JP2007052735A - 無線処理システムおよび無線設備検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】道路に設置された無線設備の送受信機能を含めた動作状態を確実に検査する。
【解決手段】このフリーフローシステムは、有料道路上に3次元的に所定の通信エリアを形成するように配置され、通信エリア内に進入した車両に搭載された無線収受用の車載器6と無線通信するアンテナ2と、通信エリア内で車両5の通行を妨害しない路上位置に設置され、車載器6と同等の無線通信機能を備えたマーカービーコン4と、アンテナ2により車載器6との通信が行われない期間にマーカービーコン4とアンテナ2とを通信させてアンテナ2の無線機能を検査する制御装置10とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】このフリーフローシステムは、有料道路上に3次元的に所定の通信エリアを形成するように配置され、通信エリア内に進入した車両に搭載された無線収受用の車載器6と無線通信するアンテナ2と、通信エリア内で車両5の通行を妨害しない路上位置に設置され、車載器6と同等の無線通信機能を備えたマーカービーコン4と、アンテナ2により車載器6との通信が行われない期間にマーカービーコン4とアンテナ2とを通信させてアンテナ2の無線機能を検査する制御装置10とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば有料道路の料金所、出入口、チェックバリアなどに設置されるノンストップ自動料金収受システム(ETCシステム:Electronic Toll Collection System)、フリーフローシステム、駐車場の車両管理システムなどの無線処理システムおよび無線設備検査方法に関する。
近年、有料道路などには、無線処理システムの一つであるETCシステムが導入され、有料道路を利用する上で車両のドライバーは、料金所などで一旦停止することなく通行料金を支払いつつ通行できるようになった。
有料道路には有料道路の本線をまたぐように設置された支持部(トールゲート)に道路へ向けて配置されたアンテナと表示装置といった簡易的な無線設備、いわゆるフリーフローシステムが設けられている。
フリーフローシステムの場合、車両を停止させるための開閉ゲートなどの設備を持たないため、車両が常に通行可能な状態となっており、保守員が無線設備の点検を随時行える状況ではない。
このような状況の中であってもシステムの動作状態を点検する必要がある。ETCシステムの場合、車両に搭載された車載器(移動局)と道路側に設置された無線設備(基地局)との無線通信が正常に行われて初めてシステムの動作状態が正常であると判断できる。
この種の先行技術としては、例えば車両が走行する道路方向に電波を送信する基地局と、車両に搭載され、かつ基地局から送信される電波に応答して基地局に向け電波を送信する移動局とを備え、基地局から送信される電波の強度を測定する電波強度測定手段を移動局に設けた通行料金自動収受システムが公開されている(例えば特許文献1参照)。
特開2000-276624号公報
上記先行技術の場合、基地局から送信される電波の強度を測定する機能を移動局、つまり車両の車載器に設けているため、実際に基地局の位置に車両を通行させなければ道路側の無線設備の動作状態が判らず、一日一回程度の定期点検は可能なものの突発的に発生するような機器故障に迅速に対処することなどはできないという問題がある。
また、従来の技術の場合、基地局から送信される電波の強度を測定するため、道路側の無線設備の送信機能は検査できるものの受信機能については検査を行うことができなかった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、道路に設置された無線設備の送受信機能を含めた動作状態を、システムの運用に支障をきたすことなく確実に検査することのできる無線処理システムおよび無線設備検査方法を提供することを目的としている。
上記した目的を達成するために、本発明の無線処理システムは、道路上に所定の通信エリアを形成するように配置され、前記通信エリア内に進入した車両に搭載された無線処理用の車載器と無線通信する検査対象の無線設備と、前記通信エリア内で車両の通行を妨害しない路上位置に設置され、無線通信機能を備えた検査用の無線設備と、前記検査対象の無線設備と前記車載器との通信が行われないときに、前記検査用の無線設備と前記検査対象の無線設備とを通信させて前記検査対象の無線設備の無線機能を検査する制御装置とを具備している。
本発明の無線設備検査方法は、道路上に所定の通信エリアを形成するように配置された検査対象の無線設備が、前記通信エリア内に進入した車両に搭載された無線処理用の車載器と無線通信するステップと、前記通信エリア内で車両の通行を妨害しない路上位置に設置された検査用の無線設備が、前記車載器と通信を行っていないときに、前記検査対象の無線設備と通信して前記検査対象の無線設備の無線機能を検査するステップとを有している。
本発明では、検査対象の無線設備が、通信エリア内に進入した車両に搭載された無線処理用の車載器と無線通信する中で、通信エリア内で車両の通行を妨害しない路上位置に設置した検査用の無線設備が、検査対象の無線設備と車載器との通信が行われていないときに、検査対象の無線設備と通信してその無線機能を検査する。これにより、道路上を実際に走行せずに、検査対象の無線設備を検査することができるようになる。また、検査対象の無線設備が車載器と無線通信を行っていないときに検査を行うので、通常のシステムの運用に支障をきたすこともない。
以上説明したように本発明によれば、道路に設置された無線設備の送受信機能を含めた動作状態を、システムの運用に支障をきたすことなく確実に検査することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の一つの実施形態に係るフリーフローシステムの構成を示す側面図、図2は図1のフリーフローシステムの構成を示す平面図である。
フリーフローシステムは、有料道路の本線または出入口に設置されるETCシステムの無線機能のみに特化したシステムである。つまりフリーフローシステムは、5.8GHz帯のDSRC(狭域通信;Dedicated Short Range Communications)システムの技術を使用している。具体的には、無線通信方式は半二重通信方式、無線アクセス方式はTDMA−FDD方式である。変調方式はスプリットフェーズ符号を使用したASK変調方式が使用されている。空中線電力は道路側の無線設備(基地局)は300mW以下、車載器(移動局)は10mW以下である。
(第1実施形態)
図1は本発明の一つの実施形態に係るフリーフローシステムの構成を示す側面図、図2は図1のフリーフローシステムの構成を示す平面図である。
フリーフローシステムは、有料道路の本線または出入口に設置されるETCシステムの無線機能のみに特化したシステムである。つまりフリーフローシステムは、5.8GHz帯のDSRC(狭域通信;Dedicated Short Range Communications)システムの技術を使用している。具体的には、無線通信方式は半二重通信方式、無線アクセス方式はTDMA−FDD方式である。変調方式はスプリットフェーズ符号を使用したASK変調方式が使用されている。空中線電力は道路側の無線設備(基地局)は300mW以下、車載器(移動局)は10mW以下である。
また、有料道路の出入口に設置されるものは、例えば均一料金制の料金方式においては、入口または出口のいずれかで一定の通行料金を車載器のICカードより収受する。なお、入口で一定の通行料金を収受し出口で利用区間に応じて払い戻す場合もある。
有料道路の出入口に設置されるもので、例えば対距離制の料金方式においては、入口で入口情報を車載器のICカードに記憶し、出口ではICカードから読み出した入口情報と出口の区間料金表に基づいて料金を収受する。フリーフローシステムは、上記各料金方式において、車載器と路側機器との間で無線通信し、それぞれの処理を行うものである。
有料道路の出入口に設置されるもので、例えば対距離制の料金方式においては、入口で入口情報を車載器のICカードに記憶し、出口ではICカードから読み出した入口情報と出口の区間料金表に基づいて料金を収受する。フリーフローシステムは、上記各料金方式において、車載器と路側機器との間で無線通信し、それぞれの処理を行うものである。
図1,図2に示すように、このフリーフローシステムは、車両5に搭載された車載器6、クレジットカード会社から発行され、車載器6にセットされたICカード7、有料道路の本線に設置された無線処理のための路側機器9、路側機器9に通信回線を介して接続された上位装置20などから構成されている。
ICカード7には、不揮発性のメモリが備えられている。メモリには、このカードを識別するための情報としてカードIDなどが記憶されている。ETC処理の際にカードIDを含むカード情報が車載器6により読み出されて、車載器6のメモリに記憶された車載器情報と共に路側機器9へ送信される。また、ETC処理の際に、路側機器9から送信された入口情報、チェックバリア情報、出口情報などの処理結果の情報が、車載器6により受信されて車載器6を通じてICカード7のメモリに記憶される。
路側機器9は、有料道路の走行車線(以下、本線と称す)をコの字状にまたぐように設置された支持部1と、この支持部1に本線の方向(下方)へ向けて支持されたアンテナ2などの無線ユニットおよび表示装置3と、アンテナ2により形成される通信エリア内に設置された検査用の無線ユニットとしてのマーカービーコン4と、これらの無線機器を制御する制御装置10とを有している。アンテナ2は検査対象の無線設備である。マーカービーコン4は検査用の無線設備である。表示装置3は制御装置10によりアンテナ2が異常と判定された場合にその旨を報知する報知手段として機能する。
アンテナ2は、本線上に3次元的に一定の通信エリアを形成するように配置されている。アンテナ2の電波が届く範囲は、おおよそ数mから数十m程度であり、この範囲内で通信エリアが形成される。
このシステムで使われる通信フレームは、固定長の区間に時分割したスロットで構成されている。通信フレームは、通信スロットと制御スロットに大別される。これらのスロットは、ダウンリンク用(データ送信用)とアップリンク用(データ受信用)に分けられている。通信スロットは、ダウンリンク用とアップリンク用として設けられており、車載器6(移動局)とデータ交換を行うためのデータスロット(MDS:Message Data Slot)がある。
アップリンク用の制御スロットは、車載器6が道路側の路側機器へ通信接続を要求するためのアクチベーションスロット(ACTS:Activation Slot)がある。
ダウンリンク用の制御スロットとしては、構成情報,通信スロットの使用状況などを格納するフレーム制御スロット(FCMS:Frame Control Message Slot)がある。このフレーム制御スロット(FCMS)にはアンテナ2と車載器6との間の通信に必要な制御情報が格納される。
ダウンリンク用の制御スロットとしては、構成情報,通信スロットの使用状況などを格納するフレーム制御スロット(FCMS:Frame Control Message Slot)がある。このフレーム制御スロット(FCMS)にはアンテナ2と車載器6との間の通信に必要な制御情報が格納される。
通常、ETCの通信制御方式では、車載器6からアンテナ2にアクチベーションスロット(ACTS)で通信接続要求が受信された場合、制御装置10は、一つの車載器6に対して同一通信フレーム内でのデータスロットを1スロット割り当て、割り当てたデータスロットでデータを送るよう車載器6へ応答を返す。
このシステムでは、車載器6からの通信接続要求とマーカービーコン4からの通信接続要求とがアンテナ2で受信された場合、制御装置10は、車載器6からの通信要求を優先させ、データ通信に使用するデータスロットを割り当てて応答する一方、マーカービーコン4からの通信接続要求には応答しない。
また車載器6からの通信接続要求だけがアンテナ2で受信された場合、制御装置10は、通信接続要求に対し即座にデータ通信に使用するデータスロットを割り当てて応答する。
さらに、マーカービーコン4からの通信接続要求だけがアンテナ2で受信された場合、制御装置10は、その通信接続要求に対し直前に通信接続を行ってから予め設定された時間を経過した場合に、データ通信に使用するデータスロットを割り当てて応答する。
マーカービーコン4は、アンテナ2により形成される通信エリア内で車両5の通行を妨害しない路上位置に設置されている。マーカービーコン4は、通信エリア内で通信接続要求のコマンドを常に発信している。
制御装置10は、CPU、メモリなどを備えた例えばコンピュータなどで実現され、メモリに記憶された制御ソフトウェアがCPUにより読み出されて実行されることで各機器を制御する。
メモリには、予めアンテナ2と車載器6との間で通信が行われない期間を判定するための第1の期間と、アンテナ2とマーカービーコン4との間で定期的な通信テストを行うための第2の期間と、通信テストで無応答が発生した場合に短時間で通信テストを行うための第3期間などのインターバル情報が記憶されている。これらのインターバル情報は、所望に応じて時間定義の変更操作を行うことで所望の値に変えることができる。
第1の期間および第3期間は、数秒から数分程度に設定されている。
第2期間は、例えば30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、2日、7日などのようにさまざまに設定可能であり、通行量に応じて設定することが好ましい。第2期間は、デフォルト値として、例えば1時間程度に設定されている。
第2期間は、例えば30分、1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、2日、7日などのようにさまざまに設定可能であり、通行量に応じて設定することが好ましい。第2期間は、デフォルト値として、例えば1時間程度に設定されている。
制御装置10の具体的な制御動作としては、アンテナ2と車載器6との無線通信により受信されたICカードの情報に対して通過情報を返信し、車載器6を通じてICカード7へ書き込む。
また、制御装置10は、アンテナ2と車載器6との間で一定期間(第1の期間)以上、通信が行われなかった場合、アンテナ2と車載器6との間で通信が行われていないものと判定し、マーカービーコン4からアンテナ2に受信された通信接続要求に対してデータスロットを指定した応答をアンテナ2からマーカービーコン4へ返信させて、マーカービーコン4とアンテナ2間で通信させる。
制御装置10は、マーカービーコン4とアンテナ2との通信の際に、マーカービーコン4に対して通知したデータスロットによりマーカービーコン4からの応答がなかった場合に、アンテナ2の異常と判定する。
制御装置10は、マーカービーコン4からの無応答の状態が一度発生した場合に、以降、一定期間(第2の期間)よりも短い検査間隔(第3期間)でアンテナ2とマーカービーコン4とを通信させてアンテナ2の検査を行う。
つまり、制御装置10は、検査対象の無線設備であるアンテナ2により車載器6との通信が行われないときに、検査用の無線設備であるマーカービーコン4とアンテナ2とを通信(TDMA−FDD方式のスロットを使用してパケットをやり取り)させることでアンテナ2の無線機能(送信機能と受信機能)を検査する。
制御装置10は、マーカービーコン4とアンテナ2との通信の際に、マーカービーコン4に対して通知したデータスロットによりマーカービーコン4からの応答がなかった場合に、アンテナ2の異常と判定する。
制御装置10は、マーカービーコン4からの無応答の状態が一度発生した場合に、以降、一定期間(第2の期間)よりも短い検査間隔(第3期間)でアンテナ2とマーカービーコン4とを通信させてアンテナ2の検査を行う。
つまり、制御装置10は、検査対象の無線設備であるアンテナ2により車載器6との通信が行われないときに、検査用の無線設備であるマーカービーコン4とアンテナ2とを通信(TDMA−FDD方式のスロットを使用してパケットをやり取り)させることでアンテナ2の無線機能(送信機能と受信機能)を検査する。
制御装置10には、上位装置20が接続されている。上位装置20は、路側機器の位置から近隣の管理事務所などに配置されている。上位装置20は、制御装置10を含む路側機器9からの情報を受け取り、路側機器9の動作状況をモニタリングし、データベースなどの記憶装置に記憶して管理すると共に、路側機器9に異常が発生した場合は、スピーカから警報を鳴らし、また係員が滞在する場所のモニタにその旨を表示し、異常発生を報知する。
以下、図3〜図5を参照してこのフリーフローシステムの動作を説明する。まず、図3を参照してこのフリーフローシステムにおける路側機器9の動作を説明する。
このフリーフローシステムの場合、アンテナ2は、常に電波を発信している。本線上を走行する車両5がアンテナ2により形成された通信エリアに進入し、車両5の車載器6より発信された通信接続要求が受信されると、アンテナ2は、通信フレームに制御情報を入れてポーリング信号を送信し(S101)、車載器6から応答が返信されて来るのを待つ。制御情報には割り当てたデータスロットの番号などが格納される。
このフリーフローシステムの場合、アンテナ2は、常に電波を発信している。本線上を走行する車両5がアンテナ2により形成された通信エリアに進入し、車両5の車載器6より発信された通信接続要求が受信されると、アンテナ2は、通信フレームに制御情報を入れてポーリング信号を送信し(S101)、車載器6から応答が返信されて来るのを待つ。制御情報には割り当てたデータスロットの番号などが格納される。
車載器6より応答が返信されてきて、アンテナ2を通じて制御装置10が受信すると(S102のYes)、制御装置10のCPUは、通常の車載器6との通信処理を行う(S103)。制御装置10のCPUの動作は、制御装置10の動作として説明する。
この通信処理は、フリーフローシステムのため、車載器6から取得したカードIDに対して、CPUがメモリに予め記憶されているフリーフローゲートの番号(料金所番号と同じよう情報)と現在時刻とを車載器6へ返信する処理である。
一方、車載器6からの応答がないまま、マーカービーコン4からの通信接続要求があると、制御装置10は、メモリに記憶されている前回の通信時刻からある一定期間(第2期間)以上、時間が経過したか否かを判定し、ある一定期間(第2期間)以上、時間が経過した場合に、マーカービーコン4への応答を許可し(S104)、データスロットを割り当ててそれをマーカービーコン4へ通知する。
データスロットを通知後、そのデータスロットを使った応答がマーカービーコン4からあると(S105のYes)、制御装置10は、そのときの時刻をメモリの前回の通信時刻として更新し、マーカービーコン4とのテスト通信を終了する。
また、データスロットを通知後、そのデータスロットを使った応答がマーカービーコン4からない場合(S105のNo)、制御装置10は、メモリに無応答回数を+1だけカウントアップする(S106)。
そして、制御装置10は、メモリに記憶されている無応答回数の値と予めメモリに設定されている異常判定値nとを比較する(S107)。
この比較結果、無応答回数の値が異常判定値nを超えていない場合(S107のNo)、制御装置10は、そのまま処理を終了する。例えば異常判定値nが「2」などと設定されていた場合は、無応答回数の値が「2」以下であれば、そのまま処理を終了する。
この比較結果、無応答回数の値が異常判定値nを超えていない場合(S107のNo)、制御装置10は、そのまま処理を終了する。例えば異常判定値nが「2」などと設定されていた場合は、無応答回数の値が「2」以下であれば、そのまま処理を終了する。
また、上記比較結果、無応答回数の値が異常判定値nを超えた場合(S107のYes)、つまり、マーカービーコン4からの無応答の状態が所定回数に達した場合、制御装置10は、アンテナ2の受信機能の異常と判定する。
そして、制御装置10は、表示装置3および/または上位装置20へ故障を示す信号(故障信号)またはメッセージを送信し(S108)、上位装置20に通知すると共に表示装置3に異常発生の旨を表示する。表示装置3には、例えば「進入禁止」や「本線の無線設備の故障ための隣の車線をお通りください。」などのメッセージを表示し、本線を走行する車両5のドライバーへ報知する。
そして、制御装置10は、表示装置3および/または上位装置20へ故障を示す信号(故障信号)またはメッセージを送信し(S108)、上位装置20に通知すると共に表示装置3に異常発生の旨を表示する。表示装置3には、例えば「進入禁止」や「本線の無線設備の故障ための隣の車線をお通りください。」などのメッセージを表示し、本線を走行する車両5のドライバーへ報知する。
続いて、図4を参照して、このフリーフローシステムにおけるアンテナ2(無線設備)の検査動作について説明する。
図4に示すように、制御装置10およびアンテナ2などの路側機器9の側では、アンテナ2から通信エリアへ通信を行うためのコマンドを常に発信しており、通信エリア内に進入した車載器6からの通信接続要求のコマンドがアンテナ2により受信されると、制御装置10は、車載器6にデータスロットを割り当てて、車載器6とアンテナ2との間で通信手順を行わせる(S201)。
図4に示すように、制御装置10およびアンテナ2などの路側機器9の側では、アンテナ2から通信エリアへ通信を行うためのコマンドを常に発信しており、通信エリア内に進入した車載器6からの通信接続要求のコマンドがアンテナ2により受信されると、制御装置10は、車載器6にデータスロットを割り当てて、車載器6とアンテナ2との間で通信手順を行わせる(S201)。
また、車載器6からの通信接続要求がある一定の期間(第1期間)以上、受信されないまま、マーカービーコン4からの通信接続要求が受信されると(S202)、制御装置10は、そのマーカービーコン4からの通信接続要求を受け付けて、マーカービーコン4に対してデータスロットを割り当ててポーリング信号を返し、割り当てたデータスロットでマーカービーコン4とアンテナ2との間でデータ通信を行わせる(S203)。
マーカービーコン4とアンテナ2が通信を行ってから一定期間(第2期間)Tが過ぎた後、マーカービーコン4からの通信接続要求がアンテナ2に受信されたときに、制御装置10は、これと同時に車載器6からの通信接続要求が有るか無いかを確認し、車載器6からの通信接続要求がない場合(車載器6と無通信の場合)にマーカービーコン4に対しデータスロットを割り当てて、マーカービーコン4とアンテナ2との間で通信を行わせる(S204)。
ここで、図5を参照してこのフリーフローシステムにおけるアンテナ2(無線設備)の故障判定動作について説明する。
図5に示すように、制御装置10は、マーカービーコン4とアンテナ2との間で通信(要求と応答のやり取り)が正常に行われている場合は(S301、S302)、故障信号Loを出力し続け、そのまま監視状態を継続する。
図5に示すように、制御装置10は、マーカービーコン4とアンテナ2との間で通信(要求と応答のやり取り)が正常に行われている場合は(S301、S302)、故障信号Loを出力し続け、そのまま監視状態を継続する。
一方、マーカービーコン4からの通信接続要求に対して、データスロットを割り当ててポーリング信号を返したときに、マーカービーコン4から応答が正常に受信できなかった場合、無応答回数をカウントし、この無応答が3度発生した場合(S303)、制御装置10は、上位装置20および表示装置3に対して故障信号Loを故障信号Hiに切り替えて出力する(S304)。なお、一度無応答が発生した場合は、通常の一定の期間(第2期間)Tではなく、短い時間間隔(第3期間)で再度通信テストを行うことで、無線設備の異常や故障を早期に診断することができる。
つまり、制御装置10は、マーカービーコン4からの無応答の状態が発生した場合にマーカービーコン4とアンテナ2とを通信させるインターバルを通常のインターバルよりも短縮して通信テストを行う。
つまり、制御装置10は、マーカービーコン4からの無応答の状態が発生した場合にマーカービーコン4とアンテナ2とを通信させるインターバルを通常のインターバルよりも短縮して通信テストを行う。
上位装置20は、制御装置10から受信される故障信号がHiに切り替ったときに、路側機器9(無線設備)の異常と判定し、係員に対する報知動作を行う。
このようにこの実施形態のフリーフローシステムによれば、アンテナ2の通信エリア内に車載器6と同等の無線機能を有するマーカービーコン4を設置し、車載器6とアンテナ2との間で通信が行われていない期間(無通信期間)に、マーカービーコン4とアンテナ2との間で要求と応答のやり取りを行って無線設備の送信機能と受信機能を同時に検査するので、道路側に設置された無線設備の送受信機能を含めた動作状態を常に検査することができる。
すなわち、実際の通信を行うことによりアンテナ2などの無線設備の受信機能の動作状況が判るので、受信機能についての故障検出精度を高めることができる。このため無線設備の受信機能に障害が発生したことが判らずにシステムの運用を続けるようなことはなくなり、通信エラーを減らすことができる。
また、アンテナ2などの無線設備が車載器6と通信していないときにマーカービーコン4と通信することにより、車載器6との通信を妨げることなく、システムの運用に支障をきたすことなく故障検出を行うことができる。
さらに、アンテナ2とマーカービーコン4との通信で一度無応答が生じると、通常の定期的な検査のインターバルに比べて短い時間間隔(期間)で再検査(再テスト)を行うので、無線設備の受信機能が故障した場合に、ほぼリアルタイムに故障を把握することができる。
また、アンテナ2とマーカービーコン4との通信で一回だけの無応答では故障検出をしないので、たまたまアンテナ2の付近に電波を乱すような物体が飛来した場合など、無線設備側の故障でない場合を除外でき、正しい故障診断を行うことができる。
さらに、マーカービーコン4とアンテナ2との間の通信には、所望に応じて可変可能なインターバルを設けることで、無線設備の経時変化に対応できる。無線設備の経時変化に対応とは、導入初期のうちは、機械としての傷みが少なく検査間隔が長くて済む一方、年月がかさむにつれて傷みが発生する確率が高くなるため、検査間隔を短くする必要がある。
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。
上記実施形態では、マーカービーコン4とアンテナ2との間の通信テストは、例えば1時間おきなどのインターバル(第2期間)で定期的に行ったが、この他、例えばこの地点における車両5の通行量または車載器6の通信量を予めサンプリングしておき、車両の通行量または車載器6の通信量の少ない時間帯にマーカービーコン4とアンテナ2との間の通信テストを行うようにしてもよい。
上記実施形態では、マーカービーコン4とアンテナ2との間の通信テストは、例えば1時間おきなどのインターバル(第2期間)で定期的に行ったが、この他、例えばこの地点における車両5の通行量または車載器6の通信量を予めサンプリングしておき、車両の通行量または車載器6の通信量の少ない時間帯にマーカービーコン4とアンテナ2との間の通信テストを行うようにしてもよい。
有料道路の料金方式としては、通行距離に応じて料金が変わる対距離課金制のものと、入口または出口で一定の料金を支払う均一料金制のものがある。
均一料金制の場合、出入口の一方、例えば入口などで一定の料金を徴収すれば、出口では料金を徴収する必要がないため、出口にはアンテナなどの無線設備や車両を一時停止させるためのゲート装置などを設置する必要がない。
均一料金制の場合、出入口の一方、例えば入口などで一定の料金を徴収すれば、出口では料金を徴収する必要がないため、出口にはアンテナなどの無線設備や車両を一時停止させるためのゲート装置などを設置する必要がない。
しかし、均一料金制の場合、短い区間だけで利用する場合も長い区間を利用する場合も同じ料金であるため、短い区間を利用する人からは不満の声があり、短い区間を利用した場合には、入口で徴収した料金を出口で返金するサービスが検討されている。
このようなサービスをETCシステムで実現するためには、出口にも無線設備を設置することになり、均一料金制も対距離制の場合と同じような設備構成となりつつある。本発明はこのようにさまざまな構成をとる均一料金制や対距離制のシステムにも適用可能である。
このようなサービスをETCシステムで実現するためには、出口にも無線設備を設置することになり、均一料金制も対距離制の場合と同じような設備構成となりつつある。本発明はこのようにさまざまな構成をとる均一料金制や対距離制のシステムにも適用可能である。
また、上記実施形態では、アンテナなどの無線設備が一台構成のものについて説明したが、アンテナの検査の結果、通信異常が生じていた場合は、本線を通行止めにする必要があり、利用者への影響が大きい。
そこで、通常稼動させる主アンテナと、この主アンテナが故障したときに稼動させるバックアップ用の副アンテナとの2台構成とすることが考えられる。
そこで、通常稼動させる主アンテナと、この主アンテナが故障したときに稼動させるバックアップ用の副アンテナとの2台構成とすることが考えられる。
(第2実施形態)
以下、図6、図7を参照してこの2台構成の場合のフリーフローシステムについて説明する。上記第1実施形態と同じ構成については同一の符号を付しその説明は省略する。
以下、図6、図7を参照してこの2台構成の場合のフリーフローシステムについて説明する。上記第1実施形態と同じ構成については同一の符号を付しその説明は省略する。
図6、図7に示すように、この例のフリーフローシステムの路側機器9は、有料道路の本線をまたいで設置された支持部1に本線の方向(下方)へ向けて支持された主装置としての主アンテナ2aと、この主アンテナ2aと電波の干渉が起きない程度に離間した支持部1の位置に支持された副装置としての副アンテナ2bとを備えている。
主アンテナ2aおよび副アンテナ2bは、本線上に3次元的にほぼ同じ通信エリアを形成するように配置されている。マーカービーコン4は、主アンテナ2aおよび副アンテナ2bにより形成される通信エリア内であって、かつ車両5の通行を妨害しない路上の位置に配置されている。
このフリーフローシステムの場合、通常、主アンテナ2aを動作(稼動)させておき、副アンテナ2bは休止させておく。そして、上記第1実施形態と同様に図3に示した動作を実行し、主アンテナ2aとマーカービーコン4との間で通信テストを行う(S101〜S107)。
通信テストの結果、無応答が3回発生した場合(S107のYes)、制御装置10は、表示装置3および/または上位装置20へ主アンテナ2aの故障を示す信号(故障信号)またはメッセージを送信(出力)し(S108)、上位装置20に通知する。
これと同時に、制御装置10は、主アンテナ2aの動作を停止させると共に、副アンテナ2bを動作(稼動)させて、システムの継続運用を行う。
これと同時に、制御装置10は、主アンテナ2aの動作を停止させると共に、副アンテナ2bを動作(稼動)させて、システムの継続運用を行う。
つまり、この第2実施形態では、検査対象のアンテナとして、通常稼動する主アンテナ2aとこの主アンテナ2aのバックアップ用として休止させた副アンテナ2bを少なくとも一つ備え、制御装置10は、主アンテナ2aに対する検査で異常と判定した場合、主アンテナ2aから副アンテナ2bへ稼動状態を切り替えることで、無線設備の動作を継続する。
なお、副アンテナ2を動作させている間に通信テストを行った結果、無応答が3回発生した場合は、上記第1実施形態と同様の動を行う。つまり制御装置10は、表示装置3および/または上位装置20へ副アンテナ2bの故障を示す信号(故障信号)またはメッセージを送信(出力)し、上位装置20に通知すると共に、表示装置3に異常発生の旨を表示する。表示装置3には、例えば「進入禁止」や「本線の無線設備の故障ための隣の車線をお通りください。」などのメッセージを表示し、本線を走行する車両5のドライバーへ報知する。
なお、副アンテナ2を動作させている間に通信テストを行った結果、無応答が3回発生した場合は、上記第1実施形態と同様の動を行う。つまり制御装置10は、表示装置3および/または上位装置20へ副アンテナ2bの故障を示す信号(故障信号)またはメッセージを送信(出力)し、上位装置20に通知すると共に、表示装置3に異常発生の旨を表示する。表示装置3には、例えば「進入禁止」や「本線の無線設備の故障ための隣の車線をお通りください。」などのメッセージを表示し、本線を走行する車両5のドライバーへ報知する。
この例のフリーフローシステムによれば、一つの車線(本線)に複数のアンテナ(主アンテナ2aと副アンテナ2b)を設置し、主アンテナ2aの故障が検出された場合に無線設備の動作を副アンテナ2bへ切り替えることで、本線通行中の車両5やそのドライバーに混乱を与えることなくシステムの継続運用を行うことができる。
1…支持部、2…アンテナ、2a…主アンテナ、2b…副アンテナ、3…表示装置、4…マーカービーコン、5…車両、6…車載器、7…ICカード、9…路側機器、10…制御装置、20…上位装置。
Claims (8)
- 道路上に所定の通信エリアを形成するように配置され、前記通信エリア内に進入した車両に搭載された無線処理用の車載器と無線通信する検査対象の無線設備と、
前記通信エリア内で車両の通行を妨害しない路上位置に設置され、無線通信機能を備えた検査用の無線設備と、
前記検査対象の無線設備と前記車載器との通信が行われないときに、前記検査用の無線設備と前記検査対象の無線設備とを通信させて前記検査対象の無線設備の無線機能を検査する制御装置と
を具備したことを特徴とする無線処理システム。 - 前記制御装置は、
前記検査用の無線設備と前記検査対象の無線設備との通信の際に、前記検査用の無線設備に対して通知したデータスロットにより前記検査用の無線設備からの応答がなかった場合に、前記検査対象の無線設備の異常と判定することを特徴とする請求項1記載の無線処理システム。 - 前記制御装置は、
前記検査用の無線設備からの無応答の回数が所定回数に達した場合に前記検査対象の無線設備の異常と判定することを特徴とする請求項2記載の無線処理システム。 - 前記制御装置は、
前記検査用の無線設備からの無応答の状態が一度発生した場合に、以降、所定の検査間隔よりも短い検査間隔で前記検査用の無線設備と前記検査対象の無線設備とを通信させることを特徴とする請求項2記載の無線処理システム。 - 前記制御装置により前記検査対象の無線設備が異常と判定された場合にその旨を報知する報知手段を具備したことを特徴とする請求項1記載の無線処理システム。
- 前記制御装置は、
予めサンプリングした車両の通行量または車載器と前記検査対象の無線設備との通信量の少ない時間帯に検査を行うことを特徴とする請求項1記載の無線処理システム。 - 前記検査対象の無線設備として、通常稼動する主装置とこの主装置のバックアップ用として休止させた副装置を少なくとも一つ備え、
前記制御装置は、
前記主装置に対する検査で異常と判定した場合、前記主装置から前記副装置へ稼動状態を切り替えることを特徴とする請求項1記載の無線処理システム。 - 道路上に所定の通信エリアを形成するように配置された検査対象の無線設備が、前記通信エリア内に進入した車両に搭載された無線処理用の車載器と無線通信するステップと、
前記通信エリア内で車両の通行を妨害しない路上位置に設置された検査用の無線設備が、前記検査対象の無線設備と前記車載器との通信が行われていないときに、前記検査対象の無線設備と通信して前記検査対象の無線設備の無線機能を検査するステップと
を有することを特徴とする無線設備検査方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005239069A JP2007052735A (ja) | 2005-08-19 | 2005-08-19 | 無線処理システムおよび無線設備検査方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2005-08-19 JP JP2005239069A patent/JP2007052735A/ja not_active Withdrawn
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