JP2007047101A - 静電容量型圧力センサ及びその製造方法 - Google Patents

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哲也 福田
Katsuya Kikuiri
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Abstract

【課題】 歩留まりの向上を図ると共に、検出精度の向上を可能とした小型の静電容量型圧力センサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 表面部2aに第1の電極7を有する基材2と、基材2の表面部2aと対向して配置されると共に、第1の電極7と対向する第2の電極13を有するダイヤフラム3と、基材2とダイヤフラム3との間に配置されて、第1の電極7と第2の電極13との対向間隔を規定すると共に、第1の電極7と第2の電極13との対向部分を取り囲む環状の内側スペーサ部材4と、内側スペーサ部材4の外側を取り囲む環状の外側スペーサ部材5と、内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に埋め込まれた状態で基材2とダイヤフラム3とを接合する接合部材6とを備え、基材2とダイヤフラム3と内側スペーサ部材4との間には、接合部材6により気密に封止された気密室14が設けられている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、対向する電極間の静電容量の変化に基づいて圧力の変化を検出する静電容量型圧力センサ及びその製造方法に関する。
従来の静電容量型の圧力センサにおいては、ダイヤフラムに区画された気密室に微細間隔をあけて対向配置した対になる電極に配線を接続形成し、両方の電極から信号線を取り出す構造とする必要があることから、ガラスとシリコン基板を個々に加工し、それらに電極形成や配線を施したものを陽極接合して一体化し、センサ素子が構成されていた。この種の静電容量式の圧力センサにおいて、シリコン基板と、シリコン基板に陽極接合され、シリコン基板との間に形成された気密室に連通する貫通孔が設けられているガラス基板とからなり、前記ガラス基板の内面に陽極接合により固定され、前記貫通孔の内端開口を気密状態で閉止するシリコン電極板と、前記貫通孔に配置され、シリコン電極板からの信号を外部に導く導電体とを備えた構成の圧力センサが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、他の構成の圧力センサの一例として、電気絶縁性材料からなるダイアフラムと固定基板の上に所定の電極パターンを形成する工程と、前記ダイアフラムと前記固定基板とを一定間隔に保持し接着する接着層を前記ダイアフラムと前記固定基板の電極の周縁部に形成する工程と、前記ダイアフラムと前記固定基板を前記接着層を介して張り合わせて荷重をかけたまま焼成し前記ダイアフラムと前記固定基板とを一定間隔に保持し接着する工程と、荷重を除いた状態で高温処理して接着層を焼成し、その後、徐冷して前記接着層内の内部応力を取り除く工程により製造される静電容量式圧力センサ並びにその製造法が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
ところで、前記シリコン基板にガラス基板を陽極接合して製造するタイプの静電容量型圧力センサでは、陽極接合を行うために、基板としてNa入りのパイレックス(登録商標)ガラスを用いる必要があるが、パイレックス(登録商標)ガラスは高価であり、必然的に圧力センサの製造コストが高くなるので、圧力センサをコスト安に製造できない要因となっていた。また、パイレックス(登録商標)ガラスを用いた陽極接合を行う場合、ガラス基板とSi基板の双方に高い電圧を印加して接合する必要があるので、ギャップをあけて配置した電極間あるいは配線の弱い部分にスパークが生じたり、陽極接合時にガスが発生するなどの問題があり、容量が不安定な製品が製造されてしまうおそれが高く、製品歩留まりを向上させることが難しい問題があった。
一方、所定の間隙で対向する平板電極を2枚の基板の対向面にそれぞれ設けた静電容量式圧力センサにおいて、前記基板の対向面のうち、前記平板電極の周囲に環状のスペーサを設けるとともに、前記スペーサの周囲に前記スペーサよりも軟化点または融点が低い材料からなるフリット(ガラス)を設けて、該フリットが軟化または溶融する温度で2枚の基板を接合一体化することが知られている(例えば、特許文献3を参照。)。しかしながら、このようなガラスによる接合の場合には、外部からの水分などの侵入に弱くなり、また、接合後に必要部分のみを残してその他の部分を切断砥石などを用いてダイシングする際の接合部分の機械的強度を保つことが困難となる。さらに、接合時に外側に流れ出たガラスによってダイヤフラムの接合部分に加わる応力が変わってしまうために、このダイヤフラムの撓みを一定にして静電容量のばらつきを小さくすることが困難となるといった問題があった。
特開2000−28463号公報 特開平9−318476号公報 特開2004−12141号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、歩留まりの向上を図ると共に、検出精度の向上を可能とした小型の静電容量型圧力センサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の静電容量型圧力センサは、少なくとも表面部に第1の電極を有する基材と、基材の表面部と対向して配置されると共に、第1の電極と対向する第2の電極を有するダイヤフラムと、基材とダイヤフラムとの間に配置されて、第1の電極と第2の電極との対向間隔を規定すると共に、第1の電極と第2の電極との対向部分を取り囲む内側スペーサ部材と、内側スペーサ部材と同じ厚みを有し、且つ、内側スペーサ部材の外側を取り囲む外側スペーサ部材と、内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間に埋め込まれた状態で基材とダイヤフラムとを接合する接合部材とを備え、基材とダイヤフラムと内側スペーサ部材との間には、接合部材により気密に封止された気密室が設けられていることを特徴とする。
以上のように、本発明の静電容量型圧力センサでは、接合部材が内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間に埋め込まれた状態で基材とダイヤフラムとを接合することから、基材とダイヤフラムと内側スペーサ部材との間に気密性に優れた気密室を精度良く設けることができる。また、接合部材が内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間に埋め込まれた状態で基材とダイヤフラムとを接合することによって、基材とダイヤフラムとの接合強度を高めると共に、ダイヤフラムの接合部分にかかる応力を均一に保つことができる。さらに、基材とダイヤフラムとの間に配置された内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材の厚みによって、第1の電極と第2の電極との対向間隔を高精度に規定することができる。したがって、本発明の静電容量型圧力センサでは、ダイヤフラムの撓みを一定にして静電容量のバラツキを抑えることができる。
また、本発明の静電容量型圧力センサは、ダイヤフラムと接合部材とが共晶接合されていることを特徴とする。
この場合、従来のようなダイヤフラムとなるSi基板と、基材となるパイレックス(登録商標)ガラスとの組み合わせにより必須であった陽極接合を行うことなく、基材とダイヤフラムとを接合部材を介して強固に接合することができる。また、従来のガラスによる接合の場合に比べて、外部からの水分などの侵入を防ぐと共に、接合部分の機械的強度を保つことができる。
また、本発明の静電容量型圧力センサは、ダイヤフラムがSiを含む材料からなり、接合部材がAuを含む材料からなることを特徴とする。
この場合、ダイヤフラムと接合部材との接合界面に生じるSiAu共晶結合によってダイヤフラムと接合部材とを確実に接合することができる。
また、本発明の静電容量型圧力センサは、外側スペーサ部材の外側に、基材とダイヤフラムとを接合する接合部材を備えることを特徴とする。
この場合、外部からの水分などの侵入を防ぐと共に、接合後に必要部分のみを残してその他の部分を切断砥石などを用いてダイシングする際の接合部分の機械的強度を保つことができる。
また、本発明の静電容量型圧力センサの製造方法は、少なくとも第1の電極を有する基材の表面部上に、第1の電極の周囲を取り囲む内側スペーサ部材と、内側スペーサ部材の外側を取り囲む外側スペーサ部材とを同一の厚みで形成する工程と、基材の表面部上に、内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間に位置する接合部材を形成する工程と、第1の電極と対向する第2の電極を有するダイヤフラムが内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材に当接するまでダイヤフラムと基材とを加熱加圧して、接合部材により基材とダイヤフラムとを接合する工程とを含み、基材とダイヤフラムとの接合時に、加熱加圧された接合部材が内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間に埋め込まれた状態となることで、基材とダイヤフラムと内側スペーサ部材との間に接合部材により気密に封止された気密室を形成することを特徴とする。
以上のように、本発明の静電容量型圧力センサの製造方法では、基材とダイヤフラムとの接合時に、内側スペーサ部材が接合部材の内側への流れ込みを防ぐと共に、外側スペーサ部材が接合部材の外側への流れ込みを防ぐことによって、最終的に接合部材が内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間に埋め込まれた状態となり、この接合部材により気密に封止された気密室を基材とダイヤフラムと内側スペーサ部材との間に形成する。
この場合、基材とダイヤフラムと内側スペーサ部材との間に気密性に優れた気密室を精度良く形成することができる。また、接合部材が内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間に埋め込まれた状態で基材とダイヤフラムとを接合することによって、基材とダイヤフラムとの接合強度を高めると共に、ダイヤフラムの接合部分にかかる応力を均一に保つことができる。さらに、基材とダイヤフラムとの間に配置された内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材の厚みによって、第1の電極と第2の電極との対向間隔を高精度に規定することができる。したがって、本発明の静電容量型圧力センサの製造方法では、ダイヤフラムの撓みを一定にして静電容量のばらつきを抑えた静電容量型圧力センサを歩留り良く製造することができる。
また、本発明の静電容量型圧力センサの製造方法は、ダイヤフラムと接合部材とを共晶接合させることを特徴とする。
この場合、従来のようなダイヤフラムとしてSi基板を用い、基材としてパイレックス(登録商標)ガラスを用いた場合に必須であった陽極接合を行うことなく、ダイヤフラムと基材とを強固に接合することができる。また、基材として、高価なパイレックス(登録商標)ガラスを用いる必要が無くなるため、コスト上昇も抑えることができる。
また、本発明の静電容量型圧力センサの製造方法は、ダイヤフラムとして、Siを含む材料を用い、接合部材として、Auを含む材料を用いることを特徴とする。
この場合、ダイヤフラムと接合部材との接合界面に生じるSiAu共晶結合によってダイヤフラムと接合部材とを確実に接合することができる。
また、本発明の静電容量型圧力センサの製造方法は、接合部材を内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材よりも厚く、且つ、内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間の幅よりも小さく形成することを特徴とする。
この場合、基材とダイヤフラムとの接合時に、ダイヤフラムが内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材に当接する前に接合部材と接触するため、加熱加圧された接合部材をダイヤフラムに確実に接合させることができる。また、最終的に接合部材を内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間に隙間無く埋め込むことができる。
ここで、接合部材の幅/厚みのアスペクト比は、(内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間の幅)/(内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材の厚み)とは逆のアスペクト比とすることが好ましい。例えば、接合部材の幅を内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間の幅に対して1/2倍とした場合、この接合部材の厚みを内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材の厚みに対して2倍とすれば、最終的に接合部材を内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間に隙間無く埋め込むことができる。
また、本発明の静電容量型圧力センサの製造方法は、接合部材を内側スペーサ部材との間に隙間を設けて形成することを特徴とする。
この場合、基材とダイヤフラムとの接合時において、ダイヤフラムと内側スペーサ部材とが当接するまでの間に、加熱加圧された接合部材が内側スペーサ部材の内側に流れ込むのを防ぐことができる。これにより、接合部材が気密室内に侵入するのを防ぐと共に、ダイヤフラムと内側スペーサ部材との間に侵入した接合部材によって第1の電極と第2の電極との対向間隔にバラツキが生じるのを防ぐことができる。
また、本発明の静電容量型圧力センサの製造方法は、接合部材を外側スペーサ部材との間に隙間を設けて形成することを特徴とする。
この場合、基材とダイヤフラムとの接合時において、ダイヤフラムと外側スペーサ部材とが当接するまでの間に、加熱加圧された接合部材が外側スペーサ部材の外側に流れ込むのを防ぐことができる。これにより、ダイヤフラムと外側スペーサ部材との間に侵入した接合部材によって第1の電極と第2の電極との対向間隔にバラツキが生じるのを防ぐことができる。
また、本発明の静電容量型圧力センサの製造方法は、接合部材を外側スペーサ部材の外側に形成することを特徴とする。
この場合、外側スペーサ部材の外側に形成された接合部材が基材とダイヤフラムとを接合することによって、外部からの水分などの侵入を防ぐと共に、接合後に必要部分のみを残してその他の部分を切断砥石などを用いてダイシングする際の接合部分の機械的強度を保つことができる。
以上のように、本発明によれば、検出精度の高い静電容量型圧力センサを得ることができ、特に、第1の電極と第2の電極との対向間隔が小さい小型の高感度圧力センサを得ることができる。また、このような静電容量型圧力センサを歩留り良く製造することができる。
以下、本発明を適用した静電容量型圧力センサ及びその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は、本発明を適用した静電容量型圧力センサ1の構成をダイヤフラム3側から透視して示す平面図であり、図2は、本発明を適用した静電容量型圧力センサ1を図1中線分A−Aによって切断して示す断面図である。
この静電容量型圧力センサ1は、基材2と、基材2の表面部2aと対向して配置されたダイヤフラム3と、基材2とダイヤフラム3との間に配置された内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5と、内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に配置された接合部材6とを備えている。
基材2は、絶縁性の表面部2aを有する基板、例えば表面部2aがガラス質からなるグレーズドアルミナ(Al)基板からなる。この基材2は、例えば2mm×2mm程度の大きさで略矩形状に形成されている。なお、基材2は、少なくとも絶縁性の表面部2aを有するものであれば、例えば全体が絶縁体からなるものを用いてもよい。
この基材2の表面部2aには、導電膜からなる第1の電極7と第1の引出導線部8と第2の引出導線部9とが設けられている。このうち、第1の電極7は、基材2とダイヤフラム3との間で対向する対向電極の一方の電極を形成するものであり、その平面形状は略円形状である。第1の引出導線部8は、第1の電極7の一部が一方側に引き延ばされてなるものであり、その平面形状は略矩形状である。第2の引出導線部9は、第1の引出導線部8とは第1の電極7を挟んだ反対側に位置し、第1の電極7とは離間して他方側に引き延ばされてなるものであり、その平面形状は第1の引出導線部8とほぼ同じ略矩形状である。また、これら第1の電極7、第1の引出導線部8及び第2の引出導線部9は、基材2の表面部2aと面一となるように該基材2の表面部2aに埋め込み形成された導電膜からなる。
この導電膜には、例えばTi層/Ta層/Au層/Ta層の順で積層した積層構造のものを用いることができる。その他にも、Ti層/Ta層/Au層、Ta層/Au層/Ta層、Ta層/Au層、Cr層/Au層/Ta層、Cr層/Au層、Cr層/Ta層/Au層/Ta層、Cr層/Ta層/Au層などの積層構造のものを用いることできるが、これら積層構造のものに必ずしも限定されるものではない。なお、導電膜は、数1000Å(例えば2000Å)程度の厚みで形成されている。
第1の引出導線部8及び第2の引出導線部9の第1の電極7から離間する側の端部上には、それぞれ外部接続用の第1の電極パッド10及び第2の電極パッド11が設けられている。これら電極パッド10,11は、例えばAuめっき等からなる。また、第1の引出導線部8の第1の電極7と第1の電極パッド10との間には、絶縁層12が設けられている。この絶縁層12は、第1の引出導線部8と接合部材6とを電気的に絶縁するためのものであり、例えばSiOやAl、SiN等の絶縁材料からなる。この絶縁層12は、第1の引出導線部8の上を跨ぐように形成されており、その平面形状は略矩形状である。また、絶縁層12は、基材2の表面部2aと面一となるように該基材2の表面部2a及び第1の引出導線部8に埋め込み形成されている。なお、絶縁層12は、第1の引出導電部(導電膜)8よりも薄く、例えば導電膜の半分(1000Å)程度の厚みで形成されている。
ダイヤフラム3は、例えば40〜80μm程度の厚みを有する平行平板状のSi基板からなる。このダイヤフラム3は、その平面形状が外側スペーサ部材5とほぼ同径の略円形状であり、その外周部が接合部材6と共晶接合されることで、基材2と接合一体化されている。また、ダイヤフラム3は、第1の電極7と対向する第2の電極13を有している。この第2の電極13は、基材2とダイヤフラム3との間で対向する対向電極の他方の電極を形成するものである。この静電容量型圧力センサ1では、導電材料からなるダイヤフラム3自体が第2の電極13を構成している。或いは、ダイヤフラム3の第1の電極7と対向する面に第2の電極13となる導電層を形成してもよい。なお、ダイヤフラム3は、平行平板状のSi基板を用いた構成に必ずしも限定されるものではなく、第2の電極13を形成する部分のみ厚みを薄くし、他の部分の厚みを厚くすることによって、基板強度を向上させた構成とすることもできる。
内側スペーサ部材4は、その厚みによって第1の電極7と第2の電極13との対向間隔(ギャップ)を規定すると共に、後述する基材2とダイヤフラム3との接合時に接合部材6が内側に流れ込むのを防ぐためのものである。この内側スペーサ部材4は、AlやSiO等の絶縁材料からなり、第1の電極7と第2の電極13との対向部分を取り囲むように、具体的には第2の電極7の外側を取り囲むように所定の厚みで略円環状に形成されている。
外側スペーサ部材5は、その厚みによって第1の電極7と第2の電極13との対向間隔(ギャップ)を規定すると共に、後述する基材2とダイヤフラム3との接合時に接合部材6が外側に流れ込むのを防ぐためのものである。この外側スペーサ部材5は、内側スペーサ部材4と同じAlやSiO等の絶縁材料からなり、内側スペーサ部材4の外側を取り囲むように内側スペーサ部材4と同じ厚みで略円環状に形成されている。
接合部材6は、基材2とダイヤフラム3とを接合するためのものであり、内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に埋め込まれた状態で基材2とダイヤフラム3とを接合している。この接合部材6は、ダイヤフラム3との共晶接合が可能な導電材料からなる。このような導電材料としては、Au又はAu合金、若しくはAuと他の導電材料との積層体、例えば、Ti層/Au層の順で積層された2層構造のものや、Cr層/Au層の順で積層された2層構造のものなどAuを含む材料等を用いることができる。
また、基材2とダイヤフラム3と内側スペーサ部材4との間には、この接合部材6により気密に封止された気密室14が設けられている。なお、ダイヤフラム3は、気密室14内を減圧封止することで内側に凹んだ状態となっている(図2において図示せず。)。
また、接合部材6は、内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間で略円環状に形成された部分のうち、第1の引出導線部8との交差部分が絶縁層12上に形成されることによって、第1の引出導線部8及び第1の電極7と電気的に絶縁されている。一方、接合部材6は、第2の引出導線部9との交差部分が第2の引出導線部9上に形成されることによって、第2の引出導線部9と電気的に接続されている。また、接合部材6は、ダイヤフラム3に共晶接合されることによって、第2の電極13と電気的に接続されている。
以上のような構造を有する静電容量型圧力センサ1では、ダイヤフラム3が外部からの圧力を受けて変形すると、基材2とダイヤフラム3との間で対向する第1の電極7と第2の電極13との対向間隔が変化する。このとき、第1の電極7と第2の電極13との間の静電容量の変化を検出することによって、その圧力を検出することができる。なお、第1の電極7と第2の電極13との間の静電容量の変化は、第1の電極パッド10及び第2の電極パッド11を介して接続された半導体チップ等の検出手段によって検出される。そして、検出手段は、検出された静電容量の変化に基づいて、この静電容量型圧力センサ1に加わる圧力を検出する。
本発明を適用した静電容量型圧力センサ1では、上述した接合部材6が内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に埋め込まれた状態で基材2とダイヤフラム3とを接合することによって、基材2とダイヤフラム3と内側スペーサ部材4との間に気密性に優れた気密室14を精度良く設けることができる。
また、接合部材6が内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に埋め込まれた状態で基材2とダイヤフラム3とを接合することによって、基材2とダイヤフラム3との接合強度を高めると共に、ダイヤフラム3の接合部分にかかる応力を均一に保つことができる。
さらに、基材2とダイヤフラム3との間に配置された内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5の厚みによって、第1の電極7と第2の電極13との対向間隔を高精度に規定することができる。
したがって、この静電容量型圧力センサ1では、ダイヤフラム3の撓みを一定にして静電容量のバラツキを抑えることができる。
また、この静電容量型圧力センサ1では、ダイヤフラム3と接合部材6とが共晶接合されている。この場合、従来のようなダイヤフラムとなるSi基板と、基材となるパイレックス(登録商標)ガラスとの組み合わせにより必須であった陽極接合を行うことなく、基材2とダイヤフラム3とを接合部材6を介して接合することができる。また、従来のガラスによる接合の場合に比べて、外部からの水分などの侵入を防ぐと共に、接合部分の機械的強度を保つことができる。さらに、この静電容量型圧力センサ1では、ダイヤフラム3と接合部材6との接合界面に生じるSiAu共晶結合によって、これらダイヤフラム3と接合部材6とを確実に接合することができる。なお、本発明は、基材2としてパイレックス(登録商標)ガラスを用いることを妨げるものではない。
次に、本発明を適用した静電容量型圧力センサ1の製造方法について説明する。
本発明を適用した静電容量型圧力センサ1の製造方法は、図3に示すように、第1の電極7、第1の引出導線部8及び第2の引出導線部9を有する基材2の表面部2a上に、第1の電極7の周囲を取り囲む内側スペーサ部材4と、この内側スペーサ部材4の外側を取り囲む外側スペーサ部材5とを同一の厚みで形成するスペーサ部材形成工程と、基材2の表面部2a上に、内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に位置する接合部材6を形成する接合部材形成工程と、第1の電極7と対向する第2の電極13を有するダイヤフラム3が内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5に当接するまでダイヤフラム3と基材2とを加熱加圧して、接合部材6により基材2とダイヤフラム3とを接合する接合工程とを含むものである。
なお、上記静電容量型圧力センサ1を作製する際は、実際には上記基材2となる部分が同一基板上に複数形成された1枚のグレーズドアルミナ基板に、上記ダイヤフラム3となる1枚のSi基板を接合した後に、これを研削砥石などを用いて所定のチップ寸法に切断(ダイシング)し、最終的に複数の静電容量型圧力センサ1を一括作製するが、以下の説明では、1つの静電容量型圧力センサ1のみを取り上げて、上記静電容量型圧力センサ1を製造する際の各工程について説明するものとする。
上記静電容量型圧力センサ1を作製する際は、いわゆるリフトオフレジストを用いた方法によって、上記第1の電極7、第1の引出導線部8及び第2の引出導線部9となる導電膜を、基材2の表面部2aと面一となるように該基材2の表面部2aに埋め込み形成する。
具体的には、先ず、図4に示すように、基材2の表面部2a上に、上記第1の電極7、第1の引出導線部8及び第2の引出導線部9に対応する領域に開口部21aを有するレジスト層21を形成する。このレジスト層21は、基材2の表面部2aの全面に亘ってレジストを塗布した後に、選択的に露光し、現像を行うことによって形成される。また、レジスト層21の開口部21aを形成する側端部21bは、下層側が上層側よりも後退したアンダーカット形状とする。
次に、図5に示すように、基材2の表面部2aに対して、イオンミリング処理やプラズマエッチング処理、ウエットエッチング処理などのエッチング処理を施すことによって、表面部2aのレジスト層21の開口部21aから露出する領域に凹部22を形成する。
次に、図6に示すように、基材2の表面部2上に、レジスト層21を残したまま、スパッタ法やイオンビーム成膜法などの成膜法によって、上記第1の電極7、第1の引出導線部8及び第2の引出導線部9となる導電膜23を成膜する。この成膜処理により、表面部2aの凹部22には、導電膜23が埋め込まれた状態となる。
次に、図7に示すように、基材2の表面部2aから薬液等を用いてレジスト層21を除去(リフトオフ)する。
以上の工程を経ることによって、上記第1の電極7、第1の引出導線部8及び第2の引出導線部9となる導電膜23を、基材2の表面部2aと面一となるように表面部2aの凹部22に埋め込み形成することができる。
この場合、第1の電極7、第1の引出導線部8及び第2の引出導線部9が形成された基材2の表面部2aは、ほぼ面一となることから、後のスペーサ部材形成工程において、内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5全体を均一の厚みで精度良く表面部2a上に形成することができる。したがって、後の接合工程において、これら内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5に対して、平行平板状のダイヤフラム(Si基板)3を均一に当接させることができ、これら内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5を介して第1の電極7と第2の電極13との対向間隔を高精度に規定することができる。
スペーサ部材形成工程においては、基材2の表面部2a上に、円形状の第2の電極7の周囲を同心円状に取り囲む円環状の内側スペーサ部材4と、この内側スペーサ部材4の外側を同心円状に取り囲む円環状の外側スペーサ部材5とを、それぞれ同じ厚みで形成する。これら内側及び外側スペーサ部材4,5は、第1の電極7と第2の電極13との対向間隔を規定することから、同じ厚みで精度良く形成される必要がある。このスペーサ部材形成工程においては、例えば、基材2の表面部2a上に絶縁膜を全面に亘って成膜した後に、この絶縁膜上に内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5に対応した領域に開口部を有するレジスト層を形成する。そして、このレジスト層をマスクとして絶縁膜に対するエッチングを行った後に、絶縁膜上からレジスト層を除去する。これにより、内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5を同じ厚みで基材2の表面部2a上に高精度に形成することができる。
接合部材形成工程においては、接合部材6に対応する領域に開口部を有するレジスト層を形成し、Auめっきを施した後に、レジスト層を除去(リフトオフ)することによって、基材2の表面部2a上に、内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に位置する接合部材6を形成する。
また、基材2の表面部2a上に接合部材6を形成する際は、この接合部材6を内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5よりも厚く、且つ、内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間の幅よりも小さく形成することが好ましい。
この場合、接合部材6の厚みを内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5の厚みよりも厚くすることによって、基材2とダイヤフラム3との接合時に、内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5に当接する前にダイヤフラム3が接合部材6と接触することになる。これにより、ダイヤフラム3と接合部材6とを確実に共晶接合させることができる。
また、接合部材6の幅を内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間の幅よりも小さくすることによって、最終的に接合部材6を内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に隙間無く埋め込むことができる。
ここで、接合部材6の幅/厚みのアスペクト比は、(内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間の幅)/(内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5の厚み)とは逆のアスペクト比とすることが好ましい。例えば、接合部材6の幅を内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間の幅に対して1/2倍とした場合、この接合部材6の厚みを内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5の厚みに対して2倍とする。これにより、最終的に接合部材6を内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に隙間無く埋め込むことができる。これにより、気密室14の容積にバラツキが生じるのを防ぐと共に、温度特性も向上させることができる。
また、接合部材6を形成する際は、この接合部材6と内側スペーサ部材4との間に隙間を設けておくことが好ましい。この場合、基材2とダイヤフラム3との接合時において、ダイヤフラム3と内側スペーサ部材4とが当接するまでの間に、加熱加圧された接合部材6が内側スペーサ部材4の内側に流れ込むのを防ぐことができる。これにより、接合部材6が気密室14内に侵入するのを防ぐと共に、ダイヤフラム3と内側スペーサ部材4との間に侵入した接合部材6によって第1の電極7と第2の電極13との対向間隔にバラツキが生じるのを防ぐことができる。
さらに、接合部材6を形成する際は、この接合部材6と外側スペーサ部材5との間に隙間を設けておくことが好ましい。この場合、基材2とダイヤフラム3との接合時において、ダイヤフラム3と外側スペーサ部材5とが当接するまでの間に、加熱加圧された接合部材6が外側スペーサ部材5の外側に流れ込むのを防ぐことができる。これにより、ダイヤフラム3と外側スペーサ部材5との間に侵入した接合部材6によって第1の電極7と第2の電極13との対向間隔にバラツキが生じるのを防ぐことができる。
接合工程においては、ダイヤフラム3を基材2の表面部2aに対向させて、ダイヤフラム3が内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5に当接するまで、例えば400℃程度に加熱した状態且つ20kg/cm程度の圧力で、ダイヤフラム3と基材2とを加熱・加圧する。
このとき、内側スペーサ部材4が接合部材6の内側への流れ込みを防ぐと共に、外側スペーサ部材5が接合部材6の外側への流れ込みを防ぐことによって、基材2とダイヤフラム3との間で加熱加圧された接合部材6が内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に埋め込まれた状態となる。また、Siを含むダイヤフラム3とAuを含む接合部材6との接合界面に生じるSiAu共晶結合によって、ダイヤフラム3と接合部材6とが強固に接合された状態となる。このような状態の接合部材6により基材2とダイヤフラム3とを確実に接合することができる。また、基材2とダイヤフラム3と内側スペーサ部材4との間には、接合部材6により気密に封止された気密室14が形成される。
なお、上記接合工程では、真空(減圧)雰囲気下で基材2とダイヤフラム3との接合を行うことで、上記気密室14内を真空(減圧)封止することができる。これにより、ダイヤフラム3は、気密室14の内側に凹んだ状態となるため、最終的に第1の電極7と第2の電極13との対向間隔が小さい小型の高感度圧力センサを得ることができる。
以上のように、本発明を適用した静電容量型圧力センサ1の製造方法では、基材2とダイヤフラム3との接合時に、内側スペーサ部材4が接合部材6の内側への流れ込みを防ぐと共に、外側スペーサ部材5が接合部材6の外側への流れ込みを防ぐことから、基材2とダイヤフラム3と内側スペーサ部材4との間に気密性に優れた気密室14を精度良く形成することができる。
また、接合部材6が内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に埋め込まれた状態で基材2とダイヤフラム3とを接合することによって、基材2とダイヤフラム3との接合強度を高めると共に、ダイヤフラム3の接合部分にかかる応力を均一に保つことができる。
さらに、基材2とダイヤフラム3との間に配置された内側スペーサ部材4及び外側スペーサ部材5の厚みによって、第1の電極7と第2の電極13との対向間隔を高精度に規定することができる。
したがって、この静電容量型圧力センサ1の製造方法では、ダイヤフラム3の撓みを一定にして静電容量のばらつきを抑えた静電容量型圧力センサ1を歩留り良く製造することができる。
また、本発明の静電容量型圧力センサの製造方法は、ダイヤフラム3と接合部材6とを共晶接合させるため、従来のような基材2としてパイレックス(登録商標)ガラスを用い、ダイヤフラム3としてSi基板を用いた場合に必須であった陽極接合を行うことなく、基材2とダイヤフラム3とを強固に接合することができる。
また、基材2として、高価なパイレックス(登録商標)ガラスを用いる必要が無くなるため、コスト上昇も抑えることができる。例えば、基材2としてグレーズドアルミナ基板を用いた場合、従来のパイレックス(登録商標)ガラス基板に比べて1/5〜1/10程度の値段で入手が可能なことから、その分だけ従来よりも安価に製造することができる。
本発明は、上述した図1,2に示す静電容量型圧力センサ1の構造のものに必ずしも限定されるものではない。例えば図8及び9に示す静電容量型圧力センサ50のような構造とすることもできる。
なお、図8は、本発明を適用した静電容量型圧力センサ50の構成をダイヤフラム3側から透視して示す平面図であり、図9は、本発明を適用した静電容量型圧力センサ50を図8中線分B−Bによって切断して示す断面図である。また、図8,9に示す静電容量型圧力センサ50において、図1,2に示す静電容量型圧力センサ1と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
この静電容量型圧力センサ50は、ダイヤフラム3の平面形状が基材3とほぼ同じ略矩形状であり、外側スペーサ部材5の外側に、更に基材2とダイヤフラム3とを接合する接合部材51を備えた構成となっている。また、ダイヤフラム3には、上述した外部接続用の第1の電極パッド10及び第2の電極パッド11を露出させる開口部52a,52bが形成されている。
この静電容量型圧力センサ50を作製する際は、図10に示すように、上記接合部材形成工程において、基材2の表面部2a上に、内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に位置する接合部材6と共に、外側スペーサ部材5の外側に位置する接合部材51を形成する。そして、上記接合工程において、これら接合部材6,51により基材2とダイヤフラム3とを接合する。また、接合部材6,51により基材2とダイヤフラム3とを接合した後は、例えば切断砥石などを用いて、図9中に示す切断線E、Eに沿ってセンサとなる部分を残してダイシングし、不要な部分を除去する。以上のような工程を経ることによって、上述した図8に示す静電容量型圧力センサ50を得ることができる。
以上のような構造を有する静電容量型圧力センサ50では、外側スペーサ部材5の外側に形成された接合部材51が基材2とダイヤフラム3とを接合することによって、外部からの水分などの侵入を防ぐと共に、接合後に必要部分のみを残してその他の部分を切断砥石などを用いてダイシングする際の接合部分の機械的強度を保つことができ、基材2とダイヤフラム3との接合強度を高めることができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
本実施例では、先ず、チップサイズが2100×2100μm、固定電極(第1の電極)の直径がφ780μm、電極引出線(第1及び第2の引出導線部)の幅が100μm、(第1及び第2の電極パッドの)パッドサイズが150μm角、ダイシングラインが100μm、固定電極中心とチップセンターとを一致させたパイレックス(登録商標)ガラスからなる基材を用意した。この基材の表面部には、各電極パターンが埋め込み形成されると共に、第1の引出導線部に150×400μmのSiOからなる絶縁層が埋め込み形成されている。
次に、この基材の表面部上に、Alからなる絶縁膜を全面に亘って成膜した後に、この絶縁膜を内側スペーサ部材及び外側スペーサ部材に対応した形状にパターニングする。これらスペーサ部材は、その厚みが7643Åであり、その幅が50μmである。また、内側スペーサ部材の直径(ダイヤフラム径)は、1300μmであり、内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間の幅は、200μmである。
次に、この基材の表面部上に、接合部材6に対応する領域に開口部を有するレジスト層を形成し、Auめっきを施した後に、レジスト層を除去(リフトオフ)することによって、内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間に位置する接合部材を形成する。この接合部材は、その幅が100μmであり、内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間には、それぞれ50μmの隙間を設けた。そして、本実施例では、接合部材の厚みが1.10μmとなるサンプル1と、1.406μmとなるサンプル2と、1.578μmとなるサンプル3とを作製した。
次に、ダイヤフラムとなる厚み60μmのSi基板を用意し、上記サンプル1〜3毎に、20kg/cmの圧力で加圧しながら、真空雰囲気中で400℃で2時間加熱し、Si基板とAuめっきとの共晶接合を行った。接合後は、切断砥石を用いてセンサとなる部分を残してダイシングし、不要な部分を除去した。以上のような工程を経ることによって、サンプル1〜3の静電容量型圧力センサを得た。
本実施例では、得られたサンプル1〜3の静電容量型圧力センサについて、接合部材による基材とダイヤフラムとの接合状態を調べた。
サンプル1では、図11A及び11Bに示すように、接合部材6を内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に隙間無く埋め込むことができず、接合部材6と内側及び外側スペーサ部材4,5との間にそれぞれ隙間が見られた。また、サンプル1では、一括作製したときに各サンプルの間でダイヤフラム3の変形量(凹み量)にバラツキが見られた。
一方、サンプル2では、図12A及び12Bに示すように、接合部材6と外側スペーサ部材5との間に隙間が見られた。また、サンプル2では、サンプル1と同様、接合部材6を内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に隙間無く埋め込むことができないために、一括作製したときに各サンプルの間でダイヤフラム3の変形量(凹み量)にバラツキが見られた。
一方、サンプル3では、図13A及び13Bに示すように、接合部材6を内側スペーサ部材4と外側スペーサ部材5との間に隙間無く埋め込むことができた。このため、サンプル3では、一括作製したときに各サンプルの間でダイヤフラム3の変形量(凹み量)にほとんどバラツキが見られなかった。
以上のことから、接合部材を内側スペーサ部材と外側スペーサ部材との間に隙間無く埋め込むことによって、ダイヤフラムの変形量(凹み量)にバラツキが生じるのを防ぐことができることがわかった。
本発明は、例えば数mm角程度の小型軽量且つ高感度の静電容量型圧力センサを提供する技術であり、例えば自動車などのタイヤの空気圧を常時検出する小型圧力センサや、その他一般なガス圧センサや流体圧センサなど、種々の分野の圧力検出において幅広く利用することができる。
図1は、本発明を適用した静電容量型圧力センサの一構成例を示す平面図である。 図2は、図1に示す線分A−Aによる静電容量型圧力センサの断面図である。 図3は、図1に示す静電容量型圧力センサの基材とダイヤフラムとが接合される前の状態を示す断面図である。 図4は、基材の表面部に開口部を有するレジスト層を形成した状態を示す断面図である。 図5は、基材の表面部に凹部を形成した状態を示す断面図である。 図6は、基材の表面部に導電膜を形成した状態を示す断面図である。 図7は、基材の表面部からレジスト層を除去した状態を示す断面図である。 図8は、本発明を適用した静電容量型圧力センサの別の構成例を示す平面図である。 図9は、図8に示す線分B−Bによる静電容量型圧力センサの断面図である。 図10は、図8に示す静電容量型圧力センサの基材とダイヤフラムとが接合される前の状態を示す断面図である。 図11は、サンプル1の接合状態を模式的に示す図であり、Aは、その平面図であり、Bは、そのX−X’断面図である。 図12は、サンプル2の接合状態を模式的に示す図であり、Aは、その平面図であり、Bは、そのX−X’断面図である。 図13は、サンプル3の接合状態を模式的に示す図であり、Aは、その平面図であり、Bは、そのX−X’断面図である。
符号の説明
1…静電容量型圧力センサ 2…基材 3…ダイヤフラム 4…内側スペーサ部材 5…外側スペーサ部材 6…接合部材 7…第1の電極 13…第2の電極 14…気密室 50…静電容量型圧力センサ 51…接合部材

Claims (11)

  1. 少なくとも表面部に第1の電極を有する基材と、
    前記基材の表面部と対向して配置されると共に、前記第1の電極と対向する第2の電極を有するダイヤフラムと、
    前記基材と前記ダイヤフラムとの間に配置されて、前記第1の電極と前記第2の電極との対向間隔を規定すると共に、前記第1の電極と前記第2の電極との対向部分を取り囲む内側スペーサ部材と、
    前記内側スペーサ部材と同じ厚みを有し、且つ、前記内側スペーサ部材の外側を取り囲む外側スペーサ部材と、
    前記内側スペーサ部材と前記外側スペーサ部材との間に埋め込まれた状態で前記基材と前記ダイヤフラムとを接合する接合部材とを備え、
    前記基材と前記ダイヤフラムと前記内側スペーサ部材との間には、前記接合部材により気密に封止された気密室が設けられていることを特徴とする静電容量型圧力センサ。
  2. 前記ダイヤフラムと前記接合部材とが共晶接合されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型圧力センサ。
  3. 前記ダイヤフラムがSiを含む材料からなり、前記接合部材がAuを含む材料からなることを特徴とする請求項2に記載の静電容量型圧力センサ。
  4. 前記外側スペーサ部材の外側に、前記基材と前記ダイヤフラムとを接合する接合部材を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の静電容量型圧力センサ。
  5. 少なくとも第1の電極を有する基材の表面部上に、前記第1の電極の周囲を取り囲む内側スペーサ部材と、前記内側スペーサ部材の外側を取り囲む外側スペーサ部材とを同一の厚みで形成する工程と、
    前記基材の表面部上に、前記内側スペーサ部材と前記外側スペーサ部材との間に位置する接合部材を形成する工程と、
    前記第1の電極と対向する第2の電極を有するダイヤフラムが前記内側スペーサ部材及び前記外側スペーサ部材に当接するまで前記ダイヤフラムと前記基材とを加熱加圧して、前記接合部材により前記基材と前記ダイヤフラムとを接合する工程とを含み、
    前記基材と前記ダイヤフラムとの接合時に、加熱加圧された前記接合部材が前記内側スペーサ部材と前記外側スペーサ部材との間に埋め込まれた状態となることで、前記基材と前記ダイヤフラムと前記内側スペーサ部材との間に前記接合部材により気密に封止された気密室を形成することを特徴とする静電容量型圧力センサの製造方法。
  6. 前記ダイヤフラムと前記接合部材とを共晶接合させることを特徴とする請求項5に記載の静電容量型圧力センサの製造方法。
  7. 前記ダイヤフラムとして、Siを含む材料を用い、前記接合部材として、Auを含む材料を用いることを特徴とする請求項6に記載の静電容量型圧力センサの製造方法。
  8. 前記接合部材を前記内側スペーサ部材及び前記外側スペーサ部材よりも厚く、且つ、前記内側スペーサ部材と前記外側スペーサ部材との間の幅よりも小さく形成することを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の静電容量型圧力センサの製造方法。
  9. 前記接合部材を前記内側スペーサ部材との間に隙間を設けて形成することを特徴とする請求項8に記載の静電容量型圧力センサの製造方法。
  10. 前記接合部材を前記外側スペーサ部材との間に隙間を設けて形成することを特徴とする請求項8又は9に記載の静電容量型圧力センサの製造方法。
  11. 前記接合部材を前記外側スペーサ部材の外側に形成することを特徴とする請求項5乃至10の何れか一項に記載の静電容量型圧力センサの製造方法。
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