JP2007058748A - 曲面nc加工における補間パス生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 曲面NC加工において、製品の表面粗さを狙い値以下に制御するための補間パスを生成することにより効率的に製品の表面粗さを向上させることができる補間パス生成方法を提供すること。
【解決手段】 加工面に沿って移動させる工具の中心位置の等高線パスを生成した後、等高線パスを加工面における等高線パスに変換し、加工面上の等高線パスに所定数の補間パスを生成した。さらに、生成した所定数の補間パスを工具中心位置に変換するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】 加工面に沿って移動させる工具の中心位置の等高線パスを生成した後、等高線パスを加工面における等高線パスに変換し、加工面上の等高線パスに所定数の補間パスを生成した。さらに、生成した所定数の補間パスを工具中心位置に変換するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、ボールエンドミルを用いたCAMシステムによる金型等の加工に際し、等高線パスに加えて複数の補間パスを生成する補間パス生成方法に関する。
従来、CAMシステムによる金型加工に際し、スクエアエンドミルを用いた等高線加工による荒加工後、ボールエンドミルを用いた等高線加工により中仕上げ加工を行い、さらにボールエンドミルを用いた仕上げ加工を行っている。すなわち、ボールエンドミルによる曲面NC加工において、切削負荷の安定性が高い等高線パスを生成し、この等高線パスによる仕上げ加工を行っているのが実情である(例えば、特許文献1参照。)。
また、等高線パスは、切削対象物の平坦な部分が粗くなるという特性を持つため、平面部分を補間する面沿いタイプのパスを追加して加工するのが一般的である。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、工具中心位置でのピッチ指定を行っているため、製品に円弧状の凹部や凸部があると、凹部では製品面上ピッチが不足して狙い値に対し粗くなるのに対し、凸部では逆に必要以上に加工面上ピッチが増加して加工時間をロスしている。また、平面基準でピッチの値を決定しているため、均一なピッチでも製品の凹部や凸部の曲率によって粗さが変わり、製品全面の粗さを保証することができない。
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、曲面NC加工において、製品の表面粗さを狙い値以下に制御するための補間パスを生成することにより効率的に製品の表面粗さを向上させることができる補間パス生成方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、曲面NC加工における補間パス生成方法であって、加工面に沿って移動させる工具の中心位置の等高線パスを生成し、該等高線パスを加工面における等高線パスに変換し、加工面上の等高線パスに所定数の補間パスを生成し、該所定数の補間パスを工具中心位置に変換するようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、加工面上に生成される所定数の補間パスは所定の加工粗さに基づいて可変ピッチで生成されることを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、加工面の凸部における補間パスのピッチは上記凸部を成す加工面上に変換された等高線パスのピッチより縮小されることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、加工面の凹部における補間パスのピッチは上記凹部を成す加工面上に変換された等高線パスのピッチより拡大されることを特徴とする。
本発明によれば、工具中心位置の等高線パスを生成し、等高線パスを加工面における等高線パスに変換した後、加工面上の等高線パスに所定数の補間パスを生成し、これら所定数の補間パスを工具中心位置に変換するようにしたので、加工面に凹凸があっても加工面の表面粗さを狙い値以下に容易に制御することができる。
また、加工面上に生成される所定数の補間パスを所定の加工粗さに基づいて可変ピッチで生成するようにしたので、凹部で加工面上ピッチが不足して狙い値に対し粗くなることがないばかりか、凸部で必要以上に加工面上ピッチが増加して加工時間をロスすることもなく、効率的な曲面NC加工を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、等高線パスによる曲面NC加工を行うに際し、等高線パスに加え補間パスを生成するための本発明にかかる補間パス生成方法の基本概念を示している。
図1は、等高線パスによる曲面NC加工を行うに際し、等高線パスに加え補間パスを生成するための本発明にかかる補間パス生成方法の基本概念を示している。
図1に示される製品2は、全体として上方に凸状に形成されるが、局部的には円弧状の凸部(以下、凸R部という)4,6と円弧状の凹部(以下、凹R部という)8,10,12とを有している。
このような形状の製品2をボールエンドミル14を工具として用いてNC加工を行う場合、図1(a)に示されるように、まず製品2の表面(加工面)に沿って移動させる工具先端の中心(工具先端の半球部の中心、以下単に工具中心という)CTの等高線位置を高さ方向に所定のピッチで設定する。次に、図1(b)に示されるように、工具中心CTの等高線位置を加工面上に面直投影して変換し、加工面上における等高線パスを設定するが、図1(b)から分かるように、凹部8,10,12では等高線パスが粗く、凸部4,6でも水平面に近い領域ではやはり等高線パスが粗くなる傾向がある。なお、面直投影とは、工具中心CTの等高線位置を加工面上に垂直に投影することを意味している。
そこで、本発明においては、図1(c)に示されるように、等高線パスが粗い領域で加工面上に所定数の補間パスを新たに生成し、図1(d)に示されるように、加工面上に生成された補間パスを加工面上から垂直に工具中心位置に面直投影(オフセット)して、工具中心位置における補間パスを生成している。したがって、図1(a)に示される工具中心CTの等高線パスと図1(d)に示される工具中心CTの補間パスが、新たな工具中心CTの移動パスとなり、この移動パスに沿って工具中心CTを移動させることで、曲面NC加工が行われる。
また、本発明における補間パスは、所定のピッチで設定されるわけではなく、製品2の表面粗さが一定となるように部位毎に算出して、可変ピッチで設定される。すなわち、加工工具14を等高線パスに沿って移動させて加工面の加工を行うことで、等高線パス間には工具14が通過しない領域が生じ、この領域には所定の高さの未加工部分(以下、カスプという)が残存することになり、このカスプの高さ(カスプハイト)が一致になるように補間パスは生成される。
以下、カスプハイトCと加工ピッチ(隣接する等高線パス間のピッチ)Pと加工面上ピッチMPとの関係を図2を参照しながら説明する。
図2(a)は加工面が平面の場合を、図2(b)は加工面が凸Rの場合を、図2(c)は加工面が凹Rの場合をそれぞれ示している。
図2(a)に示されるように加工面が平面の場合、加工ピッチPと加工面上ピッチMPは等しく、カスプハイトCと加工ピッチP(あるいは加工面上ピッチMP)はそれぞれ次の式で表される。
ここで、Rは工具先端の半球部の半径を示している。
したがって、上記式に基づいて加工面上ピッチMPは一義的に決定され、決定された加工面上ピッチMPに基づいて所定数の補間パスが生成される。また、図2及び上記式から分かるように、加工面の凸R部における補間パスのピッチは凸R部を成す加工面上に変換された等高線パスのピッチより縮小されるのに対し、加工面の凹R部における補間パスのピッチは凹R部を成す加工面上に変換された等高線パスのピッチより拡大される。
本発明にかかる補間パスの生成方法を図3のフローチャート、図4のテストピース及び図5を参照してさらに詳述する。
ステップS1において、製品モデルの形状を3次元座標(XYZ座標)でまず入力し、ステップS2において、XY座標における最大加工領域に所定のマージンを取って生成した領域情報を入力する。さらに、ステップS3において、所定の狙い粗さ値を入力し、ステップS4において、所定のピッチで等高線パスを入力する。
次に、ステップS4において入力された等高線パスを、ステップS5において、図1(b)に示されるように加工面に面直投影して加工面上における等高線パスを生成し、ステップS6において、等高線パスの1本目を基本パスに設定する。なお、等高線パスの1本目とは、ステップS5において生成した等高線パスの最も外側に位置する等高線パスのことで、図4において「1本目」と記載されているものである。
ステップS7において、ステップS6において設定した基本パスの内側に次のパスがあるかどうかを判定し、次のパスがある場合にはステップS8に移行して、次のパスを補間を要する範囲の下限情報として設定する。次のステップS9において、基本パスとして設定したパスがステップS5において生成した等高線パスの1本目かどうかを判定し、1本目の場合にはステップS10に移行する一方、1本目でない場合にはステップS11に移行する。なお、ステップS7において基本パスの内側に次のパスがないと判定された場合、すなわち基本パスが最終パスの場合には、ステップS12に移行して下限情報をリセットした後、ステップS9に移行する。
また、基本パスとして設定したパスが等高線パスの1本目の場合には、上側(パスの外側)と下側(パスの内側)の両方が補間の対象となり、ステップS10に移行することで、1本目のパスの上側と下側に所定の補間パスを生成する。ここでは、下側に補間パスが生成される場合につき、さらに説明する。
次のステップS13においては、基本パスの開始点から所定のピッチでプレーンを定義する。すなわち、図5に示されるように、投影した等高線パスに所定のピッチで等高線パスに直交する複数のプレーン18を作成し、ステップS14において、各プレーン18と加工面の交線20を求め、ステップS15において、当該交線20の曲率を求める。さらに、ステップS16において、求められた曲率と狙い粗さから加工面上ピッチMPを計算して各プレーン18に対応する点22を生成し、ステップS17において、生成されたすべての点22を結んで補間パス24を生成する。なお、新たに生成された補間パス24に、ステップS4において入力された領域情報により決定されるXY領域外の部分が存在すれば、ステップS18においてXY領域外の部分は削除される。
ステップS19において、下限情報があるかどうかを判定し、下限情報があると判定されると、ステップS20に移行して、下限情報以下の部分を削除してステップS21に移行する。一方、ステップS19において下限情報がないと判定されると、ステップS21にスキップする。ステップS21においては、補間パス24が補間対象領域にあるかどうかを判定し、補間パスが補間対象領域にあると判定されると、ステップS22において、作成した補間パスを新たに基本パスに設定して、ステップS13に戻る。逆に、ステップS21において補間パスが補間対象領域にないと判定されると、ステップS23に移行する。すなわち、ステップS13からステップS22までのフローで補間対象領域内に必要数の補間パスを生成し、補間対象領域外に補間パスが生成された場合には、ステップS20において、補間対象領域外に生成された補間パスを削除する。
ステップS23においては、再び下限情報があるかどうかを判定し、下限情報がある場合には、ステップS24において次の投影パスを基本パスに設定してステップS7に戻る一方、下限情報がない場合には、ステップS25において、図1(d)に示されるように、生成した加工面上の補間パスのすべてを工具中心位置に面直にオフセットしてプログラムは終了する。
なお、ステップS10において、1本目のパスの上側に所定の補間パスを生成する場合、ステップS13からステップS22までのフローで1本目のパスからXY領域線に向かって外側に必要数の補間パスが生成され、補間対象領域内(1本目のパスからXY領域線までの範囲)に必要数の補間パスがすべて生成されると、ステップS21からステップS23に移行し、ステップS24を経てステップS7に戻り、さらにステップS11を経て、上述したように必要数の補間パスが1本目のパスの下側に生成される。
なお、図4は、本発明にかかる補間パス生成方法を検証するために、直方体のテストピースに所定の形状の凹部を形成する際に補間パスが生成される過程を示している。
図4(a)において、形成される凹部26の形状がまず入力される。この凹部26には、上縁に曲率半径1.00mmの凸R部28が形成され、上縁から下方に向かって曲率半径10.50mmの凹R部30が形成される。次の図4(b)において、XY座標における最大加工領域に所定のマージンを取って生成したXY領域線(領域情報)32が入力されるとともに、所定の狙い粗さ値(ここでは、カスプハイトC=3.5μm)が入力され、図4(c)において、工具中心位置における等高線パス34が所定のピッチで入力される。
次に、図4(d)において、工具中心位置における等高線パスが加工面に面直投影され、図4(e)において、加工面上に複数の補間パス36が生成される。さらに、図4(f)において、生成された補間パスが工具中心位置にオフセットされ、等高線パスと結合されて補間パスの生成が完了する。
本発明にかかる補間パス生成方法によれば、工具中心位置の等高線パスを変換した加工面上の等高線パスに所定数の補間パスを生成し、さらに補間パスを工具中心位置に変換して必要数の補間パスを生成するようにした。したがって、加工面に凹凸があっても加工面の表面粗さを狙い値以下に容易に制御することができ、効率的な曲面NC加工を行うことができるので、金型等の曲面NC加工に有用である。
2 製品、
4,6 円弧状凸部、
8,10,12 円弧状凹部、
14 ボールエンドミル、
18 等高線パス上に生成されるプレーン、
20 プレーンと加工面の交線、
22 交線上に生成される点、
24 交線上に生成される点を結んだ補間パス、
26 凹部、
28 円弧状凸部、
30 円弧状凹部、
32 XY領域線、
34 等高線パス、
36 補間パス。
4,6 円弧状凸部、
8,10,12 円弧状凹部、
14 ボールエンドミル、
18 等高線パス上に生成されるプレーン、
20 プレーンと加工面の交線、
22 交線上に生成される点、
24 交線上に生成される点を結んだ補間パス、
26 凹部、
28 円弧状凸部、
30 円弧状凹部、
32 XY領域線、
34 等高線パス、
36 補間パス。
Claims (4)
- 曲面NC加工における補間パス生成方法であって、
加工面に沿って移動させる工具の中心位置の等高線パスを生成し、該等高線パスを加工面における等高線パスに変換し、加工面上の等高線パスに所定数の補間パスを生成し、該所定数の補間パスを工具中心位置に変換するようにしたことを特徴とする補間パス生成方法。 - 加工面上に生成される所定数の補間パスは所定の加工粗さに基づいて可変ピッチで生成されることを特徴とする請求項1に記載の補間パス生成方法。
- 加工面の凸部における補間パスのピッチは上記凸部を成す加工面上に変換された等高線パスのピッチより縮小されることを特徴とする請求項2に記載の補間パス生成方法。
- 加工面の凹部における補間パスのピッチは上記凹部を成す加工面上に変換された等高線パスのピッチより拡大されることを特徴とする請求項2に記載の補間パス生成方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005245934A JP2007058748A (ja) | 2005-08-26 | 2005-08-26 | 曲面nc加工における補間パス生成方法 |
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Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
CN101881953A (zh) * | 2009-05-06 | 2010-11-10 | 陈学恭 | 一种新插补方法 |
CN101907876A (zh) * | 2010-05-28 | 2010-12-08 | 沈阳高精数控技术有限公司 | 适用于数控装置的指令点整形压缩插补方法 |
CN102354156A (zh) * | 2011-08-31 | 2012-02-15 | 哈尔滨汽轮机厂有限责任公司 | 基于数控操作系统下的型槽加工轨迹规划方法 |
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2005
- 2005-08-26 JP JP2005245934A patent/JP2007058748A/ja active Pending
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