JP2007062722A - 複数層チューブを有する自転車フレーム - Google Patents

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Abstract

【課題】サイクリングスポーツの人気が増加するにつれて、より良い機能の自転車フレームを提供する。
【解決手段】互いに連結されたチューブセットを含む自転車フレームが開示されている。チューブの一つの少なくとも一部は、少なくとも三つの材料層を含んでいる。例えば、一実施の形態において、座椅子チューブは、カーボンファイバーの内部層と、アルミニウム(または他の金属)の中間層と、カーボンファイバーの外部層とを含んでいる。
【選択図】図1

Description

本願で記載される技術は、自転車フレームに関する。
自転車フレームは中空金属チューブから作られている。これらのチューブは、フレームを形成するために、その端部で結合され、フレーム上で、様々な他の要素が取り付けられている。金属チューブは、大きな突起、支柱またはスリーブによって互いに連結され、溶接、はんだ、ろう付けなどによって、適切な場所で保持されている。
材料科学における近年の進歩によって、カーボンファイバーのような軽量な非金属成分材料を用いるフレームを作ることができるようになっている。カーボンファイバー材料によって、高い動作を行うサイクリングのために必要な強度および衝撃吸収性を得ることができる。自転車フレームにカーボンファイバー材料を用いることによって、自転車の重さを減らすとともに、性能を向上させることができる。
カーボンファイバーのような軽い非金属成分材料の利点にもかかわらず、金属フレームによると堅固性と優れたパワー伝達を実現することができるので、ライダーによっては、まだ金属フレームを好んでいる。
金属フレームの利点と非金属成分材料の利点の均衡を保つために、ある自転車フレームは、金属と非金属成分材料から作られている。例えば、自転車フレームのチューブ、突起または支柱のいくつかは金属から作られるが、他の自転車フレームのチューブ、突起または支柱は非金属成分材料から作られる。
このような自転車フレームの一実施の形態は、カリフォルニアのMorgan HillのSpecialized Bicycle Componentsから得られるTarmac E5のフレームからなっている。Tarmac E5のフレームは、アルミニウム合金車台を形成するヘッドチューブ、下方チューブ、底部ブラケット、座椅子チューブの下方部分およびチェーン留めを含んでいる。トップチューブ、座椅子留めおよび座椅子チューブの上方部分は、モノコックカーボンファイバー構造を形成している。合金車台の接続点は、モノコックカーボンファイバー構造と一緒に成形される。このように、座椅子チューブの底部は金属合金から作られるが、座椅子チューブの頂点部はカーボンファイバーから作られる。座椅子チューブの底部が頂点部と結合するところで、カーボンファイバーのラミネート層は、座椅子チューブの外側(アルミニウムチューブの周縁部を含む)を囲み、他のカーボンファイバー層は、座椅子チューブの内側(アルミニウムチューブの同じ部分の境界を含む)を線引きする。このフレームはアルミニウムとカーボンファイバーとを結合するが、フレームは、好ましいパワー効率およびコーナー加速を実現するのに十分な堅固性を有していない。
サイクリングスポーツの人気が増加するにつれて、より良い機能の自転車フレームが要求されている。
互いに連結されたチューブセットを含む自転車フレームが開示されている。第一チューブの少なくとも一部は、少なくとも三つの異なる材料層を含んでいる。
一実施の形態において、第一チューブの長さの少なくとも半分より長い長さは、三つの材料層のうち少なくとも二つを含んでいる。
自転車フレームの一実施の形態は、座椅子チューブと、前方支持部と、前方支持部および座椅子チューブに連結された交差支持部とを含んでいる。座椅子チューブは、座椅子チューブの頂点部の少なくとも一部にある三層を含んでいる。
一実施の形態において、三つの異なる材料層は、カーボンファイバーの内部層と、アルミニウム(または他の金属)の中間層と、カーボンファイバーの外部層とを含んでいる。三層以上のために他の構成も用いることができる。
一実施の形態は、チューブの少なくとも一部のための第一層と第二層とを有する座椅子チューブを含んでいる。座椅子チューブは座椅子チューブ長さを有している。第一層は金属層からなる。第二層は第一層と異なる材料から作られている。第一層は、座椅子チューブ長さの50%より長い長さで延在している。
一実施の形態は、座椅子チューブの少なくとも一部のための第一層と第二層とを有する座椅子チューブを含んでいる。座椅子チューブは、第一層および第二層に対して外面を有している。第一層は金属層からなる。第二層は第一層とは異なっている。第一層は、外面の50%より長い長さを構成する。外面は、ペンキが塗られるか、または他の方法で仕上げられてもよい。
図1は自転車フレーム100の側方図を示している。図2は自転車フレーム100の斜視図(prospective view)を示している。自転車フレーム100は、自転車フレーム100の前方のヘッドチューブ102と、ヘッドチューブ102に連結されたトップチューブ104と、ヘッドチューブ102に連結された下方チューブ106とを含んでいる。底部ブラケット108は、下方チューブ106の後端に連結されている。自転車フレーム100は、トップチューブ104に連結された座椅子チューブ110と、底部ブラケット108も含んでいる。座椅子チューブ110は、座椅子チューブ連結部112と座椅子チューブシリンダ114とを有している。下方チューブ106は、直線状のチューブとして示されているが、湾曲したり、曲がったりしていてもよい。例えば、下方チューブ106の頂点は、トップチューブ104から離れるよう湾曲してもよく。また、下方チューブ106の底部は底部ブラケット108に向かって曲がってもよい。自転車フレーム100の他のチューブも、湾曲したり、曲がったりしてもよい。
自転車フレーム100は、チェーン留め120,122を含むこともでき、チェーン留め120,122の両者は、チェーン留め120,122の前端で、底部ブラケット108に連結されている。ドロップアウト(drop out)124,124は自転車フレーム100の後部にあり、チェーン留め120,122の後端に連結されている。ドロップアウト124,126は、後輪(図示せず)の軸を受けるための開口125,127を含んでいる。
座椅子チューブ連結部112は、トップチューブ104と座椅子留めチューブ130に連結されている。座椅子留めチューブ130は、座椅子留め132,134にも連結されている。座椅子留め132の底部端部は、ドロップアウト126に連結されている。座椅子留め134の底部端部は、ドロップアウト124に連結されている。
ヘッドチューブ102は、分岐アセンブリ(図示せず)とステアリングアセンブリ(図示せず)を受ける。分岐アセンブリは前輪を支持する。
一実施の形態において、自転車フレーム100の第一部は金属から作られ、自転車フレーム100の第二部は非金属材料から作られる。様々な異なる材料を、自転車フレームの第一部に対して用いることができる。一実施の形態において、アルミニウムが用いられる。他の実施の形態において、チタンやスチールを用いることができる。他の材料も用いることができる。自転車フレームの第二部は、強化プラスチック成分材料から作ることができる。自転車フレームの第二部に適した材料の一例は、カーボンファイバーである。他の非金属材料も用いることができる。他の実施の形態において、自転車の少なくとも一部は第一材料からなり、自転車の少なくとも第二部は第二材料からなり、(例え第一材料と第二材料が一以上の共通した成分/材料を含んでいたとしても)第一材料は第二材料と異なるような他の材料を用いることができる。
他の実施の形態において、ヘッドチューブ102、下方チューブ106、底部ブラケット108、チェーン留め120、チェーン留め122、ドロップアウト124、およびドロップアウト126は、金属(例えば、アルミニウム)から作られている。金属成分は、互いに溶接されたり、他の方法で固定されたり、また一つの一体構造から形成されることができる。トップチューブ104、座椅子留めチューブ130、座椅子留め132および座椅子留め134は、カーボンファイバーから作られている。一実施の形態において、カーボンファイバー成分は互いに接着されている。他の実施の形態において、固定するための他の方法を用いることができる。他の実施の形態において、上述された金属部分とカーボンファイバー部分のセットではなく、異なる部分のセットが金属からなり、異なる部分のセットが非金属からなることができる。
座椅子チューブ110は、三つの材料層からなっている。座椅子チューブ110を含む材料層のうちの少なくとも一つは、金属から作られ、第二層はカーボンファイバーから作られる。他の実施の形態において、座椅子チューブ110は、カーボンファイバーから作られる内部層と、金属(例えば、アルミニウム)から作られる中間層と、カーボンファイバーから作られる外部層とを含んでいる。他の実施の形態において、三層は他の材料から作ることもできる。いくつかの実施の形態において、座椅子チューブ110は、三層より多くの層を含むことができる。
図1および図2において、カーボンファイバーから作られる成分を同定するために濃淡が用いられている。陰になっている表面はカーボンファイバーから作られ、陰になっていない表面は金属から作られている。濃淡とは、他の特定の色を示す方法ではない。カーボンファイバーはあらゆる色に塗ることができる。さらに、金属成分もあらゆる色に塗ることができる。
図3は、座椅子チューブ110をさらに詳細に示している。上述したように、座椅子チューブ110の一実施の形態は、外部層150、中間層154および内部層158の三層からなっている。外部層150の長さは矢印152によって示されている。中間層154の長さは矢印156によって示されている。内部層158の長さは矢印160によって示されている。一実施の形態において、外部層150は、座椅子チューブ110の表面全体を覆っていない。むしろ、外部層150は座椅子チューブ110の一部(例えば、頂点部)だけを覆っている。一実施の形態において、外部層150は座椅子チューブ連結部112を覆っているだけである。一実施の形態において、中間層154は、座椅子チューブ110の長さ全体に沿って配置されていない。矢印156で示されているように、中間層154は、座椅子チューブ110の底部から始まり、座椅子チューブ110の頂点近傍位置まで続いている。シリンダ114の外面は中間層154からなっている。内部層158は、座椅子チューブ110の頂点から始まり、座椅子チューブ110の底部近傍位置まで続いている。内部層158の長さは矢印160によって示されている。図示されているように、内部層158は、中間層154ほど長くは延在していない。中間層154および内部層158の底部は底部ブラケット108内に挿入されている。
一実施の形態において、内部層158は座椅子チューブ110の長さの約95%で延在し、中間層154は座椅子チューブ110の長さの約80%(または、少なくとも80%)で延在し、外部層150は座椅子チューブ110の長さの約30%で延在している。これらの長さは変えることができる。例えば、長さを変えた他の実施の形態において、中間層154は座椅子チューブ110の長さの50%より長くすることができ、中間層154は座椅子チューブ110の長さの2/3より長くすることができ、中間層154は座椅子チューブ110の長さの75%より長くすることができ、中間層154は座椅子チューブ110の長さの80%より長くすることができる。他の実施の形態において、内部層158は座椅子チューブ110の長さの2/3から100%まで変化させることができ、中間層154は座椅子チューブ110の長さの2/3から100%まで変化させることができ、外部層150は座椅子チューブ110の長さの30%から100%まで変化させることができる。
一実施の形態において、三層について、外部層150は座椅子チューブ110の外面の約30%を覆い、中間層154は座椅子チューブ110の外面の70%を覆う。座椅子チューブ110の外面の覆う範囲は変えることもできる。例えば、他の実施の形態において、中間層154は、三層について、座椅子チューブ110の外面の50%より多く、2/3より多く、または70%より多くを覆うような構成にすることができる。表面範囲を含む、様々な層の長さは、堅さと快適性のバランスを適切にするよう設計される。
いくつかの実施の形態において、座椅子チューブ110は、ペンキおよび/または仕上げ材料によって覆われていてもよい。中間層154(または他の層)が、三層(または二層)に対して座椅子チューブの外面の一部を覆うと考えられている限りでは、ペンキや他の仕上げ材料のことを考慮にいれていない。このように、たとえ、外面を覆うために、座椅子チューブがペンキで塗られるなどして終了したとしても、三層150,154,158に対する外面に中間層154がある場合には、中間層154は、三層に対して座椅子チューブ110の外面のX%を覆うと言われる。
図4Aは、座椅子チューブ110の内部を示す座椅子チューブ110の断面図である。外部層150は、座椅子チューブ連結部112、すなわち、座椅子チューブ110の上部の外面を構成する。座椅子チューブ112は、座椅子チューブ112内でトップチューブ104を受ける。トップチューブ104は、線170に沿って座椅子チューブ連結部112の内部に接着されている。座椅子チューブ連結部112は、座椅子チューブ連結部112の内部で座椅子留めチューブ130も受けている。座椅子留めチューブ130は、線172に沿って座椅子チューブ連結部112の内部に接着されている。図4Aは、湾曲した接着線170,172を示しているが、これらは、直線であっても他の形状であってもよいことには注意すべきである。固定するための他の方法も用いることができる。図4Aは、座椅子チューブシリンダ114の一部を覆っている外部層150を示している。外部層150が座椅子チューブシリンダ114を覆う領域で、中間層154は外部層150の下方に位置している。外部層150によって覆われていない座椅子チューブシリンダ114の領域で、中間層154は座椅子チューブ110の外面を構成する。中間層154は、円筒形状になっている。いくつかの実施の形態において、外部層150の端部は、中間層154に滑らかに移動することができるよう、先が細くなっている。内部層158は中間層154の内部にある。一実施の形態において、内部層158は中間層154の内部境界となるよう、円筒形状になっている。図4Aから分かるように、中間層154は、内部層158より長く延在している。図4Aは、内部層158の内面162も示している。
座椅子チューブ112は、底部ブラケット108内に密着している。底部ブラケット108は停止部180を含み、当該停止部180は、底部ブラケット108内で座椅子チューブ112を適切に位置づけるために中間層154の底部に隣接している。中間層154の底部において、座椅子チューブ112は底部ブラケット108に接着している。
図4Bは、破線AAに沿った座椅子チューブ110の断面図である。三つの異なる材料の層150,154,158は、互いに接触して示されている。図4Bは、内部層158の内面162も示している。
図5−図7は、底部ブラケット108の一実施の形態の様々な図を示している。図示されているように、底部ブラケット108はシリンダ200を含んでおり、シリンダ200は開口部202を規定している。開口部202はクランクアセンブリを受ける。シリンダ200の一端は開口204を含み、当該開口204は下方チューブ106を取り付ける(例えば、溶接する)ための位置を規定している。シリンダ200の他端は、チェーン留め120およびチェーン留め122を取り付ける(例えば、溶接する)ための位置を規定する二つの小さな開口220,222を含んでいる。シリンダ206を受ける座椅子チューブ110は、シリンダ200上に取り付けられている。座椅子チューブ110は、中間層154の底部端部が停止部180に対して位置する(例えば、隣接する)よう、シリンダ206を受ける座椅子チューブ内に密着している。内部層158は、停止部180に隣接していない。シリンダ206の端部は、高部208と低部210を含んでいる。
図8−図11は、ヘッドチューブ102の一実施の形態の様々な図を示している。図示されているように、ヘッドチューブ102は、メインチューブ302と部分304を受けるトップチューブとを含んでいる。部分304を受けるトップチューブの一部は、メインチューブ302の開口部内に密着し、そこで接着されたり、溶接されたりすることができる。図9は、矢印306で定義されるように、部分304を受けるトップチューブ内を見せる図である。部分304は、外部構造308を含み、外部構造308の内面からは停止部310,312,314,316が突出している。
図10は、部分304を受けるトップチューブの平面図を示し、部分304を受けるトップチューブの頂点面を見下ろしている。図11は、図10の破線BBに沿って切断された部分304を受けるトップチューブの断面図を示している。トップチューブ104は外部構造308内に密着している。トップチューブ104の前端部は、停止部310,312,314,316と接触している。図11に示されるように、停止部310−316は突出部を形成している。例えば、図11は、停止部310によって形成された突出部334と、停止部314によって形成された突出部336を示している。トップチューブ104の前端は、これらの突出部に当接している。一実施の形態において、トップチューブ104は、突出部または突出部の近傍で、または受ける部分304内の他の場所で受ける部分304に接着されている。
上述された自転車フレームは、座椅子チューブ110に適した設計を含んでいる。内部層158および中間層154は、快適性(例えば、カーボンファイバーによる)および堅固性(例えば、アルミニウムによる)の間のよいバランスを提供する。アルミニウムおよびカーボンファイバー材料は、異なる弾性を有している。外部層150を用いることによって、電力差の観点から、強度を増加させる。
図12は、上述された特徴を有する自転車フレームを製造する工程の一実施の形態を示すフローチャートである。工程402において、ヘッドチューブ102が製造される。工程404において、トップチューブ104が製造される。工程406において、下方チューブ106が製造される。工程408において、座椅子チューブ110が製造される。工程410において、底部ブラケット108が製造される。工程412において、チェーン留め120,122が製造される。工程414において、座椅子留め110だけでなく、座椅子留め132,134が製造される。工程416において、ドロップアウト124,126が製造される。
工程418において、工程402−416で製造されたフレームの一部が、互いに連結される。例えば、トップチューブ104および座椅子留めチューブ130が、座椅子チューブ連結部112に接着される。トップチューブ104は、ヘッドチューブ102に接着される。座椅子チューブシリンダ114は、底部ブラケット108に接着される。下方チューブ106は、ヘッドチューブ102および底部ブラケット108に溶接される。チェーン留め120およびチェーン留め122も、底部ブラケット108に溶接される。座椅子留め132および座椅子留め134は、座椅子留めチューブ130およびドロップアウト124,126に接着されている。チェーン留め120およびチェーン留め122は、ドロップアウト124,126に溶接されている。
図12は、三つの工程を含む座椅子チューブ110の製造工程を示している。工程420において、内部層158が形成される。工程422において、中間層154が座椅子チューブ110に加えられる。工程424において、外部層150が座椅子チューブ110に加えられる。工程402−424を実行する順番は、図12に示された順番から変更することができることには注意すべきである。
カーボンファイバー成分を別々に作り、その後、それらを互いに連結代わりに、カーボンファイバーチューブの全てまたはサブセットを、一片の構造として同時におよび/または一体に作ることもできる。例えば、カーボンファイバー材料の方向層のパターンは、エポキシで満たされ、浮き袋を有するモールド内に配置されることができる。浮き袋は、加圧型の空気調整器に連結されている。モールドは、トップチューブ、座椅子チューブ、および座椅子留め構造(例えば、座椅子留めチューブと二つの座椅子留め)の形状になっている。次に、モールドが、エポキシが液体になり、カーボンファイバーと混ざることができる高温のオーブン内に配置される。十分に加熱した後、トップチューブ、座椅子チューブおよび座椅子留め構造のための一片構造が形成されるよう、モールドは冷却され、エポキシが固められる。このように、チューブが、同時に作られるとともに、連結される。
モールドをオーブン内に配置する前に、内部層158のためにエポキシで満たされたカーボンファイバーが、アルミニウムチューブ内に挿入される。このアルミニウムチューブは中間層154である。次に、外部層150のためにエポキシで満たされたカーボンファイバーが、アルミニウムチューブの周りを覆う。次に、座椅子留めが、トップチューブおよび座椅子留め構造に隣接して配置される。オーブン内で加熱されると、二つのカーボンファイバー層からのエポキシによって、カーボンファイバー層がアルミニウム層および隣接する部分に連結される。
一実施の形態において、ヘッドチューブ、下方チューブ、底部ブラケットおよびチェーン留めは、単一のアルミニウムとして、溶接され、配列され、熱処理され、そして精密に機械加工される。このアルミニウム構造を、非酸素コーティングで処理することができる。いくつかの実施の形態において、アルミニウム構造をカーボンファイバー構造に接着する代わりに、アルミニウム構造は、カーボンファイバー構造の適切な部分に対する位置に配置することができ、カーボンファイバーラミネート層は、カーボンファイバー構造とアルミニウム構造との間の結合部の周りを覆うことができる。カーボンファイバーラミネートを有するこれらの結合は、モールド内に挿入され、アルミニウム構造とカーボンフィバー構造とを連結するために加熱される。構造を結合する他の技術も用いることができる。
金属とカーボンファイバーとの結合を利用する上述されたフレームの設計は、堅固性と快適性のバランスを適切に組み合わせる。金属下方チューブ、チェーン留めおよび底部ブラケットによって堅固性がもたらされる。カーボンファイバートップチューブおよび座椅子留めによって、快適性がもたらされる。カーボンファイバー金属は軽くもある。座椅子チューブは、中間アルミニウム層によって堅固性を有し、カーボンファイバー層によって快適性を有している。中間アルミニウム層は前述の組み合わせたフレームより長く、前述の組み合わせたフレームよりも座椅子チューブの長さのより高い比率を占めるので、中間アルミニウム層はより堅固な座椅子チューブをもたらす。より堅固な座椅子チューブによって、下り坂を下るとき、より良く乗車コントロールをすることができるだけでなく、よりよいパワー効率と最新の加速を可能にする。より長く重複する内部カーボンファイバー層は、振動を吸収し、快適性を増加させることによって、アルミニウム層のバランスをとる。
座椅子チューブの外部層は、フレームに亀裂が入ることを防止することを補助する。もし、座椅子チューブが中間金属層および内部カーボンファイバー層しか含んでいなかったら、結合部に集中する剪断力のため、フレームの他の成分を有する座椅子チューブの上方結合部に亀裂が入る可能性がある。結合部を外部カーボンファイバー層で覆い、三層が重複することによって、圧力を分散することができ、結合領域に亀裂が入ることを避けることができる。
上述されたコンパクトなフレーム設計によって、通常の自転車フレーム構造より、軽くかつ堅固な自転車を製造することができる。傾斜したトップチューブは、少ない材料からなり、より小さなトライアングルを形成するので、加速するとき、降下するときおよび曲がるときの曲がり具合を最小とする。
座椅子チューブを形成する三層を用いる技術は、自転車フレームの他の部分を作るために用いることもできる。例えば、下方チューブ、トップチューブ、ヘッドチューブまたはフレームの他の部分も、三層以上の層を有することもできる。
上述した詳細な記載は、図示したり説明したりするための目的で示されている。排他的にし、本発明を開示された正確な態様に限定する意図ではない。上記の教示に関して多くの修正や変更が可能である。記載された実施の形態は、本発明の原理や実用的な応用を最も良く説明し、それゆえ、本技術分野の当業者が様々な実施の形態で、考え出された特定の利用法に適するように様々な修正を行って、本発明を最も良く利用することができるよう、選ばれている。本発明の範囲は、添付された請求項によって定義づけされることが意図されている。
自転車フレームの一実施の形態の側方図。 図1の自転車フレームの斜視図。 座椅子チューブの一実施の形態を示す図。 図3の座椅子チューブの横断面図。 図4Aから選ばれた横断面図。 底部ブラケットの一実施の形態の様々な図。 底部ブラケットの一実施の形態の様々な図。 底部ブラケットの一実施の形態の様々な図。 ヘッドチューブの一実施の形態の様々な図。 ヘッドチューブの一実施の形態の様々な図。 ヘッドチューブの一実施の形態の様々な図。 ヘッドチューブの一実施の形態の様々な図。 自転車フレームを製造する工程を示すフロー図。

Claims (37)

  1. 互いに連結された複数のチューブを備えた自転車フレームにおいて、
    前記複数のチューブの第一チューブの少なくとも一部は、少なくとも三つの異なる材料層を含み、
    前記第一チューブの少なくとも半分より多くは、前記三つの材料層の少なくとも二つを含むことを特徴とする自転車フレーム。
  2. 前記三つの異なる材料層は、カーボンファイバーを含む内部層と、金属材料を含む中間層と、カーボンファイバーを含む外部層とを含むことを特徴とする請求項1記載の自転車フレーム。
  3. 前記三つの異なる材料層の一つは、カーボンファイバーを含み、
    前記三つの異なる層の他の一つは、アルミニウムを含み、
    前記チューブの少なくともサブセットは、一体的に一片構造を形成することを特徴とする請求項1記載の自転車フレーム。
  4. 前記三つの異なる材料層は、カーボンファイバーと金属層とを含む層を含み、
    前記金属層は、前記三つの異なる層に対する外面の50%より長い長さで延在することを特徴とする請求項3記載の自転車フレーム。
  5. 頂点部と底部とを含む座椅子チューブと、
    前方支持部と、
    前記前方支持部と前記座椅子チューブとに連結された交差支持部(cross support)とを備え、
    前記頂点部は、当該頂点部の少なくとも第一部で、三つの異なる層を有することを特徴とする自転車フレーム。
  6. 前記三つの異なる層は、少なくとも一つのカーボン材料層と、少なくとも一つの金属材料層とを含むことを特徴とする請求項5記載の自転車フレーム。
  7. 前記三つの層は、カーボンファイバーを有する内部層と、金属材料を有する中間層と、カーボンファイバーを有する外部層とを含むことを特徴とする請求項5記載の自転車フレーム。
  8. 前記三つの異なる層は、カーボンファイバーを有する内部層と、アルミニウムを有する中間層と、カーボンファイバーを有する外部層とを含み、
    座椅子アセンブリを受ける前記座椅子チューブの一部は、前記内部層と、前記中間層を含まない前記外部層とを含むことを特徴とする請求項5記載の自転車フレーム。
  9. 前記座椅子チューブは、前記三つの異なる層に対する外面を有し、
    前記三つの異なる層は、内部層、中間金属層および外部層を含み、
    前記外面の半分より多くは、前記中間金属層によって形成されていることを特徴とする請求項5記載の自転車フレーム。
  10. 前記座椅子チューブは長さを有し、
    前記三つの異なる層は、内部層、中間金属層および外部層を含み、
    前記中間金属層は、前記長さの半分より長い長さで延在することを特徴とする請求項5記載の自転車フレーム。
  11. 前記座椅子チューブの前記底部に連結された底部ブラケットをさらに備え、
    前記前方支持部はヘッドチューブからなり、
    前記交差支持部はトップチューブからなり、
    前記ヘッドチューブと前記底部ブラケットとに連結された下方チューブをさらに備え、
    前記座椅子チューブの頂点部は、前記トップチューブに連結されていることを特徴とする請求項5記載の自転車フレーム。
  12. 前記三つの異なる層は、少なくとも一つのカーボン材料層と、少なくとも一つの金属材料層とを含むことを特徴とする請求項11記載の自転車フレーム。
  13. 前記三つの異なる層は、カーボンファイバーを有する内部層と、金属材料を有する中間層と、カーボンファイバーを有する外部層とを含むことを特徴とする請求項11記載の自転車フレーム。
  14. 前記中間層は前記底部ブラケットに接触し、
    前記内部層は前記底部ブラケットに接触しないことを特徴とする請求項13記載の自転車フレーム。
  15. 前記中間層は前記底部ブラケットに接触し、
    前記外部層は前記底部ブラケットに接触しないことを特徴とする請求項13記載の自転車フレーム。
  16. 内部層は第一長さからなり、
    中間層は前記第一長さと異なる第二長さからなり、
    外部層は第三長さからなり、
    前記第三長さは、前記第一長さおよび第二長さよりも短いことを特徴とする請求項13記載の自転車フレーム。
  17. 前記頂点部は、カーボンファイバーを有する内部層と、金属を有する中間層と、カーボンファイバーを有する外部層とを含み、
    前記トップチューブはカーボンファイバーから作られ、
    前記ヘッドチューブおよび下方チューブは金属から作られ、
    前記自転車は、座椅子留めと、当該座椅子留めに連結されたチェーン留めとをさらに含み、
    前記座椅子留めはカーボンファイバーから作られ、
    前記チェーン留めは金属から作られることを特徴とする請求項13記載の自転車フレーム。
  18. 自転車フレームを製造する方法において、
    チューブセットを製造する工程であって、
    前記チューブセットの第一チューブの第一層を形成する工程と、
    前記第一チューブに第二層を加える工程と、
    前記第一チューブに第三層を加える工程と、
    前記チューブの少なくともサブセットを連結する工程とを備え、
    前記第一層は、前記第一チューブの長さの半分より長くにわたり形成され、
    前記第二層は、前記第一チューブの前記長さの半分より長くにわたり加えられていることを特徴とする自転車フレームを製造する方法。
  19. 前記第一層を形成する工程は、カーボンファイバー層を形成する工程を含み、
    前記第二層を加える工程は、金属層を加える工程を含み、
    前記第三層を加える工程は、カーボンファイバーの他の層を加える工程を含むことを特徴とする請求項19記載の方法。
  20. 前記第一チューブは座椅子チューブであり、
    前記チューブセットを製造する工程は、ヘッドチューブ、下方チューブおよびトップチューブを製造する工程を含み、
    前記連結する工程は、前記トップチューブを前記ヘッドチューブおよび前記座椅子に連結する工程を含み、
    前記チューブセットを連結する工程は、前記下方チューブを前記ヘッドチューブに連結する工程を含むことを特徴とする請求項19記載の方法。
  21. 前記連結する工程は、カーボンファイバー製造工程の一部として前記チューブを製造する間に行われることを特徴とする請求項19記載の方法。
  22. 前記第二層が、前記第一層および前記第二層に関して、前記第一チューブの前記長さの半分より長い長さにわたり外面を構成するよう、前記第三層は、前記第一チューブの前記長さの半分未満で加えられることを特徴とする請求項19記載の方法。
  23. 前記第一層および前記第二層は、前記第一チューブの前記長さの少なくとも半分より長い長さを覆うことを特徴とする請求項19記載の方法。
  24. 少なくとも一部のための第一層および第二層を有する座椅子チューブと、
    前方支持部と、
    前記前方支持部および前記座椅子チューブに連結された交差支持部とを備え、
    前記座椅子チューブは座椅子チューブ長さを有し、
    前記第一層は金属層からなり、
    前記第二層は前記第一層とは異なり、
    前記第一層は前記座椅子チューブ長さの50%より長い長さで延在することを特徴とする自転車フレーム。
  25. 前記第一層は、前記座椅子チューブ長さの2/3より長い長さで延在することを特徴とする請求項25記載の自転車フレーム。
  26. 前記第一層は、前記座椅子チューブ長さの75%より長い長さで延在することを特徴とする請求項25記載の自転車フレーム。
  27. 前記第一層は、前記座椅子チューブ長さの80%より長い長さで延在することを特徴とする請求項25記載の自転車フレーム。
  28. 前記第二層は、前記座椅子チューブ長さの2/3より長い長さで延在することを特徴とする請求項25記載の自転車フレーム。
  29. 前記第二層はカーボンファイバーを含み、
    前記第二層は前記第一層の内側にあることを特徴とする請求項29記載の自転車フレーム。
  30. 前記座椅子チューブは座椅子チューブの頂点部のための第三層を有し、
    当該第三層は前記第一層の外側にあることを特徴とする請求項30記載の自転車フレーム。
  31. 底部ブラケットをさらに備え、
    前記前方支持部はヘッドチューブであり、
    前記交差支持部はトップチューブであり、
    前記ヘッドチューブおよび前記底部ブラケットに連結された金属下方チューブと、
    二つのカーボンファイバー座椅子留めと、
    前記座椅子留めおよび前記底部ブラケットに連結された二つの金属チェーン留めとをさらに備え、
    前記ヘッドチューブは金属からなり、
    前記トップチューブはカーボンファイバーからなることを特徴とする請求項25記載の自転車フレーム。
  32. 少なくとも一部のための第一層および第二層を有する座椅子チューブと、
    前方支持部と、
    前記前方支持部および前記座椅子チューブに連結された交差支持部とを備え、
    前記座椅子チューブは前記第一層および前記第二層に対して外面を有し、
    前記第一層は金属層からなり、
    前記第二層は前記第一層とは異なり、
    前記第一層は前記外面の50%より長い長さを構成することを特徴とする自転車フレーム。
  33. 前記第一層は、前記外面の2/3より長い長さで延在することを特徴とする請求項33記載の自転車フレーム。
  34. 前記第一層は、前記外面の70%より長い長さで延在することを特徴とする請求項33記載の自転車フレーム。
  35. 前記第二層はカーボンファイバーを含むことを特徴とする請求項35記載の自転車フレーム。
  36. 底部ブラケットと、
    前記前方支持部および前記底部ブラケットに連結された金属下方チューブと、
    二つのカーボンファイバー座椅子留めと、
    前記座椅子留めおよび前記底部ブラケットに連結された二つの金属チェーン留めとをさらに備え、
    前記前方支持部は金属からなり、
    前記交差支持部はカーボンファイバーからなることを特徴とする請求項33記載の自転車フレーム。
  37. 底部ブラケットをさらに備え、
    前記第一層は前記底部ブラケットに連結され、
    前記第二層は前記底部ブラケットに連結されず、
    前記前方支持部はヘッドチューブからなり、
    前記交差支持部はトップチューブからなることを特徴とする請求項33記載の自転車フレーム。
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