JP2007046842A - 空調システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 集中制御装置によって各空調機の手元操作が禁止された後、たとえ集中制御装置の電源遮断、集中制御装置の故障、集中制御装置と空調機との間の通信線切断といった異常が生じても、各空調機の手元操作の禁止を自動的に解除することができる空調システムを提供する。
【解決手段】 集中制御装置である集中管理コントローラ10で手元操作の禁止が設定されると、各空調機1のリモコン2による手元操作が所定時間だけ無効となる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、空調機の動作を遠隔制御する集中管理コントローラを備えた空調システムに関する。
従来、複数の空調機が設置されているビル等の建物では、各空調機にビル管理人室等に設置された集中管理コントローラ(集中制御装置、メインコントローラ等)が接続され、この集中管理コントローラにより各空調機の動作が遠隔制御される。
このような遠隔制御機能を有する空調システムでは、遠隔制御として、たとえば特定時間での運転停止制御(スケジュール運転)、設定温度の固定による省エネルギ運転制御、電力消費の上限を規制するためのデマンド制御などがある。これらの制御には、集中制御装置からの命令を優先し、空調機側のリモートコントロールユニットによる手元操作を無効にすること(手元操作禁止設定)が多い。たとえば、デマンド制御では、消費電力が過大になった場合や、過大になることが予想される場合に、運転中の空調機の設定温度を所定値まで低下(暖房時)または上昇(冷房時)させ、空調機の圧縮機の運転時間を減らしたり、能力を低下させたりする。
このようなデマンド制御においては、設定温度の変更を行なうことで電力消費の低減を図るため、空調機側のリモートコントロールユニットによる設定温度の変更は禁止(操作不能)される。そして、消費電流の低下など消費電流の変化がデマンド制御解除条件に合致した場合に、デマンド制御の解除が命令される。
また、集中管理コントローラに手元操作禁止/解除スイッチが設けられ、集中管理コントローラから手動で管理者などが強制的に手元操作禁止/解除を可能とする場合もある。そして、手元操作禁止の設定が行なわれた場合、集中管理コントローラ側で手元操作禁止の解除条件を満たした場合には手元操作禁止の解除の命令が空調機に送られる。
ところが、上記のような手元操作禁止の命令が集中管理コントローラから出される場合において、集中管理コントローラが何からの原因で故障や停止した場合、集中管理コントローラから手元操作禁止の解除命令が出されなくなるため、集中管理コントローラが復旧するまで空調機の操作が一切行なえなくなるという問題が生じる。
これに対し、集中管理コントローラの電源が遮断した場合に、その電源電圧降下を事前に検知して、集中管理コントローラから手元操作(ローカル制御)を可能とする命令を出し、その後で集中管理コントローラを停止するようにして、上記の問題を回避するシステムがある(例えば、特許文献1)。
特許3402802号公報
しかしながら、上記の例では、集中管理コントローラの電源遮断については対処できるが、集中管理コントローラの故障、集中管理コントローラと空調機との間の通信線切断といった異常には、対処できない。
この発明は、上記事情を考慮したもので、集中制御装置によって各空調機の手元操作が禁止された後、たとえ集中管理コントローラの電源遮断、集中管理コントローラの故障、集中管理コントローラと空調機との間の通信線切断といった異常が生じても、各空調機の手元操作の禁止を自動的に解除することができる空調システムを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明の空調システムは、手元操作用のリモートコントロールユニットを有する空調機と、この空調機の動作を遠隔制御する集中管理コントローラと、この集中管理コントローラに設けられ、リモートコントロールユニットによる手元操作の禁止を設定する設定手段と、空調機に設けられ、設定手段の設定に応じてリモートコントロールユニットによる手元操作を所定時間だけ無効にする制御手段と、を備えている。
この発明の空調システムによれば、集中管理コントローラによって空調機の手元操作が禁止された後、その禁止を所定時間後に自動的に解除するため、集中管理コントローラの故障、集中管理コントローラと空調機との間の通信線切断といった異常が発生した場合でもそれらの異常復旧を待つことなく手元操作が可能となる。
[1]以下、この発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、複数の空調機(エアコン)1が設置されている。これら空調機1は、運転モード、室内温度、風量、風向、運転時間などの設定が可能な手元操作用のリモートコントロールユニット(リモコンという)2を有している。そして、各空調機1の動作を遠隔制御するための集中管理コントローラ10が、各空調機1に接続されている。
これら集中管理コントローラ10および空調機1の制御回路を図2に示している。
集中管理コントローラ10には、各種制御条件を設定するための操作部(操作手段)11が付属して設けられている。そして、集中管理コントローラ10は、操作部11の操作内容を入力部12を介して制御部13に取込み、その制御部13の制御に応じた各種命令を送信部14から空調機1へ送信する。
制御部13は、主要な機能として、次の(1)(2)の手段を有している。
(1)各空調機1に対する遠隔制御が必要な状況において、リモコン2による手元操作の禁止を設定する設定手段。
(2)上記設定手段で禁止が設定されると、その禁止の継続時間T1を表わす時間データが付加された禁止命令を各空調機1に送信する禁止命令手段。
空調機1は、リモコン2の出力を入・出力部3を介して空調制御部4に取込むとともに、集中管理コントローラ10から送信される命令を受信部5で受信して制御部6に取込み、その制御部6の制御(タイマ手段7のタイムカウントを含む)に応じた制御指令を入・出力部3および空調制御部4に供給する。空調制御部4は、空調機1の冷暖房等の空調運転を制御する。
空調機1の制御部6は、主要な機能として、次の(11)〜(13)の手段を有している。
(11)集中管理コントローラ10から禁止命令を受信した場合にその禁止命令に付加されている時間データに応じた継続時間T1をタイマ手段7でカウントさせる制御手段。
(12)タイマ手段7のタイムカウント中、リモコン2から空調制御部4へのデータ供給を入・出力部3で遮断して、リモコン2による手元操作を無効にする無効手段。
(13)タイマ手段7のタイムカウント終了後、上記無効手段による手元操作の無効を解除(入・出力部3におけるデータ供給を許容)する解除手段。
つぎに、上記の構成の作用を図3のフローチャートを参照しながら説明する。図3では、集中管理コントローラ10の制御動作を示すフローチャートと空調機1の制御動作を示すフローチャートを対応付けて示している。
各空調機1に対する遠隔制御が必要な状況において、集中管理コントローラ10から禁止命令が送信される。禁止命令には、禁止の継続時間T1を表わす時間データが付加されている。
送信された禁止命令は空調機1で受信される。空調機1では、禁止命令に基づき、リモコン2による手元操作が禁止されるとともに、禁止命令に付加されている時間データに応じた継続時間T1がタイマ手段7にセットされてそのタイムカウントが開始される。
こうして、リモコン2による手元操作が禁止されることにより、リモコン2の操作が空調機1の運転に反映されることはなく、集中管理コントローラ10による各空調機1の動作の遠隔制御が確実に実行される。たとえば、特定時間での運転停止制御(スケジュール運転)、設定温度の固定による省エネルギ運転制御などが、確実に実行される。
継続時間T1のタイムカウントが終了すると、リモコン2による手元操作の無効が自動的に解除される。この解除により、空調機1の運転をリモコン2で操作することが可能となる。
したがって、集中管理コントローラ10によって各空調機1の手元操作が禁止された後、たとえ集中管理コントローラ10の電源遮断・故障、集中管理コントローラ10と空調機1との間の通信線切断といった異常が生じても、各空調機1のリモコン2による手元操作の禁止を空調機1の個々で自動的に解除することができる。この解除により、上記故障などが復旧するまで手元操作の禁止を解除できないといった不具合を解消することができる。
[2]第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、集中管理コントローラ10の操作部11により、リモコン2による手元操作の禁止およびその解除を設定することができる。
制御部13は、主要な機能として、次の(1)〜(3)の手段を有している。
(1)各空調機1に対する遠隔制御が必要な状況において、リモコン2による手元操作の禁止を設定する設定手段。
(2)上記設定手段あるいは操作部11で禁止が設定された場合、その禁止の継続時間T3を表わす時間データが付加された禁止命令を、各空調機1に一定時間T2ごとに繰り返し送信する禁止命令手段。なお、継続時間T3は、一定時間T2より長い。
(3)操作部11で解除が設定された場合に、解除命令を各空調機1に送信する解除命令手段。
制御部6は、主要な機能として、次の(11)〜(13)の手段を有している。
(11)集中管理コントローラ10から禁止命令を受信するごとに、その禁止命令に付加されている時間データに応じた継続時間T3をタイマ手段7でカウントさせる制御手段。
(12)タイマ手段7のカウント中、リモコン2から空調制御部4へのデータ供給を入・出力部3で遮断して、リモコン2による手元操作を無効にする無効手段。
(13)タイマ手段7のカウント終了後、または集中管理コントローラ10から解除命令を受信した場合に、上記無効手段による手元操作の無効を解除(入・出力部3におけるデータ供給の遮断を解除)する解除手段。
つぎに、作用を図4のフローチャートを参照しながら説明する。図4では、集中管理コントローラ10の制御動作を示すフローチャートと空調機1の制御動作を示すフローチャートを対応付けて示している。
各空調機1に対する遠隔制御が必要な状況になると、あるいは操作部11でリモコン2による手元操作の禁止が設定されると、禁止命令が集中管理コントローラ10から一定時間T2(例えば9分間)ごとに繰り返し送信される。禁止命令には、禁止の継続時間T3(例えば10分間)を表わす時間データが付加されている。
送信された禁止命令は空調機1で受信される。空調機1では、禁止命令の受信ごとに、リモコン2による手元操作が禁止され、かつ禁止命令に付加されている時間データに応じた継続時間T3がタイマ手段7にセットされてそのタイムカウントが開始される。
こうして、リモコン2による手元操作が禁止されることにより、リモコン2の操作が空調機1の運転に反映されることはなく、集中管理コントローラ10による各空調機1の動作の遠隔制御が確実に実行される。とくに、この手元操作の禁止は、禁止命令の受信が続く限り、延長される。したがって、電力消費の上限を規制するためのデマンド制御のように、制御の継続時間が定まらない遠隔制御が、確実に実行される。
禁止命令の受信がなくなって、かつ継続時間T3のタイムカウントが終了すると、リモコン2による手元操作の無効が自動的に解除される。この解除により、リモコン2の操作が空調機1の運転に反映されるようになる。
したがって、集中管理コントローラ10によって各空調機1の手元操作が禁止された後、たとえ集中管理コントローラ10の電源遮断、集中管理コントローラ10の故障、集中管理コントローラ10と空調機1との間の通信線切断といった異常が生じても、各空調機1のリモコン2による手元操作の禁止を空調機1の個々で自動的に解除することができる。
この解除により、上記異常の復旧まで手元操作の禁止を解除できないといった不具合を解消することができる。
また、集中管理コントローラ10の操作部11で解除が設定された場合は、解除命令が集中管理コントローラ10から送信される。
送信された解除命令は空調機1で受信される。空調機1では、解除命令に基づき、継続時間T3のタイムカウントにかかわらず(T3はクリア)、リモコン2による手元操作の無効が直ちに解除される。この解除により、リモコン2の操作が空調機1の運転に反映される。
[3]第3の実施形態を図5のフローチャートに示している。
禁止命令が集中管理コントローラ10から一定時間T2(たとえば9分間)ごとに繰り返し送信されるのは第2の実施形態と同じであるが、その禁止命令には禁止の継続時間T3(たとえば10分間)を表わす時間データが付加されていない。すなわち、この実施形態では禁止の継続時間T3のデータは、予め空調機1側に記憶されている。
他の構成、作用、および効果については、第2の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。ここで、第1の実施形態では手元操作の禁止時間をある程度長時間設定する必要があったが、第2、第3の実施形態においては、集中管理コントローラ10から禁止命令を短い所定期間(9分)ごとに送るようにしたため、途中に異常が発生した場合でも短期間、すなわち最長でT3(10分間)で手元操作が使用可能になるという効果がある。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
この発明の各実施形態の全体的な構成を示すブロック図。 各実施形態の制御回路の構成を示すブロック図。 第1の実施形態の作用を説明するためのフローチャート。 第2の実施形態の作用を説明するためのフローチャート。 第3の実施形態の作用を説明するためのフローチャート。
符号の説明
1…空調機、2…リモートコントロールユニット(リモコン)、3…入・出力部、4…空調制御部、5…受信部、6…制御部、7…タイマ手段、10…集中管理コントローラ(集中制御装置)、11…操作部、12…入力部、13…制御部、14…送信部

Claims (3)

  1. 手元操作用のリモートコントロールユニットを有する空調機と、この空調機の動作を遠隔制御する集中管理コントローラと、この集中管理コントローラに設けられ、前記リモートコントロールユニットによる手元操作の禁止を設定する設定手段と、前記空調機に設けられ、前記設定手段の設定に応じて前記リモートコントロールユニットによる手元操作を所定時間だけ無効にする制御手段と、を備えたことを特徴とする空調システム。
  2. 前記リモートコントロールユニットによる手元操作の禁止およびその解除を設定するための操作手段をさらに備え、
    前記集中管理コントローラは、前記設定手段または前記操作手段で禁止が設定された場合に、その禁止の継続時間を表わす時間データが付加された禁止命令を前記空調機に送信する禁止命令手段と、前記操作手段で解除が設定された場合に解除命令を前記空調機に送信する解除命令手段とを有している、
    前記空調機は、前記禁止命令を受信した場合にその禁止命令に付加されている時間データに応じた継続時間をカウントするタイマ手段と、このタイマ手段のタイムカウント中に前記リモートコントロールユニットによる手元操作を無効にする無効手段と、前記タイマ手段のタイムカウント終了後または前記解除命令を受信した場合に前記無効手段による手元操作の無効を解除する解除手段とを有している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記リモートコントロールユニットによる手元操作の禁止およびその解除を設定するための操作手段をさらに備え、
    前記集中管理コントローラは、前記設定手段または前記操作手段で禁止が設定された場合に、禁止命令を一定時間T2ごとに繰り返し前記空調機に送信する禁止命令手段と、前記操作手段で解除が設定された場合に解除命令を前記空調機に送信する解除命令手段とを有している、
    前記空調機は、前記禁止命令を受信するごとに前記一定時間T2より長い時間T3をカウントするタイマ手段と、このタイマ手段のタイムカウント中に前記リモートコントロールユニットによる手元操作を無効にする無効手段と、前記タイマ手段のタイムカウント終了後または前記解除命令を受信した場合に前記無効手段による手元操作の無効を解除する解除手段とを有している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
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