JP2007058187A - レジスト保護膜材料及びパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】一般式(1)で示される繰り返し単位A及び/又はBを有する高分子化合物を含むレジスト保護膜材料。
Figure 2007058187

【効果】レジスト膜上に形成されるレジスト保護膜が、非水溶性でアルカリ水溶液に溶解可能であり、しかもレジスト膜とミキシングしないものであるので、良好な液浸リソグラフィーを行うことができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体素子などの製造工程における微細加工、特に波長193nmのArFエキシマレーザーを光源とし、投影レンズとウエハーの間に水を挿入する液浸フォトリソグラフィーにおいて、フォトレジストを保護すべくレジスト上層材料として用いるレジスト保護膜材料及びこれを用いたレジストパターンの形成方法に関する。
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、現在汎用技術として用いられている光露光では、光源の波長に由来する本質的な解像度の限界に近づきつつある。レジストパターン形成の際に使用する露光光として、水銀灯のg線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光露光が広く用いられた。更なる微細化のための手段として、露光波長を短波長化する方法が有効とされ、64Mビット(加工寸法が0.25μm以下)DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)以降の量産プロセスには、露光光源としてi線(365nm)に代わって短波長のKrFエキシマレーザー(248nm)が利用された。しかし、更に微細な加工技術(加工寸法が0.2μm以下)を必要とする集積度256M及び1G以上のDRAMの製造には、より短波長の光源が必要とされ、10年ほど前からArFエキシマレーザー(193nm)を用いたフォトグラフィーが本格的に検討されてきた。当初ArFリソグラフィーは180nmノードのデバイス作製から適用されるはずであったが、KrFエキシマリソグラフィーは130nmノードデバイス量産まで延命され、ArFリソグラフィーの本格適用は90nmノードからである。更に、NAを0.9にまで高めたレンズと組み合わせて65nmノードデバイスの検討が行われている。次の45nmノードデバイスには露光波長の短波長化が推し進められ、波長157nmのF2リソグラフィーが候補に挙がった。しかしながら、投影レンズに高価なCaF2単結晶を大量に用いることによるスキャナーのコストアップ、ソフトペリクルの耐久性が極めて低いためのハードペリクル導入に伴う光学系の変更、レジストのエッチング耐性低下等の種々の問題により、F2リソグラフィーの先送りと、ArF液浸リソグラフィーの早期導入が提唱された(非特許文献1:Proc. SPIE Vol. 4690 xxix)。
ArF液浸リソグラフィーにおいて、投影レンズとウエハーの間に水を含浸させることが提案されている。193nmにおける水の屈折率は1.44であり、NA1.0以上のレンズを使ってもパターン形成が可能で、理論上はNAを1.44にまで上げることができる。NAの向上分だけ解像力が向上し、NA1.2以上のレンズと強い超解像技術の組み合わせで45nmノードの可能性が示されている(非特許文献2:Proc. SPIE Vol. 5040 p724)。
ここで、レジスト膜の上に水が存在することによる様々な問題が指摘された。発生した酸や、クエンチャーとしてレジスト膜に添加されているアミン化合物が水に溶解してしまうことによる形状変化や、膨潤によるパターン倒れなどである。そのため、レジスト膜と水との間に保護膜を設けることが有効であることが提案されている(非特許文献3:2nd Immersion Work Shop, July 11, 2003, Resist and Cover Material Investigation for Immersion Lithography)。
レジスト上層の保護膜は、今まで反射防止膜として検討された経緯がある。例えば、特許文献1〜3:特開昭62−62520号公報、特開昭62−62521号公報、特開昭60−38821号公報に示されるARCOR法などである。ARCOR法はレジスト膜上に透明な反射防止膜を形成し、露光後剥離する工程を含む方法であり、その簡便な方法で微細かつ高精度及び合わせ精度の高いパターンを形成する方法である。反射防止膜として低屈折率材料のパーフルオロアルキル化合物(パーフルオロアルキルポリエーテル、パーフルオロアルキルアミン)を用いると、レジスト−反射防止膜界面の反射光を大幅に低減し、寸法精度が向上する。フッ素系の材料としては、前述の材料以外に特許文献4:特開平5−74700号公報に示されるパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)−テトラフルオロエチレン共重合体、パーフルオロ(アリルビニルエーテル)、パーフルオロブテニルビニルエーテルの環化重合体などの非晶質ポリマーなどが提案されている。
しかし、上記パーフルオロアルキル化合物は、有機物との相溶性が低いことから、塗布膜厚を制御するための希釈液にはフロンなどが用いられているが、周知の通りフロンは現在環境保全の観点からその使用が問題となっている。また、上記化合物は均一な成膜性に問題があり、反射防止膜としては十分であるとはいえなかった。また、フォトレジスト膜の現像前に、反射防止膜をフロンで剥離しなければならなかった。そのため、従来装置に反射防止膜剥離用のシステムの増設をしなければならない、フロン系溶剤のコストがかなりかさむなど実用面でのデメリットが大きかった。
従来装置に増設無しで反射防止膜の剥離を行おうとすると、現像ユニットを使って剥離を行うのが最も望ましい。フォトレジストの現像ユニットで用いられる溶液は、現像液であるアルカリ水溶液と、リンス液である純水であるので、これらの溶液で容易に剥離できる反射防止膜材料が望ましいといえる。そのため、数多くの水溶性の反射防止膜材料及びこれらを用いるパターン形成方法が提案された。例えば、特許文献5,6:特開平6−273926号公報、特許第2803549号公報などである。
ところが、水溶性保護膜は、露光中に水に溶解してしまうので液浸リソグラフィーには用いることができない。一方で、非水溶性のフッ素系ポリマーは特殊なフロン系の剥離剤が必要であるということとフロン系溶媒専用の剥離カップが必要という問題があり、非水溶性で、簡便に剥離可能なレジスト保護膜が求められていた。
ここで、ヘキサフルオロアルコールをペンダントしたメタクリレートをベースにする現像液可溶なトップコートが提案されている(非特許文献4:J.Photopolymer Sci. and Technol. Vol.18 No.5 p615 (2005))。このものはTgが150℃と高く、アルカリ溶解性も高く、レジストとの相性も良好である。
特開昭62−62520号公報 特開昭62−62521号公報 特開昭60−38821号公報 特開平5−74700号公報 特開平6−273926号公報 特許第2803549号公報 Proc. SPIE Vol. 4690 xxix Proc. SPIE Vol. 5040 p724 2nd Immersion Work Shop, July 11, 2003, Resist and Cover Material Investigation for Immersion Lithography J.Photopolymer Sci. and Technol. Vol.18 No.5 p615 (2005)
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、良好な液浸リソグラフィーを可能とし、しかもフォトレジスト層の現像時に同時に除することができて、優れたプロセス適用性を有する液浸リソグラフィー用の保護膜材料、及びこのような材料を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)
Figure 2007058187
(式中、R1〜R4は水素原子、あるいはR1とR2、R3とR4が結合してメチレン基又はエチレン基を形成する基、R5はフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、R6は水素原子、メチル基、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。m、nはそれぞれ1〜3の整数であり、0≦a≦1、0≦b≦1、0<a+b≦1の範囲である。)
で示される繰り返し単位を有する高分子化合物の膜をレジスト保護膜材料としてレジスト膜上に形成した場合、この保護膜(レジスト上層膜)が非水溶性で、滑水性に優れ、かつカルボキシル基又はα−フルオロアルコール基を有する繰り返し単位と共重合することによってアルカリ水溶液に溶解可能であり、しかもレジスト層とミキシングすることがなく、アルカリ水による現像時に、現像と一括して剥離可能であり、又は現像前に有機溶媒によって剥離することも可能で、プロセス的な適用性がかなり広くなることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
即ち、本発明は、下記のレジスト保護膜材料及びパターン形成方法を提供する。
請求項1:
下記一般式(1)で示される繰り返し単位A及び/又はBを有する高分子化合物を含むことを特徴とするレジスト保護膜材料。
Figure 2007058187
(式中、R1〜R4は水素原子、あるいはR1とR2、R3とR4が結合してメチレン基又はエチレン基を形成する基、R5はフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、R6は水素原子、メチル基、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。m、nはそれぞれ1〜3の整数であり、0≦a≦1、0≦b≦1、0<a+b≦1の範囲である。)
請求項2:
一般式(1)で示される繰り返し単位に加えて、カルボキシル基及び下記一般式(2)で示されるα−フルオロアルコール基から選ばれるアルカリ溶解性基を有する繰り返し単位Cを共重合してなる高分子化合物を含む請求項1記載のレジスト保護膜材料。
Figure 2007058187
(式中、R7、R8は水素原子、メチル基、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、R7とR8のどちらか一方に少なくとも1個以上のフッ素原子を含む。)
請求項3:
更に、フルオロアルキル基を有する繰り返し単位Dを共重合してなる請求項1又は2記載のレジスト保護膜材料。
請求項4:
更に、上記高分子化合物を溶解する溶媒を含有する請求項1、2又は3記載のレジスト保護膜材料。
請求項5:
ウエハーに形成したフォトレジスト層上にレジスト上層膜材料による保護膜を形成し、露光を行った後、現像を行うリソグラフィーによるパターン形成方法において、上記レジスト上層膜材料として請求項1乃至4のいずれか1項記載のレジスト保護膜材料を用いることを特徴とするパターン形成方法。
請求項6:
ウエハーに形成したフォトレジスト層上にレジスト上層膜材料による保護膜を形成し、水中で露光を行った後、現像を行う液浸リソグラフィーによるパターン形成方法において、上記レジスト上層膜材料として請求項1乃至4のいずれか1項記載のレジスト保護膜材料を用いることを特徴とするパターン形成方法。
請求項7:
液浸リソグラフィーが、180〜250nmの範囲の露光波長を用い、投影レンズとウエハーの間に水を挿入させたものである請求項6記載のパターン形成方法。
請求項8:
露光後に行う現像工程において、アルカリ現像液によりフォトレジスト層の現像とレジスト上層膜材料の保護膜の剥離とを同時に行う請求項6又は7記載のパターン形成方法。
請求項9:
露光後に有機溶媒によってレジスト保護膜の剥離を行い、アルカリ現像液によりフォトレジスト層の現像を行う請求項6又は7記載のパターン形成方法。
本発明の液浸リソグラフィーによるパターン形成方法は、レジスト膜上に形成されるレジスト保護膜が、非水溶性でアルカリ水溶液(アルカリ現像液)に溶解可能であり、しかもレジスト膜とミキシングしないものであるので、良好な液浸リソグラフィーを行うことができ、またアルカリ現像時にレジスト膜の現像と保護膜の除去とを同時に一括して行うことができる。更には、アルカリ溶解性基を共重合しない場合は溶媒剥離型保護膜とすることもできる。
本発明のレジスト保護膜材料は、特に、ウエハーに形成したフォトレジスト層上にレジスト上層膜材料による保護膜を形成し、水中で露光を行った後、現像を行う液浸リソグラフィーによるパターン形成方法において、上記レジスト上層膜材料として用いられるもので、下記一般式(1)で示される繰り返し単位、即ち下記一般式(1a)で示される繰り返し単位A及び下記一般式(1b)で示される繰り返し単位B有する高分子化合物を添加してなるものである。
Figure 2007058187
(式中、R1〜R4は水素原子、あるいはR1とR2、R3とR4が結合してメチレン基又はエチレン基を形成する基、R5はフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、R6は水素原子、メチル基、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。m、nはそれぞれ1〜3の整数であり、0≦a≦1、0≦b≦1、0<a+b≦1の範囲である。)
ここで、一般式(1)中で示される繰り返し単位A及びBを得るためのモノマーとしては下記に例示することができる。
Figure 2007058187
本発明のレジスト保護膜材料に用いる高分子化合物は、一般式(1)で示される環状のパーフルオロアルキル基を有する繰り返し単位に加えて、カルボキシル基及びα−フルオロアルコール基から選ばれるアルカリ溶解性基を有する繰り返し単位Cを共重合してなることが好ましい。ここで、α−フルオロアルコール基は、下記一般式(2)に示すことができる。
Figure 2007058187
(式中、R7、R8は水素原子、メチル基、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、R7とR8のどちらか一方に少なくとも1個以上のフッ素原子を含む。)
カルボキシル基及びα−フルオロアルコール基から選ばれるアルカリ溶解性基を有する繰り返し単位Cを得るためのモノマーとしては下記に例示することができる。
Figure 2007058187
このようなモノマーから得られる繰り返し単位Cは、下記式の繰り返し単位から選ぶことができる。
繰り返し単位C
Figure 2007058187
この場合、式(1)の撥水性の繰り返し単位A及び/又はBとアルカリ溶解性の繰り返し単位Cを共重合させた高分子化合物の水への溶解速度が0.1Å(オングストローム)/s以下、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液からなる現像液の溶解速度が300Å/s以上のレジスト保護膜を形成することができる。一方、繰り返し単位A又はBのみからなり、アルカリ溶解性基を有しない場合は溶媒剥離型レジスト保護膜として用いることができる。
更に、レジスト膜とのミキシングを防止するために、フルオロアルキル基を有する繰り返し単位Dを共重合することもできる。
フルオロアルキル基を有する繰り返し単位Dを得るためのモノマーは下記に例示することができる。
Figure 2007058187
Figure 2007058187
このようなモノマーから得られる繰り返し単位Dは、下記式の繰り返し単位から選ぶことができる。
繰り返し単位D
Figure 2007058187
Figure 2007058187
上記繰り返し単位A、B、C、Dの比率をそれぞれa、b、c、dとすると、0≦a≦1.0、0≦b≦1.0、0<a+b≦1.0、0≦c≦0.9、0≦d≦0.9、0≦e≦0.9、好ましくは0≦a≦0.8、0≦b≦0.8、0.1≦a+b≦0.8、0≦c≦0.6、0≦d≦0.8の範囲であり、a+b+c+d=1である。
更に詳述すると、本発明に係る高分子化合物が、式(1a)の繰り返し単位Aと式(1b)の繰り返し単位Bからなる場合、繰り返し単位Aの割合をa、繰り返し単位Bの割合をbとし、a+b=1とした場合、0≦a≦1、0≦b≦1であり、好ましくは0≦a≦0.9、0≦b≦0.9、更に好ましくは0≦a≦0.8、0≦b≦0.8である。
また、高分子化合物が、上記繰り返し単位A,Bに加えて、上記繰り返し単位Cからなる場合、これら繰り返し単位の割合をそれぞれa、b、cとし、a+b+c=1とすると、0≦a<1、0≦b<1、0<a+b<1、0<c<1であり、好ましくは0≦a≦0.9、0≦b≦0.9、0.1≦a+b≦0.9、0.1≦c≦0.9であり、更に好ましくは0≦a≦0.8、0≦b≦0.8、0.1≦a+b≦0.8、0.2≦c≦0.8である。
更に、高分子化合物が繰り返し単位A,B,Cに加えて繰り返し単位Dからなる場合、これら繰り返し単位の割合をそれぞれa、b、c、dとし、a+b+c+d=1とすると、0≦a<1、0≦b<1、0<a+b<1、0<c≦0.9、0<d≦0.9であり、好ましくは0≦a≦0.9、0≦b≦0.9、0.1≦a+b≦0.9、0.1≦c≦0.9、0.1≦d≦0.9であり、更に好ましくは0≦a≦0.8、0≦b≦0.8、0.1≦a+b≦0.8、0.1≦c≦0.8、0.1≦d≦0.8である。
なお、ここで、a+b+c+d=1とは、繰り返し単位A、B、C、Dを含む高分子化合物において、繰り返し単位A、B、C、Dの各比率a、b、c、dの合計量が全繰り返し単位の合計量に対して100モル%であることを示す。
本発明の高分子化合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜500,000、好ましくは2,000〜30,000であることが望ましい。重量平均分子量が小さすぎるとレジスト材料とミキシングを起こしたり、水に溶解しやすくなったりする。大きすぎるとスピンコート後の成膜性に問題が生じたり、アルカリ溶解性が低下したりすることがある。
これら高分子化合物を合成するには、1つの方法としては繰り返し単位A〜Dを得るための不飽和結合を有するモノマーを有機溶剤中、ラジカル開始剤を加え、加熱重合を行うことにより、高分子化合物を得ることができる。重合時に使用する有機溶剤としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が例示できる。重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が例示でき、好ましくは50〜80℃に加熱して重合できる。反応時間としては2〜100時間、好ましくは5〜20時間である。
本発明の環状パーフルオロアルキル基をペンダントとするα−トリフルオロメチルアクリル酸−ノルボルネン共重合ポリマーはガラス転移点(Tg)が非常に高く、メタアクリレートよりも高温Tgである。Tgが高いことは、ベーク中のレジスト膜とのミキシング防止の点で有利である。
本発明のレジスト保護膜材料は、上記高分子化合物を溶媒に溶解させて用いることが好ましい。またこの場合、スピンコーティング法による成膜性の点から、上記高分子化合物の濃度が0.1〜20質量%、特に0.5〜10質量%となるように溶媒を使用することが好ましい。
用いられる溶媒としては特に限定されないが、レジスト層を溶解させる溶媒は好ましくない。例えば、レジスト溶媒として用いられるシクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類などは好ましくない。
レジスト層を溶解しない溶媒としては、炭素数4以上の高級アルコール、トルエン、キシレン、アニソール、ヘキサン、シクロヘキサン、エーテルなどの非極性溶媒を挙げることができる。特に炭素数4以上の高級アルコールが好ましく用いられ、具体的には1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、ネオペンチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−ジエチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、シクロヘキサノール、ジイソプロピルエーテル、ジイソブチルエーテル、メチルシクロペンチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテルが挙げられる。
一方、フッ素系の溶媒もレジスト層を溶解しないので好ましく用いることができる。
このようなフッ素置換された溶媒を例示すると、2−フルオロアニソール、3−フルオロアニソール、4−フルオロアニソール、2,3−ジフルオロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、5,8−ジフルオロ−1,4−ベンゾジオキサン、2,3−ジフルオロベンジルアルコール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、2’,4’−ジフルオロプロピオフェノン、2,4−ジフルオロトルエン、トリフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタール、トリフルオロアセトアミド、トリフルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエチルブチレート、エチルヘプタフルオロブチレート、エチルヘプタフルオロブチルアセテート、エチルヘキサフルオログルタリルメチル、エチル−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロブチレート、エチル−2−メチル−4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、エチルペンタフルオロベンゾエート、エチルペンタフルオロプロピオネート、エチルペンタフルオロプロピニルアセテート、エチルパーフルオロオクタノエート、エチル−4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、エチル−4,4,4−トリフルオロブチレート、エチル−4,4,4−トリフルオロクロトネート、エチルトリフルオロスルホネート、エチル−3−(トリフルオロメチル)ブチレート、エチルトリフルオロピルベート、S−エチルトリフルオロアセテート、フルオロシクロヘキサン、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−7,7−ジメチル−4,6−オクタンジオン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタフルオロペンタン−2,4−ジオン、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノール、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノン、イソプロピル4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、メチルパーフルオロデナノエート、メチルパーフルオロ(2−メチル−3−オキサヘキサノエート)、メチルパーフルオロノナノエート、メチルパーフルオロオクタノエート、メチル−2,3,3,3−テトラフルオロプロピオネート、メチルトリフルオロアセトアセテート、1,1,1,2,2,6,6,6−オクタフルオロ−2,4−ヘキサンジオン、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−デカノール、パーフルオロ(2,5−ジメチル−3,6−ジオキサンアニオニック)酸メチルエステル、2H−パーフルオロ−5−メチル−3,6−ジオキサノナン、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロノナン−1,2−ジオール、1H,1H,9H−パーフルオロ−1−ノナノール、1H,1H−パーフルオロオクタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタノール、2H−パーフルオロ−5,8,11,14−テトラメチル−3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタデカン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリヘキシルアミン、パーフルオロ−2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデカン酸メチルエステル、パーフルオロトリペンチルアミン、パーフルオロトリプロピルアミン、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロウンデカン−1,2−ジオール、トルフルオロブタノール1,1,1−トリフルオロ−5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピルアセテート、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロ(ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロデカリン、パーフルオロ(1,2−ジメチルシクロヘキサン)、パーフルオロ(1,3−ジメチルシクロヘキサン)、プロピレングリコールトリフルオロメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルトリフルオロメチルアセテート、トリフルオロメチル酢酸ブチル、3−トリフルオロメトキシプロピオン酸メチル、パーフルオロシクロヘキサノン、プロピレングリコールトリフルオロメチルエーテル、トリフルオロ酢酸ブチル、1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール、2−トリフルオロメチル−2−プロパノール,2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、4,4,4−トリフルオロ−1−ブタノールなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。
更には、下記一般式(3)で示される溶媒を用いることもできる。
Figure 2007058187
上記一般式(3)中、R11、R12は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基であり、少なくともR11、R12のどちらか一方あるいは両方に1個以上のフッ素原子を含む。R10は炭素数2〜5の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基である。この式(3)の溶媒としては、下記のものが例示される。
Figure 2007058187
これらの溶媒はスピンコート用の溶媒として用いることもできるし、溶媒剥離型保護膜としての剥離溶媒として用いることもできる。
溶媒による剥離は、ポストエクスポージャベーク(PEB)前に行ってもよいし、PEB後に行ってもよい。剥離方法としては、ウエハーを回転させながらウエハー中心に位置させたノズルから剥離液をディスペンスする方法が挙げられる。PEB前に剥離を行う場合、剥離溶媒が残存しているとPEB中に剥離溶媒の蒸発と共にレジスト中の酸が蒸発し、酸が蒸発した部分の脱保護反応が進行せず、現像後にパターンが形成されずに欠陥を形成してしまうおそれがある。この様なことを防ぐために、溶媒のディスペンス後、スピンドライや真空乾燥などで溶媒を十分に乾燥させる必要がある。PEB後に剥離を行う場合、PEB中にレジストと保護膜がミキシングしてしまうことがある。保護膜のポリマーに残存するモノマーなどの低分子成分がインターミキシングの原因となることがあるので、ポリマー重合における低分子成分の除去は重要である。
本発明の非水溶性でかつアルカリ可溶性のレジスト保護膜(上層膜)材料を使ったパターン形成方法について説明する。まず、フォトレジスト層の上に非水溶性でかつアルカリ可溶性のレジスト保護膜(上層膜)材料をスピンコート法などで成膜する。膜厚は10〜500nmの範囲が好ましい。露光方法はレジスト保護膜と投影レンズの間が空気あるいは窒素などの気体であるドライ露光でもよいが、レジスト保護膜と投影レンズ間が液体で満たされている液浸露光でもよい。液浸露光では水が好ましく用いられる。液浸露光において、ウエハー裏面への水の回り込みや、基板からの溶出を防ぐために、ウエハーエッジや裏面のクリーニングの有無、及びそのクリーニング方法は重要である。例えばレジスト保護膜をスピンコート後に40〜130℃の範囲で10〜300秒ベークすることによって溶媒を揮発させる。レジストや、ドライ露光の場合はスピンコート時にエッジクリーニングを行うが、液浸露光の場合、親水性の高い基板面が水に接触すると、エッジ部分の基板面に水が残ることがあり、好ましいことではない。そのためレジスト保護膜のスピンコート時にはエッジクリーニングをしない方法が挙げられる。
レジスト保護膜を形成後、KrF又はArF液浸リソグラフィーによって水中で露光する。露光後、PEBを行い、アルカリ現像液で10〜300秒現像を行う。アルカリ現像液は2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が一般的に広く用いられており、本発明のレジスト保護膜の剥離とレジスト膜の現像を同時に行う。PEB前に、レジスト保護膜上に水が残っている場合がある。水が残っている状態でPEBを行うと、水が保護膜を通過しレジスト中の酸を吸い出してしまい、パターン形成ができなくなる。PEB前に保護膜上の水を完全に除去するため、PEB前のスピンドライ、保護膜表面の乾燥空気や窒素によるパージ、あるいは露光後のステージ上の水回収ノズル形状や水回収プロセスの最適化などによって保護膜上の水を乾燥あるいは回収する必要がある。更に、本発明に示される撥水性の高いレジスト保護膜は、水回収性に優れている特徴がある。
レジスト材料の種類は、特に限定されない。ポジ型でもネガ型でもよく、通常の炭化水素系の単層レジスト材料でもよく、珪素原子などを含んだバイレイヤーレジスト材料でもよい。KrF露光におけるレジスト材料は、ベース樹脂としてポリヒドロキシスチレン又はポリヒドロキシスチレン−(メタ)アクリレート共重合体の、ヒドロキシ基あるいはカルボキシル基の水素原子が酸不安定で置換された重合体が好ましく用いられる。
ArF露光におけるレジスト材料は、ベース樹脂として芳香族を含まない構造が必須であり、具体的にはポリアクリル酸及びその誘導体、ノルボルネン誘導体−無水マレイン酸交互重合体及びポリアクリル酸又はその誘導体との3あるいは4元共重合体、テトラシクロドデセン誘導体−無水マレイン酸交互重合体及びポリアクリル酸又はその誘導体との3あるいは4元共重合体、ノルボルネン誘導体−マレイミド交互重合体及びポリアクリル酸又はその誘導体との3あるいは4元共重合体、テトラシクロドデセン誘導体−マレイミド交互重合体及びポリアクリル酸又はその誘導体との3あるいは4元共重合体、及びこれらの2つ以上の、あるいはポリノルボルネン及びメタセシス開環重合体から選択される1種あるいは2種以上の高分子重合体が好ましく用いられる。
以下、合成例及び実施例と比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、実施例中、GPCはゲルパーミエーションクロマトグラフィーであり、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求めた。
また、合成例で使用したモノマー1〜9の構造式を下記に示す。
Figure 2007058187
[合成例1]
200mLのフラスコにモノマー1を12.5g、モノマー3を22g、モノマー4を9.2g、溶媒としてメタノールを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を3g加え、65℃まで昇温後、25時間反応させた。この反応溶液をヘキサンに晶出させて樹脂を単離した。得られた樹脂の組成は1H−NMR、分子量はGPCで確認し、実施例ポリマー1とした。
Figure 2007058187
[合成例2]
200mLのフラスコにモノマー3を38.7g、モノマー2を13.3g、溶媒としてメタノールを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を3g加え、65℃まで昇温後、25時間反応させた。この反応溶液をヘキサンに晶出させて樹脂を単離した。得られた樹脂の組成は1H−NMR、分子量はGPCで確認し、実施例ポリマー2とした。
Figure 2007058187
[合成例3]
200mLのフラスコにモノマー3を30.4g、モノマー6を2.2g、モノマー2を13.3g、溶媒としてメタノールを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を3g加え、65℃まで昇温後、25時間反応させた。この反応溶液をヘキサンに晶出させて樹脂を単離した。得られた樹脂の組成は1H−NMR、分子量はGPCで確認し、実施例ポリマー3とした。
Figure 2007058187
[合成例4]
200mLのフラスコにモノマー3を38.7g、モノマー2を9.2g、モノマー5を2.3g、溶媒としてメタノールを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を3g加え、65℃まで昇温後、25時間反応させた。この反応溶液をヘキサンに晶出させて樹脂を単離した。得られた樹脂の組成は1H−NMR、分子量はGPCで確認し、実施例ポリマー4とした。
Figure 2007058187
[合成例5]
200mLのフラスコにモノマー3を38.7g、モノマー2を9.2g、モノマー7を4.2g、溶媒としてメタノールを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を3g加え、65℃まで昇温後、25時間反応させた。この反応溶液をヘキサンに晶出させて樹脂を単離した。得られた樹脂の組成は1H−NMR、分子量はGPCで確認し、実施例ポリマー5とした。
Figure 2007058187
[合成例6]
200mLのフラスコにモノマー1を31.3g、モノマー2を12.5g、溶媒としてテトラヒドロフランを40g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を3g加え、65℃まで昇温後、25時間反応させた。この反応溶液をヘキサンに晶出させて樹脂を単離した。得られた樹脂の組成は1H−NMR、分子量はGPCで確認し、実施例ポリマー6とした。
Figure 2007058187
[比較合成例1]
200mLのフラスコにモノマー8を35g、モノマー9を9g、溶媒としてメタノールを60g添加した。この反応容器を窒素雰囲気下、−70℃まで冷却し、減圧脱気、窒素フローを3回繰り返した。室温まで昇温後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を3g加え、65℃まで昇温後、25時間反応させた。この反応溶液をヘキサンに晶出させて樹脂を単離した。得られた樹脂の組成は1H−NMR、分子量はGPCで確認し、比較例ポリマー1とした。
Figure 2007058187
実施例ポリマー1〜6及び比較例ポリマー1の粉体を、示差走査熱量計DSC8230理学電機製を用いてガラス転移点を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2007058187
Tgが高いことは、ベーク中にレジスト膜とミキシングすることが少なく、現像後のレジストパターン変化が少ない点が有利である。
実施例ポリマー1〜5及び比較例ポリマー1は、上記合成例に示したポリマーを用い、それぞれ0.5gをイソブチルアルコール25gに溶解させ、実施例ポリマー6の0.5gは下記構造式のフッ素溶媒1に20gに溶解させ、それぞれ0.2ミクロンサイズのポリプロピレンフィルターで濾過し、レジスト保護膜溶液を作製した。
ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理したシリコンウエハー上にレジスト保護膜溶液を塗布し、100℃で60秒間ベークして厚さ50nmのレジスト保護膜を作製した。
次に、上記方法でレジスト保護膜を形成したウエハーを純水で5分間リンスし、膜厚の変動を観察した。結果を表2に示す。
Figure 2007058187
また、上記方法で作製した実施例ポリマー1〜5、比較例ポリマー1によるレジスト保護膜を形成したウエハーを2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間現像し、現像後の膜厚を測定した。実施例ポリマー6による溶媒剥離型レジスト保護膜の場合は、ウエハーを500rpmで回転させながらフッ素溶媒1を10秒間かけ流し、2,000rpmで20秒間スピンドライした後に、膜厚を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2007058187
上記方法でレジスト保護膜を形成して水平に保ったウエハー上に50μLの純水を滴下し水玉を形成した。次にこのウエハーを徐々に傾斜させ、水玉が転落し始めるウエハーの角度(転落角)を求めた。結果を表4に示す。
Figure 2007058187
転落角が小さいことは、水が流動しやすいことを示し、スキャン露光におけるスキャンスピードを高くできることを示す。本発明のポリマーの場合は、転落角が小さい特徴がある。
更に、下記に示すレジストポリマー5g、PAG0.25g、クエンチャーであるトリエタノールアミン0.3gを55gのプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)溶液に溶解し、0.2ミクロンサイズのポリプロピレンフィルターで濾過し、レジスト溶液を作製した。Si基板上に作製した日産化学社製反射防止膜ARC−29Aの87nm膜厚上にレジスト溶液を塗布し、110℃で60秒ベークして膜厚150nmのレジスト膜を作製した。その上にレジスト保護膜を塗布し、100℃で60秒間ベークした。擬似的な液浸露光を再現するために、露光後の膜の純水リンスを5分間行った。(株)ニコン製ArFスキャナーS307E(NA0.85 σ0.93 4/5輪帯照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)で露光し、純水をかけながら5分間リンスを行い、125℃で60秒間ポストエクスポージャベーク(PEB)を行い、2.38質量%TMAH現像液で60秒間現像を行った。
実施例ポリマー6による溶媒剥離型レジスト保護膜の場合は、PEB、純水リンス後、ウエハーを500rpmで回転させながらフッ素溶媒1を10秒間かけ流し、2000rpmで20秒間スピンドライした後に、2.38質量%TMAH現像液で60秒間現像を行った。
保護膜無しで露光、純水リンス、PEB、現像、また露光後純水リンスを行わない通常のプロセスも行った。
ウエハーを割断し、75nmラインアンドスペースのパターン形状、感度を比較した。結果を表5に示す。
Figure 2007058187
Figure 2007058187
保護膜無しで露光後純水リンスを行った場合はT−top形状になった。これは発生した酸が水に溶解したためと考えられる。一方、本発明の保護膜を使った場合は形状の変化は起こらなかった。メタクリレートをベースとする保護膜の場合は、現像後のレジスト形状が膜減り形状であった。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で示される繰り返し単位A及び/又はBを有する高分子化合物を含むことを特徴とするレジスト保護膜材料。
    Figure 2007058187
    (式中、R1〜R4は水素原子、あるいはR1とR2、R3とR4が結合してメチレン基又はエチレン基を形成する基、R5はフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、R6は水素原子、メチル基、フッ素原子又はトリフルオロメチル基である。m、nはそれぞれ1〜3の整数であり、0≦a≦1、0≦b≦1、0<a+b≦1の範囲である。)
  2. 一般式(1)で示される繰り返し単位に加えて、カルボキシル基及び下記一般式(2)で示されるα−フルオロアルコール基から選ばれるアルカリ溶解性基を有する繰り返し単位Cを共重合してなる高分子化合物を含む請求項1記載のレジスト保護膜材料。
    Figure 2007058187
    (式中、R7、R8は水素原子、メチル基、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、R7とR8のどちらか一方に少なくとも1個以上のフッ素原子を含む。)
  3. 更に、フルオロアルキル基を有する繰り返し単位Dを共重合してなる請求項1又は2記載のレジスト保護膜材料。
  4. 更に、上記高分子化合物を溶解する溶媒を含有する請求項1、2又は3記載のレジスト保護膜材料。
  5. ウエハーに形成したフォトレジスト層上にレジスト上層膜材料による保護膜を形成し、露光を行った後、現像を行うリソグラフィーによるパターン形成方法において、上記レジスト上層膜材料として請求項1乃至4のいずれか1項記載のレジスト保護膜材料を用いることを特徴とするパターン形成方法。
  6. ウエハーに形成したフォトレジスト層上にレジスト上層膜材料による保護膜を形成し、水中で露光を行った後、現像を行う液浸リソグラフィーによるパターン形成方法において、上記レジスト上層膜材料として請求項1乃至4のいずれか1項記載のレジスト保護膜材料を用いることを特徴とするパターン形成方法。
  7. 液浸リソグラフィーが、180〜250nmの範囲の露光波長を用い、投影レンズとウエハーの間に水を挿入させたものである請求項6記載のパターン形成方法。
  8. 露光後に行う現像工程において、アルカリ現像液によりフォトレジスト層の現像とレジスト上層膜材料の保護膜の剥離とを同時に行う請求項6又は7記載のパターン形成方法。
  9. 露光後に有機溶媒によってレジスト保護膜の剥離を行い、アルカリ現像液によりフォトレジスト層の現像を行う請求項6又は7記載のパターン形成方法。
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