JP2007050191A - 視覚障害者用音声情報支援システムならびに視覚障害者誘導用ブロックおよび視覚障害者用杖 - Google Patents

視覚障害者用音声情報支援システムならびに視覚障害者誘導用ブロックおよび視覚障害者用杖 Download PDF

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Kazuya Sakamoto
和彌 坂本
Takuichi Nishimura
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Abstract


【課題】 誘導用ブロックおよび白杖に赤外光による音声情報通信機能を付与するとともに、その白杖の機能を無電源化し、且つ複数の進行方向に応じた適切な音声支援を実現する視覚障害者用情報支援システムを提供する。
【解決手段】 ブロック1に、音声情報を基に変調した赤外光IRを複数方向A,B,C,Dへ出射する赤外線LED群を取り付け、白杖2に、赤外線LED群から出射された赤外光IRを受光して電気信号に変換する太陽電池20と太陽電池20からの電気信号を音声出力するイヤホン21とを取り付け、赤外光IRの出射方向A,B,C,D毎に、その出射方向に対応させた音声情報を基に変調した赤外光IRを出射する。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、視覚障害者誘導用ブロックおよび視覚障害者用杖に赤外光による音声情報機能を付与して、視覚障害者用杖を持って視覚障害者誘導用ブロック上を歩行する視覚障害者に音声情報を支援するシステムに関するものである。
近年、バリアフリー等により視覚障害者を含む障害者への環境整備が進んでおり、視覚障害者誘導用ブロック(以下説明の簡略化のために「ブロック」と呼ぶ)もその一つとして全国各地に敷設されている。このブロックには、進行方向を表す誘導ブロック(進行ブロックまたは線状ブロックとも呼ぶ)と注意・警告の意味を表す警告ブロック(点状ブロックとも呼ぶ)の2種類があり、形状に関してはJISにより規格化されている。
しかし、実際には様々な形状のブロックが敷設されており、視覚障害者の困惑を招いているだけでなく、進行方向と注意・警告だけでは、視覚障害者が今日の情報化社会の様々な情報を晴眼者と同等に受けることは困難である。
また、視覚障害者は、視覚障害者用杖(以下説明の簡略化のために「白杖」と呼ぶ)から伝わる触感や周りの環境音などの視覚以外の感覚情報を収集することで、周囲の状況を把握するが、たとえば突発的な事故等で視覚に障害を受けた人がすぐにその術を習得できるとは言えない。
そこで、ブロックおよび白杖を高機能化することにより、白杖を持ってブロック上を歩く視覚障害者に各種の情報を音声で提供することが考えられる。
その一手法として、ブロックに赤外線発光ダイオードを備えた送信機、白杖にPINフォト・ダイオードを備えた受信機を組み込み、音声情報を含んだ光を赤外線発光ダイオードから発射し、その光をPINフォト・ダイオードにより受光し光電変換して、白杖に取り付けられたスピーカーまたはイヤホンから音声情報を流すことが知られている(特許文献1参照)。
特開平5−220007号公報(または特許第2673258号) 特開平4−32891号公報 特開2002−165825号公報 特開2003−91794号公報 特開2005−30053号公報 特開2005−97972号公報
しかしながら、上記従来技術では、白杖に、PINフォト・ダイオード以外にも、プリアンプ、検波・波形整形回路、マイクロコンピュータ、積分回路、パワーアンプといった電力を必要とする各種機器を設けているため、何等かの電源を組み込まなければならず、白杖の構造複雑化や重量増加が避けられない。
また、赤外線発光ダイオードを視覚障害者の進行方向とは逆方向に光を発射するように設置して、視覚障害者の進行方向に応じた音声を提供しているが、複数の進行方向に応じた音声支援、つまり進行方向毎に適切な音声情報を提供することは全く考慮していない。
一方、赤外光ではなく、電波により音声情報をブロックと白杖との間で送受する従来技術も知られているが(たとえば特許文献2〜6参照)、電波という指向性の低い媒体を利用しているため、複数の進行方向に応じた音声支援は不可能である。
以上のとおりの事情に鑑み、本願発明は、ブロックおよび白杖に赤外光による音声情報機能を付与するとともに、その白杖の機能を無電源化し、且つ複数の進行方向に応じた適切な音声支援を実現することのできる、視覚障害者用情報支援システムを提供することを課題としている。
本願発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、視覚障害者用音声情報支援システムであって、視覚障害者誘導用ブロックに、音声情報を基に変調した赤外光を複数方向へ出射する赤外線LED群が設けられており、視覚障害者用杖に、赤外線LED群から出射された赤外光を受光して電気信号に変換する太陽電池と、太陽電池からの電気信号を音声出力する音声出力器が設けられており、赤外光の出射方向毎に、その出射方向に対応させた音声情報を基に変調した赤外光を出射することを特徴とする。
第2には、前記視覚障害者用音声情報支援システムにおいて、視覚障害者の進行方向毎に、赤外光の出射方向が設定されていることを特徴とする。
また、本願発明は、第3には、視覚障害者誘導用ブロックであって、音声情報を基に変調した赤外光を複数方向へ出射する赤外線LED群を備えており、赤外光の出射方向毎に、その出射方向に対応させた音声情報を基に変調した赤外光を出射することを特徴とする。
第4には、前記視覚障害者誘導用ブロックにおいて、視覚障害者の進行方向毎に、赤外光の出射方向が設定されていることを特徴とする。
第5には、前記視覚障害者誘導用ブロックにおいて、赤外線LED群を構成する各赤外線LEDが、各々担当する出射方向へ赤外光を出射するように配置されていることを特徴とする。
また、本願発明は、第6には、視覚障害者用杖であって、視覚障害者誘導用ブロックに取り付けられた赤外線LED群から複数方向へ出射された赤外光を受光して電気信号に変換する太陽電池と、太陽電池からの電気信号を音声出力する音声出力器とを備えたことを特徴とする。
第7には、前記視覚障害者用杖において、太陽電池は、杖先端部に取り付けられていることを特徴とする。
第8には、前記視覚障害者用杖において、太陽電池は、視覚障害者が視覚障害者用杖を持つと受光面が下方向を向くように取り付けられていることを特徴とする。
第9には、前記視覚障害者用杖において、太陽電池には錘が取り付けられており、視覚障害者が視覚障害者用杖を持つと錘によって太陽電池の受光面が下向きになることを特徴とする。
第10には、前記視覚障害者用杖において、太陽電池は、筐体に組み込まれた太陽電池ユニットとなっており、該太陽電池ユニットに錘が取り付けられて、視覚障害者が視覚障害者用杖を持つと錘によって太陽電池の受光面が下向きになることを特徴とする。
第11には、前記視覚障害者用杖において、手持ち部に、視覚障害者が持つと太陽電池の受光面が下向きになるように目印が設けられていることを特徴とする。
第12には、前記視覚障害者用杖において、手持ち部の目印が、下方向に突出したグリップ山であり、視覚障害者が当該グリップ山を下にして手持ち部を持つと受光面が下向きになることを特徴とする。
第13には、前記視覚障害者用杖において、手持ち部の目印が、手持ち部の一部を下方向に伸ばした部位であり、視覚障害者が当該部位を下にして手持ち部を持つと受光面が下向きになることを特徴とする。
第14には、前記視覚障害者用杖において、赤外光以外の可視光を太陽電池に入射させないように遮る可視光カットフィルタが設けられていることを特徴とする。
第15には、前記視覚障害者用杖において、視覚障害者誘導用ブロック上にて複数方向へ出射されている赤外光のうちで一つの出射方向の赤外光のみを太陽電池に入射させ、他の出射方向の赤外光を太陽電池に入射させないように遮る遮蔽体が設けられていることを特徴とする。
第16には、前記視覚障害者用杖において、遮蔽体がスリット状のものであることを特徴とする。
上記のとおりの特徴を有する本願発明によれば、ブロックおよび白杖に赤外光による音声情報機能を付与するとともに、その白杖の機能を無電源化し、且つ複数の進行方向に応じた適切な音声支援を実現することのできる視覚障害者用情報支援システム、ならびにそれに用いられる視覚障害者誘導用ブロックおよび視覚障害者用杖を提供することができる。
[基本構成]
本願発明は、本願発明者により既に提案されている無電源小型情報端末システム(西村拓一,外4名,"位置に基づくインタラクティブ情報支援のための無電源小型情報端末",情報処理学会論文誌,Vol.44, No.11, pp.2659-2669, 2003.)の技術思想を応用している。
無電源小型情報端末システムは、図16および図17に例示したように、環境側に設置された情報送信装置にて、バイアスをかけた音声波形に従って赤外光を明滅させ、つまり発信すべき音声情報の電気信号に応じて強度変調した赤外光を出射し、ユーザが携帯または装着する無電源端末にて、それが具備する太陽電池により赤外光を受光し電気信号に変換して、太陽電池に直結したイヤホン等の音声出力器から無電源で電気信号を音声出力する。これによれば、ユーザが自分の無電源端末を情報送信装置の赤外光出射領域内にて装置方向に向けるだけで、必要な音声情報を自由に取得し聞くことができる。
無電源端末については、太陽電池により得られる電気信号で音声出力器を駆動し、当該電気信号をそのまま再生出力しており、このとき音声出力器の駆動に利用しているのは情報信号を割り当てた交流成分であり、太陽電池で同時に発生される直流成分は利用していないため、交流成分のみにより無電源で音声出力を実現している。端末内部には、太陽電池の出力端子と音声出力器の入力端子とを結線する導線が内蔵されているだけで、音声出力器駆動用の電池等の電源は組み込まれていない。
本願発明では、これをブロックおよび白杖に応用して、図1に例示したように、歩道等に敷設したブロック1から複数方向A,B,C・・・の赤外光IRを照射することで、視覚障害者Pの向きに応じた音声情報を配信し、視覚障害者Pが持つ白杖2に取り付けた太陽電池20により赤外光IRを受けて、イヤホン21やスピーカー等の音声出力器からその音声情報を流すことができる。
より具体的には、図1および図2に例示したように、ブロック1に、音声情報を基に変調した赤外光IRを複数方向へ出射する赤外線LED群10,10,10・・・を埋設し、白杖2に、赤外線LED群10,10,10・・・から出射された赤外光IRを受光して電気信号に変換する太陽電池20と、太陽電池20からの電気信号を音声出力するイヤホン21等の音声出力器を取り付ける。そして、赤外光IRの出射方向毎に、その出射方向に対応させた音声情報を基に変調した赤外光IRを出射する。
図1では赤外光IRを四角いブロック1から見て十字の4方向A,B,C,Dに出射している。出射方向A,B,C,Dは、それぞれ、図3(a)〜(d)に例示した視覚障害者Pの進行方向A’,B’,C’,D’に沿った方向となっており、たとえば図2に例示したように進行方向A’で歩いてきた視覚障害者Pが持つ白杖2の太陽電池20の受光面に向かって、方向Aの赤外光IRが出射されていることになる。図2では説明の簡略化のために方向Aの赤外光IRのみを図示しているが、他の方向B,C,Dについても、視覚障害者Pおよび白杖2の太陽電池20との方向関係は同じである。
方向Aの赤外光IRは、図3(a)に例示したように、図示した進行方向A’で歩いてくる視覚障害者Pを対象とし、その者に提供すべき音声情報(つまり図面奥側から歩いてくる視覚障害者Pから見て前方・後方・左方向・右方向に関する音声情報)を基に変調した赤外光、方向Bの赤外光IRは、図3(b)に例示したように、図示した進行方向B’で歩いてくる視覚障害者Pを対象とし、その者に提供すべき音声情報(つまり図面右側から歩いてくる視覚障害者Pから見て前方・後方・左方向・右方向に関する音声情報)を基に変調した赤外光、方向Cの赤外光IRは、図3(c)に例示したように、図示した進行方向C’で歩いてくる視覚障害者Pを対象とし、その者に提供すべき音声情報(つまり図面手前側から歩いてくる視覚障害者Pから見て前方・後方・左方向・右方向に関する音声情報)を基に変調した赤外光、方向Dの赤外光IRは、図3(d)に例示したように、図示した進行方向D’で歩いてくる視覚障害者Pを対象とし、その者に提供すべき音声情報(つまり図面左側から歩いてくる視覚障害者Pから見て前方・後方・左方向・右方向に関する音声情報)を基に変調した赤外光である。
音声情報は、進行方向前方に交差点がある場合にはその旨の情報、左に曲がると○○通りに行く場合にはその旨の情報、右に曲がると駅に辿りつく場合にはその旨の情報、後に戻ると病院がある場合にはその旨の情報といった道案内情報や市街情報などの様々な情報を、音や声で表したものであり、上記のように各出射方向に対応させた音声情報とする。
たとえば、図3(a)における方向Aの赤外光IRによって提供される音声情報は「前方に交差点、左方向に○○通り、右方向に駅、後方に病院」という内容、図3(b)における方向Bの赤外光IRによって提供される音声情報は「前方に駅、左方向に交差点、右方向に病院、後方に○○通り」という内容、他の方向C,Dの赤外光IRによる音声情報も同様にそれぞれの方向に対応させた内容となる。
以上によれば、視覚障害者Pは、白杖2を持ってブロック1上を歩くだけで、上記のとおりに赤外光IRを複数方向に出射するブロック1に辿りついたときに、白杖2の太陽電池20がその受光面に向かって出射されている赤外光IRを受光することで、自分の進行方向に応じた適切な音声情報をイヤホン21等の音声出力器から聞くことができる。
たとえば、図4に例示したように、進行方向A’で歩いてきた視覚障害者P1は、自分から見ると進行方向A’に沿って出射されている方向Aの赤外光IR(白杖2の太陽電池20から見るとその受光面に向かって出射されている方向Aの赤外光IR)による音声情報を聞き、進行方向B’から歩いてきた視覚障害者P2は、同様にして方向Bの赤外光IRによる音声情報を聞くことになる。
もちろん、赤外光IRの出射方向は、上記4方向だけではなく、2方向でも3方向でも4方向以上でも良い。
たとえば、図5は、ブロック1を駅のホームに敷設した場合の一例を示しており、ホーム方向Aおよび電車方向Bに赤外光IRを出射し、方向Aの赤外光IRはホームから電車に乗ろうとする進行方向A’の視覚障害者P1を対象として、その前方に関する音声情報(たとえば「ホームの端です」といった旨の情報を表す音や声)を流し、方向Bの赤外光IRは電車からホームに降りる進行方向B’の視覚障害者P2を対象として、その前方に関する音声情報(たとえば「ホームに降ります」といった旨の情報を表す音や声)を流す。
なお、図4および図5では、赤外光出射機能(音声支援機能とも呼べる)を持つブロック1を連続して敷設し、それぞれ複数方向に赤外光IRを出射しており、視覚障害者P1,P2はいずれのブロック1でも自分の向きに適した音声情報を受けられるようになっている。
ブロック1の連続敷設については、図4に例示した十字状、図5に例示した一文字状のほかにも、図6(a)(b)に例示したT字状や図6(c)(d)に例示したL字状など、様々な形態が可能である。
また、出射方向が2方向のブロック1と4方向のブロック1の組み合わせなど、出射方向が異なるブロック1を混在させてもよい。
また、赤外光出射機能を付与するブロック1の種類は、点状突起を持つ警告ブロックであっても、線状突起を持つ誘導ブロックであってもよい。
[白杖に関する実施形態]
白杖2については、たとえば図7に例示したように、先端部に太陽電池20、手元にイヤホン21を取り付けておき、ブロック1上にて赤外光IRを太陽電池20により受光し、得られた電気信号をイヤホン21により音声出力する。
前述したように、太陽電池20により得られる電気信号は、音声情報の電気信号を元に強度変調された赤外光を光電変換したものであるため、元の音声波形と同じ波形を有しており、そのままイヤホン21へ導くことで音声情報を流すことができる。白杖2内部には、太陽電池20の出力端子とイヤホン21の入力端子とを結線する導線22が内蔵されているだけで、イヤホン21駆動用の電池等の電源は組み込まれていない。
よって、白杖2では、無電源で音声情報を取得し再生する機能が実現されており、重量増加も僅かで、後付けや製造も簡単に且つ安価に行うことができる。
[音声出力器に関する実施形態]
イヤホン21は、図7の実施形態では、引出し・巻取り可能に白杖2の手持ち部分に収納されている。
もちろんイヤホン21以外にもスピーカーなどを採用できる。
視覚障害者Pが白杖2を通常の使い方と同様に小刻みに振ってブロック1を突きながら歩く際に、赤外光出射機能付のブロック1上にて太陽電池20により受信した音声情報を聞くことができる形態であればよい。
[太陽電池に関する実施形態]
太陽電池20は、図7の実施形態では、白杖2の先端部分の適宜位置に窓部20aが設けられ、窓部20aを通して赤外光を受光できるように受光面を位置させて、白杖2に内蔵されている。
もちろん白杖2への内蔵形態以外にも外付け形態などを採用できる。図2に拡大例示した実施形態では、太陽電池20を白杖2の先端部分に外付けしている。
いずれの形態であっても、視覚障害者Pが白杖2を通常の使い方と同様に小刻みに振ってブロック1を突きながら歩く際に、赤外光出射機能付のブロック1上にて赤外光を受光できる形態であればよい。
なお、図7における窓部20aは、少なくとも赤外光を通す形態であればよく、たとえば白杖2の一部に穴を開けた形態、白杖2の一部を赤外透過性の材料で構成させた形態などが考えられる。
[太陽電池を下向きにする実施形態]
太陽電池20については、さらに、視覚障害者Pが白杖2を持ってブロック1上を歩く際に受光面が下方向(図7中の矢印)を向くように取り付けられている形態が好ましい。
たとえば、太陽電池20に錘(図示なし)を取り付けておき、視覚障害者Pが白杖2を持つと、錘によって受光面が下向きになる形態が考えられる。より具体的には、太陽電池20を白杖2内部にて回動自在に取り付け、白杖2の使用時に、錘の重さが働いて太陽電池20が回動し、受光面が下向きになる。これによれば、視覚障害者Pが意識することなく自動的に受光面が下方向を向いて、ブロック1からの赤外光を常に的確に受光できる。
また、たとえば図8に例示したように、太陽電池20を、筐体20bに組み込んだ太陽電池ユニット20cとし、この太陽電池ユニット20cに錘(図示なし)を取り付ける形態も可能である。この場合、たとえば、筐体20bを筒状として白杖2の先端内部に取り付け、白杖2内にて太陽電池ユニット20c自体を回動自在にする、あるいは筐体20b内の太陽電池20を回動自在にする。
一方で、白杖2の手持ち部23に、視覚障害者Pがそれを持って歩く際に太陽電池20の受光面が下向きになるように何等かの目印を設けておくことも、一つの好ましい形態である。
たとえば図9に例示したように、手持ち部23の目印として、下方向に突出したグリップ山23aを設け、視覚障害者Pがグリップ山23aを下にして手持ち部23を持つと受光面が下向き(図中の矢印)になる形態とする。
また、たとえば図10に例示したように、手持ち部23の一部を下方向に伸ばした形状とし、視覚障害者がこの下伸ばし部23bを下にして手持ち部23を持つと受光面が下向きになる形態とする。
もちろん、予め白杖2にグリップ山23aや下伸ばし部23bなどが設けられている場合には、これらが目印となるように太陽電池20の取付位置を調整してもよい。
[太陽電池の可視光カットフィルタに関する実施形態]
上述したとおりに太陽電池20の受光面を下向きにする形態とすることで赤外光の的確な受光を図ることができるが、太陽電池20にはブロック1からの赤外光以外に、太陽光等の可視光が入射することも考えられる。赤外光以外の可視光はノイズとなり、音声の良好な聞き取りを阻害する一要因となる恐れがある。
そこで、赤外光以外の可視光を太陽電池20に入射させないように遮る可視光カットフィルタ(図示なし)を太陽電池20に設けることが好ましい。
より具体的には、たとえば、可視光カットフィルタを、太陽電池20の受光面に貼り付けたり塗り付けたり、あるいは赤外光以外の可視光が受光面に入射するのを防ぐ形態で前述した太陽電池ユニット20cに取り付けたりする。
または、前述したように太陽電池20を白杖2に内蔵する場合において、窓部20aに可視光カットフィルタを設けて、赤外光以外の可視光が窓部20aを通って受光面に入射しないようにする形態も可能である。
[太陽電池の遮蔽体に関する実施形態]
本願発明では、前述したように(図1および図3参照)、一つのブロック1から複数方向に赤外光IRを出射し、各方向の赤外光IRがそれぞれに向かって進んでくる視覚障害者Pに対する音声情報提供を担当している。
たとえば図3中の出射方向Aの赤外光IRは、進行方向A’の視覚障害者Pに対する音声情報提供を担当する。これは、出射方向Aの赤外光IRを、進行方向A’の視覚障害者Pに提供すべき音声情報を基に変調した赤外光としているためである。逆に言うと、進行方向A’の視覚障害者Pが、出射方向Aの赤外光IRではなく、他の出射方向B,C・・・の赤外光IRを受信してしまうと、正しい音声情報と混信したり、間違った音声情報を聞いたりすることになる。
この状況は、太陽電池20の受光面に、本来受光すべき出射方向の赤外光IRだけでなく、他の出射方向の赤外光IRが入射することで起こり得る、と考えられる。
そこで、たとえば図11に例示したように、ブロック1上にて複数方向へ出射されている赤外光のうちで一つの出射方向の赤外光IRのみを太陽電池20に入射させ、他の出射方向の赤外光IRは遮る遮蔽体20dを設けることが好ましい。
図11の実施形態では、スリット状の遮蔽体20dを採用しており、これを太陽電池20とともに筐体20bに組み込んで太陽電池ユニット20cとし、この太陽電池ユニット20cを白杖2の先端部分に取り付ける。
遮蔽体20dのスリット形状については、視覚障害者Pの進行方向とは逆方向に出射されている赤外光IR、つまり白杖2の先端部分に向かってくる赤外光IRを通して太陽電池20の受光面に入射させ、横方向等の他の方向から届く赤外光IRは受光面に入射させないものとする。
図12および図13の実施形態では、複数のスリット片20eが縦横升目状に走ったスリット形状となっており、図13に例示したように、進行方向A’に対する出射方向Aの赤外光IRは通過させ、他の出射方向B,C・・・の赤外光IRは遮断する。
[実施例1の詳細構成]
以下に、ブロック1について一実施例を示し、さらに詳細に説明する。
図14はブロック1の一実施例を示したものである。本実施例では、前述の図1に例示したように十字の4方向A,B,C,Dに赤外光を出射する赤外線LED群10が、一つのブロック1に縦4列×横4列配設されている。
各赤外線LED群10は、拡大図示したように、出射方向Aに赤外光IRを出射させるLED10a、出射方向Bに赤外光IRを出射させるLED10b、出射方向Cに赤外光IRを出射させるLED10c、出射方向Dに赤外光IRを出射させるLED10dが、一枚の円盤状の基板10e上に取り付けられ、それが円筒状の筐体10fに組み込まれたLEDユニット10gとなっている。LED10a,10b,10c,10dは、各々が担当する出射方向A,B,C,Dと同方向に傾いており、且つ照射量の増加のために上下2段構成となっている。
このLEDユニット10gがブロック1に形成された穴に埋設されて、筐体10f上面の透明窓部を通して出射方向A,B,C,Dへ赤外光が出射される。
なお、以上のLEDユニット10gから音声情報に基づいて変調した赤外光IRを出射させるには、各LED10a,10b,10c,10dの明滅を音声波形に基づいて制御する変調回路や音声波形をバイアス且つ増幅するバイアス・増幅回路などを備えたドライバが必要であり、このドライバは、各ブロック1の裏面に取り付ける、あるいは各ブロック1から配線して集中制御可能なものとすることができる。前者の場合では、ドライバをブロック1とユニット化させてもよい。
もちろん、LEDユニット10gやドライバは、既存のブロック1の規格を損ねることのないようにブロック1に組み込むことが望ましいことは言うまでもない。
[実施例1の実験結果]
ここで、上記のとおりの実施例において、ブロック1上で音の存在が分かる場所および音声内容が把握できる場所について検証した。図15(a)(b)はブロック1上の音声状況を示したものである。図中の矢印方向に進む際に、ブロック1上で白杖2を振ったときに音の存在が確認できた場所は、白杖2の先端が図15(a)の四角い白枠範囲を通過したときであった。また、音声が最大となった場所は、図15(b)の丸い白枠範囲であり、白杖2の先端を白枠の位置に合わせると最もクリアに音声内容が把握できた。
したがって、上記のとおりのブロック1によれば、視覚障害者は、白杖2を振りながら図15(a)の白枠範囲「音検知可能場所」で音の存在を検知した後、音声の良く聞こえる図15(b)の白枠範囲「音声把握可能場所」に白杖2の先端位置を合わせることで、音声内容をクリアに聞き取ることができる。
本願発明では、視覚障害者に音声支援機能付のブロック1の存在を如何にして教えるかという点も重要であり、上記実験結果から、少なくともブロック1上のほぼ全面もしくは広い範囲で音の存在を知らしめることができるようにLEDユニット10gを配設することで、視覚障害者に音声支援機能付のブロック1の存在を教えることができる。
[他の実施形態及び実施例]
本願発明は、視覚障害者誘導用ブロックおよび視覚障害者用杖に対して上述したとおりの音声支援機能を付与して視覚障害者に対する音声支援を実現しているが、杖を用いて歩く高齢者に対しても音声支援を実現できる。したがって、本願発明における「視覚障害者」には杖を用いて歩く高齢者等の人々が含まれるものとする。
本願発明の一実施形態を示した模式図。 本願発明の一実施形態を示した模式図および一部拡大図。 (a)〜(d)は本願発明の一実施形態について説明するための図。 本願発明の一実施形態について説明するための図。 本願発明の一実施形態を示した模式図。 (a)〜(d)は本願発明におけるブロックの一実施例を示した斜視図および一部拡大図。 白杖の一実施形態を示した模式図および一部拡大図。 太陽電池ユニットの一実施形態を示した模式図。 白杖の一実施形態を示した模式図。 白杖の一実施形態を示した模式図。 遮蔽体付太陽電池ユニットの一実施形態を示した模式図。 遮蔽体付太陽電池の一実施形態を示した模式図。 図12の遮蔽体付太陽電池について説明するための図。 ブロックの一実施例を示した斜視図および一部拡大図。 (a)(b)は図11のブロックにおける音声状況について説明するための図。 従来の無電源小型情報端末システムについて説明するための図。 従来の無電源小型情報端末システムの機能ブロック図。
符号の説明
1 ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)
10 赤外線LED群
10a,10b,10c,10d LED
10e 基板
10f 筐体
10g LEDユニット
2 白杖(視覚障害者用杖)
20 太陽電池
20a 窓部
20b 筐体
20c 太陽電池ユニット
20d 遮蔽体
20e スリット片
21 イヤホン
22 導線
23 手持ち部
23a グリップ山
23b 下伸ばし部
P,P1,P2 視覚障害者
IR 赤外光

Claims (16)

  1. 視覚障害者誘導用ブロックに、音声情報を基に変調した赤外光を複数方向へ出射する赤外線LED群が設けられており、
    視覚障害者用杖に、赤外線LED群から出射された赤外光を受光して電気信号に変換する太陽電池と、太陽電池からの電気信号を音声出力する音声出力器が設けられており、
    赤外光の出射方向毎に、その出射方向に対応させた音声情報を基に変調した赤外光を出射することを特徴とする視覚障害者用音声情報支援システム。
  2. 視覚障害者の進行方向毎に、赤外光の出射方向が設定されていることを特徴とする請求項1記載の視覚障害者用音声情報支援システム。
  3. 音声情報を基に変調した赤外光を複数方向へ出射する赤外線LED群を備えており、赤外光の出射方向毎に、その出射方向に対応させた音声情報を基に変調した赤外光を出射することを特徴とする視覚障害者誘導用ブロック。
  4. 視覚障害者の進行方向毎に、赤外光の出射方向が設定されていることを特徴とする請求項3記載の視覚障害者誘導用ブロック。
  5. 赤外線LED群を構成する各赤外線LEDが、各々担当する出射方向へ赤外光を出射するように配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載の視覚障害者誘導用ブロック。
  6. 視覚障害者誘導用ブロックに取り付けられた赤外線LED群から複数方向へ出射された赤外光を受光して電気信号に変換する太陽電池と、太陽電池からの電気信号を音声出力する音声出力器とを備えたことを特徴とする視覚障害者用杖。
  7. 太陽電池は、杖先端部に取り付けられていることを特徴とする請求項6記載の視覚障害者用杖。
  8. 太陽電池は、視覚障害者が視覚障害者用杖を持つと受光面が下方向を向くように取り付けられていることを特徴とする請求項6または7記載の視覚障害者用杖。
  9. 太陽電池には錘が取り付けられており、視覚障害者が視覚障害者用杖を持つと錘によって太陽電池の受光面が下向きになることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の視覚障害者用杖。
  10. 太陽電池は、筐体に組み込まれた太陽電池ユニットとなっており、該太陽電池ユニットに錘が取り付けられて、視覚障害者が視覚障害者用杖を持つと錘によって太陽電池の受光面が下向きになることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の視覚障害者用杖。
  11. 手持ち部に、視覚障害者が持つと太陽電池の受光面が下向きになるように目印が設けられていることを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の視覚障害者用杖。
  12. 手持ち部の目印が、下方向に突出したグリップ山であり、視覚障害者が当該グリップ山を下にして手持ち部を持つと受光面が下向きになることを特徴とする請求項11記載の視覚障害者用杖。
  13. 手持ち部の目印が、手持ち部の一部を下方向に伸ばした部位であり、視覚障害者が当該部位を下にして手持ち部を持つと受光面が下向きになることを特徴とする請求項11記載の視覚障害者用杖。
  14. 赤外光以外の可視光を太陽電池に入射させないように遮る可視光カットフィルタが設けられていることを特徴とする請求項6ないし13のいずれかに記載の視覚障害者用杖。
  15. 視覚障害者誘導用ブロック上にて複数方向へ出射されている赤外光のうちで一つの出射方向の赤外光のみを太陽電池に入射させ、他の出射方向の赤外光を太陽電池に入射させないように遮る遮蔽体が設けられていることを特徴とする請求項6ないし14のいずれかに記載の視覚障害者用杖。
  16. 遮蔽体がスリット状のものであることを特徴とする請求項15記載の視覚障害者用杖。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012055582A (ja) * 2010-09-10 2012-03-22 Tamura Seisakusho Co Ltd 視覚障害者支援システム及びそのシステムに使用する杖
US8593297B2 (en) 2009-12-22 2013-11-26 Electronics And Telecommunications Research Institute Walking guidance apparatus using human body communication
CN105959572A (zh) * 2016-07-04 2016-09-21 张恩洋 一种用于人体佩戴的具有红外全景深感知功能的导盲帽

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