JP2007049748A5 - - Google Patents
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Description
本発明は音叉型圧電振動片に係り、特に衝撃により振動片が破損するのを防止するのに好適な音叉型圧電振動片に関する。
表面実装型の音叉型圧電振動片には、基部の一端から振動腕が延びた構造のもの、あるいは基部の一端から振動腕が延びた音叉型圧電振動片本体と、基部に接続されるとともに音叉型圧電振動片本体を枠状に囲む支持部とからなる構造のものがある。図4および図5に従来技術に係る音叉型圧電振動片の説明図を示す。図4(a)および図5(a)は音叉型圧電振動片の平面図、図4(b)および図5(b)は音叉型圧電振動片をパッケージへ実装したときの断面図を示す。基部110および振動腕111からなる音叉型圧電振動片112をパッケージ113に実装するときは、基部110の裏面に設けられた接続電極とパッケージ113に設けられたパッケージ側マウント電極114とを導電性接着剤115を介して接合固着している(図4参照)。また基部120および振動腕121からなる音叉型圧電振動片本体122と、音叉型圧電振動片本体122を枠状に囲む支持部123からなる音叉型圧電振動片124をパッケージ125に実装するときは、支持部123の長手方向両端にそれぞれ設けられた接続電極とパッケージに設けられたパッケージ側マウント電極126とを導電性接着剤127を介して接合固着している(図5参照)。
また音叉型圧電振動片には、基部、振動腕および前記基部から突出して形成されたL字型枝からなる構造のものがある(特許文献1)。また音叉型圧電振動片本体と音叉型圧電振動片本体を枠状に囲む支持部とからなる音叉型圧電振動片の前記支持部に、上下それぞれの方向から半田材を介してケースを接合して音叉型圧電振動子とした構造のものがある(特許文献2)。
特開昭57−185717号公報
特開昭54−58395号公報
ところで、基部および振動腕からなる音叉型圧電振動片はパッケージと2箇所のみで支持されるので、音叉型圧電振動片をパッケージの底面に対して平行に実装できない場合がある。すなわち音叉型圧電振動片の先端側が平行に実装したときに比べて上側または下側に傾いて、実装にバラツキを生じる問題点があった。また基部および振動腕からなる音叉型圧電振動片はパッケージと2箇所のみで支持した場合、および基部、振動腕および支持部からなる音叉型圧電振動片を上述したように実装した場合は、落下等による強い衝撃が音叉型圧電振動片に加わると、振動腕の先端がパッケージに衝突することがあった。この衝突により振動腕にワレやカケ等の破損が発生し、音叉型圧電振動片の周波数特性が悪化する問題点があった。特に近年は、音叉型圧電振動片が小型化・薄型化されているので、衝撃に弱い問題点があった。
特許文献1に記載された音叉型圧電振動片は、パッケージへの実装について記載がされておらず、また音叉型振動片において衝撃等を吸収する場所は見当たらない。また特許文献2に記載された音叉型圧電振動片は、上述したように支持部がケースに挟持されているので、衝撃を吸収する場所が見当たらない。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、パッケージの底面に対して平行に実装するとともに、振動腕がパッケージに衝突するのを防止する表面実装型の音叉型圧電振動片および音叉型圧電振動片の実装方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る音叉型圧電振動片は、複数の振動腕を有する音叉型圧電振動片本体と、前記音叉型圧電振動片本体の長手方向と交わる方向に沿って形成され、前記圧電振動片本体に接続する短辺部と、前記短辺部から前記音叉型圧電振動片本体の長手方向に沿って形成された長辺部と、前記長辺部の前記音叉型圧電振動片本体に近い内側に形成された切れ込みと、前記長辺部の前記音叉型圧電振動片本体に遠い外側に形成された切れ込みと、を備えたことを特徴としている。
前記内側の切れ込みと外側の切れ込みにより衝撃緩和部が構成され、音叉型圧電振動片に衝撃が加わった場合は、衝撃緩和部が切れ込み部分で湾曲しながら上下に振動することにより衝撃を緩和することができる。このため音叉型圧電振動片本体は激しく振られることがなく、僅かに上下に動くだけなので、パッケージに衝突することがない。よって音叉型圧電振動片本体がパッケージに衝突するのを防止できる。
また、前記長辺部の前記音叉型圧電振動片本体に近い内側に形成された切れ込みと、前記長辺部の前記音叉型圧電振動片本体に遠い外側に形成された切れ込みとは、交互に形成するようにできる。これにより、長辺部内外の切れ込み部は連続的に屈曲したばね状に形成され、衝撃が加わったときに撓み作用により衝撃を緩和し、前記音叉型圧電振動片本体への衝撃力の伝達を吸収する。
また前記音叉型圧電振動片本体と、前記短辺部と、前記長辺部とを合わせた重心位置よりも前記振動腕の先端側における前記長辺部にマウント部を設けたことを特徴としている。これにより衝撃が加わった際に衝撃緩和部が優先的に湾曲し、音叉型圧電振動片自体の変位が抑えられるため、音叉型圧電振動片がパッケージに衝突するのを防止することができる。
また前記長辺部を前記マウント部から前記振動腕の先端側へ延設し、前記音叉型圧電振動片本体の長手方向と交わる方向に沿って形成するとともに、前記長辺部と接続した支持部を設けたことを特徴としている。すなわち音叉型圧電振動片は、音叉型圧電振動片本体の周囲を囲む枠部を有し、前記枠部の長辺部に衝撃緩和部を設け、振動腕先端側の前記枠部の短辺部に支持部を設けた構成である。
支持部を設けたことにより、音叉型圧電振動片をパッケージベースに実装するときは支持部をマウントすることができる。また長辺部もマウントをするので、音叉型圧電振動片は少なくとも3箇所でマウントされる。
このため音叉型圧電振動片をパッケージベースの底面に対して平行に実装することができる。また音叉型圧電振動片に衝撃が加わった場合は、衝撃緩和部が湾曲しながら上下に振動するので衝撃を緩和することができる。そして音叉型圧電振動片本体は僅かに上下に動くだけなので、音叉型圧電振動片本体がパッケージに衝突するのを防止することができる。
また前記長辺部の先端を前記音叉型圧電振動片本体の長手方向と交わる方向に沿って延設して、前記振動腕の先端側に短辺部を形成し、当該短辺部の下面にマウント部を設けたことを特徴としている。マウント部は音叉型圧電振動片の重心よりも振動腕の先端側に位置することになる。したがって音叉型圧電振動片に加わった衝撃を衝撃緩和部で緩和することができ、音叉型圧電振動片本体がパッケージに衝突するのを防止できる。
以下に、本発明に係る音叉型圧電振動片の実施形態について説明する。なお、以下に記載するものは本発明の実施の一形態にすぎず、本発明はこれに限定されるものでない。
本発明に係る音叉型圧電振動片の基本構成について説明する。図2(a)は音叉型圧電振動片の平面図、図2(b)は音叉型圧電振動子の断面図、図2(c)は音叉型圧電振動子に加わった衝撃を、音叉型圧電振動片が緩和する説明図である。音叉型圧電振動片50は基部52の一端から振動腕54が延びてなる音叉型圧電振動片本体56を有している。この音叉型圧電振動片本体56には、音叉型圧電振動片本体56の長手方向と交わる方向に沿う短辺部57と、該短辺部57の両端から音叉型圧電振動片本体56の長手方向に沿って形成した長辺部58からなる衝撃緩和部72が接続されている。そして長辺部58の振動腕54の先端側には、音叉型圧電振動片本体56の長手方向と交わる方向に沿う支持部59が接続されている。
前記長辺部58にはそれぞれマウント部が設けられ、このマウント部の下面には音叉型圧電振動片50をパッケージベース60に実装するときに用いられる接続電極(不図示)が形成されている。この接続電極を設けたマウント部74は、音叉型圧電振動片50の長手方向の重心位置よりも振動腕54に近い側(振動腕54の先端側)に設けられている。また前記接続電極は音叉型圧電振動片本体56に設けられた励振電極(不図示)と、後述する衝撃緩和部72に設けられた引出し電極(不図示)を介して導通している。また支持部59は、音叉型圧電振動片50をパッケージベース60に実装するためのマウント部となる。このマウント部は前記接続電極よりも振動腕54先端側の長辺部58に複数設けてもよい。
そして振動腕54と長辺部58の間隔は、音叉型圧電振動片50に衝撃が加わったときに振動腕54が振動する左右方向の振幅よりも広く形成してある。
上記基本構成に対し、衝撃緩和機能を持たせた本発明の実施形態に係る音叉型圧電振動片の具体的構成を図1に示す。当該音叉型圧電振動片50は、振動片本体56を囲繞する枠部76の長辺部58におけるマウント部74と基部側の短辺部57との間に衝撃緩和部72を設けている。そして長辺部58の長さ方向に沿って、長辺部58の内側と外側とから交互に切れ込みを入れることにより形成されている。すなわち衝撃緩和部72をばね状に形成している。そして衝撃緩和部72の長さや、前記切れ込みの幅や長さは、音叉型圧電振動片50の大きさや重心位置等によって適宜設計される。このような衝撃緩和部72は、音叉型圧電振動片50をエッチングにより形成するのと同時に形成すればよい。このような音叉型圧電振動片50をパッケージ(図(2)b参照)に搭載すると音叉型圧電振動子が形成される。そして音叉型圧電振動子に衝撃が加わると音叉型圧電振動片50に衝撃が伝わるが、衝撃緩和部72が振れて、衝撃を緩和することができる。また音叉型圧電振動片本体56からマウント部74までの距離が遠くなるので、屈曲振動の振動漏れを減衰させることができ、振動特性の優れた音叉型圧電振動子を得ることができる。
このような構成の音叉型圧電振動片50は、長辺部58に設けられた前記接続電極と、パッケージベース60に設けられたパッケージ側マウント電極62とが接合材64により接合固着されている。また支持部59の下面は、接合材64を介してパッケージベース60に接合固着されている。支持部59とパッケージベース60を接合するときは、支持部59の下面両端の2箇所に接合材64を塗布して接合してもよく、また支持部59の下面全体の1箇所に接合材64を塗布して接合してもよい。そして前記接続電極とパッケージ側マウント電極62を接合させる接合材64には導電性接着剤、導電性シート、導電性フィルム、金バンプまたは金−錫合金のロウ材等が用いられる。特にシリコーン系の導電性接着剤を用いると耐熱性が向上し、前記導電性接着剤から発生するガスを抑えることができる。また金バンプを用いるとガスが発生しないので、パッケージ66を真空封止するのに好適となる。なお所望の電気伝導度が得られない場合には、ボンディングワイヤを介して導電性を得るようにしてもよい。また支持部59とパッケージベース60を接合する接合材64には上述した接合材を用いることもでき、さらに導電性を有しない接合材を用いることもできる。そしてパッケージベース60の上端面に低融点ガラスを介して、またはシーム溶接によりリッド68を接合し、音叉型圧電振動子70を構成する。
次に、音叉型圧電振動子70に落下等による衝撃が加わったときの音叉型圧電振動片50の作用について説明する。音叉型圧電振動子70に衝撃が加わると、衝撃が音叉型圧電振動片50に伝搬される。すると、衝撃緩和部72は衝撃を緩和する機能を有しているので、衝撃緩和部72が前記接続電極の位置を中心として湾曲しつつ上下に振動する。この振動によって音叉型圧電振動片50に伝搬される衝撃が緩和される。このため音叉型圧電振動片50は振動腕54の先端が僅かに上下に動くだけなので、音叉型圧電振動片本体56がパッケージ66に衝突することはない(図2(c)参照)。また振動腕54と長辺部58が衝突することもない。
このような構成において、音叉型圧電振動片50の衝撃緩和部72は衝撃を緩和する機能を有しているので、音叉型圧電振動子70に衝撃が加わった場合でも衝撃緩和部72が衝撃を緩和し、音叉型圧電振動片本体56が激しく振られることがない。このため音叉型圧電振動片50がパッケージ66に衝突してワレ、カケ等の破損を生じることがない。また音叉型圧電振動片は衝撃を緩和する機能を有しているので、音叉型圧電振動片を小型化・薄型化しても破損することがない。さらに衝撃により周波数特性等が変わることがなく、信頼性の高い音叉型圧電振動片50を提供することができる。
また衝撃緩和部72は、音叉型圧電振動片50の屈曲振動から伝搬する振動漏れも減衰することができる。このためクリスタルインピーダンス値が減少するとともに、振動特性の優れた音叉型圧電振動子70にすることができる。
また振動腕54と長辺部58の間隔は、音叉型圧電振動片50に衝撃が加わったときに振動腕54が左右に振れても長辺部58へ衝突しない距離を有しているので、振動腕54と長辺部58が衝突してカケやワレ等の破損を生じることがない。
また長辺部58に設けられたマウント部を音叉型圧電振動片50の長手方向の重心位置よりも振動腕54に近い側に設けることで基部52側の変位が優先的に起こり、衝撃が加わった際に音叉型圧電振動片50自体の変位量が抑制され、音叉型圧電振動片50がパッケージに衝突してワレやカケを発生することがない。
また、音叉型圧電振動片50には、音叉型圧電振動片50を囲繞する枠部76が形成されているので、この枠部を有していない音叉型圧電振動片に比べて機械強度を向上させることができる。
そして、上述した音叉型圧電振動片50を用いて音叉型圧電発振器やリアルタイムクロックを形成することができる。
また、音叉型圧電振動片50には、音叉型圧電振動片50を囲繞する枠部76が形成されているので、この枠部を有していない音叉型圧電振動片に比べて機械強度を向上させることができる。
そして、上述した音叉型圧電振動片50を用いて音叉型圧電発振器やリアルタイムクロックを形成することができる。
本発明は、図3に示した音叉型圧電振動片にも適用できる。この音叉型圧電振動片10は基部12の一端から振動腕14が延びてなる音叉型圧電振動片本体16を有しているもので、支持部59(図2参照)が省略された構成となっている。この音叉型圧電振動片本体16には、音叉型圧電振動片本体16の長手方向と交わる方向に沿う短辺部18と、該短辺部18の両端から音叉型圧電振動片本体16の長手方向に沿って形成した長辺部20からなり、この長辺部20に上記衝撃緩和部72を形成すればよい。振動腕14と長辺部20の間隔は、音叉型圧電振動片10に衝撃が加わったときに振動腕14が振動する左右方向の振幅よりも広く形成してある。
10………音叉型圧電振動片、12………基部、14………振動腕、16………音叉型圧電振動片本体、18………短辺部、20………長辺部、22………衝撃緩和部、26………マウント部、50………音叉型圧電振動片、52………基部、54………振動腕、56………音叉型圧電振動片本体、58………長辺部、72………衝撃緩和部、74………マウント部、76………枠部。
Claims (5)
- 複数の振動腕を有する音叉型圧電振動片本体と、
前記音叉型圧電振動片本体の長手方向と交わる方向に沿って形成され、前記圧電振動片本体に接続する短辺部と、
前記短辺部から前記音叉型圧電振動片本体の長手方向に沿って形成された長辺部と、
前記長辺部の前記音叉型圧電振動片本体に近い内側に形成された切れ込みと、
前記長辺部の前記音叉型圧電振動片本体に遠い外側に形成された切れ込みと、
を備えたことを特徴とする音叉型圧電振動片。 - 前記長辺部の前記音叉型圧電振動片本体に近い内側に形成された切れ込みと、
前記長辺部の前記音叉型圧電振動片本体に遠い外側に形成された切れ込みとは、交互に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の音叉型圧電振動片。 - 前記音叉型圧電振動片本体と、前記短辺部と、前記長辺部とを合わせた重心位置よりも前記振動腕の先端側における前記長辺部にマウント部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の音叉型圧電振動片。
- 前記長辺部を前記マウント部から前記振動腕の先端側へ延設し、前記音叉型圧電振動片本体の長手方向と交わる方向に沿って形成するとともに、前記長辺部と接続した支持部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の音叉型圧電振動片。
- 前記長辺部の先端を前記音叉型圧電振動片本体の長手方向と交わる方向に沿って延設して、前記振動腕の先端側に短辺部を形成し、当該短辺部の下面にマウント部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の音叉型圧電振動片。
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