JP2007061219A - 液体移注具 - Google Patents

液体移注具 Download PDF

Info

Publication number
JP2007061219A
JP2007061219A JP2005248497A JP2005248497A JP2007061219A JP 2007061219 A JP2007061219 A JP 2007061219A JP 2005248497 A JP2005248497 A JP 2005248497A JP 2005248497 A JP2005248497 A JP 2005248497A JP 2007061219 A JP2007061219 A JP 2007061219A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vial
drug
solution
liquid
needle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005248497A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Hasegawa
長谷川  満
Masanobu Iwasa
昌暢 岩佐
Kota Takahashi
宏太 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nipro Corp
Original Assignee
Nipro Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nipro Corp filed Critical Nipro Corp
Priority to JP2005248497A priority Critical patent/JP2007061219A/ja
Publication of JP2007061219A publication Critical patent/JP2007061219A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Abstract

【課題】
溶解操作中に薬剤バイアル内で生成する泡の量を抑制すると共に、挿着方向の間違いを防止する構造を持つ液体移注具を提供すること
【解決手段】
板状ハブと、該板状ハブの面を貫通して設けられた両端に刃先を有するカヌラと、該板状ハブの両面にそれぞれ該板状ハブの面に対して垂直に設けられた中空柱状の薬剤バイアル挿着部と中空柱状の溶解液バイアル挿着部を含む液体移注具であって、該カヌラは、薬剤バイアル挿着部側が絞り針に形成された中空針であって、薬剤バイアル挿着部及び溶解液バイアル挿着部は板状ハブの遠位端に開口部を有し、薬剤バイアル挿着部側の遠位端の開口部は閉鎖部材で閉鎖され、被覆部材は該閉鎖部材と該薬剤バイアル挿着部との境目を跨ぐように被覆し、該被覆部材は該閉鎖部材が薬剤バイアル挿着部側より分離可能となるよう分離手段を設けてなる液体移注具を用いる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体移注具に関する。より詳しくは蛋白製剤の充填されたバイアルを、溶解液の充填されたバイアルと接続し、溶解液を移注して蛋白製剤を溶解し、溶解された蛋白製剤を注射器に移注する操作に好適な液体移注具に関する。
従来より、病院などの医療機関においては、バイアル等の薬剤容器に入った乾燥薬剤を蒸留水や生食、ブドウ糖液などの溶解液(他の薬液を含む)に溶解して点滴注射等に用いている。また、蛋白製剤の場合には、患者自身が自己注射のために薬液調製を行う事が多く、濃度調整過誤の防止や煩雑な作業を回避するために、予め専用の溶解液が充填された溶解液バイアルがセットになっている。
このような溶解操作を行う場合、多くは両頭針という両端に中空の穿刺針を有する器具が使用されている。即ち、両頭針の両端の穿刺針をそれぞれ薬剤の入った薬剤バイアルのゴム栓及び溶解液の入った溶解液バイアルのゴム栓に刺入して両者を連通させ、溶解液バイアル内の溶解液を薬剤バイアル内へ移注して薬剤バイアル内の薬剤を溶解して薬液を調製する。その後、薬剤バイアルから溶解液バイアル及び両頭針を取り外して薬剤バイアル内の薬液をシリンジに一定量採取して薬液を直接投与したり、あるいは薬液バイアル内の薬液を溶解液バイアル内に移送し、溶解液バイアルから薬剤バイアル及び両頭針を取り外して、溶解液バイアルに輸液セット等を接続し、輸液セット等を介して薬液を投与したりしている。
しかし、薬剤に蛋白製剤を用いる場合、蛋白製剤は溶解性が悪い上に泡立ちしやすく、一度形成した泡は消えにくいために、薬液調製の際に形成した泡によってバイアルから薬液を正確に採取しにくくなり、バイアル内に採取できない薬液が残留するため、高価な薬液をロスするという問題がある。そこで薬液調製の際の泡立ちを回避するために、発生した泡を破泡する方法や泡の発生を抑制する方法などがある。
薬剤バイアルが減圧されていることを利用し、薬液を調製する際に薬剤バイアル内で生じた泡を破泡する方法として、シリンジから薬剤バイアル内を連通する薬液通路と、外界と薬剤バイアル内を連通する気体通路とを備え、気体通路には除菌フィルターと気体通路の外界側開口端を閉鎖する着脱可能な閉鎖具とを設けた針を用いるものがある。これは、溶解液を含むシリンジに該針を装着し、次に該針を装着したシリンジを薬剤バイアルに刺入して連通させて、シリンジ内の溶解液を薬剤バイアル内に移注しゆるやかに薬剤バイアルを振とうして薬剤バイアル内の薬剤を溶解させる。その後、閉鎖具を取り外して気体通路に設けられたフィルターによって除菌された空気を気体通路より薬剤バイアルに取り込み、減圧状態である薬剤バイアル内の気圧を常圧に戻すことによって泡内外に差圧を生じさせ破泡させるものである(特許文献1)。
また、薬剤バイアルに溶解液を移注する際に生じる泡の量を抑制する方法として、液体移注具の製剤バイアル側の針に、先端を閉塞して先端付近に側孔を設けた針(絞り針)を用いることによって、製剤に直接溶解液を当てないようにする方法がある。これは、溶解液バイアル挿着部側に突出している針に溶解液バイアルを挿着した後、薬剤バイアル挿着部に薬剤バイアルを挿着させ溶解液が薬剤バイアルの内壁側部に噴出されることによって溶解液が薬剤バイアル内壁を伝って緩やかに注がれて薬剤と混合されるため泡の発生を抑制できるというものである(特許文献2)。
特許第3467758号 特開2002−172151号
しかし、特許文献1のような発生した泡を破泡させる方法では、泡の発生量が多すぎる場合には常圧にしても一部の泡が破泡しにくいといった問題がある。また、特許文献2のような液体移注具は薬剤バイアル挿着部と溶解液バイアル挿着部とが同形状である場合があり、その際には薬剤バイアル挿着部に溶解液バイアルを挿着するといった挿着方向を間違うおそれがある。挿着方向を間違えると、薬剤バイアル側に先端に孔を持つ針が刺入されることになるので溶解液が薬剤上へ注がれてしまうため泡が発生してしまうことになる。また、溶解液バイアル挿着前に針形状を確認し、絞り針でない側であることを見極めた後に溶解液バイアルに刺入しなければならず操作が面倒である。そこで、針形状を確認することなく挿着方向を識別でき、溶解操作中に薬剤バイアル内で生成する泡の量を抑制することが可能な構造が必要である。さらには薬剤バイアルと液体バイアルの連通順序を確認できることが好ましい。
本発明の目的は溶解操作中に薬剤バイアル内で生成する泡の量を抑制すると共に、挿着方向の間違いを防止する構造を持つ液体移注具を提供することにある。
そこで、本発明者らは、被覆部材が該閉鎖部材と該薬剤バイアル挿着部との境目を跨ぐように被覆し、該被覆部材は該閉鎖部材が薬剤バイアル挿着部側より分離可能となるよう分離手段を設けてなる液体移注具を用いることにより、使用前には薬剤バイアル接続部が閉鎖部材によって閉鎖されているため挿着方向を誤る恐れがなく、また、薬剤バイアル側に突出する針の形状を絞り針にすることによって、溶解液が薬剤バイアルの内壁側面へ射出されるため、溶解液が薬剤バイアル内壁を伝って流下するので直接薬剤に滴下されないことから生成する泡の量を抑制可能であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、板状ハブと、該板状ハブの面を貫通して設けられた両端に刃先を有するカヌラと、該板状ハブの両面にそれぞれ該板状ハブの面に対して垂直に設けられた中空柱状の薬剤バイアル挿着部と、中空柱状の溶解液バイアル挿着部を含む液体移注具であって、該カヌラは、薬剤バイアル挿着部側が絞り針に形成された中空針であって、薬剤バイアル挿着部及び溶解液バイアル挿着部は板状ハブの遠位端に開口部を有し、薬剤バイアル挿着部側の遠位端の開口部は閉鎖部材で閉鎖され、被覆部材は該閉鎖部材と該薬剤バイアル挿着部との境目を跨ぐように被覆し、該被覆部材は該閉鎖部材が薬剤バイアル挿着部側より分離可能となるよう分離手段を設けてなる液体移注具である。
本発明の液体移注具は、上述のように薬液調製が容易であり、薬剤バイアルと溶解液バイアルとの挿入方向を誤る心配がない。また、泡の発生を抑制することでバイアル内の薬液の採取の際に泡によって採取が妨害されず高価な薬液がバイアル内に残留することを防ぐため薬液調製に好適に用いることができる。
以下、図面を用いて本発明の液体移注具を具体的に説明する。しかし、本発明はこれら図面に記載した実施態様に限定されるものではない。
図1は本発明の液体移注具についての一実施態様の縦断面図である。図2(a)〜(d)は本発明の液体移注具の閉鎖部材及び被覆部材を除いた部分についての他の実施態様の斜視図である。図3(a)〜(d)は本発明の液体移注具の挿着深さ制御手段についての他の実施態様の縦断面図である。図4は本発明の液体移注具及び該液体移注具に外挿する外挿具についての一実施態様の縦断面図である。図5(a)〜(c)は本発明の液体移注具の被覆部材の分離手段についての実施様態の側面図である。図6は図1に示す液体移注具の使用方法を説明する縦断面図である。
図1は、板状ハブ1と両端に刃先を有するカヌラ2と薬剤バイアル挿着部3と溶解液バイアル挿着部4とを含む薬液移注具である。板状ハブ1の一方の面には円筒の薬剤バイアル挿着部3が、他方の面には円筒の溶解液バイアル挿着部4がそれぞれ板状ハブ1の面に対して垂直に、板状ハブ1を間に挟むように向かい合って同軸上に形成されており、薬剤バイアル挿着部3及び溶解液バイアル挿着部4の軸に当たる部位の板状ハブを貫くようにカヌラ2が挿通している。カヌラ2は両頭の中空針であって薬剤バイアル挿着部側が絞り針21に、溶解液バイアル挿着部側がベベル針22にそれぞれ形成されている。薬剤バイアル挿着部3は薬剤バイアルのバイアル口部の外部形状と係合する内径を有し、溶解液バイアル挿着部4は溶解液バイアルのバイアル口部の外部形状と係合する内径を有し、それぞれ溶解液バイアル装着部4と薬剤バイアル装着部3は板状ハブ1の遠位端に開口部を有する。溶解液バイアル挿着部4の内部には、カヌラ2が軸に位置し板状ハブ1の面に対して垂直に形成された円状の枠体である挿着深さ制限手段5が形成され、薬剤バイアル挿着部3、溶解液バイアル挿着部4及び挿着深さ制限手段5はハブ1と一体成型によって形成されている。薬剤バイアル挿着部3の開口部は閉鎖部材8で閉鎖され、閉鎖部材8と薬剤バイアル挿着部3の境目を跨ぐように被覆部材9が液体移注具の外周を被覆している。被覆部材9には閉鎖部材が薬剤バイアル装着部3より脱離可能であるように、分離手段として点線状の切れ込み10が閉鎖部材8と薬剤バイアル挿着部3との境目近傍且つ境目より板状ハブ側に設けられている。薬剤バイアル挿着部3の開口部に閉鎖部材8が設けられることによって溶解液バイアルを薬剤バイアル挿着部3に挿着することが防ぐことができるため、薬剤バイアル挿着部3に溶解液バイアルを挿着するといったバイアル挿着方向の間違いを回避することができる。また、被覆部材9が閉鎖部材8と薬剤バイアル挿着部3との境目を跨ぐように被覆していることから不可抗力によって閉鎖部材が脱落することを防ぎ、操作者が意識的に閉鎖部材8を外さない限り閉鎖部材8が外れないようになっている。さらには、使用時等に閉鎖部材8を薬剤バイアル挿着部3より脱離したい場合には、被覆部材9に分離手段が設けられているため、分離手段によって分離された閉鎖部材側の被覆部材ごと閉鎖部材を容易に脱離することが可能である。
板状ハブ1、薬剤バイアル挿着部3及び溶解液バイアル挿着部4は、薬剤バイアル及び溶解液バイアルを挿着した後、バイアルを取り外すまでバイアルが脱離しない程度に組み付けられて固定されるような可撓性を持つ部材が望ましく、ポリエチレンやポリプロピレン、ABS樹脂などを用いることができる。
板状ハブ1の形状、薬剤バイアル挿着部3及び溶解液バイアル4挿着部の外部形状は特に限定されるものではなく、図2(a)のような一本の円柱や図2(b)のような角柱、図2(c)のような一本の柱体から板状ハブがはみ出した形状や図2(d)のような二つの柱体が連結した形状でもよい。図2(c)のような一本の柱体から板状ハブがはみ出した形状は、バイアルから液体移注具を取り外す際に、柱体からはみ出したハブが指掛け部分になるためバイアルから取り外しやすいため、好ましい。また、各々のバイアル挿着部の内部形状は、各々のバイアルが係合可能な形状ならば特に限定されるものではないが、バイアル及び後述の外挿具を確実に固定するためバイアル口外径と同径の円柱であることが好ましい。さらには各々のバイアル挿着部の内壁に、例えば中心方向に突出し軸方向に柱状に形成された小さな突起を120°間隔で設ける等の緩み止めを設けることによって、バイアル挿着部とバイアル及び外挿具との係合を強固にすることが可能である。
カヌラ2は一般にステンレス鋼で形成された両端に刃先を有する中空の両頭針であり、板状ハブ1の面を貫通して取り付けられている。カヌラ2は板状ハブ1を境に、薬剤バイアル挿着部側の形状は先端を閉塞し先端近傍に側孔211を設けた絞り針21に形成した。薬剤バイアル挿着部側を絞り針21に形成することによって溶解液が下方ではなく側面へ注出することになるため、溶解液が直接薬剤バイアル内の薬剤に注ぎ込まず、バイアルを伝って注ぐため泡立ちを抑えることが可能となる。溶解液バイアル挿着部側のカヌラ2の形状は特に限定されるものではないが、溶解液バイアルのゴム栓に刺入する際、コアリングを発生させないために、ベベル針22であって、刃面221とカヌラ2のなす角度が0〜5°になるように先端側が10〜20°屈曲されている構造であることが好ましい。通常のベベル針をゴム栓に刺通した場合、コアリングする恐れがあるが、前記のような構造にしたベベル針22を用いた場合は刃面221とカヌラのなす角度が0〜5°と小さいためベベル針の針穴基端側でゴム栓を引き千切ったり打ち抜いたりすること無く刺入することが可能である。先端を10〜20°屈曲させることでベベル針22の刃面221とカヌラ2とのなす角度が0〜5°に調整でき、また、カヌラ先端が20°以上屈曲するとベベル針22がバイアルに斜め刺しとなって、針によってゴム栓に空いた孔が斜め刺しによって引き伸ばされることによってバイアル内の気密性が損なわれると同時に雑菌が混入するおそれがあるため20°以上屈曲させることは望ましくない。
前記構造のベベル針22は刃先が偏倚しているため、溶解液バイアルのゴム栓に前記ベベル針22を刺入した際に針が曲がる。溶解液バイアルのキャップが板状ハブ1へ接するまで挿着可能な構造である場合、ベベル針22は板状ハブ付け根までキャップに刺入されることになる。ベベル針は屈曲しているため奥まで刺入されるほど針の曲がりが大きくなり、ベベル針22の刺入によってゴム栓に空いた孔がベベル針22の屈曲に応じて引き伸ばされ、気密性を損なうおそれがあると同時に雑菌が混入するおそれもある。そのため、ベベル針22が板状ハブ1近傍で大きく屈曲することのないように、溶解液バイアルを板状ハブ1に接するまで挿着できないよう溶解液バイアル挿着部側に挿着深さ制限手段5を設けることが好ましい。挿着深さ制限手段5を設ける場合、溶解液バイアルを溶解液バイアル挿着部4に深く挿入できない分、カヌラ2が溶解液バイアルと連通しなかったり挿着した溶解液バイアルが不安定になったりするおそれがあるため、挿着深さ制限手段5を設けた場合は、挿着深さ制限手段によって溶解液バイアルが板状ハブ方向へ進入が不可能となった深さ分、カヌラ及び溶解液バイアル挿着部を長く形成する。
前記挿着深さ制限手段5は、溶解液バイアルを安定に溶解液バイアル挿着部4に挿着でき且つ溶解液バイアルが板状ハブ1に接するまで挿着できないような形状ならば特に限定されるものではなく、液体移注具と一体成型しなくてもよい。例えば、図3(a)のように溶解液バイアル挿着部4内に、カヌラ2が中心部に位置し板状ハブ1の面に対して垂直に突出した枠状体を一体成型してもよいし、図3(b)のように溶解液バイアル挿着部4の内壁に、板状ハブ1と平行に張り出す凸部を一体成型してもよいし、図3(c)のように溶解液バイアル挿着部内に収納可能である板状ハブの面に対して垂直な枠状体を形成し、溶解液バイアル挿着部内に収納してもよい。溶解液バイアルの溶解液バイアル挿着部4への挿着が煩わしくなく丈夫であることが望ましいため、図3(a)のように溶解液バイアル挿着部内に、カヌラが中心部に位置し板状ハブ1の面に対して垂直に突出した枠状体を一体成型したものが好ましい。また、図3(d)のように枠状体と溶解液バイアル挿着部で囲まれた空隙部分が埋まっている形状でもよい。
溶解液バイアル挿着部4及び薬剤バイアル挿着部3の内径よりバイアル口外径の小さなバイアルAに使用する際にもバイアルのゴム栓中央に液体移注具のカヌラを刺入可能とするために、図4に示されるようにバイアル口外径と係合する内径のバイアル挿着部11を持つ中空柱状であって溶解液バイアル挿着部4及び薬剤バイアル挿着部3と係合可能な係合部12を持つ外挿具Eを用いてもよい。また、挿着深さ制限手段5が液体移注具と一体成型されている場合は、外挿具Eの係合部12を挿着深さ制限手段5に係合させてもよく、バイアル挿着部と外挿具との係合方法はバイアルが安定に挿着でき且つ使用に支障をきたさなければ特に限定しない。特に、溶解液バイアル挿着部側が前記ベベル針22に形成され、溶解液バイアル挿着部4に外挿具Eを用いてバイアルAを使用する場合は、前述の理由から外挿具Eに挿着深さ制限手段13を設けることが好ましい。外挿具を用いることによって、使用の際にはバイアル挿着部より小さなバイアル口外径をもつバイアルAに対しても安定に固定し且つカヌラを中央に刺入することが可能である。また、外挿具の内壁にも、バイアル挿着部同様に緩み止めを設けることでバイアルと外挿具との係合を強固とすることが可能となる。なお、薬剤バイアル挿着部3に外挿具Eを用いる場合は後述の使用方法で閉鎖部材を取り外した後に使用する。
閉鎖部材8は薬剤バイアル挿着部に溶解液バイアルが接続できないように障害となるものであれば、形状及び大きさは特に限定されるものではない。通常、内部が確認できるように透明な素材が用いられ、この様なものとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等である。
被覆部材9は閉鎖部材8と薬剤バイアル挿着部3との境目を跨ぐように薬剤バイアル挿着部3の外周を被覆し、閉鎖手段8が分離できるように切断可能な構造を有している。被覆部材9の素材として、例えばポリエチレン、塩化ビニリデン樹脂、塩化部ビニル樹脂等のフィルムがある。被覆部材9が閉鎖部材8と薬剤バイアル挿着部3との境目を跨ぐように被覆していることから不可抗力によって閉鎖部材8が脱落することを防ぎ、操作者が意識的に閉鎖部材8を外さない限り閉鎖部材8が外れないようになっている。被覆部材9の切断部の構造は特に限定されるものではなく、図5(a)のように閉鎖部材8と該薬剤バイアル挿着部4との境目より板状ハブ側でかつ境目近傍の周方向に点線状の切れ込みを入れた構造を設けてもよいし、図5(b)のように帯状の切りとり口を周方向に設けるような構造をしていてもよいし、図5(c)のように帯状の切りとり口を軸方向に設けるような構造をしていてもよいが、図5(a)のように閉鎖部材8と該薬剤バイアル挿着部4との境目よりハブ側でかつ境目近傍の周方向に点線状の切れ込みを入れた構造を設けることが特に好ましい。それは、閉鎖部材と薬剤バイアル挿着部とにそれぞれ捩りの力を加えることによって、閉鎖部材と切断された被覆部材の遠位端側とが薬剤バイアル挿着部より分離可能となるので、操作が簡単であるためである。また、被覆部材上に連通順序の注意書きを表記することで連通順序を間違えないように注意を促してもよい。
被覆部材9が薬剤バイアル挿着部3の開口部を閉鎖することで閉鎖部材の代わりをしてもよい。被覆部材9によって薬剤バイアル挿着部3の開口部まで覆うことで閉鎖部材がなくても薬剤バイアル挿着部側を塞ぐことができ、薬剤バイアル挿着部3に薬剤バイアルを挿着することが阻害できるため閉鎖部材8がある場合と同様の効果が得られ且つ部材数を減らすことが可能となる。
本発明の液体移注具の使用方法について図6を用いて説明する。まず溶解液バイアルSを口部が上に来るように直立させ、液体移注具Tの溶解液バイアル挿着部4を下にして液体移注具Tを溶解液バイアル口部6に上から刺入する。このとき溶解液バイアルSのゴム栓はベベル針22で刺入される。次に、閉鎖部材8を被覆部材9ごと円周方向に捩って、閉鎖部材8と本体より切断された被覆部材9とを液体移注具Tから取り外す。続いて、薬剤バイアルVを口部が上になるように直立させ、溶解液バイアルSが装着された状態の液体移注具Tを薬剤バイアル挿着部3を下にして薬剤バイアル口部7に上から刺入する。このとき薬剤バイアル口部7は絞り針21で刺入される。上から順に、溶解液バイアルS、液体移注具T、薬剤バイアルVとなって液体移注具による溶解液バイアルと薬剤液バイアルの連通は完了し、薬液バイアルに溶解液バイアルの溶解液が移注され薬剤と溶解液が混合する。必要ならば薬液が泡立たないよう薬剤バイアルを軽く振って溶解を促進させ、薬液を調製する。最後に薬剤バイアルから液体移注具を取り外し別途用意したシリンジの注射針を薬剤バイアルに刺入し薬液を吸引採取して使用する。このように本発明の液体移注具を使用すると、溶解液バイアルを薬剤バイアル挿着部に挿着するといった操作ミスを回避することができる。また、薬剤バイアルに刺入される針が絞り針であるため溶解液が直接薬剤上に注ぐことがないため薬液調製の際に泡立ちを抑制することができ、シリンジで吸引採取する際に泡によって吸引が阻害されず薬液が正確に採取することができるので、高価な薬液がバイアル内に残留することを防ぐことが可能である。
本発明の液体移注具は、上述のように薬液調製が容易であり、薬剤バイアルと溶解液バイアルとの挿入方向を誤る心配がない。また、泡の発生を抑制することでバイアル内の薬液の採取の際に泡によって採取が妨害されず高価な薬液がバイアル内に残留することを防ぐため薬液調製に好適に用いることができる。
本発明の液体移注具についての一実施態様例の縦断面図。 (a)〜(d)は本発明の液体移注具の閉鎖部材及び被覆部材を除いた部分についての他の実施態様の斜視図。 (a)〜(d)は本発明の液体移注具の挿着深さ制御手段についての他の実施態様の縦断面図。 本発明の液体移注具に外挿する外挿具についての一実施態様の縦断面図及び斜視図。 (a)〜(c)は本発明の液体移注具の被覆部材の分離手段についての他の実施様態の側面図。 図1に示す液体移注具の使用方法を説明する縦断面図。
符号の説明
1 板状ハブ
2 カヌラ
3 溶解液バイアル挿着部
4 薬剤バイアル挿着部
5 挿着深さ制限手段
6 溶解液バイアル口部
7 薬剤バイアル口部
8 閉鎖部材
9 被覆部材
10 切断部
11 バイアル挿着部
12 係合部
13 挿着深さ制限手段
21 絞り針
22 ベベル針
61 溶解液バイアルゴム栓
71 薬剤バイアルゴム栓
211 側孔
221 先端孔
T 液体移注具
E 外挿具
S 溶解液バイアル
V 薬剤バイアル
A バイアル

Claims (5)

  1. 板状ハブと、該板状ハブの面を貫通して設けられた両端に刃先を有するカヌラと、該板状ハブの両面にそれぞれ該板状ハブの面に対して垂直に設けられた中空柱状の薬剤バイアル挿着部と中空柱状の溶解液バイアル挿着部を含む液体移注具であって、
    該カヌラは、薬剤バイアル挿着部側が絞り針に形成された中空針であって
    薬剤バイアル挿着部及び溶解液バイアル挿着部は板状ハブの遠位端に開口部を有し、
    薬剤バイアル挿着部側の遠位端の開口部は閉鎖部材で閉鎖され、
    被覆部材は該閉鎖部材と該薬剤バイアル挿着部との境目を跨ぐように被覆し、該被覆部材は該閉鎖部材が薬剤バイアル挿着部側より分離可能となるよう分離手段を設けてなる
    液体移注具。
  2. 前記カヌラは、溶解液バイアル挿着部側がベベル針に形成され、該ベベル針の刃面とカヌラの軸のなす角度が0〜5°になるように前記カヌラの溶解液バイアル挿着部側の先端が10〜20°屈曲されてなる、請求項1に記載の液体移注具。
  3. 溶解液バイアル挿着部の内側に溶解液バイアルを挿着する深さを制限する挿着深さ制限手段を設けるとともに、該挿着深さ制限手段によって溶解液バイアルの挿入深さが制限された深さ分、ベベル針及び溶解液バイアル挿着部を長く形成してなる請求項1乃至2に記載の液体移注具。
  4. 閉鎖部材と被覆部材とが一体成型される、請求項1乃至3に記載の液体移注具。
  5. 溶解液バイアル挿着部及び薬剤バイアル挿着部に外挿具を外挿することによって、溶解液バイアル挿着部及び薬剤バイアル挿着部の口径よりもバイアル口外径の小さい溶解液バイアル及び薬剤バイアルを溶解液バイアル挿着部内及びバイアル挿着部内の中央に固定可能であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の液体移注具。
JP2005248497A 2005-08-29 2005-08-29 液体移注具 Pending JP2007061219A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005248497A JP2007061219A (ja) 2005-08-29 2005-08-29 液体移注具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005248497A JP2007061219A (ja) 2005-08-29 2005-08-29 液体移注具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007061219A true JP2007061219A (ja) 2007-03-15

Family

ID=37924127

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005248497A Pending JP2007061219A (ja) 2005-08-29 2005-08-29 液体移注具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007061219A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008307241A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Nipro Corp 閉塞防止具

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6362141U (ja) * 1986-10-13 1988-04-25
JPH07237651A (ja) * 1994-02-24 1995-09-12 Mashita Oukan Kogyo Kk 瓶封蓋
JP2002172151A (ja) * 2000-12-08 2002-06-18 Nipro Corp 液体移注具

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6362141U (ja) * 1986-10-13 1988-04-25
JPH07237651A (ja) * 1994-02-24 1995-09-12 Mashita Oukan Kogyo Kk 瓶封蓋
JP2002172151A (ja) * 2000-12-08 2002-06-18 Nipro Corp 液体移注具

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008307241A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Nipro Corp 閉塞防止具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6902099B2 (ja) 完全なままの個別注射バイアル解放ツールと共に使用するための液剤移動装置
KR101986869B1 (ko) 의료용 용기와 결합하기 위한 어댑터
JP6302005B2 (ja) 針保護デバイス
EP2545893A2 (en) Container comprising a port
JP3852672B2 (ja) 容器用キャップ及び液体連通用アダプタ
EP3275418B1 (en) Lid cover for drug container
US20060184103A1 (en) Syringe safety device
JP5467336B2 (ja) 薬液吸入用複合針およびこれを用いた薬液容器並びに薬液吸入方法
US20120059346A1 (en) Vial handling and injection safety systems and connectors
TWI771985B (zh) 多個小藥瓶連接接頭
WO2011122395A1 (ja) プレフィルドシリンジ
KR20010032470A (ko) 폐쇄 시스템에서 의약품 용기와 정맥용 백을 연결하는유체 이송 장치
EP2845577A1 (en) Doser having two needles
KR20160061334A (ko) 의료 용기와의 커플링을 위한 어댑터 및 블리스터를 포함하는 조립체
JP4572804B2 (ja) 液体移注具
JP2007061219A (ja) 液体移注具
JP2004329685A (ja) 薬液充填装置及び薬液充填システム
KR20160061333A (ko) 어댑터를 의료 용기와 결합시키기 위한 조립체
JP5578945B2 (ja) 混注部材及び医療用回路
JP4216926B2 (ja) 混注部材及び医療器具並びに口部及び医薬容器
JP4241108B2 (ja) 薬液調製用キット
JP2002172151A (ja) 液体移注具
JP2003325676A (ja) 混注部材及び医療器具、口部、医薬医療用容器及び穿刺部材並びに穿刺部材付シリンジ
JP2003339877A (ja) ロック式接続具
WO2011125562A1 (ja) プレフィルドシリンジ及びプレフィルドシリンジの組立方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100524

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101109