JP4214647B2 - 光ファイバ製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ母材を線引して光ファイバを製造する光ファイバ製造方法に関し、特に分散補償光ファイバを製造するのに好適な方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ伝送路に信号光を伝搬させて光通信を行う光伝送システムでは、光ファイバ伝送路を伝搬する際の信号光の波形劣化を抑制するために、信号光波長(例えば1.55μm)において光ファイバ伝送路の累積波長分散の絶対値が小さいことが望まれる。また、多波長の信号光を多重化して光通信を行う波長多重(WDM: Wavelength Division Multiplexing)伝送システムでは、その多波長の信号光それぞれの波長を含む信号光波長帯域において光ファイバ伝送路の累積波長分散の絶対値が小さいことが望まれる。すなわち、光ファイバ伝送路は、信号光波長帯域で、波長分散の絶対値が小さいだけでなく、分散スロープの絶対値も小さいことが望まれる。
【0003】
ところが、一般に光ファイバ伝送路として用いられている標準的なシングルモード光ファイバは、波長1.3μm付近に零分散波長を有しており、波長1.55μmにおいては、波長分散が17ps/nm/km程度であり、また、分散スロープも正である。したがって、このシングルモード光ファイバのみを用いて光ファイバ伝送路を構成したのではWDM伝送を行うことができない。
【0004】
そこで、波長1.55μmにおいて波長分散および分散スロープの何れもが負である分散補償光ファイバを用いてシングルモード光ファイバの波長分散および分散スロープを補償することで、波長1.55μmにおける全体の平均波長分散および平均分散スロープそれぞれの絶対値を共に低減することが試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
シングルモード光ファイバおよび分散補償光ファイバの全体の平均波長分散および平均分散スロープそれぞれの絶対値を共に低減するには、シングルモード光ファイバと分散補償光ファイバとの長さ比およびシングルモード光ファイバの波長分散特性に応じて、分散補償光ファイバの波長分散および分散スロープが共に適切に設計され、且つ、その設計どおりに製造される必要がある。
【0006】
しかしながら、分散補償光ファイバの波長分散特性は、光ファイバ母材を線引する際の線引張力やコア径の変化に応じて敏感に変化する。また、光ファイバ母材の加工精度が充分ではなく、また、プリフォームアナライザによる光ファイバ母材の屈折率分布の測定の精度も充分ではない。したがって、目標とする波長分散特性を有する分散補償光ファイバを高精度に製造することは困難である。なお、以上に説明した問題点は、分散補償光ファイバを製造する際に顕著であるが、他の種類の光ファイバを製造する際にも生じる。
【0007】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、目標とする波長分散特性を有する光ファイバを容易に製造することができる光ファイバ製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ファイバ製造方法は、屈折率プロファイルが長手方向に均一である光ファイバ母材を線引して光ファイバを製造する光ファイバ製造方法であって、(1) 光ファイバ母材の線引開始の際に得られた一定長の光ファイバの波長分散および分散スロープを測定し、(2) この測定された波長分散および分散スロープに基づいて、目標とする波長分散特性を得る為の目標線引張力および目標コア径を求め、(3) この求められた目標線引張力で、この求められた目標コア径となるように、光ファイバ母材の残部を線引して光ファイバを製造することを特徴とする。この光ファイバ製造方法によれば、線引開始の際に得られた一定長の光ファイバの波長分散および分散スロープを測定し、この測定結果に基づいて修正された目標線引張力および目標コア径を求め、光ファイバ母材の残部を目標線引張力で線引して光ファイバのコア径が目標コア径となるように線引して、光ファイバを製造する。このようにすることで、光ファイバ母材の加工精度が悪くても、或いは、プリフォームアナライザによる光ファイバ母材の屈折率分布の測定の精度が悪くても、目標とする波長分散特性を有する光ファイバを容易に製造することができる。
【0009】
より好適には、本発明に係る光ファイバ製造方法は、(1) 線引開始の際に光ファイバ母材を線引して一定長の光ファイバを得る第1ステップと、(2) 第1ステップで得られた一定長の光ファイバの波長分散および分散スロープを測定する第2ステップと、(3) 第2ステップで測定された波長分散および分散スロープに基づいて目標線引張力を求める第3ステップと、(4) 第3ステップで求められた目標線引張力で光ファイバ母材を線引して一定長の光ファイバを得る第4ステップと、(5) 第4ステップで得られた一定長の光ファイバの波長分散を測定する第5ステップと、(6) 第5ステップで測定された波長分散に基づいて光ファイバの目標コア径を求める第6ステップと、(7) 第3ステップで求められた目標線引張力で、第6ステップで求められた目標コア径となるように、光ファイバ母材の残部を線引して光ファイバを製造する第7ステップとを備えることを特徴とする。この場合には、第1ステップで一定長の光ファイバを得て、第2ステップで波長分散および分散スロープを測定して、第3ステップで目標線引張力を決定する。さらに、第4ステップで目標線引張力で線引された一定長の光ファイバを得て、第5ステップで波長分散を測定して、第6ステップで目標コア径を決定する。そして、第7ステップで、目標線引張力で目標コア径となるように光ファイバ母材の残部を線引して光ファイバを製造する。このように目標線引張力を決定した後に目標コア径を決定することにより、設計どおりの精度が優れた波長分散特性を有する光ファイバを製造することができる。
【0010】
本発明に係る光ファイバ製造方法は、目標線引張力で光ファイバ母材を線引するに際して、線引速度を調整することで線引張力を調整することを特徴とし、或いは、線引温度を調整することで線引張力を調整することを特徴とする。これら何れの場合にも、目標とする波長分散特性を有する光ファイバを製造するのに好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
先ず、光ファイバ母材を線引して光ファイバを製造する工程について説明する。図1は、光ファイバ製造の工程図である。光ファイバ母材1は、プリフォームフィーダ(図示せず)に固定されて、加熱炉11内の炉心管12の内部に挿入され、加熱炉11により加熱・溶融される。この炉心管12の内部にはN2およびHeなどの不活性ガスが供給されている。溶融された光ファイバ母材1の下部から線引された光ファイバ2は、炉心管12の下方から外部に出てくる。そして、光ファイバ2は、外径測定器13によりガラス径が測定され、樹脂コーティング部14により樹脂で表面が被覆され、外径測定器15により被覆径が測定され、キャプスタン16およびローラ17〜19を順に経て、ボビン20により巻き取られる。外径測定器13により測定された光ファイバ2のガラス径、および、外径測定器15により測定された光ファイバ2の被覆径は、制御部21に入力される。この制御部21により、加熱炉11による光ファイバ母材1の加熱の温度(線引温度)が制御され、キャプスタン16の回転速度が制御され、また、光ファイバ母材1の供給速度が制御される。
【0013】
次に、本発明に係る光ファイバ製造方法の第1の実施形態について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態に係る光ファイバ製造方法を説明するフローチャートである。
【0014】
はじめに、屈折率プロファイルが長手方向に均一である光ファイバ母材1を用意する(ステップS1)。この光ファイバ母材1の屈折率分布をプリフォームアナライザにより測定する(ステップS2)。そして、この測定結果や母材構造設計値に基づいて、所定波長(例えば1.55μm)において目標とする波長分散および分散スロープを有する光ファイバ2を製造する為の線引張力およびコア径を求め、これらを初期線引張力および初期コア径とする(ステップS3)。その後、光ファイバ母材1をプリフォームフィーダに固定して炉心管12内に挿入し、加熱炉11により光ファイバ母材1の下端を加熱して溶融し、この溶融された光ファイバ母材1を初期線引張力で線引して光ファイバ2のコア径が初期コア径となるように線引を開始する。
【0015】
そして、この線引開始の際に一定長の光ファイバを得て(ステップS4)、この一定長の光ファイバを切り出して、この光ファイバの波長分散および分散スロープを測定する(ステップS5)。ここでは、光ファイバの長さは、波長分散および分散スロープを測定するのに必要な長さで充分である。この測定された波長分散および分散スロープと、目標とする波長分散および分散スロープとを比較し、この比較結果に基づいて、所定波長において目標とする波長分散および分散スロープを有する光ファイバ2を製造する為の線引張力およびコア径を修正して求め、これら修正されたものを目標線引張力および目標コア径とする(ステップS6)。そして、光ファイバ母材1の残部を目標線引張力で線引して光ファイバ2のコア径が目標コア径となるように線引して、光ファイバ2を製造する(ステップS7)。
【0016】
なお、光ファイバ2のコア径を目標コア径(または初期コア径)とし、線引張力を目標線引張力(または初期線引張力)とするには、外径測定器13により測定された光ファイバ2のガラス径に基づいて、加熱炉11による光ファイバ母材1の加熱温度を制御し、または、炉心管12内に供給するガスの量もしくは種類を制御して、光ファイバ母材1の下端の溶融部の温度を調整することにより可能であり、或いは、キャプスタン16の回転速度を制御することで光ファイバ2の線引速度を調整することにより可能である。これらの制御は制御部21によりなされる。
【0017】
以上のように、本実施形態では、線引開始の際に得られた一定長の光ファイバの波長分散および分散スロープを測定し、この測定結果に基づいて修正された目標線引張力および目標コア径を求め、光ファイバ母材1の残部を目標線引張力で線引して光ファイバ2のコア径が目標コア径となるように線引して、光ファイバ2を製造する。このようにすることで、光ファイバ母材1の加工精度が悪くても、或いは、プリフォームアナライザによる光ファイバ母材1の屈折率分布の測定の精度が悪くても、目標とする波長分散特性を有する光ファイバ2を容易に製造することができる。特に、光ファイバ母材1を線引する際の線引張力やコア径の変化に応じて波長分散特性が敏感に変化する分散補償光ファイバを製造するのに好適である。
【0018】
次に、本発明に係る光ファイバ製造方法の第2の実施形態について図3を用いて説明する。図3は、第2の実施形態に係る光ファイバ製造方法を説明するフローチャートである。第1の実施形態では目標線引張力と目標コア径とを同時に求めたのに対して、この第2の実施形態では目標線引張力と目標コア径とを異なるステップで求める。
【0019】
はじめに、屈折率プロファイルが長手方向に均一である光ファイバ母材1を用意する(ステップS10)。この光ファイバ母材1の屈折率分布をプリフォームアナライザにより測定する(ステップS11)。そして、この測定結果や母材構造設計値に基づいて、所定波長(例えば1.55μm)において目標とする波長分散および分散スロープを有する光ファイバ2を製造する為の線引張力およびコア径を求め、これらを初期線引張力および初期コア径とする(ステップS12)。その後、光ファイバ母材1をプリフォームフィーダに固定して炉心管12内に挿入し、加熱炉11により光ファイバ母材1の下端を加熱して溶融し、この溶融された光ファイバ母材1を初期線引張力で線引して光ファイバ2のコア径が初期コア径となるように線引を開始する。
【0020】
そして、この線引開始の際に一定長の光ファイバを得て(ステップS13)、この一定長の光ファイバを切り出して、この光ファイバの波長分散および分散スロープを測定する(ステップS14)。ここでは、光ファイバの長さは、波長分散および分散スロープを測定するのに必要な長さで充分である。この測定された波長分散および分散スロープと、目標とする波長分散および分散スロープとを比較し、この比較結果に基づいて、所定波長において目標とする波長分散および分散スロープを有する光ファイバ2を製造する為の線引張力を修正して求め、この修正されたものを目標線引張力とする(ステップS15)。
【0021】
続いて、光ファイバ母材1を目標線引張力で線引して光ファイバ2のコア径が初期コア径となるように線引を行って一定長の光ファイバを得て(ステップS16)、この一定長の光ファイバを切り出して、この光ファイバの波長分散を測定する(ステップS17)。ここでも、光ファイバの長さは、波長分散を測定するのに必要な長さで充分である。この測定された波長分散と、目標とする波長分散とを比較し、この比較結果に基づいて、所定波長において目標とする波長分散および分散スロープを有する光ファイバ2を製造する為のコア径を修正して求め、この修正されたものを目標コア径とする(ステップS18)。そして、光ファイバ母材1の残部を目標線引張力で線引して光ファイバ2のコア径が目標コア径となるように線引して、光ファイバ2を製造する(ステップS19)。
【0022】
なお、本実施形態でも、光ファイバ2のコア径を目標コア径(または初期コア径)とし、線引張力を目標線引張力(または初期線引張力)とするには、外径測定器13により測定された光ファイバ2のガラス径に基づいて、加熱炉11による光ファイバ母材1の加熱温度を制御し、または、炉心管12内に供給するガスの量もしくは種類を制御して、光ファイバ母材1の下端の溶融部の温度を調整することにより可能であり、或いは、キャプスタン16の回転速度を制御することで光ファイバ2の線引速度を調整することにより可能である。これらの制御は制御部21によりなされる。
【0023】
次に、第2の実施形態に係る光ファイバ製造方法の具体的な実施例について図4〜図6を用いて説明する。図4は、本実施例の光ファイバの屈折率プロファイルを説明する図である。ここで製造する光ファイバ2は、この図に屈折率プロファイルを示すように、光軸中心から順にコア領域(屈折率n1、外径2a)、ディプレスト領域(屈折率n2、外径2b)およびクラッド領域(屈折率n3)を有し、各屈折率の大小関係が n1>n3>n2 であるものであり、波長1.55μmにおける波長分散および分散スロープがともに負である分散補償光ファイバである。このような屈折率プロファイルは、シリカガラスをベースとして、例えば、コア領域にGeO2を添加し、ディプレスト領域にF元素を添加することにより、実現することができる。
【0024】
この実施例の光ファイバ2の目標とする波長分散特性は、波長1.55μmにおいて、波長分散が−52ps/nm/kmであり、分散スロープが−0.15ps/nm2/kmであるとする。この光ファイバ2の目標波長分散特性は、波長1.3μm付近に零分散波長を有している標準的なシングルモード光ファイバに対して、波長1.55μmにおいて分散スロープ補償率ηが100%となるよう定める。ここで、分散スロープ補償率ηとは、シングルモード光ファイバの波長分散をDSMFとし、シングルモード光ファイバの分散スロープをSSMFとし、分散補償光ファイバである光ファイバ2の波長分散をDDCFとし、光ファイバ2の分散スロープをSDCFとしたときに、
η(%)=(DSMF/SSMF)/(DDCF/SDCF)×100
なる式で定義される。
【0025】
図5は、4種類の線引張力の値それぞれについてコア径をパラメータとしたときの光ファイバ2の波長分散と分散スロープとの相関関係(@波長1.55μm)を示すグラフである。この図中において、破線は、分散スロープ補償率ηが100%となる光ファイバ2の波長分散DDCFと分散スロープSDCFとの相関関係を示す。この破線上にある黒丸印は、光ファイバ2の目標とする波長分散特性を示す。4本の相関曲線A〜Dそれぞれは、光ファイバ2の波長分散と分散スロープとの関係を、コア径2aをパラメータとして示すものである。
【0026】
相関曲線Bは、ステップS12で求められた初期線引張力で光ファイバ母材1を線引して得られる光ファイバ2の波長分散と分散スロープとの関係を示す。相関曲線Cは、初期線引張力に張力調整量39.2N/mm2(4.0kg/mm2)を加えた線引張力で光ファイバ母材1を線引して得られる光ファイバ2の波長分散と分散スロープとの関係を示す。相関曲線Dは、初期線引張力に張力調整量78.4N/mm2(8.0kg/mm2)を加えた線引張力で光ファイバ母材1を線引して得られる光ファイバ2の波長分散と分散スロープとの関係を示す。また、相関曲線Aは、初期線引張力に張力調整量39.2N/mm2(4.0kg/mm2)を減じた線引張力で光ファイバ母材1を線引して得られる光ファイバ2の波長分散と分散スロープとの関係を示す。この図に示すように、線引張力が異なると、コア径2aをパラメータとする波長分散と分散スロープとの相関関係も異なる。
【0027】
本実施例では、ロッドインコラプス法で光ファイバ母材1を作製し(ステップS10)、この光ファイバ母材1の屈折率分布をプリフォームアナライザにより測定し(ステップS11)、この測定結果や母材構造設計値に基づいて、1.55μmにおいて目標とする波長分散(−52ps/nm/km)および分散スロープ(−0.15ps/nm2/km)を有する光ファイバ2を製造する為の初期線引張力および初期コア径を求める(ステップS12)。本実施例では、ガラス径を125μmとし、線引速度を100m/分、初期線引張力を235.2N/mm2(24kg/mm2)とする。光ファイバ母材1を初期線引張力で線引して光ファイバ2のコア径が初期コア径となるように線引を開始し、線速が安定した後の長さ1km程度の光ファイバをサンプル1として採り(ステップS13)、このサンプル1の波長分散および分散スロープを測定する(ステップS14)。図5中の相関曲線B上の白丸印は、ここで得られたサンプル1の波長分散および分散スロープを示す。
【0028】
そして、ステップS14で測定されたサンプル1の波長分散特性の点(図5中の白丸印)を通過する波長分散と分散スロープとの相関曲線Bと、光ファイバ2の目標とする波長分散特性の点(図5中の黒丸印)を通過する波長分散と分散スロープとの相関曲線Cとを比較して、この比較結果に基づいて目標線引張力を求める(ステップS15)。ここでは、目標線引張力は、初期線引張力235.2N/mm2(24kg/mm2)に張力調整量39.2N/mm2(4.0kg/mm2)を加えたものとなる。
【0029】
続いて、線引速度または線引温度を調整して、光ファイバ母材1を目標線引張力で線引して光ファイバ2のコア径が初期コア径となるように線引を行い、線速が安定した後の長さ1km程度の光ファイバをサンプル2として採り(ステップS16)、このサンプル2の波長分散を測定する(ステップS17)。図5中の相関曲線C上の三角印は、ここで得られたサンプル2の波長分散および分散スロープを示す。
【0030】
そして、ステップS17で測定されたサンプル2の波長分散(図5中の三角印)と、光ファイバ2の目標とする波長分散(図5中の黒丸印)とを比較して、この比較結果に基づいて、所定波長において目標とする波長分散および分散スロープを有する光ファイバ2を製造する為のコア径を修正して求め、この修正されたものを目標コア径とする(ステップS18)。その後、光ファイバ母材1の残部を目標線引張力で線引して光ファイバ2のコア径が目標コア径となるように線引して、光ファイバ2を製造する(ステップS19)。
【0031】
図6は、光ファイバ2のコア径と波長分散との関係(@波長1.55μm)を示すグラフである。この図に示すように、光ファイバ2のコア径と波長分散との間には相関がある。そこで、ステップS18では、この相関に基づいて、ステップS17で測定されたサンプル2の波長分散(図5中の三角印)を光ファイバ2の目標波長分散(図5中の黒丸印)へ修正する為に必要なコア径の調整量を求め、目標コア径を求める。
【0032】
以上のように、本実施形態では、線引開始の際に得られた一定長の光ファイバ(サンプル1)の波長分散および分散スロープを測定して、この測定結果に基づいて修正された目標線引張力を求め、続いて、この目標線引張力で線引して得られた一定長の光ファイバ(サンプル2)の波長分散を測定して、この測定結果に基づいて修正された目標コア径を求め、そして、光ファイバ母材1の残部を目標線引張力で線引して光ファイバ2のコア径が目標コア径となるように線引して、光ファイバ2を製造する。このようにすることで、光ファイバ母材1の加工精度が悪くても、或いは、プリフォームアナライザによる光ファイバ母材1の屈折率分布の測定の精度が悪くても、目標とする波長分散特性を有する光ファイバ2を容易に製造することができる。本実施形態も、光ファイバ母材1を線引する際の線引張力やコア径の変化に応じて波長分散特性が敏感に変化する分散補償光ファイバを製造するのに好適である。
【0033】
特に本実施形態では、先ず目標線引張力を決定した後に目標コア径を決定することにより、製造される光ファイバ2は、設計どおりの精度が優れた波長分散特性を有するものとなる。すなわち、初期線引張力から目標線引張力へ変化させると、光ファイバの波長分散特性を示す点は相関曲線B上から相関曲線C上に移るものの、光ファイバの波長分散および分散スロープの双方が変化するので、相関曲線C上の何れの位置に移るかを予測することは必ずしも容易ではない。そこで、本実施形態では、目標線引張力で線引して得られたサンプル2の波長分散を測定し、このサンプル2の波長分散の測定結果に基づいてコア径を調整して目標コア径を求めることで、設計どおりの精度が優れた波長分散特性を有する光ファイバ2を製造することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、線引開始の際に得られた一定長の光ファイバの波長分散および分散スロープを測定し、この測定結果に基づいて修正された目標線引張力および目標コア径を求め、光ファイバ母材の残部を目標線引張力で線引して光ファイバのコア径が目標コア径となるように線引して、光ファイバを製造する。このようにすることで、光ファイバ母材の加工精度が悪くても、或いは、プリフォームアナライザによる光ファイバ母材の屈折率分布の測定の精度が悪くても、目標とする波長分散特性を有する光ファイバを容易に製造することができる。特に、線引張力やコア径の変化に応じて波長分散特性が敏感に変化する分散補償光ファイバを製造するのに好適である。
【0035】
より好適には、第1ステップで一定長の光ファイバを得て、第2ステップで波長分散および分散スロープを測定して、第3ステップで目標線引張力を決定する。さらに、第4ステップで目標線引張力で線引された一定長の光ファイバを得て、第5ステップで波長分散を測定して、第6ステップで目標コア径を決定する。そして、第7ステップで、目標線引張力で目標コア径となるように光ファイバ母材の残部を線引して光ファイバを製造する。このように目標線引張力を決定した後に目標コア径を決定することにより、設計どおりの精度が優れた波長分散特性を有する光ファイバを製造することができる。
【0036】
また、目標線引張力で光ファイバ母材を線引するに際して、線引速度を調整することで線引張力を調整する場合や、線引温度を調整することで線引張力を調整する場合には、目標とする波長分散特性を有する光ファイバを製造するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバ製造の工程図である。
【図2】第1の実施形態に係る光ファイバ製造方法を説明するフローチャートである。
【図3】第2の実施形態に係る光ファイバ製造方法を説明するフローチャートである。
【図4】光ファイバの屈折率プロファイルを説明する図である。
【図5】4種類の線引張力の値それぞれについてコア径をパラメータとしたときの光ファイバの波長分散と分散スロープとの相関関係を示すグラフである。
【図6】光ファイバのコア径と波長分散との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…光ファイバ母材、2…光ファイバ、11…加熱炉、12…炉心管、13…外径測定器、14…樹脂コーティング部、15…外径測定器、16…キャプスタン、17〜19…ローラ、20…ボビン、21…制御部。

Claims (4)

  1. 屈折率プロファイルが長手方向に均一である光ファイバ母材を線引して光ファイバを製造する光ファイバ製造方法であって、
    前記光ファイバ母材の線引開始の際に得られた一定長の光ファイバの波長分散および分散スロープを測定し、
    この測定された波長分散および分散スロープに基づいて、目標とする波長分散特性を得る為の目標線引張力および目標コア径を求め、
    この求められた目標線引張力で、この求められた目標コア径となるように、前記光ファイバ母材の残部を線引して前記光ファイバを製造する
    ことを特徴とする光ファイバ製造方法。
  2. 線引開始の際に前記光ファイバ母材を線引して一定長の光ファイバを得る第1ステップと、
    前記第1ステップで得られた一定長の光ファイバの波長分散および分散スロープを測定する第2ステップと、
    前記第2ステップで測定された波長分散および分散スロープに基づいて目標線引張力を求める第3ステップと、
    前記第3ステップで求められた目標線引張力で前記光ファイバ母材を線引して一定長の光ファイバを得る第4ステップと、
    前記第4ステップで得られた一定長の光ファイバの波長分散を測定する第5ステップと、
    前記第5ステップで測定された波長分散に基づいて前記光ファイバの目標コア径を求める第6ステップと、
    前記第3ステップで求められた目標線引張力で、前記第6ステップで求められた目標コア径となるように、前記光ファイバ母材の残部を線引して前記光ファイバを製造する第7ステップと
    を備えることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ製造方法。
  3. 前記目標線引張力で前記光ファイバ母材を線引するに際して、線引速度を調整することで線引張力を調整することを特徴とする請求項1記載の光ファイバ製造方法。
  4. 前記目標線引張力で前記光ファイバ母材を線引するに際して、線引温度を調整することで線引張力を調整することを特徴とする請求項1記載の光ファイバ製造方法。
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