JP2007061981A - 打ち込み工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】釘打ち機等の打ち込み工具において、ファスナーの打ち込み深さ調節の容易性を損なうことなく、ファスナーの空中発射を困難ならしめる。
【手段】打ち込み工具は、ワークに当たると後退するプローブ17を備えており、プローブ17が後退すると中間部材51が後退して安全装置のロックが解除される。プローブ17の後端部には第1ダイアル50がねじ込まれており、第1ダイアル50の回転によってプローブ17と中間部材51との相対的な前後位置関係が変化して打ち込み深さが変わる。第1ダイアル50には第2ダイアル52が噛み合っている。両ダイアル50,52はカバー8で覆われており、カバー8の穴54を介して第2ダイアル52のみを回転操作できる。
【選択図】 図9
【手段】打ち込み工具は、ワークに当たると後退するプローブ17を備えており、プローブ17が後退すると中間部材51が後退して安全装置のロックが解除される。プローブ17の後端部には第1ダイアル50がねじ込まれており、第1ダイアル50の回転によってプローブ17と中間部材51との相対的な前後位置関係が変化して打ち込み深さが変わる。第1ダイアル50には第2ダイアル52が噛み合っている。両ダイアル50,52はカバー8で覆われており、カバー8の穴54を介して第2ダイアル52のみを回転操作できる。
【選択図】 図9
Description
本願発明は、釘やピン、鋲等のファスナー類を打ち込むための手持ち式打ち込み工具に関するものである。
釘打ち機やピン打ち機のように一般に広く使用されている打ち込み工具をその駆動源から見ると、圧縮空気を使用したエアー式のものと、ガスの燃焼圧を利用したガス式のものとに分けられる。ガス燃焼式の打ち込み工具はコンプレッサが不要であるため機動性に優れており、また、ホースが接続されていないため作業性も良い利点を有する。エアー式にしてもガス燃焼式にしても、多数の特許文献が存在している(ガス燃焼式の打ち込み工具の一例として特許文献1参照)。
ガス燃焼式の釘打ち機の一例を図12に示している。図12のうち(A)は右側面図、(B)は部分的な左側面図であり、釘打ち機は、シリンダ2が内蔵された本体1と、本体の前部に設けたヘッド部3と、本体1及びヘッド部3に取り付いたマガジン4とを備えており、本体1には、グリップ1aとトリガー5を設けている。シリンダ2にはピストン6が摺動自在に嵌まっており、ピストン6には、釘nを打ち込むためのロッド7が設けられている。釘nとロッド7はヘッド部3に案内されて前進動する。
シリンダ2は本体カバー(ハウジング)8で覆われており、シリンダ2の後方に燃焼室9が形成されている。燃焼室9はリアブロック10によって構成されている一方、シリンダ2の後部にはスリーブ11が外側から前後摺動可能に嵌まっており、スリーブ11が後退し切ると燃焼室9が閉じて、燃料ガスが燃焼室に流入するようになっている。リアブロック10にはファンや点火プラグ(いずれも図示せず)が配置されている。なお、図面ではシリンダ2やリアブロック10等はごく簡略化して表示している。
本例では、多数本の釘nを並列に並べて接着剤で接着したり紙テープで連結することによって全体として帯状の形態を成す連結釘Nが形成されており、マガジン4に装填された連結釘Nは、定格出力ばねで引っ張られているフォロアー4aでヘッド部3に向けて押されている。
ヘッド部3は、本体1及びマガジン4に固定された下ブロック12と、下ブロック12に上方から重なる上蓋13とを備えており、上蓋13は、その後部を中心にして跳ね上げ回動し得るように本体1にピン14(図12(B) 参照)で連結されており、クリップ装置16により、閉じた状態に保持される。符号16aはヘッドカバーである。
釘打ち機は、釘nの空打ち(空中発射)を防止するための安全装置を備えており、トリガー5を引いただけでは釘nを発射することはできない。安全装置は、ワークWに当たって後退するプローブ17を備えている。プローブ17の先端はワークWに当たるノーズ18になっており、ノーズ18がワークWに当たって一定寸法だけ後退すると、安全装置のロックが解除されて、トリガー5を引くとピストン6が前進動する。
プローブ17の後退動によって安全装置のロックを解除する機構として、本例では、プローブ17が後退動するとシリンダ2のスリーブ11が後退して燃焼室9が閉じられると共に、ガスの供給通路を閉じていた弁が開くようになっている。図示していないが、プローブ17とスリーブ11とは中間部材を介して連結されている。安全装置のロック解除機構としては、プローブ17の後退動により、点火プラグに電力を供給する回路が通電するように構成したり、或いは、プローブ17の後退動により、トリガー5を引き不能に保持していたロック部材をロック解除姿勢に変えたりすることも可能である。
図12(B)に示すように、プローブ17は、下ブロック12の左側面に沿って下向きに延びてから向きを水平状に変えて後方に延びており、この後ろ向きの水平部にダイアル19を設け、ダイアル19の回転によってプローブ17と中間部材との相対的な前後位置を変えることにより、プローブ17の後退可能量を調節し、以って、釘nの打ち込み深さを調節するようになっている。
すなわち、ノーズ18の先端がワークWの表面に当たった状態で釘nの打ち込みが行われるが、ロッド7とスリーブ11と中間部材との前後移動ストロークは一定であるため、プローブ17の後退可能量が変わると、ノーズ18の先端とロッド7の先端との相対的な前後位置が変わり、その結果、ワークWに対するロッド7の前進距離が変化して釘nの打ち込み深さが変わるのである。
ダイアル19は本体カバー8で覆われていて、本体カバー8にダイアル19を部分的に露出させる窓穴20が空いている。
特開2004−167649号公報
本例のようにダイアル19の回転操作によって釘n等のファスナーの打ち込み深さを調節できる構成によると、ファスナーの打ち込み深さの調節をきわめて簡単に行える利点があり、ファスナーの打ち込み深さを頻繁に変える必要がある場合、きわめて有益である。
他方、ダイアル19はプローブ17と一緒に前後移動するため、本体カバー8の窓穴20に例えばドライバを差し込んでダイアル19を押して、プローブ17を後退させてロックを解除することも可能であり、このためファスナーを空中発射できないように安全性を向上させる改善策が要請されていた。特に、ガス燃焼式の打ち込み工具については、我が国では機動性の高さから銃刀法の規制対象になっていて高い安全性をクリアーしないと所持することに警察の許可を要することから、ユーザーが面倒な手続なしで使用するためには高い安全性が要請されている。
本願発明は、打ち込み工具において、ファスナーの打ち込み深さ調節の容易性を損なうことなく、空中発射防止機能を格段に向上させることを課題とするものである。
本願発明の打ち込み工具は、基本的な構成として、ファスナーをワークに打ち込むロッドを駆動するピストンが内蔵された本体と、前記ファスナー及びロッドの前進動をガイドする部分を有するヘッド部と、後退位置にあるロッドの前方にファスナーを1本ずつ供給するファスナ供給部と、先端をワークに押しつけると後退動して前記ロッドの前進動を可能ならしめるプローブとが備えられており、プローブの後退可能量を調節することによってファスナーの打ち込み深さを調節できるようになっており、更に、前記プローブは人が指又は器具で後退させることができないように防護手段で覆われている。
そして、特徴部分として、前記防護手段又は他の防護手段で覆われた内部に、前記プローブと一緒に前後動すると共に回転するとプローブの後退可能量を変化させる第1ダイアルと、前記第1ダイアルと直接に又は間接的に噛み合った状態を保持しつつ回転のみ可能で前後移動不能な第2ダイアルとを配置しており、第2ダイアルを、当該第2ダイアルのみを外側から回転操作できるように防護手段から部分的に露出させている。
本願発明における「防護手段」はプローブを覆う機能を備えているものをすべて含んでおり、従って、防護手段としては、カバー類(シュラウド)やハウジング類には限らず、ロッドのガイド部材のような別の用途を有する部材を防護手段に兼用することも可能である。また、「ダイアル」は互いに噛み合いながら回転し得るものの総称として使用しており、従って、ギア類を初めとしたロータリー式動力伝達機構をすべて含んでいる。
本願発明において、防護手段の外側から第2ダイアルを回転操作することにより、ファスナーの打ち込み深さを簡単に調節することができる。そして、人は防護手段に設けた穴からは第2ダイアルしかアクセスすることはできず、第1ダイアルを例えばドライバのような器具で押すことによってプローブを後退させることはできない。
このように、本願発明では、プローブは指又は器具で直接に後退させることもダイアルを介して後退させることもできないため、ファスナーの打ち込み深さ調節の容易性を損なうことなく、空中発射を不能とする安全性を格段に向上することができる。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は図12と同じ釘打ち機に適用しており、基本的な構成は図12と同じである。このため、図10と同じ機能を有する部材は同じ符号を引用している。また、「左右」「前後」の表示は作業者と対峙した方向を基準にしている。
(1).概要
まず、図1及び図2に基づいて概要を説明する。図1のうち(A)は非打ち込み状態でのヘッド部3の右側面図、(B)は打ち込み状態でのヘッド部3の右側面図、図2はヘッド部3を構成する主要部材の分離斜視図である。
まず、図1及び図2に基づいて概要を説明する。図1のうち(A)は非打ち込み状態でのヘッド部3の右側面図、(B)は打ち込み状態でのヘッド部3の右側面図、図2はヘッド部3を構成する主要部材の分離斜視図である。
ヘッド部3は、マガジン4及び本体1に固定された下ブロック12と、下ブロック12に上方から重なる上蓋13と、上蓋13と下ブロック12との間に介在したスライド部17aを有するプローブ17とを備えている。マガジン4はファスナー供給部の一例である。
プローブ17の大部分は丸棒からなっており、基本的な形態は従来と同じである。すなわち、プローブ17は、前後方向に平行に延びる左右2本のスライド部17aを備えており、左右スライド部17aの前端は一体に連続していたこの先端部にゴム製や樹脂製等のノーズ18を装着している一方、片側(釘打ち機の正面視で左側)に位置したスライド部17aの後端に水平外向きの横向き折り曲げ部17bを形成し、更に、横向き折り曲げ部17bに下ブロック12の外側面に沿って下方に延びる下向き折り曲げ部17cを折り曲げ形成し、更に、下向き折り曲げ部17cの下端には後方に延びる後ろ向き水平部17dを設けている。
ノーズ18は正面視で上向き開口のコ字状に形成されており、スライド部17aの先端は側面視で下向きに傾斜している。他方、プローブ17のうち後ろ向き水平部17dには雄ねじを形成している。
下ブロック12は金属製で前後方向に長く延びており、図1(A)に示すように、その後端部が本体1の支持部22にボルト23で固定されている。下ブロック12の上面には、プローブ17のスライド部17aが嵌まる上向き開口で略半円状の下ガイド溝24が形成されており、先端部には、ノーズ18が嵌まり込み得る正面視上向き開口コ字状の下シュラウド部12aが一体に形成されている。
下ブロック12には、マガジン4に装填した連結釘Nの先頭に位置した釘nを1本だけ露出させるための釘ガイド用長穴26が前後方向に延びるように形成されている。釘ガイド用長穴26には、釘nの頭が抜け出るための広幅部26aが複数形成されている。本実施形態では、釘nは下ブロック12の上面に沿って前進動するようになっており、下ブロック12には、下シュラウド部12aの箇所に張り出す庇状のフロントガイド12bが形成されている。
また、下ブロック12には、プローブ17のスライド部17aの略下半部がスライド自在に嵌まる上向き開口の下ガイド溝27と、プローブ17の横向き折り曲げ部17bが前後移動することを許容するための横向き切り開き部28を形成している。横向き切り開き部28の前後中途部には、開蓋時にプローブ17を後退動不能に保持するストッパー29が配置されている。この点は後述する。
下ブロック12のうち横向き切り開き部28の手前側には、上蓋13を閉じた状態に保持するための鉤部30が形成されている。鉤部30はその上部が前向きに突出した形態になっている。
上蓋13の前端部は上シュラウド部13aになっており、上蓋13の上シュラウド部13aと下ブロック12の下シュラウド部12aとが重なり合うことにより、前向きに開口したシュラウド部が構成され、打ち込み時にはノーズ18の大部分が上下シュラウド部13a,12aに入り込むようになっている。上下シュラウド部13a,12aは請求項に記載した防護手段の一部を構成するものであり、上下シュラウド部13a,12aの存在により、人が指でノーズ18を摘んでロック位置まで後退させることはできない。
なお、ノーズ18の先端に指を当てるとプローブ17を後退させ切ることができるが、かくすると人は釘の打ち出しによって怪我する可能性が極めて高くなる。従って、怪我する危険を冒してまでノーズ18を後退させることは事実上ないのである。
上下シュラウド部13a,12aは互いに嵌まり合っている。このため、上蓋13と下ブロック12とは左右ずれ不能に保持されており、また、上下シュラウド部13a,12aの間に薄板を差し込んでノーズ18を後退させることもできない。
(2).上蓋の開閉構造
次に、図3及び図4も参照して上蓋13の開閉構造を説明する。図3のうち(A)はヘッド部3の平面図、(B)は上蓋13の開閉構造を説明するための分離平面図、(C)は上蓋13の開閉構造を説明するための分離平面図、図4のうち(A)は図3のIVA-IVA 視断面図、(B)は釘nの打ち込み状態でのヘッド部3の縦断側面図である(図4ではマガジン4は省略している。)。
次に、図3及び図4も参照して上蓋13の開閉構造を説明する。図3のうち(A)はヘッド部3の平面図、(B)は上蓋13の開閉構造を説明するための分離平面図、(C)は上蓋13の開閉構造を説明するための分離平面図、図4のうち(A)は図3のIVA-IVA 視断面図、(B)は釘nの打ち込み状態でのヘッド部3の縦断側面図である(図4ではマガジン4は省略している。)。
上蓋13の後端部には上向きに突出した第1軸受け32が形成されている一方、本体1を構成する本体カバー8(又は本体ブロック)には、第1軸受け32の左右外側に位置する固定軸受け33(図1参照)が形成されており、これら固定軸受け33と第1軸受け32とに第1支軸34を挿通することにより、上蓋13を起立姿勢まで跳ね上げ回動できるようになっている。
クリップ装置16は、ばね体35とリンク36とレバー37とを備えている。ばね体35は板ばね製で下ブロック12の左右鉤部30の間に位置するようになっており、その先端には、左右鉤部30に係脱し得る係止ピン38を固定している。
リンク36は、上蓋13に形成した左右の第2軸受け39の間に位置する筒体40の左右両端に後ろ向きの側板41を固着した形態になっており、筒体40は第2支軸42によって上蓋13の第2軸受け39に連結されている。レバー37は左右の側板37aを備えており、レバー37の左右側板37aとリンク36の左右側板41とばね体35の後端部とが第3支軸43によって一体に連結されている。
上蓋13を閉じた状態で係止ピン38を下ブロック12の鉤部30に前方から嵌め入れて、その状態でレバー37を後方に倒すと、第1支軸34が固定軸受け32で前向き移動不能に保持された状態で係止ピン38がばね体35を介して後方に引かれる。また、第3支軸43が第2支軸42よりも下方に移動するいわゆる支点超えにより、リンク36は後方に倒れた状態に保持されて、ばね体35の弾性力によって閉蓋状態が保持される。レバー37を手前に倒してリンク36を手前に倒すと、係止ピン38は鉤部30から離脱して上蓋13を開くことができる。
図8に示すように、上蓋13の下面には、打ち込みに際して釘nとロッド7とを案内する第1ガイド溝44と、プローブ17のスライド部17aの略上半部がスライド自在に嵌まる下向き開口の第2ガイド溝45とが形成されている。本実施形態の釘打ち機は仕上げ釘(フィニッシュネイル)用であることから、図8に示すように、ロッド7及び第1ガイド溝44は断面四角形(長方形)に形成されている。言うまでもないが、ロッド7は円形でも良い。また、第1ガイド溝44を下ブロック12のみに形成したり、第1ガイド溝44を下ブロック12と上蓋13とに半分ずつ形成するなどしても良い。
(3).ストッパー・被覆部・打ち込み深さ調節機構
次に、図5以下の図面も参照して、プローブ17に対するストッパー及び被覆部、並びに釘nの打ち込み深さ調節機構を説明する。図5は上蓋13を省略した状態での平面図、図7は要部の右側面図、図7は本体カバー8を省略した状態での左側面図、図7は図7の VIII-VIII視断面図、図9は図7の IX-IX視断面図である。
次に、図5以下の図面も参照して、プローブ17に対するストッパー及び被覆部、並びに釘nの打ち込み深さ調節機構を説明する。図5は上蓋13を省略した状態での平面図、図7は要部の右側面図、図7は本体カバー8を省略した状態での左側面図、図7は図7の VIII-VIII視断面図、図9は図7の IX-IX視断面図である。
既述のとおり、下ブロック12にはプローブ17の横向き折り曲げ部17bが前後動することを許容するための横向き切り開き部28が形成されている。そして、例えば図2や図5に示すように、横向き切り開き部28のうち、プローブ17が前進し切った状態で横向き折り曲げ部17bの真後ろに位置する部位にストッパー29を配置している。
詳細は省略するが、ストッパー29は、下ブロック12に形成した穴に上下動自在でかつ抜け不能に嵌め込まれており、ばね(図示せず)で上向きに押されている。そして、ストッパー29のうちプローブ17よりも奥側の部位(釘ガイド用長穴26に寄った部位)に上向きの突起部を形成しており、上蓋13を閉じた状態ではばねに抗して下向きに押されることにより、プローブ17の横向き折り曲げ部17bがストッパー29の後方にスライドすることが許容されている。また、上蓋13を開くと、ストッパー29はばねによって上向きに突出し、このためプローブ17は後退動不能に保持される。
ヘッド部3の左側面の大部分は本体カバー8で覆われているが、図5に一点鎖線で示すと共に図8に実線て示すように、本体カバー8の上端部には、下ブロック12の横向き切り開き部28に入り込む被覆部(フランジ部)49を形成して、被覆部49によってプローブ17の横向き折り曲げ部17bを上方から覆っている。言うまでもないが、上蓋13は被覆部49と干渉しないように形成されている。
仮に、横向き折り曲げ部17bが外側に露出していると、この横向き折り曲げ部17bをドライバー等の細い物で押すことによって安全装置のロックが解除される可能性があるが、本願発明ではプローブ17の横向き折り曲げ部17bは開蓋状態においても被覆部49で覆われているため、横向き折り曲げ部17bを押してロックを解除することはできない。本実施形態のように被覆部49とストッパー29とを併用すると、プローブ17を人為的に後退させることはより困難になるため好適である。
既述のとおり、プローブ17の後ろ向き水平部17dには雄ねじが形成されており、図7〜8に示すように、プローブ17の後ろ向き水平部17dにギア状の第1ダイアル50がねじ込まれている。また、プローブ17の後ろ向き水平部17dの後端には小径部17eが形成されており、この小径部17eが、安全装置の一環をなす中間部材51に嵌まっている。第1ダイアル50の後端は中間部材51に当接している。
第1ダイアル50には、本体カバー8の外側から人が指で回転操作できるギア状の第2ダイアル52が噛み合っている。第2ダイアル52は本体カバー8に設けた囲い部53で囲われており、人が指で操作できるように、本体カバー8に設けた穴54から部分的に露出している。第2ダイアル52は囲い部53に設けた支軸52aに回転自在で前後動不能に保持されている。なお、支軸52aを第2ダイアル52一体に形成してもよい。
第1ダイアル50はプローブ17と一種に前後移動するが、前後移動しても第2ダイアル52との噛み合い状態が保持されるように長い長さになっている。両ダイアル50,52の噛み合い状態を保持しつつプローブ17が前後動することを許容する手段としては、第1ダイアル50の長さを短くして第2ダイアル52の長さを長くすることも可能である。また、囲い部53を本体カバー8とは別部材に製造して、これを本体カバー8に溶接やねじ止めで固着しても良い。また、プローブ17は、後ろ向き水平部17dと他の部分とを別々の部材で構成することも可能である。
第2ダイアル52を回転させると第1ダイアル50が逆方向に回転し、プローブ17が前後いずれかの方向に移動する。他方、ロッド7の前後動ストロークと中間部材51の前後動ストロークは一定であるため、ダイアル50,52が回転して中間部材51に対するプローブ17の前後位置が変わると、前進し切った状態でのロッド7の先端とノーズ18の先端との相対的な前後位置が変化し、これにより、釘nの打ち込み深さが変わる。
そして、打ち込み深さ調節機構を構成する第1ダイアル50は本体カバー8の囲い部53で覆われているため、囲い部53の穴54から第1ダイアル50を押すことはできず、このため、打ち込み深さ調節機構の部材を操作してロックを解除することはできない。また、第2ダイアル52を押してロックを解除することはできないため、第2ダイアル52は人が回転操作しやすいように露出面積を大きくすることができ、このため、打ち込み深さの調節を楽に行うことができる。なお、第1ダイアル50と第2ダイアル52との間にアイドルダイアルを介在させることも可能である。
本実施形態では、本体カバー8、下ブロック12、上蓋13、シュラウド部12a,13aが請求項に記載した防護手段を構成している。
(4).他の実施形態
図10では第2実施形態を示している。(A)は要部の縦断側面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。この実施形態では、ヘッド部3は、ファスナー及びロッドが通る円筒状のインナーガイド55とこれをスライド自在に保持するアウターガイド56とを備えており、かつ、インナーガイド55がプローブを兼用しており、インナーガイド55が後退すると中間部材が押される。
図10では第2実施形態を示している。(A)は要部の縦断側面図、(B)は(A)のB−B視断面図である。この実施形態では、ヘッド部3は、ファスナー及びロッドが通る円筒状のインナーガイド55とこれをスライド自在に保持するアウターガイド56とを備えており、かつ、インナーガイド55がプローブを兼用しており、インナーガイド55が後退すると中間部材が押される。
そして、インナーガイド55に打ち込み深さ調節用の調節筒57を外側からねじ込み、調節筒57に形成した溝状のギア部に第1ダイアル50の大径ギア部50aを噛み合わせることにより、第1ダイアル50が回転しつつインナーガイド55と一緒に前後移動することを許容し、かつ、第1ダイアル50に第2ダイアル52を噛み合わせている。そして、ダイアル50,52と調節筒57とを防護手段としてのカバー58で覆っている。
第1ダイアル50はスライド軸59に回転自在で前後スライド自在に嵌まっている。スライド軸59及び第2ダイアル52は図示しないブラケットを介してアウターガイド56に取付けられている。また、インナーガイド55は前後動のみして回転はしないように回り止め手段を介してアウターガイド56に保持されている。
図11では第3実施形態を示している。この実施形態の打ち込み工具は、固定式のブロック体60にファスナー及びロッドが通る打ち出し穴61が形成されているタイプであり、ブロック体60の前部を筒状部60aに形成して、その外側にフロントプローブ62を配置している。フロントプローブ62は筒状部60aの上面に沿って後方に延びる足部62aを備えており、その後方には板状のリアプローブ63が配置されている。
フロントプローブ62とリアプローブ63とは図示しない回り止め手段によって回転不能に保持されており、かつ、リアプローブ63は中間部材と連結されている。そして、フロントプローブ62の足部62aとリアプローブ63の前部とにねじ軸64,65を同心に固定し、両ねじ軸64,65に1つの第1ダイアル50をねじ込み、更に、第1ダイアル50に第2ダイアル52を噛み合わせている。この例では防護手段としてカバー58を設けている。
この場合、フロントプローブ62のねじ軸64とリアプローブ63のねじ軸65とを、一方を右ねじとして他方を左ねじとしており、このため、第2ダイアル52の回転操作によって第1ダイアル50を回転させると両プローブ62,63は接近したり離反したりし、その結果、フロントプローブ62の先端とロッドの先端との相対的な位置関係が変化して、ファスナーの打ち込み深さが調節される。
第2実施形態及び第3実施形態から容易に理解できるように、本願発明は上蓋を備えていないタイプの打ち込み工具にも容易に適用でき、また、プローブは板状等の様々の形態に設定できる。
(5).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、ダイアルは本体カバーとは異なるヘッド部専用のカバーで覆うことも可能である。更に、第2ダイアルを露出させる穴を塞ぐ開閉自在な補助カバーを設けることも可能である。ダイアルが振動等によって回転することを防止するための保持手段を設けることも可能である。ダイアルの噛合形態としては、一方のダイアルに突起を周方向に沿って多数形成し、他方のダイアルに、前記突起が嵌まる穴を周方向に沿って多数形成するといったことも可能である。
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、ダイアルは本体カバーとは異なるヘッド部専用のカバーで覆うことも可能である。更に、第2ダイアルを露出させる穴を塞ぐ開閉自在な補助カバーを設けることも可能である。ダイアルが振動等によって回転することを防止するための保持手段を設けることも可能である。ダイアルの噛合形態としては、一方のダイアルに突起を周方向に沿って多数形成し、他方のダイアルに、前記突起が嵌まる穴を周方向に沿って多数形成するといったことも可能である。
なお、本願発明者は特願2005−138988号の発明者と同一である(居所が相違するのは転籍に伴うものである。)
1 本体
2 シリンダ
3 ヘッド部
5 トリガー
6 ピストン
7 ロッド
8 本体カバー
12 下ブロック
13 上蓋
17 プローブ
18 プローブの一部を構成するノーズ
12a,13a シュラウド部
49 被覆部
50 第1ダイアル
51 中間部材
52 第2ダイアル
54 カバーの穴
2 シリンダ
3 ヘッド部
5 トリガー
6 ピストン
7 ロッド
8 本体カバー
12 下ブロック
13 上蓋
17 プローブ
18 プローブの一部を構成するノーズ
12a,13a シュラウド部
49 被覆部
50 第1ダイアル
51 中間部材
52 第2ダイアル
54 カバーの穴
Claims (1)
- ファスナーをワークに打ち込むロッドを駆動するピストンが内蔵された本体と、前記ファスナー及びロッドの前進動をガイドする部分を有するヘッド部と、後退位置にあるロッドの前方にファスナーを1本ずつ供給するファスナ供給部と、先端をワークに押しつけると後退動して前記ロッドの前進動を可能ならしめるプローブとが備えられており、プローブの後退可能量を調節することによってファスナーの打ち込み深さを調節できるようになっており、更に、前記プローブは人が指又は器具で後退させることができないように防護手段で覆われている打ち込み工具であって、
前記防護手段又は他の防護手段で覆われた内部に、前記プローブと一緒に前後動すると共に回転するとプローブの後退可能量を変化させる第1ダイアルと、前記第1ダイアルと直接に又は間接的に噛み合った状態を保持しつつ回転のみ可能で前後移動不能な第2ダイアルとを配置しており、第2ダイアルを、当該第2ダイアルのみを外側から回転操作できるように防護手段から部分的に露出させている、
打ち込み工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005253790A JP2007061981A (ja) | 2005-09-01 | 2005-09-01 | 打ち込み工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005253790A JP2007061981A (ja) | 2005-09-01 | 2005-09-01 | 打ち込み工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=37924775
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007061981A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011067925A (ja) * | 2009-09-28 | 2011-04-07 | Hitachi Koki Co Ltd | 打込機 |
CN111469097A (zh) * | 2020-04-16 | 2020-07-31 | 周小威 | 排钉锤 |
JP2022513880A (ja) * | 2018-12-20 | 2022-02-09 | ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト | 打ち込み装置 |
-
2005
- 2005-09-01 JP JP2005253790A patent/JP2007061981A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011067925A (ja) * | 2009-09-28 | 2011-04-07 | Hitachi Koki Co Ltd | 打込機 |
JP2022513880A (ja) * | 2018-12-20 | 2022-02-09 | ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト | 打ち込み装置 |
JP7420811B2 (ja) | 2018-12-20 | 2024-01-23 | ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト | 打ち込み装置 |
CN111469097A (zh) * | 2020-04-16 | 2020-07-31 | 周小威 | 排钉锤 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20070420 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070612 |