JP2007051111A - 消毒又は滅菌用の組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 抵抗性の強い芽胞を対象として短時間に十分な殺菌効果を発揮することが可能な消毒及び滅菌用の組成物を提供する。
【解決手段】 例えば内視鏡などの医療用機器のための消毒又は滅菌用の組成物であって、例えばペルオキシカルボン酸などの殺菌剤と過酸化水素水(例えば水性組成物の全質量に対して5質量%以上)とを含む水性組成物の形態の組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は消毒又は滅菌用の組成物に関する。より具体的には、本発明は内視鏡等の医療用機器の消毒又は滅菌に適した組成物に関する。
内視鏡等の医療用機器は、使い捨てにできず、患者に直接接触することから、より安全な消毒又は滅菌を施して次の診療等に用いる必要がある。しかし、特に規模の小さい病院では1つの機器を短時間で使い回すことが多い。そのため、医療用機器の消毒又は滅菌に用いる組成物としては、幅広い微生物を死滅させる作用を有し、かつ短時間で医療用機器を消毒又は滅菌できる組成物が望まれている。また、安全性の観点から、該組成物中の化合物等の量は可能な限り少ないことが望まれる。
従来、内視鏡等の医療用機器の洗浄用組成物及び消毒又は滅菌用組成物としては、グルタルアルデヒドやo−フタルアルデヒド等のアルデヒドを有効成分とする組成物が知られており、実際に消毒薬として市販されている。しかし、これらアルデヒド化合物を主成分とする消毒薬については、変異原性や毒性が強いことに加え、芽胞の様な抵抗性の強い菌に対する抗菌活性が弱いことが知られている。
細菌細胞は周囲の環境がその細菌の生育に不利な状況になると死滅していくのが一般的である。しかし、ある種の細菌は乾燥や高温などの環境条件が悪くなると芽胞とよばれる耐久器官を作り生き延びることが知られている。この芽胞を形成する菌としては、好気性の細菌であるBacillus属に属する細菌や嫌気性の細菌であるClostridium属に属する細菌など、グラム陽性の比較的大きい桿菌が知られている。芽胞形成菌であっても栄養バランスが取れていて分裂増殖している時(栄養型)には芽胞を形成しない時が多く、バランスが崩れた時に菌体内に芽胞を生じる。
芽胞は物理的又は化学的刺激に対して強い抵抗性を示すことが知られている。これは、芽胞では水分の少ない濃厚な原形質及び核が厚い殻で覆れていることがその理由であると推定されている。芽胞中の水分の60-70%は結合水の形になっており、自由水をもたない脱水状態になっている。また、芽胞はその重量の5-12%をジピコリン酸が占め、ジピコリン酸が大量のCaをキレートした状態で保持していることが特徴である。
芽胞は代謝が行われていない休止状態にあり、細菌の増殖などの生物活性が殆ど認められないことから、細菌胞子や内生胞子と呼ばれることがある。芽胞は、数年ないし数十年に亘って休眠した後にも再生能力を有することが知られていることから、医学や食品工業等の分野では、芽胞を完全に死滅させることが滅菌の基準の一つとなっている。特に、病院や養護施設等で用いられる医療器具や備品は、内部感染防止等の観点から十分な殺菌洗浄処理を行う必要がある。
このような殺菌洗浄処理を行うための殺菌剤又は消毒剤等が種々知られており、グルタルアルデヒドや過酢酸が広く用いられている。グルタルアルデヒドや過酢酸を用いた殺菌洗浄処理として、例えば、内視鏡の殺菌洗浄では、第4級アンモニウム塩系殺菌剤、アルコール、酸性水、又は両性界面活性剤等を用いた一次消毒工程、酵素製剤や中性洗剤等を用いた洗浄工程を経た後、グルタルアルデヒドや過酢酸による滅菌処理が行われ、必要に応じてオートクレーブ滅菌又は乾熱滅菌が行われる。
過酢酸はグルタルアルデヒドに比べて滅菌に要する時間が短いことから内視鏡検査における検査間消毒などにも適しており、消毒薬として広く利用されている。一般的に過酢酸を主成分とする消毒薬では、高濃度の過酢酸溶液を使用時に適宜希釈する必要がある。過酢酸は一般的には酢酸と過酸化水素とから調製され、最終的に酢酸、過酸化水素、過酢酸、及び水の平衡混合物の状態で存在する。過酸系消毒薬の使用においては過酸の濃度を指標にして希釈するため、それに付随して変動する過酸化水素の濃度が抗菌活性に与える影響についてはほとんど考慮されていなかった。
一方、高濃度の過酸化水素はグルタラールにほぼ匹敵する殺菌効果と抗微生物スペクトルを持ち、欧米においては、6%以上の安定化過酸化水素が眼圧計、ベンチレーター、及び軟性内視鏡など医療器具の高水準消毒に利用されている。7.5%製剤は20℃において30分で高水準消毒を達成し、20℃において6時間で芽胞を殺滅することが知られている。しかしながら、過酸化水素と他の消毒剤を組み合わせ用いる消毒方法についてはこれまで検討されていなかった。なお、国際公開WO 00/22931には殺菌消毒用の過酢酸組成物について記載されているが、殺菌消毒用の実用液における過酸化水素濃度は0.5%未満であり、抗菌活性に与える過酸化水素濃度については検討されていない。
国際公開WO 00/22931
本発明の課題は、抵抗性の強い芽胞を対象として短時間に十分な殺菌効果を発揮することが可能な消毒及び滅菌用の組成物を提供することにある。また、本発明の課題は、上記の特徴を有する消毒又は滅菌用の組成物であって、内視鏡等の医療用機器の消毒又は滅菌に適した組成物を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、殺菌剤と過酸化水素水とを組み合わせて用いると、それらの相乗効果により芽胞に対しても強力な殺菌効果が得られることを見出した。また、殺菌剤と過酸化水素水を含む組成物を用いて内視鏡等の医療用機器の消毒又は滅菌処理することにより、極めて短時間に完全な消毒又は滅菌を達成できることを見出した。本発明はこれらの知見を基に完成されたものである。
すなわち、本発明により、消毒又は滅菌用の組成物であって、殺菌剤と過酸化水素水とを含む水性組成物の形態の組成物が提供される。
本発明の好ましい態様により、過酸化水素の濃度が水性組成物の全質量に対して2質量%以上である上記組成物、及び過酸化水素の濃度が水性組成物の全質量に対して5質量%以上である上記組成物が提供される。消毒又は滅菌の対象物としては医療用機器が好ましく、医療用機器としては内視鏡が好ましい。
さらに好ましい態様によれば、上記水性組成物が、乾燥形態の殺菌剤を水性媒体に溶解して得られる水性溶液に対して過酸化水素水を添加することにより得られた水性組成物である上記組成物;上記水性組成物が、過酸化水素水に乾燥形態の殺菌剤を溶解して得られた水性組成物である上記組成物;及び上記水性組成物が、過酸化水素を含む水性溶液中において反応結果物として調製された殺菌剤を含む水性組成物である上記組成物が提供される。
また、別の好ましい態様によれば、殺菌剤がペルオキシカルボン酸である上記組成物が提供される。ペルオキシカルボン酸としては、過酢酸又は一般式(I):
Figure 2007051111
(式中、R1は置換若しくは無置換のC1−C10のアルキル基(ただし、置換基としてヒドロキシ基を有する置換基は除く)、又は置換若しくは無置換のC6−C10のアリール基を示し、Lは置換若しくは無置換のC2−C12の2価の連結基を示し、R1とLは結合して環を形成してもよい)で表されるペルオキシカルボン酸が好ましい。
上記態様の好ましい例として、上記水性組成物が、カルボン酸と過酸化水素とを水性媒体中で反応させることにより得られたペルオキシカルボン酸と過酸化水素とを含む水性組成物である上記の組成物;上記水性組成物が、カルボン酸と過酸化水素とを水性媒体中で反応させることにより得られたペルオキシカルボン酸と過酸化水素とを含む水性組成物に対して、さらに過酸化水素水を添加することにより得られた水性組成物である上記の組成物;上記水性組成物が、下記の一般式(Ia):
Figure 2007051111
(式中、R1aは置換若しくは無置換のC1−C10のアルキル基(ただし、置換基としてヒドロキシ基を有する置換基は除く)、又は置換若しくは無置換のC6−C10のアリール基を示し、Laは置換若しくは無置換のC2−C12の2価の連結基を示し、R1aとLaは結合して環を形成してもよい)で表されるカルボン酸と過酸化水素とを水性媒体中で反応させることにより得られた水性組成物である上記の組成物;上記水性組成物が、一般式(Ia)で表されるカルボン酸と過酸化水素とを水性媒体中で反応させた後、さらに過酸化水素水を添加することにより得られた水性組成物である上記の組成物が提供される。また、上記組成物を調製するためのキットであって、少なくとも下記の要素:(a)一般式(Ia)で表わされるカルボン酸、及び(b)過酸化水素水を含むキットも提供される。
別の観点からは、消毒又は滅菌方法であって、殺菌剤と過酸化水素水とを含む水性組成物を消毒又は滅菌対象物に適用する工程を含む方法が提供される。
この発明の好ましい態様によれば、消毒又は滅菌の対象物が医療用機器、好ましくは内視鏡である上記の方法;殺菌剤がペルオキシカルボン酸、好ましくは上記の一般式(I)で表されるペルオキシカルボン酸である上記の方法;上記水性組成物が、過酸化水素を含む水性溶液中において反応結果物として調製されたペルオキシカルボン酸、好ましくは上記の一般式(I)で表わされるペルオキシカルボン酸を含む水性組成物である上記の方法;及び水性組成物にさらに過酸化水素水を添加する工程を含む上記の方法が提供される。
本発明により提供される組成物は、抵抗性の強い芽胞などに対しても極めて短時間で完全な消毒又は滅菌を達成することができる。
本明細書において、消毒とは感染予防上問題となる微生物の殆ど全てを除去、死滅、又は不活性化することを意味し、滅菌とは全ての微生物を死滅、不活性化又は除去することを意味する。通常は微生物の存在確率が100万分の1以下であることを保証して「滅菌」という。消毒と滅菌の概念は場合によっては同義に用いられることもあるが、本明細書において「消毒又は滅菌」と言う場合には、そのような重なり合う概念も含まれる。本明細書において用いられる「殺菌剤」という用語は微生物に対して殺菌又は抗菌作用を有する薬剤を意味しているが、消毒又は滅菌の目的で用いられる薬剤のほか、洗浄などの目的で用いられる薬剤を包含している。殺菌剤の用語は最も広義に解釈しなければならず、いかなる意味においても殺菌剤の用語を限定的に解釈してはならない。
本発明の消毒又は滅菌用組成物において用いられる殺菌剤は、主として化学的作用により種々の微生物に対して殺菌作用を発揮するものであり、Spauldingによって分類された高水準、中水準、低水準の殺菌剤のいずれのものであってもよい。Spauldingによれば、主として増殖型の一般細菌を殺すことができるものは低水準(低度)殺菌剤、抵抗力の強い結核菌まで殺すことができるものは中水準(中度)殺菌剤、最も抵抗力の強い細菌芽胞までを殺すことができるものは高水準(高度)殺菌剤に分類される。一般的に、低水準殺菌剤としては第四級アンモニウム塩、クロルヘキシジン、又は両性界面活性剤などを挙げることができ、中水準殺菌剤としてはアルコール系殺菌剤、ヨード系殺菌剤、フェノール系殺菌剤、又は次亜塩素酸系殺菌剤などを挙げることができ、高水準殺菌剤としてはアルデヒド系殺菌剤、二酸化塩素、又は過酢酸などを挙げることができる。
本発明の消毒又は滅菌用組成物は、多様な対象物の消毒又は滅菌に使用することができる。対象物の多くは液体又は固体である。汚染された気相の対象物は、本発明の組成物の希薄溶液を噴霧することにより、又は気体を本発明の水性組成物の浴中を通して泡立たせることにより、効率的に消毒又は滅菌することができる。液体の形態の対象物の典型例としては、微生物汚染された水性物質、例えば、再循環プロセス水又は廃棄前の水性流出液などを挙げることができる。そのようなプロセス水及び流出液は多くの産業において発生しており、バクテリア、藻類、又はイーストで汚染されていることがあり、まれにはウイルスによって汚染されていることがある。汚染プロセス水は植物及び動物物質の処理により不可避的に発生し、例えば、紙及びパルプ産業、食品処理(例えば、砂糖精製産業、醸造、ワイン製造、及びアルコール蒸留産業など)、わら処理からの流出液、下水処理場からの排水(例えば、部分処理又は単にろ過された下水からの排水、及び海に延びる管路による排水)、食肉処理工場、動物性脂肪精製事業、及び家畜の飼育からの排水などがある。その他の液体対象物としては、園芸産業における灌漑水や、水耕栽培における水性肥料や循環水、水産業における養殖用水などが挙げられる。さらに別の重要な汚染水性物質の発生源として、産業において生じる冷却水を挙げることができ、例えば、大きな建物(例えば、ホテル、事務所、及び病院など)に設置された空調装置から生じる冷却水を挙げることができる。本発明の消毒又は滅菌用組成物は、非水性液体物質たとえば切削油の消毒又は滅菌にも使用することができる。
本発明の消毒又は滅菌用組成物は、固体に対して使用することもできる。例えば、硬質表面の消毒又は滅菌、あるいは食品処理、動物飼育、園芸、仕出し、家庭、若しくは病院環境において再使用を意図する汚染物品の消毒又は滅菌などにも使用することができる。硬質表面としては、例えば、金属、木材、セラミックス、ガラス、繊維、又はプラスチックなどの部材からなる表面を挙げることができる。硬質表面を有する物品としては、例えば、食品パッケージ、コンタクトレンズ、作業台、壁、床、衛生陶器、プール、プラント、衣料、又はシーツ若しくはカバー類、あるいは装置、容器、工具、機械、プラント、若しくは配管などを挙げることができる。病院環境において再使用を意図する汚染物品としては、種々の医療用機器、例えば透析装置、内視鏡、又は移植用材料などを挙げることができる。容易に理解されるように、そのような物品の硬質表面の消毒又は滅菌を行なうにあたり、小さめの物品は本発明の消毒又は滅菌用組成物の溶液に浸漬させるのが簡便であることが多く、より大きな物品に対する消毒又は滅菌あるいは大規模に消毒又は滅菌を行なう場合には、本発明の消毒又は滅菌組成物の溶液を噴霧又は類似の手段により散布することが簡便である。本発明の消毒又は滅菌用組成物は、吸湿性の材料、例えば汚染されたリネン又は特に汚れた赤ん坊用のオムツ(例えばテリータオル地で製造されたものなど)の消毒又は滅菌に用いることもできる。
本発明の消毒又は滅菌用組成物は、収穫された植物又は植物生成物、例えば種子、球茎、塊茎、果物、若しくは野菜などの消毒又は滅菌に使用することができる。本発明の消毒又は滅菌用組成物は、成長中の植物、特に収穫前の成長段階にある植物、例えば、穀草、葉野菜、又はサラダ用野菜作物、あるいは根菜、豆類、液果、カンキツ類、又は堅果の消毒又は滅菌に使用することができる。本発明の消毒又は滅菌用組成物を適用することが可能な対象物について具体的に説明したが、本発明の消毒又は滅菌用組成物の適用対象は上記の具体例に限定されることはなく、消毒又は滅菌を意図するあらゆる対象物に対して適用可能である。なお、上記に例示した本発明により提供される消毒又は滅菌用組成物は、消毒又は滅菌のプロセスと同時に漂白作用を有する場合もある。従って、必要に応じて、本発明の消毒又は滅菌用組成物を漂白などの他の目的に使用することも可能である。
本発明の消毒又は滅菌用組成物を用いることにより、一般的に用いられる殺菌剤に対して特に高い抵抗性を有する芽胞、例えばBacillus subtilisも短時間に死滅させることが可能である。本発明の消毒又は滅菌用組成物の用途は特に限定されず、上記に例示した多様な対象物に対して適用可能であるが、繰り返し使用することを前提とした医療用機器の消毒又は滅菌に好適に使用することができ、短時間に完全な消毒又は滅菌を達成することが求められる歯科用機器や医療用機器、例えば、内視鏡などの消毒又は滅菌に特に好適に使用することができる。以下、本発明の消毒又は滅菌用組成物を内視鏡などの医療用機器に適用する場合についてのみ具体的に言及する場合があるが、そのようは記述は本発明の好ましい態様の説明として理解すべきであり、いかなる意味においても限定的に解釈してはならない。
本発明の組成物を用いた消毒又は滅菌方法は特に限定されないが、水性組成物として調製された本発明の消毒又は滅菌用組成物に医療用機器を浸漬させることにより、両者を十分に接触させて消毒又は滅菌する方法が好ましい。浸漬に行なうにあたっては水性組成物を攪拌してもよく、及び/又は医療用機器を振とうしてもよい。例えば、浸漬を行なうにあたって自動洗浄機などの手段を用いてもよい。また、該浸漬前又は該浸漬後に医療用機器に対して水洗等の工程を含めてもよく、浸漬の後に該医療用機器を滅菌ガーゼ等で拭う工程、又はドライヤー等により乾燥させる工程等を含めてもよい。本発明の消毒又は滅菌用組成物への浸漬時間は特に限定されないが、内視鏡などの医療用機器を対象物とする場合には、例えば15秒〜30分の範囲であることが好ましく、30秒〜10分の範囲であることがより好ましい。
本発明の消毒又は滅菌用組成物は、水性組成物として調製され、少なくとも1種類の殺菌剤とともに過酸化水素を含有することを特徴としている。本発明の消毒又は滅菌用組成物は、一般的には、殺菌剤の水性溶液と過酸化水素水とを混合する方法、あるいは過酸化水素水に殺菌剤を溶解する方法などにより調製することができる。本発明の消毒又は滅菌用組成物を調製する際に用いる過酸化水素水の濃度は特に限定されないが、90質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましく、40質量%以下であることが特に好ましく、35質量%以下であることが最も好ましい。35質量%以下の過酸化水素水は広く市販されていて入手容易であり、消防法の危険物に該当しないことから輸送や保管に対する制約が少ないという点においても特に好ましいものである。また、本発明の消毒又は滅菌用組成物を調製するために用いる過酸化水素水は安定化剤や界面活性剤などの製剤用添加剤を1種又は2種以上含んでいてもよい。本発明の消毒又は滅菌用組成物に含まれる過酸化水素の濃度は特に限定されないが、水性組成物の全質量に対して1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、4質量%以上であることが特に好ましく、5質量%以上であることが最も好ましい。
本発明の消毒又は滅菌用組成物に含まれる殺菌剤の種類は特に限定されないが、殺菌剤としてペルオキシカルボン酸を用いることが好ましい。ペルオキシカルボン酸として好ましくは、過酢酸又は下記一般式(I):
一般式(I):
Figure 2007051111
(式中、R1は置換若しくは無置換のC1−C10のアルキル基(ただし、置換基としてヒドロキシ基を有する置換基は除く)、又は置換若しくは無置換のC6−C10のアリール基を示し、Lは置換若しくは無置換のC2−C12の2価の連結基を示し、R1とLは結合して環を形成してもよい)で表されるペルオキシカルボン酸が挙げられる。
一般式(I)において、R1で示される無置換のC1−C10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、2−エチルヘキシル基などを挙げることができる。R1で示されるC1−C10のアルキル基は置換基を有していてもよいが、置換基としてヒドロキシ基を有する置換基(水酸基、カルボキシ基、ヒドロペルオキシ基、及びヒドロペルオキシカルボニル基など)は除く。R1で示されるC1−C10のアルキル基は置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルスルホニル基などを挙げることができる。
1で示されるC6−C10の無置換のアリール基としては、例えば、フェニル基を挙げることができる。R1で示されるC6−C10の無置換のアリール基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、スルホニル基、水酸基、カルボキシル基などを挙げることができる。
1としては、C1〜C4の置換若しくは無置換のアルキル基が好ましく、C1〜C4の無置換のアルキル基がより好ましい。R1が示すC1−C4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基などを挙げることができる。R1としてメチル基又はエチル基が最も好ましいが、これらに限定されない。
一般式(I)において、Lは置換若しくは無置換の炭素数2−12の2価の連結基を表す。置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、アルコキシ置換アルキル基、カルボキシル基などを挙げることができる。また、連結基中に、例えば、酸素原子、窒素原子、又はイオウ原子などの炭素以外のヘテロ原子を1個又は2個以上含んでもよい。ヘテロ原子を2個以上含む場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。Lとしては、−CH(R11)−L12(R11は水素原子又はC1〜C4の置換若しくは無置換のアルキル基を示し、L12は置換若しくは無置換のC1−C11の2価の連結基を示す)が好ましい例として挙げられる。L12としては置換または無置換のC1−C4の2価の連結基が好ましく、置換または無置換のメチレン基がより好ましく、メチレン基又はメチル基置換メチレン基(−CH(CH3)−)がさらに好ましく、メチレン基が最も好ましい。
さらに、一般式(I)で表されるペルオキシカルボン酸のなかで、一般式(II)又は(III):
Figure 2007051111
(式中、R2、R3、R4、及びR5は各々独立に水素原子、C1−C4のアルキル基、C1−C4のアルコキシ基、又はC1−C4アルコキシ置換C1−C4アルキル基を示し、L2は置換若しくは無置換のC1〜C9のアルキレン基、又は置換若しくは無置換のC6−C9のアリーレン基を示す)で表されるペルオキシカルボン酸もまた好ましい。
一般式(II)又は(III)で表されるペルオキシカルボン酸として、さらに好ましくは、R2、R3、R4、及びR5が各々独立に水素原子、C1−C4のアルキル基、又はC1−C4アルコキシ置換C1−C4アルキル基であり、かつL2が無置換のC1−C3のアルキレン基である上記ペルオキシカルボン酸;R2が水素である上記ペルオキシカルボン酸;R2、R3、及びR4が水素原子である上記ペルオキシカルボン酸;R5がメチル基である上記ペルオキシカルボン酸;L2がメチレン基である上記ペルオキシカルボン酸;R2、R3、R4、及びR5が水素原子である上記ペルオキシカルボン酸;L2がメチレン基である上記ペルオキシカルボン酸;R4がC1−C4アルコキシ置換メチル基である上記ペルオキシカルボン酸;及び、R5がメチル基である上記ペルオキシカルボン酸が挙げられる。
上記のペルオキシカルボン酸は、置換基の種類により、1個又は2個の不斉炭素を有する場合がある。1個又は2個の不斉炭素に基づく光学的に純粋な任意の光学異性体、上記の光学異性体の任意の混合物、ラセミ体、2個の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体、又は上記ジアステレオ異性体の任意の混合物などのいずれを用いてもよい。さらに、上記のペルオキシカルボン酸は水和物又は溶媒和物として存在する場合もあるが、これらの物質を用いることもできる。
上記のペルオキシカルボン酸の具体例を以下に示すが、下記に限定されることはない。
Figure 2007051111
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Figure 2007051111
Figure 2007051111
Figure 2007051111
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上記のペルオキシカルボン酸は、Organic peroxides, vol.I, pp 313-474(Daniel Swern, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1970)などに記載されている公知のペルオキシカルボン酸の合成方法に準じて合成することができる。具体的には、例えば対応するカルボン酸と過酸化水素との反応により合成することができる。対応するカルボン酸と過酸化水素との反応においては、反応の触媒として強酸を用いることが効果的である。強酸としては、硫酸又はリン酸などを用いることができるが、スルホン酸基を有する強酸性イオン交換樹脂や、ナフィオンなどの固体酸触媒を用いることもできる。
上記ペルオキシカルボン酸の合成で用いられる対応のカルボン酸としては、市販のカルボン酸を用いることができるが、公知の方法により合成したカルボン酸を用いることもできる。例えば3−アルコキシプロピオン酸は、J. Am. Chem. Soc., 70,1004(1948)に記載されている様にβ−プロピオラクトンとアルコールとの反応や、J. Am. Chem. Soc., 69, 2967(1947), J. Am. Chem. Soc., 77, 754(1955)に記載されている様に、アクリル酸エステルとアルコキサイドとの反応で得られる3−アルコキシプロピオン酸エステルの加水分解によって合成することが可能である。また、3位よりカルボニル基から遠い位置がアルコキシ置換されたカルボン酸はJ. Org. Chem., 59, 2253(1994)に記載されている様にβないしδ−ラクトンとアルコールとの反応により合成することが可能である。
ペルオキシカルボン酸は1種を用いてもよく又は2種以上を混合して用いてもよい。ペルオキシカルボン酸は、ペルオキシカルボン酸を含む水溶液として調製されることが好ましい。上記水溶液中のペルオキシカルボン酸の濃度は特に限定されないが、一般的には0.1 mmol/l以上、2000 mmol/l以下であり、好ましくは1 mmol/l以上、200 mmol/l以下であり、さらに好ましくは40 mmol/l以上、120 mmol/l以下である。本発明の消毒又は滅菌用組成物を調製するためには、上記の水溶液に対して過酸化水素の濃度が水性組成物の全質量に対して1質量%以上となるように添加すればよい。過酸化水素の添加は、すでに説明したように過酸化水素水を添加することにより好ましく行なうことができる。上記の水性組成物における過酸化水素の濃度は2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、4質量%以上であることが特に好ましく、5質量%以上であることが最も好ましい。乾燥形態で提供されるペルオキシカルボン酸を使用に際して水性媒体に溶解し、過酸化水素水を添加して本発明の消毒又は滅菌用組成物を調製することもできる。水性媒体としては、純水やイオン交換水などの水のほか、水と混じり合う有機溶媒と水との混合物、例えば水とメタノール、エタノール、アセトン、グリセリンなどとの混合物を用いることができる。
過酸化水素とカルボン酸との反応によりペルオキシカルボン酸が生成することは古くから知られている。この反応は、カルボン酸、過酸化水素、ペルオキシカルボン酸、及び水との平衡反応として進行し、過酸化水素又はカルボン酸の濃度を高くするほど高濃度のペルオキシカルボン酸が生成する。例えば、90質量%の過酸化水素を、過酸化水素の1.5倍モルの酢酸と混合すると、過酢酸45質量%、酢酸35質量%、過酸化水素6質量%、水14質量%の平衡混合液が得られる(kirk-Othmer Encyclopedia of chem. Tech. Inst, Suppl. P662(1957))。従って、本発明の組成物がペルオキシカルボン酸を含む消毒又は滅菌用の水性組成物である場合には、ペルオキシカルボン酸に対応するカルボン酸を含む水溶液と過酸化水素水とを使用前に、又は使用に際して混合することにより、ペルオキシカルボン酸と過酸化水素とを含む水性組成物を調製することができ、この水性組成物をそのまま、あるいは適宜希釈して本発明の消毒又は滅菌用組成物として用いることができる。上記のように本発明の組成物がペルオキシカルボン酸を含む消毒又は滅菌用の水性組成物である場合には、該水性組成物は、上述のペルオキシカルボン酸のほかに、反応原料として用いられる対応のカルボン酸及び/又は反応試薬としての過酸化水素を含んでいても差し支えない。さらに、このようにして調製される水性組成物に対して過酸化水素水をさらに添加して本発明の消毒又は滅菌用組成物としてもよい。
本明細書において、ペルオキシカルボン酸に対応するカルボン酸(単に対応のカルボン酸と呼ぶ場合もある)とは、該ペルオキシカルボン酸のペルオキシカルボキシル基がカルボキシル基である化合物を意味する。上記のように水性組成物を調製する場合、ペルオキシカルボン酸に対応するカルボン酸の濃度は特に限定されないが、例えば0.1 mmol/l以上、 2000 mmol/l以下であり、好ましくは1 mmol/l以上、 200 mmol/l以下であり、さらに好ましくは 40 mmol/l以上、200 mmol/l以下である。ペルオキシカルボン酸を含む上記の水性組成物に含まれる過酸化水素の濃度は、一般的には3 mmol/l以上、6000 mmol/l以下であり、好ましくは10 mmol/l以上、1000 mmol/l以下であり、さらに好ましくは 30 mmol/l以上、600mmol/l以下である。ペルオキシカルボン酸を含む水性組成物のペルオキシカルボン酸の濃度は特に限定されないが、一般的には1 mmol/l以上、200 mmol/l以下である。
本発明の消毒又は滅菌用組成物は、ペルオキシカルボン酸などの殺菌剤と過酸化水素のほか、1又は2以上の添加剤を含んでいてもよい。添加剤の例としては、腐食防止剤、可溶化剤、pH調整剤、金属封鎖剤、安定化剤、界面活性剤、及び再付着防止剤等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
腐食防止剤としては、消毒又は滅菌の対象物、例えば医療用機器の材質に適したものを選択すればよく、より具体的には、1,2,3-ベンゾトリアゾールと、低級アルキルベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、低級アルキルヒドロキシベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、低級アルキルカルボキシベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、低級アルキルベンズイミダゾール、ヒドロキシベンズイミダゾール、低級アルキルヒドロキシベンズイミダゾール、カルボキシベンズイミダゾール、低級アルキルカルボキシベンズイミダゾール、メルカプトベンゾチアゾール、低級アルキルメルカプトベンゾチアゾール、ヒドロキシメルカプトベンゾチアゾール、低級アルキルヒドロキシメルカプトベンゾチアゾール、カルボキシメルカプトベンゾチアゾール、低級アルキルカルボキシメルカプトベンゾチアゾール、グルコン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸ブチル、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ソルビトール、エリスリトール、リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸テトラナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、クロム酸塩、及びホウ酸塩から選択される1種又は2種以上の化合物とを組み合わせた腐食防止剤等が挙げられるが、これらに限定されることはない。本明細書において、「低級アルキル」という用語は、1個から6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和の炭化水素基を意味するが、該低級アルキル基は1個又は2個以上の不飽和結合を有していてもよい。
銅、黄銅、青銅、又は多金属系を含む機器等を処理するために本発明の消毒又は滅菌用組成物が使用される場合には、1,2,3-ベンゾトリアゾールと1種又はそれ以上の低級アルキルベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、低級アルキルヒドロキシベンゾトリアゾール、モリブデン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、クロム酸塩、ホウ酸塩、及びこれらの混合物とを含む腐食防止剤が好ましく用いられる。1,2,3-ベンゾトリアゾール、モリブデン酸ナトリウム、及び亜硝酸ナトリウムを含む腐食防止剤が特に好ましく用いられる。炭素鋼及びステンレス鋼を含む機器等を処理するために本発明の消毒又は滅菌用組成物が使用される場合には、例えば、安息香酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、及びモリブデン酸ナトリウムなどを含む腐食防止剤が好ましく用いられる。炭素鋼及び/又はステンレス鋼を含む機器等を処理するために本発明の消毒又は滅菌用組成物が使用される場合には、例えば、硝酸ナトリウム及び/又はモリブデン酸ナトリウムを含む腐食防止剤が好ましく用いられる。本発明の組成物中に存在する腐食防止剤の総量は特に限定されないが、組成物の総質量に対して、典型的には、0.1質量%から約30質量%である。1,2,3-ベンゾトリアゾールの量は、好ましくは0.1質量%から約3.0質量%であり、より好ましくは0.5質量%から約2.0質量%である。
腐食防止剤が本発明の消毒又は滅菌用組成物に難溶である場合には、本発明の組成物はさらにアルキレングリコールのなどの可溶化剤を含んでもよい。本明細書において、「アルキレングリコール」という用語は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール)、トリアルキレングリコール(例えば、トリエチレングリコール)、又は対応するそれらのモノ-及びジアルキルエーテルなどのグリコールを意味する。上記アルキルエーテルは、1個から6個の炭素原子を有する低級アルキルエーテル(例えば、メチルエーテル、エチルエーテル、又はプロピルエーテル)である。特に好ましくは、本発明の組成物が可溶化剤としてプロピレングリコールを含む場合には、プロピレングリコールが腐食防止剤の約3倍から10倍の濃度で含まれていることが好ましい。例えば、本発明の組成物中に約1質量%で含まれる1,2,3-ベンゾトリアゾールに対してプロピレングリコールが本発明の組成物中に約3.5質量%から6.5質量%の割合で含まれていることが好ましい。
pH調整剤としては、例えば、本発明の組成物に適合し、かつ環境に適合するような酸又は塩基を用いることができる。例えば、クエン酸、酢酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、グルタル酸、又はアジピン酸等の有機酸及びその塩、リン酸、硫酸等の無機酸及びその塩、水酸化アンモニウム又は水酸化アルカリ金属等の塩基を用いることができる。もっとも、本発明の組成物に添加可能なpH調整剤はこれらに限定されることはない。本発明の組成物中のpH調整剤の濃度は特に限定されないが、組成物の総質量に対して20質量%以下であることが好ましく、特に0.1質量%〜10質量%であることが好ましい。
本発明の組成物は、任意の成分として重金属イオン封鎖剤を含有することが好ましい。本明細書において、重金属イオン封鎖剤とは重金属イオンを封鎖(キレート)する性質を有する物質を意味しており、これらの成分がカルシウム及びマグネシウムのキレート化能力を有する場合には、鉄、マンガン、及び銅のような重金属イオンに対してより選択的に結合する性質を有する物質を意味している。重金属イオン封鎖剤は、一般的には、本発明の組成物中に組成物の総質量に対して0.005質量%〜20質量%、好ましくは0.1質量%〜10質量%、さらに好ましくは0.25質量%〜7.5質量%、最も好ましくは0.5質量%〜5質量%程度の割合で添加することができる。重金属イオン封鎖剤としては、例えば、有機ホスホン酸塩、例えば、アミノアルキレンポリ(アルキレンホスホン酸塩)、アルカリ金属エタン1−ヒドロキシジホスホン酸塩、及びニトリロトリメチレンホスホン酸塩などを挙げることができ、これらのうち、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミントリ(メチレンホスホン酸塩)ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、及びヒドロキシ−エチレン1,1二ホスホン酸塩が好ましい。
本発明の組成物に添加することができる他の好ましい重金属イオン封鎖剤としては、ニトリロ三酢酸及びポリアミノカルボン酸、例えば、エチレンジアミノ四酢酸、エチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、エチレンジアミン二グルタル酸、2−ヒドロキシプロピレンジアミン二コハク酸、又はこれらいずれかの塩が挙げられる。特に好ましいのはエチレンジアミン−N,N'−二コハク酸(EDDS)又はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、若しくは置換アンモニウム塩、あるいはこれらの混合物である。
本発明の組成物に添加することができるさらに他の好ましい重金属イオン封鎖剤としては、例えば、欧州特許公開第317,542号公報及び欧州特許公開第399,133号公報に記載されている2−ヒドロキシエチル二酢酸又はグリセリルイミノ二酢酸のようなイミノ二酢酸誘導体、欧州特許公開第516,102号公報に記載されているイミノ二酢酸−N−2−ヒドロキシプロピルスルホン酸及びアスパラギン酸N−カルボキシメチルN−2−ヒドロキシプロピル−3−スルホン酸封鎖剤、並びに欧州特許公開第509,382号公報に記載されているβ−アラニン−N,N'−二酢酸、アスパラギン酸−N,N'−二酢酸、アスパラギン酸−N−モノ酢酸、及びイミノ二コハク酸封鎖剤などが挙げられる。欧州特許公開第476,257号公報にはアミノ基を有する好ましい封鎖剤が記載されている。欧州特許公開第510,331号公報にはコラーゲン、ケラチン、又はカゼインから誘導した好ましい封鎖剤が記載されている。欧州特許公開第528,859号公報には好ましいアルキルイミノ二酢酸封鎖剤が記載されている。二ピコリン酸及び2−ホスホノブタン−1,2,4−三カルボン酸も好適である。グリシンアミド−N,N'−二コハク酸(GADS)、エチレンジアミン−N,N'−二グルタル酸(EDDG)及び2−ヒドロキシプロピレンジアミン−N,N'−二コハク酸(HPDDS)もまた好適である。もっとも、本発明の組成物に添加することができる好ましい重金属イオン封鎖剤は上記に例示したものに限定されることはない。
安定化剤としては公知の安定化剤を用いることができ、例えば、リン酸塩、8-ヒドロキシキノリン、スズ酸、スルホレン、スルホラン、スルホキシド、スルホン、又はスルホン酸などが挙げられる。本発明の組成物においてリン酸塩を好ましい安定化剤として用いることができる。好ましくは、本発明の組成物は組成物の総質量に対して約0.001質量%から約0.5質量%のリン酸塩を含む。上記リン酸塩は、オルトリン酸ナトリウム塩、オルトリン酸カリウム塩、ピロリン酸ナトリウム塩、ピロリン酸カリウム塩、ポリリン酸ナトリウム塩、ポリリン酸カリウム塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明の組成物は、必要に応じて、組成物の総質量に対して約30質量%程度までの界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、例えば、酸性水性媒体中でペルオキシカルボン酸及び過酸化水素の存在下で酸化及び/又は分解に対して安定な界面活性剤を使用することができ、酸化され易い界面活性剤は避けるべきである。好ましい界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、両性、又はカチオン性の界面活性剤から選択することができる。本発明の組成物に添加することができる好ましい界面活性剤として、例えば、非イオン性界面活性剤を挙げることができる。より具体的には、ポリエチレン/ポリプロピレンブロックポリマー型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤、ポリオキシエチレンエーテル型界面活性剤、及びポリオキシエチレンソルビタン型界面活性剤等が挙げられるが。本発明の組成物に添加することができる界面活性剤はこれらに限定されることはない。
再付着防止剤としては、医療器具などの消毒又は滅菌の対象物から脱離した汚れ等を液中に懸濁した状態に保つ機能を有するものを使用することができる。例えば、有機性の水溶性コロイド(例えば、デンプン、ゼラチン、若しくはデンプンのエーテルカルボン酸又はエーテルスルホン酸の塩、セルロース、セルロースエーテル、若しくはセルロースのエーテルカルボン酸又はエーテルスルホン酸の塩、あるいはセルロース若しくはデンプンの酸性硫酸エステルの塩など)などを用いることができる。酸性基を含む水溶性ポリアミドも好適に使用することができる。さらに上記以外のデンプン誘導体、例えばアルデヒドデンプンを再付着防止剤として使用することができる。もっとも、本発明の組成物に添加することができる再付着防止剤は上記に例示したものに限定されることはない。再付着防止剤としては、例えば、再付着防止剤として例示された上記の物質からなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。本発明の水性組成物中の再付着防止剤の濃度は特に限定されないが、組成物の総質量に対して5質量%以下が好ましく、特に2質量%以下が好ましい。
本発明により提供されるキットは、殺菌剤、好ましくはペルオキシカルボン酸、より好ましくは上記の一般式(I)で表されるペルオキシカルボン酸と過酸化水素とを含む水性組成物を調製するためのキットであり、少なくとも(a)殺菌剤、及び(b)過酸化水素水を要素として含んでいる。好ましくは、殺菌剤としてペルオキシカルボン酸を用時調製するためのキットとして、少なくとも(a)カルボン酸、及び(b)過酸化水素水を要素として含む。より好ましくは、少なくとも(a)一般式(Ia)で表されるカルボン酸、及び(b)過酸化水素水を含むキットとして提供される。上記の要素(a)は乾燥形態で提供されてもよいが、水溶液の形態で提供されてもよい。キットには、最終的に調製される水性組成物中に上記の添加剤が適宜配合されるように、要素(a)及び/又は過酸化水素水中に、上記の添加物、例えば腐食防止剤、可溶化剤、pH調整剤、金属封鎖剤、安定化剤、界面活性剤、及び再付着防止剤等などを適宜配合することができる。また、これらの添加物を水性組成物中に適宜配合するため、キットの要素として、これらの添加物の1種以上を含むさらに1つ以上の別の要素を設けてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
例1
3−プロポキシプロピオン酸150 g(1.13 mol)、50%過酸化水素水98.2 mL(1.5当量)、濃硫酸1.2 mL(22.5 mmol)を加え、室温で5日間放置した後に、B. Dudleyらの方法(Analyst, 87, pp.653-657, 1962)に従ってヨウ化カリウム/チオ硫酸ナトリウム滴定を実施し、過酸及び過酸化水素の濃度を決定した。得られた溶液を「過酸原液」と呼ぶ。
<過酸原液>
ペルオキシカルボン酸(化合物3):1.34 mol/L
過酸化水素:4.79 mol/L
過酸溶液中の過酸化水素濃度が異なる下記の4つのサンプル溶液を調製した。
(1)過酸原液:100μL+水:3245μL
(2)過酸原液:100μL+水:3219μL+66%過酸化水素水:26μL
(3)過酸原液:100μL+水:3168μL+66%過酸化水素水:77μL
(4)過酸原液:100μL+水:3016μL+66%過酸化水素水:229μL
上記のサンプルの芽胞に対する抗微生物活性を評価した。厚生労働省通知 衛乳第10号(平成8年1月29日)の芽胞原液調製法を参考にBacillus subtilis IFO3134の芽胞を調製した。具体的にはBacillus subtilis IFO3134をNutient Agar(Difco)上で1週間、37℃で培養し、約90 %の芽胞形成率を確認した。この菌を滅菌水3 mLに懸濁し、振とうしながら(160 rpm)、65℃で30分間加熱処理し栄養型を死滅させた。これを遠心分離(3000 rpm)した後、上清を捨て滅菌水3 mLを加え芽胞原液とした。この芽胞原液を1.1×109 cfu/mLになるように調整し、以下の抗微生物活性評価に供した。
抗微生物活性評価は坂上らの方法(J. Antibact. Antifung. Agents、26、pp.605〜601、1998)に従って実施した。具体的には、0.2μmのフィルター濾過を行った各サンプル水溶液225μLに前記方法により調整した芽胞懸濁液 25μLを加え、25℃で一定時間反応させた(混合後菌濃度:1.1×108cfu/mL)。この水溶液から2μLをサンプリングし、2 mLのSCDLP培地(日水製薬)に加え160 rpm、37℃で48時間培養し菌の生育の有無を調べた。また、同反応液25μLを0.1Nチオ硫酸ナトリウム、1%カタラーゼの混合水溶液225μLに添加して過酸及び過酸化水素を不活性化した後、適宜希釈しSCDLP寒天培地(日水製薬、25mL/シャーレ)に100μLをまき、37℃で48時間培養後に残存菌数をカウントした。
Figure 2007051111
表中、「+」は液体培養での菌体増殖又は寒天培養でのコロニー形成が認められたことを示し、「−」は液体培養での菌体増殖又は寒天培養でのコロニー形成が認められないことを示す。
表1の結果より、殺菌剤と過酸化水素とを含む本発明の組成物では極めて短時間に芽胞に対して十分な殺菌を行なうことができることが示された。

Claims (22)

  1. 消毒又は滅菌用の組成物であって、殺菌剤と過酸化水素水とを含む水性組成物の形態の組成物。
  2. 過酸化水素の濃度が水性組成物の全質量に対して2質量%以上である請求項1に記載の組成物。
  3. 過酸化水素の濃度が水性組成物の全質量に対して5質量%以上である請求項1に記載の組成物。
  4. 消毒又は滅菌の対象物が医療用機器である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 医療用機器が内視鏡である請求項4に記載の組成物。
  6. 上記水性組成物が、乾燥形態の殺菌剤を水性媒体に溶解して得られる水性溶液に対して過酸化水素水を添加することにより得られた水性組成物である請求項1に記載の組成物。
  7. 上記水性組成物が、過酸化水素水に乾燥形態の殺菌剤を溶解して得られた水性組成物である請求項1に記載の組成物。
  8. 上記水性組成物が、過酸化水素を含む水性溶液中において反応結果物として調製された殺菌剤を含む水性組成物である請求項1に記載の組成物。
  9. 殺菌剤がペルオキシカルボン酸である請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. ペルオキシカルボン酸が過酢酸である請求項9に記載の組成物。
  11. ペルオキシカルボン酸が、一般式(I):
    Figure 2007051111
    (式中、R1は置換若しくは無置換のC1−C10のアルキル基(ただし、置換基としてヒドロキシ基を有する置換基は除く)、又は置換若しくは無置換のC6−C10のアリール基を示し、Lは置換若しくは無置換のC2−C12の2価の連結基を示し、R1とLは結合して環を形成してもよい)で表されるペルオキシカルボン酸である請求項9に記載の組成物。
  12. 上記水性組成物が、カルボン酸と過酸化水素とを水性媒体中で反応させることにより得られたペルオキシカルボン酸と過酸化水素とを含む水性組成物である請求項9に記載の組成物。
  13. 上記水性組成物が、カルボン酸と過酸化水素とを水性媒体中で反応させることにより得られたペルオキシカルボン酸と過酸化水素とを含む水性組成物に対して、さらに過酸化水素水を添加することにより得られた水性組成物である請求項9に記載の組成物。
  14. 上記水性組成物が、下記の一般式(Ia):
    Figure 2007051111
    (式中、R1aは置換若しくは無置換のC1−C10のアルキル基(ただし、置換基としてヒドロキシ基を有する置換基は除く)、又は置換若しくは無置換のC6−C10のアリール基を示し、Laは置換若しくは無置換のC2−C12の2価の連結基を示し、R1aとLaは結合して環を形成してもよい)で表されるカルボン酸と過酸化水素とを水性媒体中で反応させることにより得られた水性組成物である請求項11に記載の組成物。
  15. 上記水性組成物が、請求項13に記載の一般式(Ia)で表されるカルボン酸と過酸化水素とを水性媒体中で反応させた後、さらに過酸化水素水を添加することにより得られた水性組成物である請求項11に記載の組成物。
  16. 請求項8に記載の組成物を調製するためのキットであって、少なくとも下記の要素:
    (a)請求項14に記載の一般式(Ia)で表わされるカルボン酸、及び
    (b)過酸化水素水
    を含むキット。
  17. 消毒又は滅菌方法であって、殺菌剤と過酸化水素水とを含む水性組成物を消毒又は滅菌対象物に適用する工程を含む方法。
  18. 消毒又は滅菌の対象物が医療用機器である請求項17に記載の方法。
  19. 医療用機器が内視鏡である請求項17又は18に記載の方法。
  20. 殺菌剤がペルオキシカルボン酸である請求項17ないし19のいずれか1項に記載の組成物。
  21. 上記水性組成物が、過酸化水素を含む水性溶液中において反応結果物として調製されたペルオキシカルボン酸を含む水性組成物である請求項20に記載の方法。
  22. 水性組成物にさらに過酸化水素水を添加する工程を含む請求項21に記載の方法。
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