JP2007053715A - 画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置において、前記透光性部材の前記原稿と相対する面に防汚層を設けた画像読み取り装置であって、該防汚層が少なくともパーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物を含有し、該防汚層のパーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物が少なくともケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物であることを特徴とする画像読み取り装置。
【選択図】図1
Description
特に画像読み取り装置で問題となるコピー上の汚れ対策や紙詰り対策に関する。
この方式によると、原稿は読み取りの際、コンタクトガラスに接触しながら通過するので原稿の画像面側に付いた粉塵、粘着剤、接着剤、油性インク、修正液等のコンタクトガラス上への付着が避けられない。この付着物がコンタクトガラスの読み取り位置に付着すると、読み取った画像信号にその影響が現れ、画像を劣化させる。
コンタクトガラス上への粉塵等の付着物は、原稿固定の画像読み取り装置では、黒点として発生するだけであるのに対し、シートスルー方式の読み取り装置の場合、副走査方向に繋がる、いわゆる黒スジの発生となってしまい、その影響は遥かに大きい。
これら付着防止としては、パーフルオロ・アルキルポリエーテルと側鎖がモノアミノアルキル基またはジアミノアルキル基を含むアミノ基で変性されたポリジメチルシロキサンを板ガラスに塗布していたり(特許文献1、2参照)、ガラス表面に光触媒のような汚れ分解機能を有する材料をコーティングしていたりするが(特許文献3、4参照)、防汚性は充分であるが持続性がない、汚染物質分解には効果はあるが粘着剤付着等の防汚性に劣るなど、画像を低下させるのを防止する読み取り装置としては充分なものではなかった。
トナーなどで、粘着系の異物は、原稿についた粘着性異物がコンタクトガラスに付着し、原稿を通紙することによって、コンタクトガラスに付着した粘着性異物に原稿に乗っているトナーが堆積してできると考えられる。このようにコンタクトガラスに浮遊系の異物が溜まってしまい、画像劣化に繋がる可能性が高い。
特許文献に記載されている技術では粘着系及び浮遊系の異物をコンタクトガラスに付着させないように防汚性を付与し、画像読み取りを行なうようにしているが、経時で防汚性付与層の摩滅などにより、防汚性が低下してしまい粘着系及び浮遊系の異物がコンタクトガラスに付着してしまい、画像を劣化させてしまう。
具体的には、このようなゴミ等の異物が、コンタクトガラスに付着しないような構造あるいは低表面エネルギーの防汚層を設ける、仮にこのようなゴミ等の異物がコンタクトガラスの画像読み取り部に存在しても、簡単に除去できるような構造及び耐摩耗性あるいは潤滑性を付与する防汚層構造を提案するものである。
さらに、このようなゴミ等の異物が付着しにくい画像読み取り装置を有することにより、常時高画質記録が維持できる記録装置(複写機)を提案するものである。
また、上記課題は、本発明の(11)「前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の画像読み取り装置又は前記第(10)項に記載の画像読み取り装置付き記録装置を製造する方法であって、前記透光性部材表面を前処理したのち該防汚層を設ける段階を含み、該前処理が表面改質及び表面洗浄処理であり、該表面改質及び表面洗浄処理がアルカリ処理及び/またはプラズマ処理及び/または溶剤洗浄処理及び/またはエッチング処理であることを特徴とする画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置の製造方法」、(12)「前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の画像読み取り装置又は前記第(10)項に記載の画像読み取り装置付き記録装置を製造する方法であって、前記防汚層の形成方法が、ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物または加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つ化合物を含有するパーフルオロ系溶液を減圧下、加熱して基材上に蒸着、薄膜を形成する段階を含み、上記化合物の加熱温度が蒸発開始温度から分解温度までの範囲であることを特徴とする画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置の製造方法」により達成される。
特に、画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置において、該防汚層のパーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物が少なくともケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物であることにより、ケイ素含有パーフルオロポリエーテル分子構造由来の低表面エネルギー及び分子鎖のフレキシビリティ・可撓性・潤滑性や透光部材など基材と強固に接合するなどの特性により、防汚層に防汚性、特に耐摩耗性及び潤滑性を付与し、ゴミ等の異物付着を防止し、経時での防汚性付与層の摩滅を防止し、耐久性に優れ、画質劣化の問題の解消を実現することが可能となる。
また、該防汚層が少なくとも透光部材と反応していない加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含有することにより、加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル分子構造由来の低表面エネルギー及び分子鎖のフレキシビリティ・潤滑性などが、防汚層に特に潤滑性を付与し、潤滑性が増すことで経時での防汚層の摩滅を抑制し、耐久性に優れ、画質劣化の問題の解消を実現することが可能となる。詳細は不明だが、防汚層中に未反応の加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物が存在することで、潤滑性付与だけではなく、経時で防汚層が摩滅する際に大気中の水分と触れることにより、加水分解が順次起り、透光部材と反応し、新たに強固な接合を持つ防汚層を形成することも考えられる。
また、前記画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置において、前記防汚層が少なくともケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物及びフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造を有する化合物を含有することすることにより、ケイ素含有パーフルオロポリエーテル分子構造由来の低表面エネルギー及び分子鎖のフレキシビリティ・可撓性・潤滑性や透光部材など基材と強固に接合するなどの特性とフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造を有する化合物は該ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物と相溶性が良く、均一に膜形成ができ、分子構造由来の撥水撥油性が高く、透光部材などの基材と強固に接合するなどの特性との相乗効果が発揮され、防汚層に特に防汚性を付与し、耐摩耗性付与及び潤滑性付与し、ゴミ等の異物付着を防止し、経時での防汚性付与層の摩滅を防止し、耐久性に優れ、画質劣化の問題の解消を実現することが可能となる。
また、前記画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置において、該化合物が少なくともフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つ化合物であることにより、パーフルオロポリエーテル基の分子構造由来の低表面エネルギー及び分子鎖のフレキシビリティ・可撓性・潤滑性や透光部材など基材と強固に接合するなどの特性とフッ素置換アルキル基の分子構造由来の撥水撥油性が高い、離型性が良好などの特性を併せ持ち、相分離を引き起こすことがなく、均一に透明な塗膜を形成でき、有機ケイ素構造を持つことで透光部材などの基材と強固に接合するなどの特性との相乗効果が発揮され、防汚層に特に防汚性を付与し、耐摩耗性付与及び潤滑性付与し、ゴミ等の異物付着を防止し、経時での防汚性付与層の摩滅を防止し、耐久性に優れ、画質劣化の問題の解消を実現することが可能となる。
また、前記画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置において、該化合物のフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基のモル比が0.1〜10であることにより、撥水撥油性(離型性)と可撓性(耐摩耗性、潤滑性)の両特性のバランスに優れ、該化合物により防汚層に防汚性を付与し、耐摩耗性付与及び潤滑性付与し、ゴミ等の異物付着を防止し、経時での防汚性付与層の摩滅を防止し、特に耐久性に優れ、画質劣化の問題の解消を実現することが可能となる。
また、前記画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置において、該防汚層が少なくともケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物または加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つ化合物を溶解するパ−フルオロ系溶剤を含有することにより、パーフルオロ系溶剤はケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物または加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つ化合物の特性を損なうことなく、相溶・溶解し、均一な膜形成に寄与し、相溶性が高く、形成した防汚層に馴染み、膜中に存在することで、膜の可撓性や撥水撥油性に寄与し、防汚性、耐摩耗性付与及び特に潤滑性付与に効果があり、耐久性に優れ、画質劣化の問題の解消を実現することが可能となる。
また、前記画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置において、該防汚層のケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物または加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つ化合物の分子量が1000〜20000であることにより、各防汚層構成材料の均一で良好な膜形成に寄与し、更に各防汚層構成材料の分子鎖のフレキシビリティ・可撓性・潤滑性などの効果を充分に発揮させることができ、防汚性、特に耐摩耗性付与及び潤滑性付与し、ゴミ等の異物付着を防止し、防汚層が良好に形成され、更に経時での防汚性付与層の摩滅を防止し、耐久性に優れ、画質劣化の問題の解消を実現することが可能となる。
また、前記画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置において、該防汚層の膜厚が0.001〜0.1μmであることにより、防汚性、耐摩耗性及び潤滑性等の付与、経時での防汚層の摩滅を防止などにより画質劣化の問題の解消となり、機能的かつ経済性の面から実用的な耐久性に優れた画像読み取り装置を実現することが可能となる。
また、前記画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置において、前記透光性部材表面に微細な凹凸を設けることにより、形状効果で原稿との接触面積が小さくなり、原稿の汚れ、特に粘着剤等の粘着性の汚れが付着し難くなり、防汚性付与に効果がある。また、凹部に潤滑性及び防汚性材料が塗布され、原稿が表面を擦ってもこれら材料を大幅に減ずることはなく、経時での防汚性付与層の摩滅を防止し、耐久性に優れ、画質劣化の問題の解消を実現することが可能となる。
また、前記画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置において、前記透光性部材表面を前処理したのち該防汚層を設けた画像読取装置であって、前処理が表面改質及び表面洗浄処理であり、該処理がアルカリ処理及び/またはプラズマ処理及び/または溶剤洗浄処理及び/またはエッチング処理であることにより、透光性部材表面の官能基改質、清浄化、表面粗さ制御などにより、透光性部材表面と防汚層との接着性が向上し、耐摩耗性、特に経時での防汚性付与層の摩滅を防止し、耐久性に優れ、画質劣化の問題の解消を実現することが可能となる。
また、前記画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置において、該防汚層の形成方法が、ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物または加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造有する化合物またはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つ化合物を含有するパーフルオロ系溶液を減圧下、加熱して基材上に蒸着、薄膜を形成する透光部材の製造方法において、上記化合物の加熱温度が蒸発開始温度から分解温度までの範囲であることにより、透光部材上に均一均質で強固な防汚層を得ることができ、特に耐摩耗性の付与に効果があり、更に経時での防汚層の摩滅を防止し、耐久性に優れ、画質劣化の問題の解消を実現することが可能となる。
本発明の画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置において、前記透光性部材の前記原稿と相対する面に防汚層を設けた画像読み取り装置における該防汚層は少なくとも前記パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物を含有する材料から構成されており、該防汚層には各必要に応じて、ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物や加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物やフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造を有する化合物やフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つ化合物やパーフルオロ系溶剤などを種々含有して構成しても良い。
つまり、本発明においては前記パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物の他に溶剤、加水分解性基の加水分解・縮合用触媒を含むことができる。溶剤としては、本明細書記載の溶剤を使用でき、触媒としてはブチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、イソホロンジアミン、イミダゾール、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラートのごとき塩基性化合物;テトラプロピルチタネート、オクチル酸錫、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレート等含金属化合物;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸、リン酸、モノアルキルリン酸、ジアルキルリン酸、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのリン酸エステル、モノアルキル亜リン酸、ジアルキル亜リン酸等酸性化合物などが挙げられ、特にジブチル錫ジアセテートジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート等の錫化合物が好ましい。残留溶剤の量は通常、極微量(かろうじて存在が検出可能な量)であり、触媒の使用量は組成物100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部の範囲である。
(式中、Rf1は炭素数1〜100の直鎖状のパーフルオロアルキル基、X1は水素または炭素数1〜5の低級アルキル基、R2は加水分解可能な基、mは1〜100の整数、nは0〜2の整数、lは1〜10の整数)
上記R2で示される加水分解可能な基としてはアミノ基、アルコキシ基、塩素原子等が挙げられ、アルコキシ基の場合は、そのアルキル部分が炭素数1または2のものが好ましい。
(式中、Rf2は炭素数1〜100の直鎖状のパーフルオロアルキル基、X2は水素または炭素数1〜5の低級アルキル基、R3は加水分解可能な基、rは1〜100の整数、sは0〜2の整数、tは1〜10の整数)
上記R3で示される加水分解可能な基としてはアミノ基、アルコキシ基、塩素原子等が挙げられ、アルコキシ基の場合は、そのアルキル部分が炭素数1または2のものが好ましい。
なお、これら材料は通常の製造方法によれば混合物として得られることが知られており、例えば、本発明とは分野や使用目的が異なるが眼鏡ガラスやレンズの曇り防止のため、或いは水に対する濡れ防止のため用いることが提案され、また一部は市販品として入手可能な(例えばオプツールDSX)ものもあるが、本発明における該化合物は、通常市販されているパーフルオロポリエーテルを原料として用い、末端に、例えば、ヨウ素を導入した後、これに、シラン化合物を反応させること等により得ることができる。
つまり、試薬として例えば、ヒドラス化学:12275-4(HFPO oligomer),12341-4(Hexafluropropene oxide telomere,metyl esters),15343-7(2H-Perfluoro-5,8,11,14-pentamethyl-3,6,9,12,15,18-hexaoxaheneicosane)、アズマックス:F05992NA(Perfluoro-3,6-dioxadecanoic acid methyl ester),F05992NH(Perfluoro-3,6-dioxaheptanoic acid methyl ester),等が挙げられ、また例えば、下記のような合成方法で類似化合物を得ることができる。
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を備えた2.0L4つ口フラスコ中に2617g(10.3モル)のヨウ素、213.2g(1.54モル)の炭酸カリウム、および9000gのヘキサクロロ−1,3−ブタジエンを仕込み、系の温度を160℃に維持しながら窒素気流下に、化学式F−(CF2CF2CF2O)n−CF2CF2COFで表わされるω−フルオロポリパーフルオロオキセタンアシルフルオライド(平均分子量3900)4000g(1.03モル)を10mL/minの速度で滴下した。
滴下終了後、反応温度を185℃に上昇させ、20時間反応させた。反応終了後、系を冷却したのちカリウム塩を濾別し、2層に分離した液相から分液ロートを用いて下層を分取した。これをアセトンを用いて数回洗浄したのち、1Lのパーフルオロヘキサンに溶解し、ガラスフイルターによって微細な不溶物を濾別した。得られた溶液から減圧下揮発分を完全に留去することによって3890g(収率95%)の化学式F−(CF2CF2CF2O)n−CF2CF2Iで表わされるω−フルオロポリパーフルオロオキセタンヨウ素化物を得た。赤外吸収スペクトルより、1890cm−1の−C(=O)Fの吸収が完全に消失し、910cm−1に新たに−CF2Iの吸収が生じた。
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を備えた200mL4つ口フラスコ中に合成例1にて合成した化学式F−(CF2CF2CF2O)n−CF2CF2Iで表わされるω−フルオロポリパーフルオロオキセタンヨウ素化物40gをヘキサフルオロテトラクロロブタン〔ダイフロンソルベントS−316(ダイキン工業社製)〕80gに溶解したもの、及び、ジt−ブチルパーオキシド1.5g(1×10−2モル)を仕込み、充分に系内を窒素置換したのち、窒素気流下滴下ロートよりビニルトリクロロシラン16.1g(0.10モル)を滴下した。滴下終了後系内の温度を120℃に昇温させ、4時間反応させた。反応終了後減圧下揮発分を完全に留去することによって末端にヨウ素を有するケイ素含有有機含フッ素ポリマー(A)38.7g(収率90%)を得た。
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を備えた200mL4つ口フラスコ中に合成例2にて合成したケイ素含有有機含フッ素ポリマー(A)34.4g(8×10−3モル)をパーフルオロヘキサン50gに溶解したものを仕込み、亜鉛2.1g(3.2×10−2モル)を強攪拌分散させた。氷水浴で系を冷却し、窒素気流下無水メタノール10gを滴下した。滴下終了後氷水浴を取り除き、加熱還流下2時間反応させた。反応終了後不溶物を濾別し、2層に分離した液相から分液ロートを用いて下層を分取した。得られた溶液を無水メタノールを用いて3回洗浄したのち、減圧下揮発分を完全に留去することによって、末端が水素化されたケイ素含有有機含フッ素ポリマー(パーフルオロ基とパーフルオロエーテル基とを構造中に含有)(B)31.6g(収率92%)を得た。
(式中、Rf1は炭素数1〜100の直鎖状のパーフルオロアルキル基、X1は水素または炭素数1〜5の低級アルキル基、R2は加水分解可能な基、mは1〜100の整数、nは0〜2の整数、lは1〜10の整数)
上記R2で示される加水分解可能な基としてはアミノ基、アルコキシ基、塩素原子等が挙げられ、アルコキシ基の場合は、そのアルキル部分が炭素数1または2のものが好ましい。
(式中、Rf2は炭素数1〜100の直鎖状のパーフルオロアルキル基、X2は水素または炭素数1〜5の低級アルキル基、R3は加水分解可能な基、rは1〜100の整数、sは0〜2の整数、tは1〜10の整数)
上記R3で示される加水分解可能な基としてはアミノ基、アルコキシ基、塩素原子等が挙げられ、アルコキシ基の場合は、そのアルキル部分が炭素数1または2のものが好ましい。
これらの構造を有する化合物で、防汚層構成材料に含有され、良好な防汚性を示す化合物の分子量は1000〜20000である。更に好適には、良好な薄膜を形成するという観点から2000〜10000であることが好ましい。分子量が1000未満のものは防汚性、耐摩耗性に劣り、好ましくなく、20000を越えるものは塗膜形成が不良となるので好ましくない。また、20000を越えるものは加水分解性基を持つ場合、特に組成物中に沈殿物/不純物が生じたり、そのものがゲル化したりして、防汚性能を発揮できない。なお、これら材料は通常の製造方法によれば混合物として得られることが知られている。
例えば、式(V)のパーフロオロシランカップリング剤を具体的に例示すると、n−CF3CH2CH2Si(OCH3)3、n−C8F17CH2CH2Si(OCH3)3等を挙げることができる。
これらの構造を有する化合物で、防汚層構成材料に含有され、良好な防汚性を示す化合物の分子量は、良好な薄膜を形成するという観点から300〜700であることが好ましい。
上記R4で示される加水分解可能な基としてはアミノ基、アルコキシ基、塩素原子等が挙げられ、アルコキシ基の場合は、そのアルキル部分が炭素数1または2のものが好ましい。
また、フッ素置換アルキル基:Rfとパーフルオロポリエーテル基:(OCF2CF2CF2)のモル比(Rf/(OCF2CF2CF2))は0.1〜10が好ましい。0.1未満の場合、防汚層の撥水撥油性が低下し、離型性が低下する。また10を越える場合、静電的に紙粉やゴミを付着し易くなり、また防汚層の可撓性の低下や潤滑性低下などが引き起こされ、耐久性が低下することとなるので好ましくない。
上記R6で示される加水分解可能な基としてはアミノ基、アルコキシ基、塩素原子等が挙げられ、アルコキシ基の場合は、そのアルキル部分が炭素数1または2のものが好ましい。
また、フッ素置換アルキル基:Rfとパーフルオロポリエーテル基:(OCF2CF2)のモル比(Rf/(OCF2CF2))は0.1〜10が好ましい。0.1未満の場合、防汚層の撥水撥油性が低下し、離型性が低下する。また10を越える場合、静電的に紙粉やゴミを付着し易くなり、また防汚層の可撓性の低下や潤滑性低下などが引き起こされ、耐久性が低下することとなるので好ましくない。
更に本発明で形成する透光性部材は表面に微細な凹凸を設けることにより、形状効果で原稿との接触面積が小さくなり、原稿の汚れ、特に粘着剤等の粘着性の汚れが付着し難くなり、防汚性付与に効果がある。また、凹部に潤滑性及び防汚性材料が塗布され、原稿が表面を擦ってもこれら材料を大幅に減ずることはなく、経時での防汚性付与層の摩滅を防止し、耐久性に優れると考えられる。
なお、前述の薬液処理/エッチング処理(酸処理:酸性水溶液処理)を終了した後、アルカリ処理を行なうことが好ましい。アルカリ性水溶液でアルカリ洗浄を行なうことにより、酸洗浄処理で形成された変質層がエッチング除去され、表層面も硬化されることとなる。
特に本発明の溶剤処理は多量に使用するため、浸透性、水和性、環境性が重要となってくる。具体的には浸透性、水和性のバランスのために炭素数6以下のアルコール、ケトン、エーテル、エステル、含窒素化合物が最適であり、環境性のために脂肪族および脂環族化合物が好適である。
なお、前記パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物のうち、ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物または加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造有する化合物またはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基と有する有機ケイ素構造を持つ化合物含有パーフルオロ溶液の濃度は蒸着が有効に実施されば良く、特に制限はない。
なお、蒸着方法としては電子ビ−ムを照射する方法が好ましく挙げられる。電子ビ−ムを発生する方法は、従来、蒸着装置で用いられている電子銃を用いることができる。電子銃を用いれば、均一なエネルギー照射をすることができ、均質な防汚層を形成しやすくなる。
電子銃のパワーは、使用物質、蒸着装置、真空度、照射面積によって異なるが、好ましい条件は、加速電圧が6kV前後で、印加電流5〜80mA程度である。
更に、ケイ素含有ハードコード層を有するもの、例えば、有機ケイ素化合物、アクリル化合物等を含んだ硬化膜なども挙げることができる。
図1において、給紙/分離部(F)は原稿テーブル(2)に積み重ねられた原稿(P)を最上位から一枚ずつ順番に搬送する。底板(4)は原稿テーブル(2)上の原稿給紙側を支持して呼び出しコロ(5)に接する位置まで上昇させる。給紙部材(6)は給紙方向に回転して呼び出しコロ(5)によって呼び出された原稿(P)を取り込み、分離部材(7)は給紙方向と逆方向に回転し、給紙された原稿(P)の最上位の一枚のみを分離する。搬送部(9)は、搬送ローラ対(8)、(8a)、中間搬送ローラ(11)、(11a)等から構成されており、給紙/分離部(F)から搬送された原稿(P)をコンタクトガラス(3)上の読み取り位置まで搬送する。搬送ローラ対(8)、(8a)により狭持されてきた原稿(P)はコンタクトガラス(3)上を移動して装置本体(20)の本体側ガイド(20c)に掬い取られた後、原稿(P)が搬送ローラ対(8)、(8a)および中間搬送ローラ(11)、(11a)に狭持されている間は原稿(P)が張った状態で、コンタクトガラス(3)と非接触となり、かつ読み取りガイド部材(原稿押さえ部材)(21)との接触面が小さい状態を維持する。原稿(P)の画像面を読み取る読み取り装置(1)はコンタクトガラス(3)の下方の装置本体(20)に設けられ、画像読み取りの際にコンタクトガラス(3)の下方で図の左右方向に移動、または読み取り位置下方で停止可能になっている。排紙部は読み取り後の原稿(P)を排紙トレイ(15)に排出する。
本実施の形態におけるADF(10)は図示していないヒンジ等の連絡部材によって装置本体(20)に連結され、装置本体(20)の操作部におけるスタートボタンの押し下げによりADF側にスタート信号が送られることによって、最上位から順番に一枚ずつ給紙されるように構成されている。コンタクトガラス(3)面を所定の速度で原稿(P)搬送し、画像の読み取りを行なう読み取り装置でコンタクトガラス(3)の原稿通紙面より所定量高いガイド面がコンタクトガラス(3)の原稿搬送面の原稿読み取りライン位置より上流位置に形成されている。本体側ガイド(突起状部材)(20c)がコンタクトガラス(3)の下流端にコンタクトガラス(3)の原稿通紙面より原稿(P)掬い上げる傾斜面を有すると共に、コンタクトガラス(3)の上面には、原稿(1)の上方へのバタつきを抑える原稿押さえ部材(21)を配置している。
原稿(P)上の画像は読み取り装置(1)のミラー(31)、(32)、(33)、レンズ(34)を通って、CCD(35)によって取り込まれた画像データは画像処理を施された後、プリンタ部へ送られ出力される。このように原稿(P)がコンタクトガラス(3)表面を繰り返し通過する毎に、通常の防汚層は大きく削られ、原稿(P)によって運ばれ、コンタクトガラス(3)表面からなくなっていくため、防汚効果を持続させることが困難である。本発明によると潤滑性、耐摩耗性を付与することができ、経時の防汚性を保持することが可能となる。また本発明の微細な凹凸形状を設け、本発明の防汚層を形成することで、原稿(P)とコンタクトガラス(3)との接触面積が小さくなり、原稿Pの汚れ(粘着性汚れや紙粉等)が付着し難くなり、画像劣化を防止することができるようになる。
なお、本発明の防汚層を設けた画像読み取り装置の評価、コンタクトガラス(3)の防汚性、耐久性などの評価は下記に示したように実施した。
コンタクトガラス(3)面に、以下実施例の如く表面改質を施したサンプルを用い、紙粉を散布しその後それをブロワーで吹き飛ばした場合の紙粉の残留状況(防汚効果)、トナーを散布しその後それをブロワーで吹き飛ばした場合のトナーの残留状況(防汚効果)、指紋をつけた場合の汚れの付着状況(防汚効果)を評価した。
更に各サンプルを実際の電子写真デジタル複写機読み取り部のコンタクトガラス(3)として使用し、アクリル系粘着両面テープ貼り付けた原稿を多数枚通紙後、ハーフトーン原稿を多数枚通紙し、黒スジ発生や紙詰まりの有無等の画像劣化を評価(防汚効果)及び100K通紙後に同様の評価(防汚効果、経時防汚効果)を実施し、黒スジ発生の有無等の画像劣化を生じさせるかどうか(実用性評価)を評価した。結果を表1に示した。
◎:防汚効果大、実用的
○:防汚効果が認められる、実用上問題なし
△:防汚効果は認められるが、実用的には問題が生じる場合もある
×:防汚効果ほとんどなし、実用性に難あり
−:光透過性悪く評価せず
下記式で示されるパーフロオロポリエーテル構造を有する化合物(分子量:約5000)をパーフルオロヘキサンで希釈して0.1重量%の溶液とした。
下記式で示されるケイ素含有パーフロオロポリエーテル構造を有する化合物(分子量:約2500)をパーフルオロヘキサンで希釈して0.1重量%の溶液とし、実施例1と同様に防汚層を付与したコンタクトガラス(3)(膜厚:0.03μm)を得た。
加水分解性ケイ素含有パーフロオロポリエーテル構造を有する化合物:オプツールDSX(オプツールDSXが担持するようなSiに結合しているアルコキシ基(-OR)は空気中の水分、表面に吸着した水分あるいは水そのものにより加水分解され、シラノ-ル基(-SiOH)を生成し、これが無機質/ガラス等に対する結合性をもたらしてると考えられ、無機質表面との化学結合、物理吸着、ガラスのシラノ-ル基との水素結合等々と考えられる。ダイキン工業(株)製)をパーフルオロヘキサンで希釈して0.2重量%の溶液とし、実施例1と同様に未反応な加水分解性ケイ素含有パーフロオロポリエーテル構造を有する化合物が微量含有された防汚層を付与したコンタクトガラス(3)(膜厚:0.04μm)を得た。
下記式で示されるケイ素含有パーフロオロポリエーテル構造を有する化合物(分子量:約4000)及び下記式で示されるフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造を有する化合物をパーフルオロヘキサンで希釈して0.1重量%の溶液とし、実施例1と同様に防汚層を付与したコンタクトガラス(3)(膜厚:0.03μm)を得た。
下記式フッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基と有する有機ケイ素構造を持つ化合物をパーフルオロヘキサンで希釈して0.1重量%の溶液とし、実施例1と同様に防汚層を付与したコンタクトガラス(3)(膜厚:0.03μm)を得た。
下記式パーフロオロポリエーテル構造を有する化合物をパーフルオロヘキサンで希釈して1重量%の溶液とし、実施例1と同様の方法で、室温で1時間乾燥し、パーフルオロ溶剤含有が微量含有された防汚層を付与したコンタクトガラス(3)(膜厚:0.01μm)を得た。
フッ化水素、フッ化アンモニウム、純水、親水性カルボン酸を混合し、ガラス表面処理液とし、(組成は、フッ化水素:25重量%、フッ化アンモニウム:25重量%、純水:25重量%、親水性カルボン酸/プロピオン酸:25重量%)この処理液中にフロートガラス(日本板硝子株式会社製 化学強化ガラス FL3.2)を静置浸漬した。浸漬後、純水にて洗浄し、更にpHが10の水酸化カリウム水溶液で処理後、再度純水にて洗浄し、微細凹凸(表面粗さ:0.5S)のガラスを得、そのガラス表面に防汚層を形成(オプツールDSX(ダイキン工業(株)製)をパーフルオロヘキサンで希釈して0.1重量%の溶液とし、実施例1と同様に防汚層を付与)し、防汚層形成したコンタクトガラス(3)(膜厚:0.003μm)を得た。
フロートガラス(日本板硝子株式会社製 化学強化ガラス FL3.2)に酸素流量を50sccm、圧力20Pa、マイクロ波出力200Wとして10分間プラズマ処理を行ない、そのガラス表面に防汚層を形成(オプツールDSX(ダイキン工業(株)製)をパーフルオロヘキサンで希釈して0.1重量%の溶液とし、実施例1と同様に防汚層を付与)し、防汚層を形成したコンタクトガラス(3)(膜厚:0.03μm)を得た。
オプツールDSX(ダイキン工業(株)製)をパーフルオロヘキサンで希釈して0.1重量%の溶液とし、その溶液を0.15mlしみ込ませたステンレス製焼結フィルター(細孔径80〜100μm、直径18mmφ、厚さ3mm)を真空蒸着装置内にセットし、以下の条件で電子銃を用いて該焼結フィルター全体を加熱して、防汚層を形成したコンタクトガラス(3)(膜厚:0.02μm)を得た。
真空度:3.1×10−4〜8.0×10−4Pa(2.3×10−6〜6.0×10−6Torr)、加速電圧:6kV、印加電流:40mA、照射面積:3.5×3.5cm2、蒸着時間:5秒
実施例1の溶液を0.15mlしみ込ませたステンレス製焼結フィルター(細孔径80〜100μm、直径18mmφ、厚さ3mm)を真空蒸着装置内にセットし、実施例6の防汚層形成前の処理ガラス上に、以下の条件で電子銃を用いて該焼結フィルター全体を加熱して、防汚層を形成し、コンタクトガラス(3)(膜厚:0.02μm)を得た。
真空度:3.1×10−4〜8.0×10−4Pa(2.3×10−6〜6.0×10−6Torr)、加速電圧:6kV、印加電流:40mA、照射面積:3.5×3.5cm2、蒸着時間:5秒
実施例4の溶液を0.15mlしみ込ませたステンレス製焼結フィルター(細孔径80〜100μm、直径18mmφ、厚さ3mm)を真空蒸着装置内にセットし、実施例7の防汚層形成前の処理ガラス上に、以下の条件で電子銃を用いて該焼結フィルター全体を加熱して、防汚層を形成し、コンタクトガラス(3)(膜厚:0.02μm)を得た。
真空度:3.1×10−4〜8.0×10−4Pa(2.3×10−6〜6.0×10−6Torr)、加速電圧:6kV、印加電流:40mA、照射面積:3.5×3.5cm2、蒸着時間:5秒
実施例5の溶液を0.15mlしみ込ませたステンレス製焼結フィルター(細孔径80〜100μm、直径18mmφ、厚さ3mm)を真空蒸着装置内にセットし、実施例6の防汚層形成前の処理ガラス上に、以下の条件で電子銃を用いて該焼結フィルター全体を加熱して、防汚層を形成し、コンタクトガラス(3)(膜厚:0.02μm)を得た。
真空度:3.1×10−4〜8.0×10−4Pa(2.3×10−6〜6.0×10−6Torr)、加速電圧:6kV、印加電流:40mA、照射面積:3.5×3.5cm2、蒸着時間:5秒
FG−5010(株式会社フロロテクノロジー製フッ素コート材、フッ素樹脂を不燃性のフッ素溶剤や有機溶剤に溶解した溶液で、コーティング後室温で乾燥し、塗膜を形成)を約0.5μmスプレーコートし、防汚層を形成したコンタクトガラスを得た。
FG−7000(株式会社フロロテクノロジー製フッ素コート材、FG−5010とほぼ同じ構造と推定され、塗膜形成も同様。低摩擦用途に使用され、高密着・高硬度の性質を持つ)を約0.5μmスピンコートし、防汚層を形成したコンタクトガラスを得た。
KBM7803(:含フッ素シランカップリング剤(信越化学社製)C8F17CH2CH2Si(OCH3)3、溶剤は含まず、有効成分100%溶液、無色透明液体、粘度4cSt、比重1.53、屈折率1.3300)を実施例1と同様の方法で約0.01μmコートし、防汚層を形成したコンタクトガラスを得た。
含フッ素シラザン系材料:信越化学製KP-801M(樹脂/オリゴマー系)で、溶剤はm−キシレンヘキサフロライド<C6H4(CF3)2>、有効成分3%、溶液外観:無色透明、粘度0.6cSt、比重1.4)を実施例1と同様の方法で約0.01μmコートし、防汚層を形成したコンタクトガラスを得た。
シリコーンスプレーKF96SP(信越化学工業株式会社製シリコーンコート材、ジメチルシリコーンオイルでスプレーコート用材料)を約0.1μmスプレーコートし、防汚層を形成したコンタクトガラスを得た。
未処理コンタクトガラスをそのまま使用した。
本発明では原稿がコンタクトガラスに接触するため、紙粉やトナー等が原稿表面から離脱するが、離脱した紙粉やトナー等、あるいは空気中に浮遊する異物等も、上記検討した防汚層形成の効果によって、コンタクトガラスに付着したり残ったりせず、原稿の移動とともに一緒に運ばれてしまう。よって、これらの異物が原稿読み取り装置によって異物画像情報として読み取られることがなく、ファクシミリの記録品質、あるいは複写機および複合機等の画像形成品質を劣化させることがなく、高品質な画質が維持され、またこのような異物付着によって発生する紙詰まりなども抑制される効果を持つコンタクトガラス3を持つ、画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置を得ることができた。本発明の効果により、コンタクトガラス部品の交換の回数を大幅に減少でき、コストダウンにも寄与することができた。
なお、このような好ましい結果を得ることができたのは、防汚層がパーフルオロポリエーテル構造を持ちは、フッ素原子を多く含むため化学的に不活性になり、エーテル部分の分子のフレキシビリティなどにより潤滑性付与などより防汚性及び耐摩耗性に富み、耐久性にも効果があったものと推察される。
2 原稿テーブル
3 コンタクトガラス
4 底板
5 呼び出しコロ
6 給紙部材
7 分離部材
8、8a 搬送ローラ対
9 搬送部
10 ADF
11、11a 中間搬送ローラ
15 排紙トレイ
20 装置本体
20c 本体側ガイド(突起状部材)
21 読み取りガイド部材
31 ミラー
32 ミラー
33 ミラー
34 レンズ
35 CCD
F 給紙/分離部
P 原稿
Claims (12)
- 画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行なう画像読み取り装置において、前記透光性部材の前記原稿と相対する面に防汚層を設けた画像読み取り装置であって、該防汚層が少なくともパーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物を含有し、該防汚層のパーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物が少なくともケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物であることを特徴とする画像読み取り装置。
- 前記防汚層が少なくとも透光性部材と反応していない加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。
- 前記防汚層が少なくともケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物及びフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読み取り装置。
- 該化合物が少なくともフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つ化合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像読み取り装置。
- 該化合物のフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基のモル比が0.1〜10であることを特徴とする請求項4に記載の画像読み取り装置。
- 前記防汚層が少なくともケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物または加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つ化合物を溶解するパ−フルオロ系溶剤を含有する塗工液を塗工することにより得られたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像読み取り装置。
- 前記防汚層のケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物または加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つ化合物の分子量が1000〜20000であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像読み取り装置。
- 前記防汚層の膜厚が0.001〜0.1μmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像読み取り装置。
- 前記透光性部材表面に微細な凹凸が設けられたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像読み取り装置。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載の画像読み取り装置と、該画像読み取り装置により読み取られた画像情報に基いて可視画像を形成する可視画像形成手段とを有することを特徴とする画像読み取り装置付き記録装置。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載の画像読み取り装置又は請求項10に記載の画像読み取り装置付き記録装置を製造する方法であって、前記透光性部材表面を前処理したのち該防汚層を設ける段階を含み、該前処理が表面改質及び表面洗浄処理であり、該表面改質及び表面洗浄処理がアルカリ処理及び/またはプラズマ処理及び/または溶剤洗浄処理及び/またはエッチング処理であることを特徴とする画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置の製造方法。
- 請求項11乃至9のいずれかに記載の画像読み取り装置又は請求項10に記載の画像読み取り装置付き記録装置を製造する方法であって、前記防汚層の形成方法が、ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物または加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素構造を有する化合物またはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つ化合物を含有するパーフルオロ系溶液を減圧下、加熱して基材上に蒸着、薄膜を形成する段階を含み、上記化合物の加熱温度が蒸発開始温度から分解温度までの範囲であることを特徴とする画像読み取り装置および画像読み取り装置付き記録装置の製造方法。
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