JP2007055566A - 車両の着座シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易な構成で、着座シートを格納したときのシート後端高さを調節し、積載する荷物に合わせて、着座シートの格納状態を設定することが可能な車両の着座シートを提供する
【解決手段】 車室内で上段に位置するリヤフロア22にリヤシートSを設け、このリヤシートSのシートクッション1の前部を支持脚部10によって下段に位置するフロントフロア21に回動可能に支持し、リヤシートSのシートバック2をシートクッション1に対して重ね合わせた状態で、リヤシートSを車両前方側へ回動させて前倒することにより、フロントフロア21上に載置して収納する構造を備えた車両の着座シートであって、シートクッション1のフロントフロア21側には、高さ調整可能な緩衝部材15が配設され、この緩衝部材15がフロントフロア21側と当接して収納時に支持する。
【選択図】 図1

Description

本発明は車両の着座シートに係り、特に、格納式の構造を備えた着座シートに関する。
従来から、バンやワンボックスカー等の車両において、着座シートのシートバックを、シートクッションの上に重ねて折りたたみ、さらにフロントフロアに取付けられたレッグを折りたたむことによって、着座シートのない広い空間を形成し、これを荷室として使用することを可能にした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2827373号公報
この従来技術によれば、着座シートのシートクッション裏側にはゴム部材が設けられており、着座シートの脚部を折りたたんだときに、このゴム部材がフロントフロアに当接することにより、着座シートをフロア上に支持する構成となっている。
従来の着座シートでは、図9に示すように、緩衝部材115がフロントフロア121に当接して、格納状態の着座シート100を支持している。
従来の着座シート100では、緩衝部材115がシートクッション101の裏側に固着されている。このような構成であると、緩衝部材115の高さ調整ができず、収納状態は常に同じ状態であり、荷室としての使用状態が設計時に設定された一通りとなっていた。
荷室には様々な荷物が積載されるが、例えば重い荷物の場合は、格納状態の着座シートの上面とリヤフロア122との段差が少ないほうが好ましい。
また、長尺の荷物や転がり易い荷物の場合は、格納状態の着座シートの上面が水平であることが好ましい。
従来の着座シートでは、着座シートの格納状態での態様の調整ができず、様々な荷物に対応できないという不都合があった。
本発明の目的は、簡易な構成で、着座シートを格納したときのシート後端高さを調節し、積載する荷物に合わせて、着座シートの格納状態を設定することが可能な車両の着座シートを提供することにある。
上記課題は、本発明の車両の着座シートによれば、車室内で上段に位置するリヤフロアにリヤシートを設け、このリヤシートのシートクッションの前部を支持脚部によって下段に位置するフロントフロアに回動可能に支持し、前記リヤシートのシートバックをシートクッションに対して重ね合わせた状態で、前記リヤシートを車両前方側へ回動させて前倒することにより、前記フロントフロア上に載置して収納する構造を備えた車両の着座シートであって、前記シートクッションの前記フロントフロア側には、高さ調整可能な緩衝部材が配設され、該緩衝部材が前記フロントフロア側と当接して収納時に支持されること、により解決される。
このように、本発明の着座シートは、高さ調整可能な緩衝部材が配設され、該緩衝部材が前記フロントフロア側と当接して収納時に支持されるように構成されているため、車両上下方向に高さが変更可能となり、この調整をすることにより、折りたたんだ着座シートの上面の状態を変化させることが可能である。
より具体的には、緩衝部材は、緩衝本体と、この緩衝本体から突出した取付部とから構成され、取付部の自由端部側には、シートフレームの板厚の間隙をおいて庇部が形成され、緩衝部材の高さ調整は、緩衝本体の上下方向の大きさを変更することにより行なうように構成すると好適である。
また、緩衝部材は、緩衝本体と、該緩衝本体に一体に形成された螺子部と、該螺子部と螺合する前記シートフレームに固着されたナット部と、を備え、螺子部の回動により緩衝本体の位置を調整可能に構成すると好適である。
本発明の車両の着座シートによれば、着座シートを折りたたんでフロントフロア上に格納したときに、着座シートの底板側に、着座シートの座部を支持する緩衝部材を設け、この緩衝部材の高さを調整することにより、折りたたんだ着座シートの上面の状態を変えることができるように構成されている。つまり、緩衝部材の高さを小さくすることにより、リヤフロアとの間の段差を低減させることが出来る。このようにリヤフロアとの段差を低減させることにより、リヤフロア側に荷物等を積載したときに、折りたたんだ着座シート側へ荷物等が延出しても、スムーズに積載等を行なうことが可能となる。また、緩衝部材の高さを大きくすることにより、フロントフロアやリヤフロアと平行状態にすることが可能となる。このようにフロントフロアやリヤフロアと平行にすることができるために、フラットで広い荷室スペースを確保することが可能となる。また、折りたたんだ着座シート上面をテーブル等の役割とすることも可能となる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
図1乃至図8は本発明の一実施形態に係るものであり、図1は着座シートの格納状態の説明図、図2は着座シートの使用状態の説明図、図3は格納状態のシートフレームをフロア側から見た斜視図、図4は脚部を伸ばした状態のシートフレームをフロア側から見た斜視図、図5は緩衝部材の側面説明図、図6はブラケットの側面説明図、図7は着座シートの他の例を示す格納状態の説明図、図8は図7の緩衝部材の説明図である。
本発明の一実施形態に係る着座シートは、例えば、乗用自動車等のリヤシートとして好適に用いられるものである。
つまり、本例の車両の着座シートとしてのリヤシートSは、車室内で上段に位置するリヤフロア22にリヤシートSを設け、このリヤシートSのシートクッション1の前部を支持脚部10によって下段に位置するフロントフロア21に回動可能に支持し、前記リヤシートSのシートバック2をシートクッション1に対して重ね合わせた状態で、前記リヤシートSを車両前方側へ回動させて前倒することにより、前記フロントフロア21上に載置して収納する構造を備えたものである。
車両の着座シートとしてのリヤシートSは、図1及び図2に示すように、着座面を備えたシートクッション1と、このシートクッション1に対して前倒可能なシートバック2と、シートバック2の上方に設けられたヘッドレスト3とを備えて構成されている。
シートクッション1はシートフレーム1aと、支持脚部10と、緩衝部材14,15とを備えている。本例のシートフレーム1aの車両前方側の下面には、支持脚部10が左右一対設けられている。この支持脚部10を介して、リヤシートSがフロントフロア21及びリヤフロア22との間に設置される。
図1乃至図4に基づきリヤシートSについてより詳細に説明する。本例の支持脚部10は、支持脚11と、固定部12と、ブラケット13とを備えている。固定部12は、フロントフロア21に、アンカーボルトなどによって固定されている。支持脚11のシートフレーム1a側の端部側は、シートフレーム1aに溶接等により配設された側面部材1bを介して、軸部材16aを支軸として回動可能に軸支されている。支持脚11のフロア側他端は固定部12に軸部材16bを支軸として回動可能に軸支されている。
また、シートフレーム1aのフロア側の面には、間隔をおいて緩衝部材14が配設されている。緩衝部材14は、側面部材1bの間に挟持されて配設されている。本例では、フロントフロア21の形状に合わせて、左右の緩衝部材14の形状が異なるように形成されている。この緩衝部材14は、後述するように、支持脚11と当接する回動阻止面14aを有している。
本例のブラケット13は、支持脚11に固定されている。ブラケット13は、図6に示すように、支持脚11と固定部12を回動可能に接続する軸部材16b上に、溶接等により固定されている。
ブラケット13には、支持脚11がフロントフロア21側に倒れたときにシートクッション1側に向いた当接面13aと、支持脚11を起立させたときに、固定部12に形成された回動阻止面12aと当接し、支持脚11のさらなる回動を阻止するストッパ面13bとが形成されている。そして本例のブラケット13は、支持脚11と共に回動するように構成されている。なお、本例において、ブラケット13の、緩衝部材15と当接する機能の部分については、支持脚11ではなく固定部12に形成してもよい。
緩衝部材15は、図5に示すように、緩衝本体15aと、この緩衝本体15aから突出した取付部15bとから構成されており、取付部15bは中空円筒状に形成され、自由端部側には、シートフレームの板厚の間隙をおいて庇部15cが形成されている。この庇部15cと取付部15bをシートフレーム1aに穿孔された孔に圧入すると、庇部15cと緩衝本体15aとの間でシートフレーム1aが挟持され、これにより緩衝部材15がシートフレーム1aに着脱可能に取付けられる。
支持脚11を回動させることにより、リヤシートSを図1に示す格納状態と、図2に示す使用状態に切り替えることが可能となる。
図1は、リヤシートSをフロントフロア21上に格納した状態を示すものである。リヤシートSは、支持脚11をフロントフロア21側に倒すことにより、シートクッション1がフロントフロア21上に位置して格納される。このとき、シートバック2はシートクッション1側へ前倒される。そして、リヤシートSは、格納状態のときに、緩衝部材14及び緩衝部材15により支持される。
すなわち、緩衝部材14がフロントフロア21に当接してリヤシートSを支持するとともに、緩衝部材15がブラケット13の当接面13aに当接してリヤシートSを支持する。
図2は、リヤシートSを使用状態とした状態を示すものである。リヤシートSは、支持脚11を起立させることにより、シートクッション1がフロントフロア21の上方に位置する。
支持脚11は、緩衝部材14の回動阻止面14aに当接して、さらなる回動がなされないように動きが阻止される。また、支持脚11に固定されたブラケット13のストッパ面13bが、固定部12の回動阻止面12aに係合することにより、支持脚11の回動が阻止される。
シートクッション1は、後端側に設けられたロック部材17aが、リヤフロア22に設けられたストライカ17bに噛合する。そして、シートバック2及びヘッドレスト3がシートクッション1に対して起立される。
このようにして、リヤシートSが使用状態となる。
なお、緩衝部材15の緩衝本体15aの高さを変えることによって、フロントフロア21側に折りたたんで格納した時のリヤシートSの上面態様を変更することが可能である。すなわち、緩衝本体15aの高さが小さいものを使用することにより、図1に示すように、格納時のリヤシートSの上面とリヤフロア22との段差を小さくすることができる。
また、緩衝本体15aの高さが大きいものを使用することにより、格納状態のリヤシートSの後部側が上方に上がることになり、これにより、格納時のリヤシートSの上面がリヤフロア22と略平行となる。
緩衝本体15aの高さ調整は、緩衝本体15aの高さが大きいものと小さいものとの二種類の緩衝部材15を用意して、状況に応じて付け替えることにより対応することができる。或いは、次に示すように、螺子及びナットを用いて緩衝部材15を伸縮可能とすることにより対応することができる。
図7及び図8は、本発明に係る他の実施例を示すものであり、前記実施例と同様部材、配置等については、同一符号を付して、その説明を省略する。
本例の緩衝部材15は、図8で示されるように、ゴム部材などからなる緩衝本体15aと、該緩衝本体15aに一体に形成された螺子部15dと、該螺子部15dと螺合するナット部15eと、から形成されている。緩衝本体15aと螺子部15dとはインサート成形等により形成することが可能である。本例のナット部15eは、シートフレーム1aに溶接等により固着されている。従って、緩衝部材15の緩衝本体15aを把持して回動させることにより、螺子部15dがナット部15eに螺入或いは螺出して、緩衝部材15の長さが調整される。
すなわち、螺子部15dをナット部15eに螺入することにより、ナット部15eと緩衝本体15aとの距離が小さくなり、緩衝部材15の高さは低くなる。この場合は、折りたたまれたリヤシートSのシートバック2の後端は下方に下がることとなり、シートバック2とリヤフロア22との段差が小さくなる。
一方、螺子部15dをナット部15eから螺出させると、ナット部15eと緩衝本体15aとの距離が大きくなり、緩衝部材15の高さは高くなる。この場合は、折りたたまれたリヤシートSのシートバック2の後端は上方に上がることとなり、シートバック2の上面が水平状態となる。
上記実施例によれば、部材を付け替えることなく、簡単に緩衝部材15の高さを調整することができ、積載する荷物に応じて、格納状態のリヤシートSの上面状態を変更することが可能となる。
本発明に係る着座シートの格納状態の説明図である。 本発明に係る着座シートの使用状態の説明図である。 格納状態のシートフレームをフロア側から見た斜視図である。 脚部を伸ばした状態のシートフレームをフロア側から見た斜視図である。 緩衝部材の側面説明図である。 ブラケットの側面説明図である。 本発明に係る着座シートの他の例を示す格納状態の説明図である。 図7の緩衝部材の説明図である。 従来例を示す説明図である。
符号の説明
1 シートクッション
1a シートフレーム
1b 側面部材
2 シートバック
3 ヘッドレスト
10 支持脚部
11 支持脚
12 固定部
12a 回動阻止面
13 ブラケット
13a 当接面
13b ストッパ面
14,15 緩衝部材
14a 回動阻止面
15a 緩衝本体
15b 取付部
15c 庇部
15d 螺子部
15e ナット部
16a,16b 軸部材
17a ロック部材
17b ストライカ
21 フロントフロア
22 リヤフロア
S リヤシート

Claims (3)

  1. 車室内で上段に位置するリヤフロアにリヤシートを設け、このリヤシートのシートクッションの前部を支持脚部によって下段に位置するフロントフロアに回動可能に支持し、前記リヤシートのシートバックをシートクッションに対して重ね合わせた状態で、前記リヤシートを車両前方側へ回動させて前倒することにより、前記フロントフロア上に載置して収納する構造を備えた車両の着座シートであって、前記シートクッションの前記フロントフロア側には、高さ調整可能な緩衝部材が配設され、該緩衝部材が前記フロントフロア側と当接して収納時に支持されることを特徴とする車両の着座シート。
  2. 前記緩衝部材は、緩衝本体と、該緩衝本体から突出した取付部とからなり、取付部の自由端部側には、シートフレームの板厚の間隙をおいて庇部が形成され、前記緩衝部材の高さ調整は、前記緩衝本体の上下方向の大きさを変更することにより行なうことを特徴とする請求項1記載の車両の着座シート。
  3. 前記緩衝部材は、緩衝本体と、該緩衝本体に一体に形成された螺子部と、該螺子部と螺合する前記シートフレームに固着されたナット部と、を備え、螺子部の回動により緩衝本体の位置を調整可能にしたことを特徴とする請求項1又は2記載の車両の着座シート。
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