断熱性紙容器の各種一事例を示す説明図である。
本発明は、例えば、図1(a)の側断面図に示すように、パルプを主原料とする紙基材(10)の両面に、あるいは図1(b)に示すように、その片面に発泡断熱層(12)が施された断熱コート紙(1)に関するものであり、例えば、図5(b)の側断面概略図に示すような紙基材(10)の両面に発泡断熱層(12)が施され、さらにその片面に熱可塑性樹脂層(16)が施された断熱コート紙(1)を用い、その4コーナーで折り曲げシールして断熱性紙トレー(3)のような断熱性紙容器とするものである。
上記請求項1に係る発明は、例えば、図2(a)の側断面図に示すように、紙基材(10)の両面に、断熱性塗工液による断熱用塗工層(14)を施した断熱用積層体(2)とし、それを加熱発泡させて、図1(a)に示すように、紙基材(10)の両面に発泡断熱層(12)が形成された断熱コート紙(1)であり、この断熱用塗工層(14)を形成する断熱性塗工液は、エチレン−ビニルアルコール樹脂をバインダーとし、閉鎖された空洞を有する中空粒子としての発泡マイクロカプセルが分散されている水溶液でなるものである。
上記断熱用塗工層(14)を、例えば、図2(b)に示すように、紙基材(10)の片面にのみ施した断熱用積層体(2)とし、それを加熱発泡せしめて、例えば、図1(b)に示すように、紙基材(10)の片面に発泡断熱層(12)が施された断熱紙(1)とすることもできる。
また、上記請求項2に係る発明では、例えば、図2(a)に示すような断熱用塗工層(14)を形成するための断熱性塗工液で、そのバインダーとして使用するエチレン−ビニルアルコール樹脂を、そのガラス転移点が−40℃以上20℃以下の範囲のものとすることを特徴とするものである。
上記のような−40℃以上20℃以下の範囲のガラス転移点をもつエチレン−ビニルアルコール樹脂は、水性塗工液として取り扱えることから、紙基材(10)に対する塗工性などの点で非常に取扱い易く、かつ耐熱性もあり、食品用としても好適な樹脂であり、このガラス転移点が−40℃に満たないエチレン−ビニルアルコール樹脂の場合に起こる塗布乾燥後における表面のべとつき(ブロッキング)の危惧がなく、さらに断熱用塗工層(14)の形成時においても、ガラス転移点が10℃を越えた場合のように、その断熱用塗工層(14)が固くなることがなく、内部にある中空粒子(発泡性マイクロカプセル)が発泡したり、割れたりすることがない好適な樹脂である。
また、上記請求項3に係る発明は、例えば、図3(a)の側断面図に示すように、紙基材(10)の両面に断熱用塗工層(14)が施され、それら断熱用塗工層(14)上にそれぞれの熱可塑性樹脂層(16)が施された断熱用積層体(2)である。
上記で得られた断熱用積層体(2)を加熱発泡せしめると、例えば、図4(a)に示すように、紙基材(10)の両面に発泡断熱層(12)を有し、さらにその上に熱可塑性樹脂層(16)を有する断熱コート紙(1)とすることができる。
また、上記請求項3に係る発明の他の構成例として、例えば、図3(b)に示すように、紙基材(10)の片面に、断熱性塗工液による断熱用塗工層(14)が施され、この断熱用塗工層(14)の上およびこの断熱用塗工層(14)の面と反対側の面(断熱用塗工層(14)が施されていない面)に熱可塑性樹脂層(16)が施された断熱用積層体(2)とすることもできる。
上記で得られた断熱用積層体(2)を加熱発泡せしめると、例えば、図4(b)に示すように、紙基材(10)の片面に発泡断熱層(12)を有し、さらにその発泡断熱層(1
2)の面と他の面とに熱可塑性樹脂層(16)を有する断熱コート紙(1)とすることができる。
以上のように、用途などによって、この断熱用塗工層(14)と熱可塑性樹脂層(16)との組合わせを変えることによって、それなりの特性をもたせた断熱コート紙(1)とすることができる。
また、上記請求項4に係る発明は、例えば、図4(a)あるいは図4(b)の側断面積層図に示すような両面あるいは片面に熱可塑性樹脂層(16)が施された断熱紙(1)を用いて、紙製トレーや紙製カップあるいは紙成形容器などの断熱性紙容器とするもので、例えば、図5(b)の側断面概略図に示すように、表面から発泡断熱層(12)、紙基材(10)、発泡断熱層(12)、最下層に熱可塑性樹脂層(16)が順に設けられた断熱コート紙(1)を用い、4コーナーで折り込みシールされた断熱紙トレー(3)とするものである。
また、例えば、図4(a)に示すように、外側から熱可塑性樹脂層(16)、発泡断熱層(12)、紙基材(10)、発泡断熱層(12)、最下層に熱可塑性樹脂層(16)が順に設けられた、すなわち最表面の発泡断熱層(12)の上にも熱可塑性樹脂層(16)を施して耐水性のある断熱コート紙(1)とし、図8の側断面図に示すように、この断熱コート紙(1)の4コーナーで折り込みシールして耐水性のある断熱紙トレー(3)とすることもできる。
あるいは、例えば、図5(a)に示すような、紙基材(10)の両面に断熱用塗工層(14)が施され、下部の断熱用塗工層(14)上に熱可塑性樹脂層(16)が施された断熱用積層体(2)とし、これを打ち抜いて紙製トレー用のブランクを得、このブランクを図5(c)に示すように、その4コーナーで折り込みシールされた紙製トレー(5)とし、この紙製トレー(5)をオーブン等を通過させて断熱用塗工層(14)を発泡させることによって、例えば、図5(b)に示すような断熱コート紙(1)でなる断熱紙トレー(3)とすることもできる。
さらにまた、上記請求項4に係る発明では、例えば、図6(a)の一部を取り出して拡大した拡大図を含む正面図に示すように、外側から熱可塑性樹脂層(16)、発泡断熱層(12)、紙基材(10)、発泡断熱層(12)、熱可塑性樹脂層(16)が順に積層されている断熱コート紙(1)を得る。
この断熱コート紙(1)を打ち抜いて胴部ブランクを得、これとは別に形成された底部ブランクとで断熱紙カップ(4)とするものである。
あるいは、上記請求項4に係る発明では、例えば、図6(b)の一部を取り出して拡大した一部拡大図に示すように、外側から熱可塑性樹脂層(16)、断熱用塗工層(14)、紙基材(10)、断熱用塗工層(14)、最内層が熱可塑性樹脂層(16)からなる断熱用積層体(2)とし、これを打ち抜いて胴部ブランクを得る。
これとは別に形成された底部ブランクとで紙製カップを作製し、この紙製カップをオーブン等を通過させて断熱用塗工層(14)を発泡させることによって、例えば、図6(a)に示すような断熱コート紙(1)でなる断熱紙カップ(4)とすることもできる。
さらにまた、上記請求項4に係る発明では、例えば、図7の正面図およびその一部を取り出して拡大した一部拡大図に示すように、熱可塑性樹脂層(16)、発泡断熱層(12)、紙基材(10)、発泡断熱層(12)、最内層が熱可塑性樹脂層(16)が順に積層
されている断熱コート紙(1)を打ち抜いて胴部ブランクを得、この胴部ブランクをを予め作製した紙カップ(20)の胴部に巻付け、その端縁でシールして断熱紙カップ(4)とすることもできる。
以下に、本発明の断熱コート紙(1)を構成する各層の材料や製法などについて説明する。
まず、本発明の断熱コート紙(1)を構成する紙基材としては、その用途によって厚みや種類が異なるが、一般的には、例えば200〜300g/m2 程度の板紙が使用され、コートマニラ、ノーコートマニラ、コート白ボール、ノーコート白ボール、古紙を原料とした黄ボール、チップボール、色ボール(クラフトボールも含む)などが挙げられ、特に食品用に使用する紙基材としては、蛍光染料を含まないバージンパルプを主原料とした紙で、例えば、上記マニラボールの一種であるコートまたはノーコートアイボリー、あるいはカップ原紙が好適に使用される。
また、断熱用塗工層(14)を構成する閉鎖された空胴を有する中空粒子すなわち発泡性マイクロカプセルは、外殻を形成する樹脂の軟化点以上に加熱されるとその樹脂が軟化し始め、同時に封入されてある低沸点溶剤が気化して蒸気圧が上昇し、その結果樹脂が押し広げられて膨張し、独立気泡を形成するもので、これにより優れた断熱性を得ることができる。これら発泡性マイクロカプセルとしては、松本油脂製薬株式会社製造の「マツモトマイクロスフェアF−30D」、「同F−30GS」、「同F−20D」、「同F−50D」や、日本フィライト株式会社販売の「エクスパンセルWU」、「同DU」等が知られているが、本発明に使用する発泡性マイクロカプセルはこれらに限定されるものではない。
この発泡性マイクロカプセルの含有量は、例えば、約30%程度の濃度のエチレン−ビニルアルコール樹脂をバインダーとする水溶液100部に対し、5部から30部程度で、好ましくは10部から20部程度の水性塗料(塗工組成物)とし、メイヤーバー等で紙基材(10)に塗布して断熱用塗工層(14)とすることができる。
また、紙基材(10)に断熱用塗工層(14)が施された断熱用積層体(2)に施す熱可塑性樹脂層(16)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン系共重合体等オレフィン系樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アイオノマーなどが挙げられ、その用途などによって適宜選定される。例えば、食品類に直接触れる内面に使用する場合などでは、シール性や衛生性を考慮して低密度ポリエチレン(LDPE)や中密度ポリエチレン(MDPE)が好適に使用される。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
30%濃度でガラス転移点が−20℃のエチレン−ビニルアルコール系樹脂:E280(ファースト化工社製)水溶液90部に、閉鎖された空洞を有する中空粒子としての発泡性マイクロカプセル:エクスパンセルWU(エクスパンセル社製)10部を添加して断熱用塗工液とした。
上記で得られた断熱用塗工液(水性塗料)をバージンパルプを用いた240g/m2 のアイボリー紙の表面に、メイヤーバーコーター機にて断熱用塗工層を施して、断熱用積層体を得た。その時の断熱用塗工液の塗工量は、40g/m2 (wet)であった。
上記で得られた断熱用積層体を150℃の通風オーブン中に2分間入れて断熱用塗工層
を発泡させ、発泡断熱層を有する断熱コート紙を作製した。
以下に、本発明の比較例について説明する。
エチレン−ビニルアルコール系樹脂に代え、ガラス転移点が16℃のS238(三井化学社製)とした以外は、実施例1と同様にして断熱コート紙を作製した。
以上の実施例で得られた断熱コート紙について評価を行った結果、
発泡性として:実施例1の断熱コート紙では、厚み60μmの断熱用塗工層が加熱発泡によって約210μmの発泡断熱層を形成していた。よって十分に断熱効果のある断熱コート紙であった。これに対し、比較のための実施例2では、厚み60μmの断熱用塗工層が80μmに留まり、膜割れなども大きく、発泡性マイクロカプセルの過発泡の傾向が見られた。
また、断熱性として:紙カップに得られた断熱コート紙を巻付け、95℃の熱湯を注入後、3分後の表面温度を測定したところ、実施例1のものでは70℃であったのに対し、実施例2のものでは81℃となり、明らかに断熱効果が明確なものであった。
本発明の断熱コート紙の一実施の形態を示すもので、(a)は、その一事例の側断面図であり、(b)は、他の一事例の側断面図である。 本発明の断熱コート紙を作製する前工程(発泡前)の断熱用積層体の一実施の形態を示すもので、(a)は、その一事例の側断面図であり、(b)は、他の一事例の側断面図である。 本発明の断熱コート紙を作製する前工程(発泡前)の断熱用積層体の他の実施の形態を示すもので、(a)は、その一事例の側断面図であり、(b)は、他の一事例の側断面図である。 本発明の断熱コート紙の他の実施の形態を示すもので、(a)は、その一事例の側断面図であり、(b)は、他の一事例の側断面図である。 本発明の断熱コート紙を用いた、あるいは断熱用積層体を用いた断熱性紙容器の一事例を示すもので、(a)は、それを作製するための断熱用積層体の一事例を示す側断面図であり、(b)は、断熱性紙容器の側断面図であり、(c)は、断熱性紙容器とする前工程の紙製容器の側断面図である。 本発明の断熱コート紙を用いた断熱性紙容器の他の事例を示す正面図であり、(a)は、その一部を取り出して拡大した一事例の部分拡大図であり、(b)は、他の事例の部分拡大図である。 本発明の断熱コート紙の一事例を紙カップに用いた正面図およびその一部を取り出して拡大した部分拡大図である。 本発明の断熱コート紙の他の一事例を用いた断熱性紙容器の事例を側断面で表した説明図である。
符号の説明
1‥‥断熱コート紙
2‥‥断熱用積層体
3‥‥断熱紙トレー
4‥‥断熱紙カップ
5‥‥紙製容器
10‥‥紙基材
12‥‥発泡断熱層
14‥‥断熱用塗工層
16‥‥熱可塑性樹脂層
20‥‥紙カップ

Claims (4)

  1. パルプを主原料とする基材の少なくとも片面に、断熱性塗工液による塗工層が施され、加熱発泡されてなる断熱コート紙において、前記断熱性塗工液がエチレン−ビニルアルコール樹脂を含む水溶液に閉鎖された空洞を有する中空粒子が分散していることを特徴とする断熱コート紙。
  2. 前記エチレン−ビニルアルコール樹脂は、ガラス転移点が−40℃以上20℃以下の範囲であることを特徴とする請求項1記載の断熱コート紙。
  3. 前記断熱コート紙の少なくとも片面に熱可塑性樹脂層が施されていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項記載の断熱コート紙。
  4. 上記請求項3記載の断熱コート紙を用いた断熱性紙容器。
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