JP2007049664A - 画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び情報記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び情報記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】フレームの集まり(GOF)毎に時間方向にウェーブレット変換された動画像の符号を伸長した場合に、GOF境界に生ずる歪みを抑制する。
【解決手段】動画像の符号の伸長処理において、時間方向逆ウェーブレット変換手段31により、逆量子化後のウェーブレット係数に対し上位階層より下位階層へ向かって時間方向の逆ウェーブレット変換を実行するが、各階層の逆ウェーブレット変換に先立ち、係数補正手段3により、GOF境界歪みを抑制するために、GOF境界に隣接するハイパス係数とGOF境界近傍の境界に隣接しないハイパス係数を補正する。
【選択図】図21

Description

本発明は、動画像の圧縮・伸長の分野に係り、より詳細には、動画像のフレームの集まり(GOF;Group of Frames)毎に時間方向に周波数変換を行った符号を伸長する場合にGOF境界歪みの発生を抑止するための技術に関する。
動画像の動きを滑らかにするために補間するフレームの生成に離散ウェーブレット変換を利用する方法が特許文献1に記載されている。この方法においては、動画像の連続したNフレーム毎に時間方向(フレームの並び方向)の離散ウェーブレット変換を行い、生成されたウェーブレット係数中の最低周波数成分の係数値を画素値としたフレームkを得るとともに、次段階の高周波成分除去のための閾値を決定する。次に、このフレームkを元のNフレームに補間したN+1フレームに対し時間方向の離散ウェーブレット変換を行い、生成されたウェーブレット係数中の前記閾値を超える高周波成分を除去する。この高周波成分除去後のウェーブレット係数に対し離散ウェーブレット逆変換を行い、得られたフレームkの画素値からなる補間フレームを生成する。
画像をタイル分割し、タイル毎にウェーブレット変換を用いて圧縮するJPEG2000のような方式では、圧縮データから画像を伸長すると、タイル境界に歪みが生ずることがある。特許文献2には、そのような圧縮データの伸長処理において、隣接したタイルのローパス係数とハイパス係数を利用してタイル境界付近のハイパス係数を補正することにより、タイル境界歪みを効果的に除去する方法が記載されている。
高精細の動画像の圧縮方式として、各フレームをJPEG2000で符号化するMotion−JPEG2000がある。この圧縮方式は、個々のフレームを独立して処理できる等の利点があるが、圧縮時にフレーム間差分を用いないため、フレーム間差分を用いるMPEGなどの圧縮方式に比べ、画質の面で必ずしも有利ではない場合があり得る。その対策として、Motion−JPEG2000の動画像のような各フレームが2次元周波数変換された動画像に対し、連続したフレームの集まり(GOF;Group of Flames)毎に時間方向にウェーブレット変換のような周波数変換を行うことによって、動画像を3次元サブバンド符号化する試みがなされている。しかし、このようなGOF単位で時間方向に周波数変換された動画像の符号を伸長した場合に、GOF境界に痙攣するように揺らぐGOF境界歪み(jerk)が発生するという問題が指摘されている(例えば非特許文献1参照)。
特開2002−199400号公報 特開2001−257596号公報 C.Parisot,M.Antonini,M.Barlaud, "Motion-compensated scan based wavelet transform for video coding," Proceedings of the International Workshop on Digital Communications,Capri,Italy,September 2002,pp.121-127
本発明は、GOF毎に時間方向に周波数変換された動画像の符号を伸長する際の問題点であるGOF境界歪みを効果的に抑制するための画像処理装置及び方法を提供することにある。
請求項1の発明は、動画像のフレームの集まり(以下、GOF)毎に時間方向に周波数変換することにより生成された周波数係数に対し時間方向の逆周波数変換を行う逆周波数変換手段、この逆周波数変換手段により逆周波数変換される周波数係数中のGOF境界近傍の高周波係数に対し、その逆周波数変換に先だって、GOF境界歪みを抑制するための補正を施す係数補正手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
請求項2の発明は、動画像のフレームの集まり(以下、GOF)毎に時間方向に階層的に周波数変換することにより生成された周波数係数に対し、時間方向の逆周波数変換を行う逆周波数変換手段、この逆周波数変換手段により逆周波数変換される特定階層以下の周波数係数中のGOF境界近傍の高周波係数に対し、その逆周波数変換に先だって、GOF境界歪みを抑制するための補正を施す係数補正手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明に係る画像処理装置であって、前記係数補正手段による高周波係数の補正は、量子化ステップ数が所定値より小さい場合にのみ施されることを特徴とする画像処理装置である。
請求項4の発明は、請求項1,2又は3の発明に係る画像処理装置であって、前記係数補正手段による高周波係数の補正は、利用者によりGOF境界歪み抑制が指定された場合にのみ施されることを特徴とする画像処理装置である。
請求項5の発明は、請求項1,2,3又は4の発明に係る画像処理装置であって、前記係数補正手段は補正した高周波数係数のクリッピング処理を行うことを特徴とする画像処理装置である。
請求項6の発明は、請求項1,2,3,4又は5の発明に係る画像処理装置であって、前記周波数変換はウェーブレット変換であり、前記逆周波数変換は逆ウェーブレット変換であることを特徴とする画像処理装置である。
請求項7の発明は、動画像のフレームの集まり(以下、GOF)毎に時間方向に周波数変換することにより生成された周波数係数に対し、時間方向の逆周波数変換を行う逆周波数変換工程、この逆周波数変換工程により逆周波数変換される周波数係数中のGOF境界近傍の高周波係数に対し、その逆周波数変換に先だって、GOF境界歪みを抑制するための補正を施す係数補正工程を有することを特徴とする画像処理方法である。
請求項8の発明は、動画像のフレームの集まり(以下、GOF)毎に時間方向に階層的に周波数変換することにより生成された周波数係数に対し、時間方向の逆周波数変換を行う逆周波数変換工程、この逆周波数変換工程により逆周波数変換される特定階層以下の周波数係数中のGOF境界近傍の高周波係数に対し、その逆周波数変換に先だって、GOF境界歪みを抑制するための補正を施す係数補正工程を有することを特徴とする画像処理方法である。
請求項9の発明は、請求項7又は8の発明に係る画像処理方法であって、前記係数補正工程による高周波係数の補正は、量子化ステップ数が所定値より小さい場合にのみ施されることを特徴とする画像処理方法である。
請求項10の発明は、請求項7,8又は9の発明に係る画像処理方法であって、前記係数補正工程による高周波係数の補正は、利用者によりGOF境界歪み抑制が指定された場合にのみ施されることを特徴とする画像処理方法である。
請求項11の発明は、請求項7,8,9又は10の発明に係る画像処理方法であって、前記係数補正工程は補正した高周波数係数のクリッピング処理を行うことを特徴とする画像処理方法である。
請求項12の発明は、動画像のフレームの集まり(以下、GOF)毎に時間方向に周波数変換することにより生成された周波数係数に対し、時間方向の逆周波数変換を行う逆周波数変換手段、この逆周波数変換手段により逆周波数変換される周波数係数中のGOF境界近傍の高周波係数に対し、その逆周波数変換に先だって、GOF境界歪みを抑制するための補正を施す係数補正手段としてコンピュータを機能させるプログラムである。
請求項13の発明は、動画像のフレームの集まり(以下、GOF)毎に時間方向に階層的に周波数変換することにより生成された周波数係数に対し、時間方向の逆周波数変換を行う逆周波数変換手段、この逆周波数変換手段により逆周波数変換される特定階層以下の周波数係数中のGOF境界近傍の高周波係数に対し、その逆周波数変換に先だって、GOF境界歪みを抑制するための補正を施す係数補正手段としてコンピュータを機能させるプログラムである。
請求項14の発明は、請求項12又は13の発明に係るプログラムであって、前記係数補正手段による高周波係数の補正は、量子化ステップ数が所定値より小さい場合にのみ施されることを特徴とするプログラムである。
請求項15の発明は、請求項12,13又は14の発明に係るプログラムであって、前記係数補正手段による高周波係数の補正は、利用者によりGOF境界歪み抑制が指定された場合にのみ施されることを特徴とするプログラムである。
請求項16の発明は、請求項12,13,14又は15の発明に係るプログラムであって、前記係数補正手段は補正した高周波数係数のクリッピング処理を行うことを特徴とするプログラムである。
請求項17の発明は、請求項12,13,14,15又は16の発明に係るプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な情報記録媒体である。
請求項1〜11の発明によれば、時間方向の逆周波数変換に先立って、GOF境界近傍の高周波係数についてGOF境界歪み抑制のための補正を施すため、GOF境界歪みの目立たない動画像の再生が可能である。
なお、GOF境界歪み抑制のために補正される高周波係数とは、具体的には、後記実施形態において説明するようなGOF境界に隣接する高周波係数と、GOF境界近傍であるがGOF境界に隣接しない高周波係数である。補正の効果が高いのはGOF境界に隣接する高周波係数であるので、GOF境界に隣接する高周波係数に対してのみ補正を施すようにしてもよい。
また、GOF境界近傍の高周波係数に対するGOF境界歪み抑制のための補正とは、GOF境界に隣接した係数を中心とした逆周波数変換値が、GOF分割しない場合の低周波数係数のみを用いた逆周波数変換値と略等しくなるような補正であり、その補正式は適用される周波数変換の種類に依存する。後記実施形態において、JPEG2000に規定されている2種類のウェーブレット変換の場合の補正式を示す。
また、請求項2,3,8,9の発明によれば、GOF境界歪み抑制のための処理量を削減し、効率的処理によりGOF境界歪み抑制を達成することができる。また、請求項5,10の発明によれば、利用者がGOF境界歪み抑制を望まない場合には、GOF境界歪み抑制のための係数補正処理を行わないことにより、動画像再生処理を高速化することができる効果がある。
請求項12〜17の発明によれば、請求項1〜6の発明に係る画像処理装置をコンピュータを利用し容易に実現することができる。
JPEG2000により画像をタイル分割して圧縮した符号を伸長すると、圧縮率が高い場合にタイル境界歪みが目立つことがある。前記特許文献2記載のタイル境界歪み除去(デタイル)方法は、伸長処理においてウェーブレット係数の状態でタイル境界歪みを除去しようとするものであり、そのメカニズムを理解すると以下に説明する本発明の実施の形態の理解が容易になるであろう。
そこで、まず、JPEG2000のウェーブレット変換・逆変換、タイル境界歪みの発生要因などとともに、上記タイル境界歪み除去方法の具体例について説明する。
上記タイル境界歪み除去方法は、ウェーブレット係数空間での画像復元に類する手法である。画像復元では、失われた情報を復元するために、ある経験的な拘束条件を採用し、その条件に基づいて復元すべき解を算出する。前記特許文献2の方法においては、
近似1:タイル境界が生じるのは圧縮率が高い場合であり、タイリングの有無にかかわ らず全てのハイパス係数は0に量子化される。
近似2:タイリングした場合のローパス係数は、タイリングしない場合のローパス係数 に等しい。
という近似を採用し、
{(0に量子化されたが)補正されたハイパス係数を用いて逆ウェーブレット変換をした 場合のタイル境界の画素値}={ハイパス係数が0の場合の、タイリングをせずに逆 ウェーブレット変換をした場合の同じ位置の画素値}
という式から、ハイパス係数の補正値を算出している(0に量子化されたハイパス係数に対し、0でない補正値を算出する過程は画像復元である)。
以下、JPEG2000に規定されている5×3ウェーブレット変換を例にとり、上記補正式の算出について説明する。
図1乃至図4は、16×16のモノクロの画像に対して、5x3変換と呼ばれるウェーブレット変換(順変換)を2次元(垂直方向および水平方向)で施す過程の例を示したものである。
図1の様にxy座標をとり、あるxについて、y座標がyである画素の画素値をP(y)(0≦y≦15)と表す。JPEG2000では、まず垂直方向(Y座標方向)に、y座標が奇数
(y=2i+1)の画素を中心にハイパスフィルタを施して係数C(2i+1)を得る。次に、y座標が偶数(y=2i)の画素を中心にローパスフィルタを施して係数C(2i)を得る(これを全てのx座標について行う)。
ここで、ハイパスフィルタは式(1)で表され、ローパスフィルタは式(2)で表される。式中の記号|_x_|はxのフロア関数(実数xを、xを越えず、かつ、xに最も近い整数に置換する関数)を示している。
式(1) C(2i+1)=P(2i+1)−|_(P(2i)+P(2i+2))/2_|
式(2) C(2i)=P(2i)+|_(C(2i-1)+C(2i+1)+2)/4_|
なお、画像の端部においては、中心となる画素に対して隣接画素群が存在しないことがあり、この場合は図6に示した「ミラリング」と呼ばれる手法によって不足する画素値を補うことになる。ミラリングは、文字通り境界を中心として画素値を線対称に折り返し、折り返した値を隣接画素群の値とみなす処理である。
簡単のため、ハイパスフィルタで得られる係数をH、ローパスフィルタで得られる係数をL、と表記すれば、前記垂直方向の変換によって図1の画像は図2のような係数の配列へと変換される。
続いて、図2の係数配列に対して、水平方向に、x座標が奇数(y=2i+1)の係数を中心にハイパスフィルタを施し、次にx座標が偶数(x=2i)の係数を中心にローパスフィルタを施す(これを全てのyについて行う)。この場合、前記式(1),(2)中のP(2i)等は係数値を表すものと読み替える。簡単のため、
前記L係数を中心にローパスフィルタを施して得られる係数をLL、
前記L係数を中心にハイパスフィルタを施して得られる係数をHL、
前記H係数を中心にローパスフィルタを施して得られる係数をLH、
前記H係数を中心にハイパスフィルタを施して得られる係数をHH、
と表記すれば、図2の係数配列は、図3の様な係数配列へと変換される。ここで、同一の記号を付した係数群はサブバンドと呼ばれる。すなわち、図3は4つのサブバンドで構成される。
以上で、1回のウェーブレット変換(1回のデコンポジション(分解))が終了し、LL係数だけを集めると(図4の様にサブバンド毎に係数を集め、LLサブバンドだけ取り出すと)、ちょうど原画像の1/2の解像度の“画像”が得られる(このように、サブバンド毎に分類することをデインターリーブと呼び、図3のような状態に配置することをインターリーブすると表現する)。
また、2回目のウェーブレット変換は、上記LLサブバンドを原画像と見なして、上記と同様の変換を行えばよい。この場合、並べ替えを行うと、模式的な図5が得られる。図4及び図5の係数の接頭の1や2は、係数が何回のウェーブレット変換で得られたかを示しており、デコンポジションレベルと呼ばれる。なお、以上の議論において、1次元のみのウェーブレット変換をしたい場合には、いずれかの方向だけの処理を行えばよい。
一方、ウェーブレット逆変換は、図3の様なインターリーブされた係数の配列に対して、まず水平方向に、x座標が偶数(x=2i)の係数を中心に逆ローパスフィルタを施し、次に、x座標が奇数(x=2i+1)の係数を中心に逆ハイパスフィルタを施す(これを全てのyについて行う)。ここで、逆ローパスフィルタは式(3)で表され、逆ハイパスフィルタは式(4)で表される。ウェーブレット順変換の場合と同様に、画像の端部において中心となる係数に対して隣接係数群が存在しないことがあり、この場合も図6のミラリングによって係数値を適宜補うことになる。
式(3) P(2i)=C(2i)−|_(C(2i-1)+C(2i+1)+2)/4_|
式(4) P(2i+1)=C(2i+1)+|_(P(2i)+P(2i+2))/2_|
これにより、図3の係数配列は図2のような係数配列に変換(逆変換)される。続いて、垂直方向に、y座標が偶数(y=2i)の係数を中心に逆ローパスフィルタを施し、次に、y座標が奇数(y=2i+1)の係数を中心に逆ハイパスフィルタを施せば(これを全てのxについて行う)、1回のウェーブレット逆変換が終了し、図1の画像に戻る(再構成される)ことになる。なお、ウェーブレット変換が複数回施されている場合は、図1をLLサブバンドとみなし、HL等の他の係数を利用して同様の逆変換を繰り返せばよい。
以上のように、5x3ウェーブレット逆変換ではL,H,L,Hの順にインターリーブした係数列に対し、偶数位置中心に逆ローパスフィルタをかけ、奇数位置中心に逆ハイパスフィルタをかける。
さて、前記フィルタの式(1)〜(4)をフロア関数を省略して展開すれば明らかなように、順変換と逆変換ではタップ数は逆転し、フィルタ係数もインターリーブされる。
このため、順変換のフィルタ係数が
ハイパス(HIGH): -0.5,1,-0.5
ローパス(LOW): -0.125,0.25,0.75,0.25,-0.125
の場合、逆変換のフィルタ係数は
逆ローパス(LOW): -0.25,1,-0.25
逆ハイパス(HIGH): -0.125,0.5,0.75,0.5,-0.125
となる(ここでは、フロア関数部分を考慮せずにフィルタ係数を表現している)。
「タイリングをしない場合で、かつハイパス係数が全て0のとき(近似1)」、インターリーブされた係数列
L1 H1 L2 H2 L3 H3
において、H2位置中心に逆ハイパスフィルタをかけた値は、
-0.125H1+0.5L2+0.75H2+0.5L3−0.125H3=0.5L2+0.5L3 ‥‥(i)
となる。
一方、上記係数が、2つのタイルに分割されてから算出されたもので、H2位置がタイル境界であるとする。この場合、L1,H1,L2,H2は左側のタイルの係数、L3,H3は右側のタイルの係数になる。ここで、H2は、順変換(3タップのハイパスフィルタ)時にミラリングの影響を受けており、補正の対象となる係数である。タイリングは、各タイル内の画素だけを用いてウェーブレット変換を行う処理、あるいは、各タイル内の係数だけを用いて逆ウェーブレット変換を行う処理であるため、ミラリングによって左タイルの係数
L1 H1 L2 H2
を右側に補った場合
L1 H1 L2 H2 L2 H1
となる。
よって、H2位置を中心に逆ハイパスフィルタをかけた値は、
-0.125H1+0.5L2+0.75H2+0.5L2−0.125H1=-0.25H1+L2+0.75H2‥‥(ii)
となる。
デタイルのためには、(i)=(ii)を狙うため、
式(iii) H2=1/3H1−2/3L2+2/3L3
を得る。これが、タイル境界に隣接し、順変換時にミラリングの影響を受けたハイパス係数に対する「補正式」である。ただし、この補正値の算出時には、タイリングした係数しか存在しないため、L2は左タイルの係数、L3は右タイルの係数を使用する(近似2)。
タイル境界に隣接するローパス係数(L3)に関しても同様な立式が可能であり、その結果、H3の補正式として
式(iv) H3=0
を得ることができる。ただし、デコンポジションレベル1の場合は、H3はミラリングの誤差を含まないため補正しない(デコンポジションレベル2以上の場合は、H3に隣接するL3自体が、デコンポジションレベル1でミラリングの影響を受けているため補正する)。
JPEG2000に規定された非可逆の9×7ウェーブレットの場合についても、上記と同様な考え方で補正式を導出できる。すなわち、インターリーブされた係数列
H0 L1 H1 L2 H2 L3 H3 L4 H4
において、H2とL3の間がタイル境界である場合、次の補正式が得られる。
式(v) H2=(-0.0535H0+0.15644H1+0.09127L1-0.59127L2
+0.59127L3-0.09127L4)/0.60295
式(iv) H3=(0.05754L2-0.05754L4+0.03372H4)/0.53372
ただし、9×7変換の場合、デコンポジションレベル1の場合も補正してよい。
次に、4タイル分割、デコンポジションレベル2のJPEG2000の符号の伸長処理を例に、上に述べたデタイル処理の流れを具体的に説明する。図7乃至図14は、デタイル処理の説明のための係数配列図である。なお、伸長処理は、符号のエントロピー復号、復号された各サブバンド係数の逆量子化、2次元の逆ウェーブレット変換、逆色空間変換の順に処理が進むが、その2次元逆ウェーブレット変換の過程でデタイル処理が実行される。
図7は逆量子化後の4タイル分の係数配列を示しており、デコンポジションレベル2の係数2LL〜2HHはインターリーブされている。5x3変換が用いられている場合、図8に示した列Aの係数(H2対応)が式(iii)で補正され、列Bの係数(H3対応)が式(iv)で補正される。9x7変換の場合は、列Aの係数が式(v)で補正され、列Bの係数が式(vi)で補正される。このような補正後の係数に対し、水平方向の逆ウェーブレット変換が行われる(JPEG2000では、ウェーブレット変換(順変換)は垂直方向、水平方向の順に行われるため、逆変換は水平方向、垂直方向の順に行われる)。この水平方向逆変換後の係数配列を図9に示す。
次に、デコンポジションレベル2の係数のうち、図10に示す行Cの係数(H2対応)と行Dの係数(H3対応)を補正する。5x3変換の場合、行Cの係数は式(iii)で補正され、行Dの係数は式(iv)で補正される。9x7変換の場合、行Cの係数は式(v)で補正され、行Dの係数は式(vi)で補正される。このような補正後の係数に対し、垂直方向の逆ウェーブレット変換が行われ、図11の様なデコンポジションレベル1の係数がデインターリーブされた状態になる。係数をインターリーブすると図12のようになる。
図12に示すデコンポジションレベル1の係数のうち、5x3変換の場合は、図13に示す列Eの係数を式(iii)で補正する。先に述べたように5×3変換の場合、デコンポジションレベル1では、列Fの係数はミラリングの誤差を含まないため補正不要である。一方、9x7変換の場合、列Eの係数が式(v)で補正され、列Fの係数が式(vi)で補正される。このような補正後に水平方向の逆ウェーブレット変換が行われ、図14の状態になる。そして、5x3変換の場合、図14の行Gの係数が式(iii)で補正される。9x7変換の場合、行Gの係数が式(v)で補正され、行Hの係数が式(vi)で補正される。補正後の係数に対し垂直方向の逆ウェーブレット変換が行われる。これでデタイル処理と2次元逆ウェーブレット変換処理が終了した。
<本発明の実施形態の説明>
以下、本発明の実施の形態について説明する。図15は本発明の実施形態を説明するためのブロック図である。図15に示す画像処理装置は、動画像のフレームデータを取り込み、それを圧縮した符号を出力し、また圧縮された動画像の符号を取り込み、それを伸長したフレームデータを出力する機能を持つもので、色変換・逆変換部1、3次元ウェーブレット変換・逆変換部2、量子化・逆量子化部4、エントロピー符号化・復号化部5、符号形成・タグ処理部6から構成される。
圧縮処理時の動作の概略は次の通りである。動画像のフレームデータは色変換・逆色変換部1に入力される(フレームデータをタイル分割して処理することも可能であるが、ここでは説明を簡単にするためタイル分割はなされないものとする)。色変換・逆色変化部1で、フレームデータ(例えばRGBデータ)はYCbCrなどの輝度・色差データに変換される。変換後の各コンポーネントのデータは、3次元ウェーブレット変換・逆変換部2によって、時間方向(フレーム並び方向)を含む3次元の順ウェーブレット変換を適用されてウェーブレット係数データへ変換される。各コンポーネントのウェーブレット係数データは量子化・逆量子化部4で量子化された後、エントロピー符号化・復号化部5でエントロピー符号化される。そして、符号形成・タグ処理部6によって、必要なエントロピー符号からパケットが生成され、それが所定の順番に並べられるとともに必要なタグやタグ情報を付加されることにより符号が形成され、外部に出力される。
伸長処理時の動作の概略は次の通りである。動画像の圧縮された符号は、符号形成・タグ処理部6に入力され、コンポーネント毎の符号に分離される。各コンポーネントの符号はエントロピー符号化・復号化部5によりエントロピー復号化され、ウェーブレット係数データに戻される。このウェーブレット係数データは量子化・逆量子化部4で逆量子化されてから3次元ウェーブレット変換・逆変換部2に入力され、3次元の逆ウェーブレット変換を適用される。3次元ウェーブレット変換・逆変換部2は係数補正手段2を備えており、時間方向の逆ウェーブレット変換の過程で、係数補正手段2によりGOF境界付近のハイパス係数に対しGOF境界歪みを抑制するための係数補正処理を施す。このような時間方向の逆ウェーブレット変換の際の係数補正処理が本発明の最大の特徴部分である。
以下、本発明の2つの実施形態について、より具体的に説明する。ここでは、ウェーブレット変換として、JPEG2000標準の5×3変換又は9×7変換が用いられるものとして説明する。
[実施形態1]
本実施形態について、まず圧縮処理時の3次元ウェーブレット変換・逆変換部2の処理を説明する。
図16は、3次元ウェーブレット変換・逆変換部2の圧縮処理時の機能的構成を示すブロック図であり、21はフレーム内2次元順ウェーブレット変換手段、22は時間方向順ウェーブレット変換手段である。
圧縮処理時には、図17に模式的に示すような動画像のフレームデータ(色変換後)がフレーム内2次元順ウェーブレット変換手段21に順次入力し、各フレームデータに2次元順ウェーブレット変換が適用される。2階層(デコンポジションレベル2)までの2次元順ウェーブレット変換の結果を図18に模式的に示す。このような2次元順ウェーブレット変換の結果は時間方向順ウェーブレット変換手段22に入力し、連続した所定数のフレームの集まり(GOF)を単位として、時間方向に順ウェーブレット変換が適用される。2階層(デコンポジションレベル2)までの時間方向順ウェーブレット変換の結果を図19に模式的に示す。
図20は、このような3次元順ウェーブレット変換処理のフローチャートである。フレーム内2次元順ウェーブレット変換手段21において、step1,2,3,4,5,6の処理ループで、GOFの先頭フレームから最終フレームまで、1フレーム単位で2次元(縦方向、横方向)の順ウェーブレット変換が行われる。すなわち、step1で垂直方向の順ウェーブレット変換が行われ、次にstep2で水平方向の順ウェーブレット変換が行われることにより、デコンポジションレベル1のウェーブレット係数データが生成される。2階層以上の順ウェーブレット変換が適用される場合には、デコンポジションレベル1のウェーブレット係数データのLL係数データに対しstep1,2による2次元順ウェーブレット変換が行われ、デコンポジションレベル2のウェーブレット係数データが生成される。所定の階層までの変換が終わると(step3,Yes)、次のフレームに対し同様の2次元順ウェーブレット変換が行われる。
GOFの最終フレームに対する所定階層までの2次元ウェーブレット変換が終了すると(step5,Yes)、時間方向順ウェーブレット変換手段22において、step7,8,9の処理ループで、GOFの先頭フレームから最終フレームまでの対応した係数列に対し時間方向の1次元順ウェーブレット変換が行われる(ウェーブレット係数は時間方向にL,H,L,H...の順になる)。2階層以上の時間方向順ウェーブレット変換が適用される場合には、ウェーブレット係数をデインターリーブし(L係数とH係数をまとめること)、L係数データに対しフレームの同じ位置の係数を用いて時間方向の順ウェーブレット変換が繰り返される。所定階層まで変換が終了すると(step7,Yes)、1つのGOFに対する3次元順ウェーブレット変換が完了する。
次に、本実施形態における伸長処理時の3次元ウェーブレット変換部2の処理について説明する。
図21は、3次元ウェーブレット変換・逆変換部2の伸長処理時の機能的構成を示すブロック図であり、3は係数補正手段、31は時間方向逆ウェーブレット変換手段、32はフレーム内2次元逆ウェーブレット変換手段である。
伸長処理時には、エントロピー符号化・復号化部5で復号され、量子化・逆量子化部4で逆量子化されたウェーブレット係数データが3次元ウェーブレット変換・逆変換部2に入力し、最高階層(最も高いデコンポジションレベル)より下位階層へ向かって3次元逆ウェーブレット変換が実行される。本実施形態では、まず時間方向逆ウェーブレット変換手段31で各GOFのウェーブレット係数データに対し時間方向の逆ウェーブレット変換が行われるが、その各階層の逆ウェーブレット変換に先立ってGOF境界歪みを抑制するための係数補正が係数補正手段3によって行われる。このような係数補正及び時間方向の逆ウェーブレット変換が最下階層まで繰り返された結果(各フレーム毎のウェーブレット係数データ)に対し、フレーム内2次元逆ウェーブレット変換手段32によって、最高階層から下位階層へ向かって2次元逆ウェーブレット変換が行われ、GOF境界歪みが抑制されたフレームデータが生成される。このフレームデータは色変換されたものであるので、色変換・逆色変換部1で逆色変換されることにより元の表色系のフレームデータに戻される。
図23は、このような2次元逆ウェーブレット変換手段32による処理フローを示すフローチャートである。この処理は、時間方向逆ウェーブレット変換及び係数補正が終わったGOFの先頭フレームから最終フレームへ向かって、フレーム毎に実行される。step21で、最高階層のウェーブレット係数データに対し2次元逆ウェーブレット変換が適用され、次位階層のLL係数データが生成される。圧縮時の順ウェーブレット変換は垂直方向、水平方向の順に変換が行われたため、伸長時の逆ウェーブレット変換は水平方向、垂直方向の順に行われる。生成されたLL係数データを含む次位階層のウェーブレット係数データに対し、同様の2次元逆ウェーブレット変換が適用される。最低階層まで2次元逆ウェーブレット変換が行われてフレームデータに戻されたならば(step22,Yes)、処理の対象を次フレームに進め(step25)、同様の2次元逆ウェーブレット変換が行われる。このような2次元逆ウェーブレットがGOFの最終フレームまで終了すると(step24,Yes)、1つのGOFの全フレームのデータが復元されたことになる。
以上に説明した、以下にさらに詳細に説明する本実施形態に係る画像処理装置は、例えば図44に示すようなCPU1000、メモリ1001、ハードディスク装置1002、ディスプレイ装置1004、キーボードやマウスのようなポインティングデバイス等のユーザ入力装置1003、ネットワーク経由の通信のための通信インターフェース1005などをバス1006で接続したようなコンピュータの資源を利用して実現することができる。すなわち、このようなコンピュータを、図15に示す各部1,2,4,5,6として機能させるプログラムをメモリ1001にロードし、CPU1000に実行させることにより、本実施形態に係る画像処理装置としてコンピュータを動作させることができる。このようなプログラム、及び、それが記録された磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体記憶素子などのコンピュータが読み取り可能な情報記録(記憶)媒体も本発明に包含される。コンピュータ上では、圧縮処理と伸長処理は例えば次のような流れで実行される。
圧縮処理の場合、動画像のフレームデータは例えばハードディスク装置1002よりメモリ1001に読み込まれる。このフレームデータに対し、前述のような色変換、3次元順ウェーブレット変換、量子化、エントロピー符号化、符号形成の各処理が実行される。生成された動画像の符号はハードディスク装置1002に保存され、あるいは、通信インターフェース1005より外部装置へ送信される。
伸長処理の場合、動画像の符号は例えばハードディスク装置1002よりメモリ1001に読み込まれ、あるいは、通信インターフェース1005からネットワーク経由で受信されてメモリ1001に読み込まれる。この符号に対し、エントロピー復号、逆量子化、係数補正を含む時間方向逆ウェーブレット変換とフレーム内2次元逆ウェーブレット変換、逆色変換の各処理が実行される。復元された動画像のフレームデータは、ハードディスク装置1002に保存され、あるいはディスプレイ装置1004に表示される。
次に、伸長処理時における係数補正手段3及び時間方向逆ウェーブレット変換手段31の処理に関し、5つの実施例を挙げてさらに説明する。なお、説明の便宜上、特に断らない限り、圧縮時におけるフレーム内順ウェーブレット変換と時間方向順ウェーブレット変換はそれぞれ2階層(デコンポジションレベル2)まで行われたものとする。
(実施形態1の実施例1)
本実施形態に係る実施例1について図22、図24〜図27により説明する。図22は、係数補正及び時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローを示すフローチャートである。時間方向の最高階層のウェーブレット係数データに関し、GOF境界歪みを抑制するために、GOF境界に隣接したハイパス係数と、GOF境界近傍の境界に隣接しないハイパス係数の補正を係数補正手段3で行う(step11,step12)。この係数補正後の最高階層の係数データに対し時間方向の逆ウェーブレット変換を時間方向逆ウェーブレット変換手段31で行う(step13)。階層を1つ下げ(step15)、その階層のウェーブレット係数に対し同様の係数補正を行い(step11,step12)、この補正後の係数データに対し時間方向の逆ウェーブレット変換を行う(step13)。時間方向のデコンポジションレベル1のウェーブレット係数まで上記処理が繰り返され、GOF内の各フレームの2次元ウェーブレット係数データに戻ると(step14,Yes)、係数補正と時間方向逆ウェーブレット変換の処理は終了する。
このような処理の内容を、図24の(a)に示すような3次元ウェーブレット係数データを例にして説明する。なお、ここではウェーブレット変換としてJPEG2000の5×3変換が用いられるものとするが、9×7変換が用いられる場合も、係数補正式が異なる以外は同様である。また、ここでは、フレーム内2LLサブバンド係数に対応した時間方向ウェーブレット係数の補正及び逆ウェーブレット変換を例にして説明するが、フレーム内の他のサブバンド係数に対応した時間方向ウェーブレット係数についても同様に考えればよい。
まず、時間方向のデコンポジションレベル2の係数2L,2Hをインターリーブする(2L同士、2H同士まとまっていたものを2L,2H,2L,2H…の順に配置しなおす)。インターリーブ後の係数2L,2Hに関し、図24の(b)に点線で示すGOF境界に隣接するハイパス係数(2LL2H(t6))と、GOF境界近傍の境界に隣接しないハイパス係数(2LL2H(t10))を補正する。ハイパス係数の補正式は図26に示す通りである。
なお、9×7変換の場合の補正式は
2LL2H(t6)=(-0.0535x2LL2H(t2)+0.15644x2LL2H(t2)+0.09127x2LL2L(t0)
-0.59127x2LL2L(t4)+0.591272x2LL2L(t8)-0.09127x2LL2L(t10))/0.60295
2LL2H(t10)=(0.05754x2LL2L(t4)-0.05754x2LL2L(t8)+0.03372x2LL2H(t14))/0.53372
となる。
フレーム内の2LH,2HL,2HH,1LH,1HL,1HHサブバンド係数に対応した時間方向のデコンポジションレベル2のウェーブレット係数に対しても同様の係数補正がなされる。補正式も同様である。
このような係数補正後のデコンポジションレベル2のウェーブレット係数に対し、時間方向の逆ウェーブレット変換を行う。図24(b)のデコンポジションレベル2のウェーブレット係数の場合、その逆ウェーブレット変換により図24(c)に示すようなデコンポジションレベル1の係数(2LL1L)が生成される。
次に、時間方向のデコンポジションレベル1のウェーブレット係数に対する係数補正と逆ウェーブレット変換を行う。図25はその説明のための図である。図25(a)に示すのデコンポジションレベル1の係数1L,1Hをインターリーブし、図25(b)に示すGOF境界に隣接したハイパス係数(2LL1H(t7))と、GOF境界近傍の境界に隣接しないハイパス係数(2LL1H(t9))を補正する。係数補正式は図27に示す通りである。5×3変換の場合、デコンポジションレベル1のGOF境界に隣接しないハイパス係数(2LL1H(t9))はミラリングの影響を受けていないので補正しない。ただし、9×7変換ではGOF境界に隣接しないハイパス係数(2LL1H(t9))もミラリングの影響を受けているので補正する。
9×7変換の場合の補正式は
2LL1H(t7)=(-0.0535x2LL1H(t3)+0.15644x2LL1H(t5)+0.09127x2LL1L(t4)
-0.59127x2LL1L(t6)+0.591272x2LL1L(t9)-0.09127x2LL1L(t11))/0.60295
2LL1H(t9)=(0.05754x2LL1L(t6)-0.05754x2LL1L(t8)+0.03372x2LL1H(t11))/0.53372
となる。
フレーム内の2LH,2HL,2HH,1LH,1HL,1HHサブバンド係数に対応した時間方向のデコンポジションレベル1のウェーブレット係数に対しても同様の係数補正がなされる。補正式も同様である。
このような係数補正後のデコンポジションレベル1のウェーブレット係数に対し、時間方向の逆ウェーブレット変換を行う。図25(b)のデコンポジションレベル1のウェーブレット係数の場合、その逆ウェーブレット変換により、図25(c)に示すようなデコンポジションレベル0のデータ、つまり、フレーム内2次元ウェーブレット係数に戻ることになる。
なお、前記補正式は一例であり、動画におけるGOF境界歪みの抑制に寄与するのであれば他の補正式を用いてもよい。また、本実施例では、GOF境界近傍のGOF境界に隣接しないハイパス係数も補正の対象としたが、その補正によるGOF境界歪みの抑制効果はGOF境界に隣接するハイパス係数の補正による効果に比べると小さいため、GOF境界に隣接しないハイパス係数を補正の対象から外すことも可能である。
また、GOF境界近傍のフレームの動き量を推定し、その動き量が所定値より小さいときにGOF境界歪み抑制のための係数補正を行い、その動き量が所定値より大きいときにGOF境界歪み抑制のための係数補正を行わないような制御を行ってもよい。なお、フレームの動き量の推定には、公知の方法を用いればよい。
また、GOF境界近傍のフレームの動き量に応じて、GOG境界近傍の係数に対する補正の度合いを段階的にまたは連続的に制御するようにしてもよい。例えば、GOF境界近傍のフレームの動き量をkとして、補正前の係数の値をx0、その補正後の係数の値をx1とするとき、GOF境界近傍のフレームの動き量を考慮した係数の値をxとすると、
x=(1-k)・x0+k・x1
とするなどが考えられる(動き量kを線形補間のパラメータとする)。
以上の変形態様は、後記各実施例につても同様である。
(実施形態1の実施例2)
本実施形態に係る実施例2について図28と図29により説明する。図28は、係数補正及び時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローを示すフローチャートである。図28と図22を比較すれば明らかなように、step11,12により補正されたハイパス係数に対するクリッピング処理のステップ(step31,32)が追加されることが、本実施形態に係る前記実施例1と相違する点である。このクリッピング処理は係数補正手段3により実行される。
図29はクリッピング処理の説明図である。このクリッピング処理では、GOF境界抑制による係数の補正値が、その係数の量子化区間をはみ出た場合に、係数値を量子化区間の近い方の端の値に戻す。図29の例の場合、逆量子化後の係数値(補正前)は量子化区間[Q,2Q]の中にあり、当該係数の補正値が0であるので、そのクリップ値は量子区間の近い方のQとなる。
(実施形態1に係る実施例3)
本実施形態に係る実施例3について図30〜32により説明する。図32は、係数補正及び時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローを示すフローチャートである。図32と図28を比較すれば明らかなように、係数の量子化ステップ数と閾値thQの比較判定ステップstep41が追加され、量子化ステップ数>閾値thQと判定された場合にのみ係数補正が行われるが、そうでない場合にはstep11,31,12,32はスキップされることが本実施形態に係る前記実施例2と相違する。
量子化ステップ数>閾値thQ以下の場合に係数補正(したがって補正値のクリッピング処理も)を行わない理由は次の通りである。
図30は圧縮率が小さい場合のクリッピング処理の説明図面である。一般に圧縮率が小さいときには量子化ステップ数が小さい。よって、図30の例は量子化ステップ数が小さい例と考えることができる。
図30のように量子化前の係数値(原信号)が2Qと3Qの間にあるとき(Qは量子化ステップ数)、この係数は2Q+(3/8)Qの値に逆量子化される(リコンストラクションパラメータが3/8の場合)。5×3変換の場合(ウェーブレットの基底関数がR5x3の場合)を例にとると、前記のように2Q+(3/8)Qの位置に逆量子化された係数は0に補正され(GOF境界に隣接しない係数の場合)、次にクリッピングにより2Qの位置に戻される。量子化ステップ数Qの値が小さいと、補正前の値とクリップ後の値の差は(3/8)Qである。よって、量子化ステップ数Qが十分小さければ補正前の値とクリップ後の値の差(3/8)Qは、さほど目立たないような微小な値になる。すなわち、量子化ステップ数Qが所定閾値thQ以下の場合には、GOF境界歪み抑制のための係数補正を行っても効果は小さいので、本実施例では係数補正とクリッピング処理を行わないようにすることにより、GOF境界歪み抑制のための処理量の削減を図っている。
図31は圧縮率が大きい場合のクリッピング処理の説明図である。一般に圧縮率が大きいときには量子化ステップ数が大きい。よって、図の例は量子化ステップ数が大きい例と考えることができる。図のように量子化前の係数値(原信号)がQと2Qの間にあるとき、この係数はQ+(3/8)Qの位置に逆量子化される(リコンストラクションパラメータが3/8の場合)。ウェーブレットの基底関数がR5x3の場合を例にとると、前記のようにQ+(3/8)Qの位置に逆量子化された係数は0に補正され(GOF境界に隣接しない係数の場合)、次にクリッピングによりQの位置に戻される。補正前の値とクリップ後の値の差は(3/8)Qである。量子化ステップ数Qが大きければ、補正前の値とクリップ後の値の差(3/8)Qはかなり大きな値になる。よって、本実施例では、量子化ステップ数Qが所定の閾値thQより大きい場合には、GOF境界歪み抑制のための係数補正を行うわけである。
(実施形態1に係る実施例4)
図33は、本実施形態に係る実施例4における係数補正及び時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローを示すフローチャートである。図33と図28を比較すれば明らかなように、デコンポジションレベル(階層数)と所定の閾値thlevの比較判定ステップstep51が追加され、閾値thlev以下のデコンポジションレベルの係数に対してのみGOF境界歪み抑制のための係数補正とその補正値のクリッピング処理(step11,31,12,32)を行うことが、本実施形態に係る前記実施例2と相違する。
閾値thlevより高いデコンポジションレベルで係数補正を行わない理由は次の通りである。一つは、高いデコンポジションレベルの低周波係数はローパス処理を繰り返しかけられているので、もともと補正されているような状態であり、その係数をさらに補正してもGOF境界歪みを抑制する効果は少ないので、所定の閾値thlevより高いデコンポジションレベルを係数補正の対象外とすることにより、GOF境界歪み抑制を効率的に実現しようとするものである。もう一つは、高いデコンポジションレベルの係数補正の副作用は多くのフレームに及ぶため、所定の閾値より高いデコンポジションレベルを係数補正の対象から外すことにより、係数補正の副作用が及ぶ範囲を限定しようとするものである。もう一つは、高いデコンポジションレベルにおいては、画像によっては係数の数が足りなくなり、そもそも係数補正そのものが不可能である場合があるからである。
なお、閾値thlev以下のデコンポジションレベルに関し、前記実施例3と同様に量子化ステップ数に応じて係数補正を制御するようにしてもよく、かかる態様も本実施例に包含される。
(実施形態1に係る実施例5)
図34は、本実施形態に係る実施例5における係数補正及び時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローを示すフローチャートである。図34と図28を比較すれば明らかなように、利用者からの補正指定の有無を判定するステップstep61が追加され、補正指定が有る場合にのみGOF境界歪み抑制のための係数補正とその補正値のクリッピング処理(step11,31,12,32)を行うようにしたことが、本実施形態に係る前記実施例2と相違する。このようにするのは、利用者によってはGOF境界歪み抑制のための処理時間の増加を望まない場合もあるため、そのような場合にはGOF境界歪み抑制のための処理をスキップして処理を高速化するほうが合理的であるからである。
図35により、利用者による補正指定の方法の一例を説明する。ここでは、本実施形態に係る画像処理装置をコンピュータを利用し実現する場合を想定している。
図35の上側の図に示すように、圧縮された動画像を伸長して表示したり編集したい場合には、「ファイル」メニューの「開く」を選択してファイルを指定することにより、当該動画像の圧縮ファイルを開くことができる。このようにしてファイルを開く前に、例えば「プロパティ」を選択することにより、下側の図に示すようにGOF境界歪み抑制機能の有無を指定できるようにすることができる。ここで「有り」が選択された場合には、開いた圧縮ファイルの伸長処理においてGOF境界歪み抑制のための処理を実行し、「無し」が選択された場合には圧縮ファイルの伸長処理においてGOF境界歪み抑制のための処理を実行しない。
なお、ファイルを開く方法には各種のパラメータを指定できる構成になっていることが望ましい。例えば、デコードする階層数、コンポーネント、画質、位置などをタブ設定してそれを選び設定することができる。そのタブの一つに「GOF境界歪み抑制処理」を含めるようにしてもよい。タブの「GOF境界歪み処理」を選ぶと、下側の図のように、GOF境界抑制機能の「有り」「無し」を選択できるようにし、「有り」を選択すると「高品質モード(または高画質モード)」と「高速モード」を選択することができるというような構成にしてもよい。この場合、例えば、高速モードならばGOF境界に隣接するハイパス係数のみを補正し、高画質モードならばGOF境界に隣接するハイパス係数とGOF境界近傍のGOF境界に隣接しないハイパス係数の両方について補正するというような構成にしてもよい。
なお、本実施例においても、前記実施例3,4と同様に量子化ステップ数及び/又はデコンポジションレベルに応じて係数補正を制御するようにしてもよく、かかる態様も本実施例に包含される。
[実施形態2]
本実施形態について、まず圧縮処理時の3次元ウェーブレット変換・逆変換部2の処理を説明する。
図36は、3次元ウェーブレット変換・逆変換部2の圧縮処理時の機能的構成を示すブロック図であり、21はフレーム内2次元順ウェーブレット変換手段、22は時間方向順ウェーブレット変換手段である。
圧縮処理時には、図17に模式的に示すような動画像のフレームデータ(色変換後)が時間方向順ウェーブレット変換手段22に入力し、連続した所定数のフレームの集まり(GOF)を単位として、時間方向に順ウェーブレット変換が適用される。2階層(デコンポジションレベル2)までの時間方向順ウェーブレット変換の結果を図38に模式的に示す。このような時間方向順ウェーブレット変換の結果がフレーム内2次元順ウェーブレット変換手段21に入力され、それぞれのフレーム(時間方向ウェーブレット係数データ)について垂直方向・水平方向の順に順ウェーブレット変換が施される。
図37は、このような順ウェーブレット変換処理の流れを示すフローチャートである。step101,102,103は時間方向の順ウェーブレット変換の処理ループを構成している。step104,105,106,107は1つのフレーム内の2次元順ウェーブレット変換の処理ループを構成している。この処理ループがGOFの最後のフレームまで実行されると(step108,Yes)、1つのGOFに対する3次元順ウェーブレット変換処理を終了する。
次に、本実施形態における伸長処理時の3次元ウェーブレット変換・逆変換部2の処理について説明する。
図39は、3次元ウェーブレット変換・逆変換部2の伸長処理時の機能的構成を示すブロック図であり、3は係数補正手段、31は時間方向逆ウェーブレット変換手段、32はフレーム内2次元逆ウェーブレット変換手段である。
伸長処理時には、エントロピー符号化・復号化部5で復号され、量子化・逆量子化部4で逆量子化されたウェーブレット係数データが3次元ウェーブレット変換・逆変換部2に入力し、最高階層(最も高いデコンポジションレベル)より下位階層へ向かって3次元逆ウェーブレット変換が実行される。
本実施形態では、まずフレーム内2次元逆ウェーブレット変換手段32によって、それぞれのフレームに対し最高階層から下位階層へ向かって2次元逆ウェーブレット変換が行われる。このフレーム内2次元逆ウェーブレット変換の処理フローは図23に示す通りである。次に、時間方向逆ウェーブレット変換手段31で最高階層から下位階層へ向かって時間方向の逆ウェーブレット変換が行われるが、その各階層の逆ウェーブレット変換に先立ってGOF境界歪みを抑制するための係数補正が係数補正手段3によって行われることにより、GOF境界歪みが抑制されたフレームデータが再生される。このフレームデータは色変換されたものであるので、色変換・逆色変換部1で逆色変換されることにより元の表色系のフレームデータに戻される。
以上に説明した、以下にさらに詳細に説明する本実施形態に係る画像処理装置は、例えば図44に示すようなコンピュータの資源を利用して実現することができる。すなわち、このようなコンピュータを、図15に示す各部1,2,4,5,6として機能させるプログラムをメモリ1001にロードし、CPU1000に実行させることにより、本実施形態に係る画像処理装置としてコンピュータを動作させることができる。このようなプログラム、及び、それが記録された磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体記憶素子などのコンピュータが読み取り可能な情報記録(記憶)媒体も本発明に包含される。コンピュータ上では、圧縮処理と伸長処理は例えば次のような流れで実行される。
圧縮処理の場合、動画像のフレームデータは例えばハードディスク装置1002よりメモリ1001に読み込まれる。このフレームデータに対し、前述のような色変換、3次元順ウェーブレット変換、量子化、エントロピー符号化、符号形成の各処理が実行される。生成された動画像の符号はハードディスク装置1002に保存され、あるいは、通信インターフェース1005より外部装置へ送信される。
伸長処理の場合、動画像の符号は例えばハードディスク装置1002よりメモリ1001に読み込まれ、あるいは、通信インターフェース1005からネットワーク経由で受信されてメモリ1001に読み込まれる。この符号に対し、エントロピー復号、逆量子化、フレーム内2次元逆ウェーブレット変換と係数補正を含む時間方向逆ウェーブレット変換逆色変換の各処理が実行される。復元された動画像のフレームデータは、ハードディスク装置1002に保存され、あるいはディスプレイ装置1004に表示される。
次に、伸長処理時における係数補正手段3及び時間方向逆ウェーブレット変換手段31の処理に関し、5つの実施例を挙げてさらに説明する。なお、説明の便宜上、特に断らない限り、時間方向順ウェーブレット変換は2階層(デコンポジションレベル2)まで行われたものとする。
(実施形態2の実施例1)
本実施形態に係る実施例1における係数補正及び時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローは図22に示す通りであり、これは前記実施形態1に係る実施例1に関連して説明済みであるので、その説明は繰り返さない。
この処理の内容を、図40の(a)に模式的に示す時間方向ウェーブレット係数データを例にして説明する。なお、ここではウェーブレット変換としてJPEG2000の5×3変換が用いられるものとするが、9×7変換が用いられる場合も、係数補正式が異なる以外は同様である。
まず、時間方向のデコンポジションレベル2の係数2L,2Hをインターリーブする(2L同士、2H同士まとまっていたものを2L,2H,2L,2H…の順に配置しなおす)。インターリーブ後の係数2L,2Hに関し、図40の(b)に点線で示すGOF境界に隣接するハイパス係数(f62H(t6))と、GOF境界近傍の境界に隣接しないハイパス係数(f102H(t10))を補正する。ハイパス係数の補正式は図42に示す通りである。
なお、9×7変換の場合の補正式は
f62H(t6)=(-0.0535xf22H(t2)+0.15644xf22H(t2)+0.09127xf02L(t0)
-0.59127xf42L(t4)+0.591272xf82L(t8)-0.09127xf102L(t10))/0.60295
f102H(t10)=(0.05754xf42L(t4)-0.05754xf82L(t8)+0.03372xf142H(t14))/0.53372
となる。
このような係数補正後のデコンポジションレベル2のウェーブレット係数に対し、時間方向の逆ウェーブレット変換を行う。図40(b)のデコンポジションレベル2のウェーブレット係数の場合、その逆ウェーブレット変換により図40(c)に示すようなデコンポジションレベル1の係数(1L)が生成される。
次に、時間方向のデコンポジションレベル1のウェーブレット係数に対する係数補正と逆ウェーブレット変換を行う。図41はその説明のための図である。図41(a)に示すのデコンポジションレベル1の係数1L,1Hをインターリーブし、図41(b)に示すGOF境界に隣接したハイパス係数(f71H(t7))と、GOF境界近傍の境界に隣接しないハイパス係数(f91H(t9))を補正する。係数補正式は図43に示す通りである。5×3変換の場合、デコンポジションレベル1のGOF境界に隣接しないハイパス係数(f91H(t9))はミラリングの影響を受けていないので補正しない。ただし、9×7変換ではGOF境界に隣接しないハイパス係数(f91H(t9))もミラリングの影響を受けているので補正する。
9×7変換の場合の補正式は
f71H(t7)=(-0.0535xf31H(t3)+0.15644xf51H(t5)+0.09127xf41L(t4)
-0.59127xf61L(t6)+0.591272xf91L(t9)-0.09127xf111L(t11))/0.60295
f91H(t9)=(0.05754xf61L(t6)-0.05754xf81L(t8)+0.03372xf111H(t11))/0.53372
となる。
このような係数補正後のデコンポジションレベル1のウェーブレット係数に対し、時間方向の逆ウェーブレット変換を行う。図41(b)のデコンポジションレベル1のウェーブレット係数の場合、その逆ウェーブレット変換により、図41(c)に示すようなデコンポジションレベル0のデータ、つまり、フレームデータに戻ることになる。
なお、前記補正式は一例であり、動画におけるGOF境界歪みの抑制に寄与するのであれば他の補正式を用いてもよい。また、本実施例では、GOF境界近傍のGOF境界に隣接しないハイパス係数も補正の対象としたが、その補正によるGOF境界歪みの抑制効果はGOF境界に隣接するハイパス係数の補正による効果に比べると小さいため、GOF境界に隣接しないハイパス係数を補正の対象から外すことも可能である。
また、GOF境界近傍のフレームの動き量を推定し、その動き量が所定値より小さいときにGOF境界歪み抑制のための係数補正を行い、その動き量が所定値より大きいときにGOF境界歪み抑制のための係数補正を行わないような制御を行ってもよい。なお、フレームの動き量の推定には、公知の方法を用いればよい。
また、GOF境界近傍のフレームの動き量に応じて、GOG境界近傍の係数に対する補正の度合いを段階的にまたは連続的に制御するようにしてもよい。例えば、GOF境界近傍のフレームの動き量をkとして、補正前の係数の値をx0、その補正後の係数の値をx1とするとき、GOF境界近傍のフレームの動き量を考慮した係数の値をxとすると、
x=(1-k)・x0+k・x1
とするなどが考えられる(動き量kを線形補間のパラメータとする)。
以上の変形態様は、後記各実施例につても同様である。
(実施形態2に係る実施例2)
本実施形態に係る実施例2における係数補正及び時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローは図28示す通りである。すなわち、本実施例では、前記実施形態1に係る実施例2と同様に、係数補正手段3はハイパス係数の補正値に対しクリッピング処理を行う。
(実施形態2に係る実施例3)
本実施形態に係る実施例3における係数補正及び時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローは図32に示す通りである。すなわち、本実施例では、前記実施形態1に係る実施例3と同様に、量子化ステップ数が所定の閾値thQを越えるか否かの判定を行い、量子化ステップ数が閾値thQを越える場合にのみ係数補正を行う。
(実施形態2に係る実施例4)
本実施形態に係る実施例4における係数補正及び時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローは図33に示す通りである。すなわち、本実施例では、前記実施形態1に係る実施例4と同様に、デコンポジションレベルが所定の閾値thlevを越えるか否かの判定を行い、閾値thlev以下のデコンポジションレベルについてのみ係数補正を行う。
なお、本実施例においても、量子化ステップ数に応じて係数補正を制御するようにしてもよく、かかる態様も本実施例に包含される。
(実施形態2に係る実施例5)
本実施形態に係る実施例5における係数補正及び時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローは図34に示す通りである。すなわち、本実施例では、前記実施形態1に係る実施例5と同様に、利用者からのGOF境界歪み抑制のための係数補正指示の有無を判定し、係数補正指示がある場合にのみGOF境界歪み抑制のための係数補正を行う。
利用者が指示を与える方法については、前記実施形態1に係る実施例5に関連して説明したので、その説明は繰り返さない。なお、本実施例においても、GOF境界抑制機能の「有り」「無し」を選択できるようにし、「有り」を選択すると「高品質モード(または高画質モード)」と「高速モード」を選択することができるというような構成にしてもよい。この場合、例えば、高速モードならばGOF境界に隣接するハイパス係数のみを補正し、高画質モードならばGOF境界に隣接するハイパス係数とGOF境界近傍のGOF境界に隣接しないハイパス係数の両方について補正するというような構成にしてもよい。
なお、本実施例においても、前記実施例3,4と同様にデコンポジションレベル及び/又は量子化ステップ数に応じて係数補正を制御するようにしてもよく、かかる態様も本実施例に包含される。
以上、本発明に係る画像処理装置について説明したが、以上の説明は本発明に係る画像処理方法の説明でもあることは明らかである。よって、本発明に係る画像処理方法の説明は繰り返さない。
以上の説明においては時間方向の周波数変換としてウェーブレット変換が用いられたが、ウェーブレット変換以外の周波数変換を用いる場合にも本発明は適用し得るものである。また、以上の説明においてはフレーム内ウェーブレット変換(一般的には周波数変換)は2次元について行われたが、1次元に行う場合にも本発明を適用可能である。さらには、フレーム内ウェーブレット変換(一般的には周波数変換)を行わず、GOF単位の時間方向ウェーブレット変換(一般的には周波数変換)のみを行う場合にも本発明を適用可能である。
ウェーブレット変換を説明するための原画像と座標系を示す図である。 垂直方向への順ウェーブレット変換後の係数配列を示す図である。 水平方向への順ウェーブレット変換後の係数配列を示す図である。 デコンポジションレベル1のデインターリーブした状態の係数配列を示す図である。 デコンポジションレベル2のデインターリーブした状態の係数配列を示す図である。 ミラリングの説明図である。 4タイルについてデコンポジションレベル2のインターリーブした状態の係数を示す図である。 デコンポジションレベル2において水平方向のデタイルのために補正すべきハイパス係数を示す図である。 係数補正、水平方向逆ウェーブレット変換後の係数を示す図である。 デコンポジションレベル2において垂直方向のデタイルのために補正すべきハイパス係数を示す図である。 係数補正、垂直方向逆ウェーブレット変換後の係数(デインターリーブ状態を示す図である。 インターリーブしたデコンポジションレベル1の係数を示す図である。 デコンポジションレベル1において水平方向デタイルのために補正すべき係数を示す図である。 デコンポジションレベル1において垂直方向デタイルのために補正すべき係数を示す図である。 本発明の実施形態に係る画像処理装置のブロック図である。 実施形態1における圧縮処理時の3次元ウェーブレット変換・逆変換部の機能的構成を示すブロック図である。 動画像のフレームデータとGOFを示す模式図である。 フレーム内2次元順ウェーブレット変換後のフレーム構成を示す模式図である。 実施形態1におけるGOF単位の時間方向順ウェーブレット変換を示す模式図である。 実施形態1における順ウェーブレット変換の処理フローを示すフローチャートである。 実施形態1における伸長処理時の3次元ウェーブレット変換・逆変換部の機能的構成を示すブロック図である。 実施形態1,2に係る実施例1における係数補正と時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローを示すフローチャートである。 実施形態1,2におけるフレーム内2次元順ウェーブレット変換の処理フローを示すフローチャートである。 実施形態1におけるデコンポジションレベル2の係数補正と時間方向逆ウェーブレット変換の説明のための模式図である。 実施形態1におけるデコンポジションレベル1の係数補正と時間方向逆ウェーブレット変換の説明のための模式図である。 デコンポジションレベル2における係数補正式を示す図である。 デコンポジションレベル1における係数補正式を示す図である。 実施形態1,2に係る実施例2における係数補正と時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローを示すフローチャートである。 クリッピングの説明図である。 クリッピングの説明図である。 クリッピングの説明図である。 実施形態1,2に係る実施例3における係数補正と時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローを示すフローチャートである。 実施形態1,2に係る実施例4における係数補正と時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローを示すフローチャートである。 実施形態1,2に係る実施例5における係数補正と時間方向逆ウェーブレット変換の処理フローを示すフローチャートである。 利用者によるGOF境界歪み抑制の有無を指定する方法を説明するための図である。 実施形態2における圧縮処理時の3次元ウェーブレット変換・逆変換部の機能的構成を示すブロック図である。 実施形態2における順ウェーブレット変換の処理フローを示すフローチャートである。 実施形態2におけるGOF単位の時間方向順ウェーブレット変換を示す模式図である。 実施形態2における伸長処理時の3次元ウェーブレット変換・逆変換部の機能的構成を示すブロック図である。 実施形態2におけるデコンポジションレベル2の係数補正と時間方向逆ウェーブレット変換の説明のための模式図である。 実施形態2におけるデコンポジションレベル2の係数補正と時間方向逆ウェーブレット変換の説明のための模式図である。 デコンポジションレベル2における係数補正式を示す図である。 デコンポジションレベル1における係数補正式を示す図である。 本発明に係る画像処理装置の実現に利用し得るコンピュータの構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1 色変換・逆色変換部
2 3次元ウェーブレット変換・逆変換部
3 係数補正手段
4 量子化・逆量子化部
5 エントロピー符号化・復号化部
6 符号形成・タグ処理部
21 フレーム内2次元順ウェーブレット変換手段
22 時間方向順ウェーブレット変換手段
31 時間方向逆ウェーブレット変換手段
32 フレーム内2次元逆ウェーブレット変換手段

Claims (17)

  1. 動画像のフレームの集まり(以下、GOF)毎に時間方向に周波数変換することにより生成された周波数係数に対し時間方向の逆周波数変換を行う逆周波数変換手段、
    前記逆周波数変換手段により逆周波数変換される周波数係数中のGOF境界近傍の高周波係数に対し、その逆周波数変換に先だって、GOF境界歪みを抑制するための補正を施す係数補正手段、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 動画像のフレームの集まり(以下、GOF)毎に時間方向に階層的に周波数変換することにより生成された周波数係数に対し、時間方向の逆周波数変換を行う逆周波数変換手段、
    前記逆周波数変換手段により逆周波数変換される特定階層以下の周波数係数中のGOF境界近傍の高周波係数に対し、その逆周波数変換に先だって、GOF境界歪みを抑制するための補正を施す係数補正手段、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記係数補正手段による高周波係数の補正は、量子化ステップ数が所定値より小さい場合にのみ施されることを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
  4. 前記係数補正手段による高周波係数の補正は、利用者によりGOF境界歪み抑制が指定された場合にのみ施されることを特徴とする請求項1,2又は3記載の画像処理装置。
  5. 前記係数補正手段は補正した高周波数係数のクリッピング処理を行うことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の画像処理装置。
  6. 前記周波数変換はウェーブレット変換であり、前記逆周波数変換は逆ウェーブレット変換であることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の画像処理装置。
  7. 動画像のフレームの集まり(以下、GOF)毎に時間方向に周波数変換することにより生成された周波数係数に対し、時間方向の逆周波数変換を行う逆周波数変換工程、
    前記逆周波数変換工程により逆周波数変換される周波数係数中のGOF境界近傍の高周波係数に対し、その逆周波数変換に先だって、GOF境界歪みを抑制するための補正を施す係数補正工程、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  8. 動画像のフレームの集まり(以下、GOF)毎に時間方向に階層的に周波数変換することにより生成された周波数係数に対し、時間方向の逆周波数変換を行う逆周波数変換工程、
    前記逆周波数変換工程により逆周波数変換される特定階層以下の周波数係数中のGOF境界近傍の高周波係数に対し、その逆周波数変換に先だって、GOF境界歪みを抑制するための補正を施す係数補正工程、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  9. 前記係数補正工程による高周波係数の補正は、量子化ステップ数が所定値より小さい場合にのみ施されることを特徴とする請求項7又は8記載の画像処理方法。
  10. 前記係数補正工程による高周波係数の補正は、利用者によりGOF境界歪み抑制が指定された場合にのみ施されることを特徴とする請求項7,8又は9記載の画像処理方法。
  11. 前記係数補正工程は補正した高周波数係数のクリッピング処理を行うことを特徴とする請求項7,8,9又は10記載の画像処理方法。
  12. 動画像のフレームの集まり(以下、GOF)毎に時間方向に周波数変換することにより生成された周波数係数に対し、時間方向の逆周波数変換を行う逆周波数変換手段、
    前記逆周波数変換手段により逆周波数変換される周波数係数中のGOF境界近傍の高周波係数に対し、その逆周波数変換に先だって、GOF境界歪みを抑制するための補正を施す係数補正手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
  13. 動画像のフレームの集まり(以下、GOF)毎に時間方向に階層的に周波数変換することにより生成された周波数係数に対し、時間方向の逆周波数変換を行う逆周波数変換手段、
    前記逆周波数変換手段により逆周波数変換される特定階層以下の周波数係数中のGOF境界近傍の高周波係数に対し、その逆周波数変換に先だって、GOF境界歪みを抑制するための補正を施す係数補正手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
  14. 前記係数補正手段による高周波係数の補正は、量子化ステップ数が所定値より小さい場合にのみ施されることを特徴とする請求項12又は13記載のプログラム。
  15. 前記係数補正手段による高周波係数の補正は、利用者によりGOF境界歪み抑制が指定された場合にのみ施されることを特徴とする請求項12,13又は14記載のプログラム。
  16. 前記係数補正手段は補正した高周波数係数のクリッピング処理を行うことを特徴とする請求項12,13,14又は15記載のプログラム。
  17. 請求項12,13,14,15又は16記載のプログラムが記録された、コンピュータが読み取り可能な情報記録媒体。
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