JP2007063093A - 光ファイバの製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 長手方向における光学特性のばらつきを小さくすることができ、全長に渡って目標とする光学特性を有する光ファイバを高い精度で製造する。
【解決手段】 設定された製造パラメータに基づき光ファイバ母材を線引きする光ファイバの製造方法であって、前記線引き中の光ファイバの光学特性を測定する工程αと、前記工程αにより得られた測定結果に基づき、前記製造パラメータの設定を制御する工程βとを少なくとも備える光ファイバの製造方法とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 設定された製造パラメータに基づき光ファイバ母材を線引きする光ファイバの製造方法であって、前記線引き中の光ファイバの光学特性を測定する工程αと、前記工程αにより得られた測定結果に基づき、前記製造パラメータの設定を制御する工程βとを少なくとも備える光ファイバの製造方法とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光ファイバの製造方法および光ファイバの製造装置に関し、特に、線引き中の光ファイバの光学特性が所望の値となるように製造パラメータの設定を変更しつつ線引きする光ファイバの製造方法および製造装置に関するものである。
光ファイバ伝送路(以下、伝送路と呼ぶ)に信号光を伝搬させて光通信を行う光伝送システムでは、伝送路を伝搬する際の信号光の波形劣化を抑制するために、信号光波長(例えば、1.55μm)において伝送路の累積波長分散の絶対値が小さいことが望まれている。
ところが、一般に伝送路として用いられている標準的なシングルモード光ファイバ(以下、SMFと呼ぶ)は、波長1300nm付近に零分散波長を有しており、波長1550nmにおいての波長分散は、17ps/nm/km程度と大きい。このため、SMFのみを用いた信号光波長1550nmの伝送路では、信号光の波形劣化により高ビットレートの光通信を行うことが難しい。
そこで、波長1550nmにおいて波長分散が負である分散補償光ファイバ(以下、DCFと呼ぶ)を用いてSMFの波長分散を補償することで、平均波長分散の絶対値を低減することが行われている。
SMFおよびDCFの全体の平均波長分散の絶対値を低減するには、SMFとDCFとの長さやSMFの波長分散特性に応じて、DCFの波長分散および分散スロープが適切に設計され、かつ設計どおりに製造される必要がある。
SMFおよびDCFの全体の平均波長分散の絶対値を低減するには、SMFとDCFとの長さやSMFの波長分散特性に応じて、DCFの波長分散および分散スロープが適切に設計され、かつ設計どおりに製造される必要がある。
図9は、従来の光ファイバの製造方法に用いられる光ファイバの製造装置の一例の構成を説明するための図である。図9において、符号101は光ファイバ母材、符号102は紡糸炉、符号103は外径測定器、符号104、107は冷却装置、符号105、108は樹脂液塗布装置、符号106、109は硬化装置、符号110は光ファイバ素線、符号111はターンプーリー、符号112は引き取り装置、符号115は母材送り装置、符号117はファイバ裸線、符号118は1次被覆光ファイバ、符号121は被覆手段を示している。
図9に示す光ファイバの製造装置を用いて光ファイバを製造するには、まず、所望のファイバ裸線を得ることが可能な光ファイバ母材101を、母材送り装置115により紡糸炉102内に供給し、紡糸炉102により光ファイバ母材101の下端を溶融紡糸し、引き取り装置112により所定の線引き速度で、光ファイバ裸線117を形成する。次に、光ファイバ裸線117を被覆手段121により被覆材で被覆して光ファイバ素線110を形成し、ターンプーリー111によって別方向に向きが変えられ、引き取り機112を通過させて、光ファイバ素線受け容器113に納められる。
DCFは、コア領域とコア領域の外周に順に設けられた複数のクラッド領域とを有し、その各領域における比屈折率差およびそれらの外径が最適化されることで、所望の波長分散特性等の光学特性を実現している。しかし、例えば、図9に示す従来の光ファイバの製造装置を用いて上述した方法で光ファイバを製造した場合、光ファイバ母材101の加工精度や光ファイバ母材101の屈折率分布の測定精度が十分でないため、目標とする光学特性を有するDCFを高い精度で製造することは困難であった。
このような問題を解決するために、線引き開始の際に得られた一定長の光ファイバの波長分散および分散スロープを測定して、この測定結果に基づいて修正された目標線引き張力を求め、この目標線引き張力で線引きして得られた一定長の光ファイバの波長分散を測定して、この測定結果に基づいて修正された目標コア径を求め、光ファイバ母材の残部を目標線引き張力で線引きして光ファイバのコア径が目標コア径となるように線引きする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001-220167号公報
しかしながら、光ファイバ母材の製造において、コア領域および各クラッド領域の比屈折率差や外径を光ファイバ母材の長手方向で完全に均一に製造することは非常に困難である。また、光ファイバ母材を線引きして得られた光ファイバは、コアおよびクラッドガラスの熱膨張係数の違いが起因となって生じる熱応力や、線引き時に光ファイバに働く張力が起因となって生じる機械的応力が光ファイバ中に残留することにより、光ファイバ母材の屈折率分布と光ファイバの屈折率分布が異なってしまう。このため、光ファイバ母材の線引き開始の際に得られた光ファイバの光学特性と同等の光学特性を有する光ファイバは、線引き開始時しか得られない。
したがって、特許文献1に記載の技術では、長手方向における光学特性のばらつきが大きいという問題があり、全長に渡って目標とする光学特性を有する光ファイバを高い精度で製造することは困難であった。上記の問題は、DCF、SMF、ゼロ分散波長を限りなく励起光波長に近づける必要がある四光波混合用高非線形性ファイバ、波長分散特性がフラットでなおかつ伝搬方向に沿って分散が減少する分散フラット/減少ファイバを製造する際にも生じる。
また、この問題は、特に、コア径の変化に応じて波長分散特性が敏感に変化するDCFを製造する際に顕著であり、条長を調整する工程における誤差が大きいものとなってしまう。このため、条長を調整する工程において、必要な条長に余長を加えた長さでDCFを切り割りして波長分散を測定し、得られた波長分散の測定結果からカットする余長の長さを決めて、余長をカットするという余長処理を行なわなければならず、余長処理に伴う手間や時間がかかっていた。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、光ファイバの長手方向における光学特性のばらつきを抑制し、全長に渡って目標とする光学特性を有する光ファイバを高い精度で製造することができる光ファイバの製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る光ファイバの製造方法は、設定された製造パラメータに基づき光ファイバ母材を線引きする光ファイバの製造方法であって、前記線引き中の光ファイバの光学特性を測定する工程αと、前記工程αにより得られた測定結果に基づき、前記製造パラメータの設定を制御する工程βとを少なくとも備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る光ファイバの製造方法は、請求項1において、前記光学特性は、波長分散であることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る光ファイバの製造方法は、請求項1において、前記光学特性は、波長分散であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る光ファイバの製造方法は、請求項1または請求項2において、前記工程αは、前記光ファイバに曲げ損失を付与する工程を通過した後の光ファイバを用い、曲げ損失を付与している位置Sと線引きした光ファイバの先端位置Tとの間に延在する被測定光ファイバの光学特性を測定することを特徴とする。
本発明の請求項4に係る光ファイバの製造方法は、請求項3において、前記曲げ損失を付与している位置Sの光ファイバは、光ファイバ母材を溶融紡糸してなる光ファイバ裸線を被覆材で被覆した光ファイバ素線であることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る光ファイバの製造方法は、請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、前記工程βは、前記工程αにより得られた測定値と、光ファイバの光学特性の目標値とを比較した比較結果に基づき、前記製造パラメータを制御することを特徴とする。
本発明の請求項6に係る光ファイバの製造方法は、請求項1〜請求項5のいずれかにおいて、前記製造パラメータは、光ファイバ裸線の目標とする外径および/または前記光ファイバの目標とする線引き張力であることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る光ファイバの製造方法は、請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、前記製造パラメータを制御するために、前記光ファイバ母材を溶融紡糸する前記光ファイバ製造装置の紡糸炉内に前記光ファイバ母材を供給する供給速度、紡糸温度、線引き速度から選択される1以上の製造条件を調整することを特徴とする。
本発明の請求項7に係る光ファイバの製造方法は、請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、前記製造パラメータを制御するために、前記光ファイバ母材を溶融紡糸する前記光ファイバ製造装置の紡糸炉内に前記光ファイバ母材を供給する供給速度、紡糸温度、線引き速度から選択される1以上の製造条件を調整することを特徴とする。
本発明の請求項8に係る光ファイバの製造装置は、設定された製造パラメータに基づき光ファイバ母材を線引きする光ファイバ製造装置であって、前記線引き中の光ファイバの光学特性を測定する手段Aと、前記手段Aにより得られた測定結果に基づき、前記製造パラメータの設定を制御する手段Bとを少なくとも備えることを特徴とする。
本発明の請求項9に係る光ファイバの製造装置は、請求項8において、前記光学特性が、波長分散であることを特徴とする。
本発明の請求項9に係る光ファイバの製造装置は、請求項8において、前記光学特性が、波長分散であることを特徴とする。
本発明の請求項10に係る光ファイバの製造装置は、請求項8または請求項9において、さらに、前記光ファイバを通過させることにより前記光ファイバに曲げ損失を付与する手段Cを備え、前記手段Aは、線引きされた光ファイバの先端に配置され、前記手段Cの位置Sにある光ファイバと線引きした前記光ファイバの先端位置Tとの間に延在する被測定光ファイバの光学特性を測定することを特徴とする。
本発明の請求項11に係る光ファイバの製造装置は、請求項10において、前記光ファイバ母材を溶融紡糸して形成された光ファイバ裸線を被覆材で被う手段Dを備え、前記手段Cは、前記手段Dより後段に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項12に係る光ファイバの製造装置は、請求項10または請求項11において、前記手段Cは、前記光ファイバの線引き速度を制御する手段Eより後段に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項12に係る光ファイバの製造装置は、請求項10または請求項11において、前記手段Cは、前記光ファイバの線引き速度を制御する手段Eより後段に配置されていることを特徴とする。
本発明の請求項13に係る光ファイバの製造装置は、請求項8〜請求項12のいずれかにおいて、前記手段Bは、前記手段Aにより得られた測定値と、光ファイバの光学特性の目標値とを比較した比較結果に基づき、前記製造パラメータを制御するものであることを特徴とする。
本発明の請求項14に係る光ファイバの製造装置は、請求項8〜請求項13のいずれかにおいて、前記製造パラメータは、光ファイバ裸線の目標とする外径および/または前記光ファイバの目標とする線引き張力であることを特徴とする。
本発明の請求項15に係る光ファイバの製造装置は、請求項8〜請求項14のいずれかにおいて、前記光ファイバ母材を溶融紡糸する前記光ファイバ製造装置の紡糸炉内に前記光ファイバ母材を供給する供給速度、紡糸温度、線引き速度から選択される1以上の製造条件を調整することによって、前記製造パラメータを制御する手段Fを備えることを特徴とする。
本発明の請求項15に係る光ファイバの製造装置は、請求項8〜請求項14のいずれかにおいて、前記光ファイバ母材を溶融紡糸する前記光ファイバ製造装置の紡糸炉内に前記光ファイバ母材を供給する供給速度、紡糸温度、線引き速度から選択される1以上の製造条件を調整することによって、前記製造パラメータを制御する手段Fを備えることを特徴とする。
本発明の請求項16に係る光ファイバの製造装置は、請求項8〜請求項15のいずれかにおいて、固定された巻取り軸に、線引きされた光ファイバを巻き取る手段Gを備えることを特徴とする。
本発明の請求項17に係る光ファイバの製造装置は、請求項8〜請求項15のいずれかにおいて、前記手段Aの光送受信部は、回転することにより光ファイバを巻き取るボビンと一体化されていることを特徴とする。
本発明の請求項17に係る光ファイバの製造装置は、請求項8〜請求項15のいずれかにおいて、前記手段Aの光送受信部は、回転することにより光ファイバを巻き取るボビンと一体化されていることを特徴とする。
本発明によれば、長手方向における光学特性のばらつきを小さくすることができ、全長に渡って目標とする光学特性を有する光ファイバを高い精度で製造することができる光ファイバの製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、本発明の光ファイバの製造方法を実現できる光ファイバの製造装置を提供できる。
また、本発明によれば、本発明の光ファイバの製造方法を実現できる光ファイバの製造装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
「第1実施形態」
図1は、本発明の第1実施形態の光ファイバの製造方法に用いられる本発明の光ファイバの製造装置の一例の構成を説明するための図である。図1において、符号1は光ファイバ母材、符号2は紡糸炉、符号3は外径測定器、符号4、7は冷却装置、符号5、8は樹脂液塗布装置、符号6、9は硬化装置、符号10は光ファイバ素線、符号11はターンプーリー、符号12は引き取り装置(手段E)、符号14は光学特性測定装置(手段A)、符号15は母材送り装置、符号16は製造条件制御部(手段B、手段F)、符号17はファイバ裸線、符号18は1次被覆光ファイバ、符号20は曲げ付与装置(手段C)、符号21は被覆手段(手段D)、符号38は光ファイバ巻取り手段を示している。
「第1実施形態」
図1は、本発明の第1実施形態の光ファイバの製造方法に用いられる本発明の光ファイバの製造装置の一例の構成を説明するための図である。図1において、符号1は光ファイバ母材、符号2は紡糸炉、符号3は外径測定器、符号4、7は冷却装置、符号5、8は樹脂液塗布装置、符号6、9は硬化装置、符号10は光ファイバ素線、符号11はターンプーリー、符号12は引き取り装置(手段E)、符号14は光学特性測定装置(手段A)、符号15は母材送り装置、符号16は製造条件制御部(手段B、手段F)、符号17はファイバ裸線、符号18は1次被覆光ファイバ、符号20は曲げ付与装置(手段C)、符号21は被覆手段(手段D)、符号38は光ファイバ巻取り手段を示している。
図1に示す光ファイバの製造装置を構成するターンプーリー11は、光ファイバ素線10の向きを別方向に変えるものであり、張力計としての機能を備えたものである。
また、引き取り装置12は、通過している光ファイバ素線10の長さを線引きされた光ファイバの紡糸距離として測定する長さ測定手段としての機能を備えたものである。
また、引き取り装置12は、通過している光ファイバ素線10の長さを線引きされた光ファイバの紡糸距離として測定する長さ測定手段としての機能を備えたものである。
図1に示す曲げ付与装置20は、通過している光ファイバに曲げ損失を付与するものである。曲げ付与装置20は、図1に示すように、引き取り装置12と光学特性測定装置14との間に配置されることにより、光ファイバ裸線17を被覆材で被覆する被覆手段21および引き取り装置12よりも後段に配置されている。
図2は、図1に示す曲げ付与装置20および光ファイバ巻取り手段38の構成を説明するための図である。
曲げ付与装置20は、図2に示すように、前段側から順に、ターンプーリー31、ダンサー32が備えられたものである。ダンサー32は、ダンサーとしての機能と光ファイバに曲げ損失を付与する機能を備えたものである。より詳細には、ダンサー32は、2つのプーリー32a、32bを備え、2つのプーリー32a、32b間の距離を調節することにより、光ファイバにかかる張力を調整するものである。また、プーリー32aは、光ファイバに曲げ損失を付与するものであり、プーリー32bは、ターンプーリー31を通過した光ファイバを受け取ると共に、プーリー32aを通過した光ファイバを光ファイバ巻取り手段38に送り出すものである。光ファイバは、プーリー32aを通過する前後で進行方向を180度変えられてプーリー32aの直径によって決定される曲率に沿って曲げられることで、曲げ損失が付与される。
曲げ付与装置20は、図2に示すように、前段側から順に、ターンプーリー31、ダンサー32が備えられたものである。ダンサー32は、ダンサーとしての機能と光ファイバに曲げ損失を付与する機能を備えたものである。より詳細には、ダンサー32は、2つのプーリー32a、32bを備え、2つのプーリー32a、32b間の距離を調節することにより、光ファイバにかかる張力を調整するものである。また、プーリー32aは、光ファイバに曲げ損失を付与するものであり、プーリー32bは、ターンプーリー31を通過した光ファイバを受け取ると共に、プーリー32aを通過した光ファイバを光ファイバ巻取り手段38に送り出すものである。光ファイバは、プーリー32aを通過する前後で進行方向を180度変えられてプーリー32aの直径によって決定される曲率に沿って曲げられることで、曲げ損失が付与される。
また、本実施形態の曲げ付与装置20では、プーリー32aの直径を適宜決定することにより、光ファイバに適切な曲げ付与角度で曲げ損失が付与されるようになっている。曲げ付与装置20によって付与される必要な曲げ付与角度は、光ファイバの種類によって異なる。例えば、光ファイバがSMF、ノンゼロ分散シフトファイバ(Non-Zero Dispersion-Shifted Fiber:NZ−DSF)、分散スロープ補償分散補償ファイバ(Slope Compensation-Dispersion Compensation Fiber:SC−DCF)である場合には、プーリー32aの直径を10mm以下とすることで、光ファイバに十分な曲げ損失を付与できる。また、光ファイバが高非線形性ファイバである場合には、プーリー32aの直径を5mm以下とすることで、光ファイバに十分な曲げ損失を付与できる。
なお、プーリー32bの直径は、プーリー32aと同じとすることができるが、同じでなくてもよい。
なお、プーリー32bの直径は、プーリー32aと同じとすることができるが、同じでなくてもよい。
また、光ファイバ巻取り手段38は、図2に示すように、前段側から順に、プーリー33、位置固定コロ34、35、ガイドコロ56、光ファイバ素線受け容器13が備えられたものである。位置固定コロ34、35は、図2に示すように、互いの向きが直交するように配置されたものであり、ガイドコロ56の所定の位置に光ファイバを供給するものである。ガイドコロ56は、位置固定コロ34、35を通過した光ファイバを光ファイバ素線受け容器13に供給するものである。
図1において、光学特性測定装置14は、線引きした光ファイバの先端22に配置されている。光学特性測定装置14は、図2に示す曲げ付与装置20のダンサー32を通過していることにより曲げ損失が付与されている曲げ付与装置位置の光ファイバ23と、光ファイバの先端22との間に延在する被測定光ファイバ24の光学特性として波長分散を測定するものである。また、光学特性測定装置14は、光ファイバの先端22から測定用の光を入射して、被測定光ファイバ24の曲げ付与装置位置での後方散乱光を検出することによって光学特性を測定するものである。後方散乱光の強度は、光ファイバの長さおよびモードフィールド径(MFD)に依存するので、後方散乱光の強度と、曲げ付与装置位置の光ファイバ23の位置とを測定することにより、モードフィールド径(MFD)を測定することが可能である。また、モードフィールド径と波長分散との間には相関関係があるので、後方散乱光の強度と、曲げ付与装置位置の光ファイバ23の位置とを測定することにより、波長分散を測定することが可能である。
測定用の光としては、例えば、2波長の光を合波した光パルスとすることができる。2波長の光を合波した光パルスを光ファイバの先端22から入射した場合、2波長で出現した4波混合光(FWM)の曲げ付与装置位置の光ファイバ23による後方散乱光の検出時間と光強度とを測定することにより被測定光ファイバ24の波長分散を測定できる(以下、「4波混合光法」という)。
また、測定用の光としては、波長の異なる複数の光とすることができる。波長の異なる複数の光を光ファイバの先端22から入射した場合、曲げ付与装置位置の光ファイバ23による後方散乱光の検出時間を波長ごとに測定することにより被測定光ファイバ24の波長分散を測定できる(以下、「多波長法」という)。多波長法は、例えば、光ファイバの零分散波長と通信信号波長の波長距離が4波混合光を励起する場合などに好ましく用いられる。
光学特性測定装置14としては、例えば、数波長の光源を有し、1300nm〜1600nm帯の波長範囲で光ファイバの分散を測定することができ、繰り返し再現性が±0.05ps/(nm/km)であるものを使用することができる。具体的には、光パルス試験器MW9076D1「アンリツ株式会社製」などを好適に使用できる。
図1に示す光ファイバの製造装置は、製造条件制御部16に制御させて製造条件を調整することによって、設定された製造パラメータで光ファイバ母材を線引きするものである。製造条件制御部16は、光学特性測定装置14における測定結果に基づいて、製造パラメータの設定を更新する更新手段としても機能する。
製造条件制御部16としては、PC(パーソナルコンピュータ)を用いることができる。製造条件制御部16としての機能は、製造条件制御部16としての機能を実現するためのプログラムを、PCに備わるメモリにロードしてCPU(中央処理装置)が実行することによりその機能が実現されるものとする。
製造条件制御部16としては、PC(パーソナルコンピュータ)を用いることができる。製造条件制御部16としての機能は、製造条件制御部16としての機能を実現するためのプログラムを、PCに備わるメモリにロードしてCPU(中央処理装置)が実行することによりその機能が実現されるものとする。
図1に示すように、製造条件制御部16には、紡糸炉2、外径測定器3、ターンプーリー11、引き取り装置12、光学特性測定装置14、母材送り装置15が電気的に接続されている。また、製造条件制御部16には、外径測定器3によって測定される光ファイバ裸線17の外径と、ターンプーリー11によって測定される光ファイバの線引き張力と、引き取り装置12によって測定される光ファイバの紡糸距離と、光学特性測定装置14によって測定される波長分散の測定結果が、単位時間や単位紡糸距離などに基づいて決定されるあらかじめ設定された測定間隔で入力されるようになっている。
また、製造条件制御部16によって、母材送り装置15を制御することにより紡糸炉2内に光ファイバ母材1を供給する供給速度が調整され、紡糸炉2を制御することにより紡糸温度が調整され、引き取り装置12を制御することにより線引き速度が調整されることによって、設定された製造パラメータで光ファイバ母材が線引きされるようになっている。
製造パラメータは、光ファイバ母材を線引きする前にあらかじめ設定され、上述したように、光学特性測定装置14における測定結果と、目標とする光ファイバの光学特性とを比較した比較結果に基づいて製造条件制御部16によって更新される。製造パラメータとしては、外径測定器3によって測定される光ファイバ母材1を溶融紡糸して形成された光ファイバ裸線17の目標とする外径およびターンプーリー11によって測定される光ファイバの目標とする線引き張力とすることができる。なお、製造パラメータの更新間隔は、単位時間や単位紡糸距離などに基づいて決定されるあらかじめ設定された間隔とすることができる。
また、製造条件としては、光ファイバ母材1を溶融紡糸する紡糸炉2内に光ファイバ母材1を供給する供給速度、紡糸温度、線引き速度から選択される1以上の製造条件とすることができる。
図1に示す光ファイバの製造装置を用いて光ファイバを製造するには、まず、所望のファイバ裸線を得ることが可能な光ファイバ母材1を用意する。次いで、用意した光ファイバ母材1の屈折率分布をプリフォームアナライザにより測定することにより、光ファイバ母材1が使用可能なものであることを確認する。
一方、製造パラメータ、製造パラメータに対応する製造条件、製造パラメータの更新間隔、光ファイバ裸線17の外径の測定間隔、線引き張力の測定間隔、波長分散の測定間隔があらかじめ設定され、製造条件制御部16に記憶されている。
その後、図1に示すように、光ファイバ母材1を母材送り装置15に収容して、製造パラメータに対応する供給速度で母材送り装置15により紡糸炉2内に光ファイバ母材1を供給し、アルゴンやヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で、製造パラメータに対応する紡糸温度で紡糸炉2により光ファイバ母材1の下端を溶融紡糸し、引き取り装置12により製造パラメータに対応する線引き速度で、光ファイバ裸線17を形成する(紡糸工程)。得られたファイバ裸線17の外径は、あらかじめ設定された測定間隔で外径測定器3によって測定され、得られた測定結果は製造条件制御部16に入力される。
次に、被覆手段21により光ファイバ裸線17を被覆材で被覆して光ファイバ素線10を形成する(被覆工程)。
被覆工程では、まず、図1に示すように、外径が測定された光ファイバ裸線17を被覆層の形成に好適な温度まで冷却装置4で冷却し、樹脂液塗布装置5により光ファイバ裸線17の外周面に一次被覆層となる被覆材を塗布する。続いて、硬化装置6により被覆材が硬化されることにより、光ファイバ裸線17が一次被覆層で被覆された1次被覆光ファイバ18とされる。
次に、図1に示すように、1次被覆光ファイバ18を被覆層の形成に好適な温度まで冷却装置7で冷却し、樹脂液塗布装置8により1次被覆光ファイバ18の外周面に二次被覆層となる被覆材を塗布する。続いて、硬化装置9により被覆材が硬化されることにより、1次被覆光ファイバ18が二次被覆層で被覆された光ファイバ素線10とされる。
被覆工程において使用される被覆材としては、紫外線硬化樹脂などを挙げることができ、一次被覆層と二次被覆層とは同じものであっても異なるものであってもよい。
被覆工程では、まず、図1に示すように、外径が測定された光ファイバ裸線17を被覆層の形成に好適な温度まで冷却装置4で冷却し、樹脂液塗布装置5により光ファイバ裸線17の外周面に一次被覆層となる被覆材を塗布する。続いて、硬化装置6により被覆材が硬化されることにより、光ファイバ裸線17が一次被覆層で被覆された1次被覆光ファイバ18とされる。
次に、図1に示すように、1次被覆光ファイバ18を被覆層の形成に好適な温度まで冷却装置7で冷却し、樹脂液塗布装置8により1次被覆光ファイバ18の外周面に二次被覆層となる被覆材を塗布する。続いて、硬化装置9により被覆材が硬化されることにより、1次被覆光ファイバ18が二次被覆層で被覆された光ファイバ素線10とされる。
被覆工程において使用される被覆材としては、紫外線硬化樹脂などを挙げることができ、一次被覆層と二次被覆層とは同じものであっても異なるものであってもよい。
次に、光ファイバ素線10は、図1に示すように、ターンプーリー11によって別方向に向きを変えられる。このとき、ターンプーリー11によって、あらかじめ設定された測定間隔で線引き張力が測定される。ここで得られた線引き張力の測定結果は製造条件制御部16に入力される。
その後、ターンプーリー11によって向きを変えられた光ファイバ素線10は、図1に示すように、製造パラメータに対応する線引き速度で線引きする引き取り機12を通過する。このとき、引き取り装置12によって、通過した光ファイバ素線10の長さが線引きされた光ファイバの紡糸距離として測定され、得られた紡糸距離の測定結果は製造条件制御部16に入力される。次いで、図2に示すように、ターンプーリー31、ダンサー32、プーリー33、位置固定コロ34、35、ガイドコロ56を通過し、光ファイバ素線受け容器13に納められ、線引きされた光ファイバの先端22が、光学特性測定装置14に接続される。そして、光学特性測定装置14により、曲げ付与装置位置の光ファイバ23と、光ファイバの先端22との間に延在する被測定光ファイバ24の波長分散が、あらかじめ設定された測定間隔で測定される(工程α)。ここで得られた波長分散の測定結果は製造条件制御部16に入力される。
波長分散の測定結果が製造条件制御部16に入力されると、被測定光ファイバ24の波長分散の測定結果と、目標とする光ファイバの光学特性とを比較した比較結果に基づいて、比較結果が所定の範囲内となるように製造条件制御部16によって、あらかじめ設定された更新間隔で製造パラメータの設定が更新される(工程β)。なお、製造パラメータの更新は、線引きを継続しながら行なわれる。
製造パラメータが更新されると、製造条件制御部16によって上述した1以上の製造条件が調整され、更新された製造パラメータとなるように光ファイバ母材1が線引きされる。なお、製造条件制御部16を、外径測定器3およびターンプーリー11によって測定された測定結果に基づいて、製造条件制御部16に記憶されている製造パラメータに対応する製造条件を更新するものとすることで、より正確に、設定された製造パラメータとなる光ファイバ母材が線引きされるように製造条件を制御できる。
本実施形態の光ファイバの製造方法によれば、線引き中の被測定光ファイバ24の波長分散を測定する光学特性測定工程と、光学特性測定工程における測定結果に基づいて、製造パラメータの設定を更新する更新工程とを備えるので、線引き中の光ファイバの波長分散が所望の値となるように製造パラメータの設定を変更しつつ製造することができる。よって、本実施形態によれば、長手方向における波長分散のばらつきを小さくすることができ、全長に渡って目標とする波長分散を有する光ファイバを高い精度で製造することができる。
また、本実施形態によれば、長手方向で完全に均一でない光ファイバ母材1を用いた場合や、光ファイバ母材1の屈折率分布と線引き後の光ファイバの屈折率分布とが異なる場合でも、全長に渡って目標とする波長分散を有する光ファイバを高い精度で製造することができる。
さらに、本実施形態によれば、長手方向における波長分散のばらつきを小さくすることができるので、条長を調整する工程における誤差が小さいものとなる。よって、例えば、DCFを製造した場合の条長を調整する工程において従来行なっていた余長処理を行なう必要はなく、余長処理に伴う手間や時間がかからない。
また、本実施形態の光ファイバの製造方法および製造装置は、SMF、コア径の変化に応じて波長分散特性が敏感に変化するDCF、ゼロ分散波長を限りなく励起光波長に近づける必要がある四光波混合用高非線形性ファイバや、波長分散特性がフラットでなおかつ伝搬方向に沿って分散が減少する分散フラット/減少ファイバを製造する際にも好適に使用できる。
また、本実施形態の光ファイバの製造方法では、光学特性測定工程において、曲げ付与装置20のダンサー32を通過していることにより曲げ損失が付与されている曲げ付与装置位置の光ファイバ23と、線引きした光ファイバの先端22との間に延在する被測定光ファイバ24の波長分散を測定するので、光学特性測定装置14を光ファイバの先端22に接続するのみで、被測定光ファイバ24の波長分散を測定することができる。
また、本実施形態の光ファイバの製造装置では、曲げ付与装置20が、被覆手段21よりも後段に配置されているので、曲げ付与装置位置の光ファイバ23が、光ファイバ素線10となり、光ファイバ裸線17を曲げ付与装置位置の光ファイバとした場合と比較して、曲げ付与装置20を通過させることによる損傷の発生を防ぐことができる。
また、曲げ付与装置20が、引き取り装置12よりも後段に配置されているので、曲げ付与装置位置の光ファイバ23が、引き取り装置12を通過した後のものとなり、線引き張力が付与されていない線引きされた光ファイバとなる。よって、線引き張力に起因する光ファイバの光学特性の変化を加味して、製造パラメータの設定が更新されることになり、より一層、長手方向における光学特性のばらつきの小さい光ファイバを製造することができる。
また、曲げ付与装置20が、引き取り装置12よりも後段に配置されているので、曲げ付与装置位置の光ファイバ23が、引き取り装置12を通過した後のものとなり、線引き張力が付与されていない線引きされた光ファイバとなる。よって、線引き張力に起因する光ファイバの光学特性の変化を加味して、製造パラメータの設定が更新されることになり、より一層、長手方向における光学特性のばらつきの小さい光ファイバを製造することができる。
また、本実施形態の光ファイバの製造方法では、更新工程において、光学特性測定工程における測定結果と、目標とする光ファイバの光学特性とを比較した比較結果に基づいて、製造パラメータを更新することにより、比較結果が所定の範囲内となるようにすることで、より一層、長手方向における光学特性のばらつきの小さい光ファイバを製造することができる。
また、本実施形態の光ファイバの製造装置によれば、光ファイバの無張力時の光学特性を光学特性測定装置14によって測定できるので、信頼性の高い測定結果が得られる。
また、本実施形態の光ファイバの製造装置によれば、光ファイバの無張力時の光学特性を光学特性測定装置14によって測定できるので、信頼性の高い測定結果が得られる。
また、本実施形態においては、製造パラメータを、光ファイバ裸線17の目標とする外径および目標とする線引き張力としたので、製造パラメータの設定を更新することで、線引き中の光ファイバの波長分散が所望の値となるように高精度で制御することができる。
また、本実施形態においては、製造パラメータを、紡糸炉2内に光ファイバ母材1を供給する供給速度、紡糸温度、線引き速度から選択される1以上の製造条件を調整することによって制御するので、製造条件を調整することによって高精度に製造パラメータを制御できる。
また、本実施形態においては、製造パラメータを、紡糸炉2内に光ファイバ母材1を供給する供給速度、紡糸温度、線引き速度から選択される1以上の製造条件を調整することによって制御するので、製造条件を調整することによって高精度に製造パラメータを制御できる。
「第2実施形態」
図3は、本発明の第2実施形態の光ファイバの製造装置の他の例の構成を説明するための図である。本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の符号を付したものは、第1実施形態と同一のものを示し、重複する説明を省略する。本実施形態の光ファイバの製造装置が図1および図2に示す光ファイバの製造装置と異なるところは、図2に示す光ファイバ巻取り手段38に代えて、図3に示す光ファイバ巻取り手段30(手段G)が配置されている点である。
図3は、本発明の第2実施形態の光ファイバの製造装置の他の例の構成を説明するための図である。本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の符号を付したものは、第1実施形態と同一のものを示し、重複する説明を省略する。本実施形態の光ファイバの製造装置が図1および図2に示す光ファイバの製造装置と異なるところは、図2に示す光ファイバ巻取り手段38に代えて、図3に示す光ファイバ巻取り手段30(手段G)が配置されている点である。
図3に示す光ファイバ巻取り手段30は、光ファイバを束取り法で巻き取るためのものであり、前段側から順に、プーリー33、位置固定コロ34、35、ガイドコロ36、光ファイバ受け37が備えられたものである。
図3に示すガイドコロ36は、位置固定コロ34、35を通過した光ファイバを8字状に反復運動しながら光ファイバ受け37に供給するものである。光ファイバ受け37には、線引きされた光ファイバが供給される方向と平行な方向に設けられた2つの巻取り軸37a、37bが固定されている。
また、本実施形態の光ファイバの製造装置においても、第1実施形態と同様に、光学特性測定装置14が、線引きした光ファイバの先端22に配置されている。
図3に示すガイドコロ36は、位置固定コロ34、35を通過した光ファイバを8字状に反復運動しながら光ファイバ受け37に供給するものである。光ファイバ受け37には、線引きされた光ファイバが供給される方向と平行な方向に設けられた2つの巻取り軸37a、37bが固定されている。
また、本実施形態の光ファイバの製造装置においても、第1実施形態と同様に、光学特性測定装置14が、線引きした光ファイバの先端22に配置されている。
本実施形態の光ファイバの製造装置では、引き取り装置12を通過した光ファイバは、図3に示すように、第1実施形態と同様に、ターンプーリー31によって別方向に向きを変えられ、ダンサー32を通過することにより適切な曲げ付与角度で曲げ損失が付与される。
そして、プーリー33を通過した光ファイバは、位置固定コロ34、35を通過してガイドコロ36に供給され、8字状に反復運動するガイドコロ36によって光ファイバ受け37に供給されて、2つの固定された巻取り軸37a、37bに巻き取られる。
そして、プーリー33を通過した光ファイバは、位置固定コロ34、35を通過してガイドコロ36に供給され、8字状に反復運動するガイドコロ36によって光ファイバ受け37に供給されて、2つの固定された巻取り軸37a、37bに巻き取られる。
本実施形態の光ファイバの製造装置によれば、固定された巻取り軸37a、37bに光ファイバを巻き取る巻き取り手段30を備えているので、既に巻取り軸37a、37bに巻きつけられた光ファイバを動かすことなく、巻取り軸37a、37bに巻きつけられた光ファイバ上にさらに光ファイバを巻き取ることができるので、光学特性測定手段14と光ファイバの先端22との接続が容易で安定したものとなる。
また、本実施形態の光ファイバの製造装置によれば、光ファイバの無張力時の光学特性を光学特性測定装置14によって測定できるので、信頼性の高い測定結果が得られる。
また、本実施形態の光ファイバの製造装置によれば、光ファイバの無張力時の光学特性を光学特性測定装置14によって測定できるので、信頼性の高い測定結果が得られる。
「第3実施形態」
図4は、本発明の第3実施形態の光ファイバの製造装置の他の例の構成を説明するための図であり、光ファイバの製造装置の光ファイバ巻取り手段と光学特性測定手段のみを示した図である。図4において図3と同一の符号を付したものは、図4と同一のものを示し、重複する説明を省略する。
図4は、本発明の第3実施形態の光ファイバの製造装置の他の例の構成を説明するための図であり、光ファイバの製造装置の光ファイバ巻取り手段と光学特性測定手段のみを示した図である。図4において図3と同一の符号を付したものは、図4と同一のものを示し、重複する説明を省略する。
本実施形態の光ファイバの製造装置では、図4に示すように、光学特性測定手段は、光送受信部41と光送受信部41を制御する制御部42とからなるものとされている。光送受信部41は、測定用の光を入射する入射部や測定に用いる光を受光する受光部を備えたものであり、光ファイバ巻取り手段40と別個に設けられ、制御部42と無線通信により接続可能とされている。
また、本実施形態の光ファイバの製造装置では、図4に示すように、光ファイバ巻取り手段40は、光ファイバをボビン巻き取り法で巻き取るためのものであり、回転することにより光ファイバを巻き取るボビン43を備えている。ボビン43には、光学特性測定手段を構成する光送受信部41が一体化され、光送受信部41には、線引きした光ファイバの先端22が接続されている。
また、本実施形態の光ファイバの製造装置では、図4に示すように、光ファイバ巻取り手段40は、光ファイバをボビン巻き取り法で巻き取るためのものであり、回転することにより光ファイバを巻き取るボビン43を備えている。ボビン43には、光学特性測定手段を構成する光送受信部41が一体化され、光送受信部41には、線引きした光ファイバの先端22が接続されている。
本実施形態の光ファイバの製造装置では、引き取り装置12を通過した光ファイバは、図4に示すように、第1実施形態と同様にターンプーリー31によって別方向に向きを変えられ、ダンサー32を通過することにより適切な曲げ付与角度で曲げ損失が付与され、ボビン43に巻き取られる。
本実施形態の光ファイバの製造装置によれば、光学特性測定手段を構成する光送受信部41がボビン43と一体化されているので、回転することによりボビン43に光ファイバを巻き取る際に、光送受信部41がボビン43と一緒に回転するものとなり、光学特性測定手段の光送受信部41と光ファイバの先端22との接続が容易で安定したものとなる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、製造パラメータは、光ファイバ裸線17の目標とする外径と目標とする線引き張力の両方としてもよいし、いずれか一方としてもよい。
また、図3に示す光ファイバ巻取り手段30においては、光ファイバ受け37の固定された巻取り軸37a、37bに、8字状に反復運動するガイドコロ36によって光ファイバが巻き取られるものとしたが、固定された巻取り軸に光ファイバを巻き取ることができればいかなるものであっても巻取り軸37a、37bおよびガイドコロ36に代えることができる。例えば、固定された1つの巻取り軸に、巻取り軸を中心として回動運動するガイドコロによって光ファイバが巻き取られるものとすることができる。
また、図4に示す光ファイバ巻取り手段40においては、光送受信部41と制御部42とを無線通信により接続可能なものとしたが、光送受信部41と制御部42とを有線により接続したものとしてもよい。
以下、実施例を示して、本発明を詳しく説明する。
「実験例1」
図3に示す本発明の第2実施形態の光ファイバの製造装置を用いて、以下に示すように分散補償光ファイバを製造した。
すなわち、波長分散が−100ps/nm/km、モードフィールド径が3.9μm、有効コア断面積が12μm2である光ファイバ母材1を用意し、用意した光ファイバ母材1の屈折率分布をプリフォームアナライザにより測定することにより、光ファイバ母材1が使用可能なものであることを確認した。
「実験例1」
図3に示す本発明の第2実施形態の光ファイバの製造装置を用いて、以下に示すように分散補償光ファイバを製造した。
すなわち、波長分散が−100ps/nm/km、モードフィールド径が3.9μm、有効コア断面積が12μm2である光ファイバ母材1を用意し、用意した光ファイバ母材1の屈折率分布をプリフォームアナライザにより測定することにより、光ファイバ母材1が使用可能なものであることを確認した。
一方、製造パラメータ、製造パラメータに対応する製造条件、製造パラメータの更新間隔、光ファイバ裸線17の外径の測定間隔、線引き張力の測定間隔、波長分散の測定間隔を以下に示すようにあらかじめ設定し、製造条件制御部16に記憶させた。
(製造パラメータ)
光ファイバ裸線の目標とする外径:125μm
目標とする線引き張力:280g
(製造パラメータの更新間隔)紡糸距離10m毎
(光ファイバ裸線の外径の測定間隔)紡糸距離0.0075m毎
(線引き張力の測定間隔)紡糸距離0.75m毎
(波長分散の測定間隔)紡糸距離10m毎に1550nmの波長分散を測定
(製造パラメータ)
光ファイバ裸線の目標とする外径:125μm
目標とする線引き張力:280g
(製造パラメータの更新間隔)紡糸距離10m毎
(光ファイバ裸線の外径の測定間隔)紡糸距離0.0075m毎
(線引き張力の測定間隔)紡糸距離0.75m毎
(波長分散の測定間隔)紡糸距離10m毎に1550nmの波長分散を測定
その後、光ファイバ母材1を母材送り装置15に収容して、所定の供給速度で母材送り装置15により紡糸炉2内に光ファイバ母材1を供給し、Ar、He雰囲気中で、紡糸温度2000℃で紡糸炉2により光ファイバ母材1の下端を溶融紡糸し、引き取り装置12により所定の線引き速度で、外径125μmの光ファイバ裸線17を形成した(紡糸工程)。
次に、被覆手段21により光ファイバ裸線17をアクリレートからなる被覆材で被覆して厚み200μmの一次被覆層および厚み250μmの二次被覆層を有する光ファイバ素線10を形成した(被覆工程)。
次に、被覆手段21により光ファイバ裸線17をアクリレートからなる被覆材で被覆して厚み200μmの一次被覆層および厚み250μmの二次被覆層を有する光ファイバ素線10を形成した(被覆工程)。
次に、光ファイバ素線10を、ターンプーリー11、引き取り機12を通過させて、曲げ付与装置20および光ファイバ巻取り手段30に順に供給し、線引きされた光ファイバの先端22を光学特性測定装置14に接続した。その後、曲げ付与装置20に供給された光ファイバ素線10を、ターンプーリー31、ダンサー32、プーリー33、位置固定コロ34、35を通過させて、光ファイバ巻取り手段30の8字状に反復運動するガイドコロ36によって光ファイバ受け37に供給し、2つの固定された巻取り軸37a、37bに巻き取った。
そして、光学特性測定装置14により、被測定光ファイバ24の波長分散を紡糸距離10m毎の測定間隔で測定し(光学特性測定工程)、被測定光ファイバ24の波長分散の測定結果と、目標とする光ファイバの光学特性とを比較した比較結果に基づいて、比較結果の差が目標値の3%以内となるように製造条件制御部16によって、紡糸距離10m間隔で製造パラメータの設定を更新し(更新工程)、所定距離の分散補償光ファイバを得た。
「実験例2」
実験例1と同様の光ファイバの製造装置を用い、実験例1と同様にして使用可能なものであることを確認した実験例1と同様の光ファイバ母材1を用いて、以下に示すように分散補償光ファイバを製造した。
実験例1と同様の光ファイバの製造装置を用い、実験例1と同様にして使用可能なものであることを確認した実験例1と同様の光ファイバ母材1を用いて、以下に示すように分散補償光ファイバを製造した。
まず、実験例1と同様の製造パラメータおよび製造パラメータに対応する製造条件をあらかじめ設定し、製造条件制御部16に記憶させた。
その後、実験例1と同様にして光ファイバ裸線17を形成し、実験例1と同様にして光ファイバ素線10を形成した。そして、実験例1と同様にして、光ファイバ素線10を、曲げ付与装置20を通過させて光ファイバ巻取り手段30に供給し、線引きされた光ファイバの先端22を光学特性測定装置14に接続し、実験例1と同様にして巻取り軸37a、37bに巻き取った。
そして、光学特性測定装置14により、被測定光ファイバ24の波長分散を10m線引きする毎の測定間隔で測定し(光学特性測定工程)、所定距離の分散補償光ファイバを得た。
その後、実験例1と同様にして光ファイバ裸線17を形成し、実験例1と同様にして光ファイバ素線10を形成した。そして、実験例1と同様にして、光ファイバ素線10を、曲げ付与装置20を通過させて光ファイバ巻取り手段30に供給し、線引きされた光ファイバの先端22を光学特性測定装置14に接続し、実験例1と同様にして巻取り軸37a、37bに巻き取った。
そして、光学特性測定装置14により、被測定光ファイバ24の波長分散を10m線引きする毎の測定間隔で測定し(光学特性測定工程)、所定距離の分散補償光ファイバを得た。
実験例1および実験例2で得られた分散補償光ファイバを線引き中に測定した波長1550nmでの波長分散と、光ファイバの長手方向位置(曲げ付与装置位置の光ファイバの位置)との関係を調べた。その結果を図5のグラフに示す。
図5より、本発明の実施例である実験例1は、本発明の比較例である実験例2と比較して、長手方向における波長分散のばらつきが小さいことが確認できた。
図5より、本発明の実施例である実験例1は、本発明の比較例である実験例2と比較して、長手方向における波長分散のばらつきが小さいことが確認できた。
「実験例3」
図2および図3に示す本発明の第2実施形態の光ファイバの製造装置を用いて、以下に示すように高非線形性光ファイバを製造した。
すなわち、波長1550nmにおける波長分散が平均値0ps/nm/km、モードフィールド径が3.6μm、有効コア断面積が10μm2である光ファイバ母材1を用意し、用意した光ファイバ母材1の屈折率分布をプリフォームアナライザにより測定することにより、光ファイバ母材1が使用可能なものであることを確認した。
図2および図3に示す本発明の第2実施形態の光ファイバの製造装置を用いて、以下に示すように高非線形性光ファイバを製造した。
すなわち、波長1550nmにおける波長分散が平均値0ps/nm/km、モードフィールド径が3.6μm、有効コア断面積が10μm2である光ファイバ母材1を用意し、用意した光ファイバ母材1の屈折率分布をプリフォームアナライザにより測定することにより、光ファイバ母材1が使用可能なものであることを確認した。
一方、製造パラメータ、製造パラメータに対応する製造条件、製造パラメータの更新間隔、光ファイバ裸線17の外径の測定間隔、線引き張力の測定間隔、波長分散の測定間隔を以下に示すようにあらかじめ設定し、製造条件制御部16に記憶させた。
(製造パラメータ)
光ファイバ裸線の目標とする外径:125μm
目標とする線引き張力:300g
(製造パラメータの更新間隔)紡糸距離10m毎
(光ファイバ裸線の外径の測定間隔)紡糸距離0.001m毎
(線引き張力の測定間隔)紡糸距離0.1m毎
(波長分散の測定間隔)1550nmの波長分散を10m線引きする毎に測定
(製造パラメータ)
光ファイバ裸線の目標とする外径:125μm
目標とする線引き張力:300g
(製造パラメータの更新間隔)紡糸距離10m毎
(光ファイバ裸線の外径の測定間隔)紡糸距離0.001m毎
(線引き張力の測定間隔)紡糸距離0.1m毎
(波長分散の測定間隔)1550nmの波長分散を10m線引きする毎に測定
その後、光ファイバ母材1を母材送り装置15に収容して、所定の供給速度で母材送り装置15により紡糸炉2内に光ファイバ母材1を供給し、Ar、He雰囲気中で、紡糸温度2000℃で紡糸炉2により光ファイバ母材1の下端を溶融紡糸し、引き取り装置12により所定の線引き速度で、光ファイバ裸線17を形成した(紡糸工程)。
次に、被覆手段21により光ファイバ裸線17をアクリレートからなる被覆材で被覆して厚み200μmの一次被覆層および厚み250μmの二次被覆層を有する光ファイバ素線10を形成した(被覆工程)。
次に、被覆手段21により光ファイバ裸線17をアクリレートからなる被覆材で被覆して厚み200μmの一次被覆層および厚み250μmの二次被覆層を有する光ファイバ素線10を形成した(被覆工程)。
次に、光ファイバ素線10を、ターンプーリー11、引き取り機12、曲げ付与装置20を通過させて光ファイバ巻取り手段30に供給し、線引きされた光ファイバの先端22を光学特性測定装置14に接続した。その後、光ファイバ巻取り手段30に供給された光ファイバ素線10を、実験例1および実験例2と同様にして巻取り軸37a、37bに巻き取った。
そして、光学特性測定装置14により、被測定光ファイバ24の波長分散を10m線引きする毎の測定間隔で測定し(光学特性測定工程)、被測定光ファイバ24の波長分散の測定結果と、目標とする光ファイバの光学特性とを比較した比較結果に基づいて、比較結果の差が波長分散の値で0.1ps/nm/kmの範囲内となるように製造条件制御部16によって、紡糸距離10m間隔で製造パラメータの設定を更新し(更新工程)、所定距離の高非線形性光ファイバを得た。
そして、光学特性測定装置14により、被測定光ファイバ24の波長分散を10m線引きする毎の測定間隔で測定し(光学特性測定工程)、被測定光ファイバ24の波長分散の測定結果と、目標とする光ファイバの光学特性とを比較した比較結果に基づいて、比較結果の差が波長分散の値で0.1ps/nm/kmの範囲内となるように製造条件制御部16によって、紡糸距離10m間隔で製造パラメータの設定を更新し(更新工程)、所定距離の高非線形性光ファイバを得た。
「実験例4」
実験例3と同様の光ファイバの製造装置を用い、実験例3と同様にして使用可能なものであることを確認した実験例3と同様の光ファイバ母材1を用いて、以下に示すように高非線形性光ファイバを製造した。
実験例3と同様の光ファイバの製造装置を用い、実験例3と同様にして使用可能なものであることを確認した実験例3と同様の光ファイバ母材1を用いて、以下に示すように高非線形性光ファイバを製造した。
まず、実験例3と同様の製造パラメータおよび製造パラメータに対応する製造条件をあらかじめ設定し、製造条件制御部16に記憶させた。
その後、実験例3と同様にして光ファイバ裸線17を形成し、実験例3と同様にして光ファイバ素線10を形成した。そして、実験例3と同様に、光ファイバ素線10を、ターンプーリー11、引き取り機12、曲げ付与装置20を通過させて光ファイバ巻取り手段30に供給し、線引きされた光ファイバの先端22を光学特性測定装置14に接続し、実験例3と同様にして巻取り軸37a、37bに巻き取った。
そして、光学特性測定装置14により、被測定光ファイバ24の波長1550nmでの波長分散を10m線引きする毎の測定間隔で測定し(光学特性測定工程)、所定距離の高非線形性光ファイバを得た。
その後、実験例3と同様にして光ファイバ裸線17を形成し、実験例3と同様にして光ファイバ素線10を形成した。そして、実験例3と同様に、光ファイバ素線10を、ターンプーリー11、引き取り機12、曲げ付与装置20を通過させて光ファイバ巻取り手段30に供給し、線引きされた光ファイバの先端22を光学特性測定装置14に接続し、実験例3と同様にして巻取り軸37a、37bに巻き取った。
そして、光学特性測定装置14により、被測定光ファイバ24の波長1550nmでの波長分散を10m線引きする毎の測定間隔で測定し(光学特性測定工程)、所定距離の高非線形性光ファイバを得た。
実験例3および実験例4で得られた高非線形性光ファイバを線引き中に測定した波長1550nmでの波長分散と、光ファイバの長手方向位置(曲げ付与装置位置の光ファイバの位置)との関係を調べた。その結果を図6のグラフに示す。
図6より、本発明の実施例である実験例3では、波長分散が−0.1ps/nm/km〜+0.1ps/nm/kmの範囲となっていることがわかる。これに対し、本発明の比較例である実験例4では、波長分散が−0.3ps/nm/km〜+0.3ps/nm/kmの範囲となっている。したがって、実験例3は実験例4と比較して、長手方向における波長分散のばらつきが小さいことが確認できた。
図6より、本発明の実施例である実験例3では、波長分散が−0.1ps/nm/km〜+0.1ps/nm/kmの範囲となっていることがわかる。これに対し、本発明の比較例である実験例4では、波長分散が−0.3ps/nm/km〜+0.3ps/nm/kmの範囲となっている。したがって、実験例3は実験例4と比較して、長手方向における波長分散のばらつきが小さいことが確認できた。
「実験例5」
実験例3および実験例4で得られた高非線形性光ファイバの性能を確認するために、以下に示す実験を行なった。
すなわち、実験例3および実験例4で得られた高非線形性光ファイバを500mずつ切り分けて得られた試験体各々に、波長1500nm〜1600nmの信号光および波長1550nmの励起光を供給して信号光を波長変換させ、得られた変換光の強度を測定した。そして、変換光の強度の最大値の半分となる信号光波長の長波長側と短波長側の差(以下、「FWM帯域幅」と称する)を算出した。
実験例3および実験例4で得られた高非線形性光ファイバの性能を確認するために、以下に示す実験を行なった。
すなわち、実験例3および実験例4で得られた高非線形性光ファイバを500mずつ切り分けて得られた試験体各々に、波長1500nm〜1600nmの信号光および波長1550nmの励起光を供給して信号光を波長変換させ、得られた変換光の強度を測定した。そして、変換光の強度の最大値の半分となる信号光波長の長波長側と短波長側の差(以下、「FWM帯域幅」と称する)を算出した。
そして、実験例3および実験例4で得られた高非線形性光ファイバの長手方向位置(曲げ付与装置位置の光ファイバの位置)と、FWM帯域との関係を調べた。その結果を図7のグラフに示す。
図7より、本発明の実施例である実験例3は、本発明の比較例である実験例4と比較して、FWM帯域幅が大きいことがわかる。また、実験例3は、FWM帯域幅が20nm以上という大きな値であり、実験例3で得られた高非線形性光ファイバを用いることで、高性能な波長変換器を実現可能であることが確認できた。
図7より、本発明の実施例である実験例3は、本発明の比較例である実験例4と比較して、FWM帯域幅が大きいことがわかる。また、実験例3は、FWM帯域幅が20nm以上という大きな値であり、実験例3で得られた高非線形性光ファイバを用いることで、高性能な波長変換器を実現可能であることが確認できた。
また、実験例3および実験例4で得られた高非線形性光ファイバの波長1550nmでの波長分散と、FWM帯域幅との関係を調べた。その結果を図8のグラフに示す。
図8より、本発明の実施例である実験例3では、波長分散が−0.1ps/nm/km〜+0.1ps/nm/kmの範囲であるため、FWM帯域幅が20nm以上と大きいことがわかる。これに対し、本発明の比較例である実験例4では、波長分散の範囲が−0.3ps/nm/km〜+0.3ps/nm/kmと実験例3よりも広いため、FWM帯域幅が実験例3よりも低くなっていることがわかる。
図8より、本発明の実施例である実験例3では、波長分散が−0.1ps/nm/km〜+0.1ps/nm/kmの範囲であるため、FWM帯域幅が20nm以上と大きいことがわかる。これに対し、本発明の比較例である実験例4では、波長分散の範囲が−0.3ps/nm/km〜+0.3ps/nm/kmと実験例3よりも広いため、FWM帯域幅が実験例3よりも低くなっていることがわかる。
1…光ファイバ母材、2…紡糸炉、3…外径測定器、4、7・‥冷却装置、5、8…樹脂液塗布装置、6、9・‥硬化装置、10…光ファイバ素線、11…ターンプーリー、12・‥引き取り装置、13…光ファイバ素線受け容器、14…光学特性測定装置(光学特性測定手段)、15…母材送り装置、16…製造条件制御部(制御手段)、17…ファイバ裸線、18…1次被覆光ファイバ、20…曲げ付与装置、21…被覆手段、22…先端、24…被測定光ファイバ、30、38、40…光ファイバ巻取り手段、31…ターンプーリー、32…ダンサー、33…プーリー、34、35…位置固定コロ、36、56…ガイドコロ、37…光ファイバ受け、37a、37b…巻取り軸、41…光送受信部、42…制御部、43…ボビン。
Claims (17)
- 設定された製造パラメータに基づき光ファイバ母材を線引きする光ファイバの製造方法であって、
前記線引き中の光ファイバの光学特性を測定する工程αと、
前記工程αにより得られた測定結果に基づき、前記製造パラメータの設定を制御する工程βとを少なくとも備えることを特徴とする光ファイバの製造方法。 - 前記光学特性は、波長分散であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記工程αは、前記光ファイバに曲げ損失を付与する工程を通過した後の光ファイバを用い、曲げ損失を付与している位置Sと線引きした光ファイバの先端位置Tとの間に延在する被測定光ファイバの光学特性を測定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記曲げ損失を付与している位置Sの光ファイバは、光ファイバ母材を溶融紡糸してなる光ファイバ裸線を被覆材で被覆した光ファイバ素線であることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記工程βは、前記工程αにより得られた測定値と、光ファイバの光学特性の目標値とを比較した比較結果に基づき、前記製造パラメータを制御することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光ファイバの製造方法。
- 前記製造パラメータは、光ファイバ裸線の目標とする外径および/または前記光ファイバの目標とする線引き張力であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の光ファイバの製造方法。
- 前記製造パラメータを制御するために、前記光ファイバ母材を溶融紡糸する前記光ファイバ製造装置の紡糸炉内に前記光ファイバ母材を供給する供給速度、紡糸温度、線引き速度から選択される1以上の製造条件を調整することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の光ファイバの製造方法。
- 設定された製造パラメータに基づき光ファイバ母材を線引きする光ファイバ製造装置であって、
前記線引き中の光ファイバの光学特性を測定する手段Aと、
前記手段Aにより得られた測定結果に基づき、前記製造パラメータの設定を制御する手段Bとを少なくとも備えることを特徴とする光ファイバの製造装置。 - 前記光学特性は、波長分散であることを特徴とする請求項8に記載の光ファイバの製造装置。
- さらに、前記光ファイバを通過させることにより前記光ファイバに曲げ損失を付与する手段Cを備え、
前記手段Aは、線引きされた光ファイバの先端に配置され、前記手段Cの位置Sにある光ファイバと線引きした前記光ファイバの先端位置Tとの間に延在する被測定光ファイバの光学特性を測定することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の光ファイバの製造装置。 - 前記光ファイバ母材を溶融紡糸して形成された光ファイバ裸線を被覆材で被う手段Dを備え、
前記手段Cは、前記手段Dより後段に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の光ファイバの製造装置。 - 前記手段Cは、前記光ファイバの線引き速度を制御する手段Eより後段に配置されていることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の光ファイバの製造装置。
- 前記手段Bは、前記手段Aにより得られた測定値と、光ファイバの光学特性の目標値とを比較した比較結果に基づき、前記製造パラメータを制御するものであることを特徴とする請求項8〜請求項12のいずれかに記載の光ファイバの製造装置。
- 前記製造パラメータは、光ファイバ裸線の目標とする外径および/または前記光ファイバの目標とする線引き張力であることを特徴とする請求項8〜請求項13のいずれかに記載の光ファイバの製造装置。
- 前記光ファイバ母材を溶融紡糸する前記光ファイバ製造装置の紡糸炉内に前記光ファイバ母材を供給する供給速度、紡糸温度、線引き速度から選択される1以上の製造条件を調整することによって、前記製造パラメータを制御する手段Fを備えることを特徴とする請求項8〜請求項14のいずれかに記載の光ファイバの製造装置。
- 固定された巻取り軸に、線引きされた光ファイバを巻き取る手段Gを備えることを特徴とする請求項8〜請求項15のいずれかに記載の光ファイバの製造装置。
- 前記手段Aの光送受信部は、回転することにより光ファイバを巻き取るボビンと一体化されていることを特徴とする請求項8〜請求項15のいずれかに記載の光ファイバの製造装置。
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JP2005253363A JP2007063093A (ja) | 2005-09-01 | 2005-09-01 | 光ファイバの製造方法および製造装置 |
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JP2014534944A (ja) * | 2011-11-15 | 2014-12-25 | コーニング インコーポレイテッド | 選択された線引き張力で光ファイバを製造する方法 |
CN107942433A (zh) * | 2017-11-24 | 2018-04-20 | 中国电子科技集团公司第八研究所 | 一种高精度控制光纤长度的制作工艺 |
-
2005
- 2005-09-01 JP JP2005253363A patent/JP2007063093A/ja not_active Withdrawn
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