JP2007051689A - 差圧弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 前後差圧が所定値以上となったときに開弁する差圧弁において、小さな圧力損失で速やかに全開位置まで開弁できるようにする。
【解決手段】 差圧弁1によれば、弁体4の弁座11との当接面をテーパ状にして、弁体4が弁座11からリフトするにつれて一次圧P1を受ける有効受圧面積が大きくなるようにしたため、弁体4が速やかに全開位置まで開弁でき、その際の圧力損失を小さくすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は差圧弁に関し、特に自動車用空調装置の可変容量圧縮機に用いて好適な差圧弁に関する。
自動車用空調装置は、車両用エンジンを動力源として駆動される冷媒圧縮用の圧縮機を備えている。この圧縮機は、車両の走行状態によって車両用エンジンの回転数が大幅に変動するため、その回転数に関係なく吐出容量を設定した容量に保持する必要がある。そこで、自動車用空調装置の圧縮機には可変容量圧縮機が用いられている。
この可変容量圧縮機は、例えば電磁クラッチを介して車両用エンジンに連結されており、自動車用空調装置を使用していないときには、電磁クラッチを切断して車両用エンジンの動力を可変容量圧縮機へ伝達しないようにし、自動車用空調装置の使用中は、電磁クラッチをつないで可変容量圧縮機を車両用エンジンによって駆動するようにしている。
しかし、このような電磁クラッチを設けると、車両の重量が増加し、製造コストが上昇することになる。さらに、電磁クラッチの作動時には、大きな電力を消費する。このような理由から、電磁クラッチの搭載を廃止して車両用エンジンと直結する構成にした、いわゆるクラッチレス方式の可変容量圧縮機が採用されたりしている。このクラッチレス方式の可変容量圧縮機は、車両用エンジンによって常時回転駆動されているため、特に自動車用空調装置を起動していないときには、吐出容量が最小となるような運転状態に制御される。しかしながら、可変容量圧縮機が最小容量の運転状態に制御されるといっても、吐出容量はゼロではないため、可変容量圧縮機は、最小容量分の冷媒を吐出し続けることになる。このため、冷凍サイクル内での冷媒の循環が継続的に行われ、膨張弁から冷えた冷媒が送り込まれる蒸発器では、その表面に霜が付着したり凍結したりすることがある。
そこで、クラッチレス方式の可変容量圧縮機では、その吐出室から冷媒が吐出される通路に差圧弁を設けるようにしている(例えば特許文献1参照)。この差圧弁(引用文献1では「逆止弁」と表現されている)は、弁座に対して冷媒流れの下流側に弁体を配し、その弁体をスプリングによって閉弁方向に付勢する構成がとられており、その弁部の前後差圧が所定値以上になったときに開弁して冷媒を吐出する。すなわち、差圧弁の弁部に作用する前後差圧により開弁方向に作用する荷重が閉弁方向に作用しているスプリングの荷重を超えると、弁部は開き始める。
このような差圧弁を可変容量圧縮機に配設したことにより、自動車用空調装置が停止されて可変容量圧縮機が最小容量の運転状態にあるときには弁部を閉じて冷媒を吐出させないようにし、自動車用空調装置が起動されたときに弁部を全開させるようにしている。
特開2000−346218号公報
しかしながら、このような差圧弁は、弁体の弁座への着座面の形状が一般に、弁孔に対して直角な平面状、弁孔の内側に突出する傾斜面をもつニードル状、あるいはボール状であるため、その弁体が吐出室側からの一次圧を受ける有効受圧面積が弁座からリフトするにつれて小さくなる傾向にある。このため、弁部の前後差圧が開弁圧に達して開弁し始めてから全開状態となるまでにある程度差圧を高めていく必要がある(ここでは、開弁開始から全開状態になるまでに高めるべき差圧を「圧力損失」という)。つまり、その開弁状態は、開弁開始から全開状態になるまでリニアに制御されてある程度の時間を要し、差圧弁を速やかに全開できないといった問題が生じる。
一方、このような前後差圧とスプリングの荷重により弁開度を制御する機械式の差圧弁ではなく、外部制御によって弁部の開閉を速やかにオン・オフ制御する電磁弁を採用することも考えられる。しかし、このような電磁弁を採用する場合には、電磁コイル等の動力源を内部に配置してこれを制御する必要があるため、弁のサイズが大きくなり、またコストも嵩むといった問題が生じる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、低コストに実現でき、小さな圧力損失で速やかに全開位置まで開弁できる差圧弁を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、弁部の前後差圧が所定値以上となったときに開弁する差圧弁において、流体の導入口及び導出口が設けられたボディと、前記ボディに設けられ、前記導入口に連通して前記流体による一次圧を導入する弁孔と、前記弁孔の前記導入口と反対側の端部近傍に設けられた弁座とを有する弁座形成部と、前記弁座に着脱可能に配置され、前記弁座からリフトするにつれて前記一次圧を受ける有効受圧面積が大きくなる形状を有し、前記流体を前記弁座との間を通過させることにより前記導入口から導出する二次圧を生成する弁体と、前記一次圧と前記二次圧との差圧による開弁方向の力に抗して、前記弁体を閉弁方向に付勢する付勢手段と、を備えたことを特徴とする差圧弁が提供される。
このような差圧弁は、一次圧と二次圧との差圧による開弁方向の力が付勢手段による付勢力よりも大きくなったときに開弁するのであるが、弁体が弁座からリフトするにつれて一次圧を受ける有効受圧面積が大きくなるように構成されている。このため、弁部の前後差圧が所定の開弁圧を超えると、弁体は速やかに全開状態に動作することができる。
また、本発明では、弁部の前後差圧が所定値以上となったときに開弁する差圧弁において、流体の導入口及び導出口が設けられたボディと、前記ボディに設けられ、前記導入口に連通して前記流体による一次圧を導入する弁孔と、前記弁孔の前記導入口と反対側の端部近傍に設けられた弁座とを有する弁座形成部と、前記弁座に着脱可能に配置され、前記弁座と対向する側の端部が、少なくとも前記弁座との近傍で前記弁座を外側から取り囲む形状を有し、前記流体を前記弁座との間を通過させることにより前記導入口から導出する二次圧を生成する弁体と、前記一次圧と前記二次圧との差圧による開弁方向の力に抗して、前記弁体を閉弁方向に付勢する付勢手段と、を備えたことを特徴とする差圧弁が提供される。
このような差圧弁は、一次圧と二次圧との差圧による開弁方向の力が付勢手段による付勢力よりも大きくなったときに開弁するのであるが、弁体の弁座と対向する側の端部が弁座を外側から取り囲む形状を有する。このため、弁体が弁座からリフトするにつれて一次圧を受ける有効受圧面積が大きくなるか、少なくともその有効受圧面積が小さくなるのを防止又は抑制することができる。このため、弁部の前後差圧が所定の開弁圧を超えると、弁体は速やかに全開状態に動作することができる。
本発明の差圧弁によれば、弁体が弁座からリフトするにつれて一次圧を受ける有効受圧面積が大きくなるか、少なくとも小さくなるのを防止又は抑制できるため、弁体は速やかに全開位置まで開弁でき、その際の圧力損失を小さくすることができる。また、弁部の形状を工夫することによりその機能を発揮させるようにしたため、電磁コイル等の動力源を内部に配置する必要もなく、低コストに実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。本実施の形態は、本発明の差圧弁を自動車用空調装置のクラッチレス方式の可変容量圧縮機に適用したものである。図1は、第1の実施の形態に係る差圧弁の構成を閉弁状態で示す断面図である。図2は、この差圧弁の構成を開弁状態で示す断面図である。
図1に示すように、差圧弁1は、アルミニウム合金からなる段付円筒状のボディ2の内部に、ステンレス材からなる弁座形成部材3(「弁座形成部」に該当する)及び弁体4を配設して構成されている。この差圧弁1は、可変容量圧縮機の吐出室につながる冷媒通路に配置される。
ボディ2は、その一端に可変容量圧縮機の吐出室に連通して一次圧P1を導入するための導入口5が形成され、その側部中央には、弁部で減圧された二次圧P2を凝縮器側へ導出するための複数の導出口6が形成されている。ボディ2の導入口5側の端部は半径方向の厚みがやや大きくなっており、その外周面に設けられたリング状の溝部には、可変容量圧縮機の冷媒通路との間のシール性を確保するためのOリング7が配置されている。ボディ2の導入口5と反対側の端部には、弁体4を支持するとともにボディ2の底部を構成する支持部材8(「支持部」に該当する)が固定されている。
弁座形成部材3は、外周部に段部を有する段付円筒状をなし、その大径部9がボディ2内の導入口5側の基端部に圧入されている。大径部9の導入口5と反対側には、これより外径が小さい小径部10が延出しており、その先端部の外周端縁により弁座11が形成されている。また、弁座形成部材3の内部通路により弁孔12が形成されており、その内径は導入口5の直径よりもやや大きくなっている。
弁体4は、段付円柱状をなし、その本体13の導入口5側の端部には外方に延出したフランジ部14が設けられている。このフランジ部14の導入口5側の端面は凹状に形成されており、その外縁近傍の部分が弁座11を外側から取り囲むように傾斜している。すなわち、フランジ部14の導入口5側の端面は、弁孔12に対向する中央部が弁孔12に直角な平面になっており、その外側が弁座形成部材3側に傾斜したテーパ面となっている。このため、弁体4は、このテーパ面にて弁座11に着脱することになる。本実施の形態において、このテーパ面のテーパ角度θ、つまり中央の平面に対するテーパ面の角度は、約45度に設定されているが、他の角度に設定することも可能である。本体13のフランジ部14と反対側には、これより小径の軸部15が延出している。
支持部材8は、有底筒状をなし、その円板状の底部16がボディ2の導入口5と反対側の開口部に取り付けられ、その開口端部が加締められることによりボディ2に固定されている。支持部材8の中央部には、弁体4側に延出する円筒状のボス部17が設けられ、弁体4の軸部15を摺動可能に挿通している。また、このボス部17の内周面と軸部15の先端とにより囲まれた空間はダンパ室18となっており、弁体4の軸線方向の微振動が防止されている。底部16の中央には、このダンパ室18と外部とを連通させる微小な圧力逃がし孔19が設けられている。
また、弁体4のフランジ部14と支持部材8の底部16との間には、弁体4を閉弁方向に付勢するコイルスプリング20(「付勢手段」に該当する)が介装されている。
以上のように構成された差圧弁1は、可変容量圧縮機の吐出室から導入された一次圧P1を受ける弁体4の有効受圧面積が開弁とともに大きくなる。すなわち、図示のように、閉弁時における弁体4の有効受圧面積は、弁体4と弁座11とが当接する点を結ぶ面積Aとなる。これに対し、図2に示すように、開弁時における弁体4の有効受圧面積は、リフトした弁体4に対して弁座11から下ろした垂線が交わる点を結ぶ面積B(>A)となる。このように、弁体4が弁座11からリフトするにつれて高圧側の一次圧P1を受ける有効受圧面積が大きくなるように構成されているため、弁部の前後差圧が所定の開弁圧を超えると、弁体4は速やかに全開状態に動作する。なお、本実施の形態における弁体4の全開位置は、弁体4の本体13が支持部材8のボス部17の先端面に当接する位置である。
図3は、弁部の前後差圧と弁部を通過する冷媒流量との関係(「差圧−流量特性」という)を表す説明図である。同図において、横軸は弁部の前後差圧を表し、縦軸は弁部を通過する冷媒流量を表しており、弁体のテーパ面のテーパ角度θによって差圧−流量特性がどのように変化するかが示されている。図中の実線はテーパ角度θが60度、一点鎖線はテーパ角度θが45度、二点鎖線はテーパ角度θが30度の場合を表している。また、比較例として従来の平弁(つまりテーパ角度θが0度)の場合を破線にて表している。
同図によれば、いずれのテーパ角度においても、所定の開弁圧を超えると弁体が弁座からリフトし始め、弁部を通過する冷媒流量が増加していく。そして、テーパをつけることにより、弁体が速やかに全開位置に動作することが分かる。すなわち、テーパ角度θが0度の平弁よりもテーパ角度θが30度、45度、60度のテーパ弁のほうが全開状態に達するまでの前後差圧の増加量が小さい。つまり、テーパをつけることにより弁部を速やかに全開状態とすることができ、その際の圧力損失を小さくできることが分かる。特に、テーパ角度θを30度〜60度にすれば、従来の平弁よりも圧力損失をかなり減らすことができることが分かる。
以上の構成の差圧弁1は、自動車用空調装置が停止している場合などのように、可変容量圧縮機が最小容量運転状態にあって吐出圧力が小さいときには、コイルスプリング20の荷重により図1に示した閉弁状態にある。
そして、自動車用空調装置の起動時あるいは可変容量圧縮機が最小容量運転から可変容量運転へ移行時に、差圧弁1の前後差圧による開弁方向の力がコイルスプリング20の荷重による閉弁方向の力を上回ると、弁部は開き始める。このとき、弁体4が弁座11からリフトするにつれて一次圧P1を受ける有効受圧面積が大きくなるため、弁体4は速やかに全開位置まで開弁する。
以上に説明したように、差圧弁1によれば、弁体4の弁座11との当接面を外側から弁座11を覆うようなテーパ状にして、弁体4が弁座11からリフトするにつれて一次圧P1を受ける有効受圧面積が大きくなるようにしたため、弁体4が速やかに全開位置まで開弁でき、その際の圧力損失を小さくすることができる。また、電磁コイル等の動力源を内部に配置して外部制御する必要もなく、低コストに実現することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態に係る差圧弁は、弁体及び支持部材の構造が異なる以外は第1の実施の形態の差圧弁の構成とほぼ同様であるため、同様の構成部分については同一の符号を付す等してその説明を省略する。図4は、第2の実施の形態に係る差圧弁の構成を閉弁状態で示す断面図である。
差圧弁201の弁体204は、そのフランジ部214の導入口5側の端面中央に本体213に及ぶ所定深さの穴部215が設けられ、この穴部215に真鍮からなる段付円柱状のガイド部材221(「ガイド部」に該当する)が圧入されている。
ガイド部材221は、その小径部222が弁孔12内に延出している。この小径部222の外周面には、半径方向外向きに延びる3つの脚部223が周方向に等間隔で設けられており、その脚部223の先端面が弁孔12に沿って摺動するように構成されている。
また、支持部材208のボス部217は、その軸線方向中央部から先端側に向って内径が一段拡径している。つまり、第1の実施の形態の支持部材8と比較して、弁体204の摺動部の長さが短くなっている。
すなわち、弁体204は、その一端側に設けられたガイド部材221が弁座形成部材3に支持され、その他端側の軸部15が支持部材208に支持された両持ち構造により、軸線方向に安定に動作できるようになっている。
本実施の形態においても、フランジ部214の導入口5側の端面は、その弁座11との対向部において弁座形成部材3側に所定のテーパ角度θ(例えば45度)で傾斜したテーパ面となっている。このため、弁体204が弁座11からリフトするにつれて一次圧P1を受ける有効受圧面積が大きくなり、弁体204が速やかに全開位置まで開弁でき、その際の圧力損失を小さくすることができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態に係る差圧弁は、弁体及び支持部材の構造が異なる以外は第1の実施の形態の差圧弁の構成とほぼ同様であるため、同様の構成部分については同一の符号を付す等してその説明を省略する。図5は、第3の実施の形態に係る差圧弁の構成を閉弁状態で示す断面図である。
差圧弁301の弁体304は、有底筒状の本体311を有する。本体311の導入口5側の端部に設けられた底部312は、その端面が凹状に形成されており、その外縁近傍の部分が弁座11を外側から取り囲むように所定のテーパ角度θ(例えば45度)で傾斜している。本体311の外周面の長手方向中央部には、ボディ2の内周面に沿って摺動する帯状の摺動部313が周設されている。すなわち、差圧弁301においては、ボディ2の内周面が支持部を構成している。また、底部312の中央には、弁座形成部材3と反対側に係止突部314が突設されている。
また、支持部材308は、その円板状の本体315がボディ2の導入口5と反対側の開口部に固定されている。本体315の弁座形成部材3側の面の中央には、係止突部314に対向するように係止突部316が突設されている。弁体304の底部312と支持部材308との間には、コイルスプリング320が係止突部314,316によって両端を支持されるように介装され、弁体304を閉弁方向に付勢している。そして、弁体304,ボディ2及び支持部材308により囲まれた空間がダンパ室318を構成している。支持部材308の係止突部316のやや外側の所定位置には、このダンパ室318と外部とを連通させる圧力逃がし孔19が設けられている。
本実施の形態においても、弁体304の弁座11との対向部に外側から弁座11を覆うようなテーパ面が形成されているため、弁体304が弁座11からリフトするにつれて一次圧P1を受ける有効受圧面積が大きくなり、弁体304が速やかに全開位置まで開弁でき、その際の圧力損失を小さくすることができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態に係る差圧弁は、弁体及び支持部材の構造が異なる以外は第1の実施の形態の差圧弁の構成とほぼ同様であるため、同様の構成部分については同一の符号を付す等してその説明を省略する。図6は、第4の実施の形態に係る差圧弁の構成を閉弁状態で示す断面図である。また、図7は、この差圧弁を構成する弁体を図6の左側からみた図である。
図6に示すように、差圧弁401の弁体404は、有底筒状の本体411を有する。本体411の導入口5側の端部に設けられた底部412は、その端面が凹状に形成されており、その外縁近傍の部分が弁座11を外側から取り囲むように所定のテーパ角度θ(例えば45度)で傾斜している。また、図7にも示すように、底部412の周縁部には、弁座形成部材3の小径部10の外周面に沿って延びる3つの脚部420が周方向に等間隔で設けられており、これらの脚部420が小径部10に摺動可能に支持されている。
また、本体411の底部412と反対側の端部は、その内径が拡径されており、支持部材408に支持されるガイド部413を構成している。さらに、底部412の中央には、弁座形成部材3と反対側に係止突部414が突設されている。
また、支持部材408は、その円板状の本体415がボディ2の導入口5と反対側の開口部に固定されている。本体415の弁座形成部材3側の面の中央には、係止突部414に対向するように係止突部416が突設されている。弁体404の底部412と支持部材408との間には、コイルスプリング421が係止突部414,416によって両端を支持されるように介装され、弁体404を閉弁方向に付勢している。また、支持部材408の係止突部416のやや外側の所定位置には、弁体404側に延出する円筒状のボス部417が設けられており、弁体404のガイド部413を摺動可能に外挿している。そして、弁体404と支持部材408とにより囲まれた空間がダンパ室418を構成している。係止突部416の中央には、このダンパ室418と外部とを連通させる圧力逃がし孔19が設けられている。
本実施の形態においても、弁体404の弁座11との対向部に外側から弁座11を覆うようなテーパ面が形成されているため、弁体404が弁座11からリフトするにつれて一次圧P1を受ける有効受圧面積が大きくなり、弁体404が速やかに全開位置まで開弁でき、その際の圧力損失を小さくすることができる。
なお、上記各実施の形態では、弁体の形状を弁座を外側から覆うようなテーパ形状としたが、弁座からリフトするにつれて一次圧を受ける有効受圧面積が大きくなる形状であればそれ以外の形状であってもよい。
また、上記各実施の形態では、別体で形成された支持部材8,208,308,408が、ボディ2の底部に加締めにより固定された例を示したが、その固定手段は、例えば圧入など加締め以外の手段であってもよい。また、各支持部材が、ボディ2に一体に形成された支持部として構成されるようにしてもよい。
また、上記各実施の形態では、導出口6をボディ2の側部に形成した例を示したが、ボディ2の底部、つまり各支持部材(支持部)に形成するようにしてもよい。
さらに、上記各実施の形態では、弁座形成部材3がボディ2の内部に固定された例を示したが、ボディ2に一体に形成された弁座形成部として構成されるようにしてもよい。
第1の実施の形態に係る差圧弁の構成を閉弁状態で示す断面図である。 差圧弁の構成を開弁状態で示す断面図である。 弁部の前後差圧と弁部を通過する冷媒流量との関係を表す説明図である。 第2の実施の形態に係る差圧弁の構成を閉弁状態で示す断面図である。 第3の実施の形態に係る差圧弁の構成を閉弁状態で示す断面図である。 第4の実施の形態に係る差圧弁の構成を閉弁状態で示す断面図である。 差圧弁を構成する弁体を図6の左側からみた図である。
符号の説明
1,201,301,401 差圧弁
2 ボディ
3 弁座形成部材
4,204,304,404 弁体
5 導入口
6 導出口
8,208,308,408 支持部材
11 弁座
12 弁孔
18,318,418 ダンパ室
20,320,421 コイルスプリング
221 ガイド部材
413 ガイド部

Claims (10)

  1. 弁部の前後差圧が所定値以上となったときに開弁する差圧弁において、
    流体の導入口及び導出口が設けられたボディと、
    前記ボディに設けられ、前記導入口に連通して前記流体による一次圧を導入する弁孔と、前記弁孔の前記導入口と反対側の端部近傍に設けられた弁座とを有する弁座形成部と、
    前記弁座に着脱可能に配置され、前記弁座からリフトするにつれて前記一次圧を受ける有効受圧面積が大きくなる形状を有し、前記流体を前記弁座との間を通過させることにより前記導入口から導出する二次圧を生成する弁体と、
    前記一次圧と前記二次圧との差圧による開弁方向の力に抗して、前記弁体を閉弁方向に付勢する付勢手段と、
    を備えたことを特徴とする差圧弁。
  2. 前記弁体は、その前記弁座と対向する側の端部が前記弁座を外側から取り囲むような形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の差圧弁。
  3. 前記弁体の前記弁座と対向する側の端部が、少なくとも前記弁座との近傍において前記導入口側に傾斜するテーパ面を有することを特徴とする請求項2記載の差圧弁。
  4. 前記弁座形成部は、
    前記ボディの内部において前記導入口側から前記導出口側へ延出する筒状部からなり、
    前記筒状部の内部により前記弁孔が形成され、
    前記筒状部の先端外周縁により前記弁座が形成されていること、
    を特徴とする請求項2記載の差圧弁。
  5. 前記ボディには、前記導出口の前記導入口と反対側で前記弁体を軸線方向に往復移動可能に支持する支持部が設けられ、
    前記弁体と前記支持部とにより形成される空間によりダンパ室が構成されたこと、
    を特徴とする請求項2記載の差圧弁。
  6. 前記弁体は、前記弁座形成部に摺動可能に支持されるガイド部を有し、
    開弁時において前記ガイド部と前記弁座形成部との間に前記導入口と前記導出口とを連通させるための流体通路が形成されるように構成されたこと、
    を特徴とする請求項5記載の差圧弁。
  7. 前記弁体は、筒状の本体を有し、前記本体の外周部に前記ボディの内周面からなる前記支持部に沿って摺動可能に支持されるガイド部を有することを特徴とする請求項5記載の差圧弁。
  8. 自動車用空調装置の可変容量圧縮機の吐出室につながる冷媒通路に配置され、前記流体としての冷媒の流れを制御することを特徴とする請求項1記載の差圧弁。
  9. 弁部の前後差圧が所定値以上となったときに開弁する差圧弁において、
    流体の導入口及び導出口が設けられたボディと、
    前記ボディに設けられ、前記導入口に連通して前記流体による一次圧を導入する弁孔と、前記弁孔の前記導入口と反対側の端部近傍に設けられた弁座とを有する弁座形成部と、
    前記弁座に着脱可能に配置され、前記弁座と対向する側の端部が、少なくとも前記弁座との近傍で前記弁座を外側から取り囲む形状を有し、前記流体を前記弁座との間を通過させることにより前記導入口から導出する二次圧を生成する弁体と、
    前記一次圧と前記二次圧との差圧による開弁方向の力に抗して、前記弁体を閉弁方向に付勢する付勢手段と、
    を備えたことを特徴とする差圧弁。
  10. 前記弁体の前記弁座と対向する側の端部が、前記弁座との近傍で前記導入口側に傾斜するテーパ面を有することを特徴とする請求項9記載の差圧弁。
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