JP2007049164A - レーザアブレーションを使用してケミカルメカニカル研磨パッドに溝を形成する方法 - Google Patents

レーザアブレーションを使用してケミカルメカニカル研磨パッドに溝を形成する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】研磨パッドに照射される一つのビームは、溝の底部にテキスチャがほとんどなく、溝開口部の幅に対してテーパ状の幅を有するため、「V」字形の溝の総表面積は、一般的な正方形又は長方形の溝と比べ減少している。本発明は、スラリーを運ぶための増大したテキスチャ及び表面積を有し、研磨性能を改善する、改良されたケミカルメカニカルプラナリゼーションのための研磨パッドをレーザアブレーションによって形成する方法を提供する。
【解決手段】研磨パッドに溝を切削するためのレーザを用意することと、レーザからのレーザビームを分割するためのビームスプリッタを用意することとを含む。さらに、方法は、レーザからのビームを分割して多数のレーザビームを研磨パッドに提供し、多数のレーザビームは、少なくとも互いに重なり合う有効切削区域を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ケミカルメカニカルプラナリゼーション(CMP)に使用される研磨パッドに関し、特に、レーザアブレーションを使用して中に形成された溝を有する研磨パッドに関する。
集積回路及び他の電子デバイスの製作においては、導体、半導体及び絶縁材料の多数の層を半導体ウェーハの表面に付着させたり同表面から除去したりする。導体、半導体及び絶縁材料の薄い層は、多様な付着技術によって付着させることができる。最新の加工における一般的な付着技術としては、スパッタリングとも知られる物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、プラズマ増強化学蒸着法(PECVD)及び電気化学的めっき法(ECP)がある。
材料層が順次付着され、除去されるにつれ、基材の一番上の表面が至るところで非平坦になり、プラナリゼーションを要することがある。表面を平坦化する、又は表面を「研磨する」とは、ウェーハ表面から材料を除去してほぼ平らな面を形成する加工である。プラナリゼーションは、望ましくない表面トポグラフィーならびに表面欠陥、たとえば粗面、凝集した材料、結晶格子の損傷、スクラッチ及び汚染された層もしくは材料を除去するのに有用である。プラナリゼーションはまた、形体を埋めるために使用された過剰な付着材料を除去することによって基材上に形体を形成し、後続レベルのメタライゼーション及び加工のための平坦面を設ける際にも有用である。
ケミカルメカニカルプラナリゼーション、又はケミカルメカニカルポリッシング(CMP)は、半導体ウェーハのような基材を平坦化するために使用される一般的な技術である。従来のCMPでは、ウェーハキャリヤ又は研磨ヘッドがキャリヤアセンブリに取り付けられ、CMP装置中で研磨パッドと接する位置に配される。キャリヤアセンブリは、制御可能な圧力を基材に供給して、ウェーハを研磨パッドに当てながら付勢する。パッドは、外部駆動力によって基材に対して動かされる(たとえば回転させられる)。それと同時に、化学組成物(「スラリー」)又は他の流動媒体が基材上かつウェーハと研磨パッドとの間に流される。こうして、ウェーハ表面は、パッド表面及びスラリーの化学的かつ機械的作用により、基材表面から材料を選択的に除去するやり方で研磨される。
通常、研磨パッドには溝が機械加工又は成形される。残念ながら、溝を形成するためのそのような加工は、所望の溝の様々な形状及びパターンに適応する能力において限られる。したがって、レーザを使用して溝を形成する方法が研究されている(たとえば米国特許第6,794,605号)。残念ながら、図1及び2に示すように、研磨パッド1に照射されるレーザ5からの一つのビーム3は、今日の研磨性能要求にとっては最適とはいえない溝9しか形成しない。たとえば、溝9の底部7には、テキスチャがほとんどないし全くなく、スラリーを運ぶ溝の能力を損じ、CMPにマイナスの影響を及ぼす。さらには、レーザビームのガウス分布(すなわち、中心部分の輝度が他の部分よりも高い)のせいで、「V」字形(断面形状)の溝が形成されて、スラリーを運ぶ溝の表面積を減らし、CMPにマイナスの影響を及ぼす。換言するならば、研磨パッド1は、研磨パッド2の研磨面の溝開口部の幅に対して大幅に減少したテーパ状の幅15を有する。したがって、「V」字形の溝の総表面積は、一般的な正方形又は長方形の溝と比べて減少している。
したがって、スラリーを運ぶための増大したテキスチャ及び表面積を有し、研磨性能を改善する、改良された溝を有するケミカルメカニカルプラナリゼーションのための研磨パッドをレーザによって形成する方法が要望される。
本発明の一つの態様で、レーザアブレーションを使用してケミカルメカニカルプラナリゼーションのための研磨パッドを形成する方法であって、研磨パッドに溝を切削するためのレーザを用意することと、レーザからのレーザビームを分割するためのビームスプリッタを用意することと、レーザからのビームを分割して多数のレーザビームを研磨パッドに提供することとを含み、多数のレーザビームが、少なくとも互いに重なり合う有効切削区域を有するものである方法が提供される。
本発明のもう一つの態様で、ケミカルメカニカルプラナリゼーションのための、中に形成された溝を有する研磨パッドを形成する方法であって、溝が、第一のレーザビーム及び少なくとも第二のレーザビームによってパッドを切削することによって形成されるものであり、第一のレーザビームによって切削される第一の部分が第二のレーザビームによって切削される第二の部分と重なり合うものである方法が提供される。
本発明のもう一つの態様で、ケミカルメカニカルプラナリゼーションのための研磨パッドを形成する方法であって、第一のレーザビームを有する第一のレーザを用意することと、もう一つのレーザビームを有する少なくとも第二のレーザを用意することと、第一のレーザビーム及びもう一つのレーザビームを研磨パッドに照射することとを含み、これらのビームが少なくとも部分的に互いに重なり合って研磨パッドに溝を切削するものである方法が提供される。
図面を参照すると、図3及び4は、研磨パッド10の拡大断面図を示す。研磨パッド10は、公知の研磨パッドのいずれであってもよく、たとえばウレタン含浸フェルト、米デラウェア州ニューアークのRohm and Haas Electronic Materials CMP社(「RHEM」)によって商品名POLITEXの下で販売されているタイプの微孔性ウレタンパッド又は充填材入り及び/又はブロー成形複合ウレタン、たとえば同じくRHEM製のICシリーズ及びMHシリーズパッドであってもよい。
本発明では、レーザ5からのレーザビーム3がビームスプリッタ11によって分割されて多数のビーム3a、3b、3c及び3dが形成される。あるいはまた、所望により、多数のレーザ5を使用してビームスプリッタ11なしで多数の数のビームを形成してもよい。本発明を実施するためには、2以上のいかなる数のビームを使用してもよいことに留意されたい。また、軽量のミラー、円筒ミラー、シャッタミラー、カセグレンミラー、ナイフエッジミラー及びルーフプリズムをはじめとするいかなる市販のビームスプリッタを使用してもよい。廉価であり、調節自在であり、偏光不感応性であり、高い出力で作動するため、ルーフプリズムが好ましい。多数のビーム3a〜3dが研磨パッド10に照射されて新規な溝を形成する。すなわち、図4に示すように、粗さ13を底部70に有する溝90が研磨パッド10に形成される。粗さ13は、改善されたテキスチャを溝90に提供して、研磨加工の際に改善されたスラリー輸送能力を許す。
好ましくは、ビーム3a〜3dそれぞれは互いに重なり合って、ビームからのエネルギーが正味の非ガウス分布で研磨パッド10によって受けられるようにする。換言するならば、ビーム3を個々のビーム3a〜3dに分割することにより(少なくともいくつかが重なり合う状態で)、ビーム3からの最高のエネルギーがビーム3a〜3dそれぞれに集中して、レーザビームの正味の全体効果がビーム3全体で広く展開し、従来技術のシングルビーム法におけるように単に中央部に集中することがなくなる。したがって、レーザビーム3a〜3dは、少なくとも互いに重なり合う有効切削区域を有する。
さらには、図1及び2に示す典型的な「V」字形の断面を有する溝に比べてより正方形又は長方形の断面形状を提供することにより、溝90の表面積が増す。好ましくは、研磨パッド10の溝90は、少なくとも研磨パッド10の研磨面17の溝開口部の幅75の90%を超えるテーパ状の幅73を有する。換言するならば、本発明の研磨パッドでは、テーパ状の幅73と研磨面17の溝開口部の幅75との差は10%以下である。より好ましくは、研磨パッド10の溝90は、少なくとも研磨パッド10の研磨面17における溝開口部の幅75の93%を超えるテーパ状の幅73を有する。もっとも好ましくは、研磨パッド10の溝90は、少なくとも研磨パッド10の研磨面17における溝開口部の幅75の95%を超えるテーパ状の幅73を有する。このようにして、本発明の方法は、より正方形又は長方形である断面形状を有して、たとえばスラリー輸送を改善するための表面積増大を可能にする溝を提供する。
レーザ5は、数多くの設計又は構造に望みどおり適応するため、いかなる方向(すなわち、x、y又はz面)に動かすこともできることに留意されたい。本発明では、支持部材(図示せず)、たとえば研磨パッドを支持するためのテーブルをレーザ5に対して動かさなくてもよい。逆に、レーザ5を動かして、支持部材の動きとは独立して、たとえば粗さ13を有する所望の溝90を達成することができる。加えて、ノズル(図示せず)から不活性ガスを供給して切削面の酸素を減らし、切削面の縁における燃焼又は炭化を減らしてもよい。また、レーザビームを高圧ウォータジェットとともに使用して、従来のレーザ切削加工によって発生するおそれのある熱を減らしてもよい。
本実施態様では、微細機械加工に使用されるレーザ5は、比較的低いデューティサイクルを有するパルス型エキシマレーザであることができる。場合によっては、レーザ5は、閉鎖時間が長い(すなわち、パルス幅(時間)がパルスとパルスとの間隔に比べて非常に短い)連続レーザであってもよい。エキシマレーザは他の大きめのレーザに比べて低い平均出力を有するが、エキシマレーザのピーク出力は非常に大きくなることに留意されたい。レーザのピーク輝度及びフルエンスは、
輝度(ワット/cm2)=ピーク出力(W)/焦点面積(cm2
フルエンス(ジュール/cm2)=レーザパルスエネルギー(J)/焦点面積(cm2
によって求められ、ピーク出力は、
ピーク出力(W)=パルスエネルギー(J)/パルス期間(s)
によって求められる。典型的なエキシマレーザはPRC Laser社のSTS(商標)シリーズレーザである。熱レーザアブレーションが好ましい。
レーザアブレーションの際、いくつかの主要なパラメータを考慮すべきである。重要なパラメータは、最小吸収深さの波長の選択である。これは、速やかかつ完全なアブレーションのために、小さな体積への高エネルギー付着を可能にすべきである。もう一つのパラメータは、ピーク出力を最大化し、周囲の加工材料への伝熱を最小限にするための短いパルス期間である。この組み合わせが応答の振幅を減らす。もう一つのパラメータはパルス繰返し速度である。この速度が低すぎるならば、アブレーションに使用されなかったエネルギーがアブレーションゾーンを離れて冷却を許す。高いパルス繰返し速度によって残留熱が保持され、伝熱の時間が制限されるならば、アブレーションはより効率的になる。加えて、より多くの入射エネルギーがアブレーションに送られ、周囲の加工材料及び環境への損失が少なくなる。さらに別の重要なパラメータはビームの質である。ビームの質は、明度(エネルギー)、合焦性及び均質性によって評価される。ビームエネルギーは、アブレーション領域に正しく効率的に送ることができないならば、有効利用されない。さらには、ビームが制御されたサイズでないならば、アブレーション領域は望むよりも大きくなり、側壁に過度な傾斜が生じてしまう。
加えて、除去が蒸散によるものであるならば、プルームに特に注意しなければならない。プルームは、分子の断片、中性粒子、遊離電子及びイオンならびに化学反応生成物からなるプラズマ様物質である。プルームは、入射ビームの光学吸収及び散乱の原因であり、周囲の加工材料及び/又はビーム送り光学系で凝縮するおそれがある。通常、アブレーション部位は、加圧不活性ガス、たとえば窒素又はアルゴンで浄化される。
したがって、本発明は、スラリーを運ぶための増大したテキスチャ及び表面積を有し、研磨性能を改善する、改良された溝を有するケミカルメカニカルプラナリゼーションのための研磨パッドをレーザによって形成する方法を提供する。特に、方法は、研磨パッドに溝を切削するためのレーザを用意することと、レーザからのレーザビームを分割するためのビームスプリッタを用意することとを含む。さらに、方法は、レーザからのビームを分割して多数のレーザビームを研磨パッドに提供することを含み、多数のレーザビームは、少なくとも互いに重なり合う有効切削区域を有するものである。
従来のシングルビームレーザによって形成された溝を有する従来の研磨パッドの断面図である。 従来のシングルビームレーザによって形成された溝を有する従来の研磨パッドの断面図である。 本発明の方法を使用することによって形成された研磨パッドの断面図である。 本発明の方法を使用することによって形成された研磨パッドの断面図である。

Claims (10)

  1. レーザアブレーションを使用してケミカルメカニカルプラナリゼーションのための研磨パッドを形成する方法であって、
    研磨パッドに溝を切削するためのレーザを用意することと、
    前記レーザからのレーザビームを分割するためのビームスプリッタを用意することと、
    前記レーザからの前記ビームを分割して多数のレーザビームを前記研磨パッドに提供することと
    を含み、前記多数のレーザビームが、少なくとも互いに重なり合う有効切削区域を有するものである方法。
  2. 前記レーザアブレーションが熱レーザアブレーションである、請求項1記載の方法。
  3. 前記多数のレーザビームによって前記溝の底面にテキスチャを付けることをさらに含む、請求項1記載の方法。
  4. 前記溝のテーパ状の幅が少なくとも前記研磨パッドの研磨面における溝開口部の幅の90%を超える、請求項1記載の方法。
  5. ケミカルメカニカルプラナリゼーションのための、中に形成された溝を有する研磨パッドを形成する方法であって、溝が、
    第一のレーザビーム及び少なくとも第二のレーザビームによって前記パッドを切削することによって形成されるものであり、前記第一のレーザビームによって切削される第一の部分が前記第二のレーザビームによって切削される第二の部分と重なり合うものである方法。
  6. 前記第一及び少なくとも第二のレーザビームを形成するためにビームスプリッタを用意することをさらに含む、請求項5記載の方法。
  7. 前記多数のレーザビームによって前記溝の底面にテキスチャを付けることをさらに含む、請求項5記載の方法。
  8. ケミカルメカニカルプラナリゼーションのための研磨パッドを形成する方法であって、
    第一のレーザビームを有する第一のレーザを用意することと、
    もう一つのレーザビームを有する少なくとも第二のレーザを用意することと、
    前記第一のレーザビーム及びもう一つのレーザビームを研磨パッドに照射することと
    を含み、これらのビームが少なくとも部分的に互いに重なり合って前記研磨パッドに溝を切削するものである方法。
  9. 前記レーザビームが熱レーザビームである、請求項8記載の方法。
  10. 前記多数のレーザビームによって前記溝の底面にテキスチャを付けることをさらに含む、請求項8記載の方法。
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