JP2007058479A - Icモジュール検査方法とその装置、icモジュール通信方法とその装置、およびicモジュール - Google Patents

Icモジュール検査方法とその装置、icモジュール通信方法とその装置、およびicモジュール Download PDF

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若浩 川井
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Abstract

【課題】
電磁シールドで遮蔽せずとも問題なくICモジュールの検査や通信を実行する。
【解決手段】
JOMFUL(2005年8月現在、商標登録出願中)技術(technology for JOining two Metals over Film with ULtrasonic vibration)と呼ばれ、2つのメタル(M)をフィルム(F)を介して超音波振動(UL)で接合(JO)する技術を用いたICモジュールについて、導電回路の上面に絶縁層が存在する状態で該絶縁層の上面に検査用の測定端子を当接させ、このときの前記測定端子の当接面を前記導電回路の上面と略並行にして前記測定端子と前記絶縁層と前記導電回路とでコンデンサを形成し、該コンデンサを通じて前記ICモジュールの動作を検査するICモジュール検査方法であることを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

この発明は、例えばICチップの端子に導電回路が設けられたICモジュールを検査するようなICモジュール検査方法とその装置、ICモジュールと通信するようなICモジュール通信方法とその装置、およびICモジュールに関する。
近年、様々な分野で機械を用いて自動化することが行われている。例えば物流において自動化を進めようとする場合は、個々の物品等に貼付される伝票等の内容を機械により読み取り可能とすることが重要になる。この自動化を実現する方法として、個々の伝票にその内容に対応したバーコードラベルを貼付することが従来から行われている。
しかし、いわゆるバーコードリーダを用いてバーコードラベルを読みとるためには、バーコードリーダとバーコードラベルとの距離、およびバーコードリーダをバーコードラベルに向ける方向を高精度に対応させなければならない。この距離と方向の対応は手作業で行うために時間がかかり、この読み取り作業が物流の円滑化の障害となっていた。さらに、バーコードに入力できる情報量が少ないため、このバーコードラベルを用いて管理できる区域は狭い区域に限られていた。
このような背景から、近年では、誘導電磁界あるいは電波等を用いて非接触でデータの読み取りが可能な非接触ICタグが注目されている。この非接触ICタグは、誘導電磁界あるいは電波を用いていることから、記憶されたデータの読み取りにおける距離と方向の対応付けの制約がバーコードに比べると随分少なく、読み取り作業を効率よく実行することができる。具体的には、読み取りの方向に制約を受けることなく、非接触ICタグとリーダライタ装置との距離が例えば1m〜5mのどの距離であってもデータを確実に読み取ることができる。
この非接触ICタグは、主にICチップとアンテナ回路基板によって構成されている。前記ICチップは、内部に無線周波数インタフェース部、制御論理部、および記憶部(メモリ)が設けられている。
このような非接触ICタグの作製方法は、ICチップをプリント基板に一旦実装してICモジュールを作製し、該ICモジュールをアンテナ回路基板に接続して非接触ICタグを構成する方法と、アンテナ回路基板にICチップを直接実装する方法との2種類がある。
前者のICモジュールを用いる方法は、例えば13.56MHz帯の周波数を用いる非接触ICタグであれば、アンテナ回路であるコイル回路を跨ぐジャンパー回路としてモジュール基板を用いることによって生産性を向上させることが提案されている(特許文献1,2参照)。
また、例えばUHF帯(860〜960MHz)の周波数を用いる非接触ICタグにおいても、非接触ICタグの生産性向上、あるいはアンテナ回路基板の低コスト化を目的として、前者のICモジュールを用いる方法が用いられている。
このように作製された非接触ICタグやICモジュールは、一般に、完成した非接触ICタグに対して誘導電磁界あるいは電波によって非接触での通信を行うことで検査されている。
しかし、非接触での通信を行うと、該検査用の誘導電磁界あるいは電波の領域内に検査対象外の非接触ICタグが存在する場合に、正確な検査や通信ができないという問題点がある。特に、通信に電波を用いる場合、該電波の通信領域が拡散してしまい、検査対象や通信対象以外の非接触ICタグと通信してしまうという問題点がある。
このため、電磁シールドで遮蔽された空間に通信領域を作成し、この空間内に検査対象の非接触ICタグのみを供給して検査や通信する必要があった(特許文献3参照)。
特許第3451373号公報 特開2005−129037号公報 特開2004−272437号公報
この発明は、上述の問題に鑑み、電磁シールドで遮蔽せずとも問題なくICモジュールの検査や通信を実行できるICモジュール検査方法とその装置、ICモジュール通信方法とその装置、およびICモジュールを提供することを目的とする。
この発明は、交流信号によって動作するICチップの入出力兼用の端子に導電回路が設けられたICモジュールを検査するICモジュール検査方法またはその装置であって、前記導電回路の上面に絶縁層が存在する状態で該絶縁層の上面に検査用の測定端子を当接させ、このときの前記測定端子の当接面を前記導電回路の上面と略並行にして前記測定端子と前記絶縁層と前記導電回路とでコンデンサを形成し、該コンデンサを通じて交流信号により前記ICモジュールの動作を検査手段で検査するICモジュール検査方法またはその装置であることを特徴とする。
前記絶縁層は、ICモジュールの一部として導電回路の上面に固定する、あるいはICモジュールに設けず他の物体の一部を利用することができる。他の物体の一部を利用する場合には、例えばゴム製品のゴムの内側にICモジュールを埋設し、導電回路を前記ゴムの下面に対応させて、該ゴムを絶縁層として利用することができる。他にも、動植物の皮膚の内側にICモジュールを埋設し、導電回路を前記皮膚の下面に対応させて、該皮膚を絶縁層として利用することができる。
前記絶縁層の上面は、平面や曲面など、適宜の形状に形成することができる。
前記測定端子の当接面は、平面や曲面など、前記導電回路の上面と略平行になるように対応した適宜の形状に形成することができ、好ましくは、仮に前記導電回路の上面に当接させたとしたらほぼ隙間なく当接するように対応させた形状に形成することができる。
前記検査手段は、交流の電力供給を行う電源手段と信号の送受信を行う制御手段で構成する、または電源手段を備えたタイプのICモジュールが定期あるいは不定期に発信する信号を受信する制御手段で構成するなど、少なくともICモジュールから信号を受信する手段で構成することができる。
前記構成により、電波や誘導電磁界を使用せずにICモジュールを検査することができる。また、絶縁層の存在によって導電回路の上面と測定端子の当接面とが直接接触することがないため、前記導電回路と前記測定端子との磨耗を防止することができる。
この発明の態様として、前記検査は、前記ICチップにデータを正常に書き込めるか否かの書き込み検査とすることができる。
これにより、データ記憶領域における書き込み可能領域が読み取り専用領域より深い領域に存在することが通常であり、かつ、読み取りよりも書き込みの方が必要な電力量が多いことが通常であるICチップが備えられたICモジュールを適切に検査することができる。
またこの発明は、交流信号によって動作するICチップの入出力兼用の端子に導電回路が設けられたICモジュールと通信するICモジュール通信方法またはその装置であって、前記導電回路の上面に絶縁層が存在する状態で該絶縁層の上面に通信用端子を当接させ、このときの前記通信用端子の当接面を前記導電回路の上面と略並行にして前記通信用端子と前記絶縁層と前記導電回路とでコンデンサを形成し、該コンデンサを通じて交流信号により前記ICモジュールと通信手段で通信するICモジュール通信方法またはその装置とすることができる。
前記通信手段は、交流の電力供給を行う電源手段と信号の送受信を行う制御手段で構成する、または電源手段を備えたタイプのICモジュールが定期あるいは不定期に発信する信号を受信する制御手段で構成するなど、少なくともICモジュールから信号を受信する手段で構成することができる。
前記構成により、電波や誘導電磁界を使用せずにICモジュールと通信することができる。また、絶縁層の存在によって導電回路の上面と通信用端子の当接面とが直接接触することがないため、前記導電回路と通信用端子との磨耗を防止することができる。
またこの発明は、交流信号によって動作するICチップと導電回路が設けられたICモジュールであって、前記導電回路の上面に、肉厚が略一定の絶縁層を備えたICモジュールとすることができる。
これにより、電波や誘導電磁界を使用せずに通信できるICモジュールを提供することができる。
またこの発明の態様として、前記絶縁層を、不透明な素材で形成して前記導電回路の上面面積より広い面積に備えることができる。
前記導電回路は、前記絶縁層の下面で任意の形状に形成することができ、ICモジュール毎に異なる形状に形成することもできる。
前記構成により、導電回路が絶縁層の下面に隠れるため、導電回路の存在位置を知らなければ測定端子や通信用端子の当接面を導電回路の上面に対向させることができず、不正なデータの読み取りや書き込みを防止することができる。
この発明により、電磁シールドで遮蔽せずとも問題なくICモジュールの検査や通信を実行できる。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1(A)は、850〜960MHzのUHF帯の周波数を使用するRFID(Radio Frequency Identification)タグ1の平面図を示し、図1(B)はRFIDタグ1の正面図を示し、図2はICモジュール10の縦断正面図を示す。
RFIDタグ1は、長方形のシート状のアンテナ回路基板2と、該アンテナ回路基板2より充分小さい長方形の略シート状のICモジュール10とで構成されている。
前記アンテナ回路基板2は、PET製で長方形のフィルム3の上面に、該フィルム3より一回り小さいアンテナ4が設けられている。このフィルム3とアンテナ4は、いずれも肉厚が一定で、適度に湾曲可能な柔らかさを有するシート状の部材である。
前記アンテナ4は、中央に略T字型のくり貫き部6が設けられた形状のプリント回路であり、該くり貫き部6の左右が接続用突出部5,5になっている。また該アンテナ4の上面には、図示省略する絶縁層が設けられている。
前記ICモジュール10は、ICチップ(半導体ベアチップ)11とスラップ13とで構成されている。
前記ICチップ11は、例えば内部に記憶部、共振回路、整流回路、電圧検知回路、制御回路、及び定電圧回路が設けられて交流信号により動作する一般的なものであり、図2に示すように、底部に入出力兼用の端子(バンプ)12,12が設けられている。
前記スラップ13は、PET製で長方形のフィルム16の上面に、アルミニウムによるプリント回路である導電回路15,15が左右に分割して配設され、各導電回路15の上面が絶縁層14で被覆されている。この絶縁層14、導電回路15、およびフィルム16は、いずれも肉厚が一定で、適度に湾曲可能な柔らかさを有するシート状の部材であり、例えば2〜3ミクロンの肉厚に形成される。
一定の隙間を空けて配設された前記導電回路15,15には、前記ICチップ11の端子12,12がそれぞれ接続されている。
以上の構成により、RFIDタグ1は、アンテナ4によって電波を通じたデータの送受信を実行することができ、ICチップ11内の記憶部にデータを記憶することができる。
次に、前述したRFIDタグ1を製造するRFIDタグ製造装置20の構成と、該RFIDタグ製造装置20によってRFIDタグ1を製造する製造工程について説明する。
図3はRFIDタグ製造装置20の構成図を示し、図4は製造工程によってRFIDタグ1が完成する状況を説明する説明図であり、図5はICモジュール検査装置35の説明図を示し、図6はICモジュール検査装置35の部分斜視図を示し、図7はICモジュール10の製造途中の説明図を示し、図8はRFIDタグ1の製造途中の説明図を示す。
RFIDタグ製造装置20は、主にICモジュール10の製造工程となる第1搬送装置25と、完成したICモジュール10をアンテナ回路基板2に取り付けてRFIDタグ1を製造する工程となる第2搬送装置61とに、各装置が配置されて構成されている。
前記第1搬送装置25は、一端側に、ロール状のフィルム16に複数の導電回路15が一列に等間隔で予め整列配置されたモジュールロール81がセットされ、他端側に、図示省略する巻き取り芯がセットされて、前記モジュールロール81を一端側から繰り出して他端側で巻き取る装置であり、適宜のモータやベルトによって構成されている。
該第1搬送装置25の搬送経路上には、ICモジュール作成装置31、ICモジュール検査装置35、不良ICモジュール抜取装置41、およびICモジュール取出装置45が一端側から他端側へこの順に並べて設けられている。
前記第2搬送装置61は、一端側に、ロール状のフィルム3に複数のアンテナ4が一列に等間隔で予め整列配置されたアンテナロール82がセットされ、他端側に、図示省略する巻き取り芯がセットされて、前記アンテナロール82を一端側から繰り出して他端側で巻き取る装置であり、適宜のモータやベルトによって構成されている。
該第2搬送装置61の搬送経路上には、アンテナ接合装置65およびRFIDタグ検査装置71が一端側から他端側へこの順に並べて設けられている。
また、前記第1搬送装置25と第2搬送装置61との間には、デジタルカメラまたはセンサで構成される確認装置51が設けられている。
[工程A](ICモジュール作成工程)
ICモジュール作成工程である工程A(図4参照)は、前記ICモジュール作成装置31(図3参照)によって実行される。
このICモジュール作成装置31は、ICチップ11をウェハー30より取り出してスラップ13(図2参照)の導電回路15上に実装する装置である。
この実装は、例えば負荷圧力0.2Kg/mm2下で振動数40KHzの超音波振動を0.5秒間程度加える超音波実装方法を用いるとよい。この超音波実装方法によれば、図7に示す状態から、熱可塑性樹脂皮膜で形成される絶縁層14が超音波振動する端子12によって押し退けられ、図2に示したように端子12が導電回路15と接触し、さらに継続される超音波振動によって端子12が導電回路15に超音波接合される。この超音波実装方法を採用した場合は、後に熱処理等の工程を入れる必要がなく、短時間かつ低コストに実装できる。
なお、この超音波実装方法は、JOMFUL(2005年8月現在、商標登録出願中)技術(technology for JOining two Metals over Film with ULtrasonic vibration)と呼ばれるものであり、2つのメタル(M)をフィルム(F)を介して超音波振動(UL)で接合(JO)する技術である。
[工程B](ICモジュール検査工程)
ICモジュール検査工程である工程B(図4参照)は、前記ICモジュール検査装置35(図3参照)によって実行される。
このICモジュール検査装置35は、図5に示すように、リーダライタ装置36、可変抵抗器37、可変インダクタンス38、およびプローブ(測定端子)39,39により構成されている。
ここでプローブ39,39は、金属部材(銅製または金メッキなど)により形成されており、図6に示すように左右対称で、底面である当接面39aが同一の高さで同一平面上の平面であり、当接面39aが円形となる円筒形状に形成されている。そして、この2つのプローブ39の間隔は、図5に示すように、絶縁層14で被覆された導電回路15上に位置するように、内側の間隔L1が、ICチップ11の幅W1より広く絶縁層14で被覆された導電回路15の幅W2より狭い間隔となるように構成されている。またこれと共に、当接面39aと絶縁層14と導電回路15の全てが存在する領域Y(図6参照)が、絶縁層14の厚みに対して充分広い領域となってコンデンサを形成し得るように構成されている。このコンデンサが形成されるとき、絶縁層14は誘導体として機能し、プローブ39と導電回路15は電極として機能して、容量結合が行われる。
なお、プローブ39は円筒形状に限らず、当接面39aが多角形になる多角柱形状など、当接面39aが平面である適宜の形状に形成することもできる。
また、当接面39aは、まっすぐな平面に限らず、湾曲させた曲面や、凹凸のある凹凸面に形成してもよい。この場合、導電回路15の上面も当接面39aと同一形状の曲面や凹凸面に形成し、その上に肉厚一定の絶縁層14を設けるとよい。
ICモジュール10の動作検査は、図6に示すように、2つのプローブ39,39を適宜の駆動手段によってICモジュール10の各導電回路15の上方位置から同時に平行に下降させ、該プローブ39,39の底面である当接面39a,39aを絶縁層14の上面14aにそれぞれ隙間なく当接させて実行する。
このとき、図5に示すように、プローブ39、絶縁層14、および導電回路15によってコンデンサ40が形成される。従って、リーダライタ装置36は、コンデンサ40を通してICチップ11が動作する周波数の電力を供給し、ICチップ11にデータを書き込む書き込み通信を行い、データが書き込めるかどうかを検査(更新検査)することができる。
この検査の際に、ICチップ11内の回路に不具合が存在していた場合や、ICチップ11を実装した際にICチップ11が破損していた場合、あるいは実装状態の不備がある場合は、前記書き込み動作を完了できない。従って、この検査では、前記書き込み動作を完了できない場合にICモジュール10が動作不良品であると判定することができる。
[工程C](不良ICモジュール抜取工程)
不良ICモジュール抜取工程である工程C(図4参照)は、前記不良ICモジュール抜取装置41(図3参照)によって実行される。
この不良ICモジュール抜取装置41は、前述したICモジュール検査装置35によって動作不良品であると判定されたICモジュール10を抜き取る装置であり、モジュールロール81からICモジュール10を金型によって打ち抜いて該ICモジュール10を単体にする打ち抜き手段が設けられている。
この打ち抜きは、モジュールロール81を金型内に通し、動作不良品のICモジュール10の位置出しを行ってから実行する。このとき打ち抜かれたICモジュール10の不良原因を解析すれば、大きな工程不良の発生を未然に防止する管理に利用することができる。
なお、前述した不良ICモジュール抜取装置41によって動作不良品のICモジュール10を抜き取ることは行わず、どのICモジュール10が動作不良品であるかを適宜の記憶部に記憶しておき、ICモジュール取出装置45がICモジュール10を取り出す際に動作不良品のICモジュール10をスキップする構成にすることも可能である。しかし、上述したように動作不良品を抜き取ることで、製造過程のトラブル等によって動作不良品と検出されたICモジュール10が誤使用されることを確実に防止している。
[工程D](ICモジュール取出工程)
ICモジュール取出工程である工程D(図4参照)は、前記ICモジュール取出装置45(図3参照)によって実行される。
このICモジュール取出装置45は、工程Bの検査に合格したICモジュール10を切り取り、第2搬送装置61へ搬送する装置である。
ICモジュール取出装置45は、モジュールロール81からICモジュール10を金型等の切取手段で切り取り、切り取ったICモジュール10を固定搬送工具でもあるアンビル47にエアー吸引等によって固定して第2搬送装置61へ搬送する。
ICモジュール10をアンビル47に固定する時、前述の工程Cにおいて動作不良品としてICモジュール10が抜き取られた位置は、センサ等を用いて検出し、スキップする。
[工程E](固定状態確認工程)
固定状態確認工程である工程E(図4参照)は、前記確認装置51(図3参照)によって実行される。
この確認装置51は、カメラあるいはセンサ等によって構成されており、ICモジュール10がアンビル47に固定されている固定状態を確認する。これにより、後の工程Fにて接合不良が発生することを抑制している。
[工程F](アンテナ接合工程)
アンテナ接合工程である工程F(図4参照)は、前記アンテナ接合装置65(図3参照)によって実行される。
このアンテナ接合装置65は、アンビル47上のICモジュール10をアンテナ回路基板2(図1)に接合する装置である。
この接合は、ICモジュール10の2つの導電回路15をアンテナ回路基板2の2つの接続用突出部5にそれぞれ位置合わせした後、負荷圧力0.2Kg/mm2、振動数40kHzの超音波振動を、図示省略する超音波発振ホーンを通して付加しながら時間0.5秒間押し当てる超音波実装方法によって実行する。この超音波実装方法によれば、図8(A)の平面図と図8(B)の正面図に示す状態から、熱可塑性のPETで形成されるフィルム16とアンテナ4の上面の絶縁層とがアンテナ接合装置65の接合端子によって押し退けられ、図1に示したようにスラップ13の導電回路15(図2参照)がアンテナ4の接続用突出部5と接触し、さらに継続される超音波振動によって導電回路15が接続用突出部5に超音波接合される。この超音波実装方法を採用した場合は、後に熱処理等の工程を入れる必要がなく、短時間かつ低コストに実装できる。
[工程G](RFIDタグ検査工程)
RFIDタグ検査工程である工程G(図4参照)は、前記RFIDタグ検査装置71(図3参照)によって実行される。
このRFIDタグ検査装置71は、アンテナを備えたリーダライタ装置によって形成されており、このアンテナによって非接触でRFIDタグ1の通信特性を検査する。なお、この検査は無線通信を利用した検査であるため、RFIDタグ検査装置71には、電磁波が空間に放射されることを防ぐ電磁シールド72が設けられている。
以上に説明したRFIDタグ製造装置20と、このRFIDタグ製造装置20による製造工程によって、ロール状のフィルム3に複数のRFIDタグ1が一列に等間隔で予め整列配置されたRFIDタグロール(図示省略)を製造することができる。このRFIDタグロールからRFIDタグ1を切り出すことで、RFIDタグ1を得ることができる。この切り出しは、RFIDタグ製造装置20の最後の工程で実行しても良く、また切り出しを行わないでロール状のまま販売してもよい。
工程BにおけるICモジュール検査では、電磁波を空間に伝播させないため、測定対象のICモジュール10のみを正確に検査でき、該ICモジュール10が連続に連なったロール形態品の連続検査が可能となる。また、電磁波シールド等で検査領域を囲う必要がない。
また、先端が平面に加工された当接面39aを有するプローブ39を絶縁層14に接触させて検査するため、ICモジュール10の導電回路15の表面の絶縁層14を剥離する必要がなく、工程数を削減できると共に短時間で検査でき、ICモジュール10を変形させることなく検査ができる。
また、先鋭なプローブをスラップ13に突き刺し、絶縁層14を突き破って導電回路15に接触させて検査を行うような方法であれば、ICモジュール10を傷つけたり変形させたりすることになるが、プローブ39の当接面39aが絶縁層14に面接触することで、このような検査による変形を与えずにICモジュール10を検査することができる。この変形を起こさせないことによって、後の工程FでのICモジュール10とアンテナ回路基板2の接合を容易にすることができる。
また、ICチップ11内の記憶部にデータを書き込むことで検査を実施するため、記憶部の深い領域を検査できるので高精度の検査ができ、また大きい電力で検査できるので検査の確実性が高まる。
また、検査と同時にICチップ11にシリアルナンバー等を記入する書き込み動作を行うことができ、工程を削減することができる。
また、ICモジュール10が作成できた段階で検査して動作不良品を抜き取るため、RFIDタグ1が完成した後に始めて検査を行う場合にくらべて、アンテナ回路基板2の材料ロスを軽減することができる。そして、複数のRFIDタグ1が備えられたロール状の状態で販売する場合に、動作不良品のRFIDタグ1が混入した状態で納品し、購入者に動作不良品の抜き取り作業を実施させることを防止できる。
さらに、RFIDタグ1の動作不良の原因は、ICチップ11の不良と、端子12と導電回路15の接続不良が多いため、ICモジュール10を検査することで動作不良品のRFIDタグ1が製造されることを非常に高い確率で防止できる。従って、工程GでのRFIDタグ検査工程を省略することも可能である。
また、工程途中で動作不良品のICモジュール10を回収できるため、工程管理が容易になる。
また、RFIDタグ1を連続的に高速で製造できる。
なお、以上の実施形態では、UHF帯の周波数を用いる平板状のアンテナを有するRFIDタグ1で説明したが、図9の平面図および図10の正面図に示す13.56MHz帯の周波数を用いるコイル状のアンテナを有するRFIDタグ1を製造することも可能である。この場合も、上述した実施例と同様の製造工程で製造でき、同様の効果が得られる。
また、工程AでICチップ11を実装する方法として、従来の異方性導電接着剤(ACF等)を用いる方法や、RFIDタグ1とアンテナ4の接合に導電性ペースト等を用いる方法等を採用してもよい。この場合、RFIDタグ製造装置20に接着剤の供給装置、及び熱処理装置等を追加することで実現できる。
また、RFIDタグ1になる前のICモジュール10を単体で提供してもよい。この場合、工程Bの検査方法と同一の方法で通信を行えば、データの読み取りや書き込みが行える。これにより、電磁波を遮蔽せずとも通信対象と確実に通信できるICモジュール10を提供できる。
また、ICモジュール10を単体で提供する場合、絶縁層14を設けない状態で提供するか、または絶縁層14を剥がした状態で提供してもよい。この場合、例えばICモジュール10をゴム製品の中に埋設し、導電回路15の上面にゴム製品のゴム層が位置するように構成すれば、ゴム層の上からプローブ39の当接面39aを押し当てて通信することができる。他にも、例えば動植物の皮膚内にICモジュール10を埋め込み、導電回路15の上面に動植物の皮膚が絶縁層として位置するように構成すれば、皮膚の上からプローブ39の当接面39aを押し当てて通信することができる。
また、上述の実施形態では、プローブ39を通じてICモジュール10に電力供給し、この電力によってICモジュール10を動作させて通信および検査を行ったが、ICモジュール10に電源を搭載してもよい。この場合、例えばICモジュール10が定期的にデータを送信するように構成しておけば、プローブ39の当接面39aを絶縁層14に当接させるだけでデータを読み取ることができる。
また、フィルム16と絶縁層14とを広い面積に形成し、絶縁層14を不透明な部材で形成し、導電回路15をこれより狭い面積に形成してもよい。この場合、導電回路15の形状を個々のICモジュール10によって異ならせることで、導電回路15の存在位置がわからなければICモジュール10と通信できないことになる。従って、不正なデータ取得やデータ書き込みを防止してセキュリティを向上させることができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の絶縁層の上面は、実施形態の上面14aに対応し、
以下同様に、
ICモジュール通信装置は、ICモジュール検査装置35に対応し、
検査手段および通信手段は、リーダライタ装置36に対応し、
検査用の測定端子および通信用端子は、プローブ39に対応し、
測定端子の当接面および通信用端子の当接面は、当接面39aに対応し、
ICモジュール検査方法およびICモジュール通信方法は、工程Bに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
UHF帯の周波数を用いるRFIDタグの説明図。 ICモジュールの縦断正面図。 RFIDタグ製造装置の構成図。 製造工程によってRFIDタグが完成する状況の説明図。 ICモジュール検査装置の説明図。 ICモジュール検査装置のプローブ部分の斜視図。 ICモジュールの製造途中の説明図。 RFIDタグ1の製造途中の説明図。 13.56MHz帯の周波数を用いるRFIDタグの平面図。 13.56MHz帯の周波数を用いるRFIDタグの正面図。
符号の説明
10…ICモジュール
11…ICチップ
12…端子
14…絶縁層
14a…上面
15…導電回路
35…ICモジュール検査装置
36…リーダライタ装置
39…プローブ
39a…当接面
40…コンデンサ
B…工程

Claims (8)

  1. 交流信号によって動作するICチップの入出力兼用の端子に導電回路が設けられたICモジュールを検査するICモジュール検査方法であって、
    前記導電回路の上面に絶縁層が存在する状態で該絶縁層の上面に検査用の測定端子を当接させ、このときの前記測定端子の当接面を前記導電回路の上面と略並行にして前記測定端子と前記絶縁層と前記導電回路とでコンデンサを形成し、
    該コンデンサを通じて交流信号により前記ICモジュールの動作を検査する
    ICモジュール検査方法。
  2. 前記検査は、前記ICチップにデータを正常に書き込めるか否かの書き込み検査である
    請求項1記載のICモジュール検査方法。
  3. 交流信号によって動作するICチップの入出力兼用の端子に導電回路が設けられたICモジュールを検査するICモジュール検査装置であって、
    前記導電回路の上面と略並行な当接面を有する検査用の測定端子と、
    前記導電回路の上面に絶縁層が存在する状態で該絶縁層の上面に前記測定端子の当接面が略並行に当接した後に前記測定端子と前記絶縁層と前記導電回路とで形成されるコンデンサを通じて交流信号により前記ICモジュールの動作を検査する検査手段とを備えた
    ICモジュール検査装置。
  4. 前記検査手段は、前記ICチップにデータを正常に書き込めるか否かの書き込み検査を実行する構成とした
    請求項3記載のICモジュール検査装置。
  5. 交流信号によって動作するICチップの入出力兼用の端子に導電回路が設けられたICモジュールと通信するICモジュール通信方法であって、
    前記導電回路の上面に絶縁層が存在する状態で該絶縁層の上面に通信用端子を当接させ、このときの前記通信用端子の当接面を前記導電回路の上面と略並行にして前記通信用端子と前記絶縁層と前記導電回路とでコンデンサを形成し、
    該コンデンサを通じて交流信号により前記ICモジュールと通信する
    ICモジュール通信方法。
  6. 交流信号によって動作するICチップの入出力兼用の端子に導電回路が設けられたICモジュールと通信するICモジュール通信装置であって、
    前記導電回路の上面と略並行な当接面を有する通信用端子と、
    前記導電回路の上面に絶縁層が存在する状態で該絶縁層の上面に前記通信用端子の当接面が略並行に当接した後に前記通信用端子と前記絶縁層と前記導電回路とで形成されるコンデンサを通じて交流信号により前記ICモジュールと通信する通信手段とを備えた
    ICモジュール通信装置。
  7. 交流信号によって動作するICチップと導電回路が設けられたICモジュールであって、
    前記導電回路の上面に、肉厚が略一定の絶縁層を備えた
    ICモジュール。
  8. 前記絶縁層を、不透明な素材で形成して前記導電回路の上面面積より広い面積に備えた
    請求項7記載のICモジュール。
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