JP2007059176A - 走査電子顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、試料の分解を抑えつつ、試料の検査を高精度で行うことができ、しかも試料の検査速度を低下させることがない走査電子顕微鏡を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、レチクル107(試料)に1次電子線を照射し、2次的に放出される電子を用いてレチクル107の観察像を得る走査電子顕微鏡1であって、波長172nm以下の真空紫外光を大気中でレチクル107に照射するランプ114と、レチクル107に対する真空紫外光の照射が可能なようにレチクルを密閉する照射室123と、照射室123内でレチクル107を保持し、ランプ114とレチクル107との距離を調節可能な試料保持装置125とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、半導体集積回路製造用のレチクルの検査に使用する走査電子顕微鏡に関し、さらに詳しくは、レチクルに形成されたパターンの寸法および形状等を、レチクルの表面を汚染することなく検査する走査電子顕微鏡に関するものである。
半導体集積回路の製造においては、シリコンウェーハの表面に種々の膜からなる微細な形状の回路を形成するために、フォトリソグラフィー技術が用いられる。この技術では、石英基板上にあらかじめ形成された所定形状のパターンが、シリコンウェーハに形成された感光性樹脂(フォトレジスト)薄膜に露光機で転写される。このパターンが形成された石英基板はレチクルと呼ばれる。レチクルは、一般に溶融石英ガラス等からなる透明の石英基板の表面に、金属などの不透明膜からなるパターン(以下、「不透明膜パターン」という場合がある)が形成されたものである。そして、レチクルは、石英基板上に不透明膜を形成する工程と、この不透明膜上に感光性樹脂からなるレジストパターンを形成する工程と、レジストパターンを介して不透明膜をエッチングして不透明膜パターンを形成する工程とを経て作製される。
ところで、半導体集積回路の微細化が進むにつれて、光を用いた従来の検査装置では、レチクルに形成されたレジストパターンや不透明膜パターンの検査が困難になってきている。このため、走査電子顕微鏡をレチクルの検査に用いる技術が開発されつつある。これは従来から半導体集積回路の寸法測定や形状の検査に用いられていた測長機能付きの走査電子顕微鏡(以下、「測長SEM」という場合がある)をレチクルの検査に応用しようとするものである。
測長SEMは、回路が形成されたシリコンウェーハを走査電子顕微鏡の真空室内に高速に搬送する搬送手段と、前記シリコンウェーハ上の所定の点を走査電子顕微鏡の光学系の直下に高精度に移動させる移動手段と、前記シリコンウェーハから放出される2次電子に基づく2次電子信号から形成される試料の画像を処理して、所定の部位の寸法を算出する算出手段と、各手段の一連の動作を予め定められた手順により自動的かつ連続的に実行する制御手段とを備えている。しかしながら、測長SEMをレチクルの検査に応用するにあたっては、次のような問題がある。つまり、2次電子を放出させるための1次電子線がレチクルの観察部位に照射されると、レチクルの表面、およびその周囲の空間に存在する炭化水素や水分子が、1次電子線のエネルギーを得て重合する。そして、重合した炭化水素等はレチクルの表面に堆積する。これはコンタミネーションと呼ばれる現象であり、従来の測長SEMを使用したレチクルの検査では特に顕著に現われる。さらに詳しく言うと、レチクルの検査においては、前記した石英基板が1次電子線により帯電して分極するとともに、このことによって石英基板に形成された局所的な電場が炭化水素等の分子を誘引するためにコンタミネーションが顕著に生じる。そして、コンタミネーションは、観察部位である不透明膜パターンに堆積してその寸法を変化させてしまうのみならず、レチクルの透明部分(不透明膜パターン以外の部分)の光透過率を低下させるために半導体集積回路を製造する際の歩留まりを低下させるおそれもある。したがって、測長SEMをレチクルの検査に応用する場合には、コンタミネーションを低減する手段を講じる必要がある。
従来、オゾン発生装置を試料観察室に設けた測長SEMが知られている(例えば、非特許文献1参照)。この測長SEMでは、低真空下で平均自由工程の大きいオゾンが試料観察室内に導入されるようになっている。そして、この測長SEMでは、試料観察室内のコンタミネーションの原因物質(炭化水素等)をエネルギーの大きいオゾンと反応させて分解することによって試料観察室内が清浄化されるようになっている。
また、従来、液晶表示素子のガラス基板の表面を清浄化する技術として、大気中で平均自由工程の小さい、つまり比較的エネルギーの小さいオゾンをガラス基板に作用させる技術が知られている(例えば、非特許文献2参照)。この技術は、波長200nm以下の真空紫外光ランプを大気中で点灯させることによって、周囲の大気中の酸素分子をオゾン化するものである。そして、この技術では、真空紫外光ランプをガラス基板のごく近傍で点灯させることによって、真空紫外光がガラス基板の表面に照射されることとなる。その結果、オゾンによって炭化水素等が分解されるとともに、真空紫外光の光エネルギーによっても炭化水素等が分解されて試料の表面が清浄化されることとなる。
G.W.B.Schulter et al.; Proceedings of SPIE Vol.5567 [2004], pp876-886 菱沼宣是;「2001FPDテクノロジー大全」電子ジャーナル社刊 [2000]
しかしながら、例えば、非特許文献1の測長SEMで前記したレチクルの感光性樹脂からなるレジストパターンを検査しようとすると、観察対象のレジストパターンが、エネルギーの大きいオゾンと容易に反応して分解されてしまうために、試料観察室内の清浄化処理中はレチクルを試料観察室内に配置することができない。つまり、この測長SEMでは、清浄化処理中に試料の観察ができずに、レチクルの検査速度が著しく低下するという問題がある。
また、この測長SEMでは、レチクルの製造工程で必須とされる、不透明膜上に形成されたレジストパターンを観察する工程にオゾンが適用できないこととなる。つまり、この測長SEMでは、レチクルの製造工程で生じるコンタミネーションは清浄化することができない。また、この測長SEMでは、オゾンが試料観察室内で拡散するために、コンタミネーションの生成に支配的なレチクル表面の炭化水素が効果的に除去されないという問題がある。したがって、従来の測長SEMでは、レチクルに発生するコンタミネーションによってレチクルの検査を高精度で行うことができないという問題があった。
その一方で、例えば、非特許文献2の技術では、オゾンのエネルギーが比較的低いことからレジストパターンの分解は抑えられるものの、真空紫外光の光エネルギーによってレジストパターンが分解される恐れがある。
そこで、本発明は、試料の分解を抑えつつ、試料の検査を高精度で行うことができ、しかも試料の検査速度を低下させることがない走査電子顕微鏡を提供することを課題とする。
前記課題を解決する本発明の走査電子顕微鏡は、試料に1次電子線を照射し、2次的に放出される電子を用いて前記試料の観察像を得る走査電子顕微鏡であって、波長172nm以下の真空紫外光を大気中で前記試料に照射する紫外光源と、前記試料に対する前記真空紫外光の照射が可能なように前記試料を密閉する照射室と、前記照射室内で前記試料を保持し、前記紫外光源と前記試料との距離を調節可能な試料保持装置とを備えることを特徴とする。
この走査電子顕微鏡では、例えば、半導体集積回路製造用のレチクルのような試料に波長172nm以下の真空紫外光が照射されると、真空紫外光は、照射室内の大気中の酸素から高効率で励起酸素原子およびオゾンを発生させる。そして、レチクルのコンタミネーションの原因物質とされる炭化水素は、励起酸素原子およびオゾンによって分解される。
この走査電子顕微鏡では、レチクルがレジストパターンを有している場合には、試料保持装置が紫外光源からレチクルを遠ざける。その結果、真空紫外光は、励起酸素原子およびオゾンを発生させた後に、大気中で急速に減衰することとなる。つまり、この走査電子顕微鏡によれば、レジストパターンが真空紫外光によって分解されることが避けられる。
また、この走査電子顕微鏡では、レチクルがレジストパターンを有していない場合には、試料保持装置が紫外光源とレチクルとを近づける。その結果、真空紫外光はレチクルに到達する。したがって、この走査電子顕微鏡では、励起酸素原子、およびオゾン、ならびに真空紫外光によって炭化水素が効率的に分解する。その結果、この走査電子顕微鏡によれば、より高い清浄化効果を発揮することができる。
また、この走査電子顕微鏡では、コンタミネーションの原因物質である炭化水素等が清浄化されるので、レチクルに1次電子線を照射してレチクルの検査を行う際に、レチクルに対するコンタミネーションの発生が抑えられる。その結果、この走査電子顕微鏡によれば、レチクルの検査を高精度で行うことができる。
また、この走査電子顕微鏡では、照射室でレチクルが清浄化されるので、レチクルの検査(観察)が行われる試料観察室を別個に配置することができる。その結果、この走査電子顕微鏡では、レチクルの清浄化と、レチクルの検査とが同時に並行して実行可能となる。したがって、走査電子顕微鏡によれば、従来の測長SEM(例えば、非特許文献1参照)と比較して、レチクルの検査速度を早めることができる。
このような走査電子顕微鏡は、絶縁物を有する半導体集積回路製造用のレチクルを前記試料とすることが望ましい。
本発明の走査電子顕微鏡によれば、試料に対する1次電子線が照射されることによって試料に発生するコンタミネーションが低減されるので、試料の検査を高精度に行うことができる。また、本発明によれば、試料の分解が抑えられる。また、本発明によれば、従来の測長SEMと比較して試料の検査速度を早めることができる。
次に、本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は、本実施形態に係る走査電子顕微鏡の構成説明図である。ここでは、半導体集積回路製造用のレチクルを検査する走査電子顕微鏡について説明する。
図1に示すように、走査電子顕微鏡1は、試料観察室105と、前室108と、照射室123と、試料保持装置125と、搬送ロボット117と、制御装置104とを備えている。
試料観察室105は、レチクル107を検査するために観察するチャンバである。なお、レチクル107は、特許請求の範囲にいう「試料」に相当し、公知の半導体集積回路製造用のレチクルと同様のものである。このレチクル107としては、例えば、透明の石英基板上に形成された不透明膜と、この不透明膜上に形成されたレジストパターンとを有するものや、石英基板上に形成された不透明膜パターンを有し、レジストパターンが除去されたものなどが挙げられる。
試料観察室105には、1次電子線を照射する電子銃101、および電子光学系102を有するカラム118の直下に、レチクル107を正確に移動させるステージ106が設けられている。カラム118には、1次電子線が照射されたレチクル107から放出される2次電子を検出する検出器103が配置されている。この検出器103は、2次電子に基づく2次電子信号を制御装置104に送信している。そして、この試料観察室105には、排気装置111が接続されている。試料観察室105は、この排気装置111によって、1次電子線や2次電子が通過可能なように高真空に維持されることとなる。
前室108は、試料観察室105の前段に配置されたチャンバであり、前室108を真空にする排気装置112を備えている。そして、前室108は、この前室108と試料観察室105とを仕切るゲート弁109を備えるとともに、ゲート弁109の反対側で前室108の内側と外側とを仕切るゲート弁110を備えている。この前室108には、ゲート弁110が開かれることによってレチクル107が出し入れされる。そして、排気装置111で試料観察室105が真空にされるとともに、排気装置112で前室108が真空にされた後に、ゲート弁109が開かれることによって、前室108と試料観察室105との間でのレチクル107の移動が可能となる。つまり、前室108は、レチクル107を高真空の試料観察室105に速やかに搬送することを可能にしている。
照射室123は、後記するように、励起酸素原子およびオゾンを発生させるためのチャンバであり、この照射室123の内側と外側とを仕切るゲート弁124を備えている。この照射室123には、ゲート弁124が開かれることによってレチクル107が出し入れされる。そして、ゲート弁124が閉じられることによって、照射室123に配置されたレチクル107は密閉されることとなる。
この照射室123の上部には、波長172nmの真空紫外光を発生する誘電体バリア放電型のランプ114が据え付けられている。このランプ114は、特許請求の範囲にいう「紫外光源」に相当する。このランプ114は、石英ガラス管の内部にキセノンガスが封入してあり、外部から印加した高周波により電離し、励起した2個のキセノン原子が解離する際に波長172nmの真空紫外光を放射する。放射された真空紫外光は、合成石英の窓120を透過して照射室123内のレチクル107に照射され、同時に照射室123の内部に、後記する励起酸素原子とオゾンとを生成しつつ急激に減衰する。なお、ランプ114を収納するケーシング113内には、窒素が充填されており、ケーシング113内では、真空紫外光が減衰しないようになっている。
試料保持装置125は、照射室123内でレチクル107を保持し、ランプ114とレチクル107との距離を調節するものである。この試料保持装置125は、試料台115と、昇降機構116とで主に構成されている。試料台115は、照射室123内でレチクル107を保持するものである。昇降機構116は、試料台115を照射室123内で上下に移動させるものであり、後記する下位制御部119によって、上下の移動高さが制御されるようになっている。ちなみに、本実施形態では、試料台115が上下に約30mm程度移動可能なように設定されている。そして、試料台115が最も高く移動した際には、レチクル107と窓120の間隙121が2mm以下となるように調整されている。また、照射室123には、主に触媒フィルタ(図示せず)と排気ファン(図示せず)とからなるオゾン除害装置122が接続されており、照射室123内で発生した後記する励起酸素原子やオゾンは、オゾン除害装置122によって時間と共に徐々に照射室123内から除去されることとなる。
搬送ロボット117は、レチクル107を格納容器(図示せず)から取り出すとともに、前室108と照射室123との間でのレチクル107の搬送を行うようになっている。このような搬送ロボット117の動作は、下位制御部119で制御されている。
制御装置104は、検出器103から入力した2次電子信号に周知の画像処理を施すことによって、レチクル107の表面の形状を画像化するように構成されている。ちなみに、2次電子信号に基づいて画像化されたレチクル107の表面の形状は、モニタ104aに映し出される。また、制御装置104は、前記した画像処理を行うことによって、レチクル107の表面の形状の寸法を周知の手順で計測する。つまり、この制御装置104は、特許請求の範囲にいう「計測手段」に相当する。また、制御装置104は、試料保持装置125および搬送ロボット117の動作を制御する下位制御部119を制御している。
また、制御装置104は、検査されるレチクル107の種別に関する情報を保持しており、本実施形態での制御装置104は、レジストパターン付きのレチクル107であるか、またはレジストパターンが除去されたレチクル107であるかに応じて、次のように下位制御部119を制御するように構成されている。本実施形態での制御装置104は、レジストパターン付きのレチクル107の検査を行う場合に、下位制御部119に指令信号を出力して、レチクル107と窓120の間隙121が20mm以上となるように昇降機構116を動作させるように構成されている。また、本実施形態での制御装置104は、レジストパターンが除去されたレチクル107の不透明膜パターンの検査を行う場合に、下位制御部119に指令信号を出力して、レチクル107と窓120の間隙121が2mm以下となるように昇降機構116を動作させるように構成されている。つまり、この制御装置104は、特許請求の範囲にいう「距離調節手段」をも兼ねている。ちなみに、本実施形態での制御装置104は、検査する試料が、レジストパターン付きのレチクル107であるか、あるいはレジストパターンが除去されたレチクル107であるかの判定を、制御装置104に接続された図示しないキーボードに操作者が入力したコマンドによって行う。また、検査する試料が、レジストパターン付きのレチクル107であるか、あるいはレジストパターンが除去されたレチクル107であるかの判定は、照射室123に配置された光学的センサ(図示せず)でレジストパターンの有無を確認する検出信号に基づいて制御装置104が行うようにしてもよい。
次に、本実施形態に係る走査電子顕微鏡1の動作について適宜図面を参照しながら説明する。参照する図面において、図2は、レジストパターンを有しないレチクルが配置された照射室内に真空紫外光が照射された際の様子を示す概念図、図3は、レジストパターンを有するレチクルが配置された照射室内に真空紫外光が照射された際の様子を示す概念図である。
まず、図2に示すように、検査の試料としてのレチクル107が、不透明膜パターン206と石英基板107aとから構成されており、その表面にレジストパターン等の有機物を有していないものである場合について説明する。
図1に示すように、レチクル107は、搬送ロボット117によって、図示しない格納容器から取り出された後に、開かれたゲート弁124を介して照射室123内の試料台115上に載置される。次いで、ゲート弁124が閉じられることによって、後に発生する励起酸素原子やオゾンが照射室123外に放散しないようになる。
制御装置104は、レチクル107に真空紫外光が直接到達するように、つまりレチクル107と窓120との間隙121が2mm以下になるように下位制御部119に指令する。その結果、下位制御部119は、試料台115を昇降機構116で上昇させて、レチクル107と窓120との間隙121が2mm以下になるように設定する。レチクル107の上昇後にランプ114が発光すると、ランプ114からの真空紫外線は窓120を透過してレチクル107に到達する。
図2に示すように、ランプ114から照射された真空紫外光202は、窓120を透過した後に、大気中の酸素に吸収されて、励起酸素原子(O:酸素ラジカル)、およびオゾン(O)204を生成する。このとき、レチクル107と窓120との間隙121が狭いために、真空紫外光202の一部は、レチクル107の表面に到達して、レチクル107の表面に存在する炭化水素201の分子内結合を切断する。その結果、炭化水素201は、より小さな分子量の炭化水素203に分解する。この光分解作用は強力であり、清浄化の能力を左右する。分解された小さな分子量の炭化水素203は、励起酸素原子およびオゾン204とさらに反応して、二酸化炭素(CO)および水(HO)205となる。つまり、この走査電子顕微鏡1(図1参照)では、レチクル107の表面に存在する炭化水素201,203が二酸化炭素および水205となって除去される。その結果、試料観察室105(図1参照)内で、1次電子線がレチクル107に照射された際に、コンタミネーションの発生が抑制される。ちなみに、図2に示すように、照射室123内でレチクル107が励起酸素原子およびオゾン204、ならびに真空紫外光202に曝されたとしても、レチクル107の表面の不透明膜パターン206は殆ど影響を受けない。
次に、このようにして清浄化されたレチクル107は、図1に示すように、搬送ロボット117によって、開かれたゲート弁124を介して照射室123から取り出される。そして、レチクル107は、搬送ロボット117によって、開かれたゲート弁110を介して前室108内に搬送される。そして、前室108では、ゲート弁110が閉じられるとともに、排気装置112によって適当な真空度まで予備排気される。このとき、ゲート弁109は閉じられており、試料観察室105では、排気装置111によって高真空にまで排気される。その後、レチクル107は、開かれたゲート弁109を介して試料観察室105内のステージ106に載置される。そして、レチクル107は、電子銃101から照射された1次電子線を受けることによって2次電子を放出する。一方、制御装置104は、検出器103を介して入力した2次電子信号に基づいて画像処理を行う。そして、制御装置104は、レチクル107の表面の形状の寸法を計測することによってレチクル107の検査を行う。このようにしてレチクル107の検査が行われる際に、この走査電子顕微鏡1では、コンタミネーションの原因物質である炭化水素201,203がレチクル107から予め除去されているので、レチクル107に1次電子線が照射されたときのコンタミネーションの発生がきわめて少ない。
次に、図3に示すように、検査の試料としてのレチクル107が、石英基板107a上に形成された不透明膜206aと、この不透明膜206a上に形成されたレジストパターン301とを有するものである場合について説明する。
図1に示すように、レチクル107が照射室123内の試料台115上に載置されると、制御装置104は、レチクル107に直接到達する真空紫外光の量を低減するために、レチクル107と窓120との間隙121が20mm以上となるように、ここでは30mmとなるように下位制御部119に指令する。その結果、下位制御部119は、試料台115を昇降機構116で上昇させて、レチクル107と窓120との間隙121が30mmとなるように設定する。そして、レチクル107の上昇後にランプ114は発光する。
図3に示すように、ランプ114からの真空紫外光202は、前記したと同様に励起酸素原子およびオゾン204を生成する。そして、真空紫外光202は、レチクル107と窓120の間隙121が大きいために、レチクル107に到達する前に大気中の酸素に吸収される。このため、真空紫外光202による炭化水素201の光分解反応は殆ど生じない。そのため、炭化水素201は、生成した励起酸素原子およびオゾン204によって穏やかに清浄化される。ちなみに、励起酸素原子およびオゾン204は、レチクル107のレジストパターン301にも作用するが、その浄化作用が穏やかであるために、励起酸素原子およびオゾン204によるレジストパターン301の除去量は少ない。
以上のように、この走査電子顕微鏡1では、波長172nm以下の真空紫外光202(図2および図3参照)が大気中の酸素から高効率で励起酸素原子およびオゾン204を発生させた後に、真空紫外光202は急速に減衰することとなる。この真空紫外光202は、通常の大気中では約0.26の線吸収係数をもち、距離20mmではほぼ0.6%に減衰する。つまり、この走査電子顕微鏡1によれば、ランプ114からレチクル107が遠ざけられることによって、真空紫外光202のレジストパターン301(図3参照)に対する影響を回避することができる。
また、この走査電子顕微鏡1においては、図1に示すように、照射室123を、レチクル107が試料観察室105にまで搬送される経路上に配置することができる。そのため、試料観察室105でのレチクル107の観察と、照射室123でのレチクル107の清浄化処理とが同時に並行して実行可能となる。したがって、走査電子顕微鏡1は、従来の測長SEM(例えば、非特許文献1参照)と異なって、レチクル107の検査速度が低下することがない。
また、この走査電子顕微鏡1では、検査する試料として、図2に示すように、不透明膜パターン206のみを有し、レジストパターン301(図3参照)を有しないレチクル107を使用する際に、ランプ114とレチクル107の表面との距離を近接させることによって、真空紫外光202による炭化水素201の光分解作用を効果的に利用することができる。その結果、この走査電子顕微鏡1によれば、より高い清浄化効果を発揮することができる。
また、この走査電子顕微鏡1では、図1に示す制御装置104がレチクル107の種類に応じて自動的にランプ114とレチクル107との距離を設定するように構成されているので、検査工程を完全に自動化することが可能となる。さらに、この走査電子顕微鏡1では、照射室123と試料観察室105とが個別に配設されているので、レチクル107の観察と、レチクル107のオゾン処理とが同時に並行して実行可能となる。したがって、走査電子顕微鏡1は、従来の測長SEM(例えば、非特許文献1参照)と異なって、レチクル107の検査速度が低下することがない。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
前記実施形態では、半導体集積回路製造用のレチクル107を検査する走査電子顕微鏡1について説明したが、本発明はレチクル107に限らず、他のレジストパターンを有する試料の観察や検査を行うものであってもよい。また、本発明は、有機物からなる微細構造体を表面に有する試料の観察や検査を行う場合に、試料の前処理としての清浄化処理に応用するものであってもよい。
実施形態に係る走査電子顕微鏡の構成説明図である。 レジストパターンを有しないレチクルが配置された照射室内に真空紫外光が照射された際の様子を示す概念図である。 レジストパターンを有するレチクルが配置された照射室内に真空紫外光が照射された際の様子を示す概念図である。
符号の説明
1 走査電子顕微鏡
105 試料観察室
107 レチクル(試料)
108 前室
114 ランプ(紫外光源)
115 試料台
116 昇降機構
123 照射室
125 試料保持装置
202 真空紫外光

Claims (4)

  1. 試料に1次電子線を照射し、2次的に放出される電子を用いて前記試料の観察像を得る走査電子顕微鏡であって、
    波長172nm以下の真空紫外光を大気中で前記試料に照射する紫外光源と、
    前記試料に対する前記真空紫外光の照射が可能なように前記試料を密閉する照射室と、
    前記照射室内で前記試料を保持し、前記紫外光源と前記試料との距離を調節可能な試料保持装置と、
    を備えることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  2. 画像処理を行って前記試料の表面形状の寸法を計測する計測手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の走査電子顕微鏡。
  3. 前記紫外光源と前記試料との距離を、前記試料の種類に応じてあらかじめ設定された距離に自動的に調節する距離調節手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の走査電子顕微鏡。
  4. 前記試料に前記1次電子線を照射する試料観察室と、
    前記試料観察室に繋げられた前室と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の走査電子顕微鏡。
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