JP4446445B2 - 符号化装置及び符号化方法 - Google Patents

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本発明は、画像の符号化に係り、特に、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理を選択可能な符号化装置及び符号化方法に関する。本発明は、そのような符号化処理機能を持つ複写機、ファクシミリ装置、プリンタなどにも応用可能であり、また、パソコン等のコンピュータ上で動作するアプリケーションプログラムやプリンタドラ
イバ等のデバイスドライバにも応用可能である。
一般に画像データの高能率符号化方式では、隣接画素との相関を利用してデータの圧縮行う。TVカメラ出力等のインターレース画像を符号化する場合は、奇数・偶数フィールドの画像をフレーム画像へ変換して垂直方向の画素相関を強くしてから符号化する方が圧縮効率が高くなる。このような符号化方法をフレームベース符号化といい、これに対し、各フィールド画像をそのまま符号化する方法をフィールドベース符号化という(図1参照)。
しかし、インターレース動画像の場合、フレームベース符号化は必ずしも適切ではない。例えば、図2の(a)と(b)に示すように、画像内の物体がフィールド1とフィールド2の間で移動した場合、それらフィールドから合成したフレーム画像は図2(c)のようになり、移動した物体のエッジがライン単位の櫛歯状(櫛形)になり、垂直方向の隣接画素の相関が極端に低下するため、フレームベース符号化では圧縮しにくくなり、むしろ、フィールドベース符号化の方が圧縮しやすい。しかしながら、画像は動きのある部分だけではないため、フィールドベース符号化で全体的な符号化効率が常に向上するとも限らない。
そこで、インターレース動画像の動きの大きい部分はフィールドベース符号化を行い、動きの小さい部分はフレームベース符号化を行うという方法が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
特開2002-64830号公報 特許第2507199号公報
フィールドベース符号化とフレームベース符号化については、上に述べたような符号化特性の違いに着目した技術は提案されているが、これまで見逃されていた技術的課題がある。この技術的課題とは、以下に具体的に述べるように、フィールドベース符号化とフレームベース符号化とでは画質上の特性が大きく異なるということである。
一般に変換符号化と呼ばれる信号の符号化は、
原信号のサブバンドへの周波数変換→サブバンドを構成する「周波数領域の係数」
の量子化→量子化後の係数のエントロピー符号化
という手順をとる。
ここで、サブバンドとは周波数帯域ごとに分類された「周波数領域の係数」の集合である。「周波数領域の係数(以下、周波数係数と呼ぶ)」とは、周波数変換としてDCTが用いられるときはDCT係数であり、周波数変換としてウェーブレット変換が用いられるときはウェーブレット係数である。
さて、周波数変換の基底長(DCTであれば変換をかけるブロックの水平方向と垂直方向の画素数、ウェーブレット変換であればハイパス係数とローパス係数を得るためのフィルタのタップ長)と、復号画像の画質は密接な関係を有する。
すなわち、基底長がxであるということは、範囲xの画素を基に低周波数係数や高周波係数が算出されることを意味し、復号時には、1つの周波数係数がx個の画素に対して影響を及ぼすことを意味する。一般に変換符号化においては、視覚的に影響の少ない高周波の係数を量子化して圧縮率を上げるのが通常であり、復号時には、主に量子化されなかった低周波の係数を基に画像が復号されると考えてよい。したがって、通常、基底長xの低周波係数を基に復号された画像と、その倍の基底長2xの低周波係数を基に復号された画像とでは、前者よりも後者の方が、より平滑度の高い復号画像となる。復号時に、後者の1つの低周波係数は前者の係数の2倍の範囲の画素値に影響を及ぼすが、これは逆周波数変換時に1つの係数値の影響が局所化せず普遍化することを意味し、結果的に平滑化の効果を生じさせるからである。
ここで、インターレース画像はインターレース表示の対象となる画像を意味するため、それをフレームベース符号化した画像も、その半分の高さのサイズでフィールドベース符号化した画像も、ともに表示される場合には同じ大きさでインターレース表示されることに注意が必要である。つまり、フィールドベースの個々の(=奇・偶フィールドの)符号は、垂直方向に各々2倍に引きのばされて(実際には走査線の間が空く)表示されるのであり、これは視覚的に、個々の符号の周波数変換の基底長が走査線と垂直な方向に倍になったような効果を生じる。1つの係数が影響を及ぼす画素値の範囲が表示画面上で2倍になるからである。その結果、フィールドベース符号化では、より平滑度の高い復号画像になってしまい、これは主観上好ましくないことがある。
しかし、従来、上に述べたようなフィールドベース符号化とフレームベース符号化との画質上の違いを考慮した符号化装置及び符号化方法は見られない。
よって、本発明の目的は、フィールドベース符号化とフレームベース符号化との画質上の特性の違いを考慮し、フィールドベース符号化時の過度な平滑化を抑えることができ、さらにはフィールドベース符号化とフレームベース符号化の復号画質に統一性を持たせることができる、新規な符号化装置及び符号化方法を提供することにある。
本発明よれば、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理(ノンインターレース静止画の符号化処理を含む。以下同様)を選択可能な符号化装置又は符号化方法において、フィールドベース/フレームベースの符号化処理の選択に応じて、少なくとも副走査方向の平滑度が制御される。この平滑度の制御は、周波数変換の基底長の制御、再帰的な周波数変換の実行回数の制御、再帰的な周波数変換の実行回数と周波数変換の基底長とで決まる実効的な基底長(後述)の制御、量子化の度合の制御、又は、それらの組み合わせによって行うことができる。ここでの量子化には、周波数係数の線形量子化、周波数係数又は符号のトランケーションによる量子化、線形量子化とトランケーションによる量子化の組み合わせが含まれる。
例えば、次に述べる符号化装置は、周波数変換の基底長の制御によってフィールドベース符号化処理における過度の平滑化を避けるものである。
すなわち画像データに対し、周波数変換を含む符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理手段と、
前記周波数変換の少なくとも副走査方向についての基底長を、前記符号化処理手段における符号化処理の選択に応じて制御する平滑度制御手段とを有し、
前記平滑度制御手段は、前記符号化処理手段においてフィールドベースの符号化処理が選択された場合に、前記周波数変換の少なくとも副走査方向についての基底長として、選択可能な基底長の組の中の最長の基底長以外の基底長を選択することを特徴とする符号化装置
また画像データに対し、周波数変換を含む符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理手段と、
前記周波数変換の少なくとも副走査方向についての基底長を、前記符号化処理手段における符号化処理の選択に応じて制御する平滑度制御手段とを有し、
前記平滑度制御手段は、前記符号化処理手段においてフィールドベースの符号化処理が選択された場合に、前記周波数変換の少なくとも副走査方向についての基底長として、選択可能な基底長の組の中の最短の基底長を選択することを特徴とする符号化装置
符号化処理に用いられる周波数変換には、低周波係数についての基底長と高周波係数について基底長とが同一のDCTなどと、低周波係数についての基底長と高周波係数についての基底長とが同一ではないウェーブレット変換などがある。
例えば次に述べる符号化装置は、符号化処理において低周波係数と高周波係数とで基底長の異なるウェーブレット変換のような周波数変換が用いられる場合を想定したものである。
すなわち
画像データに対し、周波数変換を含む符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理手段と、
前記周波数変換の少なくとも副走査方向についての基底長を、前記符号化処理手段における符号化処理の選択に応じて制御する平滑度制御手段とを有し、
前記周波数変換は、低周波係数を得るための基底長と高周波係数を得るための基底長とが異なる周波数変換であり、
前記周波数変換の少なくとも低周波係数を得るための基底長が前記平滑度制御手段により制御されることを特徴とする符号化装置
JPEG2000においては、5×3変換、9×7変換と呼ばれる2つのウェーブレット変換が使用可能である。5×3ウェーブレット変換は、5画素を用いて1つのローパスフィルタの出力(ローパス係数)が得られ、3画素を用いて1つのハイパスフィルタの出力(ハイパス係数)が得られる変換である。9×7ウェーブレット変換は、9画素を用いて1つのローパスフィルタの出力(ローパス係数)が得られ、7画素を用いて1つのハイパスフィルタの出力(ハイパス係数)が得られる変換である。両者の主な違いはフィルタのタップ長の違いであり、しかも前者のタップ長は後者の約半分である。
以上に鑑み、請求項1の発明は、
画像データに対し、JPEG2000に準拠した符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理手段と、
前記符号化処理手段においてフィールドベースの符号化処理が選択された場合には該符号化処理における周波数変換として5×3ウェーブレット変換を選択し、フレームベースの符号化処理が選択された場合には該符号化処理における周波数変換として9×7ウェーブレット変換を選択する制御を行う平滑度制御手段とを有することを特徴とする符号化装置である。
請求項4の発明は、
画像データに対し、JPEG2000に準拠した符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理工程と、
前記符号化処理工程においてフィールドベースの符号化処理が選択された場合に該符号化処理における周波数変換として5×3ウェーブレット変換を選択し、フレームベースの符号化処理が選択された場合に該符号化処理における周波数変換として9×7ウェーブレット変換を選択する制御を行う平滑度制御工程とを有することを特徴とする符号化方法である。
符号化方式によっては、周波数変換が低周波係数について再帰的に繰り返される。このような再帰的な周波数変換の典型例が、JPEG2000におけるウェーブレット変換のオクターブ分割である。このオクターブ分割は、実効的にローパスフィルタのタップ長(ローパス係数を得るための基底長)を長くしたと同様な効果を生じる。したがって、再帰的な周波数変換では、その実行回数が増えるほど平滑化が強まる。このことに鑑み、請求項2及び5の発明は、再帰的な周波数変換の実行回数を制御することによりフィールドベース符号化処理における過度の平滑化を避けようとするものである。
すなわち、請求項2の発明は、請求項1に記載の符号化装置において、前記平滑度制御手段は、フィールドベースの符号化処理が選択された場合における再帰的なウェーブレット変換の実行回数を、フレームベースの符号化処理が選択された場合における再帰的なウェーブレット変換の実行回数より少なくする制御を行うことを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項4に記載の符号化方法において、前記平滑度制御工程は、フィールドベースの符号化処理が選択された場合における再帰的なウェーブレット変換の実行回数を、フレームベースの符号化処理が選択された場合における再帰的なウェーブレット変換の実行回数より少なくする制御を行うことを特徴とするものである。
また、フィールドベース符号化処理とフレームベース符号化処理とで復号画質に統一性を持たせるため、請求項3及び5の発明は、フィールドベースの符号化処理が選択された場合における再帰的なウェーブレット変換の実行回数を、フレームベースの符号化処理が選択された場合における再帰的なウェーブレット変換の実行回数より1回少なくする制御を行う。
同様な再帰的な周波数変換の実行回数の制御を行う符号化装置の他の例を次に示す。すなわち、
画像データに対し、再帰的な周波数変換を含む符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理手段と、
少なくとも副走査方向についての前記再帰的な周波数変換の実行回数を、前記符号化処理手段における符号化処理の選択に応じて制御する平滑度制御手段とを有することを特徴とする符号化装置。
画像データに対し、再帰的な周波数変換を含む符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理手段と、
前記符号化処理手段においてフィールドベースの符号化処理が選択された場合に、少なくとも副走査方向についての前記再帰的な周波数変換の実行回数を、フレームベースの符号化処理が選択された場合における副走査方向についての前記再帰的な周波数変換の実行回数より少なくする制御を行う平滑度制御手段とを有することを特徴とする符号化装置。
画像データに対し、再帰的な周波数変換を含む符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理手段と、
前記符号化処理手段においてフィールドベースの符号化処理が選択された場合に少なくとも副走査方向についての前記再帰的な周波数変換の実行回数を、フレームベースの符号化処理が選択された場合における副走査方向についての前記再帰的な周波数変換の実行回数より1回少なくする制御を行う平滑度制御手段とを有することを特徴とする符号化装置。
さて、再帰的な周波数変換が復号画像に及ぼす実効的な基底長は,最も周波数の低い係数について、概ね、{周波数変換自体の基底長×(2の変換回数乗)}で与えられ、この実効的な基底長が復号画像の平滑度を左右する。なお、ここでは、周波数変換の都度、周波数係数の数が1/2にサブサンプリングされるクリティカルサンプリングの場合を仮定している。次に示す符号化装置は、このような実効的な基底長の制御によりフィールドベース符号化処理の過度な平滑化を避けようとするものである。
すなわち
画像データに対し、再帰的な周波数変換を含む符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理手段と、
少なくとも副走査方向についての前記再帰的な周波数変換の実行回数と周波数変換の基底長とで決まる実効的な基底長を、前記符号化処理手段における符号化処理の選択に応じて制御する平滑度制御手段とを有することを特徴とする符号化装置
画像データに対し、再帰的な周波数変換を含む符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理手段と、
少なくとも副走査方向についての前記再帰的な周波数変換の実行回数と周波数変換の基底長とで決まる実効的な基底長を、前記符号化処理手段における符号化処理の選択に応じて制御する平滑度制御手段とを有することを特徴とする符号化装置において、前記平滑度制御手段は、前記符号化処理手段においてフィールドベースの符号化処理が選択された場合に、少なくとも副走査方向についての前記実効的な基底長を、フレームベースの符号化処理が選択された場合における副走査方向についての前記実効的な基底長より短くすることを特徴とする符号化装置
画像データに対し、再帰的な周波数変換を含む符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理手段と、
少なくとも副走査方向についての前記再帰的な周波数変換の実行回数と周波数変換の基底長とで決まる実効的な基底長を、前記符号化処理手段における符号化処理の選択に応じて制御する平滑度制御手段とを有することを特徴とする符号化装置において、前記平滑度制御手段は、前記符号化処理手段においてフィールドベースの符号化処理が選択された場合に、少なくとも副走査方向についての前記実効的な基底長を、フレームベースの符号化処理が選択された場合における副走査方向についての前記実効的な基底長の略2分の1にすることを特徴とする符号化装置
フィールドベース符号化処理における平滑化を抑えるには、主走査方向に延びるエッジの鮮鋭度を保つことが有効である。このことに鑑み主走査方向のエッジ量を反映する周波数係数に対する量子化の度合を制御することにより、フィールドベース符号化処理における過度の平滑化を避ける符号化装置の例を次に示す。
すなわち
画像データに対し、周波数変換を含む符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理手段と、
前記符号化処理手段による符号化処理における少なくとも主走査方向のエッジ量を反映する周波数係数に対する量子化の度合を、前記符号化処理手段における符号化処理の選択に応じて制御する平滑度制御手段とを有することを特徴とする符号化装置
画像データに対し、周波数変換を含む符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理手段と、
前記符号化処理手段による符号化処理における少なくとも主走査方向のエッジ量を反映する周波数係数に対する量子化の度合を、前記符号化処理手段における符号化処理の選択に応じて制御する平滑度制御手段とを有することを特徴とする符号化装置において、
前記平滑度合制御手段は、フィールドベースの符号化処理が選択された場合に、少なくとも主走査方向のエッジ量を反映する周波数係数に対する量子化の度合を、フレームベースの符号化処理が選択された場合における主走査方向のエッジ量を反映する周波数係数に対する量子化の度合より軽減することを特徴とする符号化装置
ここで、JPEG2000を例にすると、主走査方向のエッジ量を反映する周波数係数とはLH係数である。また、その量子化とは、LH係数に対する線形量子化、係数又は符号のトランケーションによる量子化、線形量子化とトランケーションによる量子化の組み合わせ、のいずれも含むものである。
以上に述べたように、請求項1乃至6の発明によれば、周波数変換の基底長、再帰的な周波数変換の実行回数制御により、フィールドベース符号化処理における過度の平滑化を避けて復号画像の平滑度の適切な制御が可能になる。さらに、請求項3,6の発明によれば、フィールドベース符号化処理とフレームベースの符号化処理との復号画質に統一性を持たせることができる等の効果を得られる。
図3は本発明の実施の形態を説明するためのブロック図である。ここに示す符号化装置100は、符号化処理手段101と平滑度制御手段102から構成される。符号化処理手段101は、入力画像データ103に対する符号化処理を行って符号化データ104を出力するものであるが、インターレース画像に対してはフィールドベース符号化処理とフレームベース符号化処理を選択することができる。なお、ノンインターレース静止画像に対する符号化処理も可能であるが、これは常にフレームベース符号化処理となる。したがって、フレームベース符号化処理にはノンインターレース静止画像の符号化処理も包含される。符号化処理手段101は、入力されるフィールドベース/フレームベース指定105に従ってフィールドベース符号化処理又はフレームベース符号化処理を選択する。フィールドベース/フレームベース指定105は、ユーザにより明示的に設定され場合と、特許文献2に述べられているような画像の動き等に基づく方法によって自動設定される場合とがあり得るが、この設定方法は本発明の要旨ではないためこれ以上の説明は割愛する。
平滑度制御手段102は、符号化処理手段101でフィールドベース符号化処理とフレームベース符号化処理のいずれが選択されたかに応じて、平滑度制御のために、符号化処理における周波数変換の基底長、再帰的な周波数変換の実行回数、周波数変換の実効的な基底長、主走査方向のエッジ量を反映する周波数係数に対する量子化の度合のいずれか1又は2以上を制御する。
符号化処理手段101及び平滑度制御手段102は、ハードウェアで実現することもできるが、コンピュータを利用しプログラムにより実現することも可能である。後者の実現形態について図4により簡単に説明する。
図4において、201はCPU(中央演算処理装置)、202はメインメモリ、203はHDD(ハードディスク装置)であり、これらはバス204に接続されている。このようなコンピュータを、符号化処理手段101及び平滑度制御手段102として機能させるためのプログラム(アプリケーションプログラム又はデバイスドライバ)やオペレーティングシステムはHDD203に格納されており、必要に応じてメインメモリ202に読み込まれる。フィールドベース/フレームベース指定105は例えばユーザにより設定されるが、そのためのユーザ・インターフェース手段は図4中省略されている。
処理の流れは次の通りである。例えば、インターレース動画像の画像データがHDD203に格納されているが、その1フレームの画像データがCPU201からの命令によってメインメモリ202のある領域に読み込まれる(1)。CPU201は、メインメモリ202上の画像データを読み込み、それに対し、フィールドベース符号化処理又はフレームベース符号化処理を行うが、その際、選択された符号化処理に応じて周波数変換の基底長などの制御を行う(2)。CPU201は、符号化処理により生成された符号化データをメインメモリ202の別の領域に書き込む(3)。1フレーム分の符号化データが生成されてメインメモリ202に蓄積されると、この符号化データはCPU201からの命令によりHDD203へ書き出される(4)。このような処理がフレーム数だけ繰り返される。
ここで、JPEG2000の概要を説明する。図5は、JPEG2000の圧縮・伸張処理の基本的な流れを示したブロック図である。
圧縮処理(符号化処理)時には、例えばRGB3コンポ−ネントからなる画像データは、タイルと呼ばれる重複しない矩形領域毎に、ブロック1でDCレベルシフトと輝度・色差コンポーネントへの色変換が行われ、次にブロック2で、2次元のウェーブレット変換が行われる。生成されたウェーブレット係数は、ブロック3で必要に応じてサブバンド毎に線形量子化を行われた後、ブロック4でビットプレーンを単位としたMQ符号化と呼ばれるエントロピー符号化がなされる(正確にはビットプレーンは3つのサブビットプレーンに細分化されて符号化される)。生成された符号について、ブロック5で、不要な符号がトランケートされ、必要な符号がまとめられてパケットが生成される。次にブロック6で、パケットが所定の順番で並べられるとともに必要なタグ及びタグ情報が付加されることにより、所定フォーマットのコードストリーム(符号化データ)が形成される。
伸張(復号化)処理は、圧縮処理と丁度逆の処理であり、各タイルの各コンポーネントの符号のエントロピー復号が行われ、復元されたウェーブレット係数は逆量子化を経てから逆ウェーブレット変換を施され、逆色変換及び逆DCレベルシフトによってRGBの画素値に戻される。
なお、JPEG2000のDCレベルシフトの変換式と逆変換式は次の通りである。
I(x,y) ← I(x,y)−2^Ssiz(i) 順変換
I(x,y) ← I(x,y)+2^Ssiz(i) 逆変換
ただし、Ssiz(i)は原画像の各コンポーネントi(RGB画像ならi=0,1,2)のビット深さである。また、2^Ssiz(i)は2のSsiz(i)乗を意味する。
このDCレベルシフトは、RGB信号値のような正の数である場合に、順変換では各信号値から信号のダイナミックレンジの半分を減算するレベルシフトを、逆変換では各信号値に信号のダイナミックレンジの半分を加算するレベルシフトを行うものである。ただし、このレベルシフトはYCbCr信号のCb,Cr信号のような符号付き整数には適用されない。
また、JPEG2000では、コンポ−ネント変換(色変換)として可逆変換(RCT)と非可逆変換(ICT)が定義されている。
RCTの順変換と逆変換は次式で表される。
順変換
Y0(x,y)=floor((I0(x,y)+2*(I1(x,y)+I2(x,y))/4)
Y1(x,y)=I2(x,y)-I1(x,y)
Y2(x,y)=I0(x,y)-I1(x,y)
逆変換
I1(x,y)=Y0(x,y)-floor((Y2(x,y)+Y1(x,y))/4)
I0(x,y)=Y2(x,y)+I1(x,y)
I2(x,y)=Y1(x,y)+I1(x,y)
式中のIは原信号、Yは変換後の信号を示す。RGB信号ならばI信号において0=R,1=G,2=B、Y信号において0=Y,1=Cb,2=Crと表される。floor(X)は実数Xを、Xを越えず、かつ、Xに最も近い整数に置換する関数である。
ICTの順変換と逆変換は次式で表される。
順変換
Y0(x,y)=0.299*I0(x,y)+0.587*I1(x,y)+0.144*I2(x,y)
Y1(x,y)=-0.16875*I0(x,y)-0.33126*I1(x,y)+0.5*I2(x,y)
Y2(x,y)=0.5*I0(x,y)-0.41869*I1(x,y)-0.08131*I2(x,y)
逆変換
I0(x,y)=Y0(x,y)+1.402*Y2(x,y)
I1(x,y)=Y0(x,y)-0.34413*Y1(x,y)-0.71414*Y2(x,y)
I2(x,y)=Y0(x,y)+1.772*Y1(x,y)
式中のIは原信号、Yは変換後の信号を示す。RGB信号ならばI信号において0=R,1=G,2=B、Y信号において0=Y,1=Cb,2=Crと表される。
さて、JPEG2000においては、量子化とエントロピー符号化は緊密な関係にあり、量子化後に符号化する構成も、符号化後に符号を破棄する構成(あるいは必要なビットプレーン部分のみ符号化を行う構成)も存在する。線形量子化による量子化の場合は、ウェーブレット係数に公知の線形量子化を施し、量子化後の係数で構成されるビットプレーンをエントロピー符号化する。一方、線形量子化をしない場合には、不要なビットプレーンの符号を破棄するか、必要なビットプレーンまでを符号化する(本明細書では、その両方をまとめてトランケーションと呼ぶ)構成となる。なお、5×3ウェーブレット変換を使用する場合は、線形量子化は適用できず、トランケーションのみを行う仕様となっている。
前述のように、JPEG2000では可逆の5×3ウェーブレット変換と非可逆の9×7ウェーブレット変換が採用される。5×3ウェーブレット変換とは、5画素を用いて1つのローパスフィルタの出力(ローパス係数)が得られ、3画素を用いて1つのハイパスフィルタの出力(ハイパス係数)が得られる変換である。9×7ウェーブレット変換とは、9画素を用いて1つのローパスフィルタの出力(ローパス係数)が得られ、7画素を用いて1つのハイパスフィルタの出力(ハイパス係数)が得られる変換である。主な違いはフィルタの範囲の違いであり、偶数位置中心にローパスフィルタ、奇数位置中心にハイパスフィルタが施されるのは同様である。
5×3ウェーブレット変換の変換式は次の通りである。
(順変換)
[step1] C(2i+1)=P(2i+1)−floor((P(2i)+P(2i+2))/2)
[step2] C(2i)=P(2i)+floor(((C(2i-1)+C(2i+1)+2)/4)
(逆変換)
[step1] P(2i)=C(2i)−floor((C(2i-1)+C(2i+1)+2)/4)
[step2] P(2i+1)=C(2i+1)+floor((P(2i)+P(2i+2))/2)
9×7ウェーブレット変換の変換式は次のとおりである。
(順変換)
[step1] C(2n+1)=P(2n+1)+α*(P(2n)+P(2n+2))
[step2] C(2n)=P(2n)+β*(C(2n-1)+C(2n+1))
[step3] C(2n+1)=C(2n+1)+γ*(C(2n)+C(2n+2))
[step4] C(2n)=C(2n)+δ*(C(2n-1)+C(2n+1))
[step5] C(2n+1)=K*C(2n+1)
[step6] C(2n)=(1/K)*C(2n)
(逆変換)
[step1] P(2n)=K*C(2n)
[step2] P(2n+1)=(1/K)*C(2n+1)
[step3] P(2n)=X(2n)-δ*(P(2n-1)+P(2n+1))
[step4] P(2n+1)=P(2n+1)-γ*(P(2n)+P(2n+2))
[step5] P(2n)=P(2n)-β*(P(2n-1)+P(2n+2))
[step6] P(2n)=P(2n+1)-α*(P(2n)+P(2n+2))
ただし、 α=-1.586134342059924
β=-0.052980118572961
γ=0.882911075530934
δ=0.443506852043971
K=1.230174104914001
次に,ウェーブレット変換の手順と、デコンポジションレベル、解像度レベル、サブバンドについて説明する。
図6〜図9は、16×16画素のモノクロの画像に対して5x3ウェーブレット変換を2次元(垂直方向及び水平方向)に施す過程の例を示したものである。
図6のようにXY座標をとり、あるxについてY座標がyである画素の画素値をP(y)(0≦y≦15)と表す。JPEG2000では、まず垂直方向(Y座標方向)にY座標が奇数(y=2i+1)の画素を中心にハイパスフィルタを施して係数C(2i+1)を得る。次に、Y座標が偶数(y=2i)の画素を中心にローパスフィルタを施して係数C(2i)を得る。これを全てのxについて行う。前記5×3ウェーブレット変換の順変換式中の[step1]の式がハイパスフィルタを表し、[step2]の式がローパスフィルタを表す。なお、画像の端部においては、中心となる画素に対して隣接画素が存在しないことがあり、この場合は所定ルールによって適宜画素値を補うことになる。
簡単のため、ハイパスフィルタで得られる係数をH、ローパスフィルタで得られる係数
をLと表記すれば、前記垂直方向の変換によって図6の画像は図7のようなL係数とH係
数の配列へと変換される。
続いて、図7の係数配列に対して、水平方向に、X座標が奇数(x=2i+1)の係数を中心にハイパスフィルタを施し、次にX座標が偶数(x=2i)の係数を中心にローパスフィルタを施す。これを全てのyについて行う。この場合、各フィルタの式中のP(2i)等は係数値を表すものと読み替える。
簡単のため、
前記L係数を中心にローパスフィルタを施して得られる係数をLL、
前記L係数を中心にハイパスフィルタを施して得られる係数をHL、
前記H係数を中心にローパスフィルタを施して得られる係数をLH、
前記H係数を中心にハイパスフィルタを施して得られる係数をHH、
と表記すれば、図7の係数配列は図8の様な係数配列へと変換される。ここで、同一の記号を付した係数群はサブバンドと呼ばれる。したがって、図8は4つのサブバンドで構成されている。
以上で1回のウェーブレット変換(1回のデコンポジション(分解))が終了し,上記LL係数だけを集めると(図9の様にサブバンド毎に集め、LLサブバンドだけ取り出すと)、ちょうど原画像の1/2の解像度の”画像”が得られる(このように、サブバンド毎に係数を分類することをデインターリーブと呼び、図8のような状態に係数を配置することをインターリーブと呼ぶ)。
2回目のウェーブレット変換は、LLサブバンドを原画像と見なして、上記と同様の変換を行えばよい。その結果の並べ替え(デインターリーブ)を行うと図10のように表すことができる。なお、図9及び図10における係数の接頭の1や2は、それが何回のウェーブレット変換で得られたかを示しており、デコンポジションレベルと呼ばれる。なお、1次元のみのウェーブレット変換をしたい場合には、水平方向又は垂直方向だけの処理を行えばよい。
ウェーブレット逆変換は、図8の様なインターリーブされた係数の配列に対して、まず水平方向に、X座標が偶数(x=2i)の係数を中心に逆ローパスフィルタを施し、次にX座標が奇数(x=2i+1)の係数を中心に逆ハイパスフィルタを施す(これを全てのyについて行う)。ここで、逆ローパスフィルタと逆ハイパスフィルタはそれぞれ前記5×3ウェーブレット変換の逆変換式中の[step1]の式と[step2]の式で表される。画像の端部においては、中心となる係数に対して隣接係数が存在しないことがあり、この場合は所定ルールによって適宜係数値を補う。
以上の処理により、図8の係数配列は図7のような係数配列に変換(逆変換)される。続いて、垂直方向に、Y座標が偶数(y=2i)の係数を中心に逆ローパスフィルタを施し、次にY座標が奇数(y=2i+1)の係数を中心に逆ハイパスフィルタを施せば(これを全てのxについて行う)、1回のウェーブレット逆変換が終了し、図6の画像に戻る(再構成される)。なお、ウェーブレット変換が複数回施されている場合は、図6をLLサブバンドとみなし、他のサブバンドの係数を利用して同様の逆変換を繰り返せばよい。
以下、本実施形態に係る符号化装置100のいくつかの実施例について説明する。なお、以下の各実施例に関する動作の説明は、本発明に係る符号化方法の処理手順の説明でもあることは明らかである。
図11は、本実施例における符号化装置100の動作を説明するためのフローチャートである。
符号化処理手段101ではフィールドベース/フレームベース指定105に従ってフィールドベースの符号化処理又はフレームベースの符号化処理が選択される。平滑度制御手段102は、その選択に応じて、平滑度制御のために周波数変換の基底長の制御などを行う。すなわち、フレームベース符号化処理が選択された時には(ステップ300,No)、基底長の長い9×7ウェーブレット変換を選択し、再帰的な周波数変換(ここではウェーブレット変換)の実行回数であるデコンポジションレベル数を例えば3に選び、また、図12に示す量子化ステップ数を選ぶ(ステップ301)。一方、フィールドベースの符号化処理が選択された時には(ステップ300,Yes)、9×7ウェーブレット変換に比べ略1/2の基底長の5×3ウェーブレット変換を選択し、また、デコンポジションレベル数をフレームベース時より1つ少ない例えば2に選ぶ(ステップ305)。
したがって、フレームベース符号化処理が選択された時には、符号化処理手段101で、DCレベルシフトと色変換(ICT)の処理が行われ(ステップ302)、デコンポジションレベル数=3の9×7ウェーブレット変換の処理が行われ(ステップ303)、図12に示す量子化ステップ数を用いたウェーブレット係数の線形量子化が行われ(ステップ304)、ウェーブレット係数の全ビットプレーンのMQ符号化が行われ(ステップ308)、最後に符号形成の処理が行われる(ステップ309)、という処理フローとなる。
一方、フィールドベース符号化処理が選択された時には、符号化処理手段101で、DCレベルシフトと色変換(RCT)の処理が行われ(ステップ305)、デコンポジションレベル数=2の5×3ウェーブレット変換の処理が行われ(ステップ306)、ウェーブレット係数の全ビットプレーンのMQ符号化が行われ(ステップ308)、最後に符号形成の処理が行われる(ステップ309)、という処理フローとなる。本実施例では、フィールドベース符号化処理時に係数のトランケーションも符号のトランケーションも行われない。
以上の平滑度制御によって、フィールドベース符号化処理時の過度な平滑化が抑えられ、また、フレームベース符号化時との復号画質の統一性を持たせることができる。
本実施例では、上に述べたように、フレームベース符号化処理とフィールドベース符号化処理のいずれが選択されたかに応じて、基底長の異なる9×7ウェーブレット変換又は5×3ウェーブレット変換が選択され、フィールドベース符号化処理時には、フレームベース符号化処理時に選択される9×7ウェーブレット変換に比べ基底長が略1/2の5×3ウェーブレット変換が選択される。よって、本実施例は請求項1,4に係る各発明の一実施例である。また、フレームベース符号化処理時にはデコンポジションレベル数は3に選ばれるのに対し、フィールドベース符号化処理時にはデコンポジションレベル数は1つ少ない2に選ばれる。よって、本実施例は、請求項2,3,5,6に係る各発明の一実施例でもある。
本実施形態に係る符号化処理手段101はJPEG2000の符号化方式を用いるが、別の実施形態によれば、周波数変換としてDCTを用い、DCT係数をハフマン符号化するような符号化方式が用いられる。そして、例えば、フレームベース符号化処理時のDCTのブロックサイズは16×16画素とされ、フィールドベース符号化処理時のブロックサイズは半分の8×8画素とされる。
図13は、本実施例における符号化装置100の動作を説明するためのフローチャートである。
符号化処理手段101では、フィールドベース/フレームベース指定105に従ってフィールドベースの符号化処理又はフレームベースの符号化処理が選択される。平滑度制御手段102は、その選択に応じて、平滑度制御のために再帰的な周波数変換の実行回数の制御などを行う。すなわち、フレームベース符号化処理が選択された時には(ステップ400,No)、9×7ウェーブレット変換を選択し、再帰的な周波数変換の実行回数であるデコンポジションレベル数を例えば3に選び、また、図12に示す量子化ステップ数を選ぶ(ステップ401)。一方、フィールドベースの符号化処理が選択された時には(ステップ400,Yes)、同じく9×7ウェーブレット変換を選択するが、デコンポジションレベル数はフレームベースの符号化処理時より1つ少ない2に選ぶ(ステップ404)。
したがって、フレームベース符号化処理が選択された時には、符号化処理手段101で、DCレベルシフトと色変換(ICT)の処理が行われ(ステップ402)、デコンポジションレベル数=3の9×7ウェーブレット変換の処理が行われ(ステップ403)、図12に示す量子化ステップ数を用いたウェーブレット係数の線形量子化が行われ(ステップ407)、全ビットプレーンのMQ符号化が行われ(ステップ408)、最後に符号形成の処理が行われる(ステップ409)、という処理フローとなる。
一方、フィールドベース符号化処理が選択された時には、符号化処理手段101で、DCレベルシフトと色変換(ICT)の処理が行われ(ステップ405)、デコンポジションレベル数=2の9×7ウェーブレット変換の処理が行われ(ステップ406)、図12に示す量子化ステップ数を用いたウェーブレット係数の線形量子化が行われ(ステップ407)、全ビットプレーンのMQ符号化が行われ(ステップ408)、最後に符号形成の処理が行われる(ステップ409)、という処理フローとなる。
以上の平滑度制御によって、フィールドベース符号化処理時の過度な平滑化が抑えられ、また、フレームベース符号化時との復号画質の統一性を持たせることができる。
本実施例では、上述のように、フレームベース符号化処理とフィールドベース符号化処理のいずれが選択されたかに応じて、9×7ウェーブレット変換のデコンポジションレベル数が選択され、フィールドベース符号化処理時にはフレームベース符号化処理時よりデコンポジションレベル数は1つ少ない値に選ばれる。
図14は、本実施例における符号化装置100の動作を説明するためのフローチャートである。
符号化処理手段101ではフィールドベース/フレームベース指定105に従ってフィールドベースの符号化処理かフレームベースの符号化処理が選択される。平滑度制御手段102は、その選択に応じて、平滑度制御のために量子化度合の制御を行う。すなわち、フレームベース符号化処理が選択された時には(ステップ500,No)、9×7ウェーブレット変換を選択し、再帰的な周波数変換の実行回数であるデコンポジションレベル数を例えば3に選び、また、例えば図12に示す量子化ステップ数を選ぶ(ステップ501)。一方、フィールドベースの符号化処理が選択された時には(ステップ500,Yes)、9×7ウェーブレット変換、デコンポジションレベル数3を選ぶことはフレームベース符号化処理が選択されたときと同様であるが、量子化ステップ数については、フレームベース符号化処理時とは異なる例えば図15に示すような量子化ステップ数を選ぶ(ステップ505)。
したがって、フレームベース符号化処理が選択された時には、符号化処理手段101で、DCレベルシフトと色変換(ICT)の処理が行われ(ステップ502)、デコンポジションレベル数=3の9×7ウェーブレット変換の処理が行われ(ステップ503)、図12に示す量子化ステップ数を用いたウェーブレット係数の線形量子化が行われ(ステップ504)、全ビットプレーンのMQ符号化が行われ(ステップ509)、最後に符号形成の処理が行われる(ステップ510)、という処理フローとなる。
一方、フィールドベース符号化処理が選択された時には、符号化処理手段101で、DCレベルシフトと色変換(ICT)の処理が行われ(ステップ506)、デコンポジションレベル数=3の9×7ウェーブレット変換の処理が行われ(ステップ507)、図15に示す量子化ステップ数を用いたウェーブレット変換の線形量子化が行われ(ステップ508)、全ビットプレーンのMQ符号化が行われ(ステップ509)、最後に符号形成の処理が行われる(ステップ510)、という処理フローとなる。
ここで、図12と図15を対比すると、図12においては、水平方向のエッジ量を反映するLHサブバンド係数に対する量子化ステップ数と、垂直方向のエッジ量を反映するHLサブバンド係数に対する量子化ステップ数は同一である。これに対し、図15においては、LHサブバンド係数に対する量子化ステップ数はHLサブバンド係数に対する量子化係数の半分又は略半分の値に選ばれている。したがって、フィールドベース符号化処理時には、フィールドベース符号化処理時に比べ、水平方向エッジ量を反映するLHサブバンド係数に対する量子化の度合が弱められる。このことは主走査方向に延びるエッジの鮮鋭度が保たれるということであり、結果としてフィールドベース符号化処理における過度の平滑化が抑えられる。そして、この例では、フィールドベース符号化処理時とフレームベース符号化処理時の副走査方向の復号画質に統一性を持たせることができる。
なお、LH,HLサブバンド係数に対する線形量子化ステップ数を同一とし、それぞれのサブバンドの係数又は符号のトランケーション量を制御することにより、同様の量子化度合の制御を行うことも可能であり、係る態様も本実施例に包含される。
フレームベース符号化とフィールドベース符号化の説明図である。 インターレース動画像における被写体の動きによる櫛型の発生を説明するための図である。 本発明に係る符号化装置のブロック図である。 本発明に係る符号化装置のコンピュータ上での実現を説明するためブロック図である。 JPEG2000の圧縮・伸長処理を説明するためのブロック図である。 原画像と座標系を示す図である。 図6の原画像に対し垂直方向へのウェーブレット変換を行って生成される係数の配列を示す図である。 図7の係数配列に対し水平方向へのウェーブレット変換を行って生成される係数配列を示す図である。 図8の係数群をデインターリーブした係数配列を示す図である。 2回の2次元ウェーブレット変換により生成される係数群をデインターリーブした係数配列を示す図である。 実施例1に係る符号化装置の動作を説明するためのフローチャートである。 量子化ステップ数の例を示す図である。 実施例2に係る符号化装置の動作を説明するためのフローチャートである。 実施例3に係る符号化装置の動作を説明するためのフローチャートである。 実施例3に係る符号化装置において、フィールドベース符号化処理時に使用される量子化ステップ数の例を示す図である。
101 符号化処理手段
102 平滑度制御手段

Claims (6)

  1. 画像データに対し、JPEG2000に準拠した符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理手段と、
    前記符号化処理手段においてフィールドベースの符号化処理が選択された場合には該符号化処理における周波数変換として5×3ウェーブレット変換を選択し、フレームベースの符号化処理が選択された場合には該符号化処理における周波数変換として9×7ウェーブレット変換を選択する制御を行う平滑度制御手段とを有することを特徴とする符号化装置。
  2. 前記平滑度制御手段は、フィールドベースの符号化処理が選択された場合における再帰的なウェーブレット変換の実行回数を、フレームベースの符号化処理が選択された場合における再帰的なウェーブレット変換の実行回数より少なくする制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  3. 前記平滑度制御手段は、フィールドベースの符号化処理が選択された場合における再帰的なウェーブレット変換の実行回数を、フレームベースの符号化処理が選択された場合における再帰的なウェーブレット変換の実行回数より1回少なくする制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  4. 画像データに対し、JPEG2000に準拠した符号化処理を行うものであって、フィールドベースの符号化処理とフレームベースの符号化処理の選択が可能な符号化処理工程と、
    前記符号化処理工程においてフィールドベースの符号化処理が選択された場合には該符号化処理における周波数変換として5×3ウェーブレット変換を選択し、フレームベースの符号化処理が選択された場合には該符号化処理における周波数変換として9×7ウェーブレット変換を選択する制御を行う平滑度制御工程とを有することを特徴とする符号化方法。
  5. 前記平滑度制御工程は、フィールドベースの符号化処理が選択された場合における再帰的なウェーブレット変換の実行回数を、フレームベースの符号化処理が選択された場合における再帰的なウェーブレット変換の実行回数より少なくする制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の符号化方法。
  6. 前記平滑度制御工程は、フィールドベースの符号化処理が選択された場合における再帰的なウェーブレット変換の実行回数を、フレームベースの符号化処理が選択された場合における再帰的なウェーブレット変換の実行回数より1回少なくする制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の符号化方法。
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