JP2007046978A - 水質測定器、水質測定システム、水質測定方法、水質管理システム、および水質管理方法 - Google Patents

水質測定器、水質測定システム、水質測定方法、水質管理システム、および水質管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で、水自体の濁りとスライムなどの付着とを識別してそれぞれを正確かつ定量的に検知可能な水質測定器、水質測定システム、および水質測定方法などを提供する。
【解決手段】試料水の透過レベルを光学的に測定する光学的測定部1と、測定用の光を透過させるように設けられる光透過部2と、この光透過部2の外面を洗浄する洗浄手段3と、光透過部2が試料水に接している状態で洗浄手段3による洗浄を行うことなく所定期間が経過した後に測定を行うことで洗浄前測定結果を得るとともに、洗浄手段3による光透過部2の洗浄後に測定を再び行うことで洗浄後測定結果を得て、これらの測定結果の違いに基づいて付着物の量を算出する制御演算部とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷却搭などの内部を流れる水の汚れ度合いやスライムなどの付着物の検知に好適な水質測定器、水質測定システム、および水質測定方法や、さらにその検知結果に基づいて水質を適正に管理可能な水質管理システムおよび水質管理方法に関する。
冷却搭(クーリングタワー)などの内部を流れる水の水質を常に適切に維持することは重要である。水質を悪化させる要因には様々なものがあるが、腐食やスケール(水中の硬度成分などによる固い付着物)については導電率・吐出量・薬品タンクレベルで分かるようになってきた。しかし、スライム(水中の微生物や細菌、有機栄養分などによる粘着性のある付着物)については、実際の現場でないと分からないのが現状である。
冷却搭はビルの地下や屋上などに設置されていることが多いが、スライムが一度発生するとその強い粘着性のために除去が困難となるため、冷却塔で発生する問題の8割近くがこのスライムによるものとなっている。また、このスライムを除去するために使用されるスライムコントロール剤は無害とは言えないため、できるだけ少ない使用量でスライム発生を抑制することが課題となっている。
一般的な水質検査・管理のために行われる濁度の測定により、水の濁りの程度は定量的に把握可能である。しかし、スライム発生の有無や程度まではわからないため、従来は、例えば、ゴム板を3日程度入れてスライムの付着度合いを目視で確認したり、ガラス板にその水を付けた後に有機染色を行ってガラス板の透過度を見ることでスライム発生状況を把握していた。
しかし、このような方法には多大な時間と労力を要するだけでなく、現場にて迅速かつ正確なスライム検知を行うことができないという問題点があった。
そこで、水中に設置する透明板または反射板にスライムを付着させることで光学的にスライムを検知可能とする「スライム検知装置及びスライム防止装置」が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この提案によるスライム検知装置は、水系内に浸漬配置される透明板と、該透明板の一方の側に配置された発光部と、該透明板の他方の側に配置された受光部と、該発光部から発し、該透明板を透過し、該受光部で受光される光量の測定手段とを備えてなることを特徴とするものである。
また、ガラス板に電極を蛇行状に接着したものに通電し、スライムが付着している場合には熱が逃げにくくなることを利用して、温度上昇の度合いを電圧変化から求めることでスライム検知を電気的に行える「スライム検知装置」も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この提案によるスライム検知装置は、表面が被検液に接するように設けられた測温抵抗体と、該測温抵抗体に通電可能な通電手段と、該通電手段からの通電電流量を制御可能な制御手段とを備えてなることを特徴とするものである。この技術を改良した「スライム又はスケール付着検知装置」も提案されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照。)。
さらに、スライムなどの付着量をオンラインで連続的に検知するとともに、その検知量に基づいてスライムなどの付着を抑制する薬剤を適量だけ投入することにより水質を適切に管理可能な「薬注制御装置及びスケール又はスライム付着予測装置」も提案されている(例えば、特許文献5参照。)。
特開平9−236546号公報 特開平10−332610号公報 特開平11−153557号公報 特開平11−153558号公報 特開平10−332611号公報
しかしながら、特許文献1で提案されている光学的なスライム検知方法では、スライムが付着しているのか、水自体が濁っているのかを識別したり、それぞれの寄与分を分離して定量的に把握することはできなかった。
特許文献2〜5で提案されている電気的なスライム検知方法でも、水自体が濁っている場合に温度上昇が同様の反応をする可能性があり、必ずしも正確な検知が行えるとは限らなかった。つまり、スライムが付着しているのか、水自体が濁っているのかを正確に識別することが困難であった。また、誤った検知結果に基づいて薬剤を投入すると水が濁ってしまうという問題もあり、正確な検知を妨げていた。
従来技術のこのような課題に鑑み、本発明の目的は、簡単な構成で、水自体の濁りとスライムなどの付着とを識別してそれぞれを正確かつ定量的に検知可能な水質測定器、水質測定システム、および水質測定方法を提供することである。さらには、その検知結果に基づいてスライム発生を抑制する薬剤の最適量の投入を行うことで水質を常に適正に管理可能な水質管理システムおよび水質管理方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の水質測定器は、試料水中に光を照射する第1発光素子と、この第1発光素子から前記試料水中を経てきた光を受光する第1受光素子とを有する第1光学的測定部と、前記第1発光素子および前記第1受光素子と前記試料水とを隔てるとともに、前記第1発光素子および前記第1受光素子と前記試料水との間で光は透過させるように設けられる少なくとも1カ所の第1光透過部と、この第1光透過部のうち前記試料水に接している部位を洗浄する第1洗浄手段と、前記第1光透過部が前記試料水に接している状態で前記第1洗浄手段による洗浄を行うことなく所定期間が経過した後、前記第1光学的測定部による測定を行うことで洗浄前測定結果を得るとともに、それに続けて前記第1洗浄手段による洗浄を行った後に前記第1光学的測定部による測定を再び行うことで洗浄後測定結果を得て、これらの洗浄前測定結果および洗浄後測定結果の違いに基づいて前記所定期間中に前記試料水中から前記第1光透過部に付着した付着物の量を算出する制御演算部とを備えることを特徴とする。さらに、前記制御演算部は、前記洗浄後測定結果より前記試料水の濁りの程度を算出するようにしてもよい。
ここで、前記第1光学的測定部が測定するものは、例えば前記試料水の透過レベルであり、具体的には透過率や透過量などが挙げられるが、これらに限るものではない。これらの光学的な測定方法としては、例えば、透過光方式または散乱光方式などが挙げられるが、これらに限るものではない。前記第1光透過部としては、例えば透明ガラス製の検出窓などが挙げられるが、これに限るものではない。前記付着物としては、例えばスライムが挙げられる。前記洗浄手段としては、例えば、ワイパー、水ジェットや超音波による洗浄機構などが挙げられるが、これらに限るものではない。前記洗浄前測定結果および前記洗浄後測定結果の違いとは、例えばこれらの「差」や「比」などが挙げられるが、測定結果の単位系にも依存するのでこれらに限られない。前記制御演算部が算出する前記試料水の濁りの程度としては、例えば、濁度や浮遊物質(Suspended Solid:SS)などが挙げられるが、これらに限るものではない。
このような構成の水質測定器によれば、試料水自体の濁りの程度と、所定期間におけるスライムなどの付着量とをそれぞれ正確かつ定量的に測定することができる。これにより、スライム発生の抑制に必要な最小限の薬剤の投入量を決めることも容易になる。
また、前記水質測定器において、さらに、警告手段を備え、前記制御演算部は、前記所定期間の経過を待つ間にも前記所定期間よりも短い周期または連続的に前記第1光学的測定部による測定を行い、その測定結果と前回の前記洗浄後測定結果との違いが所定量以上の場合には、前記警告手段による警告を行うようにしてもよい。
このような構成の水質測定器によれば、スライムの付着量が急増しつつあるような場合に、早期にその旨の警告を行ったり、その警告に応じて早めにスライム発生を抑制する薬剤を投入することも可能となる。
また、前記水質測定器において、前記試料水中に光を照射する第2発光素子と、この第2発光素子から前記試料水中を経てきた光を受光する第2受光素子とを有する第2光学的測定部と、前記第2発光素子および前記第2受光素子と前記試料水とを隔てるとともに、前記第2発光素子および前記第2受光素子と前記試料水との間で光は透過させるように設けられる少なくとも1カ所の第2光透過部と、この第2光透過部のうち前記試料水に接している部位を洗浄する第2洗浄手段とをさらに備え、前記制御演算部は、前記第2洗浄手段による洗浄については所定周期毎に行い、前記第2光学的測定部による測定結果を測定基準値として扱うようにしてもよい。
このような構成の水質測定器によれば、スライムなどの付着量が急増したような場合であっても、試料水自体の濁りの程度と所定期間におけるスライムなどの付着量とをそれぞれ正確かつ定量的に測定することができる。これにより、スライム発生の抑制に必要な最小限の薬剤の投入量を決めることも容易になる。
また、前記水質測定器において、さらに、警告手段を備え、前記制御演算部は、前記所定期間の経過を待つ間にも前記所定期間よりも短い周期または連続的に前記第1光学的測定部および前記第2光学的測定部による測定を行い、それらの測定結果の違いが所定量以上の場合には、前記警告手段による警告を行うようにしてもよい。
このような構成の水質測定器によれば、スライムの付着量が急増しつつあるような場合に、早期にその旨の警告を行ったり、その警告に応じて早めにスライム発生を抑制する薬剤を投入することも可能となる。
あるいは、上記目的を達成するため、本発明の水質測定システムは、制御ユニットと、この制御ユニットと通信可能な少なくとも1つの測定ユニットとを備える水質測定システムであって、前記測定ユニットは、試料水中に光を照射する発光素子と、この発光素子から前記試料水中を経てきた光を受光する受光素子とを有する光学的測定部と、前記発光素子および前記受光素子と前記試料水とを隔てるとともに、前記発光素子および前記受光素子と前記試料水との間で光は透過させるように設けられる少なくとも1カ所の光透過部と、この光透過部のうち前記試料水に接している面を洗浄する洗浄手段と、前記制御ユニットとの通信を行う測定ユニット側通信インターフェイスとを備えており、前記制御ユニットは、前記測定ユニットとの通信を行う制御ユニット側通信インターフェイスと、前記光透過部が前記試料水に接している状態で前記洗浄手段による洗浄を行わせることなく所定期間が経過した後、前記光学的測定部による測定を行わせることで洗浄前測定結果を得るとともに、それに続けて前記洗浄手段による洗浄を行わせた後に前記光学的測定部による測定を再び行わせることで洗浄後測定結果を得て、これらの洗浄前測定結果および洗浄後測定結果の違いに基づいて前記所定期間中に前記試料水中から前記光透過部に付着した付着物の量を算出する制御演算部とを備えていることを特徴とする。
このような構成の水質測定システムによれば、スライムの付着量が急増したような場合であっても、試料水自体の濁りの程度と、所定期間におけるスライムなどの付着量とをそれぞれ正確かつ定量的に測定することができるので、測定結果の信頼性が向上するだけでなく、前記測定ユニットと制御ユニットとを離れたところに自由に設置することが可能となる。また、測定結果を長期にわたって保存したり、水質変化の傾向を解析することなども容易になる。さらに、前記測定ユニットを複数台使用して水質測定システムを構成した場合には、例えば、大規模な処理水を扱う装置などに対しても必要な複数箇所において水質を監視することができ、何らかの問題が発生した場合でも発生箇所の特定と対策を迅速に行うことが可能となる。
あるいは、上記目的を達成するため、本発明の水質測定方法は、試料水中に光を照射する発光素子と、この発光素子から前記試料水中を経てきた光を受光する受光素子とを有する光学的測定部と、前記発光素子および前記受光素子と前記試料水とを隔てるとともに、前記発光素子および前記受光素子と前記試料水との間で光は透過させるように設けられる少なくとも1カ所の光透過部と、この光透過部のうち前記試料水に接している面を洗浄する洗浄手段とを使用する水質測定方法であって、前記光透過部が前記試料水に接している状態で前記洗浄手段による洗浄を行うことなく所定期間の経過後に前記光学的測定部による測定を行う第1測定工程と、この第1測定工程の後に前記洗浄手段による洗浄を行う洗浄工程と、この洗浄工程の後に前記光学的測定部による測定を行う第2測定工程と、これらの第1測定工程および第2測定工程におけるそれぞれの測定結果の違いに基づいて前記所定期間中に前記試料水中から前記光透過部に付着した付着物の量を算出する演算工程と備えることを特徴とする。また、前記第1測定工程の前にさらに、前記洗浄手段による洗浄を行う洗浄工程を備えるようにしてもよい。
このような構成の水質測定方法によれば、試料水自体の濁りの程度と、所定期間におけるスライムなどの付着量とをそれぞれ正確かつ定量的に測定することができる。これにより、スライム発生の抑制に必要な最小限の薬剤の投入量を決めることも容易になる。
あるいは、上記目的を達成するため、本発明の水質管理システムは、制御ユニットと、この制御ユニットと通信可能な少なくとも1つの測定ユニットと、この制御ユニットと通信可能な薬剤投入装置とを備える水質管理システムであって、前記測定ユニットは、試料水中に光を照射する発光素子と、この発光素子から前記試料水中を経てきた光を受光する受光素子とを有する光学的測定部と、前記発光素子および前記受光素子と前記試料水とを隔てるとともに、前記発光素子および前記受光素子と前記試料水との間で光は透過させるように設けられる少なくとも1カ所の光透過部と、この光透過部のうち前記試料水に接している面を洗浄する洗浄手段と、前記制御ユニットとの通信を行う測定ユニット側通信インターフェイスとを備えており、前記制御ユニットは、前記測定ユニットおよび前記薬剤投入装置との通信を行う制御ユニット側通信インターフェイスと、前記光透過部が前記試料水に接している状態で前記洗浄手段による洗浄を行わせることなく所定期間が経過した後、前記光学的測定部による測定を行わせることで洗浄前測定結果を得るとともに、それに続けて前記洗浄手段による洗浄を行わせた後に前記光学的測定部による測定を再び行わせることで洗浄後測定結果を得て、これらの洗浄前測定結果および洗浄後測定結果の違いに基づいて前記所定期間中に前記試料水中から前記光透過部に付着した付着物の量を算出する制御演算部とを備えており、前記薬剤投入装置は、前記制御ユニットとの通信を行う薬剤投入装置側通信インターフェイスと、前記試料水中の付着物発生を抑制する薬剤を蓄える薬剤貯蔵部と、この薬剤貯蔵部から前記試料水中への前記薬剤の投入および投入量を制御する薬剤投入制御部とを備えていることを特徴とする。
このような構成の水質管理システムによれば、水質測定に留まらず水質管理をも併せて自動的に行うことを可能となり、スライム発生などの問題が発生した場合でも自動的に最適量の薬剤を投入することで、常に水質を良好に維持することが可能となる。
また、前記水質管理システムにおいて、前記制御演算部は、前記所定期間の経過を待つ間にも前記所定期間よりも短い周期または連続的に、前記測定ユニットのそれぞれにおける前記光学的測定部による測定を行い、前記測定ユニットのいずれかにおいてそのときの測定結果と前回の前記洗浄後測定結果との違いが所定量以上の場合には、前記薬剤投入装置によって必要な量の前記薬剤を投入させるようにしてもよい。
このような構成の水質管理システムによれば、例えば、スライムの付着量が急増しつつあるような場合に、早期にスライム発生を抑制する薬剤を投入することが可能となり、スライムが一時的にせよ増大することを極力回避することが可能となる。
あるいは、上記目的を達成するため、本発明の水質管理方法は、試料水中に光を照射する発光素子と、この発光素子から前記試料水中を経てきた光を受光する受光素子とを有する光学的測定部と、前記発光素子および前記受光素子と前記試料水とを隔てるとともに、前記発光素子および前記受光素子と前記試料水との間で光は透過させるように設けられる少なくとも1カ所の光透過部と、この光透過部のうち前記試料水に接している面を洗浄する洗浄手段とを使用する水質管理方法であって、前記光透過部が前記試料水に接している状態で前記洗浄手段による洗浄を行うことなく所定期間の経過後に前記光学的測定部による測定を行う第1測定工程と、この第1測定工程の後に前記洗浄手段による洗浄を行う洗浄工程と、この洗浄工程の後に前記光学的測定部による測定を行う第2測定工程と、これらの第1測定工程および第2測定工程におけるそれぞれの測定結果の違いに基づいて前記所定期間中に前記試料水中から前記光透過部に付着した付着物の量を算出する演算工程と、この演算工程の演算結果に基づいて、前記試料水中の付着物発生を抑制する薬剤の投入および投入量を制御する薬剤投入制御工程とを備えることを特徴とする。
このような構成の水質管理方法によれば、水質測定に留まらず水質管理をも併せて自動的に行うことを可能となり、スライム発生などの問題が発生した場合でも自動的に最適量の薬剤を投入することで、常に水質を良好に維持することが可能となる。
本発明の水質測定器または水質測定方法によれば、試料水自体の濁りの程度と、所定期間におけるスライムなどの付着量とをそれぞれ正確かつ定量的に測定することができる。これにより、スライム発生の抑制に必要な最小限の薬剤の投入量を決めることも容易になる。 また、本発明の水質測定システムによれば、スライムの付着量が急増したような場合であっても、試料水自体の濁りの程度と、所定期間におけるスライムなどの付着量とをそれぞれ正確かつ定量的に測定することができるので、測定結果の信頼性が向上するだけでなく、前記測定ユニットと制御ユニットとを離れたところに自由に設置することが可能となる。また、測定結果を長期にわたって保存したり、水質変化の傾向を解析することなども容易になる。さらに、前記測定ユニットを複数台使用して水質測定システムを構成した場合には、例えば、大規模な処理水を扱う装置などに対しても必要な複数箇所において水質を監視することができ、何らかの問題が発生した場合でも発生箇所の特定と対策を迅速に行うことが可能となる。
また、本発明の水質管理システムまたは水質管理方法によれば、水質測定に留まらず水質管理をも併せて自動的に行うことを可能となり、スライム発生などの問題が発生した場合でも自動的に最適量の薬剤を投入することで、常に水質を良好に維持することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
(1)水質測定器100の概略構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る水質測定器100の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、この水質測定器100は、試料水を光学的に測定してその測定結果を出力する濁り測定部1と、測定用の光を透過させるために水質測定器100本体に設けられた透明ガラス製の検出窓2と、この検出窓2の試料水に接している外側の面の付着物などを洗浄して除去するワイパー3と、濁り測定部1およびワイパー3のそれぞれの動作を制御するとともに濁り測定部1から出力される測定結果に基づいて試料水の濁度や浮遊物質(Suspended Solid:SS)を算出するとともに、その結果を外部へ出力する制御・演算回路4とを備えている。
ここで、水質測定器100の機械的な構成としては、例えば、円柱状の本体の一部に比較的狭い幅の切り込み部を形成してそこへ試料水を導き入れるようにするとともに、この切り込み部の両内面にそれぞれ検出窓2(合計2カ所)を設けてもよい。あるいは、外部に反射板などを設けることで、検出窓2自体は1カ所とすることもできる。なお、本体の材質としては例えばステンレス、検出窓の材質としては例えばサファイアガラスなどが挙げられるが、これらに限るものではない。
濁り測定部1は、例えば、既に市販されている透過光方式のSS測定計と同様に、測定用の光を発する発光素子と、この発光素子からの光を直接受光する基準光受光素子と、前記発光素子からの光を測定対象である試料水中に検出窓2を通して照射する投光用光学系と、この投光用光学系から照射され試料水中を透過してから再び検出窓2を通ってきた光を集光する受光用光学系と、この受光用光学系によって集光された光を受光する受光素子とを有しており、これらによって試料水の透過レベルを測定できる。また、このような光学式の測定方法を採用することで、連続的な測定を可能としている。
検出窓2の試料水に接する面は、試料水中の浮遊物などで汚れやすく、スライムなどが付着することもあるため、洗浄用のワイパー3が配置されている。一般的な水質測定器では、洗浄用のワイパーなどは通常は定期的(例えば、30分毎)に動作して検出窓外面を常に清浄に維持するように制御される。しかし、この水質測定器100では、ワイパー3による洗浄動作のタイミングや洗浄の実行時間および実行回数などは、制御・演算回路4によって定められる。なお、検出窓2の洗浄はこのようなワイパーに限るものではなく、例えば、水ジェットによる洗浄機構や超音波による洗浄機構などを利用してもよい。
制御・演算回路4としては、例えば、ワンチップマイコンなどが挙げられるが、これに限るものではない。外部への測定結果の出力方法としては、例えば、単にアナログ電圧信号として出力したり、デジタル信号として出力してもよい。あるいは、所定のプロトコルによって外部へ通信を行うようにしてもよい。なお、制御・演算回路4で行われる制御や演算の内容などについては後述する。
(2)水質測定器100による測定処理
図2は、本発明の第1実施形態に係る水質測定器100の制御・演算回路4で行われる制御や演算内容の概略を示すフローチャートである。
まず、測定に先立って、ワイパー3を所定時間または所定回数動作させることにより、検出窓2の試料水に接している外面の洗浄を行う(ステップS21)。
次に、所定期間の経過を待ち、この間はワイパー3による検出窓2の洗浄は行わないようにする(ステップS22)。これにより、試料水の水質に問題があってスライムが発生している場合、いずれ検出窓2の外面にもスライムが付着し、時間の経過とともにその付着量が次第に増加する。ただし、スライムの付着量が例えば数時間で急激に増えることはあまり考えられないため、このステップS22でいう「所定期間」としては、通常は日単位で定めることになるが、これに限るわけではない。
所定期間の経過後、濁り測定部1による試料水の透過レベルを測定し、その測定結果を「洗浄前測定値」として記憶する(ステップS23)。
次に、ワイパー3を所定時間または所定回数動作させることにより、検出窓2の試料水に接している外面の洗浄を行う(ステップS24)。これにより、検出窓2の外面にスライムが付着していた場合でも、ワイパー3によって除去される。
そして、濁り測定部1による試料水の透過レベルを再び測定し、その測定結果を「洗浄後測定値」として記憶する(ステップS25)。
ここで、ステップS22で所定期間の経過を待つ間に検出窓2の外面にスライムが付着している場合、それによって検出窓2の光の透過率が低下するため、ステップS23における洗浄前測定値が示す濁りの程度は相対的に大きくなっていると考えられる。また、スライムの付着量が多ければ多いほど、測定値の変化量も大きくなると考えられる。しかし、この洗浄前測定値が示す濁りの程度には試料水自体の濁りの分も含んでいるため、スライムの付着量のみの寄与分を定量的に把握することは困難である。
そこで、ステップS25で得られた洗浄後測定値を併用することにより、スライムの付着量を定量的に求めることを考える。すなわち、ステップS24においてワイパー3による洗浄が実行されることで検出窓2に付着していたスライムはほぼ除去されるので、洗浄後測定値は専ら試料水自体の濁りを示している。したがって、これらの測定値の差である「洗浄前測定値−洗浄後測定値」は、専らスライムの付着量のみの寄与分を示すことになる。なお、測定結果の単位系によっては、洗浄前測定値と洗浄後測定値との「差」ではなく「比」がスライムの付着量のみの寄与分を示す場合もあり得るが、ここでは、例えば、試料水中の光の透過率を対数で表した場合のように、「差」がスライムの付着量のみの寄与分を示すものとして説明する。
このような考え方を制御・演算回路4で実行するため、「洗浄前測定値−洗浄後測定値」に基づいて検出窓2へのスライムなどの付着物の量を算出する(ステップS26)。なお、必要に応じて、この付着物の量の単位系を変換したり、他の物理量などに換算してもよい。
また、洗浄後測定値に基づいて試料水の濁りの程度を算出する(ステップS27)。
(3)水質測定器100による測定結果の例
図3は、本発明の第1実施形態に係る水質測定器100による測定結果を模式的に示しており、(a)は透過レベルがほぼ同じでスライムの付着量が異なるような試料水1および試料水2の測定結果を比較したグラフであり、(b)はスライムの付着量がほぼ同じで透過レベルが異なるような試料水1および試料水3の測定結果を比較したグラフである。なお、実際の水質測定器100では、上述の所定期間毎に洗浄の前後で測定を行うが、ここでは説明のために、測定を連続的に行ったと仮定して得られるであろう測定結果をグラフ化している。
図3(a)には、比較の基準としての試料水1の測定結果の時間的変化を示すグラフG1と、試料水2の測定結果の時間的変化を示すグラフG2が重ねて示されている。なお、水質測定器100の校正のために、試料水の代わりに純水または空気などを用いて予め測定を行ったときの測定結果を校正時基準値Tcalで表すものとする。
上述したように、検出窓2にスライムが付着し、時間の経過につれてその付着量が増えていくと、透過レベルを示す測定値も次第に小さくなっていく。そして、所定期間毎に洗浄が行われるので、この洗浄の前後で測定値は大きく変化し、通常は検出窓2にスライムなどが付着する前の値付近へ戻る。
試料水1については、洗浄後測定値と校正時基準値Tcalとの差が専ら試料水1自体の濁り量S1に相当し、洗浄前測定値と洗浄後測定値との差が専らスライムの付着量C1に相当する。試料水2についても同様に、洗浄後測定値と校正時基準値Tcalとの差が専ら試料水2自体の濁り量S2に相当し、洗浄前測定値と洗浄後測定値との差が専らスライムの付着量C2に相当する。これらのグラフからは、濁り量S1と濁り量S2とはほぼ同じであるが、付着量C2は付着量C1よりも大きいことがわかる。
図3(b)には、比較の基準としての試料水1(図3(a)と同じもの)の測定結果の時間的変化を示すグラフG1と、試料水3の測定結果の時間的変化を示すグラフG3が重ねて示されている。
これらのグラフからは、試料水3の付着量C3は試料水1の付着量C1とはほぼ同じであるが、試料水3の濁り量S3は試料水1の濁り量S1よりも小さいことがわかる。
以上説明した第1実施形態の構成によれば、簡単な構成により、試料水自体の濁りの程度と、所定期間におけるスライムなどの付着量とをそれぞれ正確かつ定量的に測定することができる。これにより、スライム発生の抑制に必要な最小限の薬剤の投入量を決めることも容易になる。
なお、水質測定器100にさらにスライムの付着量の増大などを警告するための警告手段(例えば、ランプの点滅、ブザー音の発生、外部への警告信号の発生など)を備えさせるとともに、濁り測定部1による測定を上記所定時間毎ではなく、もっと短い周期または連続的に行ってもよい。そして、濁り測定部1によるそのときの測定結果と前回の洗浄後測定値との違いが所定量以上であれば、スライムの付着量が急激に増大している可能性が高いと判断して上記警告手段による警告を行うようにしてもよい。
このようにすれば、例えば、スライムの付着量が急増しつつあるような場合に、早期にその旨の警告を行ったり、その警告に応じてスライム発生を抑制する薬剤を投入することも可能となる。
<第1実施形態の変形例>
第1実施形態では、一系統の測定系(濁り測定部1、検出窓2、ワイパー3)を制御・演算回路4と組み合わせて水質測定器100を構成していた。ここでは、第1実施形態の変形例として、さらにもう一系統の測定系を基準測定系(リファレンス系)として加えるとともに、制御・演算回路4をその制御内容などがやや異なる制御・演算回路4Aに置き換えて構成した水質測定器100Aについて説明する。なお、上述の第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付すこととし、説明は主として相違点について行う。
(1)水質測定器100Aの概略構成
図4は、本発明の第1実施形態の変形例に係る水質測定器100Aの概略構成を示すブロック図である。この図に示すように、この水質測定器100は、濁り測定部1a、検出窓2a、ワイパー3a、濁り測定部1b、検出窓2b、ワイパー3b、および制御・演算回路4Aを備えている。
ここで、参照符号に「a」を付加したもの(以下では「通常測定系」と)は、第1実施形態の各構成要素に対応するものであり、参照符号「b」を付加したものは基準測定系として追加したものである。ただし、通常測定系および基準測定系の各構成要素自体は、第1実施形態の対応する各構成要素と同じものであり、制御・演算回路4Aによる制御が異なるだけである。
(2)水質測定器100Aによる測定処理
水質測定器100Aの制御・演算回路4Aで行われる制御や演算内容も、基本的には図2を参照して説明した第1実施形態と同じであるが、以下のような点が異なる。
基準測定系のワイパー3bについては、一般的な水質測定器と同様に、測定を開始してから定期的に検出窓2bの洗浄を行うようにする。例えば、開始直後と以後は30分毎に洗浄を行ってもよいが、このような時間設定に限るものではない。これにより、検出窓2bは常に清浄な状態に維持されるので、濁り測定部1bによる測定値は常に正確であると考えられる。
通常測定系についても、所定期間毎にワイパー3aによって検出窓2aが洗浄されるので、その後の濁り測定部1aによる測定で得られる洗浄後測定値は、本来であれば濁り測定部1bによる測定値とほぼ同じで正確であるはずである。しかし、例えば、試料水の汚れなどの状態がひどく、スライムの付着量が極めて多かった場合など、ワイパー3aを予め定められた所定時間または所定回数動作させただけでは、検出窓2aの洗浄が不十分となり、付着したスライムなどをほぼ完全に除去できない可能性がある。
そのようなことが発生したとき、通常測定系の測定値からだけでは認識することは困難である。例えば、前回の洗浄後の測定値との比較を行うことは考えられるものの、それがスライムなどの除去が不完全なためなのか、試料水自体の濁りの程度が増したためなのかを判別できないからである。
そこで、通常測定系の濁り測定部1aによる洗浄後測定値を得たときには、基準測定系による測定値との比較を行うようにする。そして、その差が所定値以上であった場合にはスライムなどの除去が不完全であると判断して、それ以降のワイパー3aによる洗浄の実行時間や実行回数などを増やすようにする。あるいは、ワイパー3aによる洗浄を再実行した後に濁り測定部1aによる測定を行い、洗浄後測定値を更新するようにしてもよい。
以上説明した第1実施形態の変形例の構成によれば、スライムの付着量が急増したような場合であっても、試料水自体の濁りの程度と所定期間におけるスライムなどの付着量とをそれぞれ正確かつ定量的に測定することができるので、測定結果の信頼性が向上する。
なお、水質測定器100Aにさらにスライムの付着量の増大などを警告するための警告手段を備えさせるとともに、濁り測定部1aおよび濁り測定部1bによる測定を上記所定時間毎ではなく、もっと短い周期または連続的に行ってもよい。そして、濁り測定部1aおよび濁り測定部1bによる測定結果の違いが所定量以上であれば、スライムの付着量が急激に増大している可能性が高いと判断して上記警告手段による警告を行うようにしてもよい。
このようにすれば、例えば、スライムの付着量が急増しつつあるような場合に、早期にその旨の警告を行ったり、その警告に応じてスライム発生を抑制する薬剤を投入することも可能となる。
<第2実施形態およびその変形例>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例と機能的にはほぼ同様の構成を、2系統の測定系を有する測定ユニット210と、制御・演算回路224などを有する制御ユニット220とに分割して構成した水質測定システム200である。なお、上述の各実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付すこととし、説明は主として相違点について行う。
図5は、本発明の第2実施形態に係る水質測定システム200の概略構成を示すブロック図である。測定ユニット210と第1実施形態の変形例の水質測定器100Aとの構成上の主な相違点としては以下が挙げられる。
まず、測定ユニット210が制御・演算回路4Aを有しておらず、代わりに制御ユニット220との通信を行うインターフェイス215を有しており、測定ユニット210の各構成要素がインターフェイス215を通じて制御ユニット220側から制御されることである。
また、制御ユニット220は、測定ユニット210との通信を行うインターフェイス225と、制御・演算回路4Aとほぼ同様の機能をインターフェイス225を介して実行可能な制御・演算回路224とを有している。さらに、記憶回路226を有することで、例えば、測定ユニット210から得られた測定結果を時系列的に保存するようにしてもよい。この制御ユニット220としては、専用のものでもよいが、汎用のパソコンなどを使用してもよい。
以上説明した第2実施形態の構成によれば、スライムの付着量が急増したような場合であっても、試料水自体の濁りの程度と、所定期間におけるスライムなどの付着量とをそれぞれ正確かつ定量的に測定することができるので、測定結果の信頼性が向上するだけでなく、測定ユニット210と制御ユニット220とを離れたところに自由に設置することが可能となる。また、測定結果を長期にわたって保存したり、水質変化の傾向を解析することなども容易になる。
図6は、本発明の第2実施形態の変形例に係る水質測定システム200Aの概略構成を示すブロック図である。
この図に示すように、第2実施形態とは異なる点は、複数台の測定ユニット210が同時に接続されていることと、それに伴って制御内容などがやや異ならせる必要があるため、制御・演算回路224の代わりに制御・演算回路224Aを有する制御ユニット220Aに接続されていることである。
以上説明した第2実施形態の変形例の構成によれば、第2実施形態の効果に加えて、複数台の測定ユニット210が使用できるため、例えば、大規模な処理水を扱う装置などに対しても必要な複数箇所において水質を監視することができ、何らかの問題が発生した場合でも発生箇所の特定と対策を迅速に行うことが可能となる。
<第3実施形態>
第3実施形態は、第2実施形態の変形例の構成に加えて、試料水中のスライム発生などを抑制する薬剤(スライムコントロール剤)の自動投入装置を備えることで、水質測定に留まらず水質管理をも併せて自動的に行うことを可能とした水質管理システム300である。なお、上述の各実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付すこととし、説明は主として相違点について行う。
図7は、本発明の第3実施形態に係る水質測定システム300の概略構成を示すブロック図である。第2実施形態の変形例との構成上の主な相違点としては以下が挙げられる。
まず、他との通信を行うインターフェイス335と、試料水中のスライム発生などを抑制する薬剤を蓄える薬剤タンク337と、この薬剤タンク337から試料水中への薬剤の投入および投入量を制御するポンプ338とを有する薬剤自動投入装置330が備えられていることである。
また、制御ユニット320と制御ユニット220Aとは、制御ユニット320が薬剤自動投入装置330の制御機能も備える制御・演算回路324を有する点が異なっている。この制御・演算回路324は、測定ユニット210から得られた測定結果に基づいてスライムなどの付着量を正確かつ定量的に検知するとともに、それに応じて最適かつ必要最小限の薬剤を投入するように薬剤自動投入装置330を制御する。
なお、水質管理のための処理フローとしては、図2のステップS27の後に、ステップS26およびステップS27で得られた結果に基づいて薬剤の投入および投入量を制御する薬剤投入制御ステップを加えればよい。
以上説明した第3実施形態の構成によれば、水質測定に留まらず水質管理をも併せて自動的に行うことを可能となり、スライム発生などの問題が発生した場合でも自動的に最適量の薬剤を投入することで、常に水質を良好に維持することが可能となる。
また、制御・演算回路324の制御内容を少し異ならせて、それぞれの測定ユニット210による測定自体は、上記所定期間(洗浄前後の測定を行う周期)よりも短い周期あるいは連続的に行うようにしてもよい。そして、例えば、いずれかの測定ユニット210において、その濁り測定部1aおよび濁り測定部1bによる測定結果の違いが所定量以上であれば、スライムの付着量が急激に増大している可能性が高いと判断し、薬剤自動投入装置330により必要な薬剤が投入されるような制御を行うようにしてもよい。
あるいは、それぞれの測定ユニット210の少なくとも濁り測定部1aによる測定を上記所定期間よりも短い周期あるいは連続的に行い、いずれかの測定ユニット210においてそのときの測定結果と前回の洗浄後測定結果との違いが所定量以上であれば、スライムの付着量が急激に増大している可能性が高いと判断し、薬剤自動投入装置330により必要な薬剤が投入されるような制御を行うようにしてもよい。
このようにすれば、例えば、スライムの付着量が急増しつつあるような場合に、早期にスライム発生を抑制する薬剤を投入することが可能となり、スライムが一時的にせよ増大することを極力回避することが可能となる。
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明の第1実施形態に係る水質測定器の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る水質測定器の制御・演算回路で行われる制御や演算内容の概略を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る水質測定器による測定結果を模式的に示しており、(a)は透過レベルがほぼ同じでスライムの付着量が異なるような試料水1および試料水2の測定結果を比較したグラフであり、(b)はスライムの付着量がほぼ同じで透過レベルが異なるような試料水1および試料水3の測定結果を比較したグラフである。 、本発明の第1実施形態の変形例に係る水質測定器の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る水質測定システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態の変形例に係る水質測定システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る水質測定システム300の概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
100 水質測定器
1 濁り測定部
2 検出窓
3 ワイパー
4 制御・演算回路
100A 水質測定器
200 水質測定システム
210 測定ユニット
220 制御ユニット
200A 水質測定システム
220A 制御ユニット
300 水質管理システム
320 制御ユニット
330 薬剤自動投入装置

Claims (19)

  1. 試料水中に光を照射する第1発光素子と、この第1発光素子から前記試料水中を経てきた光を受光する第1受光素子とを有する第1光学的測定部と、
    前記第1発光素子および前記第1受光素子と前記試料水とを隔てるとともに、前記第1発光素子および前記第1受光素子と前記試料水との間で光は透過させるように設けられる少なくとも1カ所の第1光透過部と、
    この第1光透過部のうち前記試料水に接している部位を洗浄する第1洗浄手段と、
    前記第1光透過部が前記試料水に接している状態で前記第1洗浄手段による洗浄を行うことなく所定期間が経過した後、前記第1光学的測定部による測定を行うことで洗浄前測定結果を得るとともに、それに続けて前記第1洗浄手段による洗浄を行った後に前記第1光学的測定部による測定を再び行うことで洗浄後測定結果を得て、これらの洗浄前測定結果および洗浄後測定結果の違いに基づいて前記所定期間中に前記試料水中から前記第1光透過部に付着した付着物の量を算出する制御演算部と
    を備えることを特徴とする水質測定器。
  2. 請求項1に記載の水質測定器において、
    前記制御演算部は、前記洗浄後測定結果より前記試料水の濁りの程度を算出することを特徴とする水質測定器。
  3. 請求項1または2に記載の水質測定器において、
    さらに、警告手段を備え、
    前記制御演算部は、前記所定期間の経過を待つ間にも前記所定期間よりも短い周期または連続的に前記第1光学的測定部による測定を行い、そのときの測定結果と前回の前記洗浄後測定結果との違いが所定量以上の場合には、前記警告手段による警告を行うことを特徴とする水質測定器。
  4. 請求項1に記載の水質測定器において、
    前記試料水中に光を照射する第2発光素子と、この第2発光素子から前記試料水中を経てきた光を受光する第2受光素子とを有する第2光学的測定部と、
    前記第2発光素子および前記第2受光素子と前記試料水とを隔てるとともに、前記第2発光素子および前記第2受光素子と前記試料水との間で光は透過させるように設けられる少なくとも1カ所の第2光透過部と、
    この第2光透過部のうち前記試料水に接している部位を洗浄する第2洗浄手段と
    をさらに備え、
    前記制御演算部は、前記第2洗浄手段による洗浄については所定周期毎に行い、前記第2光学的測定部による測定結果を測定基準値として扱うことを特徴とする水質測定器。
  5. 請求項4に記載の水質測定器において、
    さらに、警告手段を備え、
    前記制御演算部は、前記所定期間の経過を待つ間にも前記所定期間よりも短い周期または連続的に前記第1光学的測定部および前記第2光学的測定部による測定を行い、それらの測定結果の違いが所定量以上の場合には、前記警告手段による警告を行うことを特徴とする水質測定器。
  6. 請求項4または5に記載の水質測定器において、
    前記制御演算部は、前記洗浄後測定結果と前記測定基準値との違いが所定値以上の場合に、それ以降の前記第1洗浄手段による洗浄の実行時間および実行回数の少なくとも一方を増やすことを特徴とする水質測定器。
  7. 請求項4または5に記載の水質測定器において、
    前記制御演算部は、前記洗浄後測定結果と前記測定基準値との違いが所定値以上の場合に、前記第1洗浄手段による洗浄を再実行した後に、前記第1光学的測定部による測定を再び行って前記洗浄後測定結果を更新することを特徴とする水質測定器。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の水質測定器において、
    前記制御演算部が算出する前記試料水の濁りの程度は濁度であることを特徴とする水質測定器。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の水質測定器において、
    前記制御演算部が算出する前記試料水の濁りの程度は浮遊物質であることを特徴とする水質測定器。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の水質測定器において、
    前記付着物は、スライムであることを特徴とする水質測定器。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の水質測定器において、
    前記洗浄手段は、ワイパーであることを特徴とする水質測定器。
  12. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の水質測定器において、
    前記洗浄手段は、水ジェットによる洗浄機構であることを特徴とする水質測定器。
  13. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の水質測定器において、
    前記洗浄手段は、超音波による洗浄機構であることを特徴とする水質測定器。
  14. 制御ユニットと、この制御ユニットと通信可能な少なくとも1つの測定ユニットとを備える水質測定システムであって、
    前記測定ユニットは、
    試料水中に光を照射する発光素子と、この発光素子から前記試料水中を経てきた光を受光する受光素子とを有する光学的測定部と、
    前記発光素子および前記受光素子と前記試料水とを隔てるとともに、前記発光素子および前記受光素子と前記試料水との間で光は透過させるように設けられる少なくとも1カ所の光透過部と、
    この光透過部のうち前記試料水に接している面を洗浄する洗浄手段と、
    前記制御ユニットとの通信を行う測定ユニット側通信インターフェイスと
    を備えており、
    前記制御ユニットは、
    前記測定ユニットとの通信を行う制御ユニット側通信インターフェイスと、
    前記光透過部が前記試料水に接している状態で前記洗浄手段による洗浄を行わせることなく所定期間が経過した後、前記光学的測定部による測定を行わせることで洗浄前測定結果を得るとともに、それに続けて前記洗浄手段による洗浄を行わせた後に前記光学的測定部による測定を再び行わせることで洗浄後測定結果を得て、これらの洗浄前測定結果および洗浄後測定結果の違いに基づいて前記所定期間中に前記試料水中から前記光透過部に付着した付着物の量を算出する制御演算部と
    を備えていることを特徴とする水質測定システム。
  15. 試料水中に光を照射する発光素子と、この発光素子から前記試料水中を経てきた光を受光する受光素子とを有する光学的測定部と、
    前記発光素子および前記受光素子と前記試料水とを隔てるとともに、前記発光素子および前記受光素子と前記試料水との間で光は透過させるように設けられる少なくとも1カ所の光透過部と、
    この光透過部のうち前記試料水に接している面を洗浄する洗浄手段とを使用する水質測定方法であって、
    前記光透過部が前記試料水に接している状態で前記洗浄手段による洗浄を行うことなく所定期間の経過後に前記光学的測定部による測定を行う第1測定工程と、
    この第1測定工程の後に前記洗浄手段による洗浄を行う洗浄工程と、
    この洗浄工程の後に前記光学的測定部による測定を行う第2測定工程と、
    これらの第1測定工程および第2測定工程におけるそれぞれの測定結果の違いに基づいて前記所定期間中に前記試料水中から前記光透過部に付着した付着物の量を算出する演算工程とを備えることを特徴とする水質測定方法。
  16. 請求項15に記載の水質測定方法において、
    前記第1測定工程の前にさらに、前記洗浄手段による洗浄を行う洗浄工程を備えることを特徴とする水質測定方法。
  17. 制御ユニットと、この制御ユニットと通信可能な少なくとも1つの測定ユニットと、この制御ユニットと通信可能な薬剤投入装置とを備える水質管理システムであって、
    前記測定ユニットは、
    試料水中に光を照射する発光素子と、この発光素子から前記試料水中を経てきた光を受光する受光素子とを有する光学的測定部と、
    前記発光素子および前記受光素子と前記試料水とを隔てるとともに、前記発光素子および前記受光素子と前記試料水との間で光は透過させるように設けられる少なくとも1カ所の光透過部と、
    この光透過部のうち前記試料水に接している面を洗浄する洗浄手段と、
    前記制御ユニットとの通信を行う測定ユニット側通信インターフェイスと
    を備えており、
    前記制御ユニットは、
    前記測定ユニットおよび前記薬剤投入装置との通信を行う制御ユニット側通信インターフェイスと、
    前記光透過部が前記試料水に接している状態で前記洗浄手段による洗浄を行わせることなく所定期間が経過した後、前記光学的測定部による測定を行わせることで洗浄前測定結果を得るとともに、それに続けて前記洗浄手段による洗浄を行わせた後に前記光学的測定部による測定を再び行わせることで洗浄後測定結果を得て、これらの洗浄前測定結果および洗浄後測定結果の違いに基づいて前記所定期間中に前記試料水中から前記光透過部に付着した付着物の量を算出する制御演算部と
    を備えており、
    前記薬剤投入装置は、
    前記制御ユニットとの通信を行う薬剤投入装置側通信インターフェイスと、
    前記試料水中の付着物発生を抑制する薬剤を蓄える薬剤貯蔵部と、
    この薬剤貯蔵部から前記試料水中への前記薬剤の投入および投入量を制御する薬剤投入制御部と
    を備えていることを特徴とする水質管理システム。
  18. 請求項17に記載の水質管理システムにおいて、
    前記制御演算部は、前記所定期間の経過を待つ間にも前記所定期間よりも短い周期または連続的に、前記測定ユニットのそれぞれにおける前記光学的測定部による測定を行い、前記測定ユニットのいずれかにおいてそのときの測定結果と前回の前記洗浄後測定結果との違いが所定量以上の場合には、前記薬剤投入装置によって必要な量の前記薬剤を投入させることを特徴とする水質測定器。
  19. 試料水中に光を照射する発光素子と、この発光素子から前記試料水中を経てきた光を受光する受光素子とを有する光学的測定部と、
    前記発光素子および前記受光素子と前記試料水とを隔てるとともに、前記発光素子および前記受光素子と前記試料水との間で光は透過させるように設けられる少なくとも1カ所の光透過部と、
    この光透過部のうち前記試料水に接している面を洗浄する洗浄手段とを使用する水質管理方法であって、
    前記光透過部が前記試料水に接している状態で前記洗浄手段による洗浄を行うことなく所定期間の経過後に前記光学的測定部による測定を行う第1測定工程と、
    この第1測定工程の後に前記洗浄手段による洗浄を行う洗浄工程と、
    この洗浄工程の後に前記光学的測定部による測定を行う第2測定工程と、
    これらの第1測定工程および第2測定工程におけるそれぞれの測定結果の違いに基づいて前記所定期間中に前記試料水中から前記光透過部に付着した付着物の量を算出する演算工程と、
    この演算工程の演算結果に基づいて、前記試料水中の付着物発生を抑制する薬剤の投入および投入量を制御する薬剤投入制御工程と
    を備えることを特徴とする水質管理方法。
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