JP2007055432A - 昇降装置 - Google Patents

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圭吾 疋田
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Abstract

【課題】 可動フロアの降下動作において、可動フロアの急降下やこれに伴う騒音や振動の発生を防止することができる昇降装置を提供する。
【解決手段】 可動フロア11と、可動フロアをフロア展開位置と乗降位置との間で昇降させる昇降手段20と、昇降手段20を駆動する駆動手段40と、を備えた車両用フロアリフト装置Sであって、昇降手段20は、駆動手段40からの駆動力によって進退動する駆動力伝達部と、駆動力伝達部の進退動によって駆動されることにより可動フロア11を昇降させる昇降部と、を備え、駆動力伝達部は、駆動手段40に連結された駆動バー27と、昇降部に連結されると共に進退動方向に沿って駆動バー27に対して所定距離だけスライド可能に連結されたスライドバー22とを備え、スライドバー22には、引張りバネ30によって可動フロア11を下降させる方向の張力が付与されてなる。
【選択図】 図4

Description

本発明は昇降装置に係り、特にフロアの段部において可動フロアを上下移動させてフロア間高低差を緩和する昇降装置に関する。
一般に、ワンボックスカー等の車両においては、車両フロアが比較的高く設定されているため、乗降口側には一段低くなるように乗降用ステップが設けられている。
しかし、車両フロアに乗降用ステップを設けると、その分だけ車両フロアの有効面積が小さくなってしまう。また、乗降用ステップの側部や後部に設置された座席に乗員が着座したとき、足元に形成された乗降用ステップによる凹部空間によって、乗員が不自然な着座姿勢を強いられたり、あるいは凹部空間へ荷物が落下してしまったりするという不都合があった。そこで、これらの事情に鑑み、種々の車両用フロアリフト装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に記載の車両用フロアリフト装置では、乗降用ステップにリンク機構を介して可動フロアが配設されており、スライドドアの閉時にはリンク機構の作動により、可動フロアが乗降用ステップの底面近傍の乗降位置(格納位置)から車両フロアと同一面のフロア展開位置まで上昇する。これにより、スライドドアの閉時には乗降用ステップの上部空間を塞いで車両フロアの面積を拡大できるようになっている。
このリンク機構では、従動側リンクの一端が乗降用ステップ側に配設されたロアガイド部材に回動可能に取付けられ、他端が可動フロアを支持するアッパガイド部材の下面と摺動可能となっている。そして、駆動側リンクの一端が従動側リンクの他端に軸を介して回転可能に連結され、他端がロアガイド部材と摺接しながらスライド可能となっている。
可動フロアが乗降位置にあるときには、従動リンクと駆動リンクは、交差角が大きい状態に保持されている。この状態から、駆動リンクの他端側をロアガイド部材に沿って従動リンク側にスライドさせると、従動リンクと駆動リンクとの連結軸を中心として交差角が小さくなって従動リンクと駆動リンクが起立していき、これに伴って可動フロアが上方へ持ち上げられる。
また、観覧席用の可動フロアを昇降させる昇降装置として、可動フロアを、駆動リンクと従動リンクを中間位置で回動可能に連結した、いわゆるXリンク機構で上下移動させるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このXリンク機構においても、従動側リンクに回動可能に連結された駆動リンクの端部をスライドさせることにより、従動リンクと駆動リンクの交差角を小さくして従動リンクと駆動リンクを起立させて、可動フロアを上方へ持ち上げることができる。
しかしながら、特許文献1,2のリンク機構では、駆動リンクをスライドさせて可動フロアを上昇させるときに、従動リンクと駆動リンクが突っ張ってしまわないように、可動フロアが最も低い位置にあるときに、従動リンクと駆動リンクとを直線状ではなく所定の交差角度に保持している。このため、可動フロアが最も低い位置にあるときに、リンク機構の高さが高くなってしまう。このため、例えば、特許文献1の車両用フロアリフタ装置では、地上面から可動フロア上面までのステップ高が高くなり、乗降性を悪化させてしまうという問題があった。
このような問題を解決するために、本願出願人は、乗降位置において駆動リンクと従動リンクが直線状になるように構成して、リンク機構の高さを抑え乗降性を良好とした車両用フロアリフト装置を提案している(特願2005−169712)。
この装置では、駆動リンクの下端部が水平方向に移動可能なスライド部材に回動可能に連結され、さらにこのスライド部材が水平方向に移動可能な駆動部材と連動するように連結されている。すなわち、スライド部材には車両上下方向に突出する固定ピンが配設され、駆動部材には長孔が形成されており、固定ピンは長孔内に遊嵌されている。
これにより、駆動部材が駆動手段によって水平方向に進退駆動されると、固定ピンが長孔の端部に当接するまでは駆動部材のみが水平移動し、固定ピンと長孔の端部との当接後は、スライド部材と駆動部材とが連動して水平移動するようになっている。
そして、駆動部材の上面にはスロープ面を有する傾斜片が形成されており、可動フロア側にもこのスロープ面に対応してスロープ面が形成されている。
このような構成により、駆動リンクと従動リンクが直線状に並んだ乗降位置からフロア展開位置へ向けて駆動するときには、まず駆動部材のみが展開方向へ長孔の長さ分だけ移動する。この移動の間に駆動部材のスロープ面が可動フロア側のスロープ面と摺接することによって、可動フロアが持ち上げられ、駆動リンクと従動リンクは直線状態からわずかに屈曲した状態へ変位される。
このように、スライド部材が駆動部材と連動して移動し始めるときには、駆動リンクと従動リンクはわずかに屈曲した状態へ変位しているからスライド部材の展開方向への移動によって、駆動リンクと従動リンクは突っ張ってしまうことなく展開状態へ向けて屈曲していくことができる。
特開平9−207673号公報(第2−3頁、図1、図3) 特開平10−196143号公報(第3−4頁、図3、図4)
しかしながら、本願出願人提案の車両用フロアリフト装置は、駆動部材とスライド部材が長孔の長さ分だけ互いにスライド可能に連結されているため、可動フロアをフロア展開位置から乗降位置へ向けて降下させていくときに、可動フロアの自重や可動フロアに掛かる下向きの外力によって、駆動リンクを介してスライド部材に駆動部材の前進方向(格納方向)に向かう力が掛かる。
この力によって、スライド部材が長孔の長さ分だけ駆動部材に対してスライドしてしまうおそれがあった。そして、この装置では、スライド部材が駆動部材に対してスライドすることによって、可動フロアが所定高さ分だけ急に降下したり、これによって騒音が生じたりするおそれがあり改良する余地があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、可動フロアの降下動作において、可動フロアの急降下やこれに伴う騒音や振動の発生を防止することができる昇降装置を提供することにある。
前記課題は、本発明によれば、可動フロアと、該可動フロアを上部位置と下部位置との間で昇降させる昇降手段と、該昇降手段を駆動する駆動手段と、を備えた昇降装置であって、前記昇降手段は、前記駆動手段に連結され該駆動手段からの駆動力によって進退動する駆動力伝達部と、該駆動力伝達部に連結され該駆動力伝達部の進退動によって駆動されることにより前記可動フロアを昇降させる昇降部と、を備え、前記駆動力伝達部は、前記駆動手段に連結された第1の伝達部と、前記昇降部に連結されると共に進退動方向に沿って前記第1の伝達部に対して所定距離だけスライド可能に該第1の伝達部に連結された第2の伝達部と、を備え、前記第2の伝達部には、張力付与部によって前記可動フロアを下降させる方向の張力が付与されてなることにより解決される。
本発明の昇降装置では、駆動手段による駆動力が、駆動力伝達部を介して可動フロアを昇降させる昇降部に伝達される。そして、駆動手段によって進退駆動される駆動力伝達部は、第1の伝達部と第2の伝達部が進退動方向に所定距離だけスライド可能に連結された構成である。
したがって、可動フロアを下部位置から上部位置へ向けて上昇させるときには、第1の伝達部および第2の伝達部は、駆動手段に駆動されて展開方向へ連動して移動する。一方、可動フロアを上部位置から下部位置へ向けて降下させるときには、駆動手段によって第1の伝達部が格納方向へ駆動され、スライド可能な所定距離分だけ遅れて第2の伝達部が駆動されることになる。
このとき、可動フロアに下向きの力が加わると、昇降部を介して第2の伝達部に格納方向への力が掛かり、スライド可能な所定距離分だけ第2の伝達部が急に移動して、可動フロアがその分だけ急落下して騒音や振動を発生させたり、ガタついたりするおそれがある。
しかしながら、本発明では、第2の伝達部が、張力付与部によって可動フロアを下降させる方向(すなわち、格納方向)の張力が付与されているので、第2伝達部は第1の伝達部に対して格納方向へスライドした位置に保持される。張力付与部によって張力が付与されることにより、可動フロアが上部位置から下部位置へ下降し始めるときから、第2の伝達部は第1の伝達部の移動に追随して移動し始める。これにより可動フロアに下向きの力が加わっても、第2伝達部は第1の伝達部に対して格納方向へスライドすることができないので、可動フロアの急落下やこれに伴う騒音,ガタ付き等の発生を防止することができる。
上記構成において、前記第1の伝達部と前記第2の伝達部の一方には、進退動方向に沿って長孔が形成され、他方には前記長孔内に突出する固定ピンが固設され、該固定ピンが前記長孔内を案内されることにより、前記第1の伝達部と前記第2の伝達部は所定距離だけスライド可能とすることができる。
また、前記張力付与部は、弾性部材又は磁気吸引部材とすることができる。
また、前記昇降部には、前記第2の伝達部と連動して進退動方向に移動するスライダと、該スライダを案内する案内部と、該案内部内に配設され前記可動フロアが前記下部位置に到達する際の前記スライダによる衝撃を吸収する緩衝部材と、が設けられると好適である。このように構成すると、可動フロアが下部位置に到達するときの衝撃力がスライダと緩衝部材との衝撃吸収作用によって低減される。これにより、可動フロアが下部位置に到達するときに発生する騒音や振動等を低減することができる。
また、前記緩衝部材は、クッション部材,エアークッション部材,バネ部材およびゴム部材を含む弾性部材で形成することができる。
本発明の昇降装置では、駆動手段による駆動力を昇降部に伝達する駆動力伝達部が、第1の伝達部と第2の伝達部を進退動方向に所定距離だけスライド可能に連結した構成であるが、第2の伝達部には張力付与部によって可動フロアを下降させる方向の張力が付与されているので、格納動作時には第2伝達部は第1の伝達部に対して格納方向へスライドした位置に保持される。したがって、可動フロアの降下時に可動フロアに荷重が掛かっても第1の伝達部に対して第2の伝達部がスライドしてしまうことがないので、可動フロアの急降下やこれに伴う騒音や振動の発生を防止することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図10は本発明の一実施形態に係るものであり、図1は車両用フロアリフト装置の車載状態の説明図、図2は図1に示す車両用フロアリフト装置の構成図、図3は可動フロアリフタの斜視図、図4は可動フロアリフタの作動機構の斜視図、図5は可動フロアリフタの断面図、図6は駆動バーとスライドバーの連結部位の説明図、図7は可動フロアリフタの動作説明図、図8は駆動バーとリンクガイドの部分拡大図、図9は駆動バーとスライドバーの動作説明図、図10は可動フロアリフタの緩衝部材の作動説明図である。
また、図11は本発明の他の実施形態に係る緩衝部材の作動説明図である。
以下に本発明の昇降装置を車両用フロアリフト装置に適用した一実施形態について説明する。本例の車両用フロアリフト装置Sは、例えば、ワンボックスカーや、いわゆるミニバン等に好適に搭載されるものである。図1に示すように、車両1には、車両フロア2の乗降口3に一段下がったステップ面である乗降用ステップ4を形成する凹部空間5が設けられている。そして、この乗降口3はスライド式のドア6によって開閉される。
本例の車両用フロアリフト装置Sは、この乗降用ステップ4上の凹部空間5内で可動フロア11をドア6の開閉動作に連動して昇降させるものである。可動フロア11は、乗降用ステップ4近傍の下部位置である乗降位置と、車両フロア2近傍で車両フロア2と略面一な上部位置であるフロア展開位置との間で昇降可能である。
本例の可動フロア11は、ドア開時には乗降し易くするために乗降位置まで降下し、ドア閉時には車両フロア2の有効面積を拡張するためにフロア展開位置まで上昇する。なお、図1では理解の容易のため、ドア6は開いているが可動フロア11をフロア展開位置まで上昇させた状態を示している。
本例では、車両フロア2が地表面に対して車両進行方向に所定角度(本例では約5度)だけ前傾している。しかしながら、乗降用ステップ4は地表面と平行になるように略水平に形成されている。したがって、乗降用ステップ4と車両フロア2とは平行に構成されていない。
本例の車両用フロアリフト装置Sでは、可動フロア11が乗降位置では乗降用ステップ4および地表面と略平行となり、フロア展開位置では傾斜した車両フロア2と略面一となるように昇降される。つまり、本例では可動フロア11は、水平に保持される乗降位置から傾斜状態に保持されるフロア展開位置に向けて徐々に前傾するように姿勢を変えながら上昇するように構成されている。
車両用フロアリフト装置Sの概略構成を図2に示す。図2に示すように、本例の車両用フロアリフト装置Sは、駆動モータ41によって可動フロア11を昇降させる可動フロアリフタ10と、駆動モータ41の作動を制御する中央制御部50と、中央制御部50からの制御信号に基づいて駆動モータ41に電源を供給する電源供給部52と、ドア6の開閉状態を検出して検出信号を中央制御部50へ出力するドア開閉検出部60を主要構成要素としている。
可動フロアリフタ10は、図3に示すように、車両1に対して着脱自在なワンユニット化された装置として構成されており、樹脂材料等により形成された板状部材である可動フロア11と、乗降口3の凹部空間5に配設可能に形成されたステップカバー13と、可動フロア11を昇降動作させる昇降手段20と、昇降手段20を駆動する駆動手段40を主要構成要素としている。なお、図3(A)は可動フロア11が乗降位置にある状態を示しており、図3(B)は可動フロア11がフロア展開位置にある状態を示している。
本例のステップカバー13は、凹部空間5に嵌め込んで装着可能なように樹脂材料により一体に形成されたものであり、凹部空間5に沿う車両フロア2の一部を覆うように形成された上面部13aと、乗降用ステップ4を囲む車両の側壁を覆うための背面部13cと、乗降用ステップ4の車両前後側の側面をそれぞれ覆う側面部13b,13dと、乗降用ステップ4上を覆う底面部13eから構成されている。側面部13b,背面部13c,側面部13dは、上面部13aの縁部から下方へ延出するように一体に形成されている。また、底面部13eは、側面部13b,背面部13c,側面部13dと連繋されて一体に形成されている。可動フロア11は、底面部13e上を昇降動作する。
図4に昇降手段20および駆動手段40の斜視図を示す。
駆動手段40は、駆動モータ41と、駆動モータ41と一体に連結された減速機構42と、垂直方向に突出する減速機構42の出力軸42aに連結されたクランク機構43とを有している。クランク機構43は、出力軸42aに一端が固設されたクランクアーム44と、クランクアーム44の他端に回動可能に一端が連結されたリンク45からなる。リンク45の他端は昇降手段20に回動可能に連結されている。
本例の駆動手段40では、中央制御部50からの制御信号に応じて駆動モータ41が正逆回転することにより、減速機構42を介して出力軸42aが回動し、これに伴ってクランクアーム44が所定の回動角度範囲を往復運動するようになっている。
昇降手段20は、ステップカバー13の底面部13eに固定される長尺な部材である下部のリンクガイド21と、リンクガイド21に形成されたガイド溝内を長手方向に沿って案内され進退動する長尺なスライドバー(第2の伝達部)22と、スライドバー22に一端が回動可能に取り付けられた駆動リンク23A,24A,25Aと、駆動リンク23A,24A,25Aの中間部位に一端が回動可能に連結され他端がリンクガイド21に回動可能に連結された従動リンク23B,24B,25Bと、駆動リンク23A,24A,25Aの他端が回動可能に連結された上部のリンクガイド26(図7参照)と、スライドバー22と連動してリンクガイド21の長手方向に沿って進退動するように連結された駆動バー27(第1の伝達部)と、スライドバー22と駆動バー27間に所定の張力を付与する引張りバネ30(図9参照)を主要構成要素としている。
なお、本例のリンクガイド26と可動フロア11を一体として可動フロアとしてもよい。また、本発明では、駆動リンクとは駆動手段からの駆動力を受けるリンクを指し、従動リンクとは駆動手段からの駆動力を直接受けずに、駆動リンクに従動するリンクを指す。
駆動リンク23A,24A,25Aと、これらにそれぞれ連結された従動リンク23B,24B,25Bは、本発明の昇降部に相当する。
また、スライドバー22,これと連動する駆動バー27および引張りバネ30は、本発明の駆動力伝達部に相当する。
駆動リンク23A,24A,25Aは、駆動手段40に近い側からこの順に略等間隔にスライドバー22に取付けられている。スライドバー22には、側端から上側へ延出するように一対のリンク取付部22Aが長手方向の3箇所に略等間隔に離間して形成されている。各駆動リンクは、スライドバー22を挟んで平行に配設された一対の同じ作動長さのリンク部材と、これらの上下端部をそれぞれ連結する連結ロッド28で構成されている。一対のリンク部材は、これらの下端部を連結する連結ロッド28がスライドバー22のリンク取付部22Aに回動可能に取付けられ、上端部を連結する連結ロッド28がリンクガイド26に回動可能に連結されている。
また、図5に示すように、一対のリンク部材の下端部を連結する連結ロッド28の両端部にはスライダ29が配設され、このスライダ29がリンクガイド21の側部に形成された案内部としての凹状のレール21a内を案内されるように構成されている。また、レール21a内には緩衝部材32が配設されている(図10参照)。なお、図10では、駆動リンク24Aの端部に連結された連結ロッド28に取付けられたスライダ29を図示しているが、同様に駆動リンク23A,25Aに対してもスライダ29が配設されている。
本例の緩衝部材32は、直方体に切り出されたウレタン等のクッション部材であり、レール21aの駆動手段40側の端部に配設された支持壁21bに接着固定されている。
本例の緩衝部材32は、可動フロア11が乗降位置に向けて降下するときに、スライダ29と弾性的に当接して、乗降位置での騒音や振動の低減や衝撃の緩和を図るものである。スライダ29と緩衝部材32等によって、いわゆるショックアブソーバが構成されている。
これら駆動リンク23A,24A,25Aを構成するリンク部材はそれぞれ長さが異なり、駆動リンク23A,24A,25Aの順に長くなるように設定されている。本例では、駆動リンク23Aと駆動リンク24Aのリンク部材の作動長さの差と、駆動リンク24Aと駆動リンク25Aのリンク部材の作動長さの差は、略同じ長さに設定されている。
一方、従動リンク23B,24B,25Bは、駆動手段40に近い側からこの順に略等間隔にリンクガイド21に取付けられている。リンクガイド21には、側端から上側へ延出するように一対のリンク取付部が長手方向の3箇所に離間して略等間隔に形成されている。これら従動リンク23B,24B,25Bは、スライドバー22を挟んで平行に配設された一対の同じ作動長さのリンク部材から構成されている。従動リンク23B,24B,25Bを構成するリンク部材は同一の作動長さを有しており、本例では駆動リンク23Aよりも短く設定されている。これらリンク部材は、リンク取付部に回動可能に取付けられている。なお、作動長さとはリンク部材の連結点である支点間の長さを意味する。
リンクガイド21は、長手方向(車両前後方向)にスライドバー22を摺動可能に保持する。また、リンクガイド21は、駆動手段40側に延出しており、この延出部に駆動手段40が取付けられている。そして、駆動手段40と一体に組み付けられた状態で、ステップカバー13の底面部13eに取付けられている。
駆動バー27の駆動手段40側の端部は、駆動手段40のリンク45に回動可能に連結されている。駆動バー27は、駆動モータ41が作動してクランクアーム44が所定の回動角度範囲を往復運動すると、クランクアーム44に連結されたリンク45に駆動されて、リンクガイド21の長手方向に沿ってスライドバー22上で所定の変位量だけ往復動作する。
図6に示すように、本例では、駆動バー27には長手方向に沿って長孔27aが穿設されており、スライドバー22には上面側に突出するように固定ピン22aが固設されている。この固定ピン22aは、駆動バー27の長孔27aに挿通され、遊嵌した状態となっている。
図6(A)は、固定ピン22aが長孔27aの右端部に位置している状態を示しており、この状態で駆動モータ41が正回転し始めると、駆動バー27が長孔27aの長さ分だけ右方向に移動したときに長孔27aの左端部が固定ピン22aに当接する。そして、さらに駆動バー27が長手方向右側(展開方向)に移動すると、長孔27aと固定ピン22aとの当接によってスライドバー22が右方向に押し出される。これにより、スライドバー22は駆動バー27よりも時間的に遅れて右方向へ移動を始める。
一方、図6(B)の状態から駆動モータ41が逆回転すると、駆動バー27が長孔27aの長さ分だけ左方向へ移動した後、スライドバー22は駆動バー27と共に左側(格納方向)へ移動し始める。このように、スライドバー22と駆動バー27は連動して長手方向に移動可能に連結されているが、スライドバー22は、駆動バー27よりも時間的にわずかに遅れて同方向へ移動するように構成されている。
なお、本例では、駆動バー27に長孔27aを形成したが、これに限らず、スライドバー22に長孔を形成し、駆動バー27に固定ピンを配設する構成でもよい。
また、本例では、長孔27aと長孔27a内を案内される固定ピン22aによって、スライドバー22と駆動バー27とが所定距離だけスライド可能に連結されているが、所定距離だけスライド可能な構成は、これに限られるものではない。例えば、スライドバー22の上面および駆動バー27の下面に幅方向に沿う凸条を設け、これらの凸条によってスライドバー22と駆動バー27の進退動方向の移動が所定距離で規制されるようにしてもよい。
また、スライドバー22は、駆動バー27よりも駆動モータ41の配設位置と反対側に長く延出しており、スライドバー22と駆動バー27には、駆動モータ41と反対側の端部にそれぞれ支持ピン22d,27dが配設されている(図9参照)。そして、これら支持ピン22d,27dには張力付与部としての引張りバネ30の端部がそれぞれ係止されており、支持ピン22d,27dを近づける方向へ付勢している。すなわち、引張りバネ30は、常時、駆動バー27に対して可動フロア11を下降させる方向へスライドバー22を引き込む引張力を付与している。
なお、本例では、張力付与部として引張りバネ30が配設されているが、これに限らず、ゴム等の弾性部材を用いてもよい。また、スライドバー22と駆動バー27にそれぞれ磁気吸引部材を対向配置してもよい。例えば、双方に磁石が引き合うように配置するか、一方に磁石,他方に磁性金属を配置することができる。これにより、磁気吸引部材同士の吸引力によって引張り力を付与したり、磁気的に連結させたりして駆動バー27に対して可動フロア11を下降させる方向へスライドバー22を引き込んだ状態に保持してもよい。
また、本例では、引張りバネ30の一端がスライドバー22、他端が駆動バー27にそれぞれ係止されているが、スライドバー22に対して格納方向へ張力を付与することができればこの構成に限られるものではない。例えば、スライドバー22にバネやゴム等の弾性部材の一端を係止し、他端をリンクガイド21に係止して、弾性部材による圧縮力または引張力によりスライドバー22を格納方向へ付勢するように構成してもよい。
図7に示すように、リンクガイド26の上面には可動フロア11が取付けられており、リンクガイド26は可動フロア11を支持している。また、リンクガイド26の側面には、長手方向に沿う長孔26a,26cが形成されている。駆動リンク23A,25Aの連結ロッドは、この長孔26a,26cにそれぞれ挿通され、長孔26a,26c内を長手方向に沿ってスライド移動可能であると共に、回動可能となっている。一方、駆動リンク24Aの連結ロッドは、リンクガイド26に形成された支持孔(不図示)に挿通されているので長手方向には移動できないが、この支持孔内で回動可能となっている。
本例では、駆動リンク23A,24A,25Aの端部が、リンクガイド26の長手方向に離間する複数の支持部位に連結され、駆動リンク23A,24A,25Aは、この支持部位を介して可動フロア11を支持している。
なお、本例では駆動リンク23A,25Aの連結ロッドを取付けるために長孔26a,26cが設けられているが、これに限らず、駆動リンク23A,24A,25Aのうち少なくとも2の連結ロッドに対して取付用の長孔が形成されていればよい。
図8に示すように、リンクガイド26の下面には、一部を上側に折り曲げた傾斜片26dが形成されている。この傾斜片26dは、プレス加工によってリンクガイド26の下面に長手方向に沿ってコ字型の切り込みを入れて、その部位を上側に折り曲げたものである。傾斜片26dは、基部側がリンクガイド26の下面に対して所定の傾斜角をなすように折り曲げられて傾斜面(スロープ面)が形成され、さらに端部側がリンクガイド26の下面と平行になるように折り曲げられて平行面が形成されている。これにより、傾斜片26dの下側部分には開口26eが形成されている。
なお、リンクガイド26の下面と可動フロア11との間には、所定の間隙が設けられており、傾斜片26dはこの間隙内に突出するように形成されている。
また、駆動バー27にも同様の傾斜片27b,開口27cが形成されている。ただし、開口26e内に入り込むことができるように、傾斜片27bは傾斜片26dよりも幅狭に形成されている。傾斜片26d,傾斜片27bはスロープ機構を構成する。
可動フロア11が乗降位置にあるときには、駆動バー27は最も駆動手段40寄りに保持されており、図8はこの状態を示している。この状態では、傾斜片27bはリンクガイド26の開口26e内に入り込んだ状態となっている。すなわち、傾斜片27bの上端部は、リンクガイド26の下面よりも上側に位置している。
この状態から、駆動バー27が駆動手段40から離れる方向(展開方向)に移動すると、傾斜片27bの傾斜面(スロープ面)がリンクガイド26の傾斜片26dの傾斜面と当接し、傾斜片27bはリンクガイド26を僅かに上側に持ち上げようとする。そして、このリンクガイド26を持ち上げようとする力により、リンク部材等の連結の遊び分だけリンクガイド26は上側に持ち上げられる。
このとき、スライドバー22の固定ピン22aは、まだ駆動バー27に形成された長孔27aの駆動手段40側の端部と当接しておらず、スライドバー22は静止したままである。
乗降位置では駆動リンク23A,24A,25Aと、従動リンク23B,24B,25Bの作用点および支点はそれぞれ一直線上に並んだ状態であるが、リンクガイド26がわずかに上側に持ち上げられることにより、作用点および支点が直線上からずれる。すなわち、乗降位置では、駆動リンク23A,24A,25Aの両端部の作用点(連結点)と、従動リンク23B,24B,25Bの両端部の作用点(連結点)と、駆動リンク23A,24A,25Aおよび従動リンク23B,24B,25Bの支点(連結点)が、それぞれ一直線上に並んでいるが、リンクガイド26の上側への移動により、駆動リンク23A,24A,25Aのリンクガイド26との連結点、および従動リンク23B,24B,25Bの駆動リンク23A,24A,25Aとの連結点が他の連結点よりも上側へずれる。
これにより、この後、駆動バー27と連動してスライドバー22が駆動手段40から離れる方向(展開方向)へ移動することによって駆動リンク23A,24A,25Aのスライドバー22との連結点が、駆動手段40から離れる方向に移動しようとしたときに、突っ張ってしまうことなく駆動リンク23A,24A,25Aと従動リンク23B,24B,25Bは、一直線上に展開した状態から、リンクガイド26を上側へ持ち上げるように屈曲することが可能となる。
中央制御部50は、例えば、各種演算を行うためのCPUと、このCPUを動作させるためのプログラムが格納されたROMと、CPUによって処理された情報を一時的に保存するRAM等を備えた電気回路で構成されている。この中央制御部50は、ドア開閉検出部60からの検出信号を検出することにより、電源供給部52に電源供給指令信号(制御信号)を出力することができるように構成されている。なお、中央制御部50は、車両1に備えられた不図示の中央制御装置に一体に組み込まれていても良いし、ステップカバー13に取付けられていてもよい。
電源供給部52は、車両1に備えられたバッテリを含む電源装置によって構成されており、中央制御部50からの電源供給指令信号に応じて、可動フロアリフタ10の駆動モータ41に所定の電圧を印加することができるように構成されている。
ドア開閉検出部60は、車両1に備えられたドア6の開閉を検出するものであり、ドア6が閉じた状態にあるときには、ドア閉信号を中央制御部50へ出力し、ドア6が開いたときには、ドア開信号を中央制御部50へ出力するように構成されている。ドア開閉検出部60は、カーテシスイッチとしてもよいし、専用のスイッチとしてもよい。また、ドア開閉検出部60は、ドア6が完全に閉まった状態でドア閉信号を出力し、ドア6が完全に閉まった状態から僅かに開方向に移動したときにドア開信号を出力するようにしてもよいし、ドア6が完全に開いた状態でドア開信号を出力し、ドア6が完全に開いた状態から僅かに閉方向に移動したときにドア閉信号を出力するようにしてもよい。
次に、図7,図9に基づいて、上記各構成からなる車両用フロアリフト装置Sの動作について説明する。
本例の車両用フロアリフト装置Sでは、可動フロア11が、車両1に設けられたドア6の開閉動作に連動するように作動する。すなわち、ドア6が開いている状態では、図7(A)に示すように乗降の容易のため、可動フロア11を乗降位置まで降下させこの位置に保持する。そして、ドア6の閉動作に連動して、図7(B)に示すように車両フロア2の有効面積を拡張するため、可動フロア11をフロア展開位置まで上昇させこの位置に保持する。そしてドア6が開けられると、再び図7(A)に示す状態に変位する。
なお、ドア6が閉められて所定時間後に可動フロア11がフロア展開位置まで上昇し、またドア6が開けられて所定時間後に可動フロア11が乗降位置まで下降するような構成であっても良い。さらに、可動フロア11が昇降する際に、不図示の表示器で報知したりスピーカから警告音を発したりするような構成であっても良い。
まず、可動フロア11が乗降位置からフロア展開位置まで上昇する動作について説明する。本例の車両用フロアリフト装置Sでは、ドア6が開けられた状態から閉められた状態となると、ドア開閉検出部60からドア閉信号が中央制御部50に出力され、中央制御部50はドア6が閉められたと判定する。
中央制御部50は、ドア閉状態と判定すると、電源供給部52に所定の電源供給指令信号を出力する。電源供給部52は電源供給指令信号を検出すると、可動フロアリフタ10の駆動モータ41に所定極性からなる電圧を印加する。これにより、駆動モータ41が正方向に回転し、クランク機構43を介して駆動バー27を展開方向へ移動させる。
可動フロア11が乗降位置にあるときには、スライドバー22は駆動リンク23A,24A,25Aと従動リンク23B,24B,25Bが直線状に並ぶ位置まで移動している。すなわち、スライドバー22は最も駆動手段40側に位置している。
そして、図9(A)に示すように、駆動バー27はスライドバー22よりもさらに長孔27aの長さに対応する所定の移動距離分だけ駆動モータ41側の位置(第1位置)に保持されている。したがって、スライドバー22と駆動バー27とを連結する引張りバネ30は、フロア展開位置よりも駆動手段40によって引き伸ばされた状態となっている。これにより、引張りバネ30は、駆動バー27に対して展開方向へ引き出す方向の力を付与している。
駆動モータ41が正方向に回転して駆動バー27が展開方向(図9のD方向)へ駆動されると、図9(B)に示すように、引張りバネ30は自然長に戻るように縮んでいく。このとき、スロープ機構を構成する傾斜片27bがリンクガイド26および可動フロア11をわずかに持ち上げ、駆動リンク23A,24A,25Aおよび従動リンク23B,24B,25Bの直線状態が解除される。
そして、図9(C)に示すように、固定ピン22aが長孔27aの内側面(駆動手段40側の内側面)と当接する位置(第2位置)まで駆動バー27が移動すると、スライドバー22は駆動バー27と連動して展開方向へ移動を始める。これにより、駆動リンク23A,24A,25Aおよび従動リンク23B,24B,25Bが連結点を中心として屈曲していく。
スライドバー22が展開方向へ移動すると、駆動リンク23A,24A,25Aとスライドバー22との連結点が同じ距離(駆動量)だけ展開方向(図7の右方向)へ移動し、これにより駆動リンク23A,24A,25Aと連結された従動リンク23B,24B,25Bが時計方向へ回動する(図7(B)参照)。これに伴って、駆動リンク23A,24A,25Aが起立状態へと変位していく。
この起立状態への変位の間、引張りバネ30はスライドバー22に対して駆動バー27を展開方向へ引き出すような力を付与しており、駆動バー27はスライドバー22に対して図9(C)に示す第2位置に保持される。
このとき、同じように起立状態に変位していっても、駆動リンク23A,24A,25Aの作動長さの相違によって先端部の上昇速度が異なるため、先端部に連結されたリンクガイド26が水平状態から徐々に傾斜していく。すなわち、本例では駆動リンク25Aの方が駆動リンク23Aよりも長いので、上下方向のストローク差が生じ、リンクガイド26および可動フロア11は車両前後方向に前傾していく。なお、駆動リンク23A,24A,25Aの作動長さの相違により、起立していくうちに駆動リンク23A,24A,25Aの先端部分間の距離が近くなっていく。このため、駆動リンク23A,25Aの先端連結部部分は、長孔26a,26c内をスライドしていく。
そして、中央制御部50は、駆動モータ41が所定回転数だけ回転したことを検出すると、電源供給指令信号の出力を停止して駆動モータ41を停止させる。駆動モータ41が所定回転数だけ回転することによって、可動フロア11はフロア展開位置まで上昇する。このとき、可動フロア11は車両フロア2と略同一角度だけ前傾した姿勢となる。このフロア展開位置では、可動フロア11は車両フロア2と連続する略同一面を形成し、有効面積を拡張する。
また、フロア展開位置では、スライドバー22と駆動バー27とが第2位置に保持され、引張りバネ30によって互いに引き合う方向に引張り力が掛かっているので、車両の振動等による可動フロア11,駆動リンク,従動リンク,スライドバー22,駆動バー27等のガタ付きやこれに伴う騒音や振動の発生を防止することができる。
なお、可動フロア11がフロア展開位置に到達したことを位置検出センサで検出して、駆動モータ41の作動を停止させるようにしてもよい。
次に、可動フロア11がフロア展開位置から乗降位置まで降下する動作について説明する。ドア6が閉められた状態から開けられた状態となると、ドア開閉検出部60からドア開信号が中央制御部50に出力され、中央制御部50はドア6が開けられたと判定する。
中央制御部50は、ドア開状態と判定すると、電源供給部52に所定の電源供給指令信号を出力して、可動フロアリフタ10の駆動モータ41に所定極性からなる電圧を印加させる。これにより、駆動モータ41が逆方向に回転し、クランク機構43を介して駆動バー27を格納方向(図7の左方向)へ移動させる。
駆動バー27の格納方向への移動により、駆動リンク23A,24A,25Aとスライドバー22との連結点が格納方向へ移動し、これにより駆動リンク23A,24A,25Aと連結された従動リンク23B,24B,25Bが反時計方向へ回動する。これに伴って、駆動リンク23A,24A,25Aが従動リンク23B,24B,25Bと直線状になるように変位していく。このとき、リンクガイド26および可動フロア11は徐々に水平状態に戻っていく。
このように駆動バー27が格納方向(図9のR方向)へ移動していく間、スライドバー22は引張りバネ30によって駆動バー27に対して格納方向へ引き込まれるように引張力を受ける。したがって、スライドバー22と駆動バー27の位置関係は、図9(C)の第2位置に維持される。
引張りバネ30が配設されていない場合には、スライドバー22と連動することなく駆動バー27のみが駆動手段40によって駆動され、図9(A)のように駆動バー27がスライドバー22に対して左側へ長孔27aの長さ分シフトしたような状態(第1位置)で可動フロア11が降下していくことになる。
したがって、この場合には、可動フロア11の自重や可動フロア11に下向きの荷重が掛かったときに、この荷重によって駆動リンク23A,24A,25Aを介してスライドバー22に格納方向の力が掛かり、長孔27aの長さ分だけ急にスライドバー22が駆動バー27の前進方向(格納方向)へ移動することになる。これにより、可動フロア11が所定高さだけ急下降(急落下)してガタつき、これにともなって騒音や振動を発生するおそれがあった。
しかしながら、本例では、スライドバー22は常時、引張りバネ30によって格納方向(図9のR方向)へ引張り力を受けているので、可動フロア11の下降時にはスライドバー22は駆動バー27に対して格納方向へ長孔27aの長さ分だけシフトした位置(第2位置)に保持されている。これにより、可動フロア11に下向きの外力が掛かっても、長孔27aの長さ分だけ急にスライドバー22が駆動バー27の前進方向(格納方向)へ移動してしまう不都合は生じない。これにより、可動フロア11の所定高さの急下降(急落下)によって騒音や振動が発生してしまうことを防ぐことができる。
そして、駆動バー27と連動してスライドバー22が移動して、可動フロア11が乗降位置に到達すると、駆動リンク23A,24A,25Aと従動リンク23B,24B,25Bが直線状に並ぶ。そして、さらに駆動モータ41が格納方向へ回動すると、スライドバー22は停止状態に保持されたまま、駆動手段40の引き込み力によって駆動バー27のみが格納方向へ移動する(図9(B)参照)。このとき、引張りバネ30が徐々に伸ばされていく。
そして、本例では、中央制御部50は、駆動モータ41が所定回転数だけ回転したことを検出すると、電源供給指令信号の出力を停止して駆動モータ41を停止させる。このとき、図9(A)に示した状態となる。駆動モータ41が所定回転数だけ回転することによって、リンクガイド26および可動フロア11は完全に水平状態となった乗降位置まで降下した状態となる。
乗降位置では、スライドバー22と駆動バー27とが第1位置に保持され、引張りバネ30によって互いに引き合う方向に引張り力が掛かっているので、車両の振動等による可動フロア11,駆動リンク,従動リンク,スライドバー22,駆動バー27等のガタ付きやこれに伴う騒音や振動の発生を防止することができる。
なお、可動フロア11が乗降位置に到達したことを位置検出センサで検出して、駆動モータ41の作動を停止させるようにしてもよい。
上述のように、乗降位置では駆動リンク23A,24A,25Aおよび従動リンク23B,24B,25Bの作用点(連結点)はそれぞれ一直線上に並ぶ。このように一直線上に並ぶことにより、本例の可動フロアリフタ10では、乗降位置において可動フロア11下部の厚さを薄くして、可動フロア11上面の地上高さを低く抑えている。
すなわち、本例の可動フロアリフタ10には、作用点の直線上の並列状態を解除するためのスロープ機構が設けられており、乗降位置から可動フロア11を上昇動作させるときに、駆動バー27に設けた傾斜片27bによって可動フロア11を支持しているリンクガイド26をわずかに持ち上げることによって、一直線上に並んだ駆動リンク23A,24A,25Aおよび従動リンク23B,24B,25Bをわずかに屈曲させた状態にすることができる。これにより、直線上に並んだ作用点をずらして、この後のスライドバー22の展開方向への移動によって駆動リンク23A,24A,25Aおよび従動リンク23B,24B,25Bを突っ張らせずに屈曲させていくことができる。
次に、図10に基づいて、本例の緩衝部材32の作用について説明する。
図10(A)は、フロア展開位置における駆動リンク24A,従動リンク24Bを示している。この状態から駆動モータ41が格納方向へ回転すると、スライドバー22に連結された連結ロッド28は図中左方向へ移動し始める。これにより、連結ロッド28の端部に配設されたスライダ29は、レール21a内を駆動手段40側(図中、左方向)へ案内される。
図10(B)は支持壁21bに固定された緩衝部材32の右側面にスライダ29が当接した後、緩衝部材32をスライダ29と支持壁21bの間で弾性圧縮させながらさらにスライダ29が格納方向へ移動している状態を示している。また、図10(C)は可動フロア11が乗降位置まで到達して、駆動リンク24A,従動リンク24Bが直線状に並んだ状態を示している。
このように可動フロア11が乗降位置付近に到達したときには、スライダ29が緩衝部材32を弾性圧縮しながら移動するので、スライダ29は緩衝部材32による抵抗負荷によって低速化される。これにより、可動フロア11は乗降位置側でスローストップすると共に、可動フロア11が乗降位置に到達したときの衝撃を吸収して接触音等を抑えることができる。
なお、本例では、緩衝部材32を支持壁21bに固定しているが、これに限らず、緩衝部材32は圧縮時に支持壁21b等の支持部材によって支持されればよく、支持壁21bに固定されることなく支持壁21bとスライダ29の間に介在されればよい。
本発明の実施形態は、以下のように改変することができる。なお、上記実施形態と同様の構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
上記実施形態では、緩衝部材32にクッション部材を用いていたが、これに限らず、図11に示すようにバネ部材を用いていてもよい。この例では、図11(A)に示すように、バネ部材である緩衝部材33は支持壁21bに一端側が固定され、他端側がスライダ29と弾性的に当接可能となっている。
図11(B)に示すように、スライダ29が格納方向へ移動していくとスライダ29は緩衝部材33と当接し、緩衝部材33を圧縮していく。乗降位置では、緩衝部材33はスライダ29と支持壁21bに挟まれて最も圧縮された状態となる。このように、スライダ29は、乗降位置付近で緩衝部材33によって展開方向に付勢され、この付勢力によって低速化される。これにより、可動フロア11は乗降位置側でスローストップすると共に、可動フロア11が乗降位置に到達したときの衝撃を吸収して接触音等を抑えることができる。
また、図11の例では、バネ部材を格納時のスライダ29の進行方向前側(すなわち、駆動手段40側)に配設していたが、これに限らず、格納時のスライダ29の進行方向後側に配置してもよい。この場合、バネ部材の一端をスライダ29に係止し、他端をリンクガイド21に係止するとよい。これにより、スライダ29がレール21a内を格納方向に移動する際に、スライダ29は展開方向へ引張られるので、この引張り力によってスライダ29は低速化される。これにより、乗降位置側で可動フロア11をスローストップさせ、衝撃音等を抑えることができる。
また、緩衝部材として、上述のクッション部材,バネ部材以外にも、空気を含む気体の圧縮性を利用したエアークッション部材やゴム部材等の弾性部材を用いることができる。
また、上記実施形態では、本発明の一実施形態に係る車両用フロアリフト装置Sがワンボックスカーや、いわゆるミニバン等に好適に搭載されるよう説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バス,トラック,福祉車両,キャブオーバー車等に搭載してもよい。また、車両用フロアリフト装置Sの搭載位置も、後部座席用に限られるものではなく、段差のあるステップ部に対して搭載されるものであれば、運転席や助手席等であっても良い。また、非常降車口等に配設されても良い。また、ドアの開閉形式もスライド式に限られるものではない。
本発明の一実施形態に係る車両用フロアリフト装置の車載状態の説明図である。 図1に示す車両用フロアリフト装置の構成図である。 可動フロアリフタの斜視図である。 可動フロアリフタの作動機構の斜視図である。 可動フロアリフタの断面図である。 駆動バーとスライドバーの連結部位の説明図である。 可動フロアリフタの動作説明図である。 駆動バーとリンクガイドの部分拡大図である。 駆動バーとスライドバーの動作説明図である。 可動フロアリフタの緩衝部材の作動説明図である。 本発明の他の実施形態に係る緩衝部材の作動説明図である。
符号の説明
1‥車両、2‥車両フロア、3‥乗降口、4‥乗降用ステップ、5‥凹部空間、
6‥ドア、10‥可動フロアリフタ、11‥可動フロア、13‥ステップカバー、
20‥昇降手段、21‥リンクガイド、21a‥レール、21b‥支持壁、
22‥スライドバー(第2の伝達部)、22A‥リンク取付部、
22a‥固定ピン、22d‥支持ピン、23A,24A,25A‥駆動リンク、
23B,24B,25B‥従動リンク、26‥リンクガイド、26a,26c‥長孔、
26d‥傾斜片、26e‥開口、27‥駆動バー(第1の伝達部)、27a‥長孔、
27b‥傾斜片、27c‥開口、27d‥支持ピン、28‥連結ロッド、
29‥スライダ、30‥引張りバネ、32,33‥緩衝部材、
40‥駆動手段、41‥駆動モータ、42‥減速機構、42a‥出力軸、
43‥クランク機構、44‥クランクアーム、45‥リンク、50‥中央制御部、
52‥電源供給部、60‥ドア開閉検出部、S‥車両用フロアリフト装置

Claims (5)

  1. 可動フロアと、該可動フロアを上部位置と下部位置との間で昇降させる昇降手段と、該昇降手段を駆動する駆動手段と、を備えた昇降装置であって、
    前記昇降手段は、前記駆動手段に連結され該駆動手段からの駆動力によって進退動する駆動力伝達部と、該駆動力伝達部に連結され該駆動力伝達部の進退動によって駆動されることにより前記可動フロアを昇降させる昇降部と、を備え、
    前記駆動力伝達部は、前記駆動手段に連結された第1の伝達部と、前記昇降部に連結されると共に進退動方向に沿って前記第1の伝達部に対して所定距離だけスライド可能に該第1の伝達部に連結された第2の伝達部と、を備え、
    前記第2の伝達部には、張力付与部によって前記可動フロアを下降させる方向の張力が付与されてなることを特徴とする昇降装置。
  2. 前記第1の伝達部と前記第2の伝達部の一方には、進退動方向に沿って長孔が形成され、他方には前記長孔内に突出する固定ピンが固設され、該固定ピンが前記長孔内を案内されることにより、前記第1の伝達部と前記第2の伝達部は所定距離だけスライド可能であることを特徴とする請求項1に記載の昇降装置。
  3. 前記張力付与部は、弾性部材又は磁気吸引部材であることを特徴とする請求項1に記載の昇降装置。
  4. 前記昇降部には、前記第2の伝達部と連動して進退動方向に移動するスライダと、該スライダを案内する案内部と、該案内部内に配設され前記可動フロアが前記下部位置に到達する際の前記スライダによる衝撃を吸収する緩衝部材と、が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の昇降装置。
  5. 前記緩衝部材は、クッション部材,エアークッション部材,バネ部材およびゴム部材を含む弾性部材で形成されたことを特徴とする請求項4に記載の昇降装置。
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