JP2007057481A - 充填物検知方法及び充填物検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 センサ素子と装置本体との間のケーブル長が長くなった場合に発生する波形歪を軽減し、正確な計測結果が得られる充填物検知方法及び充填物検知装置を得る。
【解決手段】 ローパスフィルタ8を通して得られる出力電圧Voの波形の傾きを検出し、検出した傾きを用いて出力電圧Voの波形をケーブル45の標準長における電圧波形の傾きの波形に補正する。即ち出力電圧Voの波形から予め決めた2点X1、X2を抽出し、夫々の出力電圧y1、y2を用いて取得した波形を直線近似する。そして、α=(y2-y1)/(x2-x1)を用いて直線の傾き係数αを求め、その係数αを用いて任意の点Xx(0〜255)で取得した出力電圧Yxにおける補正後の値y′を、y′=Yx-αXxより求める。
【選択図】 図1
【解決手段】 ローパスフィルタ8を通して得られる出力電圧Voの波形の傾きを検出し、検出した傾きを用いて出力電圧Voの波形をケーブル45の標準長における電圧波形の傾きの波形に補正する。即ち出力電圧Voの波形から予め決めた2点X1、X2を抽出し、夫々の出力電圧y1、y2を用いて取得した波形を直線近似する。そして、α=(y2-y1)/(x2-x1)を用いて直線の傾き係数αを求め、その係数αを用いて任意の点Xx(0〜255)で取得した出力電圧Yxにおける補正後の値y′を、y′=Yx-αXxより求める。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えばプレキャストコンクリートで作られた型枠へのコンクリートの充填状況を検知する充填物検知方法及び充填物検知装置に関する。
従来、建築物の構造体には、プレキャストコンクリートで作られた型枠(以下、プレキャストコンクリート型枠と呼ぶ)の内部に鉄筋を配し、コンクリートを充填する方法が採られている。
ところで、近年、デザインの多様化などからプレキャストコンクリート型枠の形状も複雑になり、その複雑な形状の末端部までコンクリートが正しく充填されているかどうかを非破壊検査で容易に検出することができる方法が望まれている。現在商品化されている方法には、2つの電極をプレキャストコンクリート型枠内に配置し、その2つの電極(センサ素子)にコンクリートが接触した際に発生する電位を検出してコンクリートが充填されたことを検知するようにしている(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。
特開平7−269120号公報
特開平6−229968号(特許第2836799号)公報
ところで、近年、デザインの多様化などからプレキャストコンクリート型枠の形状も複雑になり、その複雑な形状の末端部までコンクリートが正しく充填されているかどうかを非破壊検査で容易に検出することができる方法が望まれている。現在商品化されている方法には、2つの電極をプレキャストコンクリート型枠内に配置し、その2つの電極(センサ素子)にコンクリートが接触した際に発生する電位を検出してコンクリートが充填されたことを検知するようにしている(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。
ところで、従来の充填物検知方法にあっては、プレキャストコンクリート型枠内に配置するセンサ素子と装置本体とを接続するケーブルは、数メートル程度の比較的短いものであった。しかしながら、構造体の複雑化や検出に影響を受けない周囲環境を確保する等の理由から、ケーブル長が長くなる傾向にあり、このケーブル長の増大に起因する容量分の増加により取得波形に歪が生じ、計測結果に誤差が生じたり、全く異なる結果が得られてしまったりするという新たな問題が生じた。
この発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、センサ素子と装置本体との間のケーブル長が長くなった場合に発生する波形歪を軽減し、正確な計測結果が得られる充填物検知方法及び充填物検知装置を提供することを目的とする。
上記目的は下記方法及び構成により達成される。
(1) 電気エネルギを機械エネルギに変換するセンサ素子に所定の範囲で周波数が経時的に変化する電気信号を印加し、このときに前記センサ素子に流れる電流の変化を電圧の変化として捉え、捉えた電圧波形の周波数特性を判定することで前記センサ素子を配設した空間内における充填物の充填状況を検知する充填物検知方法において、
前記センサ素子に流れる電流を電圧の変化として捉えた電圧波形の傾きを検出し、検出した傾きを用いて前記電圧波形を前記センサ素子と装置本体とを接続するケーブルの標準長における電圧波形の傾きの波形に補正し、補正した電圧波形の周波数特性を判定することで前記センサ素子を配設した空間内における充填物の充填状況を検知する。
(1) 電気エネルギを機械エネルギに変換するセンサ素子に所定の範囲で周波数が経時的に変化する電気信号を印加し、このときに前記センサ素子に流れる電流の変化を電圧の変化として捉え、捉えた電圧波形の周波数特性を判定することで前記センサ素子を配設した空間内における充填物の充填状況を検知する充填物検知方法において、
前記センサ素子に流れる電流を電圧の変化として捉えた電圧波形の傾きを検出し、検出した傾きを用いて前記電圧波形を前記センサ素子と装置本体とを接続するケーブルの標準長における電圧波形の傾きの波形に補正し、補正した電圧波形の周波数特性を判定することで前記センサ素子を配設した空間内における充填物の充填状況を検知する。
(2) 充填物検知装置であって、電気エネルギを機械エネルギに変換するセンサ素子と、所定の範囲で周波数が経時的に変化する電気信号を発生し、発生した電気信号を前記センサ素子に印加する信号発生・印加手段と、前記信号発生・印加手段にて発生した電気信号が前記センサ素子に印加されることで前記センサ素子に流れる電流を電圧の変化として捉え、捉えた電圧波形の傾きを検出し、検出した傾きを用いて前記電圧波形を前記センサ素子と装置本体とを接続するケーブルの標準長における電圧波形の傾きの波形に補正する補正手段と、前記補正手段にて補正された電圧波形の周波数特性を判定することで前記センサ素子を配設した空間内における充填物の充填状況を検知する検知手段と、を備える。
上記(1)に記載の充填物検知方法又は上記(2)に記載の充填物検知装置では、センサ素子と装置本体とを接続するケーブル長が標準長よりも長くなった場合に発生する電圧波形の波形歪を軽減でき、正確な計測結果が得られる。
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る充填物検知装置の概略構成を示すブロック図である。
この図において、本実施の形態に係る充填物検知装置は、同期信号発生器1と、可変周波数発振器2と、増幅器3と、センサ素子(電極に対応する)4と、抵抗5と、差動増幅器6と、4象限掛け算器7と、ローパスフィルタ8と、判定部9とを備えて構成される。
図1は、本発明の一実施の形態に係る充填物検知装置の概略構成を示すブロック図である。
この図において、本実施の形態に係る充填物検知装置は、同期信号発生器1と、可変周波数発振器2と、増幅器3と、センサ素子(電極に対応する)4と、抵抗5と、差動増幅器6と、4象限掛け算器7と、ローパスフィルタ8と、判定部9とを備えて構成される。
同期信号発生器1は、可変周波数発振器2を繰り返し動作させるための同期信号を発生する。
可変周波数発振器2は、周波数が所定の周波数範囲(例えば1kHzから20kHz)で連続的に変化する正弦波の電気信号を発生する。この場合、同期信号発生器1から同期信号が出力される毎に初期周波数(例えば1kHz)から繰り返し正弦波信号を発生する。
増幅器3は、可変周波数発振器2からの正弦波信号を、センサ素子4を駆動できるレベルまで増幅し、加振用信号Vrとして出力する。
なお、本実施の形態では、同期信号発生器1、可変周波数発振器2及び増幅器3を含めて信号発生・印加手段と呼ぶ。
可変周波数発振器2は、周波数が所定の周波数範囲(例えば1kHzから20kHz)で連続的に変化する正弦波の電気信号を発生する。この場合、同期信号発生器1から同期信号が出力される毎に初期周波数(例えば1kHz)から繰り返し正弦波信号を発生する。
増幅器3は、可変周波数発振器2からの正弦波信号を、センサ素子4を駆動できるレベルまで増幅し、加振用信号Vrとして出力する。
なお、本実施の形態では、同期信号発生器1、可変周波数発振器2及び増幅器3を含めて信号発生・印加手段と呼ぶ。
センサ素子4は、電気信号を機械信号に変換して出力するものであり、図2に示すように、圧電セラミックス40と、圧電セラミックス40を固定する金属板41と、圧電セラミックス40を金属板41と共に収容するケース42と、ケース42を固定する台座43と、台座43とケース42に収容された金属板41との間に介挿され、ケース42へのコンクリートの侵入を防止するシール材44とを備えて構成される。なお、ケース42は圧電セラミックス40の周囲に空間を保てる大きさに形成されている。また、センサ素子4と装置本体とはケーブル45によって接続される。センサ素子4に圧電セラミックス40を使用することで装置を安価にできるとともに精度の高い検査が可能となる。
図1に戻り、抵抗5は、増幅器3とセンサ素子4との間に直列に介挿され、その両端にはセンサ素子4に流れる電流に対応する電圧が発生する。センサ素子4に流れる電流は周波数の変化によって変化するので、抵抗5の両端に現れる電圧はセンサ素子4の周波数特性を反映したものになる。差動増幅器6は、抵抗5の両端の電圧を増幅して電圧Viを出力する。4象限掛け算器7は、加振用信号Vrと電圧Viを乗算してこれらの電圧に対するノイズの影響を除去する。ローパスフィルタ8は、4象限掛け算器7の出力信号から以下で説明するcos(2ωt+α+β)分を除去した信号(出力電圧Vo)を出力する。
判定部9は、検知手段及び補正手段として機能し、図示せぬマイコン、RAM、ROM、A/D変換器、LCD(液晶表示器)等の表示器を備えて構成される。判定部9は、センサ素子4にコンクリートを接触させないときの固有の振動周波数特性を基準として、ローパスフィルタ8から出力される信号から、センサ素子4に対するプレキャストコンクリート型枠内におけるコンクリートの接触・非接触を判定し、その結果(良否)を上述した表示器上に表示する。因みに、センサ素子4の固有の振動周波数特性を一度設定しておくことで以後メンテナンス時以外、再設定する必要はなくなる。なお、センサ素子4の固有の振動周波数特性は上記したRAMに記憶される。また、マイコンを制御するためのプログラムは上記したROMに記憶されている。
このように構成された充填物検知装置において、可変周波数発振器2にて発生した正弦波信号が増幅器3で増幅されて加振用電圧Vrとしてセンサ素子4と4象限掛け算器7の夫々に入力される。センサ素子4に加振用電圧Vrが入力されることでセンサ素子4から機械的振動が発生する。また、抵抗5の両端にはセンサ素子4に流れる電流に対応する電圧が発生し、この電圧が差動増幅器6にて増幅されて電圧Viが出力される。差動増幅器6からの電圧Viと増幅器3からの加振用電圧Vrとが4象限掛け算器7にて乗算され、その出力がローパスフィルタ8にてcos(2ωt+α+β)成分が除去されて出力電圧Voが得られる。出力信号Voは加振用信号の周波数変化に対するセンサ素子4の周波数特性(振幅と位相)を反映した信号になる。このときセンサ素子4の表面に何も接触していなければ、図3に示すように、センサ素子4の持つ固有振動数付近の周波数にピークを持った電圧が現れる。センサ素子4の周りにコンクリートが充填された場合には、センサ素子4の振動特性が変化して、図4に示すように、ピーク電圧の位置と大きさが変化する。判定部9はこのピーク電圧の変化からコンクリートの充填状況を判定し、その結果を表示器上に表示する。これにより、ユーザは容易にコンクリートの充填を判別することができる。
ここで、上記作動原理を、数式を用いて説明すると以下のようになる。
この場合、Vr=Asin(ωt+α)、Vi=Bsin(ωt+β)とする。但し、A,Bは振幅、ωtは周波数、αとβは位相のずれとする。
Vr×Vi=Asin(ωt+α)×Bsin(ωt+β)
=AB[cos(β−α)−cos(2ωt+α+β)]/2 …(1)
この場合、Vr=Asin(ωt+α)、Vi=Bsin(ωt+β)とする。但し、A,Bは振幅、ωtは周波数、αとβは位相のずれとする。
Vr×Vi=Asin(ωt+α)×Bsin(ωt+β)
=AB[cos(β−α)−cos(2ωt+α+β)]/2 …(1)
式(1)のcos(β−α)の部分は、位相差に合わせて変化する直流成分であり、ここに電圧Viの振幅成分も含まれる。また、cos(2ωt+α+β)の部分は、元の加振用電圧Vrと電圧Viの2倍の周波数の信号である。必要とする周波数特性の情報は、電圧Viの振幅(大きさ)であるので、式(1)のcos(β−α)のみで良い。したがって、ローパスフィルタ8を通過させてcos(2ωt+α+β)の成分を除去すればよい。このようにして出力電圧Voには周波数特性が電圧の形で現れる。
図3及び図4で示したように、プレキャストコンクリート型枠内等の空間内にコンクリートが充填されると、ピークの周波数とレベルが変化することで、その状況を検知することができる。
ところで、センサ素子4を配置する計測地点と装置本体との間の距離が離れている場合、センサ素子4に配線するケーブル45を延長することで計測が可能であるが、その際、ケーブル長に起因する容量分の増加により取得波形に歪が生じ、周囲がコンクリートの場合でも空気又は水の判定範囲に入ってしまい、接触物を誤判定してしまう虞がある。
図5は、標準ケーブル長(例えば5m)のときの判定部9で用いられる接触物質毎のピーク電圧分布の一例を示すものであり、縦軸の単位が出力電圧(V)、横軸の単位が周波数(kHz)である。この図に示す例では、周波数3kHz〜13.5kHzで出力電圧0〜2.5Vの範囲をコンクリートとし、周波数4.5kHz〜6.5kHzで出力電圧3V〜6Vの範囲を水とし、周波数7kHz〜13.5kHzで出力電圧3〜9Vの範囲を空気としている。
図5は、標準ケーブル長(例えば5m)のときの判定部9で用いられる接触物質毎のピーク電圧分布の一例を示すものであり、縦軸の単位が出力電圧(V)、横軸の単位が周波数(kHz)である。この図に示す例では、周波数3kHz〜13.5kHzで出力電圧0〜2.5Vの範囲をコンクリートとし、周波数4.5kHz〜6.5kHzで出力電圧3V〜6Vの範囲を水とし、周波数7kHz〜13.5kHzで出力電圧3〜9Vの範囲を空気としている。
本実施の形態の充填物検知装置では、センサ素子4のケーブル45を延長して長くなっても取得波形を元の波形になるように補正するようにして、接触物の誤判定を無くすようにしている。以下、ケーブル45を長くした場合の取得波形の補正処理について説明する。
図6は、センサ素子4がコンクリート中にあるときのケーブル延長と出力電圧波形の裾野傾斜の関係を示す図であり、縦軸の単位が出力電圧(V)、横軸の単位が周波数(Hz)である。この図において、CV1は延長無しの標準ケーブル長(5m)を使用したときの波形、CV2は70mに延長したときの波形、CV3は130mに延長したときの波形、CV4は180mに延長したときの波形である。これらの波形CV1〜CV4の裾野部分に着目してみると、ケーブル長が長くなるに従い、ケーブル45の容量分の影響で裾野の傾斜が右上りで大きくなることが分かる。
図7は、ケーブル45を70mに延長したときの補正前の出力電圧波形CV2を示す図である。センサ素子4の周囲はコンクリートであるが、ケーブル延長により波形歪が生じ、本来検出すべきピーク周波数位置のピーク電圧及びピーク周波数(3.1V、8600Hz)を検知せず、ノイズ成分による電圧及び周波数(3.2V、13500Hz)をピークとして誤検出してしまう。ピークを誤検出した結果、判定がコンクリートにならない。また、波形歪により本来のピーク電圧値もコンクリート判定閾値電圧(2.5V)以下にならない。この場合は、図5から分かるように空気と判定することになる。
図6に示す関係よりケーブル延長に比例して波形歪が大きくなることから、この傾き量を検出し、その結果を基に補正することで誤検出を防止することが可能である。本実施の形態では、判定部9にて次のようにして波形歪の補正を行っている。すなわち、図8に示すように、取得した波形から予め決めた2点X1、X2を抽出し、それぞれの出力電圧y1、y2を用いて取得した波形を直線近似する。この直線の傾き係数αは、式(2)で求めることができる。
α=(y2−y1)/(x2−x1)…(2)
そして、この傾き係数αを用いて任意の点Xx(0〜255)で取得した出力電圧Yxにおける補正後の値y′を求めると、y′=Yx−αXxとなる。
図7に示す誤検出した波形に対して補正を行うと図9に示すようになり、本来のピーク周波数位置、ピーク電圧値を検出することが可能となる。すなわち、周波数3kHz〜13.5kHzで出力電圧0〜2.5Vの範囲内でピーク電圧値を検出でき、コンクリートを判定できる。この処理の詳細を図10に示すフローチャートを参照して説明する。
α=(y2−y1)/(x2−x1)…(2)
そして、この傾き係数αを用いて任意の点Xx(0〜255)で取得した出力電圧Yxにおける補正後の値y′を求めると、y′=Yx−αXxとなる。
図7に示す誤検出した波形に対して補正を行うと図9に示すようになり、本来のピーク周波数位置、ピーク電圧値を検出することが可能となる。すなわち、周波数3kHz〜13.5kHzで出力電圧0〜2.5Vの範囲内でピーク電圧値を検出でき、コンクリートを判定できる。この処理の詳細を図10に示すフローチャートを参照して説明する。
図10において、まずローパスフィルタ8より得られえる出力電圧VoをA/D変換して256個のデータを取得する(ステップST10)。次いで、16番目(X16)のデータY16を取得し(ステップST11)、さらに250番目(X250)のデータY250を取得する(ステップST12)。16番目のデータY16と250番目のデータY250とを取得した後、これらの値を用いて式(2)から近似直線の傾きである係数αを求める(ステップST13)。近似直線の傾きである係数αを求めた後、ループ回数n=0〜255で補正値yn′=Yn−αXnを求める(ステップST14〜ステップST16)。これにより、図9に示すような補正後のピーク周波数位置が求まる。この場合、ケーブル45を70mに延長したときのピーク周波数位置が3.1V、8600Hzであるが、補正後のピーク周波数位置が1.6V、8600Hzとなり、コンクリートを判定することができるようになる。なお、上記処理は当然ながらプログラムとしてマイコンに接続されたROMに書き込まれており、マイコンによって実行される。
このように、本実施の形態の充填物検知装置によれば、所定の範囲で周波数が経時的に変化する正弦波の電気信号を発生させて、この電気信号をセンサ素子4に印加して振動周波数特性を検出し、この振動周波数特性をもとにセンサ素子4をプレキャストコンクリート型枠内に充填されたコンクリートに接触させた際の周波数特性の変化を検出するようにしたので、プレキャストコンクリート型枠内におけるコンクリートの充填状況を正確且つ容易に検知することができる。
また、取得した出力電圧Voの波形の傾きを検出し、検出した傾きを用いて出力電圧Voの波形をケーブル45の標準長における電圧波形の傾きの波形に補正するので、ケーブル45を標準長よりも長くしても、そのときに発生する電圧波形の波形歪を軽減でき、正確な計測結果が得られる。
なお、上記実施の形態では、単一の周波数範囲の正弦波を用いたが、周波数範囲を切り替える周波数範囲切替器(図示略)を設けて、複数の周波数範囲の正弦波を択一的に選択できるようにしても良い。この場合、可変周波数発振器2は、周波数範囲切替器にて切り替えられた範囲の周波数帯で正弦波信号を繰り返し発生させる機能を有することになる。このように複数の周波数範囲の正弦波を択一的に選択できるようにすることで、プレキャストコンクリート型枠の構造や材質等の物理的な特性に応じて測定に最適な周波数範囲を選択することができ、これによって、より精度の高い測定が可能となる。
また、上記実施の形態では、コンクリートのプレキャストコンクリート型枠等の閉鎖空間内への充填状況の検出について述べたが、他の木製型枠や鋼材で作られた型枠内への充填状況の検出等に使用できることは述べるまでもない。
本発明は、センサ素子と装置本体との間のケーブル長が長くなった場合に発生する波形歪を軽減し、正確な計測結果が得られるといった効果を有し、コンクリートのプレキャストコンクリート型枠等の閉鎖空間内への充填状況を検出する充填物検知装置として有用である。
1 同期信号発生器
2 可変周波数発振器
3 増幅器
4 センサ素子
5 抵抗
6 差動増幅器
7 4象限掛け算器
8 ローパスフィルタ
9 判定部
40 圧電セラミックス
41 金属板
42 ケース
43 台座
44 シール材
45 ケーブル
2 可変周波数発振器
3 増幅器
4 センサ素子
5 抵抗
6 差動増幅器
7 4象限掛け算器
8 ローパスフィルタ
9 判定部
40 圧電セラミックス
41 金属板
42 ケース
43 台座
44 シール材
45 ケーブル
Claims (2)
- 電気エネルギを機械エネルギに変換するセンサ素子に所定の範囲で周波数が経時的に変化する電気信号を印加し、このときに前記センサ素子に流れる電流の変化を電圧の変化として捉え、捉えた電圧波形の周波数特性を判定することで前記センサ素子を配設した空間内における充填物の充填状況を検知する充填物検知方法において、
前記センサ素子に流れる電流を電圧の変化として捉えた電圧波形の傾きを検出し、検出した傾きを用いて前記電圧波形を前記センサ素子と装置本体とを接続するケーブルの標準長における電圧波形の傾きの波形に補正し、補正した電圧波形の周波数特性を判定することで前記センサ素子を配設した空間内における充填物の充填状況を検知する充填物検知方法。 - 電気エネルギを機械エネルギに変換するセンサ素子と、
所定の範囲で周波数が経時的に変化する電気信号を発生し、発生した電気信号を前記センサ素子に印加する信号発生・印加手段と、
前記信号発生・印加手段にて発生した電気信号が前記センサ素子に印加されることで前記センサ素子に流れる電流を電圧の変化として捉え、捉えた電圧波形の傾きを検出し、検出した傾きを用いて前記電圧波形を前記センサ素子と装置本体とを接続するケーブルの標準長における電圧波形の傾きの波形に補正する補正手段と、
前記補正手段にて補正された電圧波形の周波数特性を判定することで前記センサ素子を配設した空間内における充填物の充填状況を検知する検知手段と、
を備える充填物検知装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005246057A JP2007057481A (ja) | 2005-08-26 | 2005-08-26 | 充填物検知方法及び充填物検知装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005246057A Pending JP2007057481A (ja) | 2005-08-26 | 2005-08-26 | 充填物検知方法及び充填物検知装置 |
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