JP2007048760A - 多方向入力装置およびこれを用いた電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】各種電子機器の入力操作用に使用される多方向入力装置およびこれを用いた電子機器に関し、小型でしかも入力方向の分解能が高いものの提供を目的とする。
【解決手段】可撓性絶縁基板16に形成され、少なくとも一組の導出部を有する円形リング状の抵抗素子層18と、これに対向した円弧状の第一および第二導電体層22および23と、傾倒操作時に抵抗素子層18を第一または第二導電体層22または23に押し付けるリング状の突出部14Dを有する操作つまみ14からなる電子部品の、抵抗素子層18と第一または第二導電体層22または23からの出力を組み合わせて演算処理する多方向入力装置およびこれを用いた電子機器とすることにより、小型でしかも入力方向の分解能の高いものができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話、情報端末、ゲーム機器およびリモートコントローラ等の各種電子機器の入力操作用に使用される多方向入力装置およびこれを用いた電子機器に関するものである。
従来のこの種の多方向入力装置としては、特開平10−125180号公報に記載された多方向操作スイッチを用いたものが知られており、その内容について、図36〜図38を用いて説明する。
図36は従来の多方向入力装置に使用される多方向入力用の電子部品としての、多方向操作スイッチの断面図、図37は同分解斜視図である。
同図において、1は中心位置に弾性金属薄板製のドーム状可動接点2を収容した絶縁樹脂製の箱形ケースで、その内底面には、互いに導通した四つの外側固定接点3が端部に配設されて、ドーム状可動接点2の外周下端部が載り、これより内側でドーム状可動接点2の中心から等距離で等角度の位置に、それぞれ独立した複数個(四個)の内側固定接点4(4A〜4D)が配設されると共に、各固定接点と導通した出力端子(図示せず)が外部に導出され、箱形ケース1の上面の開口部はカバー5で覆われている。
そして6は、軸部6Aとその下端に一体に形成されたフランジ部6Bからなる操作体で、軸部6Aがカバー5中央の貫通孔5Aから突出し、フランジ部6Bの外周が箱形ケース1の内壁1Aにより回転はしないが傾倒可能に嵌合支持されると共に、箱形ケース1内底面の四個の内側固定接点4(4A〜4D)にそれぞれ対応したフランジ部6B下面の四個の押圧部7(7A〜7D、但し7Dは図示せず)がドーム状可動接点2の上面に当接することにより、フランジ部6Bの上面がカバー5の下面に押し付けられて、全体として垂直中立位置に保たれている。
このように構成された多方向操作スイッチにおいて、図38の断面図に矢印で示すように、操作体6の軸部6Aに装着されたつまみ8上面の、所望の角度方向である左上面を下方に押すと、操作体6は図36に示す垂直中立位置からフランジ部6Bの右側の上面を支点として傾倒し、下面の押圧部7Aがドーム状可動接点2を押して部分弾性反転させて、押圧部7Aと対応する内側固定接点4Aに接触させ、外側固定接点3と内側固定接点4Aの間を短絡してON状態とし、その電気信号をそれぞれの出力端子を通して外部へ発し、つまみ8に加える押し力を除くと、ドーム状可動接点2の弾性復元力によって操作体6は元の垂直中立位置に戻り、外側固定接点3と内側固定接点4Aの間もOFF状態に戻るものであった。
そして、この多方向操作スイッチを使用する多方向操作装置においては、上記の多方向操作スイッチの外側固定接点3が複数個(四個)の内側固定接点4の何れと接触したかの電気信号によって入力された角度方向をマイクロコンピュータにより認識し、その信号を発するものであった。
特開平10−125180号公報
しかしながら上記従来の多方向入力用電子部品としての多方向操作スイッチにおいて、入力できる方向の数すなわち入力方向の分解能は、つまみ8を介して操作体6が傾倒した時にドーム状可動接点2が部分弾性反転して接触する内側固定接点4の数によって決まるものであるが、近年の小型化された電子機器に使用できる電子部品の大きさにおいて、この多方向操作スイッチが安定した動作をするためには、内側固定接点4の数を上記の四個よりも多くすることは難しいという課題があった。
そして、この多方向操作スイッチを使用する多方向入力装置において、多方向操作スイッチの操作体6を隣り合う内側固定接点4の中間方向に傾倒させて、隣り合う二つの内側固定接点4が所定の時間内に両方共ON状態となれば同時ONと認定するスイッチング認識手段をマイクロコンピュータにより構成し、四個の個別の内側固定接点4がON状態となった時とは異なる他の信号として処理することにより、八方向の操作ができるようにするのが限界と考えられていた。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、近年の小型化された電子機器に使用できる大きさであって、しかも入力できる方向の数を多くできる、すなわち入力方向の分解能が高い多方向入力装置およびこれを用いた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、絶縁基板に形成された円形リング状の抵抗素子層と、その抵抗素子層と所定の絶縁ギャップを空けて対向配置された平面基板に形成された導電部と、上記抵抗素子層と上記導電部とを部分的に接触させるための操作部材とを備え、上記抵抗素子層に所定状態に電圧が印加された状態で、絶縁基板または平面基板に対して操作部材により押圧力を加えて上記抵抗素子層と上記導電部とを部分的に接触させ、それによって得られる導出信号で上記接触位置を検出する多方向入力装置としたものであり、円形リング状の抵抗素子とこれに対向する導電部と操作部材のみの簡単な構成で、その円形リングの360度の全方向に亘って分解能の高い検出ができる多方向入力装置を実現できるという作用を有する。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、円形リング状の抵抗素子層が、可撓性絶縁基板の下面に形成され、所定の角度位置に少なくとも一組の導出部を有するもので、かつ導電部が、平面基板上に上記抵抗素子層と所定の絶縁ギャップを空けて対向して形成され、互いに絶縁されたそれぞれが導出部を有する第一、第二導電体層であると共に、操作部材が、抵抗素子層裏面に沿った可撓性絶縁基板の上面に対し、所定の間隔を空けて対峙する円形リング状の突出部を下面に有する板状部が、下面の中心部を中心として全方向に傾倒可能に支持された操作つまみからなる電子部品に対し、抵抗素子層の各組の導出部間に所定の電圧を印加した状態において、操作つまみ上面を押して所望の角度方向に傾倒させ、下面の突出部が可撓性絶縁基板を押して傾倒方向下面の抵抗素子層を第一または第二導電体層と接触導通させる時の、第一、第二導電体層の各導出部の出力電圧を組み合わせて演算処理することにより、操作つまみを傾倒させた角度方向を認識する多方向入力装置としたものであり、多方向入力用電子部品としての構成が、円形リング状の抵抗素子とこれに対向する第一、第二導電体層と操作つまみのみの簡単なものであるから、小型化が容易であると共に、操作つまみを所望の方向に傾倒させる際に抵抗素子層が第一または第二導電体層の一方と接触し、その接触点の抵抗値による出力電圧を、操作つまみを傾倒させた角度方向の認識信号とするものであるから、まず、どちらの導電体層と接触したかによって操作つまみを傾倒させた角度方向を大別することができ、更に、接触した側の導電体層からの出力電圧は、操作つまみを傾倒させる角度方向に応じて連続的に変化させることができるので、演算処理が容易であり、しかも操作つまみを傾倒させる方向の分解能すなわち入力方向の分解能が高い多方向入力装置を実現できるという作用効果が得られる。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明において、特に、円形リング状の抵抗素子層が一様な比抵抗の一様な幅の抵抗層で形成されて、一組の導出部が円形リング状の中心に対して対称な位置に設けられると共に、第一、第二導電体層が抵抗素子層の一組の導出部のそれぞれと対応する位置で絶縁されたものであり、操作つまみを傾倒させる全角度方向に対してほぼ均等な分解能を有すると共に、信号処理が簡単で精度が高く、しかも汎用性の高い多方向入力装置を実現できるという作用効果が得られる。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項2記載の発明において、特に、対向して形成された、円形リング状の抵抗素子層と第一、第二導電体層の間の絶縁ギャップ部に、厚さ方向に押圧されることにより、押圧された位置の上下面間が導通する異方性導電体からなる平板状の導通板を介在させたものであり、抵抗素子層と第一、第二導電体層の間に確実に所定の絶縁ギャップを確保することができると共に、導通板の押圧位置にかかわらず押圧された位置の上下間が導通するので、導通板およびこれを挟む抵抗素子層と第一、第二導電体層を小さくしかも細幅にして小型の多方向入力装置を実現できるという作用効果が得られる。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項2記載の発明において、特に、第一、第二導電体層を所定幅の円弧状とし、その中央部に、中心接点とその周辺の外側接点からなる固定接点と、可撓性絶縁基板の抵抗素子層の中央部に絶縁して設けられた、弾性を有する円形ドーム状の可動接点からなり、上記可動接点の外周下端部が上記外側接点に載せられたスイッチ接点部を配設すると共に、操作つまみの中央に設けた貫通孔内に、独立して上下動可能であるが上方への動きを規制して保持され、下面中心の突部が可動接点の上端部に当接して、操作つまみを所定寸法だけ押し上げる押釦を配設してプッシュスイッチ部を付加したものであり、外径寸法を大きくすることなく、操作つまみを傾倒させた角度方向の認識信号に加えて、押釦を押圧することにより節度感を伴って別の信号を発することができる多方向入力装置を実現できるという作用効果が得られる。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項5記載の発明において、特に、操作つまみ上面の押圧部が下面の円形リング状の突出部の直径よりも内側にあると共に、押釦が操作つまみ中央の貫通孔に同心状に係合しており、操作つまみ上面の押圧部を押して所望の角度方向に傾倒させるのに伴って押釦も下方に動き、まず、操作つまみが可撓性絶縁基板を押して傾倒した角度方向を認識した後に、押釦が円形ドーム状の可動接点を押すことによりスイッチ接点部が節度感を伴って接触して信号を発するものであり、操作つまみ上面の押圧部を押して所望の角度方向に傾倒させることにより抵抗素子層が第一または第二導電体層と接触して角度方向を認識する際に、節度感によりその認識を感知することができると共に、押釦のみを押圧することによっても、プッシュスイッチ部が節度感を伴って動作して信号を発する多方向入力装置を実現できるという作用効果が得られる。
本発明の請求項7に記載の発明は、電子機器本体の平面状の配線基板上に設けた第一、第二導電体層の上方に、抵抗素子層を有する可撓性絶縁基板を配設すると共に、電子機器の外装部材となる上ケースの貫通孔から操作つまみの上面が露出した、請求項2記載の多方向入力装置を用いた電子機器としたものであり、多方向入力装置を用いた電子機器全体としての構成部材数および組立工数が少なく、高さ寸法が小さいと共に、第一、第二導電体層の各導出部からの配線も容易で、多方向入力装置を用いた電子機器を安価に実現できるという作用効果が得られる。
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項7記載の発明において、特に、電子機器本体の平面状の配線基板上に重ねて配設した可撓性配線基板に抵抗素子層を形成したものであり、多方向入力装置を用いた電子機器全体としての構成部材数および組立工数が更に少なく、抵抗素子層の導出部からの配線も容易で、多方向入力装置を用いた電子機器をより安価に実現できるという作用効果が得られる。
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項7記載の発明において、特に、操作つまみが露出する上ケースの貫通孔周囲の下面と、操作つまみ外周の抜け止め用フランジ部の間に弾性体を配設して、操作つまみを略垂直状態に保持すると共にガタツキを規制したものであり、通常状態において、操作つまみが略垂直状態でガタツキが少なく高品位であると共に、操作つまみの押圧操作による傾倒時の動きが全方向で安定した、多方向入力装置を用いた電子機器を実現できるという作用効果が得られる。
本発明の請求項10に記載の発明は、電子機器本体の平面状の配線基板上に設けた第一、第二導電体層およびスイッチ接点部の固定接点の上方に、抵抗素子層およびスイッチ接点部の可動接点を有する可撓性絶縁基板を配設すると共に、電子機器の外装部材となる上ケースの貫通孔から操作つまみが露出し、更に、操作つまみ中央の貫通孔内に押釦を保持した、請求項5記載の多方向入力装置を用いた電子機器としたものであり、多方向入力装置を用いた電子機器全体としての構成部材数および組立工数が少なくて、高さ寸法が小さく、第一、第二導電体層およびスイッチ固定接点の各導出部からの配線も容易で、安価にできると共に、操作つまみを傾倒させた角度方向の認識信号に加えて、押釦を押圧することにより節度感を伴って発生する別の信号により操作することができる、多方向入力装置を用いた電子機器を実現できるという作用効果が得られる。
本発明の請求項11に記載の発明は、請求項1記載の発明において、平面基板が導電部の機能を共有する導電金属板で構成されると共に、抵抗素子層からの導出部が少なくとも三箇所以上導出され、操作部材の操作によって上記抵抗素子層と上記平面基板とが部分的に接触させられた状態において、上記抵抗素子層の所定の二つの導出部に順次所定電圧を切り換えながら印加して、その接触位置を検出するようにしたものであり、平面基板を導電金属板で構成したため、さらに少ない部品点数および組立工数で、安価な多方向入力装置を得ることができ、その操作された位置を検出する際には、汎用のマイクロコンピュータなどを用いることによって、高速で抵抗素子層の各導出部への印加点等を切り換え、得られる導出信号を演算処理することにより、上記接触位置を高分解能に検出できるものにできるという作用を有する。
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項11記載の発明において、特に、出力用端子を一体形成した導電金属板からなる平面基板が、その出力用端子を外方に突出させてケースに固定されると共に、上記ケースに固定された導電性の弾性脚が、上記平面基板に所定の絶縁ギャップを空けて配された絶縁基板の抵抗素子層の導出部に弾接し、操作部材の操作によって上記抵抗素子層と上記平面基板とが部分的に接触させられた状態において、弾性脚に対応するケースの入力用端子を介して上記抵抗素子層に電圧を切り換えながら印加して、平面基板の出力用端子からの導出信号を演算処理することにより、上記抵抗素子層と上記平面基板との接触位置を検出するようにしたものであり、抵抗素子層に所定電圧を印加するための弾性脚を、ケースに固定したものであるため、弾性脚の位置や寸法精度が高くでき、所定の弾接圧力で抵抗素子層の導出部に確実に弾接させることができるため、印加電圧を損失少なく確実に抵抗素子層に伝達させることができるという作用を有する。
本発明の請求項13に記載の発明は、請求項11記載の発明において、特に、抵抗素子層を有し、その抵抗素子層の導出部に入力用端子が固着された絶縁基板が、上記入力用端子を外方に突出させてケースに固定されると共に、その抵抗素子層に所定の絶縁ギャップを空けて出力用端子を一体形成した弾性導電金属板からなる平面基板が配され、操作部材の操作によって上記抵抗素子層と上記平面基板とが部分的に接触させられた状態において、ケースの入力用端子を介して上記抵抗素子層に電圧を切り換えながら印加して、平面基板の出力用端子からの導出信号を演算処理することにより、上記抵抗素子層と上記平面基板との接触位置を検出するようにしたものであり、ケースに位置決め固定された抵抗素子層の上方に、弾性導電金属板からなる平面基板を配するのみで機能するものにできるため、高い組み合わせ精度を必要とせず容易に製作でき、しかも操作部材によって操作される部材が弾性導電金属板からなる平面基板であるため、繰り返して操作されても、平面基板の伸びや変形などは少ないものであるので長期に亘って安定した操作性を有するものにできるという作用を有する。
本発明の請求項14に記載の発明は、請求項12記載の発明において、特に、絶縁基板が、抵抗素子層の中央部に対応する位置に押下用孔を有すると共に、その孔と対向する平面基板上の位置にスイッチが配され、上記絶縁基板の抵抗素子層に設けた押下用孔から操作部材で上記スイッチを操作可能としたものであり、スイッチからの別の信号を用いてさらに高機能な電子機器を構成できるものにできるという作用を有する。
本発明の請求項15に記載の発明は、請求項13記載の発明において、特に、絶縁基板の抵抗素子層の中央部にスイッチが配されたものであり、請求項14記載の発明と同様に、スイッチからの別の信号を用いてさらに高機能な電子機器を構成できるものにできるという作用を有する。
本発明の請求項16に記載の発明は、請求項1記載の多方向入力装置を用いた電子機器であって、操作部材が傾倒操作または水平な直線動操作可能で、このいずれかの操作により抵抗素子層と導電部とが部分的に接触し、その導出信号によって操作方向を検出する電子機器としたものであり、この多方向入力装置は、360°の全方位に亘って分解能高く操作方向を検出できる小型・薄型で簡素な構成のものであるため、これを使用することにより、操作部材を全方位に対して操作し機能させることができる使い勝手のよい小型・薄型で軽量な電子機器を容易に実現できるという作用を有する。
本発明の請求項17に記載の発明は、請求項16記載の発明において、特に、操作部材の操作によって抵抗素子層と導電部とを部分的に接触させた状態において、所定時間内に検出された結果に応じて、その接触部分に対応する方向へのカーソルなどの移動速度を可変させるように制御したものであり、さらに使い易くて操作性に優れた高機能なものにできるという作用を有する。
本発明の請求項18に記載の発明は、請求項17記載の発明において、特に、所定時間内に略同一位置の抵抗素子層と導電部との部分的な接触した導出信号が二度続けて検出された場合、または所定時間以上の上記導出信号が継続して検出された場合に、その接触部分に対応する方向へのカーソルなどの移動速度を可変させるように制御したものであり、片手での操作も可能である簡単な操作部材への操作で、さらに使い勝手のよいものにできるという作用を有する。
本発明の請求項19に記載の発明は、請求項14または15に記載の多方向入力装置を用いた電子機器であって、操作部材が傾倒操作または水平な直線動操作及び押下操作可能で、この傾倒操作または水平な直線動操作により抵抗素子層と導電部とが部分的に接触し、その出力信号で操作方向が検出されてカーソルなどが移動し、また操作部材の押下操作で得られるスイッチからの信号を用いて所定項目を選択・決定する電子機器としたものであり、操作方向が360°の全周に亘って高分解能で検出でき、かつ押下操作によって所定機能や項目の選択もできる、良好な操作性を有するものにできるという作用を有する。
以上のように本発明によれば、多方向入力用電子部品としての構成が、円形リング状の抵抗素子と導電部と操作つまみのみの簡単なものであるから、小型・薄型化が容易であると共に、操作部材の全方位に亘る操作方向の分解能すなわち入力方向の分解能が高いものを実現できるという有利な効果が得られる。
また、導電部として、第一、第二導電体層を用いた場合には、操作部材である操作つまみを所望の方向に傾倒させる際に抵抗素子層が第一または第二導電体層の一方と接触し、その接触点の抵抗値による出力電圧を、操作つまみを傾倒させた角度方向の認識信号とするものであるから、まず、どちらの導電体層と接触したかによって操作つまみを傾倒させた角度方向を大別することができ、更に、接触した側の導電体層からの出力電圧は、操作つまみを傾倒させる角度方向に応じて連続的に変化させることができるので、演算処理が容易であり、高分解能なものを容易に実現できる。
さらに、操作部材以外の部分を個片の電子部品として構成することにより、他の部品と同時に使用機器に実装でき、全方位において高分解能な検出ができる小型・薄型の取扱い易いものが実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図35を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態による多方向入力装置を用いた電子機器としての携帯電話の要部断面図、図2は同多方向入力装置部分の分解斜視図である。
同図において、11は携帯電話の外装部材となる上ケース、12は同下ケース、そして13は多層配線部を有する平板状の配線基板で、下ケース12に保持されている。
そして、上ケース11は上面が操作面となっていて、その中間に設けられた円形の貫通孔11Aから操作部材となる円板状の操作つまみ14の上面14Aが露出しており、配線基板13上には、各種機能の操作用スイッチの固定接点15等が配設されている。
また、操作つまみ14は、下面中心の突部14Bの先端が可撓性絶縁基板16および下面のスペーサ16Aを挟んで配線基板13に当接することによって全方向に傾倒可能に支持されると共に、外周のフランジ部14Cの上面と上ケース11の貫通孔11A周囲下面の間に配設された、上下方向に反発する弾性体としてのリング状の板ばね17の付勢力によって略垂直状態に保たれており、この状態において、操作つまみ14下面の突部14Bを中心とする円形リング状の突出部14Dは、下方の配線基板13上に貼り付けられた可撓性絶縁基板16の上面と、全周において所定の間隔を空けて対峙している。
この可撓性絶縁基板16の下面には、図2に示すような、一様な比抵抗の一様な幅の円形リング状の抵抗素子層18が印刷形成され、その中心に対して対称な位置に、導電部となる所定幅の良導電体部18C,18Dが設けられ、ここから一対の導出部18A,18Bが出されている。
そして、この導出部18A,18Bは、リード部により端部の接続部19A,19Bにそれぞれ導かれ、可撓性絶縁基板16の上面から押圧ばね20により押さえられて、配線基板13上の接続接点21A,21Bに圧接触している。
なお、上記の操作つまみ14下面の円形リング状の突出部14Dの径は、この円形リング状の抵抗素子層18の幅の中間部の径とほぼ等しく設定されている。
そして、可撓性絶縁基板16は、上述のように配線基板13上に貼り付けられているが、円形リング状の抵抗素子層18の部分が配線基板13との間に所定の絶縁ギャップを保つように、抵抗素子層18の内・外周に対応する配線基板13上には、二つの所定厚さの絶縁スペーサ16Bが設けられ、更に、配線基板13上の抵抗素子層18と対向する部分には、第一導電体層22と第二導電体層23が配設されている。
なお、この絶縁スペーサ16Bは、可撓性絶縁基板16に設けてもよい。
そして、上記の第一、第二導電体層22,23は、抵抗素子層18の一対の導出部18A,18Bと対応する位置に設けられた二ヶ所の絶縁部24A,24Bにより、互いに絶縁された太幅の円弧状で、それぞれに導出部22A,23Aを有している。
なお、この二ヶ所の絶縁部24A,24Bの幅は、上記抵抗素子層18の一対の導出部18A,18B根元の良導電体部18C,18Dの幅よりも狭く設定されている。
そして、この導出部22A,23Aは配線基板13の多層配線部(図示せず)を介して、この携帯電話に装着されたマイクロコンピュータ25(以下、マイコン25と表わす)に接続されている(後述の図4参照)。
本実施の形態による多方向入力装置を用いた携帯電話の、多方向入力装置部分は以上のように構成されている。
なお、図2において、26は携帯電話の各種機能の操作用スイッチの可動接点、27は操作釦であり、前記の固定接点15上に可動接点26を貼り付けて構成されるスイッチ接点部を、上ケース11の小孔11Bから露出した操作釦27を押圧することにより動作させるものである。
次に、以上のように構成される多方向入力装置部分の動作について説明する。
図3は本実施の形態による多方向入力装置を用いた携帯電話の外観斜視図、図4は同多方向入力装置の構成を説明する概念図である。
図4に示すように、可撓性絶縁基板16下面の抵抗素子層18の導出部18A,18Bの間に、配線基板13上の接続接点21A,21B(図2参照)を介して、所定の直流電圧が印加された状態において、図3に示す、上ケース11の上面に露出した操作つまみ14の上面14Aの、所望の角度方向である左側(表示部28側)の押圧点29を下方に押圧すると、図1に示した通常状態から図3のP−P線における断面図である図5に示すように、操作つまみ14が、板ばね17の付勢力に抗して、下面の突部14B先端を中心として左側に傾倒する。
そして、押圧点29に対応する、下面の円形リング状の突出部14Dの下押圧点29Aが可撓性絶縁基板16の上面を押して部分的に下方に撓ませ、その下面の抵抗素子層18の接触点30を部分的に下方の第一導電体層22に接触導通させ、抵抗素子層18の導出部18Aと接触点30の間の抵抗値による出力電圧(出力I)が、第一導電体層22の導出部22Aを経由してマイコン25に伝達される(図4参照)。
この時、第二導電体層23の導出部23Aからの出力電圧(出力II)は発生しない。
そして、この状態から、操作つまみ14の上面14Aに加える押力を除くと、板ばね17の付勢力によって、操作つまみ14は元の略垂直状態すなわち図1に示す通常状態に復帰し、可撓性絶縁基板16下面の抵抗素子層18の接触点30は、可撓性絶縁基板16自身の弾性力により第一導電体層22から離れる。
同様にして、操作つまみ14の上面14Aの右側(操作釦27側)を下方に押して右側に傾倒させると、第二導電体層23の導出部23Aからの出力電圧(出力II)がマイコン25に伝達されるが、第一導電体層22の導出部22Aからの出力電圧(出力I)は発生しない。
そして、図4の概念図において、絶縁部24Aを基点(0°)、絶縁部24Bを中点(180°)として、抵抗素子層18の接触点30の角度方向を時計方向に連続的に変化させる場合の、第一導電体層22の導出部22Aからの出力電圧(出力I)および第二導電体層23の導出部23Aからの出力電圧(出力II)の状態を示すのが、図6の多方向入力装置の出力電圧のグラフである。
同図に示すように、操作つまみ14を傾倒させる角度方向が0°〜180°の範囲では出力Iのみが、180°〜360°(0°)の範囲では出力IIのみが発生し、その境界である基点(0°)および中点(180°)においては、抵抗素子層18の接触点30がそれぞれ導出部18A,18B根元の良導電体部18C,18Dの部分となり、この良導電体部18C,18Dの幅は、上述のように、二ヶ所の絶縁部24A,24Bの幅よりも広いので、第一導電体層22と第二導電体層23は良導電体部18Cまたは18Dにより短絡されて両者は同電位となり、出力Iと出力IIはどちらもゼロか同じ大きさの最大値となる。
すなわち、マイコン25に伝達された出力電圧(出力IまたはII)に対し、導出部22Aまたは23Aのどちらが出力電圧を発生したのか、およびその出力電圧の大きさの情報を、マイコン25で組み合わせて演算処理することによって操作つまみ14を傾倒させた角度方向を認識することができるので、操作つまみを繰り返し傾倒操作をすることによって所望の角度方向等の項目を選択することができるものである。
以上のように本実施の形態によれば、多方向入力用の電子部品としての構成が、可撓性絶縁基板16に形成された円形リング状の抵抗素子層18と、これに対向して電子機器の配線基板13に設けられた第一導電体層22、第二導電体層23と、操作つまみ14のみの簡単なものであるから、小型化が容易であると共に、操作つまみ14を所望の方向に傾倒させる際に抵抗素子層18が第一、第二導電体層22,23の一方のみと接触し、その接触点30の抵抗値による出力電圧により、操作つまみ14を傾倒させた角度方向を認識するものであるから、マイコン25等による処理が容易で精度が高く、しかも操作つまみ14を傾倒させる角度方向の分解能すなわち入力方向の分解能が高い多方向入力装置を、配線基板13、上ケース11等の部材を共用して装着した電子機器を実現できるという効果を有するものである。
なお、以上の説明において、多方向入力装置の抵抗素子層18は個別の可撓性絶縁基板16に設けるものとして説明したが、図7の他の構成による、多方向入力装置を用いた電子機器の多方向入力装置部分の分解斜視図に示すように、各種機能の操作用スイッチの可動接点26を可撓性配線基板31に一括して装着する構成とし、この可撓性配線基板31の下面に多方向入力装置の抵抗素子層18を一体に形成することにより、多方向入力装置を用いた電子機器である携帯電話全体としての構成部材数および組立工数が更に少なく、抵抗素子層18の導出部18A,18Bからの配線も容易で、安価な多方向入力装置を用いた携帯電話とすることができる。
さらに、以上の説明においては、円形リング状の抵抗素子層18に一対の導出部18A,18Bを設けた場合について説明したが、図8の他の構成による多方向入力装置の接点部分の分解斜視図に示すように、抵抗素子層32に一対の導出部33A,33Bと、これらとは別の角度位置にもう一対の導出部34A,34Bを設けることによって、操作つまみ14を各導出部の近傍方向へ傾倒する場合の角度方向の分解能を更に高めることができる。
その内容について、簡単に説明すると、まず、上記の抵抗素子層18に一対の導出部18A,18Bを設けた場合には、前記の図5に示すように操作つまみ14を傾倒させると、同図のQ−Q線における断面図であり接点部分の平面図である図9に示すように、操作つまみ14下面の円形リング状の突出部14Dに押圧された可撓性絶縁基板16下面の抵抗素子層18の接触点30は、ある程度の長さの線接触となるが、この傾倒方向が抵抗素子層18の導出部18A,18Bの近傍方向以外の矢印Sの方向である場合には、線接触した接触点30の両側方の抵抗値によって按分された出力電圧が発生し、線接触の中央方向すなわち操作つまみ14を傾倒させた矢印Sの角度方向に対応した出力電圧となる。
しかし、操作つまみ14を導出部18Aの近傍方向である導出部18Aの角度方向から少しだけ時計方向へずれた矢印Tの方向へ傾倒させた場合に、抵抗素子層18の第一導電体層22との接触点30は、導出部18Aが出された良導電体部18Cの端部を含むことになり、この時、第一導電体層22に接続された導出部22Aからの出力電圧(出力I)は、抵抗素子層18の導出部18Aの位置における抵抗値による出力電圧すなわち導出部18Aの電位そのものが出力されることになって、操作つまみ14を傾倒した角度方向が矢印Tの方向ではなく導出部18Aの方向であることを示すことになり、導出部18A,18Bの近傍での操作つまみ14を傾倒させる角度方向の分解能は高くし難いものである。
そこで、前記の図8に示すように、抵抗素子層32に二対の良導電体部33C,33Dおよび34C,34Dと、それぞれから出された導出部33A,33Bおよび34A,34Bを設け、マイコン等を利用してそれぞれ対の導出部33A,33Bおよび34A,34Bへの直流電圧の印加を短い周期で切り換えて、その周期と同期して第一導電体層22および第二導電体層23の導出部22Aおよび23Aの出力を検出するようにすれば、図8に示す接点部分の組立て後の平面図である図10の可撓性絶縁基板の上面から見た平面図に示すように、例えば、操作つまみ14を抵抗素子層32の導出部33Aの近傍方向である矢印U1またはU2点の方向へ傾倒させた場合においても、導出部34A,34Bに直流電圧が印加された時の第一導電体層22の導出部22Aまたは第二導電体層23の導出部23Aの出力電圧は、抵抗素子層32の導出部34A,34Bに印加された電圧を線接触した接触点35の両側方の抵抗値によって按分したものに近いものとなり、線接触している接触点35のほぼ中央、すなわち操作つまみ14を傾倒させた角度方向に対応して出力電圧とすることができて、操作つまみ14を抵抗素子層32の導出部33Aの近傍方向へ傾倒させる角度方向の分解能を高くすることができるものである。
(実施の形態2)
図11は本発明の第2の実施の形態による多方向入力装置を用いた電子機器としての携帯電話の要部断面図、図12は同多方向入力装置の構成を説明する概念図である。
同図に示すように、本実施の形態による多方向入力装置は前記の実施の形態1によるものにおいて、対向して形成された可撓性絶縁基板16下面の円形リング状の抵抗素子層18と配線基板13上の第一導電体層22および第二導電体層23の間の絶縁スペーサ16Bに代えて、導電部として異方性導電体からなる平板状の導通板36を介在させて、両者の間に所定の絶縁ギャップを保つようにしたものであり、その他の部分の構成は、実施の形態1によるものと同じである。
この導通板36は、ゴム基材の厚さ方向に金属粒子を配列させた異方性導電体のシートを円形リング状に加工したものであり、厚さ方向に押圧されることにより、押圧された位置の上下面間の抵抗値が絶縁状態(10MΩ以上)から導通状態(数10Ω以下)へと急激に変化するものである。
次に、この多方向入力装置部分の動作について説明する。
図12に示すように、可撓性絶縁基板16下面の抵抗素子層18の導出部18A,18Bの間に所定の直流電圧が印加された状態において、図11に示す、上ケース11の上面に露出した操作つまみ14の上面14Aの押圧点29を下方に押すと、図13の断面図に示すように、操作つまみ14が板ばね17の付勢力に抗して下面の突部14Bを中心として左側に傾倒し、押圧点29に対応する突出部14Dの下押圧点29Aが可撓性絶縁基板16の上面を押して部分的に下方に撓ませることは、実施の形態1と同じである。
しかし、可撓性絶縁基板16の下方に撓んだ部分の下面の抵抗素子層18の接触点30は下方の導通板36を部分的に押圧し、導通板36の押圧された部分の上下面間のみの抵抗値が急激に低下して絶縁状態から導通状態となり、この部分において、抵抗素子層18の接触点30は導通板36下方の第一導電体層22に導通される。
そして、抵抗素子層18の導出部18Aと接触点30の間の抵抗値による出力電圧が第一導電体層22の導出部22Aを経由してマイコン25に伝達されること、および、この時に第二導電体層23からの出力電圧が発生しないことも実施の形態1の場合と同じである。
また、操作つまみ14の上面14Aに加える押力を除くと、板ばね17の付勢力によって、操作つまみ14は元の垂直状態すなわち図11に示す通常状態に復帰し、可撓性絶縁基板16下面の抵抗素子層18の接触点30は可撓性絶縁基板16自身の弾性力により元の水平状態に戻り、導通板36に部分的に加えられていた押圧力も加わらなくなるため、導通板36の上下面間は全体的に絶縁状態に戻る。
ここで、上記の導通板36を押圧する際に、図13に示すように導通板36の厚さを押し縮めることにより、上下面間の抵抗値を低下させるようにするか、導通板36の厚さは殆ど変わらずに、圧力的な刺激を感じて上下面間の抵抗値を低下させるようにするかは、必要に応じて異方性導電体の材料を変更すればよいものである。
以上のように本実施の形態によれば、操作つまみ14を所望の方向に傾倒させる際に抵抗素子層18が第一、第二導電体層22,23の一方のみと導通し、その接触点30の抵抗値による出力電圧により、操作つまみ14を傾倒させた角度方向を高い分解能で認識することができると共に、抵抗素子層18と第一、第二導電体層22,23の間に所定の絶縁ギャップを確実に確保でき、更に導通板36の押圧された位置の上下間が導通するので、導通板36およびこれを挟む抵抗素子層18と第一、第二導電体層22,23の径を小さくしかも細幅にした小型の多方向入力装置を、配線基板13、上ケース11等の部材を共用して装着した電子機器を実現できるという効果を有するものである。
なお、本実施の形態による多方向入力装置においても、抵抗素子層に二対の導出部を設けることによって、操作つまみ14を各導出部の近傍方向へ傾倒する場合の角度方向の分解能を更に高めることができる。
(実施の形態3)
図14は本発明の第3の実施の形態による多方向入力装置を用いた電子機器としての携帯電話の要部断面図、図15は同多方向入力装置部分の分解斜視図である。
同図に示すように、本実施の形態による多方向入力装置は前記の実施の形態1によるものに対して、多層配線部を有する配線基板37上の円弧状の第一、第二導電体層22,23の中央部およびこれに対向する可撓性絶縁基板38下面の円形リング状の抵抗素子層18の中央部にそれぞれ電気的に独立して、固定接点39および可動接点40を配設してスイッチ接点部41を設けると共に、操作部材となる操作つまみ42の中央に設けた貫通孔42B内にスイッチ駆動用の押釦43を配設してプッシュスイッチ部を付加したものであり、その他の部分の構成は実施の形態1によるものと同じである。
そして、スイッチ接点部41の固定接点39は、図15に示すように、配線基板37上に金属箔の貼付けまたは良導電性インクの印刷等により形成された中心部の小円形の中心接点44とその周辺に設けられたリング状の外側接点45からなり、配線基板37の多層配線部(図示せず)を介して、この携帯電話に装着されたマイクロコンピュータ46(以下、マイコン46と表わす)に接続されている(後述の図16参照)。
また、スイッチ接点部41の可動接点40は、弾性金属薄板を上方凸状の円形ドーム状に打抜き絞り加工したものであり、その外周下端部40Aが上記の外側接点45上に載り、中央凸部40B下面が中心接点44と所定の間隔を空けて対峙するように、可撓性の粘着テープ47により配線基板37上に貼り付けられると共に、中央凸部40B上面が可撓性絶縁基板38の抵抗素子層18中心の丸孔38Aから上方に突出している。
一方、押釦43は、樹脂成形された多段円盤形で、操作つまみ42中央の貫通孔42Bにより、操作つまみ42とは独立して上下動可能に保持されており、操作部材は操作つまみ42と押釦43とにより構成されている。
そして、この押釦43は、通常状態において、下面中心の突部43Bが粘着テープ47を介して上記可動接点40の中央凸部40B上端部に当接することにより、上面43Aが操作つまみ42の貫通孔42Bから露出すると共に、外周のフランジ部43Cが操作つまみ42の下面を所定寸法だけ押し上げていることによって、操作つまみ42外周の板ばね17を少し撓ませて、操作つまみ42をガタツキなく略垂直状態に保っている。
次に、この多方向入力装置部分の動作について説明する。
本実施の形態による多方向入力装置の構成を説明する概念図である図16に示すように、可撓性絶縁基板38下面の抵抗素子層18の導出部18A,18Bの間に所定の直流電圧が印加された状態において、図14に示す、上ケース11の上面に露出した操作つまみ42の上面42Aの所望の角度方向の一点を下方に押圧すると、図17の断面図に示すように、操作つまみ42は中央の貫通孔42Bに保持された押釦43下面中心の突部43Bを中心として押圧された方向に傾倒し、操作つまみ42下面に形成された突出部42Cが可撓性絶縁基板38の上面を押して部分的に下方に撓ませて、その下面の抵抗素子層18を下方の第一導電体層22または第二導電体層23に接触導通させる。
そして、抵抗素子層18の導出部18Aと接触した点の間の抵抗値による出力電圧が第一導電体層22または第二導電体層23の導出部22Aまたは23Aを経由してマイコン46に伝達されること、および、この状態から、操作つまみ42の上面42Aに加える押力を除くと、板ばね17の付勢力によって、操作つまみ42は元の略垂直状態すなわち図14に示す通常状態に復帰し、可撓性絶縁基板38下面の抵抗素子層18は、可撓性絶縁基板38自身の弾性力により第一導電体層22または第二導電体層23から離れることは、実施の形態1の場合と同じである。
なお、この操作つまみ42の傾倒操作時に、可動接点40の反転動作力は、円形ドーム状の可動接点40の中央凸部40Bの上端部に当接した押釦43下面の突部43Bが支点となって操作つまみ42が回動して操作つまみ42外周の板ばね17が撓む大きさに設定されているので、プッシュスイッチ部は動作しない。
以上のようにしてマイコン46に伝達された出力電圧に対し、マイコン46で演算処理することによって操作つまみ42を傾倒させた方向を認識し、認識された角度方向が所望の方向であれば、次に、この方向をマイコン46に記憶させた状態で、操作つまみ42中央の押釦43の上面43Aを押圧する。
この時の状態を示すのが図18の断面図であり、押釦43下面の突部43Bがプッシュスイッチ部の円形ドーム状の可動接点40の中央凸部40Bを下方に押し下げて、可動接点40を節度感を伴って弾性反転させ、中央凸部40B下面を中心接点44に接触させる。
これによって、スイッチ接点部41の外側接点45と中心接点44の間が短絡され、その信号がマイコン46に伝達されて、上記の記憶していた方向が決定と判断される。
そして、押釦43に加える押圧力を除くと、可動接点40は自身の弾性復元力によって元の円形ドーム形状に復帰して図14の状態に戻り、スイッチ接点部41も元のOFF状態に戻る。
なお、このプッシュスイッチ部の操作時に、押釦43は操作つまみ42とは独立して動くように設定されているので、操作つまみ42は下方に少し動くが、可撓性絶縁基板38を押し下げることはない。
以上のように本実施の形態によれば、外径寸法を大きくすることなく、操作つまみ42を傾倒させた角度方向の認識信号に加えて、押釦43を押圧することにより節度感を伴って別の信号を発することができるプッシュスイッチ部を備えた多方向入力装置を、配線基板37、上ケース11等の部材を共用して装着した電子機器を実現できるという効果を有するものである。
(実施の形態4)
図19は本発明の第4の実施の形態による多方向入力装置を用いた電子機器としての携帯電話の要部断面図である。
同図に示すように、本実施の形態による多方向入力装置は前記の実施の形態3によるものに対して、円形リング状の操作つまみ48上面の押圧部48Aが下面の円形リング状の突出部48Cよりも内側にあると共に、押釦43が操作つまみ48中央の貫通孔48Bに小さい隙間で同心状に係合しているものであり、その他の部分の構成、例えば押釦43と操作つまみ48とで操作部材を構成することなどは、実施の形態3によるものと同じである。
すなわち、図19に示すように、携帯電話の上ケース11の貫通孔11Aにリング状の板ばね17を介して支持された操作つまみ48下面の突出部48Cは、操作つまみ48の最大径部分であるフランジ部48Dの外周下面に設けられていて、上面の押圧部48Aの位置は突出部48Cよりもかなり内側となっている。
そして、多層配線部を有する配線基板49上の円弧状の第一、第二導電体層50,51の中央部およびこれに対向する可撓性絶縁基板52下面の円形リング状の抵抗素子層53の中央部に、それぞれ電気的に独立した固定接点39および可動接点40を配設してスイッチ接点部41を設け、操作つまみ48の中央の貫通孔48B内にスイッチ駆動用の押釦43を配設したプッシュスイッチ部を有していることは実施の形態3と同じであるが、配線基板49上の第一、第二導電体層50,51および可撓性絶縁基板52下面の抵抗素子層53の径は、上記の操作つまみ48下面の突出部48Cの径に対応した大きな径となっている。
また、操作つまみ48の貫通孔48B内に小さい隙間で同心状に係合している押釦43は、操作つまみ48に対して独立して上下動可能であるが、通常状態において、下面中心の突部43Bが上記可動接点40の中央凸部40B上端部に当接することにより、上面43Aが操作つまみ48の貫通孔48Bから露出すると共に、外周のフランジ部43Cが操作つまみ48の下面を所定寸法だけ押し上げていることによって、操作つまみ48外周の板ばね17を少し撓ませて、操作つまみ48をガタツキなく略垂直状態に保っていることも実施の形態3の場合と同じである。
次に、この多方向入力装置部分の動作について説明する。
本実施の形態による多方向入力装置を備えた携帯電話において、可撓性絶縁基板52下面の抵抗素子層53の二つの導出部(図示せず)の間に所定の直流電圧が印加された状態において、図19に示す、上ケース11の上面に露出した操作つまみ48の上面の所望の押圧部48Aを下方に押圧すると、まず、図20の断面図に示すように、操作つまみ48は中央の貫通孔48Bに保持した押釦43下面中心の突部43Bを中心として押圧された方向に傾倒し、対応する位置の操作つまみ48下面の突出部48Cが可撓性絶縁基板52の上面を押して部分的に下方に撓ませて、その下面の抵抗素子層53を下方の第一導電体層50または第二導電体層51に接触導通させ、抵抗素子層53の導出部(図示せず)と接触点53Aの間の抵抗値による出力電圧が第一導電体層50または第二導電体層51の導出部(図示せず)を経由してマイコン(図示せず)に伝達され、マイコンで演算処理することによって操作つまみ48を傾倒させた角度方向を仮認識する。
そして、この状態から更に、操作つまみ48の同じ押圧部48Aを下方に押し下げると、今度は、図21の断面図に示すように、操作つまみ48が上記接触点53A上方の突出部48Cの先端を支点として反対方向に傾倒し、中央の貫通孔48Bに保持した押釦43が下方に動き、その下面中心の突部43Bがスイッチ接点部41の円形ドーム状の可動接点40の中央凸部40Bを下方に押し下げて、可動接点40を節度感を伴って弾性反転させ、中央凸部40B下面を中心接点44に接触させる。
これによって、スイッチ接点部41の外側接点45と中心接点44の間が短絡され、その信号がマイコンに伝達されて、上記の仮記憶された角度方向がマイコンに認識される。
すなわち、操作つまみ48を傾倒させた角度方向が節度感を伴ってマイコンに認識される。
ここで、押釦43は操作つまみ48中央の貫通孔48Bに小さい隙間で同心状に係合しているので、操作つまみ48を傾倒させた角度方向に関係なく、プッシュスイッチ部は確実に動作する。
そして、操作つまみ48の押圧部48Aに加える押圧力を除くと、可動接点40は自身の弾性復元力によって元の円形ドーム形状に復帰してスイッチ接点部41はOFF状態に戻り、板ばね17の付勢力によって、操作つまみ48が元の略垂直状態に復帰すると共に、可撓性絶縁基板52下面の抵抗素子層53は可撓性絶縁基板52自身の弾性力により第一導電体層50または第二導電体層51から離れ、元の図19の状態となる。
以上のようにしてマイコンに認識された角度方向が所望の方向であれば、次に、この方向をマイコンに記憶させた状態で、操作つまみ48中央の押釦43の上面43Aを押圧する。
この時の状態を示すのが図22の断面図であり、押釦43下面の突部43Bが円形ドーム状の可動接点40の中央凸部40Bを下方に押し下げて、可動接点40を節度感を伴って弾性反転させ、中央凸部40B下面を中心接点44に接触させる。
これによって、スイッチ接点部41の外側接点45と中心接点44の間が短絡され、その信号がマイコンに伝達されて、上記の記憶していた方向が決定と判断される。
そして、押釦43に加える押圧力を除くと、可動接点40は自身の弾性復元力によって元の円形ドーム形状に復帰して図19の状態に戻り、スイッチ接点部41も元のOFF状態に戻る。
なお、このプッシュスイッチ部の操作時に、押釦43は操作つまみ48とは独立して動くように設定されているので、操作つまみ48は下方に少し動くが、可撓性絶縁基板52を押し下げることはない。
以上のように本実施の形態によれば、操作つまみ48上面の押圧部48Aを押して所望の角度方向に傾倒させることにより抵抗素子層53が第一または第二導電体層50または51と接触して角度方向を認識する際に、節度感によりその認識を感知することができると共に、押釦43のみを押圧することによっても、プッシュスイッチ部が節度感を伴って動作して信号を発する多方向入力装置を、配線基板49、上ケース11等の部材を共用して装着した電子機器を実現できるという効果を有するものである。
(実施の形態5)
図23は、本発明の第5の実施の形態による多方向入力装置を備えた電子機器の要部断面図、図24は、同多方向入力装置部分の分解斜視図である。
同図に示すように、本実施の形態による多方向入力装置は、操作部材200以外の部分を半田付け装着可能な個片の電子部品102として形成したものにより構成されるものである。
まず、その多方向入力用の電子部品102から説明すると、103は絶縁樹脂製からなる電子部品用のケースであり、その上面には、一枚の平坦な導電金属板からなる平面基板104が配されている。
そして、この平面基板104の上方に所定ギャップを空けて可撓性を有する絶縁基板105が固定されている。
この絶縁基板105の下面には、円形リング状の抵抗素子層106および、その抵抗素子層106から外周に向かう放射状に導出部107が90°間隔で形成されていると共に、その抵抗素子層106および導出部107以外の部分には、絶縁スペーサ108が形成されている。
この抵抗素子層106は、一様な比抵抗の一様な幅に形成されている。
なお、図24においては、絶縁基板105の下面に配された抵抗素子層106を判り易くするためにハッチングを施して表記している。
そして、上記絶縁スペーサ108を介在させることによって、平面基板104と絶縁基板105の抵抗素子層106とは、所定間隔を保っている。
そして、109は、円形リング状の抵抗素子層106の外径よりも若干大きく形成された操作用孔109Aを上面部に備えた金属カバーであり、その操作用孔109Aと抵抗素子層106との位置を対応させた状態で、絶縁基板105の抵抗素子層106が形成されていない上面側から被せられ、その上面部に一体形成されたカシメ固定脚部109Bが、絶縁基板105と平面基板104とケース103とを抱き込みケース103底面でカシメ固定されることによって、それらの部材を結合させている。
また、このときケース103に設けられた上方に突出した位置決め突起103Aが、平面基板104、絶縁基板105、金属カバー109のそれぞれに設けられた位置決め孔104A,105A,109Cに同軸上で挿通されて、金属カバー109上に突出した部分をカシメられている。
そして、上記状態において、ケース103に位置決め装着された絶縁基板105下面の抵抗素子層106の導出部107には、ケース103に固定された上方に延出している弾性脚110がそれぞれ所定圧力で弾接している。
そして、この弾性脚110は、図25のケースの上面図に示すように、上面視四角形状のケース103の四箇所の角部に位置するようにインサート成形によって固定され、それぞれの弾性脚110の他方の端部は、ケース103から外方に延出されており、この延出部分が、入力用端子110Aとなっている。
一方、平面基板104には出力用端子111が一体形成され、その出力用端子111は、上記入力用端子110Aと同一面でケース103の外方に突出している。
なお、平面基板104は、上記弾性脚110と接することが無いように、弾性脚110が設けられた位置に対応することとなる角部が加工形成されて切除された形状となっている。
一方、ケース103の中央部には、スイッチ用の中心および外側接点112および113が配設固定され、それぞれのスイッチ端子112Aおよび113Aも、入力用端子110Aおよび出力用端子111と高さ位置を合わせてケース103から外方に導出されている。
そして、この外側接点113上に、上方に突出した円形ドーム状で金属薄板からなる可動接点114が載せられ、その可動接点114上部およびケース103上面部を粘着テープ115で粘着固定することにより、可動接点114は平面基板104と電気的に絶縁された状態でケース103に位置決め装着されている。
そして、この状態で可動接点114の中央部下面は、中心接点112と所定間隔を維持している。
また、この可動接点114の径は、抵抗素子層106の円形リングの内部で構成される円形部の径よりも小さく、かつ両者は中心位置が同軸上で合わされて組込まれている。
そして、その可動接点114の中央部上に対応する平面基板104および絶縁基板105の位置には、押下用孔104Bおよび105Bが構成されている。
この多方向入力操作用の電子部品102は、以上のように構成されるものであり、以下図23を用いて、この電子部品102を組込んだ多方向入力装置について説明する。
同図に示すように、この電子部品102は、ケース103の底部のボス103Bを使用機器の配線基板120の基板貫通孔120Aに挿通させて位置決めされ、それぞれの端子110A,111,112A,113A(同図には出力用端子111しか図示せず。)を配線基板120上の所定配線部にハンダ付け固定することにより装着されている。
そして、この電子部品102の上方に、所定の上下動および傾倒操作が可能な操作部材200が配されている。
この操作部材200は、半球状の球体部201の下面に同心的に形成されたリング状突起202および、その中心にリング状突起202よりも高さの高い中心凸部203を備えている。
そして、この操作部材200の外周部205が、上ケースなどに相当する外装部材206で押え込まれることにより、リング状突起202が、電子部品102の抵抗素子層106に対応した上方位置に、また中心凸部203が、電子部品102の可動接点114中央に対応する上方に位置するように操作部材200は装着されている。
そして、その外装部材206で押え込まれた操作部材200の外周部205と球体部201とは、下方全方位に広がるスカート状の弾性部207で連結され、この弾性部207の作用によって、リング状突起202と絶縁基板105との間、および中心凸部203と可動接点114上の粘着テープ115との間に、所定間隔が維持できるようになっている。
また、球体部201の上面中央部には、操作部208が設けられ、外装部材206の操作用孔206Aから突出している。
そして、この操作用孔206Aの下端部は、球体部201の形状に合わせた球状に加工されており、操作部208に操作力を加えていない図23に示す通常状態では、弾性部207の作用によって押し上げられている状態の球体部201の上方中間部分が、操作用孔206Aの下端部に当接することにより、操作部材200は中立位置を保っている。
本実施の形態による多方向入力装置は、以上のように構成されるものであり、次に、その動作について説明する。
まず、図23に示す操作部材200が中立位置にある通常状態に対し、操作部208に操作部材200を図23中で左側に傾倒させる力を加えると、その方向に対応する左側の弾性部207が撓みながら操作部材200の球体部201が操作用孔206Aの下端部に沿って回動していく。
そして、所定角度まで操作部材200が回動すると、リング状突起202の下方側に移動した部分が対応する絶縁基板105上面に当接してその部分を押し下げ、図26に示すように、その下面に配されている抵抗素子層106の対応部分を平面基板104に接触させる。
このとき、電子部品102の入力用端子110Aの内、所定の二つの入力用端子110A間に所定電圧を印加することによって、上記所定の二つの入力用端子110Aに繋がった二つの弾性脚110および二つの導出部107を介し、抵抗素子層106に上記所定電圧を印加する。
なお、弾性脚110は、導出部107に所定の圧力で弾接しているため、印加電圧は損失少なく抵抗素子層106に確実に伝達されて印加される。
そして、この状態で平面基板104の出力用端子111から第一の出力電圧値を検出する。
この第一の出力電圧値をマイクロコンピュータ等で演算処理することによって、抵抗素子層106が、平面基板104に接触した部分の候補として二箇所を特定する。
さらに、マイクロコンピュータなどを用いて、上記二つの入力用端子110Aの印加を止め、短い高速の周期で上記二つの入力用端子110Aとは異なる二つの入力用端子110Aを介して抵抗素子層106に所定電圧を印加し、出力用端子111から第二の出力電圧値を検出する。
この第二の出力電圧値をも、マイクロコンピュータ等で演算処理することによって、抵抗素子層106が平面基板104に接触した部分の候補として二箇所を特定する。
そして、上記第一の出力電圧値で特定された候補および上記第二の出力電圧値で特定された候補を、マイクロコンピュータ等を用いて比較し、両者で合致する位置を、抵抗素子層106が平面基板104に接触した位置と判定して、操作された操作方向を決定させ、それに合わせて電子機器における所定の制御を行うようにする。
そして、上記操作部材200の操作部208への操作力を除くと、図26に示す撓んだ左側近傍の弾性部207が元の形状に復元し、その復元力で操作部材200は図23に示す中立状態に戻る。
なお、上記には操作部材200を左側に傾倒させた場合について説明したが、抵抗素子層106は、円形リング状に構成されているため、上記に説明した以外の方向に傾倒させても同様な動作となって、360°の全周方向で傾倒操作方向を検出することができる。
また、その接触位置を特定するための第一および第二の出力電圧値の分解能を調節することにより、傾倒操作方向の分解能を設定することも可能となる。
なお、上記の傾倒操作時に、可動接点114は操作部材200の中心凸部203で少し押下力を受けるが、この可動接点114は、上記押下力で作動しない動作力のもので構成されているため、スイッチの状態は切り換わることはない。
一方、操作部材200の操作部208に対して垂直下方への押下力を加えて、球体部201を下方に移動させると、スカート状の弾性部207が全方位に亘って撓んでいき、球体部201下面の中心凸部203の先端が粘着テープ115上面に当接し、粘着テープ115を介して可動接点114を押下していく。
そして、その押下力が所定の力を越えると、可動接点114は、節度感を持って反転動作し、その下面が中心接点112に接し、図27の断面図に示すように、可動接点114を介して中心および外側接点112および113の間、つまりスイッチ端子112Aおよび113A(共に図示せず)間が電気的に導通する。
そして、上記操作部材200の操作部208に対する垂直下方への押下力を除くと、可動接点114およびスカート状の弾性部207が元の形状に復元し、それらの復元力で操作部材200は図23に示す中立状態に戻る。
なお、上記の押下操作時には、操作部材200のリング状突起202は、絶縁基板105に当接しないように構成されている。
このように、本実施の形態による多方向操作装置およびそれを用いた電子機器は、操作部材200に対する傾倒操作方向が、360°の全方向で高分解能に検出できると共に、押下操作によってスイッチの状態を切り換えることができるものである。
そして、この多方向操作装置を備えた電子機器は、操作部材200に対する傾倒操作方向に合わせて制御することにより、例えば表示部に表示されたカーソルを、表示画面上で斜め方向などに容易かつ自在に移動させることができるものとなるため、使い勝手のよいものにでき、さらに、操作部材200に対する押下操作で得られるスイッチ信号を決定・確定信号として用いると、さらに利便性に優れたものにできる。
さらに、操作部材200を傾倒操作した状態を計時して、所定時間以上、同一方向に操作された状態が検出された際、または、所定時間内に同一方向に複数回操作された状態が検出された際に、制御状態を変える、例えば表示部に表示されたカーソルやアイコンの移動速度を可変させるようにしてもよく、上記操作形態は、片手で容易に操作可能なものであるため、さらに使い勝手がよく利便性の優れたものにできる。
なお、本実施の形態による多方向入力装置においては、抵抗素子層106への印加を所定周期で高速に切り換えつつ行うものであるため、上述の計時時間の設定は、上記印加電圧の切換え周期の倍数の時間で設定することが好ましい。
そして、本実施の形態による多方向操作装置は、その傾倒方向や押下の検出部となる部材を電子部品102として小型・薄型に構成したものであるため、取扱いが容易で、他の搭載部品と共に使用機器の配線基板120に実装機等を用いて実装することもできる。
なお、上記の電子部品102においては、スイッチを付加しているものを説明したが、スイッチを構成していないものであってもよい。
(実施の形態6)
図28は、本発明の第6の実施の形態による多方向入力装置を備えた電子機器の要部断面図、図29は同多方向入力装置部分の分解斜視図である。
同図に示すように、本実施の形態による多方向入力装置も、実施の形態5によるものと同様に、操作部材200以外の部分を個片の電子部品302として構成したものであるため、実施の形態5と同様の部分の説明は省略する。
同図において、303は、絶縁樹脂製の電子部品用のケースであり、その上部には絶縁基板304が固定され、その絶縁基板304上には、一様な比抵抗で一様な幅に形成された円形リング状の抵抗素子層305が上面側に露出している。
なお、図29中においても抵抗素子層305を判り易くするためにハッチングを施している。
そして、その抵抗素子層305から外周に向かう放射状に90°間隔で形成された導出部(図示せず)に固定された入力用端子306は、ケース303の側部から外方に突出している。
また、ケース303の上部には、抵抗素子層305から若干の間隔を空けてその外方部分に抵抗素子層305の高さ位置よりも高い平坦外周段部307が構成されており、その平坦外周段部307上に重ねて弾性導電金属板からなる平面基板308が配設されている。
この平坦外周段部307により、抵抗素子層305と平面基板308とは所定ギャップを保っている。
そして、この平面基板308には、出力用端子309が一体形成されており、入力用端子306と同じ高さ位置でケース303の外方に突出している。
そして、310は、円形リング状の抵抗素子層305の外径よりも若干大きく形成された操作用孔310Aを上面部に備えた金属カバーであり、その操作用孔310Aと抵抗素子層305との位置を対応させた状態で、絶縁基板304の抵抗素子層305が形成されていない上面側から被せられ、その上面部に一体形成されたカシメ固定脚部310Bが、平面基板308とケース303とを抱き込みケース303底面でカシメ固定されることによって、両部材を結合させている。
また、このときにケース303の上方に突出した位置決め突起303Aは、それぞれ平面基板308、金属カバー310に設けられた位置決め孔308A,310Cに同軸上で挿通されて、金属カバー310上に突出した部分をカシメられている。
一方、このケース303には、その中央部となる抵抗素子層305の円形リングの内部で構成される円形部よりも内側にリング状の内周段部311を有し、その内周段部311内には、スイッチ用の中心および外側接点312および313が配設固定され、それぞれのスイッチ端子312Aおよび313Aもケース303から他の端子と同一高さで外方に延出されている。
そして、この外側接点313上に、円形ドーム状で金属薄板からなる可動接点314が載せられ、その可動接点314上部およびケース303の上面部に粘着テープ315が粘着固定されることにより、可動接点314は位置決めされると共に、平面基板308と電気的に絶縁されている。
そして、このように装着された可動接点314の中央部下面は、中心接点312に対峙して所定間隔を保っている。
なお、ケース303の内周段部311と平坦外周段部307とは同一高さに構成され、可動接点314を粘着固定した状態での粘着テープ315の上面位置は、それらよりも低い高さ位置となっている。
そして、この可動接点314の中央部上に対応する平面基板308の位置には、押下用孔308Bが構成されている。
本実施の形態による多方向入力用の電子部品302は、以上のように構成されるものである。
そして、この電子部品302は、図28にも示してあるように、ケース303の底部のボス303Bを使用機器の配線基板120の基板貫通孔120Aに挿通させて位置決めされ、それぞれの端子306,309,312A,313A(同図には出力用端子309しか表記せず。)を配線基板120上の所定配線部にハンダ付け固定されて装着されている。
そして、この電子部品302の上方に、所定の上下動および傾倒操作が可能な操作部材200が配されている。
この操作部材200は、実施の形態5によるものと同じであり、その形状や外装部材206との配設ならびに係合状態も同じであるため、その説明は省略するが、上記の所定状態で装着された操作部材200において、その球体部201下面のリング状突起202は平面基板308に、また中心凸部203は粘着テープ315に、所定の間隔を持って対向状態で配置されている。
そして、リング状突起202と抵抗素子層305とは、上下方向で位置が合わせられている。
本実施の形態による多方向入力装置は、以上のように構成されるものであり、次に、その動作について説明するが、実施の形態5と同様の部分は、詳細な説明を省略する。
まず、図28に示す操作部材200が中立位置にある状態に対し、操作部材200の操作部208に図28中で左側に傾倒させる力を加えると、その方向に対応する左側の弾性部207が撓みながら球体部201が回動していき、リング状突起202の下方側に移動した部分が平面基板308の対応部分を押し下げ、図30に示すように、その箇所に対応する平面基板308の下面が抵抗素子層305に接触する。
この状態で、電子部品302の入力用端子306の内、所定の二つの入力用端子306間に所定電圧を印加することによって、抵抗素子層305に上記所定電圧を印加し、平面基板308の出力用端子309から第一の出力電圧値を検出する。
この第一の出力電圧値をマイクロコンピュータ等で演算処理することによって、抵抗素子層305が、平面基板308に接触した部分の候補として二箇所を特定する。
さらに、マイクロコンピュータなどを用いて、上記二つの入力用端子306の印加を止め、短い高速の周期で上記二つの入力用端子306とは異なる二つの入力用端子306を介して抵抗素子層305に印加して出力用端子309から第二の出力電圧値を検出する。
この第二の出力電圧値をも、マイクロコンピュータ等で演算処理することによって、抵抗素子層305が、平面基板308に接触した部分の候補として二箇所を特定する。
そして、上記第一の出力電圧値で特定された候補および上記第二の出力電圧値で特定された候補を、マイクロコンピュータ等を用いて比較し、両者で合致する位置を、抵抗素子層305が平面基板308に接触した位置と判定して、操作された操作方向を決定させ、それに合わせて電子機器における所定の制御を行うようにする。
そして、上記操作部材200の操作部208への操作力を除くと、弾性部207および平面基板308が元の形状に復元し、その復元力で操作部材200は図28に示す中立状態に戻る。
また、本実施の形態による電子部品302は実施の形態5によるものと同様に、抵抗素子層305が、円形リング状に構成されているため、上記に説明した以外の方向に傾倒させても同様な動作となって、360°全周方向で傾倒操作方向を容易かつ高分解能で検出することができる。
なお、上記の傾倒操作時に、操作部材200の中心凸部203は、可動接点314を押下しないように構成されていることは実施の形態5の場合と同じである。
一方、操作部材200の操作部208に対して垂直下方への押下力を加えて、球体部201を下方に移動させると、スカート状の弾性部207が撓んでいき、球体部201下面の中心凸部203の先端が粘着テープ315上面に当接した後、粘着テープ315を介して可動接点314を押下していく。
そして、その押下力が所定の力を越えると、可動接点314は、節度感を持って反転動作し、図31に示すように、その下面が中心接点312に接し、可動接点314を介して中心および外側接点312および313の間、つまりスイッチ端子312Aおよび313A間が電気的に導通する。
そして、上記操作部材200の操作部208に対する下方への押下力を除くと、可動接点314、スカート状の弾性部207、平面基板308が元の形状に復元し、それらの復元力で操作部材200は図28に示す中立状態に戻る。
なお、上記の押下操作時には、操作部材200のリング状突起202は、平面基板308に当接しないように構成されている。
このように、本実施の形態による多方向操作装置およびそれを用いた電子機器においては、実施の形態5によるものと同様に、操作部材200に対する傾倒操作方向が、360°の全方向で高分解能に検出できると共に、押下操作によってスイッチの状態を切り換えるものにでき、その傾倒および押下により得られる信号を用いることにより、使い易い高機能のものを容易に実現することができる。
また、本実施の形態のものも、操作部材200以外の部分を電子部品302として小型・薄型に構成したものであるため、取扱いが容易で、他の部品と共に使用機器の配線基板120に実装機などを用いて実装することが可能である。
さらに、この電子部品302は、操作部材200によって操作される部材を弾性金属薄板からなる平面基板308で構成しているため、操作部材200と高い組み合わせ精度で組み合わさずとも全方位の操作方向検出が可能なものを容易に実現でき、また操作部材200により繰り返して操作されても、平面基板308の伸びや変形などが少ないため、長期に亘って安定した操作性を備えたものにできる。
なお、この電子部品302においても、スイッチのないものであってもよい。
(実施の形態7)
本実施の形態は、実施の形態5で説明した多方向入力用の電子部品102に対して異なる操作方法によって操作できるように構成された多方向入力装置を説明するものであり、その電子部品102自体は実施の形態5と同じものであるため、説明を省略し、異なる部分を主として説明する。
図32は、本発明の第7の実施の形態による多方向入力装置を備えた電子機器の要部断面図であり、同図に示すように、多方向入力用の電子部品102は、使用機器の配線基板120上の所定位置にハンダ付けにより装着固定されている。
そして、この電子部品102の上方に、所定の上下動および配線基板120面に対して平行な方向への直線動操作が可能な樹脂製の操作部材400が配されている。
この操作部材400は、中央が、鍔状部401Aを有する円形操作部401となり、その外周に同心状に配された複数のリング状部402が、リング毎に角度位置を変えて連結桟403で連結されたものとなっている(図33参照)。
そして、その最外周リング状部404は、外装部材500に装着され、この状態で円形操作部401の下面中心に設けられた中心凸部405は、電子部品102の中心位置に対して所定の間隔を保って対峙すると共に、円形操作部401の上部406は、その上部406よりも所定範囲で大きく形成された外装部材500の操作用孔501から中心位置を合わせて露出または突出状態になっている。
なお、円形操作部401の中心凸部405は、絶縁基板105下面の抵抗素子層106に干渉しない径で構成されている。
また、円形操作部401の鍔状部401Aは、上記外装部材500の操作用孔501よりも大径に形成されており、その上面は外装部材500下面に摺動可能に当接状態になっている。
そして、この円形操作部401下部には、中心凸部405を中心として下方側に広がるすり鉢状の弾性部材407が装着され、その先端部407Aは、円形リング状の抵抗素子層106よりも外周位置に相当する絶縁基板105上面に弾接している。
つまり、すり鉢状の弾性部材407の下端径は、抵抗素子層106の径よりも大きく、操作部材400が操作されない通常状態において、抵抗素子層106に対して、先端部407Aは同心状に弾接している。
そして、この操作部材400は、弾性部材407の弾性力による上方への付勢力で付勢され、その鍔状部401Aの上面が外装部材500の下面に当接されて、上下方向の位置決めがなされている。
本実施の形態による多方向入力装置は、以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。
まず図32に示す操作部材400が操作されない通常状態から、操作部材400の円形操作部401の上部406を水平に操作、つまり配線基板120面に対して平行に直線動させると、複数のリング状部402間の連結桟403で連結されていない部分の間が狭まっていくことにより、円形操作部401の側面が外装部材500の操作用孔501に当接するまで、円形操作部401は水平移動していく。
そして、これに伴って、すり鉢状の弾性部材407も同一方向に移動していき、図34の断面図に示すように、その先端部407Aが、抵抗素子層106が形成された部分に相当する絶縁基板105上面に移動し、弾性部材407自身の弾性力で絶縁基板105を押し下げて、抵抗素子層106の所定位置を平面基板104に接触させる。
このときに、操作部材400下面の中心凸部405は、可動接点114などとは全く干渉しないため、スイッチの状態が切り換わることはない。
なお、上記状態で、その接触位置の検出をする方法などは、実施の形態5の場合などと同様であるため説明を省略するが、本実施の形態によるものは、操作方向に対して180°反対の箇所が検出されるため、それを正規の操作方向に補正して使用する。
そして、操作部材400の円形操作部401への水平な操作力を除くと、複数のリング状部402が元の状態に復元することにより、図32に示す通常状態に戻る。
一方、図32に示す通常状態において、操作部材400の円形操作部401の上部406に垂直下方に向かう押し下げ力を加えると、複数のリング状部402間の連結桟403が少しずつ中央側が低い傾斜状態になっていき円形操作部401は下方に移動する。
このときに、弾性部材407は、外方に広がるように弾性変形し、抵抗素子層106は押し下げられることはない。
そして、円形操作部401下面の中心凸部405が、図35の断面図に示すように、電子部品102の中央位置に配されたスイッチの可動接点114を粘着テープ115を介して押下していき、スイッチをON状態とする。
なお、上記スイッチの動作状態は、実施の形態5と同じであるため、詳細な説明を省略する。
そして、上記操作部材400への押し下げ力を除くと、可動接点114が元の形状に復元してスイッチがOFF状態に戻ると共に、弾性部材407も元の形状に復元し、かつ複数のリング状部402間の連結桟403が配線基板120面に平行な元の状態に復元することによって図32の通常状態に戻る。
このとき、操作部材400の鍔状部401Aの上面が外装部材500の下面に当接することにより、操作部材400は、元の位置に停止する。
このように本実施の形態によるものは、操作部材400を配線基板120面に水平な直線動操作または押下操作して電子部品102を操作するものであるため、使用機器の外装形状をよりスリムに構成できるものである。
なお、弾性部材407としてすり鉢状のものを説明したが、それ以外の形状のものであってもよく、例えば扇形のものを複数個装着しても同様の効果を得られる。
また、操作部材400の直線動操作方向を互いに直交する四方向、または等角度に分割された八方向のみに移動可能に規制してもよく、この場合にはその移動方向に対応する弾性部材のみを装着したものとし、その直線移動操作によってその方向のみの簡素な検出のみをするようにしてもよい。
さらに、電子部品102としてスイッチのないものであってもよく、この場合には、操作部材400の鍔状部401Aの径を、操作部材400の直線動操作した際を含めて、外装部材500の操作用孔501を塞ぐ大きさに構成することにより、使用機器の防塵性能を高めることができる。
本発明による多方向入力装置およびこれを用いた電子機器は、入力方向の分解能が高いものとして実現することができるという特徴を有し、各種電子機器の入力操作部などを構成する等に有用である。
本発明の第1の実施の形態による多方向入力装置を用いた電子機器としての携帯電話の要部断面図 同多方向入力装置部分の分解斜視図 同外観斜視図 同多方向入力装置の構成を説明する概念図 図3のP−P線における断面図 同多方向入力装置部分の出力電圧のグラフ 同他の構成による、多方向入力装置を用いた電子機器の多方向入力装置部分の分解斜視図 同他の構成による多方向入力装置の接点部分の分解斜視図 図5のQ−Q線における断面図である接点部分の平面図 図8に示す接点部分の組立て後の平面図 本発明の第2の実施の形態による多方向入力装置を用いた電子機器としての携帯電話の要部断面図 同多方向入力装置の構成を説明する概念図 同操作つまみを押圧・傾倒させた状態の断面図 本発明の第3の実施の形態による多方向入力装置を用いた電子機器としての携帯電話の要部断面図 同多方向入力装置部分の分解斜視図 同多方向入力装置の構成を説明する概念図 同操作つまみを押圧・傾倒させた状態の断面図 同押釦を押圧した状態の断面図 本発明の第4の実施の形態による多方向入力装置を用いた電子機器としての携帯電話の要部断面図 同操作つまみを押圧・傾倒させた状態の断面図 同操作つまみを更に押圧した状態の断面図 同押釦を押圧した状態の断面図 本発明の第5の実施の形態による多方向入力装置を備えた電子機器の要部断面図 同多方向入力装置部分の分解斜視図 同主要部材となる多方向操作入力用の電子部品のケースの上面図 同傾倒操作状態を示す断面図 同押下操作状態を示す断面図 本発明の第6の実施の形態による多方向入力装置を備えた電子機器の要部断面図 同多方向入力装置部分の分解斜視図 同傾倒操作状態を示す断面図 同押下操作状態を示す断面図 本発明の第7の実施の形態による多方向入力装置を備えた電子機器の要部断面図 同主要部材となる操作部材の上面図 同直線動操作状態を示す断面図 同押下操作状態を示す断面図 従来の多方向入力装置に使用される多方向入力用電子部品としての多方向操作スイッチの断面図 同分解斜視図 同操作体を傾倒させた状態の断面図
符号の説明
11 上ケース
11A 貫通孔
12 下ケース
13,37,49,120 配線基板
14,42,48 操作つまみ
14A,42A,43A 上面
14B,43B 突部
14C,43C,48D フランジ部
14D,42C,48C 突出部
16,38,52 可撓性絶縁基板
16A スペーサ
16B,108 絶縁スペーサ
17 板ばね
18,32,53,106,305 抵抗素子層
18A,18B,22A,23A,33A,33B,34A,34B,107 導出部
18C,18D,33C,33D,34C,34D 良導電体部
19A,19B 接続部
20 押圧ばね
21A,21B 接続接点
22,50 第一導電体層
23,51 第二導電体層
24A,24B 絶縁部
25,46 マイクロコンピュータ
29 押圧点
29A 下押圧点
30,35,53A 接触点
31 可撓性配線基板
36 導通板
38A 丸孔
39 固定接点
40,114,314 可動接点
40A 外周下端部
40B 中央凸部
41 スイッチ接点部
42B,48B 貫通孔
43 押釦
44,112,312 中心接点
45,113,313 外側接点
47,115,315 粘着テープ
48A 押圧部
102,302 電子部品
103,303 ケース
103A,303A 位置決め突起
103B,303B ボス
104,308 平面基板
104A,105A,109C,308A,310C 位置決め孔
104B,105B,308B 押下用孔
105,304 絶縁基板
109,310 金属カバー
109A,206A,310A,501 操作用孔
109B,310B カシメ固定脚部
110 弾性脚
110A,306 入力用端子
111,309 出力用端子
112A,113A,312A,313A スイッチ端子
120A 基板貫通孔
200,400 操作部材
201 球体部
202 リング状突起
203,405 中心凸部
206,500 外装部材
207 弾性部
208 操作部
307 平坦外周段部
311 内周段部
401 円形操作部
401A 鍔状部
402 リング状部
403 連結桟
404 最外周リング状部
406 円形操作部の上部
407 弾性部材
407A 先端部
S,T,U1,U2 矢印

Claims (19)

  1. 絶縁基板に形成された円形リング状の抵抗素子層と、その抵抗素子層と所定の絶縁ギャップを空けて対向配置された平面基板に形成された導電部と、上記抵抗素子層と上記導電部とを部分的に接触させるための操作部材とを備え、上記抵抗素子層に所定状態に電圧が印加された状態で、上記絶縁基板または上記平面基板に対して上記操作部材により押圧力を加えて上記抵抗素子層と上記導電部とを部分的に接触させ、それによって得られる導出信号で上記接触位置を検出する多方向入力装置。
  2. 円形リング状の抵抗素子層が、可撓性絶縁基板の下面に形成され、所定の角度位置に少なくとも一組の導出部を有するもので、かつ導電部が、平面基板上に上記抵抗素子層と所定の絶縁ギャップを空けて対向して形成され、互いに絶縁されたそれぞれが導出部を有する第一、第二導電体層であると共に、操作部材が、上記抵抗素子層裏面に沿った可撓性絶縁基板の上面に対し、所定の間隔を空けて対峙する円形リング状の突出部を下面に有する板状部が、下面の中心部を中心として全方向に傾倒可能に支持された操作つまみからなる電子部品に対し、上記抵抗素子層の各組の導出部間に所定の電圧を印加した状態において、上記操作つまみ上面を押して所望の角度方向に傾倒させ、上記下面の突出部が上記可撓性絶縁基板を押して傾倒方向下面の上記抵抗素子層を上記第一または第二導電体層と接触導通させる時の、上記第一、第二導電体層の各導出部の出力電圧を組み合わせて演算処理することにより、上記操作つまみを傾倒させた角度方向を認識する請求項1記載の多方向入力装置。
  3. 円形リング状の抵抗素子層が一様な比抵抗の一様な幅の抵抗層で形成されて、一組の導出部が円形リング状の中心に対して対称な位置に設けられると共に、第一、第二導電体層が上記抵抗素子層の一組の導出部のそれぞれと対応する位置で絶縁された請求項2記載の多方向入力装置。
  4. 対向して形成された、円形リング状の抵抗素子層と第一、第二導電体層の間の絶縁ギャップ部に、厚さ方向に押圧されることにより、押圧された位置の上下面間が導通する異方性導電体からなる平板状の導通板を介在させた請求項2記載の多方向入力装置。
  5. 第一、第二導電体層を所定幅の円弧状とし、その中央部に、中心接点とその周辺の外側接点からなる固定接点と、可撓性絶縁基板の抵抗素子層の中央部に絶縁して設けられた、弾性を有する円形ドーム状の可動接点からなり、上記可動接点の外周下端部が上記外側接点に載せられたスイッチ接点部を配設すると共に、操作つまみの中央に設けた貫通孔内に、独立して上下動可能であるが上方への動きを規制して保持され、下面中心の突部が上記可動接点の上端部に当接して、上記操作つまみを所定寸法だけ押し上げる押釦を配設してプッシュスイッチ部を付加した請求項2記載の多方向入力装置。
  6. 操作つまみ上面の押圧部が下面の円形リング状の突出部の直径よりも内側にあると共に、押釦が上記操作つまみ中央の貫通孔に同心状に係合しており、上記操作つまみ上面の押圧部を押して所望の角度方向に傾倒させるのに伴って押釦も下方に動き、まず、上記操作つまみが可撓性絶縁基板を押して傾倒した角度方向を認識した後に、上記押釦が円形ドーム状の可動接点を押すことによりスイッチ接点部が節度感を伴って接触して信号を発する請求項5記載の多方向入力装置。
  7. 電子機器本体の平面状の配線基板上に設けた第一、第二導電体層の上方に、抵抗素子層を有する可撓性絶縁基板を配設すると共に、上記電子機器の外装部材となる上ケースの貫通孔から操作つまみの上面が露出した、請求項2記載の多方向入力装置を用いた電子機器。
  8. 電子機器本体の平面状の配線基板上に重ねて配設した可撓性配線基板に抵抗素子層を形成した請求項7記載の電子機器。
  9. 操作つまみが露出する上ケースの貫通孔周囲の下面と、上記操作つまみ外周の抜け止め用フランジ部の間に弾性体を配設して、上記操作つまみを略垂直状態に保持すると共にガタツキを規制した請求項7記載の電子機器。
  10. 電子機器本体の平面状の配線基板上に設けた第一、第二導電体層およびスイッチ接点部の固定接点の上方に、抵抗素子層および上記スイッチ接点部の可動接点を有する可撓性絶縁基板を配設すると共に、上記電子機器の外装部材となる上ケースの貫通孔から操作つまみが露出し、更に、この操作つまみ中央の貫通孔内に押釦を保持した、請求項5記載の多方向入力装置を用いた電子機器。
  11. 平面基板が導電部の機能を共有する導電金属板で構成されると共に、抵抗素子層からの導出部が少なくとも三箇所以上導出され、操作部材の操作によって上記抵抗素子層と上記平面基板とが部分的に接触させられた状態において、上記抵抗素子層の所定の二つの導出部に順次所定電圧を切り換えながら印加して、その接触位置を検出するようにした請求項1記載の多方向入力装置。
  12. 出力用端子を一体形成した導電金属板からなる平面基板が、その出力用端子を外方に突出させてケースに固定されると共に、上記ケースに固定された導電性の弾性脚が、上記平面基板に所定の絶縁ギャップを空けて配された絶縁基板の抵抗素子層の導出部に弾接し、操作部材の操作によって上記抵抗素子層と上記平面基板とが部分的に接触させられた状態において、上記弾性脚に対応する上記ケースの入力用端子を介して上記抵抗素子層に電圧を切り換えながら印加して、上記平面基板の出力用端子からの導出信号を演算処理することにより、上記抵抗素子層と上記平面基板との接触位置を検出するようにした請求項11記載の多方向入力装置。
  13. 抵抗素子層を有し、その抵抗素子層の導出部に入力用端子が固着された絶縁基板が、上記入力用端子を外方に突出させてケースに固定されると共に、その抵抗素子層に所定の絶縁ギャップを空けて出力用端子を一体形成した弾性導電金属板からなる平面基板が配され、操作部材の操作によって上記抵抗素子層と上記平面基板とが部分的に接触させられた状態において、上記ケースの入力用端子を介して上記抵抗素子層に電圧を切り換えながら印加して、上記平面基板の出力用端子からの導出信号を演算処理することにより、上記抵抗素子層と上記平面基板との接触位置を検出するようにした請求項11記載の多方向入力装置。
  14. 絶縁基板が、抵抗素子層の中央部に対応する位置に押下用孔を有すると共に、その孔と対向する平面基板の位置にスイッチが配され、上記絶縁基板の抵抗素子層に設けた押下用孔から操作部材で上記スイッチを操作可能とした請求項12記載の多方向入力装置。
  15. 絶縁基板の抵抗素子層の中央部にスイッチが配された請求項13記載の多方向入力装置。
  16. 請求項1記載の多方向入力装置を用いた電子機器であって、操作部材が傾倒操作または水平な直線動操作可能で、このいずれかの操作により抵抗素子層と導電部とが部分的に接触し、その導出信号によって操作方向を検出する電子機器。
  17. 操作部材の操作によって抵抗素子層と導電部とを部分的に接触させた状態において、所定時間内に検出された結果に応じて、その接触部分に対応する方向へのカーソルなどの移動速度を可変させるように制御した請求項16記載の電子機器。
  18. 所定時間内に略同一位置の抵抗素子層と導電部との部分的な接触した導出信号が二度続けて検出された場合、または所定時間以上の上記導出信号が継続して検出された場合に、その接触部分に対応する方向へのカーソルなどの移動速度を可変させるように制御した請求項17記載の電子機器。
  19. 請求項14または15に記載の多方向入力装置を用いた電子機器であって、操作部材が傾倒操作または水平な直線動操作及び押下操作可能で、この傾倒操作または水平な直線動操作により抵抗素子層と導電部とが部分的に接触し、その出力信号で操作方向が検出されてカーソルなどが移動し、また操作部材の押下操作で得られるスイッチからの信号を用いて所定項目を選択・決定する電子機器。
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JP2013004456A (ja) * 2011-06-21 2013-01-07 Tokai Rika Co Ltd スイッチ装置

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